JP2001046037A - プロアントシアニジンの渋味低減方法 - Google Patents

プロアントシアニジンの渋味低減方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】植物体から抽出して得られるプロアントシアニ
ジンの渋味を低減する。 【解決手段】植物体から抽出して得られるプロアントシ
アニジン主体の抽出物に蛋白質/多糖類を添加する。蛋
白質は豆乳あるいは分離大豆蛋白、多糖類は澱粉あるい
は寒天が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物体を抽出して得られ
るプロアントシアニジンを主成分とする抽出物の渋味を
低減させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばブドウの種子、皮、搾汁粕あるい
は樹皮や豆類等の植物体を抽出して得られるプロアント
シアニジンは強い抗酸化作用を有しており食品等の抗酸
化剤として利用されている。また種々の生理活性も有す
るところから、最近では健康食品素材として利用されて
いる。プロアントシアニジンは、ポリフェノールの1種
で次式
【0003】
【化1】 (式中R1は水素原子又は水酸基、R2、R6はそれぞれ
独立に水素原子、水酸基又はメトキシ基、R4、R3、R
7、R8はそれぞれ独立に水酸基又はメトキシ基、R5
ガロイル基又はグルコピラノシル基を示す)で表され
る、フラバン-3-オールまたはフラバン-3,4-ジオールを
構成単位として、4-6位又は4-8位で縮合もしくは重合に
より結合した化合物群であり、各種植物体中に存在する
縮合型タンニンである。なお化1は、理解を助けるため
に4-8位で縮合した場合だけを示している。これらは酸
処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジ
ン等のアントシアニジンを生成するところから、この名
称が与えられているものである。そして上記構成単位の
2量体、3量体、4量体さらに10〜30量体以上の高
分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラ
ルゴニジン等のプロアントシアニジンおよびそれらの立
体異性体等を含むものである。
【0004】しかしながらプロアントシアニジンには独
特の強い渋味があるため、抗酸化剤として食品に添加す
る場合、自ずとその量が制限され、あるいは健康食品と
してこれを食する場合、口腔内にひどいしびれを伴う不
快感を生ずるため、大量のプロアントシアニジンをその
まま摂取することは、極めて困難である。
【0005】このようなことからプロアントシアニジン
を主成分とする健康食品分野においては錠剤(糖衣錠も
含む)あるいはカプセルの形態が多く、粉剤や顆粒剤タ
イプの製品は見当たらない。
【0006】ところで、医薬等の分野において苦味の低
減化方法が種々提案されているが、「渋味」は「辛味」
と同じ様に味覚とは異なり、味蕾以外の箇所(例えば口
腔内壁、舌裏部など)でも感じることのできる感覚で、
触覚や痛覚と同種のものである。すなわち味覚である苦
味の低減方法は、触覚や痛覚に近い渋味の低減には利用
できないのである。またタンニン系の「渋味食品」の代
表格は柿渋タンニンであるが、古くより柿渋の脱渋方法
として「焼酎・アルコール抜き」「湯抜き」「ドライア
イス・炭酸ガス抜き」「肺汁抜き」などが知られてい
る。しかしこれらは、柿果実の細胞に嫌気的呼吸をさせ
てアセトアルデヒドを発生させ、これが柿渋タンニンを
重合させ、その結果タンニンが不溶性化することによる
渋抜きであって、あらかじめ抽出した高濃度のプロアン
トシアニジンの渋味をこの方法により低減することは不
可能である。その他のタンニン系渋味を含有する食品の
渋味低減方法としては、紅茶にアルカリ処理ゼラチンを
添加してゼリー化する方法(特開平4-49984号)、タン
ニン等の渋味成分を含む食品にプロタミンを添加する方
法(特開平5-328935号、6-153875号)、酵素で渋味成分
をグリコシル化する方法(特開平7-327602号、特公平6-
88908号)、樹脂や活性炭で渋味成分を吸着除去する方
法(特開平8-173084号、9-220055号、11-103817号)、
サイクロデキストリンを用いたマスキング法(特開平7-
327602号、9-309902号、10-4919号)などが提案されて
いる。しかしこれらはいずれもごく少量含まれているタ
ンニンの渋味をマスクする方法やタンニン自体を除去し
てしまう方法、あるいは高価だったり一般的には使用さ
れていない物質を添加する方法などであり、プロアント
シアニジンの量的な損失を伴わず、安価で効率よく、し
かも安全な方法で渋味を低減する方法はこれまで知られ
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況か
ら、本発明の課題は植物体を抽出して得られるプロアン
トシアニジンを主成分とする抽出物の渋味を低減する方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために、鋭意検討を重ねた結果、植物体を抽出
して得られるプロアントシアニジンを主成分とする抽出
物に特定のタンパク質又は多糖類を添加することによ
り、プロアントシアニジンの渋味が顕著に低減できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。まず本発明
の対象となる植物体を抽出して得られるプロアントシア
ニジンを主成分とする抽出物とは、ブドウ、柿、リン
ゴ、松、大豆、小豆など植物体を水や有機溶媒で抽出し
て得られる抽出物であり、その主成分はプロアントシア
ニジンである。中でも含有量が多いことや糖類などの夾
雑物の含量も少ないため、高純度のプロアントシアニジ
ンが抽出によって容易に得られることから、ブドウ種子
抽出物が好適である。
【0010】ブドウ種子からの抽出物以外では、小豆か
らの抽出物(有賀ら、アグリカルチュラル・バイオロジ
カル・ケミストリー(Agric.Biol.Chem.)第45巻、2709
-2712頁、1981年)、松の樹皮からの抽出物(R.W.Hemin
gwayら、フィトケミストリー(Phytochemistry)第22
巻、275-281頁、1983年)などがある。
【0011】以上のようにして得られたプロアントシア
ニジンを主体とする抽出物は、液状もしくは半固形状の
形態で得られるが、このものから抽出溶媒を減圧留去、
スプレードライ、凍結乾燥などの公知の方法によって除
去すれば、そのままプロアントシアニジン含有濃縮物や
乾燥物として使用することができる。特開平11-80148号
の実施例に示すように、最適の原料と抽出条件を用いれ
ば、90%以上の高い純度を有するプロアントシアニジン
組成物を、簡単に得ることができる。
【0012】次に渋味を低減するためにプロアントシア
ニジンに添加するタンパク質/多糖類であるが、本質的
には渋味が低減されればどのようなタンパク質/多糖類
であってもよく、その由来原料、産地、時期、製造方法
等に制限はない。ただし添加によって渋味が低減された
プロアントシアニジンは主として食品として用いられる
ことから、食用のタンパク質/多糖類もしくはタンパク
質/多糖類を含有する食品を使用することが好ましい。
また渋味低減の原理がプロアントシアニジンとタンパク
質/多糖類の疎水結合(又は水素結合)に基づくもので
あると考えられることから、両者の分子の接触が時間的
にも面積的にも効率的に行なわれるために、水溶性もし
くは水中に分散可能なタンパク質/多糖類が好ましい。
さらに渋味が低減されたプロアントシアニジン(すなわ
ちプロアントシアニジン−タンパク質/多糖類の結合
体)の食品としての用途の選択肢が広くなることから、
この渋味低減化品(結合体)自身も水に溶ける又は分散
可能であることが望ましい。またその優れた生理活性を
利用するためには、成人で1日当たり50-500mg程度のプ
ロアントシアニジン摂取が必要となるが、経済的な因子
も満たされなければ現実的にはこの量を摂取することは
不可能である。そういう意味でここで用いられるタンパ
ク質/多糖類もしくはタンパク質/多糖類を含有する食
品は安価で、一定の品質のものを大量に、しかも容易に
入手できることが望まれる。
【0013】このような観点からタンパク質は、牛乳由
来のタンパク質及び大豆由来のタンパク質が好適であ
る。例えば、市販の食品では牛乳、全脂粉乳、全脂練
乳、脱脂粉乳、カゼイン、牛乳ホエー、ラクトアルブビ
ン、豆乳、粉末状分離大豆タンパク等が挙げられる。こ
の他上記の条件を満たすタンパク質の例として、ゼラチ
ン、コラーゲン、卵白アルブミン、可溶性小麦タンパク
質等も挙げられるが、計量が簡単であること、安価であ
ることなどから脱脂粉乳と粉末状分離大豆タンパクが好
適である。
【0014】同様に多糖類としては、デンプン及び寒天
が好適であり、特にデンプンの場合はアルファー化した
ものが好ましい。市販の食品ではデンプンとして小麦
粉、コーンスターチ、バレイショデンプン(片栗粉)、
米粉等、寒天では粉末寒天、棒寒天、フレーク寒天、糸
寒天等が例として挙げられる。この他上記の条件を満た
す多糖類の例として、サイリウムなどの食物繊維、ペク
チン、デキストラン、コンドロイチン硫酸等も挙げられ
るが、渋味低減効果が大きいこと、安価であることなど
から米粉、粉寒天が好適である。
【0015】添加するタンパク質/多糖類の量はそのタ
ンパク質/多糖類の種類や純度によって影響されるが、
プロアントシアニジンとタンパク質/多糖類のそれぞれ
が100%純度のものとしたとき、重量混合比はプロアント
シアニジン:タンパク質/多糖類=1:1〜1:100であり、
好ましくは1:1〜1:10である。
【0016】タンパク質/多糖類のプロアントシアニジ
ンへの添加方法には制限がないが、通常1〜10%濃度のプ
ロアントシアニジン水溶液へ、必要量のタンパク質/多
糖類をよくかき混ぜながら添加するとよい。タンパク質
/多糖類が固体であればはそのまま加えても、粉状にし
てから添加しても良いし、適度な濃度で水に溶解又は分
散させてから加えても良い。添加時の温度はタンパク質
の場合は変性の恐れがあるため通常5〜50℃、好ましく
は15〜40℃である。多糖類の場合は通常5〜90℃、好ま
しくは15〜50℃である。また粉状のプロアントシアニジ
ンと粉状のタンパク質/多糖類を乳鉢や粉体混合機など
で混合することもできる。
【0017】渋味が低減化されたプロアントシアニジン
の食品としての形態には特に制限がないが、水や牛乳に
溶解又は分散させた液体の形、ゼリーなどのゲルの形、
粉体・顆粒状の形などが例として挙げられる。もちろん
従来通り、カプセルや錠剤の形を利用しても良い。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、プロアントシアニジン
の量的な損失を伴わず、安価で効率よく大量に、しかも
安全にプロアントシアニジンの渋味を低減することがで
きる。その結果、粉末タイプであっても渋味が軽度であ
り、錠剤やカプセル剤の形態での摂取が困難な小児や高
齢者であっても容易にプロアントシアニジンが摂取で
き、また渋味が低減化されたプロアントシアニジン組成
物を広く市場に提供することができる。
【0019】なお、本発明において、渋味の尺度は以下
のようにして定めた。 <渋味の尺度の設定(渋味評価標準曲線の作製)>渋味
の強さを表す単位、尺度あるいは標準品が存在しないた
め、種々の濃度でブドウ種子抽出物(キッコーマン(株)
製、「グラビノールスーパー」、プロアントシアニジン
純度95%、以下GVSと略す。)を水に溶解し、15人のパネ
ラーを使って、その水溶液の渋味を官能評価し、渋味評
価標準曲線を作製した。渋味評価点は次の様に定めた。 {0点;渋味を感じない、1点;わずかに渋い、2点;渋
い、3点;かなり渋い。} パネラーによる渋味評価平均点が1点になる濃度を「渋
味発現最低濃度」と定めた。
【0020】官能評価試験は25℃、室内、昼食後1〜3時
間後に実施。各濃度のサンプル5mLを、濃度の薄い方か
ら順番に口腔内に5-10秒間含んだ後、嚥下して官能評価
を行なった。各サンプルの官能評価終了後直ちに、水で
口腔うがいを実施し、2分間以上間隔を開けてから次の
サンプルの官能評価を実施した。GVS水溶液の渋味の官
能評価試験結果を表1及び図1に示す。
【0021】
【表1】 図1の渋味評価標準曲線より、GVS水溶液の渋味発現最低
濃度は約0.06%と判る。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。 <実施例1>牛乳を用いた渋味の低減効果 種々の濃度でGVSを牛乳に溶解し、13人のパネラーを使
って、渋味を官能評価した。牛乳は雪印乳業(株)製3.
5牛乳を使用した。GVS牛乳溶液の渋味評価試験の結果を
表2及び図2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】図2の渋味評価曲線より、GVS牛乳溶液の渋
味発現最低濃度は約1.7%と判る。これは水溶液の場合の
約30倍の濃度であり、牛乳に渋味低減効果があることが
明確に判る。また牛乳中のタンパク質は約7%であること
から、渋味発現最低濃度における重量比はおよそ、GV
S:牛乳タンパク質=1:4である。
【0025】<実施例2>豆乳を用いた渋味の低減効果 実施例1と同様に、種々の濃度でGVSを市販の豆乳飲料
(名古屋製酪(株)「豆腐のできる豆乳」)に溶解し、
15人のパネラーを使って、渋味を官能評価した。GVS豆
乳溶液の渋味評価試験の結果を表3及び図3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】図3の渋味評価曲線より、GVS豆乳溶液の渋
味発現最低濃度は約3.9%と判る。これは水溶液の場合の
60〜70倍濃度であり、豆乳に渋味低減効果があることが
明確に判る。また豆乳中のタンパク質は約12%であるこ
とから、渋味発現最低濃度における重量比はおよそ、GV
S:豆乳タンパク質=1:3である。
【0028】<実施例3>うるち米粉を用いた渋味の低
減効果 GVSを最終的に0.5%の濃度になるように水に溶解し、そ
こに種々の比率になるようにうるち米粉(上白粉)を添
加、よくかき混ぜて溶解後、15人のパネラーにより渋味
を官能評価した。うるち米粉は山形県食料(株)の上白
粉(アルファー化)を用いた。GVS−うるち米粉混合物
の渋味評価試験の結果を表5及び図4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】図4の渋味評価曲線より、GVS/うるち米粉
の渋味発現最低混合比は約0.11と判る。またうるち米粉
中のデンプンは約80%であることから、渋味発現最低混
合比における重量比はおよそ、GVS:うるち米粉デンプ
ン=1:7である。
【0031】<実施例4>粉末寒天を用いた渋味の低減
方法 うるち米粉の代わりに粉末寒天を用いること以外、実施
例3と同様の操作を行ない、15人のパネラーによる渋味
の官能評価を実施した。粉末寒天は伊那食品(株)製ウ
ルトラ寒天AX−30を使用した。GVS−粉末寒天混合物
の渋味評価試験の結果を表6及び図5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】図5の渋味評価曲線より、GVS/粉末寒天の
渋味発現最低混合比は約0.30と判る。また粉末寒天中の
寒天含有量が約70%であることから、渋味発現最低混合
比における重量比はおよそ、GVS:寒天=1:2である。
【0034】<実施例5>脱脂粉乳を用いた渋味の低減
効果 うるち米粉の代わりに脱脂粉乳を用いること以外、実施
例3と同様の操作を行ない、15人のパネラーによる渋味
の官能評価試験を実施した。脱脂粉乳は雪印乳業(株)
製スキムミルクを使用した。GVS−脱脂粉乳混合物の渋
味評価試験の結果を表7及び図6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】図6の渋味評価曲線より、GVS/脱脂粉乳の
渋味発現最低混合比は約0.32と判る。また脱脂粉乳中の
タンパク質は約40%であることから、渋味発現最低混合
比における重量比はおよそ、GVS:脱脂粉乳タンパク質
=3:8である。
【0037】<実施例6>大豆プロテインを用いた渋味
の低減効果 うるち米粉の代わりに大豆プロテインを用いること以
外、実施例3と同様の操作を行ない、15人のパネラーに
よる渋味の官能評価試験を実施した。大豆プロテインは
不二製油(株)製スプロ670を使用した。GVS−大豆プロ
テイン混合物の渋味評価試験の結果を表8及び図7に示
す。
【0038】
【表7】
【0039】図7の渋味評価曲線より、GVS/大豆プロテ
インの渋味発現最低混合比は約0.42と判る。また大豆プ
ロテイン中のタンパク質は約80%であることから、渋味
発現最低混合比における重量比はおよそ、GVS:脱脂粉
乳タンパク質=1:2である。
【0040】<実施例8>寒天−渋味低減化プロアント
シアニジン組成物の製造 GVS:24gと伊那寒天(株)製ウルトラ寒天AX-30:96g
をよく混合し蒸留水0.6Lを加え、よく撹拌して完全に溶
解させた。これを凍結乾燥し、粉状のプロアントシアニ
ジン組成物を120g得た。この組成物の渋味のパネラー1
5人による官能評価点は、0.533であり、ほとんど渋味は
感じられない。またこの組成物10gは室温下で、水50m
Lに瞬時に分散できた。
【0041】<実施例9>大豆プロテイン−渋味低減化
プロアントシアニジン組成物の製造 GVS:24gと不二製油(株)製スプロ670:96gをよく混
合し蒸留水0.6Lを加え、よく撹拌して完全に溶解させ
た。これを凍結乾燥し、粉状のプロアントシアニジン組
成物を120g得た。この組成物の渋味のパネラー15人に
よる官能評価点は、0.333であり、ほとんど渋味は感じ
られない。またこの組成物10gは室温下で、水50mLに
瞬時に分散できた。
【0042】<実施例10>顆粒状食品 1包が下記の処方になるように、水及びエタノールを用
いて湿式造粒した後アルミニウムヒートシール包装を実
施し、顆粒状食品2.6gを分包(1包当たりGVSとして400
mg含有)した。
【0043】<実施例11>粉末状食品 1包が下記の処方になるように、各成分をよく混合した
後、アルミニウムヒートシール包装を実施し、粉末状食
品2.5gを分包(1包当たりGVSとして400mg含有)した。
【0044】<実施例12>錠剤状食品 1錠が下記の処方になるように、各成分をよく混合した
後打錠機により圧縮成型し、錠剤状食品250mgを製造し
た(1錠当たりGVSとして40mg含有)した。
【0045】<実施例13>ドリンク剤 下記の処方のドリンク剤を製造した。1本当たりGVSとし
て400mg含有。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】渋味評価標準曲線図
【図2】牛乳の渋味低減効果を示す図
【図3】豆乳の渋味低減効果を示す図
【図4】うるち米粉の渋味低減効果を示す図
【図5】粉末寒天の渋味低減効果を示す図
【図6】脱脂粉乳の渋味低減効果を示す図
【図7】大豆プロテインの渋味低減効果を示す図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月27日(1999.8.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【化1】 (式中R1は水素原子又は水酸基、R2、R6はそれぞれ
独立に水素原子、水酸基又はメトキシ基、R4、R3、R
7、R8はそれぞれ独立に水酸基又はメトキシ基、R5
ガロイル基又はグルコピラノシル基を示す)で表され
る、フラバン-3-オールまたはフラバン-3,4-ジオールを
構成単位として、4-6位又は4-8位で縮合もしくは重合に
より結合した化合物群であり、各種植物体中に存在する
縮合型タンニンである。なお化1は、理解を助けるため
に4-8位で縮合した場合だけを示している。これらは酸
処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジ
ン等のアントシアニジンを生成するところから、この名
称が与えられているものである。そして上記構成単位の
2量体、3量体、4量体さらに10〜30量体以上の高
分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラ
ルゴニジン等のプロアントシアニジンおよびそれらの立
体異性体等を含むものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物体を抽出して得られるプロアントシ
    アニジンを主成分とする抽出物にタンパク質及び/又は
    多糖類を添加することを特徴とするプロアントシアニジ
    ンの渋味低減方法。
  2. 【請求項2】 植物体の抽出物がブドウ発酵食品、ブド
    ウの種子、ブドウの皮又はブドウの搾汁粕のいずれかの
    抽出物から選ばれた1種である請求項1記載のプロアン
    トシアニジンの渋味低減方法。
  3. 【請求項3】 タンパク質が脱脂粉乳及び/又は分離大
    豆蛋白である請求項1記載のプロアントシアニジンの渋
    味低減方法。
  4. 【請求項4】 多糖類が澱粉及び/又は寒天である請求
    項1記載のプロアントシアニジンの渋味低減方法。
  5. 【請求項5】 植物体を抽出して得られるプロアントシ
    アニジンを主成分とする抽出物にタンパク質及び/又は
    多糖類を添加した、渋味の低減されたプロアントシアニ
    ジン組成物。
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