JP2001038095A - 洗剤溶解装置およびこれを備えた洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗剤を良好に溶解することのできる洗剤溶解
装置、およびそれを備えた洗濯機を提供すること。 【解決手段】 洗剤Ａを収納する容器３４をスプリング
等の弾性体３５により、振動自在に支持させることによ
り、容器３４内に収納された洗剤は、注水口４１から注
入された水により、掻き上げられ、溶解するが、同時に
注入水の水圧で容器３４が上下、横方向に振動するた
め、洗剤が攪拌され、溶解がさらに促進され、洗剤の溶
け残りをなくする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯に使用すべき
洗剤を水に溶かすための洗剤溶解装置、およびこれを備
えた洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】洗濯槽内５に洗剤を含む水（洗濯水）お
よび洗濯物を収容し、洗濯槽内５に配設されたパルセー
タ１７を回転させて洗濯物および洗濯水を攪拌すること
により、洗濯を行なう洗濯機が知られている。このよう
な洗濯機では、洗濯用洗剤が使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗濯槽
内に洗剤を投入するタイミングによっては、洗剤が上手
く溶けず、そのために洗濯物の汚れが十分に落ちない恐
れがある。すなわち、洗濯槽内に溜められた水に洗剤を
十分に溶かした後に、洗濯物を投入して洗濯を開始した
場合には、洗剤の溶け残りを生じることがないから、洗
濯物をきれいに洗うことができる。これに対し、まず洗
濯物を洗濯槽内に投入し、その後に水および洗剤を入れ
て洗濯を開始した場合には、水と洗剤とが上手く混ざり
合わないために、所定の洗濯時間内にすべての洗剤が水
に溶けない恐れがある。特に、洗剤が粉末状や粒状であ
る場合には、水に溶けるまでに時間がかかったり、洗剤
の一部が水に溶けずに残ったりすることがあった。

【０００４】洗濯に使用する洗剤の量は、洗濯物の汚れ
を十分に落とすことができるように、洗濯物および水の
量に応じて、適切に定められているから、洗剤の溶け残
りを生じると洗濯物をきれいに洗うことができない。

【０００５】そこでこの発明の目的は、洗剤を良好に溶
かすことのできる洗剤溶解装置およびそれを備えた洗濯
機を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
洗剤収納部、収納部上方から水を注入する注水口、注入
された水により洗剤が溶かされた洗濯水を排出する流出
口、を有する容器を注入された水の勢いによって容器が
振動するように容器を弾性体にて支持させたことを特徴
とする洗剤溶解装置である。

【０００７】上記構成によれば、注水口から容器に水が
注入されると、水の勢いによって洗剤は水に混入、攪拌
され、溶解するが、同時にその際の水圧により、容器
は、弾性体を介して取付けられている為、上下方向、横
方向に振動する。それにより、容器内の洗剤と水が更に
攪拌されるため、より効果的に溶解を促進させることが
できる。

【０００８】また、請求項２は、注水口および流出口に
つながる水路の一部に可撓性部材を使用したことを特徴
とする洗剤溶解装置である。

【０００９】請求項２の構成によれば、注水時の水圧に
よる容器の振動が拘束されるのを軽減することができ、
より効果的に溶解が促進される。

【００１０】請求項３は、注水口につながる水路の途中
にエア混入装置を関連して設け、注水口から注入する水
の中に、エアを混入したことを特徴とする洗剤溶解装置
である。

【００１１】請求項３の構成によれば、洗剤に注がれる
水にエアが混入されると、注水口から注水される水のな
かに細かい気泡が発生する。このため、洗剤は水に含ま
れる細かい気泡によって砕かれ、水に速やかに溶ける。
また、注水口から注水される水に気泡が含まれるので、
溶け残った洗剤が容器内に付着することもない。

【００１２】請求項４の発明は、請求項１ないし３のい
ずれかに記載の洗剤溶解装置は、電気洗濯機のための装
置であって、前記洗剤溶解装置の注水口につながる水路
は、洗濯機の洗濯槽へ水を供給するための給水装置に連
結されており、洗剤が溶かし込まれた水は、流出口を介
して洗濯槽に供給されることを特徴とする洗濯機であ
る。

【００１３】請求項４の構成によれば、前記注水口につ
ながる水路は、洗濯機の洗濯槽へ水を供給するための給
水装置に連結され、洗剤溶解装置によって洗剤が溶かし
込まれた水が、洗濯槽に供給される。

【００１４】このため、給水装置から送られた水が、注
水口から洗剤溶解装置内に注ぎ込まれ、洗剤は溶け残り
を生じることなく水に溶け込み、十分に洗剤が溶け込ん
だ水が洗濯槽に供給される。従って、洗濯物および水の
量に応じた適切な量の洗剤を水に溶かすことができ、洗
濯物をきれいに洗うことができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について説
明する。図１は、この発明の一実施形態にかかる全自動
洗濯機の構成を簡略化して示す断面図である。この全自
動洗濯機は、風呂の残り水を洗濯水として利用できるよ
うになっている。

【００１６】この全自動洗濯機は、上面に開口を有する
箱状の外装１を備えている。外装１の上面には、その上
面の開口を開閉するための上蓋２が取付けられている。
外装１の上面には、操作パネル３が配置されている。こ
の操作パネル３には洗濯運転を開始するための運転開始
スイッチ３ａ等が配列されている。外装１内には、洗濯
水を溜めるための外槽４がスプリング付きの吊り棒（図
示せず）で吊り下げられており、また外槽４内には、洗
濯物を収容する洗濯槽５が回転可能に設けられている。

【００１７】外槽４の上方には、洗濯に使用する洗濯水
を洗濯槽５に供給するための洗濯水供給部６が配設され
ている。この洗濯水供給部６には、水道水ホース７およ
び風呂水ホース８が接続されており、水道水ホース７を
介して水道設備９からの水道水が供給され、風呂水ホー
ス８を介して風呂水が供給されるようになっている。

【００１８】洗濯水供給部６は、水道水ホース７から供
給される水道水、および風呂水ホース８から供給される
風呂水に洗剤を溶かし、その洗剤が溶けた水道水または
風呂水を給水口１０から洗濯槽５に向けて供給する。洗
濯槽５に供給された洗濯水は、洗濯槽５に形成された多
数の小孔を介して外槽４に溜められる。

【００１９】外槽４の底部には、外槽４に溜められた洗
濯水を外装１の外部へ排出するための排水口１１が形成
されている。この排水口１１には、外装１外へ延びる排
水管１２が接続されている。排水管１２の途中には、た
とえば電磁弁からなる排水弁１３が配設されている。

【００２０】この排水弁１３を閉塞することにより、洗
濯水供給部６を介して供給される洗濯水が外槽４内に溜
められ、排水弁１３が開かれることにより、外槽４内に
溜められた洗濯水が、排水管１２を介して外装１の外部
に排水される。また、外槽４の底部一角には、エアトラ
ップ１４が設けられている。エアトラップ１４は、外装
１の上方部に設けられた水位センサ１５にエアホース１
６を介して接続されている。

【００２１】外槽４の水位の上昇に伴って、エアトラッ
プ１４内にも洗濯水が侵入し、エアトラップ１４内の空
気が圧縮される。また逆に、外槽４内から洗濯水が排水
されると、外槽４内の洗濯水の水位の下降に伴って、エ
アトラップ１４内の空気圧が下がる。水位センサ１５
は、このようなエアトラップ１４内の空気圧の変化に基
づいて、外槽４内の水位を検出する。

【００２２】洗濯槽５は、脱水槽を兼ねたものであっ
て、その周囲には、多数の微細な脱水孔（小孔）が形成
されている。また、洗濯槽５の底部には、洗濯水を攪拌
して水流を発生させるためのパルセータ１７が設けられ
ている。洗濯槽５およびパルセータ１７は、外槽４の下
方に設けられた軸受部１８の出力軸１９によって、正逆
回転可能に支持されている。

【００２３】外槽４の下方にはさらに、モータ２０が設
置され、モータ２０の回転力は、モータプーリ２１、Ｖ
ベルト２２、軸受プーリ２３を介して軸受部１８に伝達
される。

【００２４】また、洗濯槽５およびパルセータ１７を個
別に駆動できるように、軸受部１８には、クラッチが内
蔵されており、軸受部１８の出力軸１９は二重シャフト
で構成されている。たとえば、洗いおよびすすぎ時に
は、モータ２０の回転力は軸受部１８を介してパルセー
タ１７に伝達され、パルセータ１７が正逆回転し、洗濯
槽５内に水流が発生する。脱水時には、モータ２０の回
転力が洗濯槽５およびパルセータ１７の両方に伝達され
て、洗濯槽５およびパルセータ１７がともに高速で一方
向に回転し、洗濯槽５内の洗濯物が遠心力により脱水さ
れる。

【００２５】図２は、洗濯水供給部６の水路構成図であ
る。まず水道水は、水道設備９から水道水ホース７を介
して、洗濯水供給部６内の給水弁２４、逆止弁２５、合
流路２６の給水路で洗剤溶解装置２７に注水される。水
道水は、洗剤溶解装置２７内にあらかじめ収納されてい
る洗剤を溶解し、洗濯水として給水口１０から洗濯槽５
内に供給される。

【００２６】また、浴槽内の風呂水（図示せず）は、風
呂水ホース８先端部のストレーナ２８を浴槽内に投入し
た後、風呂水ホース８を介して風呂水ポンプ２９により
吸引される。吸引された風呂水は逆止弁３０、合流路２
６を経由して、洗剤溶解装置２７内に注水される。風呂
水は洗剤溶解装置２７内で洗剤を溶解し、洗濯水として
給水口１０から洗濯槽５内に供給される。

【００２７】逆止弁２５は、風呂水ポンプ２９運転時に
風呂水が給水弁２４側へ逆流しないようにする為、逆止
弁３０は、水道水使用時に水道水が風呂水ポンプ２９側
へ逆流しないようにする為に設けられている。

【００２８】また、風呂水ポンプ２９には、始動時に必
要な呼び水を供給するための呼び水水路３１の一端が接
続されており、呼び水水路３１の他端は給水弁２４に接
続されている。この給水弁２４は、たとえば三方弁で構
成されており、この給水弁２４を切り替えることによ
り、水道水を洗剤溶解装置２７に供給したり、呼び水と
して風呂水ポンプ２９に供給することができる。

【００２９】さらに、この洗濯水供給部６には、水道水
または風呂水にエアを混入させるためのエア混入装置３
２が備えられている。このエア混入装置３２には、一端
が合流路２６の途中に接続されたエア供給チューブ３３
の他端が接続されている。このエア混入装置３２は、た
とえば電磁式のポンプで構成されており、エア供給チュ
ーブ３３を介して、洗剤溶解装置２７に注水される直前
の水道水または風呂水に、エアを混入する。

【００３０】図３は、洗剤溶解装置２７の構成例を示す
断面図である。この洗剤溶解装置２７は、洗剤Ａを収納
するための容器３４を備えており、スプリング３５を介
して洗濯水供給部６内に取付けられている。

【００３１】また容器３４は容器本体３６と蓋３７で構
成されている。容器本体３６は底面３６ａを有する円筒
体であり、その底面３６ａは洗剤収納部であり、かつ洗
剤Ａが溶解した洗濯水を洗濯槽へ排出するための流出口
３８が設けられている。この流出口３８は底面３６ａの
略中央から、上方および下方に向かって延びるパイプで
あり、流出口３８の、底面３６ａの付近には、容器本体
３６にたまった残水を排出するための***３８ａが複数
個設けられている。また、流出口３８下端には、蛇腹構
造を有する可撓性の出口ホース３９が接続されている。

【００３２】図示しないが出口ホース３９の他端は給水
口１０に接続されている。容器本体３６の上面に形成さ
れた開口３６ｂには、Ｏリング４０を介して、蓋３７が
螺嵌されている。蓋３７の上面３７ａには注水口４１が
設けられている。この注水口４１は蓋３７の上面３７ａ
の略中央から上方および下方に向かって延びるパイプで
あり、注水口４１の下方は、斜めに向かって湾曲してい
る。

【００３３】注水口４１の上方は、マジックジョイント
４２を掛止するための掛止溝４１ａが形成されており、
マジックジョイント４２が着脱自在に取付けられてい
る。マジックジョイント４２には、蛇腹構造を有する可
撓性の接続ホース４３が接続されている。接続ホース４
３の他端は、合流路２６に接続されている。

【００３４】上記の構成により、使用者は、まずマジッ
クジョイント４２を蓋３７から外した後、蓋３７を反時
計方向に回して容器本体３６から外す。開放された容器
本体３６に、洗濯すべき洗濯物の量に応じた分量の洗剤
Ａを投入する。このとき、洗剤は容器本体３６の底面３
６ａ上にたまる。

【００３５】そして、蓋３７と容器本体３６の上面３６
ｂの間に、シールを確保するために、Ｏリング４０を介
在させた状態で、蓋３７を時計方向に回して、容器本体
３６に螺嵌させる。その後、蓋３７にマジックジョイン
ト４２を装着する。

【００３６】そして、この全自動洗濯機の洗濯運転を開
始させると、注水口４１から注入された水道水または風
呂水は、容器本体３６の内周面に当たって、周面を回り
ながら下方に落ち、洗剤Ａを掻き上げる。掻き上げられ
た洗剤は水に混入、攪拌され、溶解するが、同時にその
際の水圧により、スプリング３５により支持された容器
３４が上下、横に振動するため、洗剤が攪拌され、溶解
が更に促進される。そして、溶け残りを生じることな
く、洗濯水を洗濯槽内へ供給することができる。

【００３７】出口ホース３９および、接続ホース４３は
可撓性の部材を使用し、蛇腹構造を有しているため、注
水時に洗剤溶解装置２７の振動が拘束されるのを軽減
し、より大きな振動により、攪拌力をアップさせ、溶解
を促進させることができる。

【００３８】さらに、エア混入装置３２によって、水道
水または風呂水に混入されたエアは、細かい気泡とな
り、容器３４に注水される。そして容器３４内の洗剤Ａ
は、注水された水道水または風呂水に含まれる細かい気
泡によって砕かれ、水中に速やかに溶解する。

【００３９】

【発明の効果】本発明は以上の説明のように、容器内の
洗剤が、溶け残りが生じることなく水道水または風呂水
に溶解し、洗濯水として、洗濯槽へ供給することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全自動洗濯機の構成断面図

【図２】本発明の洗濯水供給部の水路構成図

【図３】本発明の洗剤溶解装置の構成断面図

【符号の説明】

１ 外装 ２ 上蓋 ４ 外槽 ５ 洗濯槽 ６ 洗濯水供給部 ２７ 洗剤溶解装置 ３２ エア混入装置 ３４ 容器 ３５ スプリング ３６ 容器本体 ３７ 蓋 ３８ 流出口 ４１ 注水口 Ａ 洗剤

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗剤収納部、該収納部上方から水を注入す
   る注水口、注入された水により洗剤が溶かされた洗濯水
   を排出する流出口、を有する容器を注入された水の勢い
   によって容器が振動するように容器を弾性体にて支持さ
   せたことを特徴とする洗剤溶解装置。
2. 【請求項２】前記容器を密閉状態に構成し、注水口およ
   び流出口につながる水路の少なくとも一部には可撓性部
   材を設けたことを特徴とする請求項１項の洗剤溶解装
   置。
3. 【請求項３】前記注水口につながる水路の途中にエア混
   入装置を関連して設け、注水口から注入する水の中にエ
   アを混入したことを特徴とする請求項１の洗剤溶解装
   置。
4. 【請求項４】請求項１ないし３のいずれかに記載の洗剤
   溶解装置は、電気洗濯機のための装置であって、前記洗
   剤溶解装置の注水口につながる水路は洗濯機の洗濯槽へ
   水を供給するための給水装置に連結されており、洗剤を
   溶かした洗濯水は、流出口を介して洗濯槽に供給される
   ことを特徴とする洗濯機。