JP2001031408A - エチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム、その製造方法及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物 - Google Patents

エチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム、その製造方法及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物

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JP2001031408A
JP2001031408A JP11205187A JP20518799A JP2001031408A JP 2001031408 A JP2001031408 A JP 2001031408A JP 11205187 A JP11205187 A JP 11205187A JP 20518799 A JP20518799 A JP 20518799A JP 2001031408 A JP2001031408 A JP 2001031408A
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phosphate
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Hideo Sakka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、様々な難燃剤の提案がなされ、様々な
用途で使い分けがなされているものの、近年の難燃規制
の強化、配合した難燃樹脂の性能のさらなる向上要求が
高く、従来品の欠点を補完する剤の創製が望まれてい
た。 【解決手段】 一般式(MgaZn1-a22822
10(式中、aは0.01〜0.8である。)で示され
るエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムを難燃剤と
して樹脂に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電気機器、自
動車部品、建材及び電線、ケーブル等の難燃剤として有
用なエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム、その製
造方法及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂の難燃化に対してハロゲン系
の難燃剤が難燃性、樹脂物性、価格の面で優れているた
めに広く用いられてきたが、発煙性や、加工時及び燃焼
時に毒性ガスが発生する等の問題により、近年ハロゲン
系化合物を使用しない難燃処方の開発が盛んに行われて
いる。
【0003】樹脂の難燃化を目的としたハロゲン原子を
含まない難燃剤としては、トリフェニルホスフェートや
トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系化合物
(特公昭53−418号公報参照)、エチレンジアミン
リン酸塩等のリン酸アミン(特開平5−156116号
公報参照)、ポリリン酸アンモニウム(特開平7−33
0968号公報参照)、赤リン等のリン系難燃剤や、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛等
の無機系難燃剤等が知られている。
【0004】しかしながら、リン酸エステル系化合物
は、揮発性が高く耐熱性が十分でないものが多く、難燃
性能及び配合樹脂の機械物性の問題でさらなる改善が求
められていた。ポリリン酸アンモニウムに代表されるリ
ン化合物は難燃性が劣るという問題があり、またリン酸
アミンを配合した樹脂組成物は難燃性は高いものの耐水
性が劣るという問題があった。このため、金属で表面処
理したリン酸アミンが提案されているが、耐水性におい
て未だ満足できるものではなかった。一方、赤リンを配
合した樹脂組成物は、樹脂組成物が着色し、更には加工
時にフォスフィンガスが発生する等の問題がある。更に
は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムに代表され
る無機系難燃剤も難燃性の面で必ずしも満足されていな
いのが現状である。
【0005】こうした状況の中、本発明者らは、燃焼時
に有害ガスや煙の発生を著しく抑制できる新規な難燃剤
として、一般式がZn2282210で表されるエ
チレンジアミンリン酸亜鉛を見出し、先に特許出願して
いるが(特開平8−269230号公報)、このエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛も難燃性の面では未だ満足できる
ものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のハロゲ
ン原子を含まない難燃剤よりも高い難燃性を有する難燃
剤を提供すること、そしてその難燃剤を工業規模で製造
できる方法を提供すること、及びその難燃剤を配合して
なる難燃性樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、従来のエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛に比べ、新たにマグネシウムを複合させた
エチレンジアミンリン酸亜鉛が難燃性付与性能に優れ、
樹脂等に混ぜることで十分な難燃性を発現できるだけで
なく、更にこのエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウ
ムが簡便な方法で製造できることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0008】すなわち本発明は、下記一般式(1) (MgaZn1-a2282210 (1) (式中、aは0.01〜0.8である。)で示されるエ
チレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム、その製造方法
及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明においてエチレンジアミンリン酸亜
鉛マグネシウムとは、上記一般式(1)で示される化合
物をいう。本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネ
シウムの具体例としては、X線パターンとして少なくと
も表1に示される面間隔を含む化合物が例示される。
【0011】
【化1】
【0012】次に、このエチレンジアミンリン酸亜鉛マ
グネシウムの製造方法について説明する。
【0013】本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムの製造方法は、特に限定するものではないが、
例えば、以下に示す本発明の方法により、簡便に製造す
ることが出来る。
【0014】本発明の方法においては、まず、リン酸に
亜鉛とマグネシウムを溶解させたリン酸亜鉛マグネシウ
ム水溶液と、エチレンジアミン水溶液とを混合する。
【0015】本発明の方法において、リン酸亜鉛マグネ
シウム水溶液は、亜鉛化合物及びマグネシウム化合物を
リン酸水溶液と混合し、均一に溶解させて製造する。
【0016】リン酸亜鉛マグネシウム水溶液中の、マグ
ネシウム/亜鉛はモル比で0.01〜4の範囲であり、
かつリン酸/(亜鉛+マグネシウム)は、モル比で1〜
2、好ましくは1〜1.5の範囲である。マグネシウム
/亜鉛がモル比で0.01未満の場合、得られた生成物
において目的とする難燃性が得られず、またマグネシウ
ム/亜鉛がモル比で4以上の場合、生成物中にエチレン
ジアミンリン酸亜鉛マグネシウム以外の不純物が混入す
るために好ましくない。一方、リン酸/(亜鉛+マグネ
シウム)がモル比で1未満の場合、生成物中にエチレン
ジアミンリン酸亜鉛マグネシウム以外の不純物が混入す
るため好ましくなく、またリン/(亜鉛+マグネシウ
ム)がモル比で2を超える場合、未反応のリン酸の量が
多くなり、非経済的である。
【0017】本発明の方法に適用可能な亜鉛化合物とし
ては、具体的には、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢
酸亜鉛、過塩素酸亜鉛等の無機酸塩、安息香酸亜鉛、ク
エン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、乳酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、サ
リチル酸亜鉛等の有機酸塩、亜鉛金属、酸化亜鉛、水酸
化亜鉛等が例示されるが、特に限定されることなく使用
可能である。
【0018】また、本発明の方法に適用可能なマグネシ
ウム化合物としては、具体的には、硫酸マグネシウム、
硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の無機酸塩、酢
酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、オレイン酸マ
グネシウム等の有機酸塩、マグネシウム金属、酸化マグ
ネシウム、水酸化マグネシウム等が例示されるが、特に
限定されることなく使用可能である。
【0019】リン酸亜鉛マグネシウム水溶液を製造する
際、亜鉛化合物又はマグネシウム化合物によってはリン
酸水溶液に溶解しない場合がある。この様な場合、亜鉛
化合物又はマグネシウム化合物はリン酸とリン酸以外の
酸を使用することによって溶解される。リン酸以外の酸
としては塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられるが、特に限定
されない。
【0020】リン酸以外の酸の量は特に限定されず、亜
鉛化合物又はマグネシウム化合物が均一に溶解するだけ
の量でよい。なお、リン酸以外の酸の使用が必要な亜鉛
化合物としては金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等であ
り、また、マグネシウム化合物としては金属マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げら
れる。なお、リン酸亜鉛マグネシウム水溶液の濃度は特
に限定されず、亜鉛濃度、マグネシウム濃度及びリン酸
濃度は数十〜数千mmol/l程度でよい。
【0021】次にこのリン酸亜鉛マグネシウム水溶液
に、エチレンジアミン水溶液を、エチレンジアミン/
(亜鉛+マグネシウム)がモル比で0.5〜1.0とな
る量で混合する。エチレンジアミン/(亜鉛+マグネシ
ウム)がモル比で0.5未満の場合、生成物中にエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム以外の不純物が混入
するために好ましくない。エチレンジアミン/(亜鉛+
マグネシウム)がモル比で1.0を超える場合、未反応
のエチレンジアミン量が多くなり、非経済的である。
【0022】リン酸亜鉛マグネシウム水溶液とエチレン
ジアミン水溶液の混合方法は、特に限定されないが、例
えば、リン酸亜鉛マグネシウム水溶液にエチレンジアミ
ン水溶液を添加する方法、エチレンジアミン水溶液にリ
ン酸亜鉛マグネシウム水溶液を添加する方法、エチレン
ジアミン水溶液とリン酸亜鉛マグネシウム水溶液を反応
槽内に同時に添加する方法等の混合方法が挙げられる。
本発明の方法において、リン酸亜鉛マグネシウム水溶液
とエチレンジアミン水溶液の混合は、反応槽内を均一に
保つために攪拌しながら行うのが一般的である。リン酸
亜鉛マグネシウム水溶液にエチレンジアミン水溶液を添
加、又はエチレンジアミン水溶液にリン酸亜鉛マグネシ
ウム水溶液を添加する場合、添加時間は数分〜数時間で
よい。また、混合時の温度は、エチレンジアミンリン酸
亜鉛マグネシウム以外の不純物の混入を防ぎ、また経済
的に製造するため、0℃〜50℃が好ましく、0℃〜3
0℃が特に好ましい。
【0023】エチレンジアミン水溶液の濃度は特に限定
されず、数十〜数千mmol/l程度でよい。
【0024】本発明の方法において、リン酸亜鉛マグネ
シウム水溶液とエチレンジアミン水溶液の混合液のpH
を3〜8の範囲に調整することにより、エチレンジアミ
ンリン酸亜鉛マグネシウムを晶析する。リン酸亜鉛マグ
ネシウム水溶液とエチレンジアミン水溶液を混合した溶
液のpHは約2であり、このpHではエチレンジアミン
リン酸亜鉛マグネシウムの溶解度が大きいため、得られ
るエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムの収率が低
下する。pHの調整は、エチレンジアミンリン酸亜鉛マ
グネシウムの収率を高めるために行うものである。
【0025】調整するpHは、上述のとおり、3〜8の
範囲である。調整するpHが3未満の場合、エチレンジ
アミンリン酸亜鉛マグネシウムの収率を向上させる効果
が小さく、pHが8を超える場合、生成物中にエチレン
ジアミンリン酸亜鉛マグネシウム以外の不純物が混入す
るため好ましくない。
【0026】pHを3〜8に調整する方法は特に限定さ
れない。例えば、リン酸亜鉛マグネシウム水溶液とエチ
レンジアミン水溶液を混合したものにアルカリを添加す
る方法、リン酸亜鉛マグネシウム水溶液とエチレンジア
ミン水溶液を混合する前に予めリン酸亜鉛マグネシウム
水溶液にアルカリを添加する方法、予めエチレンジアミ
ン水溶液にアルカリを添加する方法等が挙げられる。
【0027】pHを調整する際に使用するアルカリは、
特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
尿素等の粉末若しくはその水溶液、又はアンモニア等の
ガス若しくはその水溶液でよい。
【0028】本発明の方法において、pHを調整した
後、熟成を行う。熟成とは、攪拌を継続してスラリーを
混合、均一化する工程である。熟成時間は特に限定され
ないが、数分〜数十時間、特に好ましくは3〜24時間
である。熟成温度は0〜50℃、特に好ましくは0〜3
0℃である。
【0029】上述の方法で得られたエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛マグネシウムは、洗浄後、固液分離される。洗
浄水の量は特に限定されず、未反応物が除去される量で
よい。固液分離の方法は、ヌッチェ、ドラムフィルタ
ー、フィルタープレス、ベルトフィルター等が例示され
るが特に限定されない。
【0030】洗浄、固液分離の後、ピペラジン骨格を含
むアミン含有リン酸亜鉛は乾燥される。乾燥温度は特に
限定されず、60〜250℃程度でよく、乾燥時間は数
時間〜数十時間でよい。
【0031】以上の方法によりエチレンジアミンリン酸
亜鉛マグネシウムが製造される。
【0032】続いて、本発明の難燃性樹脂組成物につい
て説明する。
【0033】本発明の難燃性樹脂組成物はエチレンジア
ミンリン酸亜鉛マグネシウムを含む難燃性樹脂組成物で
あり、更に必要に応じて、赤リン、リン化合物、金属化
合物及び1,3,5−トリアジン誘導体からなる群より
選ばれる1種又は2種以上の難燃剤を含んでもよい。詳
細な理由は不明であるが、これら難燃剤のうち、赤リ
ン、リン化合物がエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシ
ウムと難燃効果において著しい相乗効果を奏するため特
に好ましい。
【0034】リン化合物としては、リン酸エステル、ポ
リリン酸アンモニウム、アミド変性ポリリン酸アンモニ
ウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グ
アニジン、エチレンジアミンリン酸塩及び1、4−ブタ
ンジアミンリン酸塩等が好適な例として挙げられる。
【0035】金属化合物としては、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ヒドロキ
シスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化ニッケル、酸化コバル
ト、酸化鉄、酸化銅、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化
亜鉛、酸化ケイ素、ゼオライト、ホウ酸亜鉛、酸化ジル
コニウム、三酸化アンチモン及び五酸化アンチモン等が
好適な例として挙げられる。
【0036】1,3,5−トリアジン誘導体としては、
メラミン、シアヌール酸、シアヌール酸誘導体、イソシ
アヌール酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミンシアヌ
レート及びメラミンイソシアヌレート等が好適な例とし
て挙げられる。
【0037】本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムが配合可能な樹脂としては、フェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ポリウレタン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂や、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリスチレン、
耐衝撃性ポリスチレン、発泡ポリスチレン、アクリロニ
トリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレ
ン−ブタジエン共重合体(以下ABSと略す)、ポリプ
ロピレン、石油樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエー
テル等の熱可塑性樹脂が挙げられ、さらに熱可塑性樹脂
を2種以上混合したポリカーボネート−ABS、ポリフ
ェニレンエーテル−ポリスチレン等に代表されるポリマ
ーアロイ等も例示できる。これらのうち、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテ
ート共重合体、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、
発泡ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリプロピレン、石油樹脂、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンエーテル等の熱可塑性樹脂や、熱可塑性樹脂を2
種以上混合したポリカーボネート−ABS、ポリフェニ
レンエーテル−ポリスチレン等に代表されるポリマーア
ロイが好適な樹脂として例示される。
【0038】本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムの樹脂への配合量は、配合する樹脂の種類や目
的とする難燃性能により異なり、エチレンジアミンリン
酸亜鉛マグネシウムを単独で配合する場合、樹脂100
重量部に対して、通常、150〜300重量部配合す
る。また、本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネ
シウムと、赤リン、リン化合物、金属化合物及び1,
3,5−トリアジン誘導体からなる群より選ばれる1種
又は2種以上の難燃剤を添加した場合には、樹脂100
重量部に対して、通常、本発明のエチレンジアミンリン
酸亜鉛マグネシウムを5〜100重量部、赤リン、リン
化合物、金属化合物及び1,3,5−トリアジン誘導体
からなる群より選ばれる1種又は2種以上の難燃剤を5
〜200重量部配合する。
【0039】さらに必要に応じて、ベンゾトリアゾール
系の紫外線吸収剤、2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン誘導体の光安定剤、ヒンダードフェノール系の酸
化防止剤等を添加してもよく、この場合、本発明の難燃
性樹脂組成物100重量部に対して、通常、0.05〜
5重量部添加される。これらの他、必要に応じて帯電防
止剤やタルク、グラスファイバー等の無機充填剤を添加
してもよい。
【0040】本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムの樹脂への配合方法としては、熱硬化性樹脂に
配合する場合には、例えば、あらかじめ本発明のエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムを樹脂原料に分散さ
せた後硬化させればよい。また、熱可塑性樹脂に配合す
る場合には、例えば、コニカルブレンダーやタンブラー
ミキサーを用いて必要な配合試剤を混合し、二軸押出機
等を用いてペレット化してもよい。これらの方法で得ら
れた難燃性樹脂組成物の加工方法は、特に限定されるも
のではなく、例えば押出成型、射出成型等を行い、目的
とする成型品を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムはハロゲン
元素を含有しない極めて有用な難燃剤であり、特に熱硬
化性樹脂や熱可塑性樹脂に配合した場合、高い難燃性能
を発現できる。また、本発明の製造方法によれば、本発
明のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムを簡易的
な方法で製造できるため、工業的に極めて有用な技術で
ある。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0043】実施例1 225gの水と178gの75%リン酸を混合し、続い
て291gの硫酸亜鉛7水和物と23gの塩化マグネシ
ウム6水和物を溶解させてリン酸/(亜鉛+マグネシウ
ム)=1.21モル比のリン酸亜鉛マグネシウム水溶液
を調製した。なお、亜鉛とマグネシウムの仕込み比は亜
鉛:マグネシウム=9:1モル比に相当する。
【0044】上記リン酸亜鉛マグネシウム水溶液に22
5gの水と41gのエチレンジアミンを混合して調製し
たエチレンジアミン水溶液を添加し(エチレンジアミン
/(亜鉛+マグネシウム)=0.60モル比)、48%
水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調製した後、
30℃で22時間熟成して白色粉末スラリーを得た。得
られた白色粉末スラリーをヌッチェにより固液分離し、
2000gの水で洗浄後、120℃で16時間乾燥し、
エチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム211gを得
た。
【0045】得られたエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムの収率は仕込みの硫酸亜鉛及び塩化マグネシウ
ムの合計仕込み量に対して99%以上であった。またエ
チレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムのX線回折パタ
ーンは表1に示した位置に現れた。また、元素分析は炭
素及び水素については元素分析計により、リン及び亜鉛
は誘導結合プラズマ発光分光分析計により、窒素は微量
全窒素分析器により行った。その結果、この化合物は、
(Mg0.1Zn0.92282210の組成を持った
化合物であることが明らかとなった。
【0046】以下、この得られたエチレンジアミンリン
酸亜鉛マグネシウムを難燃剤1と称する。
【0047】実施例2 225gの水と178gの75%リン酸を混合し、続い
て259gの硫酸亜鉛7水和物と46gの塩化マグネシ
ウム6水和物を溶解させてリン酸/(亜鉛+マグネシウ
ム)=1.21モル比のリン酸亜鉛マグネシウム水溶液
を調製した。なお、亜鉛とマグネシウムの仕込み比は亜
鉛:マグネシウム=4:1モル比に相当する。
【0048】上記リン酸亜鉛マグネシウム水溶液に22
5gの水と41gのエチレンジアミンを混合して調製し
たエチレンジアミン水溶液を添加し(エチレンジアミン
/(亜鉛+マグネシウム)=0.60モル比)、48%
水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調製した後、
30℃で22時間熟成して白色粉末スラリーを得た。得
られた白色粉末スラリーをヌッチェにより固液分離し、
2000gの水で洗浄後、120℃で16時間乾燥し、
エチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム206gを得
た。
【0049】得られたエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムの収率は仕込みの硫酸亜鉛及び塩化マグネシウ
ムの合計仕込み量に対して99%以上であった。またエ
チレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムのX線回折パタ
ーンは表1に示した位置に現れた。
【0050】なお、実施例1と同様に元素分析を行なっ
た結果、(Mg0.2Zn0.82282210の組成
をもった化合物であることが明らかとなった。
【0051】以下、この得られたエチレンジアミンリン
酸亜鉛マグネシウムを難燃剤2と称する。
【0052】実施例3 225gの水と178gの75%リン酸を混合し、続い
て162gの硫酸亜鉛7水和物と114gの塩化マグネ
シウム6水和物を溶解させてリン酸/(亜鉛+マグネシ
ウム)=1.21モル比のリン酸亜鉛マグネシウム水溶
液を調製した。なお、亜鉛とマグネシウムの仕込み比は
亜鉛:マグネシウム=1:1モル比に相当する。
【0053】上記リン酸亜鉛マグネシウム水溶液に22
5gの水と41gのエチレンジアミンを混合して調製し
たエチレンジアミン水溶液を添加し(エチレンジアミン
/(亜鉛+マグネシウム)=0.60モル比)、48%
水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調製した後、
30℃で22時間熟成して白色粉末スラリーを得た。得
られた白色粉末スラリーをヌッチェにより固液分離し、
2000gの水で洗浄後、120℃で16時間乾燥し、
エチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム192gを得
た。
【0054】得られたエチレンジアミンリン酸亜鉛マグ
ネシウムの収率は仕込みの硫酸亜鉛及び塩化マグネシウ
ムの合計仕込み量に対して99%以上であった。またエ
チレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムのX線回折パタ
ーンは表1に示した位置に現れた。この得られた化合物
について、元素分析を測定した結果を表2に示す。
【0055】なお、実施例1と同様に元素分析を行なっ
た結果、(Mg0.5Zn0.52282210の組成
をもった化合物であることが明らかとなった。
【0056】以下、この得られたエチレンジアミンリン
酸亜鉛マグネシウムを難燃剤3と称する。
【0057】実施例4〜実施例9 エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー製、商品名:ウ
ルトラセンUE635)に実施例1〜実施例3で得られ
た難燃剤1〜難燃剤3と、ポリリン酸アンモニウム(ヘ
キスト製、商品名:Exolit462)を表2に示す
ような重量部で配合して120℃の温度でロール混練
し、150℃でプレス成形し、難燃性樹脂組成物を調製
した。
【0058】難燃性の評価は、JIS K7201に規
格化されている酸素指数法による高分子材料の燃焼試験
方法、及び米国Underwrites Labora
tories社の規格であるUL94V(試験片の厚さ
1/8インチ)に従って行った。また、耐水性試験は上
記の方法で作成した試験片(3×3×0.3cm)を7
0℃、100mlの熱水に2日間浸漬した時の難燃剤の
溶解率を測定することで評価した。各難燃剤の配合量、
樹脂組成物の燃焼性の評価及び耐水性評価結果を表2に
示す。各難燃剤の配合量、樹脂組成物の燃焼性の評価結
果、及び耐水性の評価結果を表2にあわせて示す。
【0059】
【表2】
【0060】比較例1 225gの水と178gの75%リン酸を混合し、続い
て323gの硫酸亜鉛7水和物を溶解させてリン酸/亜
鉛=1.21モル比のリン酸亜鉛水溶液を調製した。
【0061】上記リン酸亜鉛水溶液に225gの水と4
1gのエチレンジアミンを混合して調製したエチレンジ
アミン水溶液を添加し(エチレンジアミン/亜鉛=0.
60モル比)、48%水酸化ナトリウム水溶液でpHを
7.0に調製した後、30℃で22時間熟成して白色粉
末スラリーを得た。得られた白色粉末スラリーをヌッチ
ェにより固液分離し、2000gの水で洗浄後、120
℃で16時間乾燥し、エチレンジアミンリン酸亜鉛21
5gを得た。
【0062】得られたエチレンジアミンリン酸亜鉛の収
率は仕込みの硫酸亜鉛に対して99%以上であった。
【0063】以下、この得られたエチレンジアミンリン
酸亜鉛を難燃剤4と称する。
【0064】比較例2〜比較例8 エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー製、商品名:ウ
ルトラセンUE635)に比較例1で得られたエチレン
ジアミンリン酸亜鉛及び所定量の難燃剤を表2に示すよ
うな重量部で配合して120℃の温度でロール混練し、
150℃でプレス成形し、難燃性樹脂組成物を調製し
た。
【0065】難燃性の評価を実施例4〜実施例9と同様
の方法で実施した。各難燃剤の配合量、樹脂組成物の燃
焼性の評価結果を表2にあわせて示す。
【0066】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) (MgaZn1-a2282210 (1) (式中、aは0.01〜0.8である。)で示されるエ
    チレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウム。
  2. 【請求項2】 マグネシウム/亜鉛がモル比で0.01
    〜4の範囲であり、かつリン酸/(亜鉛+マグネシウ
    ム)がモル比で1〜2の範囲であるリン酸亜鉛マグネシ
    ウム水溶液に、エチレンジアミン/(亜鉛+マグネシウ
    ム)がモル比で0.5〜1の範囲となる量のエチレンジ
    アミン水溶液を混合した後、該混合液のpHを3〜11
    の範囲に調製し、更に熟成することを特徴とする請求項
    1に記載のエチレンジアミンリン酸亜鉛マグネシウムの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のエチレンジアミンリン
    酸亜鉛マグネシウムからなる難燃剤。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の難燃剤を樹脂に配合し
    てなる難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂100重量部に請求項3の難燃剤を
    150〜300重量部配合することを特徴とする請求項
    4に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の難燃剤と、赤リン、リ
    ン化合物、金属化合物及び1,3,5−トリアジン誘導
    体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の難燃剤を
    樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 樹脂100重量部に請求項3に記載の難
    燃剤を5〜100重量部、赤リン、リン化合物、金属化
    合物及び1,3,5−トリアジン誘導体からなる群より
    選ばれる1種又は2種以上の難燃剤を5〜100重量部
    配合することを特徴とする請求項6に記載の難燃性樹脂
    組成物。
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