JP2001017930A - 基板の洗浄方法及びその装置 - Google Patents

基板の洗浄方法及びその装置

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JP2001017930A
JP2001017930A JP11194180A JP19418099A JP2001017930A JP 2001017930 A JP2001017930 A JP 2001017930A JP 11194180 A JP11194180 A JP 11194180A JP 19418099 A JP19418099 A JP 19418099A JP 2001017930 A JP2001017930 A JP 2001017930A
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substrate
cleaning
tank
cleaning tank
liquid
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JP11194180A
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English (en)
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Yutaka Hiratsuka
豊 平塚
Nobuyuki Fujikawa
伸之 藤川
Manabu Nakama
学 名嘉眞
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DAN KAGAKU KK
Kokusai Denki Alpha Co Ltd
Original Assignee
DAN KAGAKU KK
Kokusai Denki Alpha Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射ノズルヘッドを基板をスピン回転させる
ことなく、また洗浄液の飛沫を伴わず、半導体ウエハや
液晶用基板の大型のものを1枚ずつ垂直方向に保持した
状態で効率よく迅速に超音波洗浄する方法及び装置を提
供することにある。 【解決手段】 1枚の基板を垂直方向に保持した状態で
浸漬するのに必要十分な内容積及び形状を有し、底面に
超音波を発振する振動板が装着された薄型洗浄槽内の洗
浄液に、前記振動板から超音波を上方向に発振させた状
態下で、基板を垂直方向に保持して洗浄槽の内壁面に接
触させない状態で、一定の下降速度で浸漬し、基板が完
全に浸漬した後、直ちに前記下降速度と同じ速度で、基
板を洗浄槽の内壁面に接触させない状態で、引き上げて
液面上に取り出すことを特徴とする基板の洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハや大
型液晶用基板を、1枚ずつ垂直方向に保持した状態で迅
速、均一にかつ的確に超音波洗浄する方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶表示素子等の製造に使用さ
れる基板の表面汚れを除去する洗浄方法としては、多数
枚の基板を1個のキャリヤに保持して、洗浄槽中に一括
して浸漬して洗浄する方法(特願平10−239454
号)や超音波を照射して行なう洗浄(特開平3−773
19号公報)が一般的であった。しかしながら、使用さ
れる基板の寸法が年々大きくなってきており、例えば、
現在シリコンウエハは直径200mmや、300mmの
ものが使用され、液晶ガラス基板は500mm〜100
0mm角程度の大きさになっている。
【0003】このような大型基板になると、多数枚を一
括して洗浄する方式は、(イ)基板およびキャリヤの総
重量が非常に大きく、また、嵩容積も増大して洗浄のた
めに一括で搬送するのが困難になってきた。また、
(ロ)基板を浸漬するための洗浄槽が大型となり、その
中に入れる洗浄液の使用量が増大する。更に、(ハ)一
括して浸漬させて洗浄する方法では全ての基板を均一
に、且つ完全に洗うことが困難になる。またそれに伴
い、(ニ)洗浄装置が大型になり、設置スペースが大き
くなるばかりでなく、装置価格も高額となる、等の理由
で見直されつつあり、基板を1枚ずつ洗浄する方法の適
用が必要とされるようになってきた。
【0004】以前から知られている洗浄方法としては、
1枚の基板をスピンチャックで保持し、スピン回転させ
ながら基板面に純水をかけ、回転するブラシで擦り洗い
する方法や、回転基板にノズルから純水を高速で噴射し
て洗い流す方法があり、主に基板表面の付着粒子を除去
するのに用いられている。しかし、これらの方法は、一
括洗浄でないので作業効率の上からも問題となりがちで
あり、またこれらの方法では、サブミクロン台の微小粒
子を効率よく除去するのには適さず、また、洗浄液とし
て純水しか使用できないので、有機汚れや金属汚れ等の
除去能力も低いという問題点があった。
【0005】そこで最近では、粒子除去効率を向上させ
るため純水噴射ノズルヘッドに超音波振動板を内臓さ
せ、超音波振動を重畳させたノズルからの水流をスピン
回転している基板面にあてる方法が実用化されている。
【0006】これら従来の方法は、いずれも基板を水平
に保持し、スピン回転させて洗浄処理するのを基本形態
としている。したがって、装置の占有面積が基板の大き
さに応じて大型化するという根本的な問題がある。更
に、高速に基板をスピン回転させるための回転機構が不
可欠であり、機能を安全に発揮するメンテナンスが必要
であった。また、基板上にかけられる洗浄液は基板の回
転による遠心力によって基板周縁から汚れを伴って振り
飛ばされるが、液の表面張力によって液滴となって飛ば
され、スピンカップの内壁に衝突して飛沫化し、循環気
流に乗って、洗浄基板に再付着するという問題がある。
この対策には大がかりな排気が必要であり、それにより
装置のコンパクト設計は難しくなるという欠点を伴い、
問題の解決には至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記問題点を解決し、噴射ノズルヘッドを基板
をスピン回転させることなく、また洗浄液の飛沫を伴わ
ず、半導体ウエハや液晶用基板の大型のものを1枚ずつ
垂直方向に保持した状態で効率よく迅速に超音波洗浄す
る方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「1枚の基板を垂直方向に保持した状態で浸漬す
るのに必要十分な内容積及び形状を有し、底面に超音波
を発振する振動板が装着された薄型洗浄槽内の洗浄液
に、前記振動板から超音波を上方向に発振させた状態下
で、基板を垂直方向に保持して洗浄槽の内壁面に接触さ
せない状態で、一定の下降速度で浸漬し、基板が完全に
浸漬した後、直ちに前記下降速度と同じ速度で、基板を
洗浄槽の内壁面に接触させない状態で、引き上げて液面
上に取り出すことを特徴とする基板の洗浄方法」、
(2)「前記振動板から超音波を上方向に発振させる際
に、前記洗浄槽内の下方向から槽内洗浄液の静止状態を
乱さない程度に穏やかに洗浄液を連続的に導入すると共
に該洗浄槽の上縁から洗浄液を溢流させることを特徴と
する前記第(1)項に記載の基板の洗浄方法」、(3)
「前記基板を前記洗浄槽に浸漬する際に、該基板を垂直
面より5度以内の角度で傾けて下降させ、洗浄液中に完
全に浸漬して片方の被洗浄面を洗浄した後、直ちに前記
下降速度と同じ速度で、引き上げて液面上に取り出し、
又は直ちに基板を垂直面に対し反対方向に傾け直して前
記下降速度と同じ速度で引き上げ若しくは直ちに前記下
降速度と同じ速度で引き上げつつ垂直面に対し反対方向
に傾け直し、液面上に取り出すことにより、基板の片方
の被洗浄面、又は両方の被洗浄面を洗浄することを特徴
とする前記第(1)項又は前記第(2)項に記載の基板
の洗浄方法」、(4)「前記洗浄槽の下部より洗浄液を
供給し、該洗浄槽の上縁から槽外へ溢水させて槽内に洗
浄液の上昇流を形成させることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(3)項のいずれか1に記載の基板の洗
浄方法」、(5)「前記洗浄槽を用いて洗浄を行ない、
基板を引き上げた状態で、該洗浄槽の上方の両側に設け
たスプレーノズルにより新規の洗浄液を基板に噴射し、
基板を濯ぐと共に槽内の洗浄液の少なくとも一部を洗浄
槽上縁から槽外へ溢水させることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(4)項のいずれか1に記載の基板の洗
浄方法」、(6)「超音波の周波数が750kHz〜3
MHzの範囲であることを特徴とする前記第(1)項乃
至第(5)項のいずれか1に記載の基板の洗浄方法」、
(7)「薬品を成分とする洗浄液を入れた第1の洗浄槽
と純水を入れた第2の洗浄槽とを並置し、基板を第1の
洗浄槽で超音波洗浄を行ない、第2の洗浄槽に移して純
水を用いてすすぎ超音波洗浄を行なうことを特徴とする
前記第(1)項乃至第(6)項のいずれか1に記載の基
板の洗浄方法」により達成される。
【0009】また、上記課題は、本発明の(8)「垂直
方向に保持した1枚の基板を浸漬するのに必要十分な内
容積及び形状を有し該基板の面方向に横長で厚み方向に
薄型の洗浄槽と、該洗浄槽の底面全面に装着されて底部
を形成し上方向に超音波を発振する振動板と、基板を保
持して前記洗浄槽に浸漬し取出す基板浸漬取出し手段と
を有する基板の洗浄装置であって、前記基板浸漬取出し
手段が、基板を垂直方向に保持して前記洗浄槽の内壁面
に接触させない状態で、一定の下降速度で浸漬し、基板
が完全に浸漬した後、直ちに前記下降速度と同じ速度
で、かつ基板を垂直方向に保持して前記洗浄槽の内壁面
に接触させない状態で、引き上げて液面上に取り出すも
のであることを特徴とする基板の洗浄装置」、(9)
「垂直方向に保持した1枚の基板を浸漬するのに必要十
分な大きさの該基板の面方向に横長で厚み方向に薄い洗
浄槽と、該洗浄槽の底面全面に装着されて底部を形成し
超音波を発振する振動板と、基板を保持して前記洗浄槽
に浸漬し取出す基板浸漬取出し手段とを有する基板の洗
浄装置であって、前記洗浄槽へ垂直方向に浸漬される基
板の槽底への投影最大寸法をW(mm)、基板の厚みを
t(mm)、その姿勢での基板高さをL(mm)とし、
振動子の大きさを縦a(mm)、横b(mm)、(a>
b)としたとき、つぎの式、
【0010】
【数2】 を満たす振動子が、振動板の周縁部に幅10mm〜30
mmの露出部を残して振動板に設けられることを特徴と
する基板の洗浄装置」、(10)「前記洗浄槽が、下方
向から槽内洗浄液の静止状態を乱さない程度に穏やかに
洗浄液を連続的に導入する手段、及び該洗浄槽の上縁か
らの溢流を受ける手段を有することを特徴とする前記第
(8)項又は第(9)項に記載の基板の洗浄装置」、
(11)「前記底部を成す振動板を有する洗浄槽が、槽
上端面において洗浄液の均一に拡散された盛上り部を形
成することを特徴とする前記第(8)項乃至第(10)
項のいずれかに記載の基板の洗浄装置」、(12)「前
記基板浸漬取出し手段が、搬送ロボットとロボットヘッ
ドとを有し、該搬送ロボットは洗浄槽に達し洗浄槽から
離れる走行手段を備え、かつ、前記ロボットヘッドを上
下に昇降する昇降手段を有し、前記ロボットヘッドは1
対の腕部を閉じることにより基板を垂直に挟持し開くこ
とにより基板を開放するウエハチャックを他端に固定し
たアーム、及び、該アームを回動させかつ垂直面に対し
両方向に5度±10%以内の角度範囲で正確に停止させ
ることにより該アームに固定された前記ウエハチャック
を同時に回動停止させるアーム回動手段を有することを
特徴とする前記第(8)項乃至第(11)項のいずれか
1に記載の基板の洗浄装置」、(13)「前記洗浄槽が
複数並置され、前記搬送ロボットが該複数の洗浄槽の間
を自在に走行して所定の洗浄槽で停止することを特徴と
する前記第(12)項に記載の基板の洗浄装置」、(1
4)「前記並置された複数の洗浄槽が、薬品を成分とす
る洗浄液を入れた第1の洗浄槽と純水を入れた第2の洗
浄槽とを含み、該第1の洗浄槽及び/又は第2の洗浄槽
の上方に、新しい洗浄液のスプレーノズル対を有するこ
とを特徴とする前記第(13)項に記載の基板の洗浄装
置」により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基いて詳細
に説明する。ここで、図1は、本発明における洗浄槽の
1概要例を示す図であり、図2は、本発明における洗浄
液状態の1例を示す図であり、図3は、本発明における
基板の洗浄態様の1例を示す図であり、図4は、本発明
における洗浄槽の1サイズ例を説明する図であり、図5
は、本発明の洗浄装置全体の1例を示す図であり、図6
は、本発明の他の洗浄装置の1例を示す図であり、図7
は、本発明の更に他の洗浄装置の1例を示す図である。
【0012】図1に示されるように、この例の洗浄槽
(10)は、1枚の基板を垂直方向に保持した状態で浸
漬するのに必要十分な内容積及び形状を有する薄型のも
のであり、断面が細長い矩形の筒体(9)の底端部(1
1)の内方に設けられた内側フランジ(12)が、振動
板(13)の外縁とフランジ締結されており、この振動
板(13)には振動子(13a)が設けられている。さ
らに、振動板(13)は底蓋(14)で覆われており、
底蓋(14)は筒体底端の外側フランジ(12b)との
ボルト締結により筒体に取付けられている。また筒体
(9)の下部には、洗浄液(15)を洗浄槽(10)内
に供給するための給液路(16)が設けられ、上部には
槽上端の洗浄液面(17)から槽外への溢流(18)を
受ける樋部(19)が設けられている。
【0013】この洗浄槽(10)においては、洗浄液
(15)が充満している底端部(11)の下に振動板
(13)と振動子(13a)が装着されており、振動子
(13a)から上方に向かって超音波を発振すると、振
動板(13)からの放射圧によって、洗浄液(15)は
押し上げられて上昇直進流(15a)が形成され、上昇
直進流(15a)が顕著であると洗浄槽(10)の頂上
面には、洗浄液(15)の盛上り部(15c)が形成さ
れるが、そのために、振動板(13)から超音波を上方
向に発振させる際に、洗浄槽(10)内の下方向から洗
浄液を連続的に導入すると共に該洗浄槽の上縁から少な
くとも1部を溢流させると極めて有効であることが見い
出され、また、槽内の充分な下降進流(15b)が有効
であることが見い出された。したがって、基板(1)を
垂直方向に保持していずれの部分の基板端部をも洗浄槽
(10)の内壁に接触させず、つまり基板と洗浄槽の内
壁面との間に洗浄液の流路間隙を確保した状態で、一定
の下降速度で浸漬し、その後直ちに、下降速度と同じ速
度で、かつ基板(1)を垂直方向に保持していずれの部
分の基板端部をも洗浄槽(10)内壁に接触させずに基
板端部と洗浄槽の内壁面との間に洗浄液の洗浄液の流路
間隙を確保した状態で、引き上げて液面上に取り出すこ
とが好ましい。これにより、振動板(13)から超音波
を上方向に発振させる際に、洗浄槽(10)下方向から
洗浄液を連続的に導入すると共に該洗浄槽の上縁から少
なくとも1部を溢流させると、降下直進流(15b)通
路として非中心領域を外れ洗浄槽の内壁面付近の間隙に
確保でき、その結果、上昇直進流(15a)の勢いが助
長される。
【0014】すなわち、洗浄液(15)は振動板(1
3)の振動により、波面の進行方向と直交する方向に振
動するけれども、波面は槽の上方向に垂直に最も強く進
行しこの方向から外れるにつれて他方向に進行する波面
は弱くなる。しかしながら上方向に垂直に進行する以外
の他の波面は筒体(9)内壁で反射され或いは反射を繰
り返して上方向に進行する結果、槽上端面においては均
一に拡散された盛上り部(15c)が形成され、洗浄槽
(10)下方向の給液路(16)からの穏やかかつ連続
的に導入される洗浄液が上昇直進流(15a)となり、
これを幇助し盛上りに寄与する。これに対して、下降流
(15b)は中心域から外れた内壁近隣域を主に通過す
る。
【0015】筒体(9)内部の胴構造としては、無論、
このような進行波と干渉して波強度を弱めるような反射
波がないものが好ましい。また下降流(15b)のため
のより均一な下方通路を形成できるものが好ましい。そ
こで若干傾斜した状態の基板にも適した断面形状のもの
とするため、この例においては細長い矩形断面を有する
ものを用いているが、他の例えば4角部が丸みを有する
ものであってもよく、要は、下降流(15b)のための
より均一な下方通路を確保できないようなもの、或いは
反射波の進行方向が振動板(13)の方に向くような反
射面のある凹凸のあるものをなるべく避けることが好ま
しい。
【0016】図2(a)及び図2(b)に示すように、
本発明においては前記のような洗浄槽を用いることによ
り、均一な盛上り部(15c)が形成される。均一な盛
上り部(15c)が形成された状態で、基板(1)を垂
直に近い姿勢で下降又は上昇させて、この盛上がり部
(15c)中を通過させると、基板(1)に垂直方向に
加えられる洗浄液の振動と基板(1)面に沿って流れる
上昇直進流(15a)との相乗作用で基板(1)面上の
汚れに強力な洗浄作用が働き、極めて短時間に基板
(1)の洗浄が完了する。
【0017】図3(a)に示すように、基板(1)を垂
直面に対して(θ)を1〜5度傾斜させて盛上がり部
(15c)を通過させると、傾けた側の基板(1)面上
に洗浄液面(17)より約20mm以上の高さまで洗浄
液(15)の這い上がり(15d)が生じ、該這い上が
り(15d)中の強い上昇直進流(15e)による掃引
効果によって汚れの除去速度は更に数倍向上する。この
高い這い上がり(15d)は、基板(1)が洗浄液(1
5)に埋没している長さを(l)とすると、lsinθ
の間で被洗浄面に沿って一定レベルまで上昇した洗浄水
塊に、その直下位置で次々に上昇してくる上昇直進流
(15a)が合流し、落下しないよう下から支え続け、
かつ、さらに高いレベルまで押し上げ続ける力等に因る
ものと思われる。
【0018】すなわち、図3(b)に示されるように、
超音波振動により下方から供給される洗浄水は、下から
次々押し上げ続けられるので水面より上のレベルまでほ
ぼ一定割合量が到達し得るのに加えて、基板(1)の勾
配(θ)により、洗浄液塊(n1)の状態から(n5)
の状態に供給速度が低下することに伴って(楕円体短軸
がより短かくなるに伴って)進行方向と垂直する方向に
高くなる(楕円体n1の場合も、n5の場合も体積自体
はほぼ同一なので、n5の場合は楕円長軸方向により長
い形になる)こともあって、直下位置の上昇直進流(1
5a)により大きくなったV方向の供給力が、V1方向
の供給力とV2方向の供給力に分割され、これに更に、
下向きに働く力(重力の加速度α)が常時作用する等の
結果、合成された強い上昇流、豊かな水量の水塊崩壊に
より充分に揺動する下降流、流れ方向に直交する振動力
等が複雑に入り組んで共存し、符号(15d)で示され
るような高い這い上がり状態が呈され、優れた洗浄力が
発揮されるものと思われる。
【0019】本発明においては、基板の傾き(θ)が1
度未満になると這い上がりは低くなる。一方、傾き
(θ)が5度を越えた深い接触角度の場合も上昇直進流
(15a)が基板の被洗浄面を這い上がる傾向よりも衝
突反射する傾向が強まり、傾き(θ)が10度を越える
と這い上がりは極く小さくなる。また、基板を傾斜させ
て洗浄したときには、傾斜の反対裏面側には液の這い上
がりは生じないので、両面を洗浄する場合には、基板を
傾斜させて下降させつつ盛上がり部(15c)を通過さ
せて一方の表面を洗浄した後、基板を逆側に傾斜し直し
て上昇させ或いは基板の上昇過程で逆側に傾斜して、盛
上がり部(15c)を通過させる。ここで、基板を逆側
に傾斜し直す場合には槽内洗浄液を撹拌することがない
程度に静かに逆側に傾斜させる。したがって、本明細書
における「基板を垂直方向に保持」は、基板を垂直に乃
至垂直面に対し5度以内の傾斜角度で保持することを意
味し、また、同「浸漬後、直ちに引き上げる」とは、前
記のような基板の逆側への傾斜し直しに要する時間を除
外することを意味するものではない。
【0020】図4には、本発明における洗浄槽の1例、
特にサイズ例が示されている。装置の小型化という一般
的な要請とは別に、洗浄液塊の弾力性及び可塑性による
超音波振動子からの洗浄液振動力の伝達ロス、洗浄液消
費を少なくすることが好ましいので、洗浄槽は大きさ及
び形状に留意する必要がある。本発明における洗浄槽は
少なくとも上記のように傾けた基板を完全収没できる程
度には大きいことが好ましく、この例の洗浄槽(10)
は、本発明をこれに限るものではないが、次のように定
めたものである。
【0021】つまり、(a)図に示すように、基板
(1)を垂直状態にしたときの水平面へ投影した最大幅
をW、その状態での最大高さをLとし、(b)図及び
(c)図に示すように、使用振動子(13a)の大きさ
を縦(a)mm、横(b)mm、(a>b)とすると、
a=W±0.1(W)、b=(2×√L・√λ)±0.
1(2×√L・√λ)(λは使用超音波の波長(m
m))になるように選定し、この使用振動子(13a)
を振動板(13)に、幅約20mmの周縁部を露出して
接着し、而して、振動子(13a)を設けた振動板(1
3)が丁度、洗浄槽(10)の底部を形成するように底
端部(11)に振動板(13)をフランジ締結した。な
お、本願発明における使用振動子(13a)の大きさの
a=W±0.1(W)、b=(2×√L・√λ)±0.
1(2×√L・√λ)の±10%の許容は、振動子(1
3a)から発生する波の所期の効力が、さほど変化しな
い範囲である。
【0022】
【数3】
【0023】しかしながら、前記のように洗浄槽の上端
面においては均一に拡散された盛上り部(15c)が形
成されるので、この例は、本発明における振動板の周縁
部に振動子を設けない周縁部を、20mmの幅で露出さ
せ設けることを限定するものではない。基板サイズ、洗
浄槽への基板搬出入手段の稼動範囲精度、洗浄時に採り
得る最大基板傾斜角度等にもよるが、通常は10mm〜
40mmの周縁部幅であることが望ましい。
【0024】上記のようにして所定範囲の大きさの振動
子(13a)を装着した振動板(13)は、洗浄槽(1
0)の底端部(11)に取り付けられて槽底を形成し、
従ってこの場合、振動板(13)と底部(11)の大き
さはほぼ等しい。前記のように、槽底の大きさは基板
(1)の出し入れや基板(1)の傾斜を与えることがで
きるように、振動子(13)の大きさより10〜40m
m大きくしているが、この値は厳密なものでない。ま
た、洗浄槽(10)の深さ(C)も基板(1)が完全に
液中に浸漬されればよく、この例では基板(1)の最大
高さ(L)より20mm大きくしたが、基板の傾きに応
じて見掛け高さはより低くなるので最大高さ(L)より
浅くても理屈上は足り、20mmにする必要はない。
【0025】使用する超音波の周波数はキャビテーショ
ンの起こらない直進波を作るのに都合のよい750KH
z〜3MHz付近のものを使用するが、具体的な周波数
の選択は、主に洗浄槽(10)の胴構造等に依存するの
は、上述のとおりである。しかしながらこれは、1〜3
MHz付近の周波数の超音波の波長がせいぜい1.5m
m〜0.5mm(1500m/secの波面速度として)
と、洗浄槽サイズに比し桁違いに短く、粗密波としての
超音波による洗浄液の波の節部と腹部間の距離はさらに
この半分になるので、洗浄槽(10)の精密な深さ
(C)や幅(A)を、発振波の波長と液面までの伝播経
路長との関係で特に問題とするものではない。
【0026】かような本発明は、洗浄槽(10)および
振動板(13)の材質を夫々耐食性のあるものを適宜選
択すれば、洗浄液(15)として純水ばかりでなく、薬
液を成分とするものも使用でき、付着粒子の除去以外に
も有機汚れや金属汚れの除去にも適用範囲を拡大するこ
とができる。洗浄槽(10)には、供液路(16)より
洗浄液(15)を供給し、槽上縁の洗浄液面(17)よ
り溢流(18)させる流れを作るのが望ましい。このこ
とにより、超音波発振時の上昇直進流(15a)を加速
させることができるし、更に汚れが除去されて洗浄槽
(10)中に蓄積するのを防ぐ効果が得られる。粒子除
去を目的とする洗浄の場合には、溢流(18)した洗浄
液(15)を受ける樋部(19)を洗浄槽(10)上部
に設け、洗浄液(15)をここからフィルタ(図示せ
ず)で濾過して洗浄槽(10)へ循環させることができ
る。
【0027】このような洗浄方法により、基板を1枚ず
つ洗浄槽の中に垂直状態の姿勢で短時間のうちに昇降さ
せるだけで洗浄することができ、これは、1枚の基板を
エッジで保持するチャックを使い垂直状態で洗浄槽に出
し入れするだけで良好に行うことができる。そのため本
発明の基板洗浄装置においては、基板の浸漬取出し手段
を有する。この基板浸漬取出し手段には、例えば半導体
分野において従来から知られている基板搬出入装置をそ
のまま転用することができ、これにより、洗浄槽の断面
積は、水平にして洗浄する装置に比べて著しく小さくで
きる。しかも、基板の洗浄処理時の動きは、昇降のみで
あり、従来の洗浄装置のようにスピン回転させるための
機構は必要としない。更にスピン回転させないことか
ら、洗浄液の飛沫化対策として行なう大がかりな排気も
不要となる。
【0028】図5には、本発明で用いられるそのような
基板浸漬取出し手段を有する基板洗浄装置例が示され
る。ここで、基板浸漬取出し手段(100)は、基本的
に、搬送ロボット(101)とロボットヘッド(10
8)とからなり、搬送ロボット(101)は、並置され
た複数の洗浄槽(10)間を走行してロボットヘッド
(108)を特定の洗浄槽(10)の位置に搬送(この
様子は図6に詳記される)する、図示されてない走行手
段に設けられ、かつ、ロボットヘッド(108)を上下
に昇降移動させるためその下部に設けられた昇降軸(1
04)に螺合するボールネジ(102)、及びボールネ
ジ(102)を回転させるサーボモータ(103)を有
する。
【0029】ロボットヘッド(108)には、アーム
(107)を少なくとも所定角度内で回動させるベーン
シリンダ(109)が内蔵され、アーム(107)の先
端付近にはチャックシリンダ(105)の作動により開
閉される1対のウエハチャック(106)(106)が
固定され、各ウエハチャック(106)は、その弧状腕
部に基板(1)としてのウエハを保持するに必要な数の
ウエハ保持爪(106a)を有する。図中、符号(2
0)は排水管を示している。
【0030】この例の基板浸漬取出し手段(100)を
有する基板洗浄装置においては、支持体例えばウエハ
(1)のエッジ部を1対のウエハチャック(106)
(106)で両側から握んで保持し、垂直の姿勢で洗浄
槽(10)の上に搬送し、ベーンシリンダー(109)
によってアーム(107)軸を回動させることによりウ
エハを垂直面に対して所定角度だけ傾斜させ、超音波振
動により洗浄液の盛上がり(15c)に、例えば2cm
/secの速度で下降させ、ウエハが洗浄液の盛上がり
(15c)との接触が終了したら或いはウエハ(1)が
洗浄槽(10)中に完全浸漬したら、アーム(107)
軸を逆方向に回動させて垂直の姿勢に直し或いは逆方向
に所定角度だけ傾斜させた姿勢とし、次にウエハを同一
速度で上昇させた後にウエハを垂直面に対して逆方向に
所定角度だけ傾斜させ、或いは逆方向に所定角度だけ傾
斜させた姿勢で保持されているウエハを同一速度で上昇
させて洗浄槽(10)から取り出し、裏側を盛上がり
(15c)中を通過させ、再度、垂直の姿勢にしたウエ
ハを洗浄槽(10)上に縣下するアーム(107)他端
のロボットヘッド(108)を、搬送ロボット(10
1)の走行により次作業位置に移動させる。
【0031】図6には、本発明の更に他の例が示され
る。この例の洗浄装置には、図中左から順に、第1の槽
即ち薬剤洗浄槽(10a)、第2の槽即ちリンス槽(1
0b)、第3の槽即ち乾燥槽(10c)が手前に並置さ
れ、これら3つの槽の奥に基板浸漬取出し手段(10
0)が配置され、この基板浸漬取出し手段は左右両端に
位置するローダー部とアンローダー間を自由に走行し、
かつ任意の所定槽前で停止する。この図では、3つの槽
の重なって奥に配置された基板浸漬取出し手段のうち下
部分つまり搬送ロボット部分は3つの槽の陰になって見
えず、上部分のロボットヘッド(108)のみが示され
ている。
【0032】これら3つの槽はシンク(120)中の基
台(121)上に配置され、第1の槽(10a)には薬
剤洗浄のための洗浄液供給路(16a)及び排水管(2
0a)が設けられ、第2の洗浄槽(10b)にはリンス
のための純水供給路(16b)及び排水管(20b)が
設けられ、第3の槽(10c)には内部両側に下向鋭角
(この例におけるガスの噴射角度は、下側へ45度)な
所望個数(図では4個)のフラットエアノズル(12
2)を有するガス配管(123)が所望本数(例えば4
本)設けられまた底部には噴射された多量のガスが滞留
せずに排出できる大口径の排気管(20c)が設けられ
ている。
【0033】この例の基板洗浄装置を用いて、本発明の
洗浄方法は、例えば、つぎのように行われる。ローダー
部でカセット(図示せず)に収納されているウエハ
(1)を下からの押し上げ機構(図示せず)で1枚のみ
カセット上部に抜き取り、搬送ロボット(101)を所
定の位置に待機させ、開いているチャック(106)対
をチャックシリンダー(105)で閉じてウエハ保持爪
(106a)をエッジ部にあてて保持する。ウエハ押し
上げ機構を下降せしめた後、搬送ロボット(101)を
図面右方向に横に走行させて第1の洗浄槽(10a)の
位置へ停止させ、そして、第1の洗浄槽(10a)に、
洗浄液を供給し、溢流させ、そして超音波を発振作動さ
せ、ロボットヘッド(108)内に収納してあるベーン
シリンダー(109)を動作させて、ウエハ(1)の洗
浄面(表面)を垂直から数度(例えば3度)傾斜させ、
ウエハ(1)を下降させ、ウエハ(1)の全面が液中に
浸漬したら、ウエハ(1)の傾斜方向を逆にし、直ちに
同じ速度状態で上昇させ、第1の洗浄槽(10a)から
ウエハ(1)を取り出したら、第2の洗浄槽(10b)
の位置へ搬送ロボット(101)を移動させ、そして、
超音波発振されている純水の第2の洗浄槽で同様にウエ
ハ(1)の両面を濯ぎ、第2の洗浄槽(10b)での濯
ぎが終わったら、乾燥槽(10c)の位置へ搬送ロボッ
ト(101)を移動させ、例えば窒素ブロー乾燥させ
る。
【0034】本発明の洗浄方法は、基板(例えばウエ
ハ)上への洗浄液の這い上がりを利用して超音波の洗浄
効果の促進をしているが、這い上がりの上限をなす境界
に、除去された汚れの一部が線状に残る現象が液の汚れ
度合いによっては生ずることがある。それを防ぐ方法と
して、洗浄槽に洗浄液を常時供給し、洗浄液を溢流させ
る方法を採ることができるが、この方法は洗浄液の消費
量が多くなるという問題点がある。
【0035】これを軽減するためには、図7に示される
ように、給液路(16)からスプレー液供給管(16
d)を分岐させ、この先にスプレーノズル(130)の
対を洗浄槽(10)の上方に設け、基板(ウエハ)
(1)を洗浄槽(10)から引き上げるときにのみ、両
面に新しい洗浄液をスプレー(18a)することも可能
であり、例えばこのようなバージン洗浄液のスプレー法
を、図6に示される本発明の複合洗浄槽のうち、いずれ
か一方の洗浄槽又は双方の洗浄槽に適用することができ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基きさらに詳細に説
明する。 [実施例1]直径150mmのシリコンウエハ全面に平
均径2μmのタルク微粉を一様に塗布した粒子汚染サン
プルを本発明によって洗浄した例につき説明する。図5
に示される洗浄装置が使用された。洗浄槽は、150m
m径のウエハを垂直面に5度傾けて浸漬したときにもウ
エハ投影寸法と周囲内壁との間に約4mmの間隙がある
ように、内側幅(A)約160mm、内側厚さ(B)約
22mmとし、内側深さ(C)150mmの大きさの角
型筒の1端部に幅10mmの内側フランジを設けたもの
を製作し、これに、長さ(a)140mm、幅(b)8
mmの振動子を接着剤で接着した振動板をフランジ締結
したものであった。図に示すように、ウエハ(1)のエ
ッジ部をチャック(106)対で握んで保持し、垂直の
姿勢で洗浄槽(10)の上に搬送し、洗浄槽(10)の
下部から洗浄液(15)を槽内の静置状態が保持される
ように静かに導入し上部縁から静かに溢液させつつ、盛
上り(15c)が形成される程度の強さで超音波振動さ
せながら、2cm/secの速度で下降させ、ウエハ
(1)が洗浄槽(10)中に浸漬したら、同一速度で上
昇させた。浸漬時並びに取り出し時にウエハ(1)を垂
直面に対して2〜5度傾斜させるためにアーム軸(10
7)をベーンシリンダー(109)によって回転させ
た。ウエハ(1)は満足裡に洗浄され、表面のタルク微
粉は完全に除去された。一方、この汚染サンプルを同超
音波洗浄槽の水中に浸漬したままの状態で超音波照射し
た場合には、洗浄に5分間かけても、タルク微粉の剥離
面積は50%にも及ばなかった。
【0037】[実施例2]図6に示す洗浄装置が使用さ
れた。搬送ロボット(101)をローダー部の所定の位
置に待機させ、ローダー部でカセット(図示せず)に収
納されているウエハ(1)を下からの押上機構(図示せ
ず)で1枚のみカセット上部に抜き取り、チャックシリ
ンダー(105)を作動して、開いているチャック(1
06)を閉じてウエハ保持爪(106a)をエッジ部に
あてて保持した。ウエハ押上機構を下降せしめた後、搬
送ロボット(101)を横移動させて第1の洗浄槽(1
0a)の位置へ停止さた。
【0038】第1の洗浄槽(10a)には、洗浄液(1
5)(NH4OH:0.1容、H2 2:0.5容、H
2O:5.0容の希釈液)を5〜8l/minの流量で
供給し、溢流させた。溢水は、例えばフィルター(図示
せず)を介して循環させるのが望ましい。第2の洗浄槽
(10b)には、純水を同流量で供給し、溢流させ、そ
して、第1および第2の洗浄槽(10a)、(10b)
で超音波を発振作動させ、洗浄開始直前から1MHzの
超音波振動を洗浄液(15)中へ発振した。搬送ロボッ
ト(101)のロボットヘッド(108)内に収納して
あるベーンシリンダー(109)を動作させて、ウエハ
(1)の洗浄面(表面)を垂直から3度傾斜させ、その
後搬送ロボット(101)の昇降軸(104)によりウ
エハ(1)を2cm/secの速度で下降させ、ウエハ
(1)の全面が液中に浸漬し、直ちに同じ速度、状態で
上昇させた。第1の洗浄槽(10a)からウエハ(1)
を取り出し、搬送ロボット(101)を第2の洗浄槽
(10b)の位置へ走行させ、そして、超音波発振され
ている純水の第2の洗浄槽(10b)の中へウエハ
(1)を3度傾斜した状態で、2cm/secの速度で
下降させた。ウエハ(1)が完全に浸漬されたら、ベー
ンシリンダー(109)を逆方向へ回転させてウエハ
(1)の裏面を3度傾斜させて同じ速度で上昇させた。
第2の洗浄槽(10b)での洗浄が終わったら、ベーン
シリンダー(109)を動かしてウエハ(1)を垂直状
態に戻し、乾燥槽(10c)の位置へ搬送ロボット(1
01)を走行させ、ここで窒素ブロー乾燥させた。
【0039】乾燥槽(10c)には等間隔で配置された
16個のフラットエアノズル(122)が乾燥槽(10
c)内部の両側に所定の間隔で4段並べて固定されてい
る。ガスの噴射角度は、下側へ45度とし、ガスの噴射
流速を50m/s程度に設定し、乾燥槽(10c)の底
部に設けられた大口径の排出口(20c)から、乾燥槽
(10c)内に噴射された多量のガスが滞留せずに排出
されるようにした。窒素ガスが噴射する乾燥槽(10
c)の中に、純水で濡れたウエハ(1)を保持したウエ
ハチャック(106)対を下降及び上昇させて乾燥し
た。乾燥時の昇降速度や、槽内の停止時間、窒素ガスの
温度は、適宜設定して十分に乾燥が行なえるようにし
た。
【0040】乾燥終了後、搬送ロボット(101)によ
りアンローダー部へウエハ(1)を搬送し、ローダーの
場合と逆手順でカセットへ収納した。ローダー部から始
めたこの一連の操作における正味の洗浄時間としては、
超音波振動洗浄液面にウエハ(1)を一往復させるのに
要する時間で、約30秒であり、洗浄、リンス、乾燥の
3工程を行なうサイクル時間は1.5分〜2.5分であ
った。
【0041】本発明は、無論、以上の実施例に制限され
るものではない。また、本発明は、基板(ウエハ)の洗
浄のみならず、他のあらゆる板状被洗浄物の洗浄に適用
することができる。従って、本発明の洗浄方法又は洗浄
装置による他の被洗浄物の洗浄は、当然ながら、本発明
の技術範囲に属することはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明における前記盛上り部を2cm/se
cの移動速度で往復通過させたところ、表面の粒子は完
全に除去された。一方、この汚染サンプルを同じ超音波
洗浄槽の水中に浸漬した状態で超音波照射を加えた場合
には5分間かけても塗布膜の剥離面積は全体の50%に
も及ばなかった。本発明の洗浄方法は、1枚の基板(ウ
エハ)を垂直状態で超音波が前記のように照射されてい
る洗浄槽に供給することを特徴とし、洗浄槽の大きさは
縦方向は基板の大きさに一定の余裕寸法を加えた長さが
必要であるが、横幅は縦の長さの1/8程度でよい。す
なわち、基板(ウエハ)を水平にして洗浄する方式に比
べて洗浄部のスペースは1/8であり、仮に3槽分並べ
ても半分のスペースですむという利点がある。また、基
板(ウエハ)を自動搬送する装置にした場合に基板(ウ
エハ)の動くスペースも同様に水平方式に比べて少なく
てよく、全体としての洗浄装置の設置に必要な面積は1
/2以下に減らすことができる。また、超音波振動して
いる液面を往復させるだけで、1枚当たりの洗浄処理が
終わり、バッチ洗浄に近い高いスループットが得られ
る。また、基板(ウエハ)を洗浄槽中に昇降させる機構
のみで洗浄でき、高速で基板(ウエハ)を回転させる機
構は必要なく、シンプルで安全な洗浄ができる。更にま
た、洗浄後の種類別に洗浄槽を異にすることができるの
で、洗浄液同士のクロスコンタミネーションを防止した
洗浄ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における洗浄槽の1概要例を示す図であ
る。
【図2】本発明における洗浄液状態の1例を示す図であ
る。
【図3】本発明における基板の洗浄態様の1例を示す図
である。
【図4】本発明における洗浄槽の好ましい1サイズ例を
説明する図である。
【図5】本発明の洗浄装置全体の1例を示す図である。
【図6】本発明の他の洗浄装置の1例を示す図である。
【図7】本発明の更に他の洗浄装置の1例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基板(ウエハ) 9 筒体 10 洗浄槽 10a 第1洗浄槽 10b 第2洗浄槽 10c 乾燥槽 11 底端部 12 内側フランジ 12b 外側フランジ 13 振動板 13a 振動子 14 底蓋 15 洗浄液 15a 上昇直進流 15b 下降進流 15c 盛上り部 15d 洗浄液這い上り 15e 上昇直進流 16 給液路 16a 洗浄液供給路 16b 純水供給路 16d スプレー液供給管 17 槽上端洗浄液面 18 溢流 18a 新洗浄液スプレー 19 樋部 20 排水管 20a 排水管 20b 排水管 20c 大口径排気管 100 基板浸漬取出し手段 101 搬送ロボット 102 ボールネジ 103 サーボモータ 104 昇降軸 105 チャックシリンダ 106 ウエハチャック 106a ウエハ保持爪 107 アーム 108 ロボットヘッド 109 ベーンシリンダ 120 シンク 121 基台 122 フラットエアノズル 123 ガス配管 130 スプレーノズル A 洗浄槽横寸法 B 洗浄槽縦寸法 C 洗浄槽高さ寸法 a 振動子縦サイズ b 振動子横サイズ l 基板の洗浄液埋没長 L 基板高 θ 基板傾斜角 n1 洗浄液流塊 n2 洗浄液流塊 n3 洗浄液流塊 n4 洗浄液流塊 n5 洗浄液流塊 V 洗浄液供給力 V1 洗浄液供給力 V2 洗浄液供給力 W 基板投影最大幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 伸之 東京都八王子市大和田町1丁目9番2号 株式会社ダン科学内 (72)発明者 名嘉眞 学 東京都千代田区飯田橋4丁目7番11号 国 際電気アルファ株式会社内 Fターム(参考) 3B201 AA03 AB24 AB40 AB42 BB04 BB23 BB84 BB85 BB87 BB92 BB93 CB01 CC01 CC12 CC21 CD22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚の基板を垂直方向に保持した状態で
    浸漬するのに必要十分な内容積及び形状を有し、底面に
    超音波を発振する振動板が装着された薄型洗浄槽内の洗
    浄液に、前記振動板から超音波を上方向に発振させた状
    態下で、基板を垂直方向に保持して洗浄槽の内壁面に接
    触させない状態で、一定の下降速度で浸漬し、基板が完
    全に浸漬した後、直ちに前記下降速度と同じ速度で、基
    板を洗浄槽の内壁面に接触させない状態で、引き上げて
    液面上に取り出すことを特徴とする基板の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記基板を前記洗浄槽に浸漬する際に、
    該基板を垂直面より5度以内の角度で傾けて下降させ、
    洗浄液中に完全に浸漬して片方の被洗浄面を洗浄した
    後、直ちに前記下降速度と同じ速度で、引き上げて液面
    上に取り出し、又は直ちに基板を垂直面に対し反対方向
    に傾け直して前記下降速度と同じ速度で引き上げ若しく
    は直ちに前記下降速度と同じ速度で引き上げつつ垂直面
    に対し反対方向に傾け直し、液面上に取り出すことによ
    り、基板の片方の被洗浄面、又は両方の被洗浄面を洗浄
    することを特徴とする請求項1に記載の基板の洗浄方
    法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄槽の下部より洗浄液を供給し、
    該洗浄槽の上縁から槽外へ溢水させて槽内に洗浄液の上
    昇流を形成させることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の基板の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄槽で超音波洗浄を行ない、基板
    を引き上げた状態で、該洗浄槽の上方の両側に設けたス
    プレーノズルにより新規の洗浄液を基板に噴射し、基板
    を濯ぐと共に槽内の洗浄液の少なくとも一部を洗浄槽上
    縁から槽外へ溢水させることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1に記載の基板の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 超音波の周波数が750kHz〜3MH
    zの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1に記載の基板の洗浄方法。
  6. 【請求項6】 薬品を成分とする洗浄液を入れた第1の
    洗浄槽と純水を入れた第2の洗浄槽とを並置し、基板を
    第1の洗浄槽で超音波洗浄を行ない、第2の洗浄槽に移
    して純水を用いてすすぎ超音波洗浄を行なうことを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の基板の洗浄
    方法。
  7. 【請求項7】 垂直方向に保持した1枚の基板を浸漬す
    るのに必要十分な大きさの該基板の面方向に横長で厚み
    方向に薄い洗浄槽と、該洗浄槽の底面全面に装着されて
    底部を形成し超音波を発振する振動板と、基板を保持し
    て前記洗浄槽に浸漬し取出す基板浸漬取出し手段とを有
    する基板の洗浄装置であって、前記洗浄槽へ垂直方向に
    浸漬される基板の槽底への投影最大寸法をW(mm)、
    その姿勢での基板高さをL(mm)とし、振動子の大き
    さを縦a(mm)、横b(mm)、(a>b)としたと
    き、つぎの式、 【数1】 を満たす振動子が、振動板の周縁部に幅10mm〜30
    mmの露出部を残して振動板に設けられることを特徴と
    する基板の洗浄装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2007083358A1 (ja) * 2006-01-17 2009-06-11 大日本スクリーン製造株式会社 基板処理装置および基板処理方法
US7718011B2 (en) 1999-03-26 2010-05-18 Applied Materials, Inc. Apparatus for cleaning and drying substrates
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