JP2001030351A - 熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートの製造方法

Info

Publication number
JP2001030351A
JP2001030351A JP11207462A JP20746299A JP2001030351A JP 2001030351 A JP2001030351 A JP 2001030351A JP 11207462 A JP11207462 A JP 11207462A JP 20746299 A JP20746299 A JP 20746299A JP 2001030351 A JP2001030351 A JP 2001030351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermoplastic resin
sheet
resin
stretched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11207462A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Yutaka Harada
裕 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11207462A priority Critical patent/JP2001030351A/ja
Publication of JP2001030351A publication Critical patent/JP2001030351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】表面無欠点、表面易滑性、表面易接着性に優れ
た配向した熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】熱可塑性樹脂A層の少なくとも片面に熱可
塑性樹脂B層を共押出することにより積層シートを製膜
し、さらに、該積層シートを長手方向に延伸した後にA
層からB層を剥離し、続いて該熱可塑性樹脂A層を実質
的に非接触で幅方向延伸および/または熱処理すること
により熱可塑性樹脂Aからなるシートを製造することを
特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面欠点のない、
表面特性に優れた延伸された熱可塑性樹脂フィルムなど
の熱可塑性樹脂シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムなどの熱可塑性樹
脂シートを製造する方法において、延伸工程は不可欠の
ものであり、通常の延伸は、ロールを使った長手方向延
伸と、テンターを使った幅方向延伸が行われている。
【0003】このようなとき、長手方向のみの一軸延伸
あるいは二軸延伸を行う場合は、ロールにシートを接触
させて加熱・延伸する必要があるが、その際、どうして
もロール周速と加熱されたシート速度とが一致せずに、
ロール上でシートが滑るためにロール表層に擦り傷がで
きることが多い。
【0004】このためにロール周速を合わせる努力をし
たり、ロール表層を清掃してシートに傷を発生させない
ようにしているが、現実は無欠点と言えるシートを得る
ことは不可能と言っても過言ではない。
【0005】そこで、表層に剥離可能な樹脂シートを積
層して延伸することが提案されている。あるいはまた、
クリップで把持して長手方向に延伸する同時二軸延伸機
を用いる方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、表層に他の
樹脂層を積層したまま延伸・熱処理すると、たとえ滑剤
などの添加剤を含有させていても、剥離後の樹脂シート
表面には易滑平滑な表面形成ができないばかりか、樹脂
B層の表面転写による表面欠点が発生したり、製膜イン
ラインで塗液をコーティングできなかったり、また樹脂
シートA層の厚み検出が困難になり、さらにラミネート
する樹脂のみの回収が困難になるなどの致命的な欠点を
有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】また、同時二軸延伸機で
は長手方向の倍率変更が事実上不可能であり、製膜速度
が異常に遅く、さらには延伸できるシートの厚み上限が
薄いなどの生産性に重大な欠点を有していた。
【0008】
【発明の実施の形態】そこで、発明者らは、通常の製膜
条件に近い条件で表面無欠点と言える樹脂シートAを製
膜する方法について鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂A
層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂B層を共押出法によ
りA/Bからなる積層シートに製膜後、該積層シートを
長手方向に延伸した後にA層からB層を剥離し、続いて
該熱可塑性樹脂A層を非接触で幅方向延伸および/また
は熱処理することを特徴とする熱可塑性樹脂Aからなる
シートの製造方法である。
【0009】本発明において、熱可塑性樹脂とは、加熱
により溶融流動を示す樹脂で、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ビニ
ルポリマー、およびそれらの混合体・変性体などから選
ばれた樹脂が代表的である。
【0010】ポリエステルとは、分子主鎖中にエステル
結合を有する高分子化合物であり、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、液晶ポリエステル、およびこれ
らの共重合体を挙げることができ、中でもポリエチレン
テレフタレートとポリエチレンナフタレートおよびこれ
らの共重合体が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタ
レートおよびその共重合体が好ましい。これらの高分子
化合物の繰替し単位は80以上、好ましくは120以上
あるのがよい。
【0011】固有粘度としては、オルトクロルフェノー
ル(OCP)中での測定値として0.4(dl/g)以
上、好ましくは0.55(dl/g)以上であるのがよ
い。ポリエステル樹脂の製造方法としては、なるべく金
属触媒の残渣が少なくなるような重合方法が好ましく、
具体的には、エステル交換法ではなく、直接カルボン酸
から重合する直重法が好ましい。このときの重合触媒で
ある酸化ゲルマニウムや酸化アンチモンなどはできるだ
け少ない方が好ましく、さらにエステル交換触媒として
通常用いられている酸化マグネシウム、酸化マンガン、
酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどを含有しないことが好
ましい。
【0012】また、液晶樹脂としては、ポリエステル液
晶樹脂、ポリエステルアミド液晶樹脂、ポリアミド液晶
樹脂などを用いることができる。本発明の場合、特に限
定されるものではないが、中ではポリエステル液晶樹脂
が好ましく、例えば、ビフェノールなどの芳香族ジオー
ルや、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸、さらにパラヒドロキシ安息香酸、ヒ
ドロキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸などを
主たる構成成分とするポリエステル液晶ポリマーであ
り、これ以外に脂肪族のジオールであるエチレングリコ
ールやエーテル結合ユニットなどが含有している液晶樹
脂でもよく、これらの樹脂は、いずれも溶融状態でも規
則だった構造を有するのが特徴である。
【0013】もちろん、これらのポリエステル樹脂に
は、各種の添加剤、例えばすべり材、安定剤、酸化防止
剤、粘度調整剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、液晶ポリ
エステルなどの樹脂を併用することができるが、可能な
限り添加剤は少ない方が好ましい。
【0014】また、ポリアミド樹脂とは、主鎖中にアミ
ド結合を有する高分子化合物であり、代表的なものとし
ては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナ
イロン12、ナイロン11、ナイロン7、ポリメタ/パ
ラキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタ
ラミド/イソフタラミド、およびそれらの関連共重合
体、混合体などから選ばれたポリアミド化合物である。
【0015】また、ポリオレフィン樹脂とは、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、環状
ポリオレフィン、およびそれらとブテン、ヘキセン、酢
酸ビニルなどとの共重合体やブレンド体などであり、本
発明の場合、エチレン・プロピレン・ブテンC2 3
4 共重合体などが好ましく、溶融メルトインデックスM
Iとしては4〜15(g/分)と高い方が好ましい。
【0016】もちろん、これらの樹脂に各種の添加剤、
例えば、すべり材、安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤、
帯電防止剤、着色剤、顔料などを併用することができる
が、好ましくは、必要最少限の添加剤にしておくことが
よい。
【0017】熱可塑性樹脂Aとしては、ポリエステル樹
脂、ポリフェレンPPS樹脂、ポリアミド樹脂などが好
ましく、熱可塑性樹脂Bとしては、ポリオレフィン樹
脂、ポリエステル樹脂などが好ましい。このとき、剥離
性を向上させるために、樹脂B層に剥離材としてアミノ
基やカルボキシル基、ポリオキシアルキレン基などで変
成したシリコンオイル、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸お
よびその塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸ケ
トン、脂肪族アルコール、非イオン界面活性剤などを
0.001〜1重量%程度含有させておいてもよい。
【0018】熱可塑性樹脂AとBとの組合せとしては、
ポリエステル樹脂Aとポリオレフィン樹脂B、ポリフェ
ニレン樹脂Aとポリエステル樹脂B、ポリアミド樹脂A
とポリオレフィン樹脂B等からなる組合せが、特に表面
形成の点から好ましい。
【0019】共押出法により、熱可塑性樹脂A層の少な
くとも片面に熱可塑性樹脂B層を積層する方法として
は、それぞれの溶融樹脂を積層アダプターにて2層また
は3層に積層させた後、Tダイなどの口金によって幅方
向に拡大した後に溶融体を押出し冷却して積層シートを
得るのである。もちろん、口金内で幅方向に拡大した後
に積層しても、口金から溶融押出し直後にお互いにラミ
ネートする方法などでも良いことは明らかである。積層
は片面でもよいが、層Aの両面に層Bを積層した方が熱
可塑性樹脂Aの両表面を無欠点にできるので好ましい。
【0020】かくして得られた2層、できれば3層積層
フィルムとして、ロールを使って長手方向延伸する場
合、熱可塑性樹脂A層の表層に熱可塑性樹脂B層を積層
せずに、熱可塑性樹脂A層を直接ロール上に接触してシ
ートを加熱・冷却すると、シートの熱膨張や熱収縮によ
ってシート線速度とロール周速とが必ずしも一致しない
ので、シート表面がロール表面に擦られるようになり、
その結果、該シート表面に擦り傷、転写などの表面欠点
が発生するのである。そこで、熱可塑性樹脂A層の少な
くとも片面に熱可塑性樹脂B層を共押出法により、A/
BあるいはB/A/Bからなる積層シートとして製膜
し、該積層シートを長手方向に延伸した後にA層からB
層を剥離し、続いて該熱可塑性樹脂A層を非接触で幅方
向延伸および/または熱処理することである。このよう
に長手方向延伸後、熱処理するまでに熱可塑性樹脂B層
を剥離することが必須である。
【0021】もし、B層を積層したまま熱処理をする
と、A層の表面形成ができず、易滑性、平滑性、耐摩耗
性、耐ブロキング性などの表面特性が得られないばかり
か、さらに製膜インラインで表面処理、例えばコロナ放
電処理、プラズマ処理、塗液のコーティングなどができ
なかったり、また樹脂シートA層の製膜中での厚み検出
が困難になり、均質な厚みを有したシートが得られず、
さらに剥離樹脂B層の回収が樹脂Aに汚染となって混合
しやすくなるために回収が困難になるなどの重大な欠点
を有しているのである。
【0022】そこで、本発明は、熱可塑性樹脂Aの融点
近傍で行う熱処理工程までには剥離樹脂B層を剥がして
やることが必須である。
【0023】たとえば、長手方向をMD、幅方向をTD
とすると、(1) 積層→MD延伸→B層剥離→TD延伸→
熱処理、(2) 積層→MD延伸→B層剥離→コーティング
→TD延伸→熱処理、(3) 積層→MD延伸→TD延伸→
再度のMD延伸→B層剥離→TD延伸→熱処理、(4) 積
層→MD延伸→TD延伸→再度のMD延伸→B層剥離→
コーティング→TD延伸→熱処理、(5) 積層→TD延伸
→MD延伸→B層剥離→熱処理、(6) 積層→TD延伸→
MD延伸→B層剥離→コーティング→熱処理、などの各
種プロセスが適用できる。
【0024】これらの室温での層間剥離力は1m/mi
nの速度で180°剥離法で剥がしたときに0.1〜5
00g/cm、好ましくは1〜100g/cm程度のも
のが良く、これよりも軽すぎると製膜工程中に層間剥離
をするので好ましくない。
【0025】長手方向延伸後にB層を剥離した後、好ま
しくは該剥離直後の該熱可塑性樹脂A層の少なくとも片
面に水溶性または水分散性塗液をコーティングすること
によりA層の表面に易滑性、易接着性、帯電防止性、耐
摩耗性などの特性を付与することができる。
【0026】コーティングに用いる樹脂としては、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタンアクリル樹脂、
ポリエステルウレタン樹脂およびそれらの共重合体やブ
レンド体などを主成分としたものを用いることができ
る。コーティング方法としては、グラビアロール、メー
タリングバー、リバースロール、ダイコーターなど任意
の方法を用いることができる。
【0027】剥離方法としては、特に限定はされない。
剥離後のB層は、再度共押出用の原料として回収・再利
用される。
【0028】次に、本発明における熱可塑性樹脂Aシー
トの製法例について述べる。
【0029】共押出に使用する熱可塑性A層樹脂として
ポリエステル樹脂を、また熱可塑性B層樹脂としてエチ
レン・ブテンを共重合したプロピレン共重合体樹脂を準
備する。このとき、剥離力を小さくしたいときには、プ
ロピレン共重合体に添加剤として変性シリコンオイルや
炭化水素などを含有させておく。
【0030】もちろん、これらの各樹脂層には高分子添
加剤として滑り材、熱安定剤、粘度調整材、ブロッキン
グ防止剤、着色剤、酸化防止材、各種安定剤などや、さ
らには本発明のA層あるいはB層の樹脂シートの回収原
料などを混合した原料などを準備し、これらを必要なら
乾燥・脱水した後、それぞれの押出機内で該樹脂の融点
以上に加熱して溶融させた後、熱可塑性樹脂B層/熱可
塑性樹脂A層/熱可塑性樹脂B層からなる3層になるよ
うに積層アダプターで積層し、Tダイ口金からシート状
に押出し、従来から知られている密着手段である静電荷
印加、エアーナイフ、バキュームチャンバー、プレスロ
ールなどの密着手段などで冷却媒体に密着冷却固化させ
るのである。もちろん、溶融状態の樹脂の異物を除去す
るために、適宜のフィルター、例えば、焼結金属、多孔
性セラミック、サンド、金網等通常使用されているフィ
ルターを用いてもよい。
【0031】かくして得られた積層シートを、長手方向
一軸延伸、あるいは逐次二軸延伸などの任意の延伸方法
に従って該積層シートの延伸を行う。延伸温度は、熱可
塑性樹脂のガラス転移温度以上であり、延伸倍率は長手
方向、幅方向にそれぞれ3〜7倍程度である。このと
き、長手方向のロール延伸を行うときには必ずA層はB
層によって保護された状態で行う必要がある。
【0032】長手方向の延伸後、B層を剥離して、B層
の両面に易滑性や易接着性などを付与するためにアクリ
ル樹脂やウレタン樹脂などの水溶液あるいは水分散液に
滑剤を含んだ塗液をコーティングする。
【0033】この後、必要によって幅方向延伸および/
または熱処理を行ない、延伸配向したポリエステルA樹
脂からなるフィルムを得る。熱処理は、B層が剥離され
た後で行う必要があるが、熱処理温度は熱可塑性樹脂A
の融点Tm〜Tm−100℃の範囲が好ましい。
【0034】かくして製膜された熱可塑性樹脂シートA
は、表面無欠点、易滑性、透明性のみならず、強度、耐
熱性、低線膨張率、絶縁性、低吸水性、高ガスバリア性
などの各種の優れた特性を有しているので、光学用基盤
シート、磁気記録媒体シート、包装用途、電気絶縁用途
など各種用途に用いることができる。
【0035】
【物性の測定法】次に、本発明で使用した物性値の測定
法について以下に述べる。 1.メルトインデックスMI(g/10分) JIS K7210の条件4に準拠してポリエチレンの
場合は温度190℃、ポリプロピレンの場合は210℃
で荷重2.16kgfの条件下で測定する。 2.熱的特性(Tm、Tg、Tmc) パーキンエルマー社製DSC−II型測定装置を用い、サ
ンプル重量10mg、窒素気流下で、昇温速度20℃/
分で昇温してゆき、ベースラインの偏起の開始する温度
をTg、さらに昇温したところの発熱ピークをTccと
し、結晶融解に伴う吸熱ピーク温度を融点Tmとした。
Tm+20℃で1分間保持した後、冷却速度20℃/分
で溶融体を冷却し、結晶化に基づく発熱ピーク温度をT
mcとした。
【0036】
【実施例】以下に、本発明をより理解しやすくするため
に実施例、比較例を示す。 実施例1 B層の樹脂としてエチレン・プロピレン・ブテンC2
3 4 共重合体(C22モル%、ブテンC4 8モル%)
を用い、A層の樹脂としてポリエチレンテレフタレート
PET(重合触媒三酸化アンチモン55ppmによる直
接重合法)を用い、PET樹脂は真空で180℃、2時
間乾燥した。それぞれの樹脂を通常の一軸押出機に供給
し、PET樹脂は285℃、C2 3 4 共重合体樹脂
は300℃で溶融させた後、C2 3 4 樹脂層/PE
T樹脂層/C2 3 4 樹脂層の3層になるように積層
アダプターで積層させ、これをTダイ口金からシート状
に押出した。
【0037】該溶融シートを25℃に保たれた移動冷却
媒体であるキャスティングドラムに密着させるために、
テープ状の電極から10KVの静電荷を印加して10m
/minで回転するドラムに密着・冷却固化させた。こ
のようにして得られた3層積層シートを、ロール式長手
方向延伸機にて100℃に加熱後、多段階で5倍に延伸
し室温まで冷却したた。ロール材質はクロムメッキ、テ
フロン、アルミナセラミック、シリコンゴムからなって
いる。かくして得られた3層積層の長手方向延伸フィル
ムから両表面のB層を剥離した。B層の樹脂は、そのま
ま回収用の押出機に供給して押出用ペレットにして再使
用した。
【0038】剥離されたA層シート両表面にエチレンア
クリル酸樹脂(添加剤として平均粒径0.3nmの酸化
珪素を0.8重量%添加)の水溶液をコーティング後、
ステンターに供給し95℃に加熱して幅方向に4倍延伸
し、いったん100℃近傍に冷却した後、200℃で熱
固定し、これを160℃に冷却し、この温度で幅方向に
5%のリラックスをし、いったん、ステンターのクリッ
プから延伸シートを外し、両エッジ部をスリットして中
央の製品部を、ドラム内部から170に加熱されたエア
ーが吹き出るエアーキャン(該ドラムの外周部に向かっ
て170℃の加熱エアーの吹き出る外部加熱装置を有す
る)にて長手方向に3%のリラックスをさせながら熱処
理した。
【0039】かくして得られた幅5mの二軸配向PET
樹脂シートの厚みは、188μmであり、PET表面お
よび内部には全くと言ってよいほど異物・欠点がなく、
無着色で透明性の高いシートであり、巻き取り性にも優
れていた。さらに、該シートの幅方向の屈折率、熱収縮
率、弾性率の幅方向の分布は8%以内と幅方向に均質な
シートであった。このように表面・内部無欠点、表面易
接着性(表面濡れ張力65ダイン/cm)、易滑性(静
摩擦係数0.25)、透明性などの特性を有しているの
で、光学用途、包装用途、電気絶縁用途など各種用途に
用いることができる。 比較例1 実施例1で用いたC2 3 4 共重合体樹脂を用いず、
PET樹脂シート単膜で延伸製膜する以外は実施例1と
同様にして延伸熱処理して厚さ188μmの延伸シート
を得た。
【0040】このようにして得られたシート表面には、
擦り傷、転写模様、ほり傷などの表面欠点が認められた
ために、光学用途のような厳しい用途には利用できない
ものであった。 比較例2 実施例1で用いたA層のPET樹脂層に滑り剤として平
均粒径0.3μmの酸化珪素を0.8重量%含有させる
以外は実施例1と全く同様にして3層積層シートを押出
・冷却し、これを長手方向に延伸した後、B層を剥離せ
ずにそのままステンターに供給して、実施例1と同様に
幅方向に延伸し、いったん冷却した後、熱固定・リラッ
クス処理し、いったん、ステンターのクリップから延伸
シートを外し、この段階でB層を剥離した後に、A層の
両エッジ部をスリットして中央の製品部のみをエアーキ
ャンにて長手方向に3%のリラックスをさせながら熱処
理して、厚さ188μmの二軸配向シートを得た。
【0041】かくして得られたシート表面には擦り傷・
転写傷は存在しなかったが、濡れ張力が41ダイン/c
mと接着性が不良であるばかりか、静摩擦係数0.8と
易滑性にも乏しく、また該シートをロ−ル状に巻き取る
ときのシートの蛇行が認められ巻き取り姿が不良であっ
た。さらに内部にも添加剤と思われる凝集片が散見され
たり、さらに透明性が少し悪化していた。
【0042】このようにして得られたシート表面には、
擦り傷、転写傷、ほり傷などの表面欠点のみならず、易
接着性・易滑性にも劣り、さらに内部にも異物・欠点が
認められるために、光学用途のような厳しい用途には利
用できないものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、従来のものに比較し
て、実質的に表面欠点のない、表面特性に極めて優れた
延伸された熱可塑性樹脂フィルムなどの熱可塑性樹脂シ
ートを製造することができる。
【0044】このような熱可塑性樹脂シートは、表面無
欠点、易滑性、透明性のみならず、強度、耐熱性、低線
膨張率、絶縁性、低吸水性、高ガスバリア性などの各種
の特性においても優れた特徴を発揮することができ、そ
れらの特徴を活かして、光学用基盤シート、磁気記録媒
体シート、包装用途、電気絶縁用途などの各種工業用途
等に有用に用いることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK01C AK03A AK03C AK41B BA03 BA06 BA10A BA10C BA15 EH20 EJ38 JB16A JB16B JB16C JL14 4F210 AA03 AA09 AA21 AE01 AG01 QA02 QA03 QC06 QC13 QD08 QG01 QG18 QW05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂A層の少なくとも片面に熱可
    塑性樹脂B層を共押出することにより積層シートを製膜
    し、さらに、該積層シートを長手方向に延伸した後にA
    層からB層を剥離し、続いて該熱可塑性樹脂A層を実質
    的に非接触で幅方向延伸および/または熱処理すること
    により熱可塑性樹脂Aからなるシートを製造することを
    特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. 【請求項2】幅方向に延伸したフィルムを長手方向に延
    伸し、続いて該延伸フィルムのA層からB層を剥離する
    ことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂シートの
    製造方法。
  3. 【請求項3】長手方向および幅方向の両軸方向に延伸し
    たフィルムを、再度長手方向の延伸し、該延伸フィルム
    のA層からB層を剥離することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の熱可塑性樹脂Aからなるシートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】A層からB層を剥離した後の該熱可塑性樹
    脂A層の少なくとも片面に、水溶性または水分散性塗液
    をコーティングした後に、実施的に非接触で幅方向延伸
    および/または熱処理することを特徴とする請求項1、
    2または3記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  5. 【請求項5】積層シートが、B/A/Bからなる3層シ
    ートであることを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の熱可塑性樹脂Aからなる熱可塑性樹脂シートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂Aがポリエステル樹脂、熱可
    塑性樹脂Bがポリオレフィン樹脂であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4または5記載の熱可塑性樹脂シ
    ートの製造方法。
JP11207462A 1999-07-22 1999-07-22 熱可塑性樹脂シートの製造方法 Pending JP2001030351A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11207462A JP2001030351A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 熱可塑性樹脂シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11207462A JP2001030351A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 熱可塑性樹脂シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001030351A true JP2001030351A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16540180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11207462A Pending JP2001030351A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 熱可塑性樹脂シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001030351A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8568869B2 (en) 2005-04-06 2013-10-29 3M Innovative Properties Company Optical bodies including rough strippable boundary layers and asymmetric surface structures
US9709700B2 (en) 2005-04-06 2017-07-18 3M Innovative Properties Company Optical bodies including rough strippable boundary layers
US10228502B2 (en) 2005-04-06 2019-03-12 3M Innovative Properties Company Optical bodies including strippable boundary layers

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8568869B2 (en) 2005-04-06 2013-10-29 3M Innovative Properties Company Optical bodies including rough strippable boundary layers and asymmetric surface structures
US9561629B2 (en) 2005-04-06 2017-02-07 3M Innovative Properties Company Optical bodies including rough strippable boundary layers and asymmetric surface structures
US9709700B2 (en) 2005-04-06 2017-07-18 3M Innovative Properties Company Optical bodies including rough strippable boundary layers
US10228502B2 (en) 2005-04-06 2019-03-12 3M Innovative Properties Company Optical bodies including strippable boundary layers

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101260718B1 (ko) 2축 연신 폴리에스테르 필름의 제조방법
JP4151370B2 (ja) 離型フィルム
JP5127296B2 (ja) 深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム
JP2007185898A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2001246698A (ja) 離型フィルム
KR20070007100A (ko) 폴리프로필렌계 적층 필름 및 이를 이용한 포장체
JP2001030351A (ja) 熱可塑性樹脂シートの製造方法
JPH09300518A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP2004311200A (ja) 両面離型フィルム
JP2006051681A (ja) 離型フィルム
JP2001047580A (ja) 離型フィルム
JP5127295B2 (ja) 成型同時転写箔用ポリエステルフィルム
JP3139505B2 (ja) 金属ラミネート用フイルム
JP3640282B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JP6149507B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2001246699A (ja) 液晶偏光板粘着層保護用離型フィルム
JP2010260275A (ja) インモールド転写箔用積層ポリエステルフィルム
JP2010280123A (ja) 二軸延伸フィルムの製造方法
JP3797185B2 (ja) 剥離性積層フィルムおよびそれを用いたセラミックグリーンシート用工程フィルム
JP4273827B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および熱可塑性樹脂フィルム
JP5331272B2 (ja) インモールド転写箔用ポリエステルフィルム
JPH06210799A (ja) 転写箔
JP2707697B2 (ja) 易ヒートシール性積層ポリエステルフィルム
JP4221987B2 (ja) 包装用積層フィルム
JP2000177004A (ja) 耐熱樹脂積層フィルムの製造方法