JP2001047552A - 金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた積層体 - Google Patents

金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた積層体

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JP2001047552A JP2000157604A JP2000157604A JP2001047552A JP 2001047552 A JP2001047552 A JP 2001047552A JP 2000157604 A JP2000157604 A JP 2000157604A JP 2000157604 A JP2000157604 A JP 2000157604A JP 2001047552 A JP2001047552 A JP 2001047552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたガスバリア性能を有し、金属薄膜と基材
との接着性に優れているために、金属化された反対の面
が接着性に優れているものの、金属薄膜が接着性に優れ
た反対の面に転写する、いわゆるピックオフと呼ばれる
欠点のない金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムを提
供すること。 【解決手段】アイソタクチックポリプロピレンからなる
基層の少なくとも片面に、結晶融解に伴う吸熱の主ピー
クが155〜163℃にあり、結晶融解熱量が20〜9
0J/gであるポリプロピレン系樹脂からなる表層が積
層され、該表層上に金属薄膜が積層され、該金属薄膜が
積層された反対の面の濡れ張力が37mN/m以上とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属化二軸配向ポ
リプロピレンフィルムに関し、さらに詳しくは、ガスバ
リア性能に優れ、金属薄膜と基材との接着性に優れてい
るために、金属化された反対の面の接着性に優れている
ものの、金属薄膜が接着性に優れた反対の面に転写す
る、いわゆるピックオフと呼ばれる欠点のない金属化二
軸配向ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリプロピレンフィルムは、優
れた防湿性、強度、透明性、表面光沢により、包装用フ
ィルムとして広範に用いられており、ディスプレー時に
金属光沢によって見栄えを良くし、また、ガスバリア性
能を向上させ、紫外線などの外部光線による内容物の変
質を抑える目的で、アルミニウムなどの金属を蒸着する
(金属化)ことも広く行われている。
【0003】しかし二軸配向ポリプロピレンフィルムの
表面は不活性であり、金属化の際の金属膜と基材フィル
ムとの接着性を向上させるために、コロナ放電処理や火
炎処理などの処理により表面を活性化することが一般に
行われている。
【0004】コロナ放電処理の効果を向上させる目的
で、米国特許4297187号公報には窒素と二酸化炭
素の混合ガス中でコロナ放電処理を行うことが開示され
ている。これらのコロナ放電処理の手法によれば、処理
強度を上げることで表面はより活性化され、金属膜と基
材フィルム表層との接着強度は向上するが、同時に基材
の劣化が生じ、基材フィルム表層部と基材フィルム内部
との剥離が生じやすく、接着強度の向上効果には限界が
あることが知られている。また、処理強度を上げすぎる
とブロッキングが生じやすくなることが知られている。
【0005】また米国特許4345005号公報には、
アイソタクチックポリプロピレン樹脂の基層の少なくと
も片面に共押出で形成された、約2%から約4%のエチ
レンを含むエチレン・プロピレン共重合樹脂層に、コロ
ナ放電処理し金属蒸着された金属化二軸配向ポリプロピ
レンフィルムの開示がある。さらに米国特許43573
83号公報には、基層上にエチレンと炭素量3〜6のα
−オレフィン0.25〜15重量%のランダム共重合体
層を形成した上に金属層を形成した複層金属化包装用フ
ィルムの開示がある。
【0006】また同様に、金属酸化物蒸着用二軸配向ポ
リプロピレン複合フィルムとして、特開平9−9492
9号公報には、蒸着を行うべき表層のポリオレフィン樹
脂の結晶融解熱量が30〜85J/gのものの開示があ
り、このための樹脂として、ポリプロピレン系共重合
体、シンジオタクチックポリプロピレン樹脂、エチレン
とα−オレフィンの共重合体、およびそれらの樹脂とア
イソタクチックホモポリプロピレンあるいはポリプロピ
レン共重合体のブレンド樹脂が挙げられている。さらに
は特開平6−67285号公報と、特開平6−1262
81号公報には、金属化を行うべき表層を、シンジオタ
クチックポリプロピレンか、シンジオタクチックポリプ
ロピレンとアイソタクチックポリプロピレンの混合樹脂
層とすることが開示されている。
【0007】これら表層樹脂のうち共重合樹脂を用いる
と、金属膜と表層樹脂との接着性が向上するが、共重合
樹脂は一般に融点が低いことから、製膜時に縦延伸ロー
ルに粘着するなどの製膜上の制約が大きく、粘着痕によ
る光沢の低下が問題となる。また融点が低いことによ
り、金属化を行った際に、金属の凝集熱や蒸発源からの
輻射熱により金属膜が白化しやすく、金属光沢が得られ
にくいという問題もあった。同様に表層がシンジオタク
チックポリプロピレンからなる場合、特開平7−890
22号公報に示されるように融解温度が低くなり、共重
合樹脂と同様に耐熱性に係わる問題を生じることが知ら
れている。
【0008】さらに、米国特許4419410号公報に
は、配向ポリプロピレンフィルムにおいて、高立体規則
性ポリプロピレンに比較的低立体規則性のポリプロピレ
ンが積層され、有機滑剤や静電防止剤の発現性を促進す
る技術の開示があるが、上記米国特許4345005号
公報や特公平8−18404号公報に示されるように、
これら添加剤のうち特に有機滑剤の添加は蒸着膜との接
着性を悪化させることが公知であり、該技術を金属化二
軸配向ポリプロピレンに適用することはできなかった。
【0009】また、米国特許4888237号公報に
は、キシレン溶解分が10重量%を越えないアイソタク
チックホモポリマーを少なくとも50重量%含む表層に
火炎処理が施され、その上に金属化されたフィルムの開
示がある。該アイソタクチックホモポリマーは実質的に
6%を越えないアタクチシティを有する通常のポリプロ
ピレンホモポリマーであり、6%〜15%のアタクチシ
ティを有するホモポリマーを含有する場合は50%まで
が好ましい旨の記載があり、この様なポリマーを用いる
ことで火炎処理との組み合わせで接着性が大きく改善さ
れることが開示されている。しかし、コロナ放電処理で
は接着性の改善効果が認められないとあり、簡便なコロ
ナ放電処理によっても接着性の改善できる表層樹脂はな
かった。
【0010】つぎに、上述の基材を用いた金属化二軸配
向ポリプロピレンフィルムの重要な特性の一つに、金属
化により酸素や水蒸気の透過性を下げ、包装材料の一部
に用いた際の酸素や水蒸気による内容物の変質を抑える
という、いわゆるガスバリア性能がある。ガスバリア性
能は、内容物である主として食品の保存性に大きく関与
するため、ますます高いガスバリア性能を有する金属化
二軸配向ポリプロピレンフィルムが求められつつある。
【0011】この金属化二軸配向ポリプロピレンフィル
ムの用途に、金属化された反対の面に、シールが必要な
部分に接着剤を塗布し製袋する、いわゆるコールドシー
ルと呼ばれる製袋方法と、ポリエチレンやポリプロピレ
ンを溶融押出して接合するか、未延伸のポリプロピレン
フィルムを接着剤によって接合し、これら接合した層に
よりヒートシールして製袋する用途がある。これらの場
合、金属化された反対の面の接着性が重要であり、この
ためには反対の面の濡れ張力が高ければ高いほど好まし
いが、濡れ張力を上げすぎると、金属化した後にフィル
ムをロール状に巻いた際、金属薄膜が裏面の易接着面に
転写するという、いわゆるピックオフと呼ばれる現象が
生じ、外観上好ましくないことはもちろん、ガスバリア
性能も大きく低下するという問題があった。このため、
金属化する反対の面に、エチレン−プロピレンブロック
共重合体層や、無機粒子を添加した層を積層し、表面を
大きく粗すことでピックオフを低減することが行われて
きた。しかしこれら手法によっても、裏面の濡れ張力を
上げすぎると、ピックオフの問題が発生するという問題
が残っていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は達成できなかった、ガスバリア性能に優れ、金属薄膜
と基材との接着性に優れているために、金属化された反
対の面が接着性に優れているものの、金属薄膜が接着性
に優れた反対の面に転写する、いわゆるピックオフと呼
ばれる欠点のない金属化二軸配向ポリプロピレンフィル
ムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、アイソタクチックポリプロピレンから
なる基層の少なくとも片面に、結晶融解に伴う吸熱の主
ピークが155〜163℃にあり、結晶融解熱量が20
〜90J/gであるポリプロピレン系樹脂からなる表層
が積層され、該表層上に金属薄膜が積層され、該金属薄
膜が積層された反対の面の濡れ張力が37mN/m以上
であることを特徴とする金属化二軸配向ポリプロピレン
フィルムを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の基層を形成する樹脂は、
結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂である。
該アイソタクチックポリプロピレン樹脂のメソペンタッ
ド分率は88%〜99%が好ましい。メソペンタッド分
率とは、アイソタクチック立体構造の全体に占める割合
であり、13C−NMRで測定される。メソペンタッド分
率が88%未満であると、二軸配向ポリプロピレンフィ
ルムの剛性が低くなり、加工性に劣る場合がある。より
好ましくはメソペンタッド分率は90%以上である。一
方メソペンタッド分率が99%を越えるとフィルムの製
膜性が悪くなり生産性が悪化する。より好ましくは98
%以下である。
【0015】また基層のアイソタクチックポリプロピレ
ン樹脂のアイソタクチック度は85%〜98%であるこ
とが好ましい。アイソタクチック度とは沸騰n−ヘプタ
ンで抽出した際の非溶解分の重量割合である。アイソタ
クチック度が85%未満であると、キシレンやn−ヘキ
サンなどの溶媒による溶出分が多くなりすぎ、包装用フ
ィルムとして不適となる場合がある。基層のアイソタク
チックポリプロピレン樹脂のアイソタクチック度は88
%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
一方アイソタクチック度が98%を越えるとやはり製膜
性に問題が生じ、より好ましくは96%以下である。ま
た、該ポリプロピレン樹脂のメルトフローインデックス
(MFI)は、1〜10g/10分であることが、製膜
性の観点から好ましく、2.5〜6g/10分がより好
ましい。
【0016】該基層の樹脂としてはアイソタクチックポ
リプロピレン樹脂単独が好ましいが、該基層に目的に応
じポリプロピレン系共重合樹脂などが積層される場合が
あり、これら共重合樹脂が該基層に回収される場合、特
性上許される範囲で他の共重合樹脂が含有されても良
い。
【0017】該基層の少なくとも片面に積層される表層
樹脂は、結晶融解に伴う吸熱の主ピークが155〜16
3℃にあり、結晶融解熱量が20〜90J/gであるポ
リプロピレン系樹脂である。
【0018】本発明の重要なポイントとして、表層のポ
リプロピレン系樹脂の結晶融解に伴う吸熱のピーク温度
が比較的高いことが挙げられ、本発明の表層のポリプロ
ピレン系樹脂の結晶融解に伴う吸熱の主ピークが155
〜163℃にあることが重要である。この場合の主ピー
クとは、単一の吸熱ピークのみ観察される場合はその単
一ピークそのものを、複数の樹脂を混合して表層に用い
る場合で複数の結晶融解のピークが存在する場合は、ピ
ーク面積が最大のものを指す。結晶融解に伴う吸熱のピ
ーク温度の上限は、ポリプロピレン固有の特性値として
規定されるが、結晶融解に伴うピーク温度の下限は、金
属化二軸配向ポリプロピレンフィルムの耐熱性に大きく
影響し、結晶融解に伴う主ピーク温度が155℃未満で
あると、従来技術のごとき加工時の耐熱性に問題が生じ
る場合がある。主ピーク温度が163℃を越えると金属
化層の接着性やガスバリア性能が悪化することがある。
本発明の表層のポリプロピレン系樹脂の結晶融解に伴う
吸熱の主ピークは、157〜162℃にあることがより
好ましく、158〜162℃にあることがさらに好まし
い。副ピークが155℃未満に観察される場合は、その
ピークの面積すなわち結晶融解熱量が、全ピークの面積
すなわち結晶融解熱量の和の1/3未満であることが好
ましい。該155℃未満のピークの結晶融解熱量の和が
全結晶融解熱量の和の1/3以上になると、金属化層が
反対面とブロッキングを起こし、ピックオフを起こす問
題が生じる場合がある。
【0019】さらに、本発明の表層のポリプロピレン系
樹脂の結晶融解に伴う吸熱のすべてのピークが100〜
163℃にあることが、製膜性と、金属化時の耐熱性の
ために好ましい。
【0020】本発明の表層のポリプロピレン系樹脂の結
晶融解熱量は、20〜90J/gであることが必要であ
る。ここに結晶融解熱量とは、結晶融解に伴う吸熱ピー
クのピーク面積であって、吸熱ピークが複数ある場合に
は全ピークのピーク面積の総和を意味するものであり、
以下に結晶融解熱量の和と言うことがある。通常のアイ
ソタクチックポリプロピレン樹脂の結晶融解熱量が10
0J/g以上であるのに対し、本願発明の表層樹脂とし
て使用するポリプロピレン系樹脂の結晶融解熱量は小さ
いことがポイントである。結晶融解熱量が90J/gを
越えると、金属膜との接着性に劣り、ガスバリア性能も
劣る。結晶融解熱量が20J/g未満であると加工時の
耐熱性に劣る。本発明の表層のポリプロピレン系樹脂の
結晶融解熱量は30〜85J/gが好ましく、40〜8
5J/gがより好ましい。
【0021】表層のポリプロピレン系樹脂の結晶融解に
伴う吸熱の主ピークと結晶融解熱量を本発明の範囲とす
るには、樹脂の選定が重要である。従来技術のごときポ
リプロピレン系共重合樹脂単独では、例えばエチレン・
プロピレン・ランダム共重合体においては、エチレン共
重合量と共に結晶融解熱量が低下する。しかし同時に融
解温度も急激に低下するため、本発明の範囲とすること
は困難である。しかし重合の条件によっては達成可能で
あり、ポリプロピレン系共重合樹脂単独を本発明の範囲
から排除するものではない。
【0022】さらに本発明において、表層樹脂として好
適なものは、メソペンタッド分率が60〜88%である
アイソタクチックポリプロピレン樹脂を主体としたもの
である。メソペンタッド分率60〜88%であるアイソ
タクチックポリプロピレン樹脂に、結晶融解に伴う吸熱
のピークが100〜163℃にあるポリプロピレン系共
重合樹脂が重量割合で1/3を上限に混合されたものも
好ましく使用できる。本発明において、さらに好ましい
表層樹脂としては、メソペンタッド分率が60〜88%
であるアイソタクチックポリプロピレン樹脂と結晶融解
に伴う吸熱のピークが100〜163℃にあるポリプロ
ピレン系共重合樹脂の混合物である。かかる樹脂を製造
するための方法としては、通常のチーグラーナッタ系触
媒で外部ドナーの選定と外部ドナーの減量、特定のメソ
ペンタッド分率を制御するための生産管理技術も重要で
ある。
【0023】メソペンタッド分率が60%未満では、樹
脂のゴム成分が増大するためか、表層の光沢が得られ
ず、また加工時の耐熱性に劣ることでガスバリア性能が
悪化する場合がある。一方、金属膜との接着性の観点か
らメソペンタッド分率は88%以下が好ましい。本発明
の表層樹脂のアイソタクチックポリプロピレンのメソペ
ンタッド分率は65〜85%がより好ましく、68〜8
3%が最も好ましい。メソペンタッド分率をかかる値と
するには、本発明のメソペンタッド分率を有するアイソ
タクチックポリプロピレンを選定するか、異なったメソ
ペンタッド分率の2種以上のアイソタクチックポリプロ
ピレン樹脂を混合することで達成できる。
【0024】また、アイソタクチックポリプロピレンの
分子量分布Mw/Mnは、2〜6の範囲が製膜性と耐溶
剤性のために好ましく、2.3〜5がより好ましく、
2.4〜4が最も好ましい。
【0025】本発明の表層樹脂として用いるポリプロピ
レン系樹脂のメルトフローインデックス(MFI)は1
〜20g/10分であることが、基層との積層性のため
好ましい。
【0026】本発明の表層の厚みは0.25μm以上で
あり、かつ基層の厚みの半分以下であることが好まし
い。表層の厚みが0.25μm未満であると膜切れなど
により均一な積層が困難となり、金属薄膜と基材との接
着性に劣る場合があり、ガスバリア性能も劣る場合があ
る。一方、基層の厚みの半分を超えると、機械特性に及
ぼす表層の寄与が大きくなり、ヤング率の低下を引き起
こし、金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムが張力に
対して伸びやすくなり、加工性に劣る場合がある。本発
明の金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムの縦方向の
ヤング率は1.3GPa以上が好ましく、1.5GPa
以上がより好ましい。
【0027】本発明の表層樹脂には、脂肪酸アミドなど
の有機滑剤は添加しない方が金属膜の接着性のために好
適であるが、滑り性を付与し作業性や巻き取り性を向上
させるために、有機架橋性粒子や無機粒子を少量添加す
ることは許容される。このための有機架橋性粒子には、
架橋シリコーンや架橋ポリメチルメタクリレート粒子な
どが挙げられ、無機粒子にはゼオライトや炭酸カルシウ
ム、酸化ケイ素、リン酸カルシウムなどを例示すること
ができる。
【0028】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムの表層の表面粗さは特に限定されないが、中心線
表面粗さ(Ra)として、0.03〜0.3μmが好ま
しく、より好ましくは0.05〜0.2μmである。滑
り性、巻き取り性の観点から、Raが小さすぎないこと
が好ましく、光沢性の観点からRaが大きすぎないこと
が好ましい。
【0029】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムの表面光沢は135%以上が金属光沢の麗美性の
ために好ましく、より好ましくは138%以上である。
【0030】また本発明の表層樹脂には、極性基を実質
的に含まない石油樹脂および極性基を実質的に含まない
テルペン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を
表層樹脂100重量部に対し20重量部を上限に添加す
ることは、金属膜との接着性をさらに強固にすることが
でき、より好ましい。20重量部を越えて添加した場合
は、滑り性が悪くなり、ブロッキングなどの問題を生じ
る場合がある。
【0031】極性基を実質的に含まない石油樹脂とは、
水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、ス
ルホン酸基(−SO3Y、YはH、Naなど)など、お
よびそれらの変成体などからなる極性基を有さない石油
樹脂、すなわち石油系不飽和炭化水素を直接原料とする
シクロペンタジエン系、あるいは高級オレフィン系炭化
水素を主原料とする樹脂である。本発明において表層樹
脂にこれら樹脂を添加する場合は、耐熱性を低下させな
いために、添加する樹脂の示差熱量分析計にて測定した
ガラス転移温度は50℃以上、さらには76℃以上のも
のが好ましい。
【0032】また、該石油樹脂に水素を付加させ、その
水添率を80%以上、さらには95%以上とした水添石
油樹脂が特に好ましい。さらに、表層のポリプロピレン
系樹脂との相溶性の観点から、該石油樹脂は非晶性(す
なわち示差熱量分析計にて該石油樹脂を測定したときに
実質的に結晶融解が観測されない)が好ましく、また数
平均分子量は1000以下が好ましい。
【0033】極性基を実質的に含まないテルペン樹脂と
は、水酸基(−OH)、アルデヒド基(−CHO)、ケ
トン基(−CO−)、カルボキシル基(−COOH)、
ハロゲン基、スルホン酸基(−SO3Y、YはH、Na
など)など、およびそれらの変成体などからなる極性基
を有さないテルペン樹脂、すなわち(C58nの組成
の炭化水素およびそれから導かれる変成化合物である。
なお、nは2〜20程度の自然数である。テルペン樹脂
のことを別称してテルペノイドと呼ぶこともある。代表
的な化合物名としては、ピネン、ジペンテン、カレン、
ミルセン、オシメン、リモネン、テルビノレン、テルピ
ネン、サビネン、トリシクレン、ビサボレン、ジンギペ
レン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレン、な
どがあり、その水添率を80%以上、さらには90%以
上とするのが好ましく、特に水添βピネン、水添ジペン
テンなどが好ましい。
【0034】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは、基層の少なくとも片面に上述の表層樹脂が積
層されるが、反対の面には必要に応じ、第3の層が積層
されても良い。本発明のピックオフを更に低減する目的
で、第3の層の樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂に
有機架橋粒子や無機粒子が添加されたものや、エチレン
−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン
ブロック共重合体と高密度ポリエチレンの混合物などを
例示することができる。
【0035】また、金属薄膜が積層された反対の面の表
面粗さRaは0.2μm以上となることが好ましく、
0.3μm以上であることがより好ましい。また、Ra
は0.7μm以下であることが、金属化面に表面形状が
転写することによる金属光沢の阻害を防ぐ意味でより好
ましい。
【0036】これら金属薄膜が積層された反対の面は、
コロナ放電処理などで活性化されることが接着性のため
に重要である。このための濡れ張力として37mN/m
以上が必要であり、38mN/m以上がより好ましい。
また、濡れ張力は52mN/m以下であることが好まし
い。濡れ張力が52mN/mを越えると、ロール状にフ
ィルムを巻いた際、ブロッキングによりフィルム同志が
剥がれにくくなり各種のトラブルを誘導することがあ
る。この濡れ張力を得るための方法としては特に限定さ
れないが、炭酸ガスと窒素、あるいは窒素単独の雰囲気
下でのコロナ放電処理や火炎処理などが例示される。
【0037】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは、アルミニウム、銀、クロム、亜鉛などの金属
薄膜が該表層上に積層されることで形成される。積層の
方法としては通常の蒸着やスパッタリング、イオンプレ
ーティングなどが適用されるが、経済性と生産性の点で
蒸着による積層がより好ましい。金属の種類としては、
経済性、ガスバリア性能の点からアルミニウムおよび/
または酸化アルミニウムが好ましい。
【0038】金属薄膜の積層厚みは、光学濃度1.6以
上積層されることが好ましい。光学濃度とは、金属化フ
ィルムの光線透過率により−log(光線透過率)で計
算される値であり、光学濃度が高いほど金属膜厚が大き
くなる。本発明においては、1.6以上の光学濃度であ
ることが、高度なガスバリア性能を発現するために好ま
しい。さらに好ましくは1.8以上である。光学濃度の
上限は特に設けないが、経済性、生産性の点から2.8
未満がより好ましい。
【0039】また、酸化アルミニウム薄膜を積層する方
法としては、真空蒸着装置内で、アルミニウム金属を蒸
着させ、蒸着箇所に酸素ガスを供給し、アルミニウムを
不完全酸化させながらフィルム表面に凝集堆積させる。
【0040】表層と金属薄膜の接着力は、0.3N/c
m以上が好ましい。0.3N/cm未満であると、加工
の工程で金属薄膜が剥がれやすく、また包装材料として
用いた際、金属薄膜が基材と剥離しやすく、使用上の制
限が大きくなる場合がある。より好ましくは表層と金属
薄膜の接着力は0.5N/cm以上であり、さらに好ま
しくは0.7N/cm以上である。
【0041】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムのガスバリア性能は、酸素透過率として200m
l/m2.d.MPa以下が好ましく、100ml/
2.d.MPa以下がより好ましい。水蒸気透過率は
4g/m2.d以下が好ましく、2g/m2.d以下がよ
り好ましい。
【0042】また、押出ラミネートなどの加工後のガス
バリア性能としても、これら金属化二軸配向ポリプロピ
レンフィルムのガスバリア性能を保持することが好まし
く、酸素透過率として200ml/m2.d.MPa、
水蒸気透過率は4g/m2.d以下が好ましい。
【0043】以下に本発明の金属化二軸配向ポリプロピ
レンフィルムを用いた積層体の構成を示すが、これは例
であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは、印刷が施された熱可塑性フィルムと本発明の
フィルムの金属化面が接着剤で接合され、金属化された
面と反対の面の易接着化面に、シールが必要な箇所にコ
ールドシール剤が塗布されて使用される。また印刷が施
された熱可塑性フィルムの代わりに、印刷が施された紙
が用いられることもある。
【0045】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは、印刷が施された熱可塑性フィルム、あるいは
印刷が施された紙と金属化面が接着剤、あるいは溶融押
出されたポリエチレン系樹脂で接合され、金属化された
面と反対の面にポリプロピレン、あるいはポリエチレン
が溶融押出されて積層される。溶融押出されたポリプロ
ピレン、あるいはポリエチレンがヒートシール層として
用いられる。
【0046】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは、金属化面に直接印刷が施され、その上に必要
に応じ印刷の保護のための透明な印刷が施され、金属化
された面と反対の面にポリプロピレン、あるいはポリエ
チレンが溶融押出されて積層される。溶融押出されたポ
リプロピレン、あるいはポリエチレンがヒートシール層
として用いられる。
【0047】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは、印刷が施された熱可塑性フィルムと金属化面
が溶融押出されたポリエチレン系樹脂で接合され、金属
化された面と反対の面に接着剤で未延伸のポリプロピレ
ン系フィルムが接合され、未延伸のポリプロピレン系フ
ィルムがヒートシール層として用いられる。
【0048】該熱可塑性フィルムとは特に限定されない
が、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルムなどであり、
ガスバリア性の点で、これらは二軸配向フィルムである
ことが好ましい。
【0049】また、本発明の金属化二軸配向ポリプロピ
レンフィルムの金属化面および反対面に積層される他の
フィルムの積層厚みは、後の二次加工性から100μm
以下であることが好ましい。
【0050】以下に、本発明の金属化二軸配向ポリプロ
ピレンフィルムの製造方法の一例について説明するが、
本発明は下記製造方法により制約を受けるものではな
い。
【0051】本発明の基層のアイソタクチックポリプロ
ピレン樹脂および表層のポリプロピレン系樹脂を準備
し、これらを別々の押出機に供給して230〜290℃
の温度で融解させ、濾過フィルターを経た後、短管ある
いは口金内で合流せしめ、目的とするそれぞれの積層厚
みでスリット状口金から押し出し、金属ドラムに巻き付
けてシート状に冷却固化せしめ、未延伸積層フィルムと
する。この場合、冷却用ドラムの温度は30〜60℃と
し、フィルムを結晶化させることが好ましい。
【0052】この未延伸積層フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法は、逐次二軸延伸法、または
同時二軸延伸法を用いることができる。逐次二軸延伸法
の場合、未延伸フィルムを115〜145℃の温度に加
熱し、長手方向に4〜7倍に延伸した後、冷却し、次い
でテンター式延伸機に導入し140〜170℃で幅方向
に7〜11倍に延伸した後、155〜170℃で弛緩熱
処理し冷却する。引き続き両面を空気、あるいは炭酸ガ
スと窒素雰囲気下等でコロナ放電処理した後、巻き取
る。このフィルムを連続式蒸着機に装填し、表層樹脂側
にアルミニウムなどを蒸着して、本発明の金属化二軸配
向ポリプロピレンフィルムとする。
【0053】[特性値の測定法]本発明の特性値は以下
の方法で測定した。
【0054】(1)アイソタクチック度(%) 樹脂を60℃以下の温度のn−ヘプタンで2時間抽出
し、ポリプロピレンへの添加物を除去する。その後13
0℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(mg)の
試料を取り、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタ
ンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出し、ア
セトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真空乾燥
し、その後常温まで冷却し、重量W’(mg)を測定
し、次式で求めた。 アイソタクチック度=(W’/W)×100(%)。
【0055】(2)メルトフローインデックス(MF
I:g/10分) ASTM−D−1238に準じて、230℃、2.16
kgの条件で測定した。
【0056】(3)結晶融解吸熱のピーク温度(℃)と
結晶融解熱量(J/g) Seiko Instruments社製熱分析装置R
DC220型に、5mgの表層樹脂をアルミニウムパン
に封入して装填し、20℃/分の速度で昇温し、結晶融
解吸熱のピーク温度を求めた。また、吸熱ピークの面積
により、同社製熱分析システムSSC5200の内蔵プ
ログラムを用い、結晶融解熱量を算出した。吸熱ピーク
が複数の場合は、それぞれの結晶融解熱量を算出した。
【0057】(4)メソペンタッド分率(%) 基材樹脂、あるいは表層樹脂をo−ジクロロベンゼン−
D6に溶解させ、JEOL製JNM−GX270装置を
用い、共鳴周波数67.93MHzで13C−NMRを測
定した。得られたスペクトルの帰属、およびメソペンタ
ッド分率の計算については、T.Hayashiらが行
った方法(Polymer、29、138〜143(1
988))に基づき、メチル基由来のスペクトルについ
て、mmmmmmピークを21.855ppmとして各
ピークの帰属を行い、ピーク面積を求めてメチル基由来
全ピーク面積に対する比率を百分率で表示した。詳細な
測定条件は以下のとおりである。 測定濃度:15〜20wt% 測定溶媒:o−ジクロロベンゼン(90wt%)/ベン
ゼン−D6(10wt%) 測定温度:120〜130℃ 共鳴周波数:67.93MHz パルス幅:10μ秒(45°パルス) パルス繰り返し時間:7.091秒 データ点:32K 積算回数:8168 測定モード:ノイズデカップリング。
【0058】(5)光学濃度 Macbeth社製光学濃度計(TR927)を用いて
測定した。
【0059】(6)濡れ張力(mN/m) JIS K6782法で求めた。
【0060】(7)表面粗さRa (株)小坂研究所製の高精度薄膜段差計ET−10を用
い、測定長1mm、カットオフ0.08mmの条件でJ
IS B0601に従い求めた。
【0061】(8)ピックオフ 金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムを目視で観察
し、1インチ×1インチの面積中の金属薄膜の微細な抜
けの個数で以下のとおり判定した。 ○:0〜1個 △:1〜5個 ×:5個以上。
【0062】(9)酸素透過率(ml/m2.d.MP
a) 金属化を行った面に、ポリプロピレン製の粘着フィルム
(3M社製、Scotchmark、40μm厚み)を
貼り付け、Modern Controls社製、酸素
透過率測定装置Oxtran2/20を用い、73°F
(22.8℃)、0%RHの条件で測定した。
【0063】(10)裏面接着性 金属化を行った裏面に新田ゼラチン製コールドシール剤
“ニップウェルドCSX−014”をグラビアコーター
で3g/m2(ドライ)塗布し、塗布面同志を合わせ
0.5MPaの圧力で1秒間貼り合わせた。シール強度
を引っ張り試験機で評価し、以下の判定を行った。 ○:2.5N/cm以上 ×:2.5N/cm未満。
【0064】(11)表層厚み、金属層厚み、積層厚み 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてフィルム断面構成
観察を行い、表層厚み、金属層厚み、積層厚みを測定し
た。
【0065】(12)水蒸気透過率 金属化を行った面に、ポリプロピレン製の粘着フィルム
(3M社製、Scotchmark、40μm厚み)を
貼り付け、Modern Controls社製の水蒸
気透過率測定装置PERMATRAN−W3/30を用
い、温度100°F(37.8℃)、湿度100%RH
の条件で測定した。
【0066】(13)表層と金属層との接着力 表層と金属層との接着強度は、金属層面に20μmの二
軸延伸ポリプロピレンフィルムをポリウレタン系接着剤
を用いて張り合わせ、40℃で48時間放置後、15m
m幅の短冊状に切断して、東洋ボールドウィン社製のテ
ンシロンを用いて、剥離速度100mm/minで、9
0°剥離を行い、その時の強度を接着力とした。
【0067】(14)フィルムのヤング率 ロール状に巻かれたフィルムを10mm幅の短冊状に切
断して、測定長を50mmとしてテンシロン(東洋測器
製)に装着し、引張速度20mm/min、チャート速
度500m/minで立ち上がり曲線をチャート紙に記
録させる。チャート紙の基点から立ち上がり曲線に接線
を引いた後、基点より25mmの点で垂線を引き、接線
と垂線の交点を強力として読み取る。そして、ヤング率
(GPa)を次式 ヤング率(GPa)=[強力(kg)×試長(mm)×
チャート速度(mm/min)]÷[引張速度(mm/
min)×25mm×フィルム厚み(mm)×フィルム
幅(mm)]×9.807×10−3 により算出する。
【0068】(15)金属蒸着フィルムの表面光沢 金属蒸着用ポリプロピレンフィルムを連続式真空蒸着装
置に装填し、電子ビーム加熱方式の蒸発源からアルミニ
ウムを蒸発させ、フィルムを連続的に走行させながら、
Macbeth社製光学濃度計(TR927)を用いて
測定した光学濃度(−log(光線透過率))が1.6
以上でアルミニウムを蒸着した。この金属蒸着ポリプロ
ピレンフィルムの金属蒸着面を上記JIS Z8741
に基づき測定し、表面光沢(%)を求めた。
【0069】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0070】実施例1 本発明の基層の樹脂として、アイソタクチックポリプロ
ピレン(アイソタクチック度:96%、MFI:2.5
g/10分、メソペンタッド分率:92%)のものを準
備し、表層樹脂として、アイソタクチックポリプロピレ
ン(アイソタクチック度:86%、MFI:2.8g/
10分、メソペンタッド分率:74%、結晶融解に伴う
吸熱のピーク温度:161℃、結晶融解熱量:77J/
g)80重量%とエチレン共重合量4.8重量%のエチ
レン・プロピレン・ランダム共重合体(r−EPC)
(結晶融解に伴う吸熱のピーク温度:146℃、結晶融
解熱量:73J/g)20重量%の混合物をそれぞれ別
々の押出機に供給し、270℃で溶融押出し、濾過フィ
ルターを経た後、短管内で表層/基層となるように合流
せしめ、スリット状口金から押し出し、40℃に加熱し
た金属ドラムに巻き付けてシート状に成形した。
【0071】このシートを135℃の温度に加熱し、長
手方向に5倍に延伸して冷却後、引き続きテンター式延
伸機に導き、165℃で加熱し、幅方向に9倍延伸後、
165℃の温度で幅方向に10%の弛緩を与えつつ熱処
理して冷却した。さらに表層樹脂側を大気中で、裏面を
窒素体積80%と炭酸ガス体積20%の混合雰囲気でそ
れぞれコロナ放電処理を15W・分/m2の処理強度で
実施し巻き取った。フィルムの厚みは、表層/基層:1
μm/19μmとした。
【0072】得られた二軸配向ポリプロピレンフィルム
の表層側に、連続蒸着機でアルミニウムを光学濃度2.
1で蒸着し、金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムと
した。なお表層樹脂の結晶融解に伴う吸熱の主ピーク温
度は161℃であり、結晶融解熱量の和は76J/gで
あった。また裏面の濡れ張力は39mN/mであった。
【0073】実施例2 表層樹脂を、メソペンタッド分率74%、結晶融解に伴
う吸熱ピーク温度161℃、結晶融解熱量の和77J/
gのアイソタクチックポリプロピレンとした以外は、実
施例1と同じ条件で製膜し、蒸着後評価した。
【0074】実施例3 実施例2に用いたアイソタクチックポリプロピレン樹脂
100重量部に対し、石油樹脂(トーネックス社製エス
コレッツ5320HC)を10重量部添加したものを表
層樹脂とした以外は、実施例1と同様に製膜し、蒸着し
たものを実施例3とした。
【0075】実施例4 実施例1と同じ基層樹脂と表層樹脂を用い、表層と反対
側にエチレン共重合量15重量%のエチレン・プロピレ
ン・ブロック共重合体を積層し、実施例1と同一条件で
製膜し、表層/基層/裏面層:1μm/17μm/2μ
mの積層構成に蒸着したものを実施例4とした。裏面の
Raは0.25μmとなった。
【0076】実施例5 裏面のコロナ放電処理強度を25W・分/m2とした以
外は、実施例1と同じ条件で製膜と蒸着を行ったものを
実施例5とした。裏面の濡れ張力は45mN/mとなっ
た。
【0077】実施例6 裏面のコロナ放電処理強度を25W・分/m2とした以
外は、実施例3と同じ条件で製膜と蒸着を行ったものを
実施例6とした。
【0078】実施例7 裏面のコロナ放電処理強度を25W分/m2とした以外
は、実施例4と同じ条件で製膜と蒸着を行ったものを実
施例7とした。
【0079】実施例8 本発明の基層の樹脂として、アイソタクチックポリプロ
ピレン(アイソタクチック度:98%、MFI:3.5
g/10分、メソペンタッド分率:98%)のものを準
備し、表層樹脂として、アイソタクチックポリプロピレ
ン(アイソタクチック度:90%、MFI:3.8g/
10分、メソペンタッド分率:84%、結晶融解に伴う
吸熱のピーク温度:162℃、結晶融解熱量:87J/
g)70重量%、エチレン共重合量2.8重量%、ブテ
ン共重合量15重量%のエチレン・プロピレン・ブテン
・ランダム共重合体(EPBC)(結晶融解に伴う吸熱
のピーク温度:135℃、結晶融解熱量:43J/g)
10重量%、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
(結晶融解に伴う吸熱のピーク温度123℃、結晶融解
熱量17J/g)20重量%の混合物をそれぞれ別々の
押出機に供給し、260℃で溶融押出し、濾過フィルタ
ーを経た後、短管内で表層/基層となるように合流せし
め、スリット状口金から押し出し、30℃に加熱した金
属ドラムに巻き付けてシート状に成形した。
【0080】このシートを130℃の温度に加熱し、長
手方向に5倍に延伸して冷却後、引き続きテンター式延
伸機に導き、160℃で加熱し、幅方向に9倍延伸後、
165℃の温度で幅方向に10%の弛緩を与えつつ熱処
理して冷却した。さらに表層樹脂側を大気中で、裏面を
窒素体積80%と炭酸ガス体積20%の混合雰囲気でそ
れぞれコロナ放電処理を15W・分/m2の処理強度で
実施し巻き取った。フィルムの厚みは、表層/基層:1
μm/19μmとした。
【0081】得られた二軸配向ポリプロピレンフィルム
の表層側に、連続蒸着機でアルミニウムを加熱溶融させ
て蒸発させ、蒸発箇所に少量の酸素ガスを供給し、アル
ミニウムを不完全酸化させながらフィルム表面に凝集堆
積させ、酸化アルミニウム蒸着膜を付設し、金属化二軸
配向ポリプロピレンフィルムとした。なお表層樹脂の結
晶融解に伴う吸熱のピークは123℃、135℃、16
2℃が測定され、主ピーク温度は162℃であり、結晶
融解熱量の和は68J/gであり、主ピークの割合は全
体の2/3以上であった。また裏面の濡れ張力は39m
N/mであった。
【0082】比較例1 表層の樹脂を基材樹脂と同じものを用い、実施例1と同
じ条件で製膜、蒸着したものを比較例1とした。
【0083】比較例2 裏面のコロナ放電処理を大気中10W分/m2とした以
外は、実施例1と同じ条件で製膜、蒸着したものを比較
例2とした。
【0084】比較例3、4 比較例3として、表層樹脂組成を、直鎖状低密度ポリエ
チレン(結晶融解に伴う吸熱のピーク温度:123℃、
結晶融解熱量:17J/g)とし、比較例4として、エ
チレン共重合量4.8重量%のエチレン・プロピレン・
ランダム共重合体(結晶融解に伴う吸熱のピーク温度:
146℃、結晶融解熱量:73J/g)90重量%とア
イソタクチックポリプロピレン(アイソタクチック度:
86%、MFI:2.8g/10分、メソペンタッド分
率:74%、結晶融解に伴う吸熱のピーク温度:161
℃、結晶融解熱量:77J/g)10重量%の混合物と
した以外は、実施例1と同じ条件で製膜して蒸着し、金
属化二軸配向ポリプロピレンフィルムとした。表層樹脂
の結晶融解に伴う吸熱の主ピーク温度は146℃であ
り、結晶融解熱量は73J/gであった。
【0085】表1に、これら金属化二軸配向ポリプロピ
レンフィルムの特性を示した。表1に示すように、本発
明の金属化二軸配向ポリプロピレンフィルムは、裏面の
濡れ張力が高く接着性に優れるものの、ピックオフが軽
微で外観に優れ、フィルム表層と金属蒸着層との接着性
に優れ、ガスバリア性能も優れるという特長を有する。
裏面の濡れ張力を高くする場合には金属化面のピックオ
フが発生しやすくなるため、実施例6の如く表層に石油
樹脂を添加したり、実施例7の如く裏面のRaを大きく
することが有効である。
【0086】比較例1で示すように、表層の結晶融解熱
量が大きい場合は、表層と金属蒸着層との接着直力が低
く、裏面の濡れ張力を大きくした場合、ピックオフが発
生し、ガスバリア性能も大きく低下するものとなった。
比較例2で示すように、裏面の濡れ張力が小さいもの
は、ピックオフは発生せず、ガスバリア性能も優れたも
のであるが、他の素材と接合させる際に接着力が不足で
あった。また、比較例3に示すように、表層の結晶融解
に伴う吸熱のピーク温度が低く、結晶融解熱量も低いと
製膜時の縦延伸ロールへの粘着がおこり、さらに蒸着加
工後にピックオフが発生し、ガスバリア性能も大きく低
下するものとなった。比較例4では、結晶融解に伴う吸
熱の主ピーク温度が146℃と低くいために裏面の濡れ
張力を大きくした場合、ピックオフが発生し、ガスバリ
ア性能も大きく低下するものとなった。
【0087】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムは金属薄膜層との接着が高く、また金属薄膜を積
層した反対の面は、かかる優れた接着性を有しているた
めに、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、接
着剤を用いて裏面同志を接合させるいわゆるコールドシ
ールの用途や、接着剤を用いて未延伸ポリプロピレンフ
ィルムなどと接着し、未延伸ポリプロピレン層でヒート
シールする用途、溶融押出法でポリオレフィン樹脂を積
層するガスバリア用途などに好ましく用いることができ
る。これらの場合、金属化面は他のフィルムや紙などと
接合して用いても良い。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明の金属化二軸配向ポリプロピレン
フィルムは、ガスバリア性能に優れ、金属薄膜と基材と
の接着性に優れているために、金属化された反対の面が
接着性に優れているものの、金属薄膜が接着性に優れた
反対の面に転写する、いわゆるピックオフと呼ばれる欠
点のないものとできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA19C AB01C AB10C AK01D AK02B AK02H AK04E AK04G AK07A AK07B AK07E AK08B AK08H AK64B AL03B AL05B BA10A BA10C BA10D BA10E CA16B CB00 DD07A DG10D EH17 EJ38 EJ55 GB15 JA04B JB04A JB16D JD02 JD04 JK01 JK06 JM02C JN01 JN21 YY00A YY00B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイソタクチックポリプロピレンからなる
    基層の少なくとも片面に、結晶融解に伴う吸熱の主ピー
    クが155〜163℃にあり、結晶融解熱量が20〜9
    0J/gであるポリプロピレン系樹脂からなる表層が積
    層され、該表層上に金属薄膜が積層され、該金属薄膜が
    積層された反対の面の濡れ張力が37mN/m以上であ
    ることを特徴とする金属化二軸配向ポリプロピレンフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】アイソタクチックポリプロピレンからなる
    基層に積層されるポリプロピレン系樹脂の結晶融解に伴
    う吸熱の全てのピークが100〜163℃にある請求項
    1に記載の金属化二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  3. 【請求項3】金属薄膜が積層された反対の面の表面粗さ
    Raが0.2μm以上である請求項1または2に記載の
    金属化二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  4. 【請求項4】表層の樹脂が、極性基を実質的に含まない
    石油樹脂および極性基を実質的に含まないテルペン樹脂
    から選ばれる少なくとも1種をポリプロピレン系樹脂1
    00重量部に対し20重量部を上限に添加したものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の金属化二軸配向ポリ
    プロピレンフィルム。
  5. 【請求項5】金属薄膜がアルミニウム薄膜および/また
    は酸化アルミニウム薄膜である請求項1〜4のいずれか
    に記載の金属化二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の金属化二
    軸配向ポリプロピレンフィルムの金属化された面に、接
    着剤を介して熱可塑性フィルムあるいは紙が積層された
    積層体。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載の金属化二
    軸配向ポリプロピレンフィルムの金属化された面に、溶
    融押出されたポリエチレン系樹脂を介して熱可塑性フィ
    ルムあるいは紙が積層された積層体。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載の積層体の金属化
    された反対の面にポリプロピレンあるいはポリエチレン
    が溶融押出で積層された積層体。
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