JP2001038157A - 有機液体混合物用分離膜 - Google Patents

有機液体混合物用分離膜

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JP2001038157A
JP2001038157A JP11220240A JP22024099A JP2001038157A JP 2001038157 A JP2001038157 A JP 2001038157A JP 11220240 A JP11220240 A JP 11220240A JP 22024099 A JP22024099 A JP 22024099A JP 2001038157 A JP2001038157 A JP 2001038157A
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liquid mixture
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separation membrane
separation
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Takao Uete
貴夫 植手
Yoshinari Fusaoka
良成 房岡
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Toray Industries Inc
Japan Petroleum Energy Center JPEC
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Petroleum Energy Center PEC
Toray Industries Inc
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に使用可能な、より効率の良い有機液
体混合物の膜分離技術を提供する。 【解決手段】 有機液体混合物を膜の片側に供給し、他
の側から気相で有機液体混合物中の一部の成分を分離す
る膜分離法に用いられる分離膜であって、該分離膜が多
孔質支持膜とポリビニルピロリドンからなるものである
ことを特徴とする有機液体混合物用分離膜、およびそれ
を用いた膜分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機液体混合物の
組成を変化させるのに使用する有機液体混合物用分離
膜、有機液体混合物分離装置およびその有機液体混合物
用分離膜を用いた分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】膜分離技術は食品工業や医療分野、海水
淡水化や超純水分野等の水処理分野等をはじめとして様
々な方面で利用されているが、これまで特に水系を中心
に発達し、工業化されてきた。膜分離技術は省資源・省
エネルギーおよび低環境負荷技術として注目されている
分離技術であり、この膜分離技術を非水系分野、例えば
石油精製プロセスや石油化学工業分野へ適用することが
近年研究されはじめている。石油精製プロセスや石油化
学工業分野における分離は、蒸留法を主体とする既存の
分離技術を組合せて行なわれており、省資源・省エネル
ギーおよび環境の立場からは、より有利な分離技術を開
発し適用することが求められている。このような背景か
ら膜分離技術を石油精製プロセスや石油化学工業分野の
技術として開発し実用化することが求められている。
【0003】特開昭63−173182号公報、特開昭
63−175607号公報にはアルコールなどの揮発性
濃縮方法が開示されている。しかし、多孔質膜表面にア
ルコール親和性の高いポリマーをコーティングした膜を
用いており、膜の細孔が濡れると透過速度が低下すると
いう問題がある。特開平2−2852号、特開平2−2
854号公報には、芳香族成分と非芳香族成分を分離す
るためのポリウレア/ウレタン膜が開示されている。し
かし、低分子量のコポリマーの薄膜を析出させて活性層
を形成するので機械的強度が低いという問題がある。特
開平2−138136号公報には、ポリエチレングリコ
ール含浸親水性膜を用いて芳香族炭化水素を芳香族炭化
水素と飽和炭化水素の混合物から分離する方法が開示さ
れている。しかし、分離係数が高くかつ透過速度が大き
いものとはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は有
機液体に対して十分な耐久性があり、かつ分離性能と膜
透過速度を満足し、既存分離設備より経済的に有利な膜
及び膜プロセスとは言えない。また、石油精製プロセス
の場合、処理量が大量であるためガス状態の分離ではエ
ネルギー的に不利になる。これらの理由から現状では石
油精製プロセスや石油化学工業に膜技術を本格的に応用
された例はない。
【0005】有機液体混合物の組成を変化させることが
できれば、石油精製プロセスの場合には、ガソリンのオ
クタン価を向上させたり、軽油のセタン価を向上でき
る。また、膜で目的成分を完全に分離することができな
くとも、蒸留設備に入る前の原料組成を変えておくだけ
で経済的には有利であり、更に蒸留プロセスを膜プロセ
スで置き換えることができれば経済的に有利になること
は言うまでもない。また、ガソリンからベンゼン等の有
害物質を除去できれば低環境負荷の観点から有利であ
る。さらに、オレフィンの分離・濃縮ができればポリマ
ーや石油化学製品の経済的に有利な原料製造方法を提供
することができる。
【0006】そこで本発明の課題は、有機液体混合物の
一部を取り出すための分離膜であって高い分離性能と透
過性能を有する分離膜および分離方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る有機液体混合物用分離膜は、有機液体
混合物を膜の片側に供給し、他の側から気相で有機液体
混合物中の一部の成分を分離する方法に用いられる分離
膜であって、該分離膜が多孔質支持膜と多孔質支持膜の
細孔内面に存在するポリビニルピロリドンとを含むこと
を特徴とするものからなる。
【0008】上記分離膜においては、多孔質支持膜の平
均細孔径が0.5〜50nmの範囲にあることが好まし
い。また、有機液体混合物が供給される面に、さらに非
多孔層が存在してもよい。
【0009】多孔質支持膜の素材としては、たとえば、
ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンスルフィド
スルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれるものを
使用できる。分離膜の形状としては、たとえば、中空糸
膜、平膜および管状膜から選ばれるものである。
【0010】本発明に係る有機液体混合物用分離膜の製
造方法は、多孔質支持膜をポリビニルピロリドンの溶液
に接触させたあと、ポリビニルピロリドン溶液の溶媒を
除去し、該多孔質支持膜の細孔内表面層に該ポリビニル
ピロリドン層を形成させたことを特徴とする、有機液体
混合物を膜の片側に供給し、他の側から気相で有機液体
混合物中の一部の成分を分離するための分離膜の製造方
法からなる。ポリビニルピロリドン溶液の溶媒の除去
は、空気または液体との接触によることができる。
【0011】また、本発明に係る有機液体混合物の分離
方法は、前記の様な分離膜の片側に有機液体混合物を供
給し、他の側から気相で有機液体混合物中の一部の成分
を分離することを特徴とする方法からなる。有機液体混
合物は、たとえば、芳香族系炭化水素を含むものであ
り、分離される一部の成分が有機液体混合物より芳香族
系炭化水素成分濃度の高い有機物とされる。この有機液
体混合物は、たとえば芳香族系炭化水素を含むガソリン
である。
【0012】本発明に係る有機液体混合物分離装置は、
容器内に前記のような分離膜、前記分離膜の一方の側に
有機液体混合物供給部、およびその膜の反対の位置に透
過有機液体取出部を有することを特徴とするものからな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態について説明する。本発明が対象とする膜による分離
方法は、膜の一次側に有機液体混合物を供給し、その反
対側である二次側から混合物中の一部の成分を分離する
ものである。その場合において、通常は二次側は減圧す
るか窒素等の不活性ガスまたは液体で掃引することが好
ましい。不活性ガスまたは温度差を有する液体で二次側
を掃引する方法は、高い真空度に保つ必要がないので、
減圧にする方法よりエネルギー的観点から有利である。
【0014】本発明における有機液体混合物は、化学結
合あるいは分子構造の異なる有機化合物から選ばれるも
のの組合せの混合物であれば特に限定されるものではな
い。例えば、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油などとなる
構成成分を含む石油留分が利用でき、それについて例示
すると、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水
素、ナフテン系炭化水素、および芳香族系炭化水素のう
ち、2つ以上の炭化水素成分を含むものである。また、
硫黄化合物、窒素化合物、酸素化合物、金属化合物など
の非炭化水素成分を含んでいても差し支えないし、天然
ガスや炭酸ガス、ヘリウムガスなどの気体成分を含んで
いてもよい。
【0015】ここで、パラフィン系炭化水素とは、Cn
2n+2の分子式の飽和鎖状化合物で、分枝のないn-パラ
フィンと枝分かれしたイソパラフィンとがあり、具体的
には、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、
n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ド
デカン、2-メチルブタン、2,2-ジメチルプロパンなどが
挙げられる。
【0016】オレフィン系炭化水素とは、通常は二重結
合を有する炭化水素で、さらに述べれば二重結合1個の
場合はCn2nの一般式で示される鎖状炭化水素であ
る。具体的には、例えば、1-ペンテン、 1-ヘキセン、1
-ヘプテン、1-オクテン、 1-ノネン、1-デセン、1-ウン
デセン、1-ドデセンなどが挙げられる。
【0017】ナフテン系炭化水素とは、1分子中に少な
くとも1個の飽和環を含む炭化水素で、炭素数5個のシ
クロペンタンと、炭素数6個のシクロヘキサンが最も基
本となる環状化合物であり、一般式はCn2nである。
【0018】芳香族系炭化水素とは、1分子中に少なく
とも1個の芳香族環を含む炭化水素のことで、具体的に
は、例えば、ベンゼンやベンゼンに側鎖のついたトルエ
ン、キシレンなどの単環化合物である。
【0019】有機液体混合物から膜を通じて分離される
一部の成分とは、特に限定されるものではないが、前述
のようなオレフィン系炭化水素、特に芳香族炭化水素が
好適なものとして規定できる。さらに本発明の分離膜が
好適に使用されるのは、芳香族系炭化水素を含む有機液
体混合物からより芳香族系炭化水素成分濃度の高い有機
液体混合物を取り出す作業であり、さらにこの有機液体
混合物がガソリンであるものである。
【0020】本発明の分離膜は、多孔質膜を基材膜と
し、その多孔質支持膜の細孔内径にポリビニルピロリド
ンの層を形成したことを特徴とする。本発明の分離膜を
用いた有機液体混合物の分離においては、有機液体の混
合物の少なくとも1成分が該分離膜を蒸気の状態または
多孔質膜の微細孔内に毛管凝縮を起こした状態で透過し
ていくものと推定される。
【0021】膜の細孔径の平均孔径または細孔径分布を
測定する方法は種々あるが、本発明で使用した分離膜の
孔径については、多孔質支持膜の孔径と付与したポリビ
ニルピロリドン溶液濃度から推定することができる。ポ
リビニルピロリドン層の厚みは使用したポリビニルピロ
リドン溶液の濃度、多孔質支持膜の空隙率から推定する
ことができる。
【0022】多孔質支持膜の平均細孔径については水の
透過速度と膜の空隙率とから算出される平均孔径として
次式のように定義することができる。 DP=2・(LP・λ・8η/ΦW1/2 ここで、DPは平均孔径[cm]、LPは透水性[cm3
dyn-1・s-1]、λは膜厚[cm]、ηは水の粘土
[dyn・s・cm2]、ΦWは膜の含水率すなわち空隙
率である。
【0023】分離膜が高性能を発現するには、多孔質支
持膜の微細孔内面にポリビニルピロリドン層が付与され
た状態での平均孔径として0.5〜50nmの範囲にあ
ることが好適であり、好ましくは、0.5〜20nm、
更に好ましくは1〜10nmの範囲であることから、該
多孔質支持膜の孔径については0.5〜50nmの範囲
にあることが好適であり、好ましくは、0.5〜20n
m、更に好ましくは1〜10nmの範囲である。多孔質
支持膜の孔径が小さすぎると、孔径がポリビニルピロリ
ドン層で閉塞され透過速度が低下し、大きすぎると分離
の選択性が悪くなる。
【0024】多孔質支持膜の素材は、有機液体混合物お
よびポリビニルピロリドン溶液に対して耐久性がある有
機高分子が好ましく使用される。このような高分子素材
の例としてはポリフェニレンスルホン、ポリフェニレン
スルフィドスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアク
リロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
【0025】多孔質支持膜の微細孔内面へのポリビニル
ピロリドンの付与方法は、多孔質支持膜の多孔質構造が
維持されるものであれば特に限定されないが、該多孔質
支持膜をポリビニルピロリドン溶液中に浸漬する方法
や、ポリビニルピロリドン溶液を多孔質支持膜に塗布す
る方法が挙げられる。ポリビニルピロリドンの溶媒を除
去する方法としては、熱をかけて溶媒を気化させる方法
や不活性ガスを接触させて溶媒を気化させる方法、ポリ
ビニルピロリドンが溶解しない溶媒と接触させてポリビ
ニルピロリドンの溶媒を置換除去する方法などが挙げら
れ、これらの方法を組み合わせて使用してもよい。
【0026】本発明のポリビニルピロリドンの層は多孔
質支持膜の微細孔内面に設けられることが重要である。
【0027】さらに好ましい分離性能を発現させるため
には、本発明の分離膜には、さらに一次側の有機液体混
合物と接触する面にさらに非多孔質の層を設けることが
好ましい。これにより膜の微細孔内への一次側からの有
機液体混合物の侵入を防止し、毛管凝縮を起こす部分を
維持することができると推測している。
【0028】有機液体混合物と接液する面に設ける層に
用いる素材は、少なくとも1成分の蒸気を透過し、該有
機液体混合物の液体としての透過を阻止する性質を有す
るものが好ましい。透過速度が有利に得られる点から、
分離操作を行う状況でゴム状態の高分子が好ましく、こ
のような高分子素材の例としては、ポリイソブチレン、
ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ−1−ブテン、
ポリ−1−ペンテン、ポリオキシメチレン、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリビニルアルコール、ポリジメ
チルシロキサン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
ル等を挙げることができる。有機液体混合物に対する耐
久性が優れ、薄膜形成性が優れる点で架橋構造を有する
ポリジメチルシロキサンすなわち架橋シリコーンは特に
好ましく用いられる。
【0029】分離膜の形態は平膜、管状膜、中空糸膜等
のいずれの状態のものでもよい。さらに本発明によれ
ば、本発明の分離膜、分離膜の一方の側に有機液体混合
物供給部および前記分離膜の逆の側に透過有機液体取出
部を有する有機液体混合物分離装置、すなわち分離膜モ
ジュールを作成することができる。分離膜モジュールの
形態も平膜を用いた平板型、スパイラル型、プリーツ
型、管状型、中空糸型等いずれの形態でも本発明に用い
ることができる。モジュール化したときを考慮すると、
分離膜の形状としては、膜の自己支持性と機械的・力学
的特性、およびモジュールの構成要素が少なく、耐溶剤
性の観点から中空糸膜が好ましく使用される。
【0030】
【実施例】以下に具体的な比較例と実施例を挙げて本発
明を説明するが、本発明はこれらにより何ら限定される
ものではない。
【0031】実施例1 平均細孔径7.4nm、外径1180μm、内径762
μmのポリフェニレンスルホン中空糸膜を約30cmの長
さに切り、10本をポリビニルピロリドンのジメチルア
セトアミド1重量%溶液に一晩浸漬した。浸漬後液きり
をし風乾した後、真空乾燥を行いジメチルアセトアミド
溶媒を除去して中空糸複合膜を得た。
【0032】2個の枝管の付いた試験用のガラス管ミニ
モジュールに8本の中空糸複合膜を束ねて挿入し、ガラ
ス管ミニモジュールの両端部をエポキシ接着剤でポッテ
ィングし、試験用膜モジュールを作製した。
【0033】この試験用ガラス管ミニモジュールを使っ
て、ベンゼン濃度が9mol%のベンゼンとn−ヘプタンを
混合した有機液体混合物の分離実験を行なった。有機液
体混合物を約50℃として中空糸膜の内側に膜面線速度
0.2m/secで供給した。中空糸膜の外側には窒素ガスを
膜面線速度2.0m/secで流し、外側に流れた窒素ガスを
液体窒素のコールドトラップで捕捉し、透過蒸気を凝縮
回収した。この透過液成分の濃度をガスクロマトグラフ
ィーで測定し、分離係数(α)を算出した。
【0034】なお、分離係数は「透過液のベンゼン濃度
/透過液のn-ヘプタン濃度」を「供給液のベンゼン濃
度/供給液のn-ヘプタン濃度」で除したものである。
【0035】結果、分離係数は2.46であった。膜透
過速度は0.015kg/(m2・hr)であった。
【0036】実施例2 実施例1と同じ方法により複合中空糸膜を調製し試験用
膜モジュールを作製した。得られた中空糸膜の内表面を
架橋シリコーン溶液でコーティングした。コーティング
方法は、試験用膜モジュールにシリコーンチューブを接
続し、架橋シリコーン溶液を6ccチューブの内側に注い
で中空糸膜の内側をコーティングした。試験用膜モジュ
ールは、架橋シリコーン溶液を液きりして窒素ガスで緩
やかに約2分パージしたあと60℃のオーブンにて5分加熱
した。架橋シリコーン溶液の調製方法は、櫛型アミノ変
成シリコーンのシクロヘキサン溶液と架橋剤であるトリ
レンジイソシアネートのシクロヘキサン溶液を等量混合
して得た。櫛型アミノ変成シリコーン溶液は、東レシリ
コーン(株)製BY16-872(分子量約12万、側鎖導入率シ
ロキサンユニット中約1.6%)を用い、2重量%のシクロヘ
キサン溶液を調製した。トリレンジイソシアネート溶液
は日本ポリウレタン(株)製トリレンジイソシアネート
コロネートT-80を用い、0.9重量%のシクロヘキサン溶液
を調製した。
【0037】得られた試験用膜モジュールを用い、実施
例1と同じ方法で有機液体混合物の分離実験を行なっ
た。分離係数は2.50であった。膜透過速度は0.0
085kg/(m2・hr)であった。
【0038】比較例1 平均細孔径7.4nm、外径1180μm、内径762
μmのポリフェニレンスルホン中空糸膜を約20cmの長
さに切り、8本を束ねてガラス管ミニモジュールに挿入
し、両端をエポキシ接着剤でポッティングし、試験用膜
モジュールを作製した。この試験用モジュールを使っ
て、ベンゼン濃度が9mol%のベンゼンとn−ヘプタンを
混合した有機液体混合物の分離実験を行なった。有機液
体混合物を約50℃として中空糸膜の内側に膜面線速度
0.2m/secの流量で供給した。中空糸膜の外側には窒
素ガスを膜面線速度2.0m/secで流し、外側に流れた窒
素ガスを液体窒素のコールドトラップで捕捉し、透過蒸
気を凝縮回収した。この透過液成分の濃度をガスクロマ
トグラフィーで測定し、分離係数を算出した。試験用膜
モジュールの分離係数は1.05であった。膜透過速度
は8.80kg/(m2・hr)であった。
【0039】比較例2 比較例1と同じ方法により作成した試験用膜モジュール
の中空糸膜内表面を架橋シリコーン溶液でコーティング
した。コーティング方法は、試験用膜モジュールにシリ
コーンチューブを接続し、架橋シリコーン溶液を6ccチ
ューブの内側に注いで中空糸膜の内側をコーティングし
た。試験用膜モジュールは、架橋シリコーン溶液を液き
りして窒素ガスで緩やかに約2分パージしたあと60℃の
オーブンにて5分加熱した。架橋シリコーン溶液の調製
方法は、櫛型アミノ変成シリコーンのシクロヘキサン溶
液と架橋剤であるトリレンジイソシアネートのシクロヘ
キサン溶液を等量混合して得た。櫛型アミノ変成シリコ
ーン溶液は、東レシリコーン(株)製BY16-872(分子量
約12万、側鎖導入率シロキサンユニット中約1.6%)を用
い、2重量%のシクロヘキサン溶液を調製した。トリレン
ジイソシアネート溶液は日本ポリウレタン(株)製トリ
レンジイソシアネートコロネートT-80を用い、0.9重量%
のシクロヘキサン溶液を調製した。
【0040】得られた試験用膜モジュールを用い、比較
例1と同じ方法で有機液体混合物の分離実験を行なっ
た。分離係数は1.80であった。膜透過速度は2.4
4kg/(m2・hr)であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の分離膜および分離方法によれ
ば、膜の微細孔内面にポリビニルピロリドンが設けられ
ているために、より高い分離係数で有機液体混合物から
一部の物質を取り出すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/34 B01D 71/34 71/42 71/42 71/68 71/68 C10G 31/00 C10G 31/00 31/09 31/09 31/11 31/11 (72)発明者 房岡 良成 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4D006 GA25 HA01 HA18 HA21 HA41 HA61 HA71 KE01P KE02P KE05P KE12P KE13P MA01 MA02 MA03 MA06 MA22 MA30 MA33 MB03 MB04 MC22 MC23 MC26 MC29 MC30 MC33 MC39 MC40X MC61 MC62X MC65X MC68 NA01 NA46 NA64 PA10 PB13 PB20 PB68 PB70

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機液体混合物を膜の片側に供給し、他
    の側から気相で有機液体混合物中の一部の成分を分離す
    る方法に用いられる分離膜であって、該分離膜が多孔質
    支持膜と多孔質支持膜の細孔内面に存在するポリビニル
    ピロリドンとを含むことを特徴とする有機液体混合物用
    分離膜。
  2. 【請求項2】 多孔質支持膜の平均細孔径が0.5〜5
    0nmの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載
    の有機液体混合物用分離膜。
  3. 【請求項3】 有機液体混合物が供給される面側に、さ
    らに非多孔層が存在していることを特徴とする、請求項
    1または2に記載の有機液体混合物用分離膜。
  4. 【請求項4】 多孔質支持膜の素材がポリフェニレンス
    ルフォン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフ
    ッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン
    およびポリプロピレンから選ばれるものであることを特
    徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有機液体混
    合物用分離膜。
  5. 【請求項5】 分離膜が中空糸膜、平膜および管状膜か
    ら選ばれるものであることを特徴とする、請求項1〜4
    のいずれかに記載の有機液体混合物用分離膜。
  6. 【請求項6】 多孔質支持膜をポリビニルピロリドンの
    溶液に接触させたあと、ポリビニルピロリドン溶液の溶
    媒を除去し、該多孔質支持膜の細孔内表面層に該ポリビ
    ニルピロリドン層を形成させたことを特徴とする、有機
    液体混合物用分離膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリビニルピロリドン溶液の除去が、空
    気または液体との接触により行われる、請求項6に記載
    の有機液体混合物用分離膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜
    の片側に有機液体混合物を供給し、他の側から気相で有
    機液体混合物中の一部の成分を分離することを特徴とす
    る、有機液体混合物の分離方法。
  9. 【請求項9】 有機液体混合物が芳香族系炭化水素を含
    むものであり、分離される一部の成分が有機液体混合物
    よりも芳香族系炭化水素成分濃度の高い有機液体混合物
    である、請求項8に記載の有機液体混合物の分離方法。
  10. 【請求項10】 有機液体混合物が芳香族系炭化水素を
    含むガソリンであることを特徴とする、請求項9に記載
    の有機液体混合物の分離方法。
  11. 【請求項11】 容器内に請求項1〜5のいずれかに記
    載の分離膜を配し、前記分離膜の一方の側に有機液体混
    合物供給部を、その膜の反対の位置に透過有機液体取出
    部を有することを特徴とする有機液体混合物分離装置。
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