JP2001016977A - 緑化用の植生マット - Google Patents

緑化用の植生マット

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JP2001016977A JP11197033A JP19703399A JP2001016977A JP 2001016977 A JP2001016977 A JP 2001016977A JP 11197033 A JP11197033 A JP 11197033A JP 19703399 A JP19703399 A JP 19703399A JP 2001016977 A JP2001016977 A JP 2001016977A
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和正 柴田
Takeshi Sadamori
健 貞森
Nobuyuki Takada
伸之 高田
Hiroyuki Komabashiri
裕之 駒走
Yukinobu Kimura
幸伸 木村
Tomofumi Matsumoto
奉文 松本
Mitsuo Taniguchi
美津男 谷口
Michihei Sakate
三千兵 坂手
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌表面への密着性が非常に良くて、表層
土、植物種子、肥料等の移動を確実に防止でき、しか
も、保水機能が高くて、植物種子の乾燥を防止でき、こ
れらの結果、発芽むら、生育むらが発生し難く、侵入植
生も定着しやすい緑化用の植生マットを提供する。 【解決手段】 ネット2の片面にシート状の薄綿3を積
層し、薄綿3の上に木毛繊維などで形成される粗大繊維
層6を積層して緑化用の植生マット1を構成するか、ネ
ット2の片面にシート状の薄綿3を積層し、薄綿3の上
に、肥料袋19を適当間隔おきに接着し、且つ、木毛繊
維などで形成される粗大繊維層6を肥料袋が覆われる状
態に積層して緑化用の植生マット1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば道路や山腹
の法面、河川敷、川岸や湖岸などの緑化に用いられる植
生マットに関する。
【0002】
【従来の技術】植物種子の発芽や幼芽の生育の妨げにな
らないような目の粗いネットを使用した緑化用の植生マ
ットとしては、ネットの片面にシート状の薄綿を積層
し、薄綿表面に植物種子や肥料を水溶性接着剤で接着し
て担持させたものや、ネットの片面に、天然のヤシ繊維
などの粗大繊維を水溶性接着剤で接着してマット状に集
積した粗大繊維層を積層し、粗大繊維層に植物種子や肥
料を水溶性接着剤で接着して担持させたものが知られて
いる。
【0003】これらの植生マットは、植物種子の担持面
を下にして、法面などに敷設され、ネットを貫通する止
め串で固定される。そして、降雨により、前者の植生マ
ットでは、シート状の薄綿がネットから剥がれ落ち、後
者の植生マットでは、粗大繊維層がネットから剥がれ落
ちて、植物種子が土壌表面に落下し、薄綿又は粗大繊維
層で被覆されることにより、直射日光から保護され、表
面のネットで薄綿又は粗大繊維層を抑えた状態で、植物
種子の発芽、生育が行われることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、前者の植生マットにおいては、降雨により薄綿がネ
ットから剥がれ落ちた時、薄綿の繊維どうしが絡み合っ
ているため、薄綿が土壌表面の凹部に密着せず、宙に浮
いた状態となるため、植物種子や肥料が雨水で流される
等して移動し、発芽むら、生育むらが生じることがあっ
た。
【0005】また、後者の植生マットにおいては、降雨
によりネットから剥がれ落ちた粗大繊維層がばらけて、
植物種子や肥料が移動したり、粗大繊維層の保水性が不
十分なために植物種子が乾燥して、発芽むら、生育むら
が生じるという問題点があった。
【0006】上記の現状に鑑み、本発明は、土壌表面へ
の密着性が非常に良くて、表層土、植物種子、肥料等の
移動を確実に防止でき、しかも、保水機能が高くて、植
物種子の乾燥を防止でき、これらの結果、発芽むら、生
育むらが発生し難く、侵入植生も定着しやすい緑化用の
植生マットを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりであ
る。即ち、請求項1に記載の発明では、ネットの片面に
シート状の薄綿を積層し、薄綿の上に粗大繊維層を積層
して、緑化用の植生マットを構成している。
【0008】請求項2に記載の発明では、ネットの片面
にシート状の薄綿を積層し、薄綿の上に、肥料袋を適当
間隔おきに接着し、且つ、粗大繊維層を、前記肥料袋が
覆われる状態に積層して、緑化用の植生マットを構成し
ている。
【0009】請求項1,2に記載の発明による緑化用の
植生マットは、法面などの土壌表面に、粗大繊維層を下
にした状態に敷設され、ネットを貫通する止め串で土壌
表面に固定される。そして、降雨により、薄綿や粗大繊
維層が水を含んで重くなり、薄綿がネットから剥がれ落
ち、薄綿下の粗大繊維層が土壌表面に食い込んだ状態に
密着すると共に、粗大繊維層が薄綿で覆われて、粗大繊
維層の移動と乾燥が防止される。
【0010】従って、表層土、植物種子、肥料等の移動
が防止され、且つ、粗大繊維層が保水性の高い薄綿で覆
われることにより、薄綿と粗大繊維層とによる二重の保
水機能が発揮されるので、粗大繊維層の乾燥に起因する
植物種子の乾燥が防止されることになり、これらの結
果、発芽むら、生育むらの発生が確実に抑制される。ま
た、粗大繊維層の存在により、植生マットの空隙が多く
なり、外部から飛来する植物種子や侵入植生も定着しや
すい。
【0011】殊に、請求項2に記載の発明による緑化用
の植生マットでは、肥料袋が薄綿に接着されているの
で、降雨により薄綿がネットから剥がれ落ちた状態で
は、ネットと肥料袋の機械的な繋がりがなくなり、土壌
表面に良く密着することになる。例えば、ネットに筒状
部を編成し、これに肥料袋を収納した緑化用の植生マッ
トでは、肥料袋の位置が常にネットで拘束されているた
め、薄綿がネットから剥がれ落ちても、肥料袋はネット
に支持されており、土壌表面に凹部があると、肥料袋が
凹部に密着せず、浮き上がった状態になるが、請求項2
に記載の発明による緑化用の植生マットでは、このよう
な不都合が生じない。
【0012】尚、粗大繊維層に植物種子や肥料等の植生
基材を担持させない場合は、法面などの土壌表面に予め
任意の植物種子を播種した上で、これを覆うように、緑
化用の植生マットを設置したり、外部から飛来した植物
種子を植生マットの薄綿や粗大繊維層に付着させて発
芽、生育させたり、侵入植生を繁茂させて、緑化を行う
ことになるが、請求項3に記載の発明のように、粗大繊
維層に植生基材を担持させておけば、現地で法面などの
土壌表面に播種する手間を省くことができ、且つ、飛来
する植物種子や侵入植生に依存せずに緑化が行えること
になる。
【0013】本発明は、粗大繊維の材質を問わないが、
請求項4に記載の発明のように、粗大繊維として、木毛
繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕
物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維、
線状又は帯状の生分解性プラスチック繊維の少なくとも
一つを選択することが、自然環境を維持する上で非常に
有効であり、殊に、腐食性繊維の一例である木毛繊維
は、始末に苦慮している間伐材や倒木などを活用して大
量且つ安価に入手できるので、資源活用の面でも好都合
である。
【0014】肥料袋は、小さな形状のものを点在させて
もよいが、肥料袋を帯状に形成すれば、緑化用の植生マ
ットを法面に設置する際、帯状の肥料袋が等高線に沿う
ように植生マットを設置することにより、法面に密着し
た帯状の肥料袋が表層土の流亡を抑制する柵として機能
するので、好都合である。
【0015】植生基材としては、植物種子のみであって
もよいが、請求項5に記載の発明のように、植物種子
と、肥料、保水材、土壌改良材の少なくとも一つとを混
合したものであることが、植物種子の発芽、生育を促進
する上で好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係る緑化用の植
生マット1の一例を示し、図2は、前記植生マット1の
施工例を示している。
【0017】上記の植生マット1は、目の粗いネット2
の片面にシート状の薄綿3を積層し、薄綿3の上に、粗
大繊維4を水溶性接着剤で接着してマット状に集積した
粗大繊維層6を積層することによって構成されている。
【0018】前記ネット2は、ポリエチレン、生分解性
プラスチック、天然繊維などの単体又はそれらの組合せ
を素材とするものであり、ラッセル織り、絡み織り、平
織り、熱融着などの手段により製造され、植物種子の発
芽や幼芽の生育の妨げにならないような粗い網目、例え
ば、1.5cm×2cm程度の網目に設定される。上記
の組み合わせ方法は、経糸又は(及び)緯糸を、単体繊
維のどれかを限定し、これを1本又は数本おきに編織し
て、これを繰り返すものなどがある。例えば、生分解性
プラスチック糸を縦横1本おきに、他の糸を天然繊維の
ジュート糸にするなどである。
【0019】具体的には、この例では、図1に示すよう
に、前記ネット2を、ポリエチレンのフラットヤーン3
00〜1000デニールを目合い15.7mm×20m
mのラッセル織りして成るベースネット2Aと、ポリエ
チレンのモノフィラメント500〜1300デニールを
目合い50mm×50mmに編み込んだ補強ネット2B
との2層構造としてある。その他、ネット2の他の実施
例として、ネットを構成する経糸、緯糸の少なくとも一
方を、天然繊維、例えばジュート繊維と生分解性プラス
チック糸とを引き揃えて、(ラッセル織りの場合は経糸
又は緯糸の鎖に単に挿入して)ネットの構成糸として縦
横3〜25mmの目合いのネットを編織する場合があ
り、こうすると、天然繊維が短期間に腐食した後にも生
分解性の糸がしばらくは(約2年程度)補強材として機
能する。生分解性糸の引き揃え又は挿入はネットを構成
する糸の1本又は数本おきに入れる場合がある。
【0020】シート状の薄綿3は、例えば、ポリエステ
ル等の化学繊維の薄綿、スフやレーヨンなどの薄綿(2
5〜30g/m2 )をシート状に成形したものであり、
水分により早期に分散するように構成されている。
【0021】シート状の薄綿3とネット2は、ネット2
がヤシ繊維やシュロ毛で製造された表面の毛羽立ったネ
ット2である場合、ネット2の片面にシート状の薄綿3
を重ね合わせ、ローラ等で加圧して、薄綿3の繊維をネ
ット2に絡み付かせることによって一体化することがで
きるが、この例では、ネット2が上述したとおりポリエ
チレン製であるため、ネット2にポリビニルアルコール
(PVA)などの液状の水溶性接着剤を噴霧して、薄綿
3を貼り合わせることにより、両者2,3を一体化して
ある。
【0022】粗大繊維4の素材としては、木毛繊維、ヤ
シ繊維、木質建設廃材とか樹木の剪定枝の粉砕物、ワラ
やヨシに代表される草本類などの腐食性繊維、線状又は
帯状の生分解性プラスチック繊維の単体又は組合せを選
択して使用できる。
【0023】粗大繊維層6は、粗大繊維4どうしを、パ
ウダー状や繊維状あるいは液状の水溶性接着剤で接着
し、圧着ローラで加圧して、任意の厚さ(例えば2〜3
0mm程度)のマット状に集積したもので、前記水溶性
接着剤によって薄綿3に貼り合わせ、薄綿3と一体化さ
れる。
【0024】具体的には、この例では、粗大繊維4とし
て、幅1.0mm、長さ10〜100mm、厚さ0.1
〜1.0mmに切断された100g/m2 程度の木毛繊
維を使用しており、水溶性接着剤として、乾燥状態では
接着機能が発現しないポリビニルアルコール(PVA)
の粉体(100メッシュ)を、一時的な湿潤雰囲気を通
過させることにより接着機能を発現させて使用してい
る。
【0025】上記の植生マット1は、例えば、図2の
(A)に示すように、法面などの土壌表面に植物種子1
2を播種し、必要であれば肥料や土壌改良材を散布した
後、これらを覆うように粗大繊維層6を下にして敷設さ
れ、ネット2を貫通する止め串13で固定される。
【0026】そして、植生マット1施工後の降雨あるい
は散水により、薄綿3や粗大繊維層6が水を含んで重く
なると共に、水溶性接着剤が溶けて、接合が解かれるの
で、図2の(B)に示すように、薄綿3がネット2から
剥がれ落ち、薄綿3下の粗大繊維層6が土壌表面に食い
込んだ状態に密着すると共に、粗大繊維層6が保水性の
高い薄綿3で覆われて、粗大繊維層6の移動と乾燥が防
止される。
【0027】従って、表層土、植物種子12、肥料等の
移動が防止され、且つ、粗大繊維層6が保水性の高い薄
綿3で覆われることにより、薄綿3と粗大繊維層6とに
よる二重の保水機能が発揮されるので、粗大繊維層6の
乾燥に起因する植物種子12の乾燥が防止されることに
なり、これらの結果、発芽むら、生育むらの発生が確実
に抑制される。また、粗大繊維層6の存在により、植生
マット1の空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子
や侵入植生も定着しやすい。粗大繊維4は木毛繊維など
の腐食性繊維や生分解性プラスチックであるから、やが
ては腐食・分解により土壌と同化し、肥料として利用さ
れることになる。
【0028】尚、水溶性接着剤を用いた場合は、降雨に
よって水溶性接着剤が溶けて、粗大繊維4どうしの接合
が解かれることで、粗大繊維4がよりルーズな状態にな
ることから、植物種子の発芽・生育面で一層好適である
が、例えばエチレン酢ビエマルジョンやアクリル酢ビエ
マルジョン等を上記の水溶性接着剤に混合し、これらの
接着剤と粗大繊維4とを混合して植生マット1を成形し
てもよく、この場合、接着剤表面に水に溶けない膜が形
成されることから、粗大繊維4の接合が長期間にわたっ
て解かれなくなる。
【0029】図3は、本発明に係る緑化用の植生マット
1の他の例を示し、粗大繊維層6に植生基材Aを水溶性
接着剤で接着して担持させた点に特徴がある。植生基材
Aとしては、植物種子12のみであってもよいが、この
例では、植生基材Aとして、植物種子12と、肥料1
4、保水材15、土壌改良材16の少なくとも一つとを
混合したものを使用している。
【0030】この植生マット1を使用すれば、粗大繊維
層6に植生基材Aを担持させてあるので、現地で法面な
どの土壌表面に播種する手間を省くことができ、且つ、
飛来する植物種子や侵入植生に依存せずに緑化が行える
ことになる。
【0031】図4と図5は、本発明に係る緑化用の植生
マット1の他の例を示し、図6と図7は、前記植生マッ
ト1の施工例を示している。
【0032】上記の植生マット1は、目の粗いネット2
の片面にシート状の薄綿3を積層し、薄綿3の上に、帯
状に形成された肥料袋19を適当間隔(例えば、20〜
100cm)おきに接着し、且つ、粗大繊維4を水溶性
接着剤で接着してマット状に集積した粗大繊維層6を、
前記肥料袋19が覆われる状態に積層すると共に、粗大
繊維層6に、植生基材Aを水溶性接着剤で接着して担持
させることによって構成されている。植生基材Aとして
は、植物種子12のみであってもよいが、この例では、
植生基材Aとして、植物種子12と、肥料14、保水材
15、土壌改良材16の少なくとも一つとを混合したも
のを使用している。
【0033】図示の肥料袋19は、幅5cmの厚手の不
織布19aと薄手の不織布19bを貼り合わせたもの
で、内部に遅効性肥料を主とした肥料20を充填してあ
る。尚、この例では、内部の肥料20が移動し難いよう
に、肥料袋19の幅方向中央部を貼り合わせてある。
【0034】前記ネット2は、図1や図3で説明した実
施の形態と同様に、ポリエチレン、生分解性プラスチッ
ク、天然繊維などの単体又はそれらの組合せを素材とす
るものであり、ラッセル織り、絡み織り、平織り、熱融
着などの手段により製造され、植物種子の発芽や幼芽の
生育の妨げにならないような粗い網目、例えば、1.5
cm×2cm程度の網目に設定される。
【0035】具体的には、この例では、図5に示すよう
に、前記ネット2を、ポリエチレンのフラットヤーン3
00〜1000デニールを目合い15.7mm×20m
mのラッセル織りして成るベースネット2Aと、ポリエ
チレンのモノフィラメント500〜1500デニールを
目合い50mm×50mmに編み込んだ補強ネット2B
との2層構造としてある。
【0036】シート状の薄綿3は、図1や図3で説明し
た実施の形態と同様に、例えば、ポリエステル等の化学
繊維の薄綿、スフやレーヨンなどの薄綿(25〜30g
/m 2 )をシート状に成形したものであり、水分により
早期に分散するように構成されている。
【0037】シート状の薄綿3とネット2は、ネット2
がヤシ繊維やシュロ毛で製造された表面の毛羽立ったネ
ット2である場合、ネット2の片面にシート状の薄綿3
を重ね合わせ、ローラ等で加圧して、薄綿3の繊維をネ
ット2に絡み付かせることによって一体化することがで
きるが、この例では、ネット2が上述したとおりポリエ
チレン製であるため、ネット2にポリビニルアルコール
(PVA)などの液状の水溶性接着剤を噴霧して、薄綿
3を貼り合わせることにより、両者2,3を一体化して
ある。
【0038】肥料袋19は、薄綿3の上に、水溶性接着
剤などを用いて略等間隔に接着される。
【0039】粗大繊維4の素材としては、図1や図3で
説明した実施の形態と同様に、木毛繊維、ヤシ繊維、木
質建設廃材とか樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代
表される草本類などの腐食性繊維、線状又は帯状の生分
解性プラスチック繊維の単体又は組合せを選択して使用
できる。
【0040】粗大繊維層6は、図1や図3で説明した実
施の形態と同様に、粗大繊維4どうしを、パウダー状や
繊維状あるいは液状の水溶性接着剤で接着し、圧着ロー
ラで加圧して、任意の厚さ(例えば2〜30mm程度)
のマット状に集積したもので、前記水溶性接着剤によっ
て薄綿3に貼り合わせ、薄綿3と一体化される。
【0041】具体的には、この例では、粗大繊維4とし
て、幅1.0mm、長さ10〜100mm、厚さ0.1
〜1.0mmに切断された100g/m2 程度の木毛繊
維を使用しており、水溶性接着剤として、乾燥状態では
接着機能が発現しないポリビニルアルコール(PVA)
の粉体(100メッシュ)を、一時的な湿潤雰囲気を通
過させることにより接着機能を発現させて使用してい
る。
【0042】上記の植生マット1は、例えば、図6の
(A)に示すように、法面などの土壌表面に、粗大繊維
層6を下にして敷設され、ネット2を貫通する止め串1
3で固定される。施工対象が法面である場合には、図示
のように、帯状の肥料袋19が等高線に沿うように植生
マット1を設置することが望ましい。このように設置す
れば、法面に密着した帯状の肥料袋19が表層土の流亡
を抑制する柵として機能するからである。
【0043】植生マット1施工後の降雨あるいは散水に
より、薄綿3や粗大繊維層6が水を含んで重くなると共
に、水溶性接着剤が溶けて、接合が解かれるので、図6
の(B)に示すように、薄綿3がネット2から剥がれ落
ち、薄綿3下の粗大繊維層6が土壌表面に食い込んだ状
態に密着すると共に、粗大繊維層6が保水性の高い薄綿
3で覆われて、粗大繊維層6の移動と乾燥が防止され
る。
【0044】従って、表層土や植生基材Aの移動が防止
され、且つ、粗大繊維層6が保水性の高い薄綿3で覆わ
れることにより、薄綿3と粗大繊維層6とによる二重の
保水機能が発揮されるので、粗大繊維層6の乾燥に起因
する植物種子12の乾燥が防止されることになり、しか
も、図7の(A)〜(D)に示すように、植生基材Aが
粗大繊維4に付着し堆積した表層土と混じり合って、程
よく覆土され、これらの結果、発芽むら、生育むらの発
生が確実に抑制され、法面などの緑化保護が良好に行わ
れるのである。また、粗大繊維層6の存在により、植生
マット1の空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子
や侵入植生も定着しやすい。粗大繊維4は木毛繊維など
の腐食性繊維や生分解性プラスチックであるから、やが
ては腐食・分解により土壌と同化し、肥料として利用さ
れることになる。
【0045】尚、図4〜図7で説明した実施の形態で
は、粗大繊維層6に植生基材Aを担持させてあるので、
現地で法面などの土壌表面に播種する手間を省くことが
でき、且つ、飛来する植物種子や侵入植生に依存せずに
緑化が行えるが、現地で播種する場合には、植生基材A
を担持させずに実施することも可能である。
【0046】図8は、本発明に係る緑化用の植生マット
1の他の例を示し、肥料袋19を、例えば5cm角程度
の小さな形状に作製して、適当間隔おきに点在させた点
に特徴がある。その他の構成や製造方法は、図4〜図7
で説明した植生マット1と同じであるため説明を省略す
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
土壌表面への密着性が非常に良くて、表層土、植物種
子、肥料等の移動を確実に防止でき、しかも、保水機能
が高くて、植物種子の乾燥を防止でき、これらの結果、
発芽むら、生育むらが発生し難く、侵入植生も定着しや
すい緑化用の植生マットを実現し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】緑化用の植生マットの構成を説明する図であ
る。
【図2】図1の植生マットの施工例を説明する図であ
る。
【図3】他の植生マットの構成を説明する図である。
【図4】他の植生マットの構成を説明する図である。
【図5】図4の植生マットの構成を説明する分解斜視図
である。
【図6】図4の植生マットの施工例を説明する図であ
る。
【図7】図4の植生マットの作用を説明する図である。
【図8】他の植生マットの構成を説明する図である。
【符号の説明】
1…植生マット、2…ネット、3…薄綿、4…粗大繊
維、6…粗大繊維層、19…肥料袋、A…植生基材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 伸之 岡山県津山市高尾583番地の1 新企産業 株式会社内 (72)発明者 駒走 裕之 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内 (72)発明者 木村 幸伸 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内 (72)発明者 松本 奉文 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内 (72)発明者 谷口 美津男 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内 (72)発明者 坂手 三千兵 岡山県津山市高尾583番地の1 新企産業 株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AB02 AB04 BA12 BA14 BA23 BB02 2B051 AA02 AB01 AC02 BA16 CB06 CB24 CB25 CB26 CB29 CB35 2D044 DA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットの片面にシート状の薄綿が積層さ
    れ、薄綿の上に粗大繊維層が積層されて成る緑化用の植
    生マット。
  2. 【請求項2】 ネットの片面にシート状の薄綿が積層さ
    れ、薄綿の上に、肥料袋が適当間隔おきに接着され、且
    つ、粗大繊維層が肥料袋を覆う状態に積層されて成る緑
    化用の植生マット。
  3. 【請求項3】 粗大繊維層に植生基材が担持されている
    請求項1又は2に記載された緑化用の植生マット。
  4. 【請求項4】 粗大繊維が、木毛繊維、ヤシ繊維、木質
    建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表さ
    れる草本類などの腐食性繊維、線状又は帯状の生分解性
    プラスチック繊維の少なくとも一つである請求項1〜3
    の何れかに記載された緑化用の植生マット。
  5. 【請求項5】 植生基材が、植物種子と、肥料、保水
    材、土壌改良材の少なくとも一つとを混合したものであ
    る請求項3に記載された緑化用の植生マット。
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