JP2001040255A - インク組成物とそれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

インク組成物とそれを用いたインクジェット記録装置

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JP2001040255A
JP2001040255A JP22022599A JP22022599A JP2001040255A JP 2001040255 A JP2001040255 A JP 2001040255A JP 22022599 A JP22022599 A JP 22022599A JP 22022599 A JP22022599 A JP 22022599A JP 2001040255 A JP2001040255 A JP 2001040255A
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Takao Kawaguchi
卓男 川口
Hiroaki Takagi
弘晃 高木
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色材としてクロムなどの重金属材料を用いず、
インク液に導電性を付与し、被印字物上で乾燥後の印字
ドットの密着性や耐水性に優れたインク組成物の提供。 【解決手段】加圧されたインクを励振ノズルに供給し、
該励振ノズルから噴出するインクを粒子化し、該インク
粒子の個々に所定の電荷を与えて電界中を通過させるこ
とにより、該粒子がその電荷に応じて偏向され、被印字
物上に印字ドットを形成するインクジェット記録装置用
のインク組成物において、染料または顔料から選ばれた
色材,バインダ樹脂、および、これらを溶解するための
溶媒を含み、前記インク粒子に所定の電荷を付与するた
めの比抵抗調整剤としてホスホニウム化合物を配合した
インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置のインク組成物に係わり、特に、被記録媒体であ
る金属、ガラス、ゴム、各種プラスチック類のマーキン
グに適し、被記録面での密着性,耐水性に優れたインク
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明において、対象とするインクジェ
ット記録装置の原理を図1を用いて説明する。
【0003】インクジェット記録装置では、インク容器
9から供給ポンプ10によって送られたインクは、調圧
弁11により所定の液圧に調節され、インクはノズル1
に供給される。ノズル中のインクは、励振電源3により
適切な周波数と電圧が印加された電歪素子2により粒子
化される。インクが粒子化する位置に設けられた荷電電
極4により、外部からの信号に応じ個々のインク粒子6
には所定の電荷が与えられ、これが次の偏向電界7部を
通過する際に、個々のインク粒子の帯電量に応じた偏向
力を受ける。
【0004】偏向されたインク粒子6は直線的に飛行
し、被印字物12の面上に着床し印字ドット13を形成
する。荷電電極4で電荷を与えられなかったインク粒子
は、ガター8で受け、回収ポンプ23によりインク容器
1に回収される。
【0005】このような機構のインクジェット記録装置
を荷電制御型インクジェット記録装置と呼び、ドロップ
オンデマンド方式とは区別されている。
【0006】上記の荷電制御型インクジェット記録装置
は、ドロップオンデマンド方式と比較して、記録密度で
は劣るものの、被印字物との間の距離が比較的離れてい
ても記録が可能で、凹凸面にも印字できると云う利点が
あるので、ほとんどの場合、量産品のロットナンバーや
バーコード等、個々の製品の識別を行うための文字やパ
ターン等を記録する目的に用いられている。
【0007】こうした用途としては、木材,紙類、また
は、セメント製品等の特殊素材の一部を除き、アルミニ
ウム,鉄,ステンレススチール等の金属類、各種の塗料
で塗装した塗装面、ポリエステル,塩化ビニル,ポリオ
レフィン,ポリアミド等のプラスチックフィルム、熱可
塑性樹脂,熱硬化性樹脂あるいはゴム類の成形品、さら
にはガラス,セラミック等の加工品を対象とする。
【0008】上記対象物は、ほとんどの場合紙のような
多孔質のものではなく、インクが内部にしみ込むことが
無い。従って、量産品の組立てや加工ラインにおいて
は、次段の工程に進む前に、印字されたインクが速やか
に乾燥,固着することが要求される。
【0009】このためにインクの溶媒成分には、乾燥速
度が速く、各種の染料やバインダ樹脂類に対する溶解力
の大きい溶剤、例えば、ケトン類、脂肪族アルコール
類、グリコール類、グリコールエーテル類、グリコール
エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ア
ミド類、アミノアルコール類などの有機溶剤が配合され
ている。特に、メチルエチルケトン,メチルイソブチル
ケトン,シクロヘキサノン等のケトン類を主成分とし、
メチルアルコール,エチルアルコール等の低級アルコー
ル類を補助成分として配合したものが多い。
【0010】また、荷電制御型のインクジェット記録装
置では、ノズルより噴出したインク柱を切断して粒子化
する際、個々の粒子に異なる強度の電荷を与えること
で、その後の偏向電極部を通過する際の偏向量が規定さ
れる。これにより粒子の着弾位置が変わることで文字や
記号類を印字できるのであるが、インク粒子に十分な電
荷を高速で与える必要がある。これを満足するために、
インク液自体の電気抵抗値が十分低く抑えられていなけ
ればならない。該インクの比抵抗値としては、3000
Ωcm以下、好ましくは500Ωcm程度の電気伝導性
を持つものでなければ、実用に耐える高速印字特性が得
られない。
【0011】こうしたインク組成物としては、各種の比
抵抗調整剤を配合する場合があった。水系(水単独また
は有機溶剤を併用)溶媒を用いる場合には、水溶性の各
種電解質を用いることができるので比抵抗調整剤として
の選択肢は広い。
【0012】しかしながら、荷電制御型のインクジェッ
ト記録装置の場合、即乾燥性や密着性の面から、有機溶
剤を主溶媒として用いる場合が多い。しかし、有機溶剤
類に可溶な比抵抗調整剤は限られており、通常、硝酸リ
チウム,硝酸アンモニウム,チオシアン酸ナトリウム等
の無機塩や、4級アンモニウム塩,有機アミンの塩酸塩
などが用いられている。
【0013】また、色材として配合する染料が、比抵抗
調整剤として作用する場合もある。特に、クロムやコバ
ルトなどの重金属類を用いた金属錯体構造の染料が、染
料兼比抵抗調整剤として用いられることが多い。
【0014】こうした例としてソルベントブラック2
2,23,27,28,29,34,43,47、ソル
ベントレッド8,35,83,84,100,109,
118,119,121,122,125,130,1
60,233、ソルベントブラウン42,43,44、
ソルベントオレンジ11,99、ソルベントイエロー1
9,21,25,32,61,79,80,81,8
2,88,89、ソルベントブルー25,55,70な
どが挙げられる。
【0015】色材として用いる染料が上記のような導電
付与性でない場合、あるいは、顔料を色材として用いる
場合には、前記のような有機溶剤に可溶な比抵抗調整剤
を配合する。
【0016】このような速乾性のインクジェット記録用
のインク組成物において、各種無機塩類を配合した例と
して特開昭56−161480号公報、特開昭57−1
557号公報、特開昭60−76574号公報が、ま
た、アンモニウム塩を配合した例として62−1098
70号公報等がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術には、
印字ドットの密着性や耐水性、あるいは、環境衛生上に
問題があった。
【0018】しかし、前記のクロムやコバルトなどの重
金属類を用いた金属錯体構造を有する染料を、染料兼比
抵抗調整剤として配合した場合、着色と導電付与性を与
えるができる上に、染料自体の耐光性や耐湿潤性に優れ
たものが多く、日光や降雨に暴露されるような工業用品
への用途に、高い信頼性が得られると云うメリットがあ
る。
【0019】これらの染料は、それ自体安定で毒性も問
題にはならないが、インクボトルや容器類に多量に残留
した状態で廃棄,焼却処分される場合などに、悪条件が
重なると化学変質し、毒性の化合物に変化する可能性が
ある。
【0020】近年、このような環境面での問題を持つ可
能性のある素材を配合することは好ましくない。これを
回避するためには、非含金属性の染料、あるいは、非含
金属性の顔料を色材として用いのが良いが、液の導電性
を確保するために、前記のような無機塩類やアンモニウ
ム塩類などの比抵抗調整剤を配合しなければならない。
【0021】しかし、上記の比抵抗調整剤は無機性が高
く、通常用いるバインダ成分である有機樹脂類との相溶
性が悪い。即ち、両者が相溶しにくいため、液状のイン
ク状態では問題が無くても、乾燥後の印字ドットが脆く
なったり、剥がれ易くなったりする場合が多い。また、
これら無機塩類などは水易溶性であるため、印字ドット
が水に曝された場合、印字ドット自体の耐水性が低下し
剥がれ易くなる等の問題があった。
【0022】前記から明らかなように、インク組成物の
素材に求められる条件としては、重金属類を成分中に含
まないこと、前記の比較的高極性な有機溶剤であるケト
ン類,アルコール類,セルソルブ類などに容易に溶解
し、液自体の比抵抗値を下げ、かつ、インクに配合する
バインダ樹脂成分との相溶性が高いこと、並びに、水へ
の溶解性が小さく乾燥した印字物の耐水性を低下させな
いことが求められる。
【0023】さらには、インクの色調が黒や紫色,濃紺
色,濃緑色などの濃暗色系である場合には、配合する比
抵抗調整剤に着色があっても、その色調に影響を及ぼす
ことは少ないが、白,黄,赤,橙などの薄い色や、明色
系の色調の場合に、その色調を変化させてしまう。特
に、白色の場合、若干でも着色したものを用いると、そ
の色調に大きな影響を与える。従って、比抵抗調整剤に
はそれ自身による発色や、他成分との反応による呈色が
生じないことが求められる。
【0024】本発明の目的は、色材としてクロムなどの
重金属を含む材料を使用せず、インク液に導電性を付与
し、被印字物上で乾燥硬化した印字ドットの密着性や耐
水性の優れた比抵抗調整剤を含むインク組成物、並び
に、該インク組成物を用いたインクジェット記録装置の
提供にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは比抵抗調整
剤について各種検討した結果、ホスホニウム錯体構造を
有する物質が、本発明の前記課題を同時に満足すること
を見出し、本発明に到達した。本発明の要旨は次のとお
りである。
【0026】〔1〕 加圧されたインクを励振ノズルに
供給し、該励振ノズルから噴出するインクを粒子化し、
該インク粒子の個々に所定の電荷を与えて電界中を通過
させることにより、該粒子がその電荷に応じて偏向さ
れ、被印字物上に印字ドットを形成するインクジェット
記録装置用のインク組成物において、染料または顔料か
ら選ばれた色材,バインダ樹脂、および、これらを溶解
するための溶媒を含み、前記インク粒子に所定の電荷を
付与するための比抵抗調整剤としてホスホニウム化合物
を配合したことを特徴とするインク組成物。
【0027】〔2〕 前記ホスホニウム化合物が第四ホ
スホニウム化合物ある前記のインク組成物。
【0028】〔3〕 前記ホスホニウム化合物が式
〔I〕
【0029】
【化2】
【0030】(但し、R1,R2,R3,R4が炭素数1〜
33のアルキル基,−CH2OH基,−CH2CH=CH
2基、または、−CH2−C65基で、互いに異なってい
てもよい)で示されるホスホニウム系カチオンと、R0
で示される有機アニオンとで構成された前記のインク組
成物。
【0031】〔4〕 前記色材がアゾクロム錯塩系染料
を除く染料から選ばれたものを配合した前記のインク組
成物。
【0032】〔5〕 前記色材として色調が白または黄
色の顔料を分散配合した前記のインク組成物。
【0033】〔6〕 加圧されたインクを励振ノズルに
供給し、該励振ノズルから噴出するインクを粒子化し、
該インク粒子の個々に所定の電荷を与えて電界中を通過
させることにより、該粒子がその電荷に応じて偏向さ
れ、被印字物上に印字ドットを形成するインクジェット
記録装置において、前記インクが染料または顔料から選
ばれた色材,バインダ樹脂、および、これらを溶解する
ための溶媒を含み、前記インク粒子に所定の電荷を付与
するための比抵抗調整剤としてホスホニウム化合物を配
合したインク組成物を用いることを特徴とするインクジ
ェット記録装置。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明のインク組成物における比
抵抗調整剤は、前記式〔I〕で示すホスホニウム錯塩構
造のもので、従来の無機塩類に比較してインク成分であ
る有機溶剤に易溶性であり、バインダ樹脂成分に対する
相溶性も優れている。従って、従来の無機塩系の相溶性
の悪い素材のように、印字後、被印字物表面での乾燥後
の印字ドットが脆くなるなどの不具合が生じない。
【0035】また、上記ホスホニウム錯塩構造におい
て、ホスホニウムカチオンとしては次式(1)〜(1
0)が好適であるが、これらに限定されるものではな
い。
【0036】また、アニオン成分としては、塩素,臭
素,ヨウ素などのハロゲンアニオンや、カルボン酸や硫
酸、亜硫酸等の無機物も用いることができるが、有機ア
ニオンの方が樹脂類との相溶性の点でより好ましく、次
式(11)〜(17)で示す有機アニオンが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】式(11)はカルボン酸系のアニオンであ
り、Rで示す部位はラウリン酸,ステアリン酸,オレイ
ン酸等を用いることができる。また、式(12)は硫酸
エステル系のアニオンであり、Rで示す部位はラウリル
アルコール,セチルアルコール,ステアリルアルコー
ル,オレイルアルコールやラウリルエーテルなどを用い
ることができる。
【0043】式(13)はスルホン酸系のアニオンであ
り、Rの部位はアルキル基、および、α−オレフィン類
を示している。
【0044】同様にスルホン酸系化のアニオンとして
は、式(14)に示すようなアルキルベンゼンスルホン
酸系や、式(15)に示すナフタレンスルホン酸系が用
いられる。
【0045】式(16)に示すリン酸系アニオンでは、
その一例としては高級アルコールエチレンオキサイド付
加物のリン酸エステルが用いられる。また、式(17)
はジチオリン酸系アニオンである。
【0046】本発明における比抵抗調整剤は、式(1)
〜(10)で代表されるホスホニウム系カチオン成分
と、式(11)〜(18)で代表される各種アニオン成
分が中和した構造をもつ化合物である。そして、配合す
る他の成分である溶媒やバインダ樹脂との相溶性を考慮
し、これらの両イオン成分からなる化合物を適宜選定す
る。
【0047】また、添加量については、求められる印字
速度,併用配合するバインダ樹脂の成分と配合量,溶媒
の極性などによって適宜適正量に調節するが、一般的に
はインク組成物100重量部に対して1〜10重量部が
適当である。
【0048】これら無色の化合物を比抵抗調整剤として
配合することで、印字物の色調に影響を与えず、また、
従来の無機塩類などを用いた場合と比較して、密着性、
耐水性を向上させることができる。
【0049】上記のように配合する他成分との相溶性を
考慮して微調整することで、さらに印字物の特性を向上
させることができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。
【0051】〔実施例 1〕まず、図1を用いて、荷電
制御型インクジェット記録装置の原理を説明する。図1
においては、インク容器9、インクの供給ポンプ10、
調圧弁11、ノズル1は直列に接続されている。
【0052】ノズル1の中を流動するインクは、電歪素
子2に励振電源3より所定の電圧、周波数が印加され、
それによってインク柱14は粒子化される。インクが粒
子化される位置に設けられた荷電電極4により、個々の
インク粒子6には、外部信号に基づき所定の電荷が与え
られ、これが偏向電極5によって形成された偏向電界7
の中を飛行する際に偏向される。
【0053】荷電電極4は陽極側にビデオ信号が印加さ
れ、同時にインク柱14はインク循環経路中の接液する
金属部品を介してビデオ信号の陰極側に接続されてお
り、インク柱14表面に陰極の電荷が充電される。イン
ク自体の導電性が不十分な場合、インク柱14への電荷
の移動が不足し、所定の電荷がインク粒子6に与えられ
なくなる。つまり、より高速に印字するためには、より
インク柱14を切断する時間的間隔を短くする必要があ
る。そのためにはより速くインク液の中を電荷が移動す
る必要がある。これには、インク液の比抵抗が小さいほ
ど高速印字にも対応できることを意味している。
【0054】荷電電極4で電荷を与えられなかったイン
ク粒子6は印字には寄与せず、ガター8部で受けられた
後に容器9に回収される。
【0055】容器9に回収されたインクは、再び、送り
出し粒子化すると云うプロセスを繰り返す。
【0056】以上のような理由でインクには導電性が求
められる。既述したように有機溶剤を主溶媒としたイン
ク組成物においては、インクに導電付与剤として金属錯
塩系の色材兼比抵抗調整剤の染料を配合したり、無機塩
などを配合しなければならないが、前者には環境上の問
題があり、後者には印字物の密着性,耐水性等を低下さ
せる問題があった。
【0057】本発明によれば、前記カチオン成分として
ホスホニウム構造の比抵抗調整剤を用いることにより、
比抵抗調整効果を有しない染料や、顔料系の色材を配合
したインク組成物においても、十分な印字物の密着性
や、耐水性を得ることができる。
【0058】次に、これらの化合物を配合したインク組
成物についての例を実施例2〜6に、また、従来の比抵
抗調整剤を配合した例を比較例1〜2に示す。なお、比
較例1の配合では、比抵抗調整剤以外の成分は実施例2
と同じで、比較例2の配合は比抵抗調整剤以外の成分は
実施例3と同じである。
【0059】 〔実施例 2〕 カルボキシル変性塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂:VMCC(ユニオ ンカーバイト(株)製) …5.5重量部 酸化チタン分散体:VCC175−W1(大成化工(株)製) …3.5重量部 ジブチルセバケート:DBS(協和発酵(株)製) …1.0重量部 比抵抗調整剤1:カチオン成分=ホスホニウムカチオン〔式(5)〕、ア ニオン成分=Br~ …2.0重量部 メチルエチルケトン …80.0重量部 メチルアルコール …8.0重量部。
【0060】 〔実施例 3〕 スチレンアクリル樹脂:ジョンクリル611(ジョンソンポリマー(株)製 ) …15.4重量部 シリコーン系添加剤:KP341(信越化学工業(株)製) …0.1重量部 Valifast Red 1308:(オリエント化学工業(株)製) …8.5重量部 比抵抗調整剤2:カチオン成分=ホスホニウムカチオン〔式(2)〕、ア ニオン成分=ナフタレンスルホン酸アニオン〔式(15)〕 …3.5重量部 メチルエチルケトン …60.4重量部 メチルアルコール …12.1重量部。
【0061】 〔実施例 4〕 アクリル樹脂:ダイヤナールPB354(三菱レーヨン(株)製) …8.5重量部 ブチラール樹脂:デンカブチラール2000L(電気化学工業(株)製) …2.0重量部 トリクレジルホスフェート:TCP(大八化学工業(株)製) …1.0重量部 SpilonBlack BH Special(保土ヶ谷化学(株)製) …6.5重量部 比抵抗調整剤3:カチオン成分=ホスホニウムカチオン〔式(10)〕、 アニオン成分=ジチオリン酸アニオン〔式(17)〕 …2.5重量部 メチルエチルケトン …66.25重量部 メチルアルコール …13.25重量部。
【0062】 〔実施例 5〕 スチレンマレイン酸樹脂:アラスター700(荒川化学工業(株)製) …12.5重量部 フェノール樹脂:ヒタノール1501(日立化成工業(株)製) …2.5重量部 ジブチルセバケート:DBS(協和発酵(株)製) …1.0重量部 カーボンブラック:ASブラック810(富士色素(株)製) …6.5重量部 比抵抗調整剤4:カチオン成分=ホスホニウムカチオン〔式(5)〕、ア ニオン成分=I~ …3.0重量部 メチルエチルケトン …62.1重量部 メチルアルコール …12.4重量部。
【0063】 〔実施例 6〕 ポリアミド樹脂:トレジンF30K(帝国化学産業(株)製) …4.5重量部 ブチラール樹脂:デンカブチラール2000L(電気化学工業(株)製) …3.5重量部 N−ブチルスルホンアミド:BM4(大八化学工業(株)製) …1.0重量部 MACROLEX BLAU 3R GRANULAT:(バイエル(株) 製) …6.5重量部 比抵抗調整剤5:カチオン成分=ホスホニウムカチオン〔式(8)〕、ア ニオン成分=ベンゾトリアジン(C643~) …2.0重量部 メチルエチルケトン …62.5重量部 エチルアルコール …20.0重量部。
【0064】 〔比較例 1〕 カルボキシル変性塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂:VMCC(ユニオ ンカーバイト(株)製) …5.5重量部 酸化チタン分散体:VCC175−W1(大成化工(株)製) …3.5重量部 ジブチルセバケート:DBS(協和発酵(株)製) …1.0重量部 比抵抗調整剤:硝酸リチウム …0.4重量部 メチルエチルケトン …80.0重量部 メチルアルコール …9.6重量部。
【0065】 〔比較例 2〕 スチレンアクリル樹脂:ジョンクリル611(ジョンソンポリマー(株)製 ) …15.4重量部 KP341(信越化学工業(株)製) …0.1重量部 Valifast Red 1308:(オリエント化学工業(株)製) …8.5重量部 比抵抗調整剤:チオシアン酸ナトリウム …0.5重量部 メチルエチルケトン …63.0重量部 メチルアルコール …12.5重量部。
【0066】上記実施例2〜6および比較例1,2のイ
ンク組成物を、日立IJPプリンターKX型を用いて、
アルミニウム板、PETフィルム、ガラス板の面上に印
字を行った。印字後のこれら各試料について、セロハン
テープによる引き剥がし試験(JIS−Z−152
2)、および、鉛筆による描画試験(HB鉛筆5回描
画)を行った。なお、試験は印字後室温で30分乾燥さ
せた後行った場合と、印字板を水中に1時間浸漬した後
取り出し、水分を拭き取って行った場合の二つの条件で
行った。この結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表中の二重丸は全く変化が無く問題ない場
合、○は若干変化が認められるが実用上問題でない場
合、△は剥れが生じ問題となる場合、×は剥れが顕著で
付着性が無い場合をそれぞれ表わす。
【0069】比較例においては、比抵抗調整剤として硝
酸リチウム,チオシアン酸ナトリウムを用いたが、硝酸
アンモニウム、硝酸アルミニウム、亜硝酸アンモニウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、
各種ベタイン類などでも、その結果には大差がなかっ
た。
【0070】表1に示した付着性および耐水性の結果を
纏めると、被印字物がポリエステルフィルム(PET)
の場合は、実施例2〜6、比較例1〜2いずれも良く付
着していた。
【0071】一方、アルミニウム板の場合、比較例1〜
2のインクは付着性が劣り、特に比較例1では耐水性が
極めて悪い。なお、実施例2〜6のインクは十分な性能
を示している。
【0072】さらにガラス板の場合は、その密着性が全
体的に低い値を示したが、比較例1〜2の性能は、実施
例2〜6の特性に比較して極めて劣るものであった。
【0073】なお、インク組成物の有機溶媒としては、
ケトン類、脂肪族アルコール類、グリコール類、グリコ
ールエーテル類、グリコールエステル類、芳香族炭化水
素類、脂肪族炭化水素類、アミド類、アミノアルコール
類を単独、あるいは、水などと併用して用いることがで
きる。
【0074】また、バインダ樹脂類としては、アクリル
樹脂、セルロース系樹脂、ロジンエステル系樹脂、ロジ
ン系フマル酸樹脂、ロジン系マレイン酸樹脂、スチレン
−マレイン酸共重合体樹脂、ケトン系樹脂、フェノール
系樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、アクリル系
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂、パ
ラフィン樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂などを用いることができる。
【0075】さらにまた、各種の染料、顔料、可塑剤、
界面活性剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、消泡剤、分散剤などを配合することができる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、各種の被印字物に対
し、ホスホニウム錯塩構造を持つカチオン成分からなる
比抵抗調整剤を配合したインク組成物は、印字物自体の
密着性や耐水性に優れた特性のものを得ることができ
る。
【0077】また、上記比抵抗調整剤は、その構造中に
クロムなどの重金属を含まないため、衛生上,環境面に
悪影響を及ぼすことが無い。
【0078】さらにまた、上記比抵抗調整剤は無色、あ
るいは、淡色なのでインク組成物の色調に悪影響を及ぼ
すことが無く、特に白色,黄色系の淡色インク組成物の
比抵抗調整剤としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷電制御型のインクジェット記録装置の原理図
である。
【符号の説明】
1…ノズル、2…電歪素子、3…励振電源、4…荷電電
極、5…偏向電極、6…インク粒子、7…偏向電界、8
…ガター、9…インク容器、10…供給ポンプ、11…
調圧弁、12…被印字物、13…印字ドット、14…イ
ンク柱、22…搬送コンベア、23…回収ポンプ。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA02 BA52 BA55 BA59 4J039 AB02 AB08 AD01 AD03 AD05 AD07 AD08 AD09 AD10 AD13 AD14 AE01 AE02 AE05 AE06 AE07 AE08 AE11 BC02 BC03 BC07 BC09 BC13 BC16 BC20 BC35 BC36 BC54 BC56 BC65 BE01 BE02 BE12 BE29 EA17 EA18 EA38 EA43 EA45 FA01 FA02 FA04 FA06 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧されたインクを励振ノズルに供給
    し、該励振ノズルから噴出するインクを粒子化し、該イ
    ンク粒子の個々に所定の電荷を与えて電界中を通過させ
    ることにより、該粒子がその電荷に応じて偏向され、被
    印字物上に印字ドットを形成するインクジェット記録装
    置用のインク組成物において、 染料または顔料から選ばれた色材,バインダ樹脂、およ
    び、これらを溶解するための溶媒を含み、前記インク粒
    子に所定の電荷を付与するための比抵抗調整剤としてホ
    スホニウム化合物を配合したことを特徴とするインク組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ホスホニウム化合物が第四ホスホニ
    ウム化合物である請求項1に記載のインク組成物。
  3. 【請求項3】 前記ホスホニウム化合物が式〔I〕 【化1】 (但し、R1,R2,R3,R4が炭素数1〜33のアルキ
    ル基,−CH2OH基,−CH2CH=CH2基、また
    は、−CH2−C65基で、互いに異なっていてもよ
    い)で示されるホスホニウム系カチオンと、R0で示さ
    れる有機アニオンとで構成された請求項1に記載のイン
    ク組成物。
  4. 【請求項4】 前記色材がアゾクロム錯塩系染料を除く
    染料から選ばれたものを配合した請求項1に記載のイン
    ク組成物。
  5. 【請求項5】 前記色材として色調が白または黄色の顔
    料を分散配合した請求項1に記載のインク組成物。
  6. 【請求項6】 加圧されたインクを励振ノズルに供給
    し、該励振ノズルから噴出するインクを粒子化し、該イ
    ンク粒子の個々に所定の電荷を与えて電界中を通過させ
    ることにより、該粒子がその電荷に応じて偏向され、被
    印字物上に印字ドットを形成するインクジェット記録装
    置において、 前記インクが染料または顔料から選ばれた色材,バイン
    ダ樹脂、および、これらを溶解するための溶媒を含み、
    前記インク粒子に所定の電荷を付与するための比抵抗調
    整剤としてホスホニウム化合物を配合したインク組成物
    を用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
JP22022599A 1999-08-03 1999-08-03 インク組成物とそれを用いたインクジェット記録装置 Withdrawn JP2001040255A (ja)

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