JP2001007731A - スペクトラム拡散送信機およびスペクトラム拡散受信機 - Google Patents

スペクトラム拡散送信機およびスペクトラム拡散受信機

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JP2001007731A
JP2001007731A JP17359299A JP17359299A JP2001007731A JP 2001007731 A JP2001007731 A JP 2001007731A JP 17359299 A JP17359299 A JP 17359299A JP 17359299 A JP17359299 A JP 17359299A JP 2001007731 A JP2001007731 A JP 2001007731A
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signal
frequency
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spread spectrum
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Makoto Taroumaru
眞 太郎丸
Hideo Tominaga
英雄 冨永
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡単で、秘話性が高いスペクトラム拡
散送信機およびスペクトラム拡散受信機を提供する。 【解決手段】 マイクロフォン1で得られた音声信号は
音声増幅回路2で増幅され、所要音声帯域外の周波数の
発振手段3が出力する付加信号が重畳され、変調信号と
して変調手段4にて搬送波を周波数変調する。変調され
た信号は拡散手段6で拡散され、送信回路7を介して送
信される。受信機では逆拡散、復調後に上記付加信号を
除去するフィルタを設ける。付加信号の重畳により、音
声信号の如何に関わらず拡散前の信号の帯域が広がり、
送信スペクトラムは同拡散前のスペクトラムが重なり合
うので、秘話性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として音声等の
信号の無線伝送に用いられるスペクトラム拡散送信機お
よびスペクトラム拡散受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散通信は主に軍事通信機
器に応用されてきた。しかし、近年では符号分割多元接
続(CDMA)方式による移動通信や、コードレス電話機等の
民生機器にも応用されるようになってきた。特に無線ロ
ーカルエリアネットワーク(以下「無線LAN」という)
をはじめとする比較的小電力の各種無線システムが、2.
4GHz帯等のISMバンドと呼ばれる周波数帯において運用
されているが、これらの無線システムの多くはスペクト
ラム拡散方式により伝送することが規定されている。例
えば我が国でも無線LANに関する規格が「小電力データ
通信システム/ワイヤレスLANシステム標準規格RCR STD
-33」として社団法人電波産業会により制定され、スペ
クトラム拡散方式による伝送が規定されている。スペク
トラム拡散方式には直接拡散方式と周波数ホッピング方
式がある。このうち直接拡散方式は、M系列等の比較的
長周期の疑似ランダム二値系列を拡散系列として用い、
音声などの情報信号で変調された通常の伝送信号に該拡
散系列を乗積することによって周波数を拡散する。そし
て受信側では送信と同一の拡散系列を送信側と同期させ
て受信信号に乗ずることによって逆拡散し、拡散前の信
号に戻してから通常の検波・復調がなされる。これらの
信号処理は、文献(丸林、中川、河野著、スペクトル拡
散通信とその応用、電子情報通信学会発行、1998年)に
詳述されている。従って直接拡散方式による伝送信号を
正しく復調するためには、送信と同一拡散系列を受信機
で用意する必要がある。従って同拡散系列が送受で異な
っていたり、逆拡散を行わない通常の受信機で受信した
場合には復調波形が著しく歪んで判読不可能となり、あ
るいは信号(電波)の存在さえ確認が困難となる。従っ
て同系列を第三者に非公開とすることで通信の秘話性が
高まる。
【0003】以下、従来のスペクトラム拡散送信機およ
び受信機について説明する。図11は従来のスペクトラ
ム拡散送信機のブロック図、図12は従来のスペクトラ
ム拡散受信機のブロック図である。図11において、1
は音波から伝送すべき情報信号としての音声信号を出力
するマイクロフォン、2は音声増幅回路、4は搬送波を
生成し、該搬送波を変調信号により変調する変調手段
で、変調入力端子41を有する。変調手段4は、例えば
周波数変調の場合、位相同期ループ(PLL)による発振回
路が用いられることが多く、変調入力端子は電圧可変周
波数発振器(VCO)の周波数制御入力に接続される。5は
拡散系列を発生させる拡散系列発生手段、6は拡散系列
を変調手段4の出力に乗積して周波数拡散する拡散手段
で、例えば平衡変調器や乗算器が用いられる。7は送信
回路で、拡散手段6により周波数拡散された伝送信号を
増幅し、必要に応じて周波数変換してアンテナから送信
する。図12において10はアンテナで受信された高周
波信号を増幅し、中間周波信号またはベースバンド信号
へ変換して所要レベルに増幅する受信回路、11は送信
機の拡散系列発生手段5の拡散系列と同一の系列を送信
側と同期して生成する逆拡散系列発生手段、12は逆拡
散系列発生手段11の出力を受信回路10の出力に乗積
し逆拡散する逆拡散手段、13は逆拡散された信号を検
波し、変調信号、即ち情報信号としての音声信号を復調
する復調手段である。逆拡散手段12としては、拡散手
段と同様に平衡変調器や乗算器が用いられる。復調手段
13としては、送信機における変調形式に応じたものが
用いられ、例えば周波数変調の場合には周波数弁別器が
用いられる。15は音声増幅回路、16はスピーカー
で、復調された音声信号を所要レベルまで増幅し音波へ
変換する。
【0004】以上のように構成されたスペクトラム拡散
送信機および受信機について以下その動作を説明する。
マイクロフォン1、音声増幅回路2によって得られた情
報信号は、変調手段4に入力されて搬送波を変調し、通
常の伝送信号が得られる。そして拡散手段6により周波
数拡散された伝送信号を送信回路7により増幅し、必要
に応じて周波数変換してアンテナから送信される。受信
機ではアンテナで受信された該伝送信号が受信回路10
で増幅され、逆拡散手段12により逆拡散された後、復
調手段13により復調され、情報信号としての音声信号
が再生される。該音声信号は音声増幅回路15で増幅さ
れ、スピーカーを鳴動させる。なお、上記従来のスペク
トラム拡散送信機および受信機は、アナログ音声信号を
伝送するものであるが、音声信号に代えて2値のデジタ
ル信号もしくは同デジタル信号を適当なフィルタにより
帯域制限したベースバンド信号を情報信号とすれば、デ
ジタル伝送方式のスペクトラム拡散送信機およびスペク
トラム拡散受信機の構成となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のス
ペクトラム拡散送信機およびスペクトラム拡散受信機で
は、当該スペクトラム拡散方式による信号を、スペクト
ラム拡散方式に対応していない通常の電波形式に対応し
た受信機で第三者が傍受した場合、秘話性が劣化する場
合がある。例えば拡散系列の周期がTsの場合、例えば図
13に示すように、拡散系列のスペクトラムは一般に線
スペクトルがfs=1/(Ts)間隔で並ぶ。そして変調手段4
の出力信号のスペクトラムが図14に示すように、比較
的狭帯域だった場合には、拡散手段6の出力、即ち周波
数拡散された送信信号のスペクトラムは図15のように
なる。同図においてfoは搬送波周波数を示す。例えば、
変調手段4が周波数変調の場合で音声信号レベルが低い
時や、変調手段4が振幅変調の場合で低音を伝送する時
には、変調手段4の出力信号のスペクトラムが図14に
示すような狭帯域信号となり、通常の周波数変調もしく
は振幅変調された信号のスペクトラムがfs=1/(Ts)間隔
で並ぶ。従って通常の電波形式に対応した受信機で傍受
した場合、該受信機が通過帯域幅がfs程度の帯域通過フ
ィルタを有し、受信周波数をfo±nfs(nは整数)に同
調させた場合には復調可能となり、秘話性が劣化すると
いう問題点があった。
【0006】本発明は上記課題を解決し、簡単な構成で
秘話性の高い伝送が可能なスペクトラム拡散送信機およ
びスペクトラム拡散受信機を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、送信機においては、情報信号により搬送波を
変調する変調手段と、前記変調手段により生成された信
号を直接拡散方式により周波数拡散変調する拡散手段
と、前記周波数拡散手段の出力を送信信号としてアンテ
ナへ供給する送信回路と、前記情報信号の所要帯域外の
周波数の付加信号を生成する発振手段とを備え、受信機
においては、直接拡散方式により周波数拡散され送信さ
れた信号を受信し、逆拡散および復調して変調信号を出
力する受信回路と、変調信号に含まれる情報信号と付加
信号から、前記付加信号を除去するためのフィルタ手段
とを備えたので、構成が簡単秘話性の高い伝送が可能な
スペクトラム拡散送信機およびスペクトラム拡散受信機
を提供できるようになった。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、情報信号により搬送波を変調する変調手段と、前記
変調手段により生成された信号を直接拡散方式により周
波数拡散変調する拡散手段と、前記周波数拡散手段の出
力を送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、前
記情報信号の所要伝送帯域外の周波数の付加信号を生成
する発振手段とを備え、前記変調手段は前記情報信号に
前記付加信号を重畳させたものを変調信号として変調す
るものであり、付加信号により変調手段の出力信号の帯
域が広がり、拡散系列の周期(Ts)の逆数fs=1/(Ts)間隔
で並ぶ送信信号のスペクトラムが互いに重なり合うよう
になるので、秘話性が向上する効果が得られる。
【0009】本発明の請求項3に記載の発明は、直接拡
散方式により周波数拡散変調された信号を生成する拡散
手段と、情報信号により前記拡散手段の出力信号を変調
する変調手段と、前記変調手段により生成された信号を
送信信号としてアンテナへ供給する送信回路と、前記情
報信号の所要伝送帯域外の周波数の付加信号を生成する
発振手段とを備え、前記変調手段は前記情報信号に前記
付加信号を重畳させたものを変調信号として変調するも
のであり、付加信号により変調手段の出力信号の帯域が
広がり、拡散系列の周期(Ts)の逆数fs=1/(Ts)間隔で並
ぶ送信信号のスペクトラムが互いに重なり合うようにな
るので、秘話性が向上する効果が得られる。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1または3記載の発明において、前記変調手段は周波数
変調を行うものであり、情報信号の振幅が小さい場合に
おいても付加信号により変調手段の出力信号の帯域が広
がり、拡散系列の周期(Ts)の逆数fs=1/(Ts)間隔で並ぶ
送信信号のスペクトラムが互いに重なり合うようになる
ので、秘話性が向上する効果が得られる。
【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1記載の発明において、前記付加信号の振幅の最大値
は、情報信号の振幅を零とした場合の周波数変移が、直
接拡散における拡散信号周期の逆数の二分の一より大で
あるよう構成したものであり、情報信号の振幅が零とな
った場合においても、付加信号の重畳によって拡散系列
の周期(Ts)の逆数fs=1/(Ts)間隔で並ぶ送信信号のスペ
クトラムが互いに重なり合うようになるので、秘話性が
向上する効果が得られる。
【0012】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1または3に記載の発明において、前記変調手段は振幅
変調を行うものであり、情報信号の周波数成分が低域、
低音のみの場合においても、付加信号により変調手段の
出力信号の帯域が広がり、拡散系列の周期(Ts)の逆数fs
=1/(Ts)間隔で並ぶ送信信号のスペクトラムが互いに重
なり合うようになるので、秘話性が向上する効果が得ら
れる。
【0013】本発明の請求項8に記載の発明は、直接拡
散方式により周波数拡散され送信された信号を受信し、
逆拡散および復調して変調信号を出力する受信復調回路
と、変調信号に含まれる情報信号と付加信号から、前記
付加信号を除去するためのフィルタ手段とを備えたもの
であり、請求項1から5記載の発明による送信機で送信
された信号を受信した場合、秘話のための付加信号が除
去され、情報信号が良好に再生されるという効果が得ら
れる。
【0014】以下、本発明の実施形態について、図面を
参照しながら説明する。
【0015】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるスペクトラム拡散送信機のブロック図であ
る。図1において1は音波から伝送すべき情報信号とし
ての音声信号を出力するマイクロフォン、2は該音声信
号を増幅する音声増幅回路である。3は該音声信号の所
要帯域外の周波数の付加信号を生成する発振手段であ
り、電話における所要帯域としては通常300Hzないし3kH
zであるから、例えば60Hzの矩形波信号を他の回路の制
御等を行うデジタル回路(図示せず)から供給を受け、
これを正弦波に波形整形するバンドパスフィルタもしく
はローパスフィルタにより構成される。
【0016】30は加算回路で、音声増幅回路2の出力
に該付加信号を重畳させ、変調信号として出力する。4
は搬送波を生成し、該搬送波を変調信号により周波数変
調する変調手段で、変調入力端子41を有する。変調手
段4は、例えば図示したような位相同期ループによる発
振回路でよく、変調入力端子41は該位相同期ループに
おける電圧可変周波数発振器(VCO)の変調入力もしくは
周波数制御入力に接続される。
【0017】5は拡散系列を発生させる拡散系列発生手
段で、従来のスペクトラム拡散送信機と同様にM系列等
の、周期Tsの疑似ランダム二値系列を発生させるもので
ある。6は拡散系列を変調手段4の出力に乗積して周波
数拡散する拡散手段で、平衡変調器または乗算器から構
成される。7は送信回路で、拡散手段6により周波数拡
散された伝送信号を増幅し、必要に応じて周波数変換し
てアンテナから送信するものである。なお、発振手段3
から出力される付加信号の振幅は、音声信号の振幅が
零、即ち無音時における変調手段4の周波数変移が±fs
/2(=1/(2Ts))以上となるよう設定されたものであ
る。
【0018】以上のように構成されたスペクトラム拡散
送信機について以下その動作を説明する。マイクロフォ
ン1および音声増幅回路2によって得られた情報信号と
しての音声信号は、発振手段3からの付加信号が重畳さ
れ、変調手段4に入力されて搬送波を周波数変調する。
そして変調手段4の出力は拡散手段6により周波数拡散
され、送信回路7により増幅され、必要に応じて周波数
変換されてアンテナから送信される。このとき変調手段
4では変調信号である通常の音声信号に60Hzの正弦波が
重畳しているため、情報信号の如何に関わらず常に±fs
/2以上の周波数変移を有する。
【0019】従って使用者がマイクロフォン1に対して
小声で話した場合であっても、変調手段4の出力信号の
スペクトラムは±fs/2以上の広がりを有し、例えば図
2に示すような形となる。そして該出力信号が拡散手段
6により周波数拡散されるので、送信回路7における送
信信号のスペクトラムは従来のスペクトラム拡散送信機
と同様に図2のスペクトラムが搬送波周波数を中心にfs
毎に並ぶ。つまり図3に示すように、図2のスペクトラ
ムが互いに重なり合いながら並ぶ形となる。
【0020】このような送信信号を、スペクトラム拡散
方式に対応していない通常の電波形式(周波数変調、F
M)に対応した受信機で受信した場合、該受信機に通過
帯域幅がfs程度のバンドパスフィルタを搭載して受信周
波数をfo±nfs(nは整数)に同調させても、隣からの
スペクトラムが重なり、図2に示した変調手段4の出力
信号を再生することはできない。具体的には復調音声信
号が著しく歪み、判読不能となる。従って良好な秘話性
が確保できる。
【0021】なお、本実施の形態では付加信号として60
Hzの正弦波を用いたが、一般に情報信号の所要伝送帯域
外に帯域制限された信号であれば良い。例えば本実施の
形態のように情報信号が電話の音声信号であれば、3kH
z以上の基本周波数を持つ矩形波等の歪み波形でも良
い。この場合、発振手段3は正弦波に波形整形する必要
が無いのでフィルタは不要となり、回路もしくは同手段
における信号処理が簡単になる。また、情報信号の所要
伝送帯域が低周波まで必要な場合に好適である。付加信
号の振幅は大であるほど秘話性が高くなるが、受信機に
おける逆拡散後の信号が広帯域となるので必要最小限と
することが望ましい。発明者らの実験によれば、情報信
号(音声信号)の最大振幅を超えない範囲で設定するこ
とが望ましい。
【0022】また、本実施の形態では情報信号として音
声信号(アナログ信号)を伝送する例を示したが、情報
信号は帯域制限されていれば良く、例えば日本や欧州の
携帯電話等で規格化されているようなデジタル信号をコ
サインロールオフフィルタやガウスフィルタ等で帯域制
限した信号でも良い。
【0023】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2におけるスペクトラム拡散受信機のブロック図であ
る。図4において10はアンテナで受信された高周波信
号を増幅し、中間周波信号またはベースバンド信号へ変
換して所要レベルに増幅する受信回路、11は送信機の
拡散系列発生手段5の拡散系列と同一の系列を送信側と
同期して生成する逆拡散系列発生手段、12は逆拡散系
列発生手段11の出力を受信回路10の出力に乗積し逆
拡散する逆拡散手段、13は逆拡散された信号を検波
し、変調信号、即ち情報信号としての音声信号を復調す
る復調手段である。
【0024】逆拡散手段12としては、拡散手段と同様
に平衡変調器や乗算器が用いられる。復調手段13とし
ては、送信機における変調形式に応じたものが用いら
れ、例えば周波数変調の場合には周波数弁別器が用いら
れる。14はフィルタ手段としてのハイパスフィルタ
で、伝送に必要な情報信号の帯域よりも低い周波数の成
分を除去するものであり、例えば電話音声の場合にはカ
ットオフ周波数300Hz程度のものを用いる。15は音声
増幅回路、16はスピーカーで、復調された音声信号を
所要レベルまで増幅し音波へ変換する。
【0025】以上のように構成されたスペクトラム拡散
受信機について、以下その動作を説明する。アンテナで
受信された信号は従来のスペクトラム拡散受信機と同様
に、受信回路10で周波数変換・増幅され、逆拡散手段
12により逆拡散された後、復調手段13により復調さ
れる。復調手段13は、一般に送信機における変調信号
を再生するものであり、(実施の形態1)で説明したス
ペクトラム拡散送信機からの信号を受信する場合には、
情報信号としての音声信号に付加信号が重畳した復調信
号が再生される。
【0026】付加信号は情報信号の帯域よりも低い周波
数であるから、ハイパスフィルタ14により該復調信号
が濾波されて付加信号が除去される。従ってハイパスフ
ィルタ14の出力には音声信号のみが現れ、該音声信号
は音声増幅回路15で増幅されてスピーカーを鳴動させ
る。
【0027】なお、本実施の形態では付加信号として60
Hzの正弦波が重畳されている例について説明したが、
(実施の形態1)で説明したように、付加信号は情報信
号の所要伝送帯域外に帯域制限された信号であれば良
い。例えば付加信号が10kHzの矩形波の場合、ハイパス
フィルタ14に代え、フィルタ手段としてカットオフ周
波数が3kHz程度のローパスフィルタを用いればよい良
い。この場合、フィルタ手段のカットオフ周波数が高く
なるので、アナログ回路で構成した場合にコンデンサ等
が小型化できる。また、情報信号の所要伝送帯域が低周
波まで必要な場合に好適である。
【0028】また、本実施の形態では情報信号として音
声信号(アナログ信号)を伝送する例を示したが、情報
信号は帯域制限されていれば良く、例えば日本や欧州の
携帯電話等で規格化されているようなデジタル信号をコ
サインロールオフフィルタやガウスフィルタ等で帯域制
限した信号でも良い。この場合、音声増幅回路15に代
えて、復調信号からデジタル信号に変換するデータ判定
手段や、デジタルデータを処理する回路により構成され
る。
【0029】(実施の形態3)図5は本発明の実施の形
態3におけるスペクトラム拡散送信機のブロック図であ
る。図5において1はマイクロフォン、2は音声増幅回
路、5は拡散系列発生手段、6は拡散手段、30は加算
回路で、これらは(実施の形態1)で説明したものと同
一である。3は該音声信号の所要帯域の上限周波数以上
の周波数成分のみを有する付加信号を生成する発振手段
であり、例えば矩形波信号を他の回路の制御等を行うデ
ジタル回路(図示せず)から供給を受け、これを必要に
応じて波形整形するバンドパスフィルタもしくはローパ
スフィルタにより構成される。8は搬送波を発生する局
部発振器である。
【0030】40は拡散手段6により周波数拡散された
搬送波を、加算回路30から出力される変調信号により
振幅変調して出力する変調手段で、例えば乗算回路や平
衡変調回路を用いる。7は送信回路で、変調手段40に
より変調された信号を増幅し、必要に応じて周波数変換
してアンテナから伝送信号として送信するものである。
【0031】なお、発振手段3から出力される付加信号
の周波数をfaとおけば、fs−faが情報信号の帯域内、例
えば電話音声の場合は300Hzないし3kHzとなるように付
加信号の周波数を選定する。
【0032】以上のように構成されたスペクトラム拡散
送信機について、以下その動作を説明する。マイクロフ
ォン1および音声増幅回路2によって得られた情報信号
としての音声信号は、発振手段3からの付加信号が重畳
され、変調信号として変調手段40に入力される。一
方、局部発振器8から出力される搬送波信号は、拡散手
段6により周波数拡散されて図13に示したものと同様
のスペクトラムとなり、変調手段40に入力される。変
調手段40は該変調信号により周波数拡散された搬送波
信号を振幅変調し、周波数拡散された振幅変調信号を出
力する。そして送信回路7により増幅され、必要に応じ
て周波数変換されてアンテナから送信される。もしも付
加信号、即ち発振手段3の出力が正弦波ならば、変調手
段4における変調信号には情報信号に周波数faの正弦波
が重畳しているので、図6に示すように周波数±faにて
線スペクトラムを有する。
【0033】変調手段40では、該変調信号で図13に
示したスペクトラムを有する拡散された搬送波信号を振
幅変調するので、出力のスペクトラムは図7に示したも
のとなる。従って情報信号である音声信号が低音のみの
場合であっても、変調手段40の出力信号および送信回
路7における送信信号のスペクトラムは、付加信号によ
る線スペクトラムが情報信号のスペクトラムに重なり合
いながら並ぶ形となる。
【0034】このような送信信号を、スペクトラム拡散
方式に対応していない通常の電波形式(振幅変調、AM)
に対応した受信機で受信し、該受信機に通過帯域幅がfs
程度のバンドパスフィルタを搭載して受信周波数をfo±
nfs(nは整数)に同調させても、付加信号によるスペ
クトラムが重なり、図6に示した変調信号もしくは情報
信号を再生することはできない。具体的には復調信号が
図8のようなスペクトラムとなり、付加信号が周波数±
(fs−fa)に変換されて復調音声信号に重畳し、判読困難
となる。従って良好な秘話性が確保できる。
【0035】なお、上記実施の形態では付加信号として
正弦波を用いた例を説明したが、一般に情報信号の所要
伝送帯域よりも高域に帯域制限された信号であれば良
い。例えば本実施の形態のように情報信号が電話の音声
信号であれば、3kHz以上の基本周波数を持つ矩形波等
の歪み波形でも良い。この場合、発振手段3は正弦波に
波形整形する必要が無いのでフィルタは不要となり、回
路もしくは同手段における信号処理が簡単になる。ある
いはスペクトラムが周波数fa1ないしfa2の間で適当な広
がりを持ち、fs−fa1が情報信号の所要伝送帯域の上限
付近になるものを用いても良い。この場合、変調信号は
図9に示したようなスペクトラムとなり、上記通常の受
信機で受信した場合に付加信号が周波数fs−fa2ないしf
s−fa1の間に変換される。従って復調音声信号の帯域の
大部分に重畳し、より一層判読が困難となる。
【0036】また、本実施の形態では情報信号として音
声信号(アナログ信号)を伝送する例を示したが、(実
施の形態1)と同様にデジタル信号をコサインロールオ
フフィルタやガウスフィルタ等で帯域制限した信号でも
良い。
【0037】なお、本実施の形態によるスペクトラム拡
散送信機による伝送信号を受信するには、(実施の形態
2)に示したスペクトラム拡散受信機において、復調手
段13として同期検波や直線検波などの振幅変調に対す
る検波回路を用い、ハイパスフィルタ14に代えてロー
パスフィルタを用いればよい。この場合、該ローパスフ
ィルタのカットオフ周波数は、情報信号の所要伝送帯域
の上限付近に設定すれば良い。
【0038】(実施の形態4)図10は本発明の実施の
形態4におけるスペクトラム拡散送信機の他の構成を示
すブロック図である。図10において1はマイクロフォ
ン、2は音声増幅回路、3は発振手段、5は拡散系列発
生手段、6は拡散手段、8は局部発振器、30は加算回
路、40は変調手段、7は送信回路で、これら各々は
(実施の形態3)で説明したものと同一である。本実施
の形態は同図から明らかなように(実施の形態3)の構
成を、拡散手段6と変調手段40の順序を逆にしたにす
ぎない。拡散手段6や変調手段40における処理は上記
実施の形態で説明したように、乗算による信号処理であ
るから、これらの順序を入れ替えても(実施の形態3)
と全く同様に動作し、同様の秘話効果を有する。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、送信機に
おいては伝送すべき情報信号の所要伝送帯域外にスペク
トラムを持つ付加信号を情報信号に重畳して送信するの
で、周波数拡散前のスペクトラムが広がり、周波数拡散
後のスペクトラムは同拡散前のスペクトラムが重なり合
う状態となる。従って第三者が、狭帯域のフィルタを有
するスペクトラム拡散方式に対応していない通常の受信
機で傍受した場合には復調信号の波形が歪んで判読困難
となり、秘話性が向上する。しかも本発明の受信機にお
いては、復調後に該付加信号を除去するフィルタ手段を
設けることにより、情報信号が良好に受信される。この
ように、送信機においては正弦波などの不可信号の重
畳、受信機においてはフィルタの追加という、極めて簡
単な回路を追加するのみで秘話性が高まるという効果を
有する優れたスペクトラム拡散送信機およびスペクトラ
ム拡散受信機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスペクトラム拡
散送信機のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるスペクトラム拡
散送信機の、変調手段出力のスペクトラムの例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるスペクトラム拡
散送信機の、送信信号のスペクトラムの例を示す図
【図4】本発明の実施の形態2におけるスペクトラム拡
散受信機のブロック図
【図5】本発明の実施の形態3におけるスペクトラム拡
散送信機のブロック図
【図6】本発明の実施の形態3におけるスペクトラム拡
散送信機の、変調信号のスペクトラムの例を示す図
【図7】本発明の実施の形態3におけるスペクトラム拡
散送信機の、送信信号のスペクトラムの例を示す図
【図8】本発明の実施の形態3におけるスペクトラム拡
散送信機の送信信号を、通常の受信機で受信した復調信
号のスペクトラムの例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1または実施の形態3にお
けるスペクトラム拡散送信機の、変調信号のスペクトラ
ムの例を示す図
【図10】本発明の実施の形態4におけるスペクトラム
拡散送信機の他の構成を示すブロック図
【図11】従来のスペクトラム拡散送信機のブロック図
【図12】従来のスペクトラム拡散受信機のブロック図
【図13】従来のスペクトラム拡散送信機の無変調時に
おける送信信号のスペクトラムの例を示す図
【図14】従来のスペクトラム拡散送信機の変調手段の
出力信号のスペクトラムの例を示す図
【図15】従来のスペクトラム拡散送信機の送信信号の
スペクトラムの例を示す図
【符号の説明】
1 マイクロフォン 2 音声増幅回路 3 発振手段 4 変調手段 5 拡散系列発生手段 6 拡散手段 7 送信回路 8 局部発振器 10 受信回路 11 逆拡散系列発生手段 12 逆拡散手段 13 復調手段 14 ハイパスフィルタ 15 音声増幅回路 30 加算回路 40 変調手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報信号により搬送波を変調する変調手段
    と、前記変調手段により生成された信号を直接拡散方式
    により周波数拡散変調する拡散手段と、前記周波数拡散
    手段の出力を送信信号としてアンテナへ供給する送信回
    路と、前記情報信号の所要伝送帯域外の周波数の付加信
    号を生成する発振手段とを備え、前記変調手段は前記情
    報信号に前記付加信号を重畳させたものを変調信号とし
    て変調するスペクトラム拡散送信機。
  2. 【請求項2】発振手段は情報信号の所要伝送帯域よりも
    低い周波数の付加信号を生成する請求項1記載のスペク
    トラム拡散送信機。
  3. 【請求項3】直接拡散方式により周波数拡散変調された
    信号を生成する拡散手段と、情報信号により前記拡散手
    段の出力信号を変調する変調手段と、前記変調手段によ
    り生成された信号を送信信号としてアンテナへ供給する
    送信回路と、前記情報信号の所要伝送帯域外の周波数の
    付加信号を生成する発振手段とを備え、前記変調手段は
    前記情報信号に前記付加信号を重畳させたものを変調信
    号として変調するスペクトラム拡散送信機。
  4. 【請求項4】発振手段は情報信号の所要伝送帯域よりも
    低い周波数の付加信号を生成する請求項3記載のスペク
    トラム拡散送信機。
  5. 【請求項5】前記変調手段は周波数変調を行うものであ
    る請求項1または3何れか一記載のスペクトラム拡散送
    信機。
  6. 【請求項6】前記付加信号の振幅の最大値は、情報信号
    の振幅を零とした場合の周波数変移が、直接拡散におけ
    る拡散信号周期の逆数の二分の一より大であるよう構成
    した請求項5記載のスペクトラム拡散送信機。
  7. 【請求項7】前記変調手段は振幅変調を行うものである
    請求項1または3何れか一記載のスペクトラム拡散送信
    機。
  8. 【請求項8】直接拡散方式により周波数拡散され送信さ
    れた信号を受信し、逆拡散および復調して変調信号を出
    力する受信復調回路と、変調信号に含まれる情報信号と
    付加信号から、前記付加信号を除去するためのフィルタ
    手段とを備えたスペクトラム拡散受信機。
JP17359299A 1999-06-21 1999-06-21 スペクトラム拡散送信機およびスペクトラム拡散受信機 Pending JP2001007731A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006016414A1 (ja) * 2004-08-13 2006-02-16 Shearwater Kabushiki Kaisha 信号形成回路、信号形成方法及び電子機器
JP2015154390A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社東芝 無線通信装置

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WO2006016414A1 (ja) * 2004-08-13 2006-02-16 Shearwater Kabushiki Kaisha 信号形成回路、信号形成方法及び電子機器
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