JP2001015824A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2001015824A
JP2001015824A JP11212787A JP21278799A JP2001015824A JP 2001015824 A JP2001015824 A JP 2001015824A JP 11212787 A JP11212787 A JP 11212787A JP 21278799 A JP21278799 A JP 21278799A JP 2001015824 A JP2001015824 A JP 2001015824A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低負荷時に大出力電流、大電力出力が得られ、
磁器端面に入出力電極を形成する必要が無く、入出力と
グランド電極の分極方向が同一のため容易に作製でき
る、小型の圧電トランスを提供する。 【解決手段】厚さ方向に分極され両主面が長方形状の圧
電基板11と、該圧電基板11の片側主面に形成された
グランド電極15と、他側主面に形成され、かつ、主面
の長さ方向の所定間隔をおいて形成された3個の分割電
極12、13、14とを具備するとともに、該3個の分
割電極12、13、14の両側の分割電極12、14を
入力側分割電極12、14、中央の分割電極13を出力
側分割電極13とし、主面の幅方向に対して縦振動する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に用
いられるACアダプタやDC−DCコンバータ、および
ノートパソコン、携帯用端末等に使用される液晶ディス
プレイ用のバックライト冷陰極管のインバータ等に用い
られる圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に関し、電源回
路の小型化は重要な課題の一つであり、電源回路内の高
周波による小型化が図られている。
【0003】従来のスイッチング電源では、変圧器とし
て電磁誘導を原理とする電磁トランスを用いるが、高周
波下での電磁トランスは、ヒステリシス損、渦電流損お
よび表皮効果による損失が増大するという問題があっ
た。
【0004】さらに、電磁トランス自身の小型化、薄型
化は、巻線の極細線多数巻による銅損、磁気結合の低下
および漏れ磁束の増加を招き、いずれも電源回路の効率
を大きく下げる原因となっていた。さらにまた、巻線に
よる電磁ノイズの発生などの問題があった。
【0005】一方、圧電トランスは圧電効果を原理と
し、電磁トランスと比べて、小型化してもエネルギー密
度が高く、かつ巻線を用いないため電磁ノイズが少ない
などの長所がある。
【0006】図5に、従来のローゼン型圧電トランスを
示す。このローゼン型圧電トランスは、長板状圧電板1
の長手方向のほぼ半分を1次側とし、厚み方向に電極
2、3が形成され、長手方向の残るほぼ半分を2次側と
し、端面に電極4が形成されて構成されている。1次側
は厚み方向に分極され、2次側は長手方向に分極されて
いる。圧電トランスの1次側は圧電板1の制動容量が大
きいため低インピーダンスであり、2次側は制動容量が
小さいため高インピーダンスである。
【0007】そして、2次側の電極4と1次側の電極2
(あるいは3)との間に負荷抵抗を接続し、圧電トラン
スの1次側の電極2、3間に、圧電板1の長さで決まる
圧電トランスの共振周波数あるいはその近傍の周波数の
交流電圧を印加すると、逆圧電効果により長さ方向に強
い機械的振動を励起し、これにより電極4に圧電効果に
よって電荷が発生し、2次側の電極4と1次側の電極2
(あるいは3)間に電圧が得られる。
【0008】このローゼン型圧電トランスは、2次側の
制動容量にもよるが、一般に使用される範囲として、負
荷抵抗が10KΩ以上の高インピーダンスであれば、昇
圧用の圧電トランスとして、一方、負荷が10KΩ未満
の低インピーダンスであれば降圧用の圧電トランスとし
て動作する。
【0009】一方、負荷抵抗を1次側の電極対2、3間
に接続し、圧電トランスの2次側の電極4を入力とし、
電極4と電極2(あるいは3)に共振周波数あるいはそ
の近傍の周波数の交流電圧を印加すると、負荷抵抗が高
インピーダンスであれば昇圧用の圧電トランスとして、
低インピーダンスであれば降圧用の圧電トランスとして
動作する。
【0010】しかしながら、上記ローゼン型圧電トラン
スにおいて、1次側を入力とし、2次側を出力とした場
合、2次側の電極4の面積が狭いため、電極4に現れる
電荷量が少なく、高出力電流を得ることは困難であっ
た。
【0011】また電極4と電極2(あるいは3)との距
離が長いため、圧電トランスの出力側の容量が小さく、
出力インピーダンスが高い。そのため、負荷を接続した
場合、高出力電力が得られる負荷はおのずと高いものに
制限されてしまうという問題があった。即ち、例えば、
ノートパソコン等の電子機器に用いられるアダプタ用電
源の場合、負荷が低インピーダンスのため、従来のロー
ゼン型圧電トランスでは高出力電力を得ることができ
ず、アダプタ用電源として用いることができないという
問題があった。
【0012】一方、上記圧電トランスにおいて、2次側
を入力とし、1次側を出力とすると、出力側電極面積は
広くなるが、電極4と電極2(あるいは3)との距離が
長いため、入力インピーダンスが高くなり、圧電トラン
ス入力部での損失が大きく、高出力電力を得ることがで
きない。また、入力インピーダンスを下げるため電極4
の面積を広げると、圧電トランス自体が大型化してしま
い、圧電トランスの持つ小型という利点を損なうという
問題があった。
【0013】さらに、上記従来のローゼン型圧電トラン
スでは、電極4を持つため、単一の磁器からなる圧電板
1を長手方向と厚み方向の異なる2方向に分極する必要
があり、そのため、分極方向が異なる界面付近で分極に
伴う大きな応力が発生し、使用中に圧電板1が損傷した
り破壊するなど信頼性が低いという問題があった。
【0014】また、単一の磁器に方向が異なる2種類の
分極を施す必要があるため、製造が困難であるという問
題があった。さらに、圧電板1の長手方向の分極作業は
高電圧を印加する必要があるため、作製時のトランス破
壊および作製時における作業の危険性が増大するという
問題があった。
【0015】そこで、ローゼン型圧電トランスの問題点
を解決するために、特開平5−160460号公報に
は、均一に分極させた圧電セラミック板を用いることに
より機械的Q値を向上させるとともに、分極方向又はそ
れに垂直な方向のいずれかに電極を形成して目的に応じ
た特性を得るようにした圧電トランスが提案されてい
る。又、特開平6−338641号公報には、板厚方向
に一様に分極させた圧電磁器板の上下の両主面それぞれ
に幅方向に分割してp個の電極を形成し、一方の主面に
ある電極を1個おきに入力電極又は出力電極とし、幅方
向p次モードの共振周波数近傍の周波数で励振して駆動
する圧電トランスが提案されている。これらの公報に開
示された圧電トランスは、いずれも圧電基板が全体に均
一に分極されていて容易に作成することができ、歪みや
応力の集中が無く信頼性の高いものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平5−1
60460号公報に開示された圧電トランスは、伝送効
率などのある特性の向上だけを目的とするものである
し、また、特開平6−338641号公報に開示された
圧電トランスは、高周波数化を目的とするものであり、
いずれも電極配置が使用する圧電基板の振動モード、特
に基本波モードに対して最適化されていないので、出力
側の負荷が小さい場合には大出力電流を取り出せず、高
出力電力が得られない。更に、特開平6−338641
号公報に開示された圧電トランスは、使用する振動モー
ドが高次モードであるために、基本波モードを利用する
場合に比べて高電力化、高効率化の度合いが低い。これ
は一般に、高次モードでは実効的な電気機械結合係数が
次数nに反比例して小さくなることと、近接した次数の
モードの共振がスプリアスとなることによる(平成3年
オーム社発行「弾性波素子技術ハンドブック」125
頁)。
【0017】それ故、本発明の課題は、低負荷時に高出
力電力が得られ、かつ大出力電流を取り出すことが可能
であり、磁器端面に入出力電極を形成する必要がなく、
入出力とグランド電極の分極方向が同一のため容易に作
製できる小型の圧電トランスを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】その課題を達成するため
に、本発明の圧電トランスは、厚さ方向に分極され両主
面が長方形状の圧電基板と、その圧電基板の第一の主面
に形成されたグランド電極と、主面の両中心線を軸とし
て対称配置となるように第二の主面に形成された3個の
入出力用分割電極とを具備するとともに、それら分割電
極のうち両側の電極を入力側分割電極又は出力側分割電
極、中央の電極を出力側分割電極又は入力側分割電極と
し、主面の幅方向に対して縦振動することを特徴とす
る。
【0019】本発明の作用を圧電トランスが降圧用であ
って両側の各電極が入力側分割電極、中央の電極が出力
側分割電極の場合を例にして説明する。
【0020】本発明の圧電トランスでは、両側の入力側
分割電極−グランド電極間に、圧電基板の主面の幅方向
に対して縦振動する振動(以下、幅方向縦振動というこ
ともある)であり、例えば基本波の共振周波数近傍の周
波数の交流電圧を入力すれば、電気機械結合係数k’31
をもって圧電基板に幅方向縦振動の基本波が励振され、
再び電気機械結合係数k’31をもって、中央の出力側分
割電極−グランド電極間に入力電圧と同じ周波数の出力
電圧が発生する。なお、昇圧用圧電トランスの場合は、
入出力の関係が逆となる以外は同様である。
【0021】幅方向縦振動の電気機械結合係数k’31
一般的に長さ方向振動の電気機械結合係数k31よりも大
きいが、本発明の圧電トランスは、幅方向縦振動を利用
するために、長さ方向の振動モードを利用する従来のロ
ーゼン型圧電トランスに比べると、エネルギー伝送を行
う場合においては、高効率化・高電力化が可能となる。
【0022】また、圧電トランスの出力側の制動容量を
Cd2 、圧電トランスの共振周波数をfr、負荷抵抗を
RLとした場合、ローゼン型圧電トランスと比較して、
同形状において電極面積を広く取れるためCd2 を大き
な値とでき、frに関しても、幅方向縦振動を用いるた
め大きな値にできる。最大電力を取れる負荷抵抗、すな
わちインピーダンス整合となる負荷抵抗RL' は、R
L' =1/(2πfrCd2 )で決定されるので、本発
明の圧電トランスは、従来のローゼン型圧電トランスと
比べて、低インピーダンスにおいて高出力電力を得るこ
とができる。
【0023】さらに、圧電基板の両主面に入出力・グラ
ンド電極を形成し単一方向に分極処理を行うため、製造
が容易である。また、圧電基板の厚さ方向に分極するた
め分極処理用の印加電圧を低くすることができる。ま
た、分極方向が単一であるため、圧電セラミックス以外
の圧電性単結晶を圧電基板として使用することもでき
る。また、圧電基板には分極域に分極方向が異なる領域
が接するような界面が存在しないため、駆動時に大きな
応力の集中による圧電基板の破損・破壊の恐れがなく信
頼性が向上する。
【0024】しかも、本発明の圧電トランスでは、3個
の入出力用分割電極が主面の両中心線を軸として対称配
置となるように形成されている。このため、上記のよう
に幅方向縦振動で基本波を用いると、圧電基板の主面の
中央部が振動の節となる。従って、この振動の節の部分
で圧電基板を保持すれば、圧電基板の幅方向縦振動モー
ドの基本波を妨げずに固定することができる。また、こ
の振動の節は、出力側分割電極とグランド電極にも形成
されることから、振動の節を利用して外部回路と接続す
ることもできる。一般に、基本波の電気機械結合係数は
高次モードの電気機械結合係数に比べて大きいことか
ら、基本波を利用することのできる本発明の圧電トラン
スは、高次モードを利用したトランスと比較すると材料
の持つ特性を充分に発揮でき、高効率化・高電力化が可
能となる。
【0025】本発明の圧電トランスは、グランド電極
を、圧電基板の他側主面に形成された3個の分割電極と
それぞれ対向した3個のグランド分割電極から構成する
ことにより、3個の分割電極とそれぞれ対向するグラン
ド分割電極同士を分離して絶縁することもでき、グラン
ド電極を共通化することによる不具合を解消できる。
【0026】本発明の圧電トランスは、分割電極の配列
方向にかかわらず幅方向縦振動するものであるから、前
記分割電極が主面の長さ方向に所定間隔をおいて形成さ
れるときは、振動の節はそれら分割電極の全てを通過す
る中心線上に存在し、前記分割電極が主面の幅方向に所
定間隔をおいて形成されるときは中央の分割電極のみ通
過する中心線上に存在することとなる。
【0027】前記グランド電極は、第一主面の全面に形
成されていてもよいし、分割形成されていても良い。分
割形成する場合、主面の両中心線を軸として対称配置と
なるように個々の入出力用分割電極と同一方向に分割さ
れた3個のグランド分割電極で構成すると好ましい。こ
うすることで入出力間を絶縁するだけでなく、入出力用
分割電極と同様に振動の節を利用して保持及び接続する
ことができるからである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
面とともに説明する。
【0029】第1実施形態の圧電トランスは、図1に示
すように、厚さ方向に分極され主面が長方形状の圧電基
板11と、該圧電基板11の上側主面に形成された3個
の分割電極12、13、14と、圧電基板11の下側主
面に形成されたグランド電極15とから構成されてい
る。
【0030】3個の分割電極12、13、14は、圧電
基板11の上側主面の幅方向全長に亘って且つ長さ方向
(長辺方向)に所定間隔Lを置いて形成されており、グ
ランド電極15は下側主面の全面に形成されている。
【0031】3個の分割電極12、13、14のうち、
両側の分割電極12、14が入力側分割電極12、14
(一次側電極)とされ、中央の分割電極13が出力側分
割電極13(二次側電極)とされている。分割電極1
2、13、14は、一辺が圧電基板11の上側主面の短
辺と同一長さとされ、他辺が上側主面の長辺の長さの約
1/3の長さとされており、分割電極12、13、14
は接触しないように、長辺方向に僅かな間隔Lを置いて
形成されている。
【0032】本発明の圧電トランスは、例えば、セラミ
ックスからなる圧電基板11に、3個の分割電極12、
13、14およびグランド電極15を形成した後、分割
電極12、13、14と、グランド電極15間に直流の
高電界を印加して分極処理する。
【0033】分割電極12、13、14、グランド電極
15は、例えば、Ag粉末とガラスからなるペーストを
スクリーン印刷・焼成して形成しても良い。また、蒸
着、スパッタ等の手法を用いて形成しても良い。また、
Ag以外の導電性材料を用いても良い。
【0034】本発明の圧電トランスでは、入力側分割電
極12、14とグランド電極15間に、圧電基板11の
主面の幅方向xに縦振動する基本波の共振周波数近傍の
周波数を持つ交流電圧を印加すれば、圧電横効果の電気
機械結合係数k'31 をもって圧電基板11が幅方向縦振
動の基本波で励振され、再び圧電効果の電気機械結合係
数k'31 をもって出力側分割電極13とグランド電極1
5間に入力電圧と同じ周波数の周波数の電圧が発生す
る。このとき、出力電圧は負荷抵抗や駆動周波数に依存
する。
【0035】即ち、入力側分割電極12、14とグラン
ド電極15間に、圧電基板11の幅方向に縦振動する基
本波の共振周波数近傍の周波数を持つ交流電圧を印加す
ると、図1に示したように、圧電基板11の主面の幅方
向(短辺方向)に半周期となるような振動(基本波)が
生じ、つまり、短辺方向に伸縮する振動が生じ、この振
動が中央の出力側分割電極13とグランド電極15間の
圧電基板11に伝達され、出力側分割電極13とグラン
ド電極15間に入力電圧と同じ周波数の電圧が発生す
る。
【0036】そして、このような幅方向縦振動で基本波
を用いると、圧電基板11の主面の短辺の中央部が振動
の節Aとなり、この振動の節Aの部分で圧電基板11を
保持すれば、圧電基板11の幅方向縦振動モードの基本
波を妨げずに固定することができる。この振動の節A
は、出力側分割電極13とグランド電極15にも形成さ
れることから、振動の節Aを利用して外部回路と接続す
ることができる。圧電基板11を保持する部分として
は、振動の節Aであって各電極12、13、14の中央
が特に望ましい。
【0037】さらに、本発明の圧電トランスは幅方向縦
振動モードを利用しており、一般に主面が長方形状の圧
電基板11の幅方向縦振動の電気機械結合係数k'
31 は、圧電基板11の長さ方向振動の電気機械結合係
数k31よりも大きいため、より高電力化・高効率化を図
ることができる。
【0038】また、本発明の圧電トランスは分極方向が
単一方向であるために、ローゼン型圧電トランスと比較
して、基板の長さ方向の分極処理の必要がないため、比
較的低電圧の直流電圧で分極でき、製造工程を簡略化で
き、製造工程における安全性を向上できる。
【0039】本発明の圧電トランスは、圧電横効果の電
気機械結合係数k'31 をもって交流の入力電圧を機械的
な振動に変換し、再び圧電横効果の電気機械結合係数
k'31をもって交流の出力電圧に変換するために、エネ
ルギー伝送の高効率化・高電力化を図るために、圧電材
料としては、電気機械結合係数k'31 の大きな材料が望
ましい。特にPZT系の圧電セラミックス材料が望まし
い。また、単結晶材料を利用することも可能である。
【0040】次に第2実施形態の圧電トランスを説明す
る。図2は第2実施形態の圧電トランスを示す斜視図、
図3はその結線図、図4は同圧電トランスの変位を示す
分布図である。
【0041】3個の分割電極22、23、24は、圧電
基板21の上側主面の長さ方向全長に亘って且つ幅方向
(短辺方向)に所定間隔Dを置いて形成されており、一
辺が圧電基板21の上側主面の長辺と同一長さとされ、
他辺が上側主面の短辺の長さの約1/3の長さとされて
いる。その他の点では第1実施形態と同形同質であり、
グランド電極25は、ここでも下側主面の全面に形成さ
れている。従って、3個の分割電極22、23、24の
うち、両側の分割電極22、24が入力側分割電極2
2、24(一次側電極)とされ、中央の分割電極23が
出力側分割電極23(二次側電極)とされている。
【0042】この第2実施形態においても基本波モード
を利用する場合、圧電基板21の幅方向の中点が振動の
節となる。ただし、分割電極の配列方向が第1実施形態
と直交していることから、第1実施形態では振動の節が
3個の分割電極の全てを通過する中心線上に存在するの
に対し、第2実施形態では同じ中心線が中央の分割電極
のみ通過することとなる。
【0043】尚、上記2つの実施形態では、グランド電
極15、25を全面電極、つまり、入出力用分割電極1
2、13、14、22、23、24全部に共通のグラン
ド電極15、25とした例について説明したが、本発明
では上記例に限定されるものではなく、グランド電極
を、3個の分割電極とそれぞれ対向した3個のグランド
分割電極から構成しても良い。この場合には、入出力間
を絶縁することができ、回路形成を自由に行うことがで
きる。
【0044】又、上記2つの実施形態は、いずれも降圧
用であるが入出力の関係を逆にする、すなわち二次側を
入力、一次側を出力とすることにより、昇圧用とするこ
とができる。
【0045】
【実施例】−実施例1− 先ず、PZT系材料からなり、長さ30mm、幅4.5
mm、厚さ0.4mmの圧電基板を作製し、銀とガラス
を主成分とする電極ペーストを、圧電基板の両表面に塗
布し、焼き付けることにより、図1に示すような、分割
電極およびグランド電極を有する圧電トランスを作製し
た。分割電極は、主面の長さ方向の辺が9mm、主面の
幅方向の辺が4.5mmであり、分割電極間の間隔Lは
1.5mmとした。
【0046】この後、150℃のシリコンオイル中で
1.6kV/mmの電場を印加し、10分間分極を行
い、圧電基板の厚み方向に分極した。
【0047】そして、図1に示したように、圧電トラン
スの入力側分割電極(1次側電極)を入力とし、出力側
分割電極(2次側電極)を出力として、この出力側分割
電極に種々の負荷抵抗RLを接続した。入力電圧は関数
発生器を用い振幅5Vの正弦波を入力側分割電極に印
加、出力側分割電極からの出力電圧(V)を検出し、出
力電流(mA)、出力電力(mW)を求め、結果を表1
に記載した。
【0048】また、比較のため、同様の作製プロセスに
て、図5に示すようなローゼン型圧電トランスを作製し
た。ここで、圧電基板の形状は長さ30mm、幅4.5
mm、厚み1.0mmとし、電極は、1次側電極を片側
端部から中央部まで15mmで、両面に一様となるよう
塗布し、2次側電極については端面部に形成した。1次
側電極を入力とし、2次側電極を出力として、この2次
側電極に種々の負荷抵抗RLを接続し、上記と同様、入
力電圧は関数発生器を用い振幅5Vの正弦波を1次側電
極に印加して、2次側電極からの出力電圧(V)を検出
し、出力電流(mA)、出力電力(mW)を求めた。測
定した結果を表1に記載した。
【0049】
【表1】
【0050】この表1から、本発明の圧電トランスで
は、負荷抵抗が10Ωでも出力電圧として0.512V
の出力電圧が発生しており、ゲイン(=出力電圧/入力
電圧)は0.1024であった。この結果より、負荷抵
抗が10Ω程度と小さい場合においても高電圧、高電
流、高電力を得ることができ、低負荷時に充分使用でき
ることが判る。よって、本発明の圧電トランスでは、出
力側に大電流を得ることが可能で、かつ、低負荷時に出
力電力を大きくとることができ、しかもトランス形状は
小型であり、分極が一方向のため製造も容易であること
が明白である。
【0051】一方、比較例では、負荷抵抗が10Ωでは
出力電圧を測定できず、比較例品では、低負荷では使用
できないことが判る。また、負荷抵抗10KΩで出力電
力は44.4mWとなり、高負荷抵抗において、出力電
力が高い値を示した。
【0052】また、本発明のトランスは、負荷抵抗が1
0Ωの場合のゲインが0.1024であるため、負荷抵
抗10Ω、入力電圧30Vの場合には、出力電圧3.0
72V、出力電力0.945Wとなり、低負荷で高電力
が取り出せることが判る。
【0053】−実施例2− 分割電極の形状及び寸法において、主面の長さ方向の辺
が30mm、主面の幅方向の辺が1.2mmであり、分
割電極間の間隔Dは0.45mmとした以外は、実施例
1と同形同質の図2に示す圧電トランスを試作した。
【0054】実施例1と同様に一次側を入力、二次側を
出力とし、実施例1と同一条件で変圧比、出力電流、出
力電力を求めた。測定結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】この表2からも本発明の圧電トランスは、
出力側に大電流を得ることが可能で、且つ低負荷時に大
電力を得ることができることが明らかである。
【0057】尚、表1および表2から理解されるよう
に、低負荷時に大電力を得るという点から、分割電極が
主面の長さ方向に所定間隔をおいて形成された図1の圧
電トランスの方が、分割電極が主面の幅方向に所定間隔
をおいて形成された図2の圧電トランスよりも望まし
い。また、電極取り出しという点からも、即ち、図2の
圧電トランスでは、振動の節以外の分割電極22、24
にリード線等を接続する必要があるため、図1の圧電ト
ランスの方が図2の圧電トランスよりも望ましい。
【0058】
【発明の効果】本発明の圧電トランスでは、入力側分割
電極−グランド電極間に、圧電基板の主面の幅方向に対
して縦振動する基本波の共振周波数近傍の周波数の交流
電圧を入力すれば、電気機械結合係数k'31 をもって圧
電基板に幅方向縦振動の基本波が励振され、再び電気機
械結合係数k'31 をもって出力側分割電極−グランド電
極間に入力電圧と同じ周波数の出力電圧が発生し、従来
のローゼン型圧電トランスと比較して、大出力電流を取
り出せ、低負荷時に高出力電力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の圧電トランスを示す説明図であ
る。
【図2】第2実施形態の圧電トランスを示す斜視図であ
る。
【図3】第2実施形態の圧電トランスの結線図である。
【図4】第2実施形態の圧電トランスの変位を示す分布
図である。
【図5】従来の圧電トランスを示す説明図である。
【符号の説明】
11、21 圧電基板 12、14、22、24 入力側分割電極 13、23 出力側分割電極 15、25 グランド電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 道明 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ方向に分極され両主面が長方形状の圧
    電基板と、その圧電基板の第一の主面に形成されたグラ
    ンド電極と、主面の両中心線を軸として対称配置となる
    ように第二の主面に形成された3個の入出力用分割電極
    とを具備するとともに、それら分割電極のうち両側の電
    極を入力側分割電極又は出力側分割電極、中央の電極を
    出力側分割電極又は入力側分割電極とし、主面の幅方向
    に対して縦振動することを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】基本波モードで作動する請求項1に記載の
    圧電トランス。
  3. 【請求項3】前記分割電極が主面の長さ方向に所定間隔
    をおいて形成されている請求項1又は2に記載の圧電ト
    ランス。
  4. 【請求項4】前記分割電極が主面の幅方向に所定間隔を
    おいて形成されている請求項1又は2に記載の圧電トラ
    ンス。
  5. 【請求項5】降圧用である請求項1〜4のいずれかに記
    載の圧電トランス。
  6. 【請求項6】前記グランド電極は、第一主面の全面に形
    成されている請求項1〜5のいずれかに記載の圧電トラ
    ンス。
  7. 【請求項7】前記グランド電極は、主面の両中心線を軸
    として対称配置となるように個々の入出力用分割電極と
    同一方向に分割された3個のグランド分割電極から構成
    されている請求項1〜5のいずれかに記載の圧電トラン
    ス。
  8. 【請求項8】負荷抵抗1kΩ以下の低負荷用である請求
    項1〜7のいずれかに記載の圧電トランス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108847824A (zh) * 2018-06-19 2018-11-20 无锡晶哲科技有限公司 一种用于产生正弦波信号的方法及基于该方法的压电器件和正弦波发生器

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US7456708B2 (en) * 2006-03-07 2008-11-25 Zippy Technology Corp. Piezoelectric plate electric connection structure
CN108847824A (zh) * 2018-06-19 2018-11-20 无锡晶哲科技有限公司 一种用于产生正弦波信号的方法及基于该方法的压电器件和正弦波发生器

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