JP2001019830A - インクジェット記録材用樹脂およびインクジェット記録材 - Google Patents

インクジェット記録材用樹脂およびインクジェット記録材

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JP2001019830A
JP2001019830A JP11194279A JP19427999A JP2001019830A JP 2001019830 A JP2001019830 A JP 2001019830A JP 11194279 A JP11194279 A JP 11194279A JP 19427999 A JP19427999 A JP 19427999A JP 2001019830 A JP2001019830 A JP 2001019830A
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recording material
methacrylate
ink jet
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JP11194279A
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English (en)
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Shigeki Nishimura
茂樹 西村
Osamu Kakishita
修 垣下
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット法で印刷した場合、優れた印刷
画像が得られ、高湿度下で保存しても高品質の印刷画像
を保持することができるインクジェット記録材を提供す
ることにある。 【解決手段】インクジェット記録材が、メチルメタクリ
レート系共重合体、および特定の第4級アンモニウム塩
を有する単量体成分20〜90重量%と、ポリアルキレ
ングリコール成分を有する共重合可能な単量体成分10
〜80重量%と、共重合可能なビニル系単量体成分0〜
70重量%とからなる共重合体を有する高分子化合物
と、親水性の熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物からなる
記録層を基材上に備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
材用樹脂組成物および該樹脂組成物を使用したインクジ
ェット記録材に関し、特に、第4級アンモニウム塩を含
有するインクジェット記録材用樹脂組成物およびインク
ジェット記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録材におけるにじみを
防ぐために第4級アンモニウム塩を添加することが以前
から行われてきたが、通常の第4級アンモニウム塩は水
溶性のものが多く、親水性の樹脂と組み合わせて用いる
と、高湿度条件下で保存された場合等にインクのにじみ
を防ぐことができなかった。また、非水溶性の第4級ア
ンモニウム塩を用いると、溶融押出法で製造されるイン
クジェット記録材との相溶性が悪く分散不良となり、高
温多湿条件の下ではにじみを防止することができなかっ
た。相溶性をよくするために添加量を増加させると、第
4級アンモニウム塩の分散が悪くなりブツが発生して画
像品質が低下し、さらに添加量を多くするとフィルム形
成が不可能になるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、イン
クジェット記録材に印刷した画像等の品質が良好で、か
つ、印刷された画像等を高湿度条件下で保存してもイン
クの滲みが生じないインクジェット記録材およびその記
録材に用いられるインクジェット記録材用樹脂組成物を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の分子構
造を有する第4級アンモニウム塩と親水性樹脂を組み合
わせることにより、上記欠点を解消できることを見出
し、本発明を完成させるに至った。特定の第4級アンモ
ニウム塩は少なくとも分子構造の中に第4級アンモニウ
ム塩とアクリル構造を有する高分子化合物であり、親水
性樹脂との親和性を向上させたものを用いる。
【0005】すなわち本発明のインクジェット用樹脂組
成物は、メチルメタクリレート系共重合体、および一般
式(1)
【化6】 で示される第4級アンモニウム塩を有する単量体成分2
0〜90重量%と、ポリアルキレングリコール成分を有
する共重合可能な単量体成分10〜80重量%と、共重
合可能なビニル系単量体成分0〜70重量%とからなる
共重合体を有する高分子化合物と、親水性の熱可塑性樹
脂とを含むことを特徴とする。
【0006】また、本発明のインクジェット記録材用樹
脂組成物は、一般式(2)
【化7】 で示されるハロゲン含有単量体5〜84重量部と、一般
式(3)
【化8】 で示される第4級アンモニウム塩を含む単量体95〜1
6重量部と、共重合しうるビニル系単量体0〜50重量
部とを共重合させた高分子化合物と、親水性の熱可塑性
樹脂とを含むことを特徴とする。
【0007】本発明のインクジェット記録材用樹脂組成
物は、グリシジルメタクリレート及びグリシジルアクリ
レートのうち少なくとも一つと、一般式(4)
【化9】 で示される化合物の少なくとも一つと、イオン基を有す
るエステル結合型及び/またはアマイド結合型のアクリ
ル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体から選択される少な
くとも一つとを共重合体させた高分子化合物と、親水性
の熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする。
【0008】ここで、前記親水性の熱可塑性樹脂は、一
般式(5)
【化10】 で示されることができる。
【0009】本発明のインクジェット記録材は、上記イ
ンクジェット記録材用樹脂組成物のいずれかを主成分と
して有する記録層を備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録材
は、基材上に記録層を有するものであり、第1の態様の
記録層は、メチルメタクリレート系共重合体、および下
記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩基を有す
る単量体成分20〜90重量%と、ポリアルキレングリ
コール成分を有する共重合可能な単量体成分10〜80
重量%と、共重合可能なビニル系単量体成分0〜70重
量%とからなる共重合体を有する高分子化合物(I)
と、親水性の熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物を主成分
とする。
【0011】本発明において高分子化合物(I)を構成
する共重合体は、一般式(1)で示される4級アンモニ
ウム塩基を有する単量体成分が30〜80重量%、ポリ
アルキレングリコール成分を有する共重合可能な単量体
成分が20〜70重量%、共重合可能なビニル系単量体
成分が0〜50重量%であることが好ましい。
【0012】4級アンモニウム塩基を有する単量体成分
が20重量%以上であれば良好な制電性を付与すること
ができ、共重合可能なポリアルキレングリコール成分を
有する単量体成分が10重量%以上であれば高分子化合
物の透明性を損なうことがない。
【化11】 式中、Rは水素またはメチル基を表し、R,R
よびRはそれぞれ水素または置換基を有していてもよ
い炭素数1〜9のアルキル基を表し、m=1〜10の整
数、好ましくはm=2〜6の整数、Xは無機もしくは有
機の一価の酸基、または無機酸もしくは有機酸の相応す
る等価物を表し、Xは一般式R12SO もしくは
12OSO で示されるカウンターアニオンを表
す。ただし、R12は水素またはフェニル基を含んでい
てもよい炭素数1〜20のアルキル基である。
【0013】メチルメタクリレート系共重合体とは、メ
チルメタクリレート単位50重量%以上と他の共重合体
の単量体単位50重量%以下とからなる重合体である。
メチルメタクリレートと共重合する他の共重合体として
は、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキル
メタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアルキルアクリレート類、スチレン、アク
リロニトリル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルトルエン等が挙げら
れ、好ましくはメチルアクリレート等のアルキルアクリ
レート類およびスチレンが挙げられる。また、メチルメ
タクリレート系共重合体は、25℃のトルエン溶媒にお
ける極限粘度が0.4〜0.8dl/gであることが好
ましい。
【0014】上記一般式(1)で示される4級アンモニ
ウム塩基を有する単量体成分とは、アミンを有するメタ
クリレートもしくはアクリレートが4級化剤によって4
級化されたものである。アミンを有するメタクリレート
もしくはアクリレートとしては、ジメチルアミノエチル
メタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジヒ
ドロキシエチルアミノエチルメタクリレート、ジプロピ
ルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチル
メタクリレート等が挙げられる。
【0015】4級化剤としては、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トル
エンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等の
スルホン酸エステル、ジメチル亜硫酸等のアルキル亜硫
酸、トリメチルホスフェイト等のアルキルリン酸、アル
キルベンジルクロライド、ベンジルクロライド、アルキ
ルクロライド、アルキルブロマイド等の各種のハライド
が用いられ、特に、アルキル硫酸、スルホン酸エステル
が耐熱分解性の点から好ましい。
【0016】なお、本発明に用いられる第4級アンモニ
ウム塩は非水溶性であることが好ましく、このことは高
分子化合物(I)に限定されるものではなく、後述する
高分子化合物についても同様である。
【0017】共重合可能なポリアルキレングリコール成
分を有する単量体成分としては、末端スチリルのポリア
ルキレングリコールマクロマー、末端ビニルのポリアル
キレングリコールマクロマー等が好ましく使用すること
ができ、特に好ましい単量体成分は、下記一般式(6)
で示される、末端メタクリレートもしくはアクリレート
のポリアルキレングリコールマクロマーである。
【化12】 ただし、式中、R13は水素またはメチル基、R14
枝分かれしていてもよい炭素数4以下のアルキル基、R
15は水素または炭素数1〜20のアルキル基、rは1
〜500の整数を表す。
【0018】本発明に好ましく用いられるポリアルキレ
ングリコール成分を有する共重合可能な単量体成分は末
端メタクリレートもしくはアクリレートのポリアルキレ
ングリコールマクロマーである。具体的には、例えば、
ポリエチレングリコール(4)モノメタクリレート、ポ
リエチレングリコール(23)モノメタクリレート、ポ
リエチレングリコール(300)モノメタクリレート、
ポリエチレングリコール(23)モノアクリレート、ポ
リプロピレングリコール(23)モノメタクリレート、
ポリプロピレングリコール(23)モノアクリレート、
ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモ
ノメチルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モ
ノメタクリレートモノブチルエーテル、ポリプロピレン
グリコール(23)モノアクリレートモノメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレー
トモノノニルエーテル、ポリエチレングリコール(2
3)モノメタクリレートモノステアリルエーテル、ポリ
プロピレングリコール(23)モノメタクリレートモノ
メチルエーテル、ポリエチレングリコール(4)モノメ
タクリレートモノメチルエーテル、ポリエチレングリコ
ール(9)モノメタクリレートモノメチルエーテル、ポ
リエチレングリコール(300)モノメタクリレートモ
ノメチルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モ
ノメタクリレートモノオレイルエーテル等(かっこ内の
数字はポリアルキレングリコールのユニット数を示す)
が挙げられる。
【0019】共重合可能なビニル系単量体成分として
は、公知の単量体、例えば、メタクリル酸アルキルエス
テル、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビ
ニル、不飽和ニトリル、芳香族ビニル、アルキルビニル
エーテル、アルキルビニルケトン、2−ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、イソブテン、2−アシッドホスフォキシエチル(メ
タ)アクリレート等の1種または2種以上の単量体を使
用することができる。
【0020】上記共重合体の製造法については特に限定
はなく、溶液重合、バルク重合等の手段を用いることが
でき、例えば、特開昭64−63739号第4頁左下欄
および実施例の記載に基づいて製造することができる。
【0021】また、上記メチルメタクリレート系共重合
体と上記共重合体とからなる高分子化合物は、例えば、
共重合体の存在下でメチルメタクリレート系共重合体を
重合することにより、または共重合体とメチルメタクリ
レート系共重合体とを加熱溶融混合することにより作製
することができるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0022】本発明において、上記高分子化合物の分子
量は1000以上であることが好ましい。分子量が10
00以上であれば、良好な恒久制電性が得られる。
【0023】本発明の第2の態様の記録層は、上記高分
子化合物(I)の代わりに高分子化合物(II)を用い
ることができ、好ましく用いられる高分子化合物(I
I)は下記一般式(2)で示されるハロゲン含有単量体
5〜84重量部と、一般式(3)で示される第4級アン
モニウム塩を含む単量体95〜16重量部と、共重合し
うるビニル系単量体0〜50重量部とを共重合せしめた
高分子化合物である。
【化13】 ただし、式中、Gはハロゲン原子を1〜3個有する炭素
数1〜6の飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基、R
は水素、メチル基、エチル基、塩素原子または臭素原
子を示す
【化14】
【0024】高分子化合物(II)は、ハロゲン含有単
量体が6〜75重量部、第4級アンモニウム塩を含む単
量体が93.5〜25重量部、ビニル系単量体が0〜3
5重量部であることが好ましく、特に、ハロゲン含有単
量体が9〜50重量部、第4級アンモニウム塩を含む単
量体が91〜50重量部、ビニル系単量体が0〜25重
量部であることが好ましい。
【0025】ここで、ハロゲン含有単量体としては、例
えば、2−クロロエチルアクリレート、3−クロロプロ
ピルアクリレート、3−ブロモブチルアクリレート、
2,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,3−ジク
ロロプロピルアクリレート、β−クロロアリルアクリレ
ート、γ−クロロアリルアクリレート、3,3−ジクロ
ロ−2−プロペニルアクリレート、p−クロロフェニル
アクリレート、2−クロロエチル−α−クロロアクリレ
ート、クロロメチル−α−クロロアクリレート、ブロモ
メチル−α−クロロアクリレート、トリクロロ−α−ク
ロロアクリレート、3−クロロプロピル−α−クロロア
クリレート、2−クロロ−2−メチル−α−クロロアク
リレート、2−クロロ−3−メチル−α−クロロアクリ
レート、2,3−ジブロモプロピル−α−クロロアクリ
レート、2,3−ジブロモブチル−α−クロロアクリレ
ート、2,3−ジヨードプロピルアクリレート、2−ク
ロロ−3−ブロモプロピルアクリレート、2−クロロ−
3−ヨードプロピルアクリレート、4−ブロモブチルア
クリレート、2,3−ジブロモプロピル−α−ブロモア
クリレート、5−クロロベンチルアクリレート、2,3
−ジブロモブチル−α−ブロモアクリレート、2−ブロ
モプロピル−α−ブロモアクリレート、2−クロロブチ
ルアクリレート、3,4−ジブロモブチルアクリレー
ト、2−クロロ−1−メチルブチルアクリレート、4−
ブロモペンチルアクリレート、4,5−ジクロロペンチ
ルアクリレート、o−クロロフェニルアクリレート、ク
ロロメチルメタクリレート、2−クロロエチルメタクリ
レート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、2
−ヨードエチルメタクリレート、2−フルオロエチルメ
タクリレート、2,2,2−トリクロロエチルメタクリ
レート、o−クロロフェニルメタクリレート、p−クロ
ロフェニルメタクリレート、2,4−ジクロロフェニル
メタクリレート、2,4,6−トリクロロフェニルメタ
クリレート、2,3−ジヨードプロピルメタクリレー
ト、2−クロロ−3−ブロモメタクリレート、3−ブロ
モブチルメタクリレート、2,3−ジクロロブチルメタ
クリレート、2−ブロモブチルメタクリレート、3,4
−ジブロモブチルメタクリレート、4,5−ジブロモペ
ンチルメタクリレート、4−クロロペンチルメタクリレ
ート、3−ブロモプロピルメタクリレート、4−ブロモ
ブチルメタクリレート、5−ブロモペンチルメタクリレ
ート、2−クロロエチル−α−エチルアクリレート、3
−クロロプロピル−α−エチルアクリレート、3−ブロ
モブチル−α−エチルアクリレート、2,3−ジクロロ
プロピル−α−エチルアクリレート等が挙げられ、耐久
性向上の点から、隣接した炭素にハロゲン原子を有する
単量体、例えば、2,3−ジクロロプロピルアクリレー
ト、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,3−
ジブロモプロピルメタクリレート、2,3−ジクロロプ
ロピルアクリレート、2,3−ジクロロプロピルメタク
リレートが好ましい。
【0026】第4級アンモニウム塩を含む単量体として
は、例えば、 構造式 [CH=CHCOOCHCHN(CH
CHSO のトリメチルアンモニウム、エチルアクリレートメトス
ルフェート、エチルジメチルアンモニウムエチルメタク
リレートエトスルフェート、ジエチルヒドロキシエチル
アンモニウムエチルメタクリレートクロライド、トリメ
チルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、ジメ
チルベンジルアンモニウムプロピルアクリレートブロマ
イド、ジエチルメチルアンモニウムエチルアクリレート
メトスルフェート、ジエチルブチルアンモニウムエチル
メタクリレートスルフェート、ジメチルセチルアンモニ
ウムエチルアクリレートクロライド、ジメチルエチルア
ンモニウムブチルメタクリレートクロライド、ジメチル
アンモニウムオクチルアクリレートメトスルフェート、
トリエチルアンモニウムデシルアクリレートエトスルフ
ェート、ジメチルアリルアンモニウムエチルアクリレー
トブロマイド、 構造式 [CH=CHCOOCHCHOC
N(CH)(CCHSO のジ
エチルメチルアンモニウムエチルモノ(オキシエチル)
アクリレートメトスルフェート、トリエチルアンモニウ
ムエチルモノ(オキシエチル)メタクリレートブロマイ
ド、トリエチルアンモニウムエチルトリ(オキシエチ
ル)メタクリレートブロマイド、トリエチルアンモニウ
ムペンタ(オキシエチル)アクリレートエトスルフェー
ト、 構造式 [CH=CHCONHCN(CH
(CCH SO のジエチルメチル
アンモニウムエチルアクリルアミドメトスルフェート、
トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドブロ
マイド、ジメチルハイドロキシエチルアンモニウムオク
チルアクリルアミドクロライド、ジメチルエチルアンモ
ニウムドデシルアクリルアミドエトスルフェート等が挙
げられる。
【0027】ビニル系単量体としては、高分子化合物
(I)において既に列挙したビニル系単量体と同様のも
のが好ましく用いられる。
【0028】上記高分子化合物(II)は公知の共重合
法により、すなわち乳化重合、溶液重合等により製造す
ることができ、例えば、特公昭49−16033号第8
〜10欄および実施例の記載に基づいて製造することが
できる。
【0029】本発明の第3の態様の記録層は、上記高分
子化合物(I)の代わりに高分子化合物(III)を用
いることができ、好ましく用いられる高分子化合物(I
II)は、グリシジルメタクリレートおよびグリシジル
アクリレートのうち少なくとも一つと、下記一般式
(4)で示される化合物の少なくとも一つと、イオン基
を有するエステル結合型及び/またはアマイド結合型の
アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体から選択され
る少なくとも一つとの共重合体である。
【化15】 式中、Lはアルキレンオキサイドと反応し得る活性水素
を有し、かつアミノ基を含まない化合物から活性水素を
除いた有機基、pは5〜100、qは0〜50、R10
は水素またはメチル基を表す。
【0030】ここで、一般式(4)において、アルキレ
ンオキサイドと反応しうる活性水素を有し、かつアミノ
基を含まない化合物とは、例えば、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、メルカプト基、アミド基等の基を分子中
に1個またはそれ以上有する化合物を表す。アルキレン
オキサイドと反応し得る活性水素を有し、かつアミノ基
を含まない化合物から活性水素を除いた有機基とは、実
用的には1個の活性水素を有する化合物からその活性水
素を除いた型の熱に対して安定な基が望ましく、特に使
用しやすい化合物を挙げると、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、
オレイルアルコール、ステアリルアルコール、2−エチ
ルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のような
アルコール類、フェノール、アルキルフェノール、ナフ
トール、フエルフェノール等のフェノール類、メチルス
テアラミド、ラウリルオレアミド、ε−カプロラクタム
等のようなアマイド類から活性水素を除いた残基等であ
る。その他、低級または高級脂肪酸、芳香族カルボン
酸、アルキルメルカプタン等もある。
【0031】一般式(4)におけるエチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドの割合は任意に選ぶことができ
るが、p=5〜100、q=0〜50が適当であり、好
ましくはこの範囲でも比較的大きい方である。
【0032】本発明に用いられるイオン基を有するエス
テル結合型および/またはアマイド結合型のアクリル酸
誘導体およびメタクリル酸誘導体としては、例えば、ア
クリル酸もしくはメタクリル酸、またはそれらの低級ア
ルキルエステルのうち少なくとも1種類とN,N−ジア
ルキルアルカノールアミン、N,N−ジアルキルアルキ
レンジアミン等をエステル結合またはアマイド結合した
型の化合物の第3級アミノ基をさらに適当な4級化剤で
4級化することによって得られる第4級アンモニウムカ
チオン化合物、両性化合物あるいはスルホン酸基やリン
酸基等のアニオン基を有する型の誘導体が挙げられる。
具体的には、 CH=CRCOO−R01−N0203
04 CH=CRCONH−R01−N0203
04 CH=CRCOO−R01−N0203
05 CH=CRCONH−R01−N0203
05 CH=CRCOOCHCH(OH)CH
020304 CH=CRCOO−R05−Z CH=CRCONH−R05−Z CH=CRCOOCHCH(OH)CH−Z である。ただし、Rは水素またはメチル基、R01
よびR05はそれぞれ炭素数2〜4の2価の炭化水素基
を表し、R02,R03およびR04はそれぞれ独立に
炭素数1〜22の飽和または不飽和の炭化水素、ヒドロ
キシアルキル基、置換基を有するアルキル基を表し、X
はアニオン、例えばアルキルサルフェートイオン、
ハロゲンイオン、Y はCOOまたはSO 、Z
はスルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸あるいはリン
酸モノエステルの残基、あるいはそれらの基の1〜3価
の金属塩を表す。金属塩としては、特にNa,K,L
i,Ca,Mg等が好ましい。本発明においては、熱安
定性の点でアニオン基が好ましい。
【0033】上記高分子化合物(III)は各種の重合
方法によって製造することができ、例えば、上記3種類
の成分の混合物を重合することによって、またはグリシ
ジルメタクリレートおよび/またはグリシジルアクリレ
ートと一般式(4)で示される化合物とをあらかじめ重
合させたものに、イオン基を導入することによって製造
することができる。具体的には、特公昭46−97号第
5〜6欄および実施例の記載に基づいて製造することが
できる。
【0034】好ましく用いられる親水性の熱可塑性樹脂
は、分子構造の中に疎水基を適切にいれることにより熱
可塑性と親水性を保持した下記式で表わされる高分子化
合物である。記録層がかかる構成をとることにより、更
にインクジェットプロッターでの印字後の画像形成性に
他素材では得られないような優れたインクジェット記録
材を提供することができる。
【0035】本発明に好ましく用いられる親水性の熱可
塑性樹脂は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位
から構成される。
【化16】 式中、Aは
【化17】
【化18】 とからなり、その付加形態が
【化19】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である。
【0036】ここで、活性水素基を2個有する有機化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0037】上述した重量比、すなわち44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク
吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を
超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとな
る。Zは前記一般式(5)で示される樹脂組成物に疎水
性を付与する機能を有する物であり、例えば好ましいも
のとしてはエチル基等のアルキル基等が上げられ、a、
b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親水性
を失わず、かつ、水に対して不溶化することができる。
【0038】かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコー
ルにエチレンオキシドを付加重合した後、アルキレンオ
キシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重
合して生成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸
化合物またはジイソシアネート化合物を反応させて生成
することができる。
【0039】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ま
しく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジ
カルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無
水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチ
ルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエ
チルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル
等が挙げられる。
【0040】特に好ましくは、炭素数12〜36の直鎖
状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが挙げ
られ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,14
−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オクタ
デカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコンタ
ンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記その低級
アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメチ
ルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジプ
ロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、もし
くは2種以上併せて用いることができる。なかでも、反
応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物お
よびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いること
が好ましい。
【0041】上記ジイソシアネート化合物としては、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシ
ルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、
または2種以上併せて用いることができる。
【0042】上記構成の記録材を作製する場合の高分子
化合物の添加量は樹脂組成物中、10重量%〜40重量
%であることが望ましい。添加量が10重量%未満で
は、印刷されたインクジェット記録材を温度40℃で相
対湿度90%RHなどの厳しい条件下で保存した場合に
はインクのにじみを完全に防止することは困難であり、
40重量%より多いと、記録材表面にブツが生じる場合
があり、印刷された画像品質に影響を及ぼすことがあ
る。
【0043】本発明においては、本発明の特性を損なわ
ない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加
剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出
時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止
剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のた
めに添加する酸化防止剤の量としては、0.5重量%程
度が適当である。
【0044】本発明のインクジェット記録材は、基材
と、該基材上に設けられた特定の記録層とを有し、記録
層は基材表面にコーティングすることにより設けられて
いても、または接着剤を介して設けられていてもよい
し、あるいは積層体として溶融押し出し等により設けら
れていてもよい。このようなインクジェット記録材は公
知の方法により形成することができ、例えば、特開平1
0−71763号の記載に従って得ることができる。な
お、基材としては用途によってプラスチック、紙等の各
種のものを用いることができ、例えば、オーバーヘッド
プロジェクター等に用いられるインクジェット記録材と
しては透明な基材が選択される。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】実施例1 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えてエ
ステル交換反応を行い、重量平均分子量15万の親水性
の熱可塑性樹脂を得た。
【0047】ジエチルアミノエチルメタクリレート37
4重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル4重量
部、およびメタノール450重量部を攪拌しながらジメ
チル硫酸252重量部およびメタノール80重量部の混
合物を30℃以下で滴下した。滴下終了後、30分間攪
拌を続けて、4級アンモニウム塩基を有するモノマー溶
液を調整した。得られた4級アンモニウム塩基を有する
モノマー溶液にアゾビスイソブチロニトリル6重量部、
n−オクチルメルカプタン4重量部、メタノール480
重量部、およびポリエチレングリコール(23)モノメ
タクリレートモノメチルエーテル620重量部を加え
て、温度60℃、窒素雰囲気の条件下で4時間重合させ
た。重合後そのまま真空乾燥して高分子化合物を得た。
【0048】得られた親水性の熱可塑性樹脂の100重
量%に対し、得られた高分子化合物の30重量%を添加
し、さらにトコフェノール(BASF社製、商品名「U
vinul 2000AO」)を1重量%添加した後、
押出機にて、Tダイの温度が140℃の条件で厚さ20
μmの層となるように、厚さ100μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に押し出して、コ
ーティングされた製版用透明プラスチックフィルムのイ
ンクジェット記録材(サンプル1)を作製した。
【0049】実施例2 実施例1において、高分子化合物の添加量を8重量%と
代えた以外は実施例1と同様にして製版用フィルムのイ
ンクジェット記録材(サンプル2)を作製した。
【0050】実施例3 実施例1において、高分子化合物の添加量を45重量%
と代えた以外は実施例1と同様にして製版用フィルムの
インクジェット記録材(サンプル3)を作製した。
【0051】比較例1 吸水性樹脂を押出機にて、Tダイの温度が140℃の条
件で厚さ20μmの層となるように、厚さ100μmの
易接着性PETフィルムに熱ラミネートして、製版用の
透明プラスチックフィルムのインクジェット記録材(サ
ンプル4)を作製した。
【0052】評価方法 1)印刷品質の評価 実施例1〜3および比較例1の各サンプル(サンプル1
〜4)に、ヒューレットパッカード社製、商品名「デザ
インジェット 350C」を用いて、独自に作製した印
字パターンを印刷した。印刷された印字パターンを肉眼
で観察して、印字出力品質の評価を行った。ただし、評
価基準は以下の通りである。 評価基準: A 優れている B レベル「A」には達しないが実用レベルの範囲内で
ある C 劣る
【0053】2)耐湿性の評価 印刷品質の評価で用いた印字パターンを印刷した各サン
プルを、温度40℃、相対湿度90%RHに設定した恒
温恒湿槽内に入れて24時間放置し、印字パターンの線
のにじみについて評価を行った。ただし、線のにじみは
下記式により、「線のにじみ率」で示した。にじみ率が
110%を越すと、実用的でなくなる。
【数1】
【0054】ただし、試験後とはサンプルを恒温恒湿槽
に入れて24時間放置した後をいい、試験前とはサンプ
ルを恒温恒湿槽に入れる前をいう。得られた結果を下記
表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、高分子化合物が
10〜40重量%の範囲内で分散された実施例1のイン
クジェット記録材(サンプル1)は、優れた印刷品質を
保持し、かつ高温多湿にも耐えうる耐湿性が付与されて
いた。高分子化合物の含有量が40重量%より多い実施
例3のインクジェット記録材(サンプル3)は、サンプ
ル1と印刷品質について比較するとやや劣ったが、実用
可能なレベルのものであった。また、高分子化合物の添
加量が10重量%未満の実施例2のインクジェット記録
材(サンプル2)は、線のにじみが発生したが実用可能
なレベルのものであった。一方、吸水性樹脂のみからな
る記録層を有する比較例1のインクジェット記録材(サ
ンプル4)は、線のにじみが激しく、実用不可能なもの
であった。
【0057】実施例4 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えてエ
ステル交換反応を行い、重量平均分子量15万の親水性
の熱可塑性樹脂を得た。
【0058】エチルジメチルアンモニウムエチルメタク
リレートエトスルフェートの100gと、水120gと
レべノールWZ(花王石鹸社製のアニオン活性剤)2.
4gと、エマロシクスNX−2000(吉村油脂社製の
非イオン活性剤)2.4gとからなる混合物を攪拌しな
がら40℃で十分に乳化させ、65℃まで温度を上げた
後、過硫酸アンモニウム1.2gを加え、10分間放置
した後、2,3−ジブロモプロピルメタクリレ−ト20
gを徐々に30分間かけて滴下した。反応の進行と共に
白色透明な溶液は薄黄緑色を経て次第に不透明な白色へ
と変化して粘性が増し、系内の温度は70℃まで上昇し
た。更に30分間攪拌を続けて反応開始後2時間30分
で反応を完了した。生成した共重合体エマルジョンに大
量のアセトンを加え共重合体を沈殿せしめた。この共重
合体を分離した後、少量の水に溶かし再度アセトンで沈
降させる操作を行った。この操作を3回繰り返して精製
したのち十分に乾燥させ、A:B=5:1の組成比を持
つ共重合体の高分子化合物を得た。
【0059】得られた親水性の熱可塑性樹脂の100重
量%に対し、得られた高分子化合物の30重量%を添加
し、さらにトコフェノール(BASF社製、商品名「U
vinul 2000AO」)を1重量%添加した後、
押出機にて、Tダイの温度が140℃の条件で厚さ20
μmの層となるように、厚さ100μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に押し出して、コーティング
された製版用透明プラスチックフィルムのインクジェッ
ト記録材(サンプル5)を作製した。
【0060】実施例5 実施例4において、高分子化合物の添加量を8重量%と
代えた以外は実施例4と同様にして製版用フィルムのイ
ンクジェット記録材(サンプル6)を作製した。
【0061】実施例6 実施例4において、高分子化合物の添加量を45重量%
と代えた以外は実施例4と同様にして製版用フィルムの
インクジェット記録材(サンプル7)を作製した。
【0062】比較例2 吸水性樹脂を押出機にて、Tダイの温度が140℃の条
件で厚さ20μmの層となるように、厚さ100μmの
易接着性PETフィルムに熱ラミネートして、製版用透
明プラスチックフィルムのインクジェット記録材(サン
プル8)を作製した。
【0063】得られた実施例4〜6および比較例2の各
サンプル(サンプル5〜8)について、実施例1と同様
の印刷品質の評価、耐湿性の評価を行った。得られた結
果を下記表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2から明らかなように、高分子化合物が
10〜40重量%の範囲内で分散された実施例4のイン
クジェット記録材(サンプル5)は、優れた印刷品質を
保持し、かつ高温多湿にも耐えうる耐湿性が付与されて
いた。高分子化合物の含有量が40重量%より多い実施
例6のインクジェット記録材(サンプル7)は、サンプ
ル5と印刷品質について比較すると多少劣ったが実用可
能なレベルのものであった。また、高分子化合物の添加
量が10重量%未満の実施例5のインクジェット記録材
は、線のにじみが生じたが実用可能なレベルのものであ
った。一方、吸水性樹脂のみからなる記録層を有する比
較例2のインクジェット記録材(サンプル8)は、線の
にじみが激しく、実用不可能なものであった。
【0066】実施例7 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えてエ
ステル交換反応を行い、重量平均分子量15万の親水性
の熱可塑性樹脂を得た。
【0067】あらかじめ134gの水に溶解した亜硫酸
ソーダ63g(1/2モル)溶液を過剰のグリシジメタ
クリレート142g(1モル)に攪拌下に連続的に添
加、反応温度を約40〜60℃に保って20時間反応さ
せスルホン化をほぼ完成し、分子量1500のエトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート1500g(1
モル)、グリシジルメタクリレート142g(1モ
ル)、及びイソプロパノール(溶媒として)を追加、亜
硫酸アンモンを添加して若干の重合調整剤の存在下常法
に従って60〜70℃、9時間反応、スルホン酸ソーダ
基、末端エトキシ封鎖のポリエチレンオキサイド基及び
エポキシ基を有する微黄色、粘調な共重合体の高分子化
合物を得た。
【0068】得られた親水性の熱可塑性樹脂の100重
量%に対し、得られた高分子化合物の30重量%を添加
し、さらにトコフェノール(BASF社製、商品名「U
vinul 2000AO」)を1重量%添加した後、
押出機にて、Tダイの温度が140℃の条件で厚さ20
μmの層となるように、厚さ100μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に押し出して、コーティング
された製版用の透明プラスチックフィルムのインクジェ
ット記録材(サンプル9)を作製した。
【0069】実施例8 実施例7において、高分子化合物の添加量を8重量%と
代えた以外は実施例7と同様にして製版用フィルムのイ
ンクジェット記録材(サンプル10)を作製した。
【0070】実施例9 実施例7において、高分子化合物の添加量を45重量%
と代えた以外は実施例7と同様にして製版用フィルムの
インクジェット記録材(サンプル11)を作製した。
【0071】比較例3 吸水性樹脂を押出機にて、Tダイの温度が140℃の条
件で厚さ20μmの層となるように、厚さ100μmの
易接着性PETフィルムに熱ラミネートして、製版用の
透明プラスチックフィルムのインクジェット記録材(サ
ンプル12)を作製した。
【0072】得られた実施例7〜9および比較例3の各
サンプル(サンプル9〜12)について、実施例1と同
様の印刷品質の評価、耐湿性の評価を行った。得られた
結果を下記表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】表3から明らかなように、高分子化合物が
10〜40重量%分散された実施例7のインクジェット
記録材(サンプル9)は、優れた印刷品質を保持し、か
つ高温多湿にも耐えうる耐湿性が付与されていた。ま
た、高分子化合物の含有量が40重量%より多い実施例
9のインクジェット記録材(サンプル11)は、サンプ
ル7と印刷品質について比較するとやや劣るが実用可能
なレベルものであった。また、高分子化合物の添加量が
10重量%未満の実施例8のインクジェット記録材(サ
ンプル10)は、線のにじみが生じたが実用可能なレベ
ルのものであった。一方、吸水性樹脂のみからなる記録
層を有する比較例3のインクジェット記録材(サンプル
12)は、線のにじみが激しく、実用不可能なものであ
った。
【0075】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明のイ
ンクジェット記録材は、優れた印刷品質を有し、良好な
耐水性があり、かつ高温高湿度下で保存した後でも線の
滲みのない優れた画像を保持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA31 BA35 4J002 BB18X BC04X BD05X BD09X BD10X BE04X BE05X BF02X BG01X BG04X BG05X BG06W BG07X BG08X BG09X BG13X CF10Y CK04Y GH01 GT00 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA13 BA14 BA16 CA03 CA09 CD08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチルメタクリレート系共重合体、および
    一般式(1) 【化1】 で示される第4級アンモニウム塩を有する単量体成分2
    0〜90重量%と、ポリアルキレングリコール成分を有
    する共重合可能な単量体成分10〜80重量%と、共重
    合可能なビニル系単量体成分0〜70重量%とからなる
    共重合体を有する高分子化合物と、親水性の熱可塑性樹
    脂とを含むことを特徴とするインクジェット記録材用樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 で示されるハロゲン含有単量体5〜84重量部と、一般
    式(3) 【化3】 で示される第4級アンモニウム塩を含む単量体95〜1
    6重量部と、共重合しうるビニル系単量体0〜50重量
    部とを共重合させた高分子化合物と、親水性の熱可塑性
    樹脂とを含むことを特徴とするインクジェット記録材用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】グリシジルメタクリレート及びグリシジル
    アクリレートのうち少なくとも一つと、一般式(4) 【化4】 で示される化合物の少なくとも一つと、イオン基を有す
    るエステル結合型及び/またはアマイド結合型のアクリ
    ル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体から選択される少な
    くとも一つとを共重合体させた高分子化合物と、親水性
    の熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とするインクジェッ
    ト記録材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記親水性の熱可塑性樹脂が、一般式
    (5) 【化5】 で示されることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載のインクジェット記録材用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかのインクジェッ
    ト記録材用樹脂組成物を主成分として有する記録層を備
    えたことを特徴とするインクジェット記録材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003080001A1 (de) * 2002-03-21 2003-10-02 Basf Aktiengesellschaft Kationische polymerisate und deren verwendung in kosmetischen formulierungen
WO2004058514A1 (en) * 2002-12-25 2004-07-15 Canon Finetech Inc. Recording medium

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