JP2001027226A - 円錐型流体動圧軸受及びスピンドルモータ - Google Patents

円錐型流体動圧軸受及びスピンドルモータ

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JP2001027226A
JP2001027226A JP11196968A JP19696899A JP2001027226A JP 2001027226 A JP2001027226 A JP 2001027226A JP 11196968 A JP11196968 A JP 11196968A JP 19696899 A JP19696899 A JP 19696899A JP 2001027226 A JP2001027226 A JP 2001027226A
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Tadao Iwaki
岩城  忠雄
Yukito Hyobu
行遠 兵部
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Seiko Instruments Inc
Miraial Co Ltd
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Seiko Instruments Inc
Kakizaki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円錐型流体動圧軸受を安く大量に製作できる
ようにすること、才差運動を生じ難くすること、円錐型
シャフト部材がスリーブ部材に嵌めこみ状態で静止しな
いようにすること、広い温度範囲にわたって、軸受剛性
をほぼ一定にすること。 【解決手段】 円錐型流体動圧軸受を、金属心材2に樹
脂層3が施された二重構造とすると共に、その形状を一
対の円錐体を互いの底面を共有して結合した形状、即ち
紡錘体状の円錐型シャフト部材1と、樹脂製の下側スリ
ーブ部材4と樹脂製の上側スリーブ部材5とで構成し
た。円錐型シャフト部材1に環状凸部3aを設け、且つ
下側スリーブ部材4に設けた環状段部4aと上側スリー
ブ部材5に設けた環状段部5aとで環状凹部を形成し、
停止時には環状凸部3aの下面を前記環状凹部の上面に
着座させるようにした。円錐型シャフト部材1と下側ス
リーブ部材4並びに上側スリーブ部材5を液晶高分子材
料で成形加工して製作した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円錐型シャフト部
材とこの円錐型シャフト部材が回転自在にして嵌合する
スリーブ部材との2つを主要構成部材とする円錐型流体
動圧軸受及びこの円錐型流体動圧軸受を備えたスピンド
ルモータに関し、特に主要構成部材である円錐型シャフ
ト部材とその受け部となるスリーブ部材の構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】円錐型流体動圧軸受は、円錐体状の円錐
型シャフト部材とこれを受けるスリーブ部材を主要構成
部材とし、軸受隙間を形成する前記円錐型シャフト部材
のテーパ状外周面と前記スリーブ部材のテーパ状内周面
のいずれか一方にヘリングボーン溝の如き動圧発生溝が
形成されて構成されたものである。ラジアル動圧成分と
スラスト動圧成分が合成された動圧を発生する円錐型流
体動圧軸受は、言わば、ラジアル動圧軸受とスラスト動
圧軸受とを一つの軸受で兼ね合わさせたものであるの
で、小型モータの軸受に最適である。また、円錐型流体
動圧軸受は、その頂角および動圧発生溝パラメータを適
切に選ぶことによりラジアル負荷とアキシャル負荷とを
任意に設計できるという特長を有している。
【0003】このような特長を有する円錐型流体動圧軸
受であるが、円錐型シャフト部材とスリーブ部材の製作
が難しいために、これを安く且つ大量に提供することが
困難であった。即ち、円錐型シャフト部材とスリーブ部
材は、円錐頂角を±1’以下、又は望ましくは±30”
以下の加工精度で加工しなければならない。このため、
円錐型シャフト部材とスリーブ部材を研削や切削加工で
大量に製作することが困難であるからである。、
【0004】また、円錐型流体動圧軸受において、停止
時には円錐型シャフト部材の円錐面全面即ちテーパ状外
周面がスリーブ部材の受け面即ちテーパ状内周面と接
し、円錐型シャフト部材はスリーブ部材に嵌めこみ状態
で静止する。このため、起動時も停止時も大きな負荷が
発生する。嵌めこみ状態によっては、起動不能になるこ
ともある。更に、従来の円錐型シャフト部材は円錐体状
の部材で構成されたもの、即ち1個の円錐体部材で構成
されたものであるから、回転時に才差運動を起こしやす
いという欠点もある。
【0005】特開昭60−208629号公報に開示の
光偏向装置の駆動モータに採用された円錐型流体動圧軸
受は、図4に示す如く、円錐台状断面の円錐型シャフト
部材11とこれを回転自在にして嵌合するスリーブ部材
13を主要構成部材とし、軸受隙間を形成する円錐型シ
ャフト部材11のテーパ状外周面11aにヘリングボー
ン溝の如き動圧発生溝Gが形成されて構成されたもので
ある。円錐型シャフト部材11の上端には固定軸12が
一体に形成されており、固定軸12は上側基板19に固
着されている。スリーブ部材13は円錐型シャフト部材
11のテーパ状外周面11aと共に軸受隙間を形成する
テーパ状内周面13aを有する。スリーブ部材13は、
永久磁石14と15とからなる磁気軸受によって、スラ
スト方向に非接触で支持されている。スリーブ部材13
の下側に取り付けられたロータ磁石16と下側基板18
に取り付けられたステータコイル17とは、協動して回
転力を発生させる。
【0006】このように、特開昭60−208629号
公報に開示の円錐型流体動圧軸受は磁気軸受を併用する
ことによって、円錐型シャフト部材がスリーブ部材に嵌
めこみ状態で静止しないようにし、また回転時に才差運
動を起こさないようにしている。しかしながら、磁気軸
受を併用することは、その分だけ装置が大きくなり、組
み付け作業は容易でなく、動圧軸受構成部材は樹脂製で
はないので安く大量に製作することは困難である。従っ
て、この円錐型流体動圧軸受を小型スピンドルモータに
は採用することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する第1の課題は、円錐型シャフト部材とスリーブ部材
とを主要構成部材とする円錐型流体動圧軸受、及びこれ
を備えたスピンドルモータを安く大量に製作できるよう
にすることである。解決しようとする第2の課題は、前
記円錐型流体動圧軸受及びこれを備えたスピンドルモー
タにおいて、才差運動を生じ難くすることである。解決
しようとする第3の課題は、前記円錐型流体動圧軸受及
びこれを備えたスピンドルモータにおいて、円錐型シャ
フト部材がスリーブ部材に嵌めこみ状態で静止しないよ
うにすることである。解決しようとする第4の課題は、
前記円錐型流体動圧軸受及びこれを備えたスピンドルモ
ータにおいて、広い温度範囲にわたって、軸受剛性をほ
ぼ一定にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の課題
を解決するために、円錐型シャフト部材とこのシャフト
部材が回転自在に嵌合するスリーブ部材を主要構成部材
とし、軸受隙間を形成する前記円錐型シャフト部材のテ
ーパ状外周面と前記スリーブ部材のテーパ状内周面のい
ずれか一方に動圧発生溝が形成された流体動圧軸受及び
これを備えたスピンドルモータにおいて、前記円錐型シ
ャフト部材を金属心材に樹脂層が施された二重構造とす
ると共に、その形状を一対の円錐体を互いの底面を共有
して結合した形状、即ち紡錘体状又は樽型の形状とし
た。
【0009】上記第3の課題を解決するために、前記紡
錘体状の円錐型シャフト部材の最大径部近傍に環状凸部
を設け、且つこれに対向する前記スリーブ部材の部分に
環状凹部を設け、停止時には前記環状凸部の下面を前記
環状凹部の上面に着座させ、前記円錐型シャフト部材の
テーパ状外周面が前記スリーブ部材のテーパ状内周面に
接触しないようにした。
【0010】上記第1の課題を解決するために、前記円
錐型シャフト部材と前記スリーブ部材は樹脂材料で成形
加工して製作した。また、前記樹脂材料には液晶高分子
材料を用いた。
【0011】上記第4の課題を解決するために、前記円
錐型シャフト部材の樹脂層の樹脂材料と前記スリーブ部
材の樹脂材料は、その線膨張係数は等しいか又は前者が
後者より大きいにして選定した。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るスピンドルモータの
第1実施例の断面図である図1において、円錐型流体動
圧軸受は、円柱状金属心材2に樹脂層3が施された紡錘
体状の円錐型シャフト部材1と、この円錐型シャフト部
材1が回転自在に嵌合する下側スリーブ部材4並びに上
側スリーブ部材5によって構成されている。この円錐型
流体動圧軸受を備えたスピンドルモータは、円錐型シャ
フト部材1に取り付けられたカップ状ハブ6、カップ状
ハブ6の内周面に取り付けられたロータ磁石7、ロータ
磁石7に対向してスリーブ部材4の外周面に取り付けら
れたステータコイル8、及び下側スリーブ部材4が立設
されるモータ基板9を具備する。
【0013】微小隙間と動圧発生溝を誇張して示した本
発明にかかる円錐型流体動圧軸受の第1実施例の断面図
である図2において、円錐型シャフト部材1は、円柱状
金属心材2に樹脂3を施して成形加工し、一対の円錐体
を互いの底面を共有して結合した形状、即ち紡錘体状に
成形した樹脂製シャフト部材である。下側スリーブ部材
4は、所定角度で傾斜したテーパ状内周面と底面を有す
る椀状の部材であり、その開口端には環状段部4aが形
成されている。上側スリーブ部材5は、下側スリーブ部
材4と同様の所定角度で傾斜したテーパ状内周面と頂面
を有する椀状の部材であるが、頂面には円柱状金属心材
2が貫通する貫通孔が形成され、更にその開口端には環
状段部5aが形成されている。前記所定角度は、円錐型
シャフト部材1の円錐体のテーパ状外周面の傾斜角と同
じである。
【0014】円錐型シャフト部材1には、下側スリーブ
部材4の環状段部4aと上側スリーブ部材5の環状段部
5aで形成された環状凹部に回転自在にして嵌合する環
状凸部3aが形成されている。環状凸部3aは、円錐型
シャフト部材1の中心部、従って紡錘体の最大径部近傍
に形成されている。図1及び図2において、環状凸部3
aは断面四角形の環状帯である。従って、動圧軸受の停
止時には、環状凸部3aの下面がスリーブ部材の環状凹
部を形成している下側スリーブ部材4の環状段部4aの
上面に着座することになる。これによって、停止時に円
錐型シャフト部材1の下側の円錐面全面が下側スリーブ
部材4の受け面と接し、嵌めこみ状態で静止することが
確実に防止された。
【0015】ヘリングボーン溝の如き動圧発生溝Gは、
円錐型シャフト部材1の樹脂製円錐体の外周面に形成さ
れている。円錐型シャフト部材1、下側スリーブ部材4
及び上側スリーブ部材5との間には、微小隙間R1〜R
4が形成されている。即ちR1は円錐型シャフト部材1
の上側円錐体の外周面と上側スリーブ部材5の内周面と
の間の微小隙間、R2は下側スリーブ部材4の環状段部
4aと上側スリーブ部材5の環状段部5aで形成された
環状凹部と環状凸部3aとの間の微小隙間、R3は円錐
型シャフト部材1の下側円錐体の外周面と下側スリーブ
部材4の内周面との間の微小隙間、そしてR4は円錐型
シャフト部材1の下端面と下側スリーブ部材4の底面4
bとの間の微小隙間である。
【0016】これらの微小隙間は、流体動圧軸受のサイ
ズ、回転数及び潤滑油の粘性係数にもよるが、数μmか
ら数100μm程度である。Fは、これらの微小隙間に
充填された潤滑油である。また、これらの隙間の中でR
1とR3は軸受隙間として機能し、R2とR4は潤滑油
溜りとして機能する。更に、微小隙間R1と大気の間を
連通しているテーパ状微小隙間Sは、毛細管現象と表面
張力を利用して流体動圧軸受内に充填された潤滑油Fが
外部に漏出しないようにするキャピラリーシールとして
機能するものである。
【0017】ところで、潤滑油が充填された流体動圧軸
受においては、軸受剛性は温度が上昇すると軸受剛性が
低下する。これは、潤滑油の温度が上昇するとその粘性
係数が低下するためである。そこで、本発明において
は、円錐型シャフト部材1の樹脂層3の樹脂材料とスリ
ーブ部材4と5の樹脂材料を、その線膨張係数が等しい
か又は前者が後者より大きいものであるようにして選定
した。これによって、このような手段を採用していない
軸受隙間と比較して、高温域では軸受隙間R4の間隔の
狭まりかたが大きくなった。
【0018】このようにして軸受隙間の間隔を従来装置
よりも大きく変化させることができるようになり、本発
明に係る液体動圧軸受においては温度により自動的に調
節できる幅が広がった。従って、この温度による軸受隙
間の間隔の自動的な調節の効果を利用して、軸受剛性を
よりダイナミックに自動的に調節することができる。即
ち高温域では、シャフト部材とスリーブ部材との間に形
成された軸受隙間はその間隔が狭くなり、軸受剛性は増
加する。この軸受剛性の増加は、粘性係数低下による軸
受剛性の減少を補償する大きさであり、従って高温域で
は所定の軸受剛性が保持される。一方、低温域では、シ
ャフト部材とスリーブ部材との間に形成された軸受隙間
はその間隔が広くなり、軸受剛性は低下する。この軸受
剛性の低下は、粘性係数上昇による軸受剛性の増加を補
償する大きさであり、従って低温域でも所定の軸受剛性
が保持される。即ち、広い温度範囲にわたって、潤滑油
の粘性係数による軸受剛性の変化を軸受隙間による軸受
剛性の変化で補償できるようになった。
【0019】本発明に係る第2実施例の円錐型流体動圧
軸受は、図3に断面図で示す如く、第1実施例の円錐型
流体動圧軸受と基本的には同じ構成のものである。両者
の違いは、環状凹部と環状凸部の形状にある。即ち、停
止時に円錐型シャフト部材1の支持部となる環状凸部3
aを、第1実施例においては断面四角形の環状帯とした
が、図3の第2実施例においては断面三角形の環状帯と
したものである。そして、これに対応する環状凹部も断
面三角形状のものとなり、これを形成する下側スリーブ
部材4の環状段部4aと上側スリーブ部材5の環状段部
5aも断面三角形状のものとなっている。このようにす
ることにより、動圧軸受の停止時には、環状凸部3aの
下面が第1実施例におけるよりも小さな接触面積で下側
スリーブ部材4の環状段部4aの上面に着座することに
なる。これによって、停止時に円錐型シャフト部材1の
下側の円錐面全面が下側スリーブ部材4の受け面と接
し、嵌めこみ状態で静止することが確実に防止された。
【0020】次に、円錐型シャフト部材1を樹脂成形加
工により製作する方法について説明する。製作に使用さ
れる金型は、スラスト動圧発生溝形成用凸条が形成され
た所定の内面形状の下型と、ラジアル動圧発生溝形成用
凸条が形成された所定の内面形状の上型である。先ず金
属心材2を下型に位置づけ且つ上型をその上に配置して
金型に装填した後、計量した液晶高分子材料を上型の充
填口から金型に充填する。次いで、この状態にした金型
をプレス機の上にセットして、加熱加圧して溶融した液
晶高分子材料の樹脂を金型と金属心材2との間隙にプラ
ンジャーにより流し込む。溶融した液晶高分子材料の樹
脂の流し込みが完了した後、上型を開き、製品を金型か
ら取り出す。上型には動圧発生溝形成用凸条が形成され
ているから、金型から取り出された製品は金属心材2に
所定の形状の樹脂部が形成され、且つ動圧発生溝Gとが
樹脂部の所定の場所に一体に形成された部材、即ち樹脂
製フランジ付シャフト部材である。スリーブ部材4と5
も、同様に樹脂成形加工により製作される。なお、本発
明に係る樹脂製軸受構成部材の樹脂成形加工は、コンプ
レッション成形に限られず、トランスファー成形、射出
成形、射出圧縮成形のいずれの方法も利用できる。
【0021】前記液晶高分子材料は、ポリヒドロキシ安
息香酸とビスフェノールとテレフタル酸との重合物を出
発原料とした重合物、ポリヒドロキシ安息香酸と6−ヒ
ドロキシナフトエ酸を出発原料とした重合物、或いはポ
リエチレンテレフタレートとポリヒドロキシ安息香酸を
出発原料とした重合物の中から選定した。これらの液晶
高分子材料の他に使える材料は、全芳香族ポリイミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフタルアミド樹脂、ポ
リエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PEEK樹
脂、ポリケトン樹脂、フッソ系樹脂等である。また、こ
れらの樹脂単体、又は樹脂マトリックスに、カーボン、
グラファイト、二酸化珪素等の無機フィラー類や、ウィ
スカー類、炭素繊維、ガラス繊維等の強化繊維を含めた
液晶高分子材料も利用可能である。
【0022】以上詳述した本発明に係る円錐型流体動圧
軸受を3つのサンプルを製作し、その性能を調べたの
で、その結果を次に示す。第1サンプルは最大径部の直
径が7mmで円錐頂角が35度の円錐型流体動圧軸受、
第2サンプルは最大径部の直径が7mmで円錐頂角が4
5度の円錐型流体動圧軸受、そして第3サンプルは最大
径部の直径が7mmで円錐頂角が60度の円錐型流体動
圧軸受である。動圧発生溝は、溝角18度、溝深さ6μ
m、溝幅比0.5のヘリングボーン溝とした。片側クリ
アランス(側面に垂直方向)を3.5μmとした。円錐型
シャフト部材1はステンレス製の円柱の周りに液晶高分
子材料に直径5μmの石英ビーズを混合したものを射出
成形によって製作した。尚、潤滑油としてはエステル系
合成油を用いた。上記3つの液体動圧軸受を回転数50
00rpmで回転させたところ、アキシャル負荷とラジ
アル負荷は第1サンプルでは90gと80g、第2サン
プルでは95gと50g、そして第3サンプルは105
gと30gであった。このように、本発明によれば、ア
キシャル負荷とラジアル負荷を自由に選択して、様々な
流体動圧軸受を提供できる。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る円錐型流体動圧軸受は、そ
の主要構成部材である円錐型シャフト部材及びそのスリ
ーブ部材は樹脂加工により容易に製作可能な構造である
ので、安く大量に製作することが可能となった。また、
本発明に係る円錐型流体動圧軸受は紡錘体状の円錐型シ
ャフト部材とこの円錐型シャフト部材を受けるスリーブ
部材とを主要構成部材とするものであるから、従来のも
のに比べて才差運動が生じ難くなった。
【0024】上述の効果を奏するとともに、ラジアル負
荷及びアキシャル負荷の2つを支えることができるとい
う機能上の特徴を有する円錐型流体動圧軸受は小型スピ
ンドルモータの軸受に最適である。従って、本発明に係
る円錐型流体動圧軸受を備えたスピンドルモータは更な
る小型化と薄型化が可能となり、このスピンドルモータ
を回転体の駆動源とするハードディスクドライブ装置の
薄型化も可能となった。
【0025】また、本発明においては、停止中は円錐型
シャフト部材の最大径部近傍に設けた環状凸部の下面が
スリーブ部材の対向する部分に設けられた環状凹部の上
面に着座するようにしたので、円錐型シャフト部材がス
リーブ部材に嵌めこみ状態で静止することがなくなっ
た。従って、起動時も停止時も大きな負荷が発生するこ
とがなくなり、また起動不能に陥ることもなくなった。
それ故に、本発明に係る円錐型流体動圧軸受を備えたス
ピンドルモータは、モータの起動時もスムーズな回転を
開始し、且つ軸受の摩擦も抑制されたので、長寿命化が
実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスピンドルモータの一実施例の
断面図である。
【図2】隙間と動圧発生溝を誇張して示した本発明にか
かる円錐型流体動圧軸受の第1実施例の断面図である。
【図3】隙間と動圧発生溝を誇張して示した本発明にか
かる円錐型流体動圧軸受の第2実施例の断面図である。
【図4】従来の円錐型流体動圧軸受の断面図である。
【符号の説明】
1 円錐型シャフト部材 2 金属心材 3 樹脂層 3a 環状凸部 4 下側スリーブ部材 4a 下側環状段部 4b 底部 5 上側スリーブ部材 5a 上側環状段部 6 カップ状ハブ 7 ロータ磁石 8 ステータコイル 11 円錐型シャフト部材 11a テーパ状外周面 12 固定軸 13 スリーブ 13a テーパ状内周面 14、15 永久磁石 16 ロータ磁石 17 ステータコイル 18 下側基板 19 上側基板 F 潤滑油 G 動圧発生溝 R1、R2、R3、R4 微小隙間 S キャピラリーシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兵部 行遠 東京都豊島区西池袋1丁目18番2号 株式 会社柿崎製作所内 Fターム(参考) 3J011 AA04 BA11 CA02 SC01 5H607 AA03 BB01 BB17 BB25 DD03 EE10 GG12 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属心材に樹脂層が施された紡錘体状の円
    錐型シャフト部材とこの円錐型シャフト部材が回転自在
    に嵌合するスリーブ部材によって構成され、且つ軸受隙
    間を形成する前記円錐型シャフト部材のテーパ状外周面
    と前記スリーブ部材のテーパ状内周面のいずれか一方に
    動圧発生溝が形成された円錐型流体動圧軸受。
  2. 【請求項2】前記紡錘体状の円錐型シャフト部材の最大
    径部近傍に環状凸部を設け、且つこれに対向する前記ス
    リーブ部材の部分に環状凹部を設け、停止時には前記環
    状凸部の下面を前記環状凹部の上面に着座させるように
    したことを特徴とする請求項1の円錐型流体動圧軸受。
  3. 【請求項3】前記円錐型シャフト部材と前記スリーブ部
    材は樹脂材料で成形加工して製作されたものであること
    を特徴とする請求項1の円錐型流体動圧軸受。
  4. 【請求項4】前記円錐型シャフト部材の樹脂層の樹脂材
    料と前記スリーブ部材の樹脂材料は、その線膨張係数は
    等しいか又は前者が後者より大きいことを特徴とする請
    求項1の円錐型流体動圧軸受。
  5. 【請求項5】前記樹脂層の樹脂材料は液晶高分子材料で
    あることを特徴とする請求項1の円錐型流体動圧軸受。
  6. 【請求項6】請求項1の円錐型流体動圧軸受によってロ
    ータをステータに回転自在に支持したスピンドルモー
    タ。
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