JP2001003910A - 釘、およびこの釘を用いた接合構造と接合方法 - Google Patents

釘、およびこの釘を用いた接合構造と接合方法

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JP2001003910A
JP2001003910A JP11175668A JP17566899A JP2001003910A JP 2001003910 A JP2001003910 A JP 2001003910A JP 11175668 A JP11175668 A JP 11175668A JP 17566899 A JP17566899 A JP 17566899A JP 2001003910 A JP2001003910 A JP 2001003910A
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Masaaki Nojima
正明 野島
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Misawa Homes Co Ltd
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  • Dovetailed Work, And Nailing Machines And Stapling Machines For Wood (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材に確実に打ち込むことができ、作業効率
の向上を図ることができる釘と、この釘を用いた接合構
造と接合方法を提供する。 【解決手段】 下端部に形成された先鋭部12と、上端
部に形成された頭部13と、これら先鋭部12と頭部1
3との間の軸部14とからなる釘10において、上記軸
部14の下部の表面には、引抜抵抗を高めるため、周方
向に沿った環状の突条15、15…が複数設けられるこ
とにより凹凸が形成され、かつ、上記軸部14の凹凸が
形成された部分より上方の表面はほぼ平滑に形成されて
いる釘10と、この釘を用いた接合構造と接合方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材等を接合する
ための釘、この釘を用いた接合構造および接合方法に関
する。
【0002】
【背景の技術】一般に、木質系のプレハブ住宅等にあっ
ては、壁や床あるいは屋根等を、合板等からなる木製パ
ネルによって施工する手段が実施されている。このよう
な木製パネルとしては、例えば図8に示す構造のものが
ある。図8に示す木製パネルPは、縦横の框材1、2に
よって四角枠状に組まれた枠体3の内側に縦横の棧材
4、5を配して枠組6とし、さらに、これら棧材4、5
と框材1、2に囲まれた内部にグラスウール等の断熱材
(図示略)を充填するとともに、上記枠組6の表裏両面
もしくは片面(図においては両面)に、それぞれ合板か
らなる面材7、7を貼設したものである。
【0003】上記のような木質パネルPの枠組6を組み
立てる際、框材1,2や棧材4、5の接合のために釘が
用いられることがある。たとえば、図8の木質パネルP
では、框材1側から釘Kを打ち込むことで、框材1,2
は接合されている。従来、このような木質パネルの枠組
の組み立てに用いられる釘としては、たとえば、特開平
10−331820号公報に開示されているような、軸
部の多くの部分に螺旋状の突条が形成されているスクリ
ュー釘が挙げられる。他にも、軸部の多くの部分に周方
向に沿う環状の突条が形成された釘も用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
例示したような軸部の外周面のほとんどの部分に突条が
形成されて表面に凹凸を有する釘を、たとえば、自動釘
打ち機で上記枠組作製のために木材に打ち込んだ場合
に、釘全体が打ち込まれずに、頭部が枠組を形成する木
材から少し浮き上がった状態となることがあった。すな
わち、釘表面の凹凸は、釘の引き抜き抵抗を高めるため
に形成されるものであるが、釘の打ち込み時にも上記凹
凸が抵抗となり、このような問題を発生させていた。
【0005】さらに、このように枠組から釘の頭部が浮
いた状態であると、サイズを整えるために木質パネルの
周囲を切断装置で切断する際、切断刃が必ず釘ごと木材
を切り落とす状態になる。切断刃が釘を切断することに
よって、切断刃は損傷し、寿命が短くなり、頻繁に取り
替える必要が生じ、その結果、作業効率が低下する点も
問題であった。特に、釘が、一般的な鉄製であるときに
は、鋼製の切断刃の交換も頻繁に行わなければならなか
った。
【0006】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、木材に確実に打ち込むことができ、作業効率の向
上を図ることができる釘と、この釘を用いた接合構造と
接合方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、たとえば、図1に示すように、下端部に形成
された先鋭部12と、上端部に形成された頭部13と、
これら先鋭部12と頭部13との間の軸部14とからな
る釘10において、上記軸部14の下部の表面に引抜抵
抗を高めるための凹凸が形成され、かつ、上記軸部14
の凹凸が形成された部分より上方の表面はほぼ平滑に形
成されていることを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、釘10の軸部14の下
部表面に凹凸が形成され、その凹凸が形成された部分よ
り上方の表面はほぼ平滑に形成されているので、木材等
に打ち込む際の抵抗が小さくなり、釘10を頭部13ま
でほぼ完全に打ち込むことができる。したがって、木材
等に打ち込んだ際に釘の頭部が浮いた状態となることが
ほとんどなくなり、釘を打ち込んだ後にその木材等を切
断装置で切断する際にも、切断刃が釘を切断してしまう
回数を減らすことができ、切断刃のメンテナンスの回数
が減少し、作業の迅速化を図ることができる。また、釘
の引抜抵抗は、釘の軸部表面のほぼ全体に凹凸を設けた
場合と、軸部下部だけに凹凸を設けた場合とでは、ほと
んど差がなく、請求項1の釘により従来と同様の引抜抵
抗を確保することができる。
【0009】ここで、軸部の下部表面の凹凸は、釘の先
鋭部を円錐や角錐等の先細りした形状に加工する際に、
プレス加工により一緒に形成することができる。
【0010】本発明の請求項2記載の釘は、請求項1記
載の釘において、図1に示すように、軸部14の下部の
表面に周方向に沿った環状の突条15、15…が複数設
けられることにより凹凸が形成されていることを特徴と
する。
【0011】上記構成によれば、木材等に打ち込み後の
釘が何らかの要因で回転しても、ねじ溝状の凹凸が形成
されているスクリュー釘のように釘が前後に移動するよ
うなことはなく、釘10が抜ける方向に移動することが
ない。また、スクリュー釘のねじ溝構造に比較して、環
状の突条15、15…の方がプレス加工により形成しや
すい。
【0012】本発明の請求項3記載の釘は、請求項1ま
たは2記載の釘において、アルミニウムもしくはアルミ
ニウム合金から形成されていることを特徴とする。
【0013】上記構成のように、材質をアルミニウムも
しくはアルミニウム合金とすれば、一般的に鋼製の切断
刃より柔らかいので、釘を打ち込んだ後の木材等を切断
する際に切断刃が釘を切断してしまってもその損傷の程
度を低減することができ、切断刃を取り替える回数を減
らすことができ、切断作業の迅速化を図ることができ
る。
【0014】本発明の請求項4記載の接合構造は、互い
に接し合う被接合部材(框材1、2)が請求項1〜3の
いずれか記載の釘10によって接合された、たとえば図
7に示す接合構造であって、一方の被接合部材(框材
1)から他方の被接合部材(框材2)まで釘10が挿入
された状態であり、かつ、軸部14の下部の凹凸を有す
る部分が他方の被接合部材(框材2)内にあることを特
徴とする。
【0015】上記接合構造によれば、一方の被接合部材
(框材1)を通過して他方の被接合部材(框材2)に至
った釘10の軸部14表面の凹凸が形成されている部分
が他方の被接合部材(框材2)内にあるので、釘10の
軸部14の下部にだけ凹凸を設けるものとしても、他方
の被接合部材(框材2)に対する釘10の引抜抵抗は、
軸部のほとんどの部分に凹凸を形成した釘と全く変わら
ず、二つの被接合部材(框材1、2)同士は十分な強度
で接合される。
【0016】本発明の請求項5記載の接合方法は、たと
えば図6に示すように、請求項1〜3のいずれかに記載
の釘10を用いた接合方法であって、互いに接合すべき
二つの被接合部材(框材1、2)のうちの一方の被接合
部材(框材1)から他方の被接合部材(框材2)に向か
って釘10を衝撃を与えることなく圧入することにより
被接合部材(框材1、2)同士を接合することを特徴と
する。
【0017】上記構成によれば、釘をハンマで瞬間的に
打つように衝撃力を伴って打ち込むのではなく、たとえ
ば、図6に示すようなエアシリンダ91等を利用して圧
入し、しかも請求項1〜3記載の打ち込み時の抵抗が小
さい釘10を使用するので、釘10の頭部まで被接合部
材に対して十分に打ち込むことができる。したがって、
木材等に打ち込んだ際に釘の頭部が浮いた状態となるこ
とがほとんどなくなり、釘を打ち込んだ後の木材等を切
断する際にも、切断刃が釘を切断してしまう回数を減ら
すことができ、切断刃のメンテナンスの回数が減少し、
切断作業の迅速化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1には、この発
明の一例として釘10を示す。図1に示すように、釘1
0は、先端に向かって細く尖るように形成された下端部
の先鋭部12と、上端部に形成された頭部13と、これ
らの間の軸部14とからなる。軸部14の下部表面に
は、周方向に沿った環状の突条15、15、15…が複
数設けられ、これにより下部表面には凹凸が形成されて
いる。また、軸部14の突条15、15…が設けられて
いる部分より上方の表面は、ほぼ平滑に形成されてい
る。この釘10は、アルミニウム製で、プレス加工によ
り製造される。また、釘10は、ハンマーや釘打ち機を
用いて、たとえば、木材同士の接合に好適に使用され
る。
【0019】上記釘10について、引き抜き試験を行っ
た。図2には試験片を固定する固定装置17を示し、該
固定装置17は、クランプ治具18と引張り治具19と
からなる。引張り治具19の上端は、図示しない引っ張
り試験機に接続され、引張り治具19は、この引っ張り
試験機によって所定の荷重で上方に引っ張られるように
なっている。試験は次のように行われる。まず、クラン
プ治具18に木材Wを挟み込んで固定し、この木材Wに
釘10をハンマー等で打ち込む。釘10の頭部13を引
張り治具19に係合させて、この状態で前記引張り試験
機により引張り治具19を上方に引っ張り上げて、釘1
0が木材Wから抜けたときの最大荷重を求めた。6本の
釘10について、同じ試験を行い、平均値、標準偏差を
求めた。また、比較例として、従来用いられていた釘の
ように、軸部のほぼ全体に周方向に沿う環状の突条を設
けた以外は、釘10と全く同様である釘100(図3)
について、同様の試験を行った。これらの試験結果を図
4にまとめて示した。
【0020】図4より、本発明の釘10と、比較例の釘
100の引張り試験で示した最大荷重はほとんど変わら
ず、両者の引抜抵抗は同程度であることが分かった。
【0021】以上の釘10によれば、釘10の軸部14
の下部の表面に突条15…により凹凸を形成し、その凹
凸が形成されている部分より上方をほぼ平滑に形成して
いるので、木材等に打ち込む際の抵抗が小さくなり、釘
10を頭部13までほぼ完全に打ち込むことができる。
したがって、木材等に打ち込んだ際に釘10の頭部13
が浮いた状態となることがほとんどなくなり、釘10を
打ち込んだ後にその木材等を切断する際に、切断刃が釘
を切断してしまう回数を減らすことができ、切断刃のメ
ンテナンスの回数が減少し、切断作業の迅速化を図るこ
とができる。また、図4の表からも分かるように、釘1
0の引抜抵抗は、軸部の表面のほぼ全体に凹凸を設けた
釘100と比較して、ほとんど差がなく、軸部14の下
部の表面だけに凹凸を形成した釘10であっても、十分
な引抜抵抗を確保することができる。
【0022】次に、上記釘10を用いた本発明の接合方
法と接合構造について説明する。図5は、本発明の接合
方法に用いられる釘打ち機90を示す側断面図である。
【0023】釘打ち機90は、基台部101上に取り付
けられている移動板102に載置固定されているもので
あり、エアシリンダ91と、該エアシリンダ91により
釘打ち方向に駆動され、衝撃を与えることなく框材に釘
を圧入する圧入部92とを有している。なお、図5中、
右方向が釘打ち方向である。
【0024】エアシリンダ91は移動板102の上面に
固定され、圧入部92を釘打ち方向に駆動するものであ
る。圧入部92は、ピストンロッド95と、ロッド接続
部材97と、押し出しロッド96,96と、釘打ち先端
部93とからなる。ピストンロッド95は、エアシリン
ダ91により図5の左右方向に往復移動するもので、ほ
ぼ一定の速度で釘打ち方向に前進するようになってい
る。また、ピストンロッド95の先端部は、ロッド接続
部材97に填め込まれている。
【0025】ロッド接続部材97は、その後端部にピス
トンロッド95が填め込まれ、一方、前端部に押し出し
ロッド96、96が取り付けられる部材である。ロッド
接続部材97の下部には、エアシリンダ91と釘打ち先
端部93との間に設けられたガイドレール98に摺動可
能に嵌合されたスライド部材97aが設けられており、
ロッド接続部材97は、ピストンロッド95の移動に伴
ってスライド部材97aがガイドレール98に沿いつつ
移動するようになっている。押し出しロッド96、96
は、ロッド接続部材97の移動により左右に移動し、そ
の先端部96b、96bは釘打ち先端部93の排出口9
3c、93cの後部に挿入されている。釘打ち先端部9
3は、釘が供給される釘投入孔93aと、釘を排出する
排出口93c,93cを有し、排出口93c,93cの
後部から挿入されている押し出しロッド96,96の先
端部96b,96bが釘を押圧することにより排出口9
3c、93cの前部から釘を2本が押し出すように構成
されている。
【0026】移動板102の下面には、釘打ち方向に延
在するように基台部101上に形成された2本のレール
170,170に嵌合し、該レール170,170に沿
って摺動するスライド部材171,171と、これら2
本のレール170,170間に形成されたスリット17
2に内嵌されて移動する移動片173の上端部が接合さ
れている。なお、移動板102下面に設けられるスライ
ド部材171は、該移動板102下面の四隅に取り付け
られ、2つずつ同一のレール170に沿って摺動するよ
うになっている。
【0027】移動片173は、基台部101の下方に配
置されたエアシリンダ174により駆動されるピストン
ロッド175の先端部175aに固定されているもので
あり、ピストンロッド175の移動に伴いスリット17
2に沿って移動する。移動片173の移動にともない、
移動板102とともに移動板102上の釘打ち機90も
移動するようになっている。
【0028】上記釘打ち機90により、被接合部材とし
て図8に示した木製パネルPの框材1と框材2とを、本
発明の釘10を介して、接合する手順を図6を用いて説
明する。図6は框材に釘を圧入する際の釘打ち機の概略
側断面図であり、(a)は釘打ち機の先端部が框材に当
接した状態を示す図であり、(b)は釘を圧入する前の
状態を示す図、(c)は釘を圧入した状態を示す図であ
る。
【0029】まず、仮組みされた状態の枠組6が圧入部
92の右側の所定の箇所に固定される。また、釘打ち先
端部92内にはすでに本発明の釘10、10がセッティ
ングされている。次に、エアシリンダ174により、作
動片173を介して、移動板102を図6の右方向に駆
動し、釘打ち先端部93を框材1の側端面に当接させる
(図6(a))。そして、図6(b)に示すように、エ
アシリンダ91により、ピストンロッド95を一定の速
度で釘打ち方向に駆動すると、ガイドレール98に沿っ
てロッド接続部材97および押し出しロッド96,96
が移動し、該押し出しロッド96の先端部96b,96
bがそれぞれ、釘打ち先端部93内の釘10、10を釘
打ち方向に押圧していく。
【0030】押し出しロッド96,96により押圧され
た釘10、10は釘打ち先端部93の先端から、2本押
し出されて、一定の速度で框材1に圧入される。釘10
は、框材1から框材2に向かって押し込まれる。これに
より、図6(c)に示すように、釘10、10によって
框材1と框材2は接合される。ここでピストンロッド9
5が前進する際の押し出しロッド96,96の先端位置
は、框材1に対して一定の位置に調節されており、それ
により釘10、10は框材1の側端面に対して一定の深
さまで押し込まれるようになっている。例えば、框材1
に圧入される釘の深さは、該釘10の頭部3の上面と框
材1の側端面との間の長さが5mmとなるように設定さ
れている。
【0031】上記の本発明の接合方法によれば、釘をハ
ンマで瞬間的に打つように衝撃力を伴って打つ込むので
はなく、エアシリンダ91を利用して一定の速度で圧入
し、しかも軸部14の下部にのみ凹凸が形成された打ち
込み時の抵抗が小さい釘10を使用するので、釘10を
框材1に対して頭部13まで十分に打ち込むことができ
る。したがって、釘10の頭部13が浮いた状態となる
ことがほとんどなくなり、釘10を打ち込んだ後の木質
パネルPを切断装置で切断する際にも、切断刃が釘10
を切断してしまう回数を減らすことができ、切断刃のメ
ンテナンスの回数が減少し、切断作業の迅速化を図るこ
とができる。
【0032】また、上記接合方法により、図7に示す本
発明の接合構造の状態で框材1、2は接合される。図7
の接合構造は、互いに接し合う框材1、2が釘10によ
って接合された接合構造であって、框材1から框材2ま
で釘10が挿入された状態であり、かつ、軸部14の下
部の凹凸を有する部分が框材2内にあることを特徴とす
【0033】上記接合構造によれば、框材1を通過して
框材2に至った釘10の軸部14表面の凹凸が形成され
ている部分が框材2内にあるので、釘10の軸部14の
下部にだけ凹凸を設けるものとしても、框材2に対する
釘10の引抜抵抗は、軸部のほとんどの部分に凹凸を形
成した釘と全く変わらず、框材1と框材2同士は十分な
強度で接合される。
【0034】なお、上記実施の形態における釘10の環
状の突条が形成される長さの軸部に対する割合は、一例
であり、被接合部材である木材等の厚みや釘の径などに
より、適宜変更してよい。また、上記実施の形態では、
本発明の接合方法より、本発明の接合構造を得るように
したが、本発明の接合構造は、本発明の接合方法のみに
より得られるものではない。さらに、被接合部材として
は框材1や框材2に限らず、各種木製の住宅用建材等が
適用できる。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、釘の軸
部の下部表面に凹凸が形成され、その凹凸が形成された
部分より上方の表面はほぼ平滑に形成されているので、
木材等に打ち込む際の抵抗が小さくなり、釘を頭部まで
ほぼ完全に打ち込むことができる。したがって、木材等
に打ち込んだ際に釘の頭部が浮いた状態となることがほ
とんどなくなり、釘を打ち込んだ後にその木材等を切断
装置で切断する際にも、切断刃が釘を切断してしまう回
数を減らすことができ、切断刃のメンテナンスの回数が
減少し、作業の迅速化を図ることができる。また、釘の
引抜抵抗は、釘の軸部表面のほぼ全体に凹凸を設けた場
合と、軸部下部だけに凹凸を設けた場合とでは、ほとん
ど差がなく、請求項1の釘により従来と同様の引抜抵抗
を確保することができる。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、木材等に打ち込み後の釘
が何らかの要因で回転しても、ねじ溝状の凹凸が形成さ
れているスクリュー釘のように釘が前後に移動するよう
なことはなく、釘が抜ける方向に移動することがない。
また、スクリュー釘のねじ溝構造に比較して、環状の突
条の方がプレス加工により形成しやすい。
【0037】請求項3に記載の発明によれば、材質をア
ルミニウムもしくはアルミニウム合金とし鋼製の切断刃
より柔らかいので、釘を打ち込んだ後の木材等を切断す
る際に切断刃が釘を切断してしまってもその損傷の程度
を低減することができ、切断刃を取り替える回数を減ら
すことができ、切断作業の迅速化を図ることができる。
【0038】請求項4に記載の発明によれば、一方の被
接合部材を通過して他方の被接合部材に至った釘の軸部
表面の凹凸が形成されている部分が他方の被接合部材内
にあるので、釘の軸部の下部にだけ凹凸を設けるものと
しても、他方の被接合部材に対する釘の引抜抵抗は、軸
部のほとんどの部分に凹凸を形成した釘と全く変わら
ず、二つの被接合部材同士は十分な強度で接合される。
【0039】請求項5に記載の発明によれば、釘をハン
マで瞬間的に打つように衝撃力を伴って打ち込むのでは
なく、たとえば、エアシリンダ等を利用して圧入し、し
かも請求項1〜3記載の打ち込み時の抵抗が小さい釘を
使用するので、釘の頭部まで被接合部材に対して十分に
打ち込むことができる。したがって、木材等に打ち込ん
だ際に釘の頭部が浮いた状態となることがほとんどなく
なり、釘を打ち込んだ後の木材等を切断する際にも、切
断刃が釘を切断してしまう回数を減らすことができ、切
断刃のメンテナンスの回数が減少し、切断作業の迅速化
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釘の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の釘の引き抜き試験の様子を示す概略図
である。
【図3】引き抜き試験において用いた比較例の釘を示す
側面図である。
【図4】引き抜き試験の結果を示す図表である。
【図5】本発明の接合方法に用いられる釘打ち機を示す
側断面図である。
【図6】図5の釘打ち機により框材に釘を圧入する際の
概略側断面図であり、(a)は釘打ち機の先端部が框材
に当接した状態を示す図であり、(b)は釘を圧入する
前の状態を示す図、(c)は釘を圧入した状態を示す図
である。
【図7】本発明の接合構造を示す断面図である。
【図8】一般的な木製パネルを一部を切り欠いた状態で
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 框材(被接合部材) 2 框材(被接合部材) 10 釘 12 先鋭部 13 頭部 14 軸部 15 突条 90 釘打ち機

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端部に形成された先鋭部と、上端部に
    形成された頭部と、これら先鋭部と頭部との間の軸部と
    からなる釘において、 上記軸部の下部の表面に引抜抵抗を高めるための凹凸が
    形成され、かつ、上記軸部の凹凸が形成された部分より
    上方の表面はほぼ平滑に形成されていることを特徴とす
    る釘。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の釘において、 軸部の下部の表面に周方向に沿った環状の突条が複数設
    けられることにより凹凸が形成されていることを特徴と
    する釘。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の釘において、 アルミニウムもしくはアルミニウム合金から形成されて
    いることを特徴とする釘。
  4. 【請求項4】 互いに接し合う被接合部材が請求項1〜
    3のいずれか記載の釘によって接合された接合構造であ
    って、一方の被接合部材から他方の被接合部材まで釘が
    挿入された状態であり、かつ、軸部の下部の凹凸を有す
    る部分が他方の被接合部材内にあることを特徴とする接
    合構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の釘を用
    いた接合方法であって、 互いに接合すべき二つの被接合部材のうちの一方の被接
    合部材から他方の被接合部材に向かって釘を衝撃を与え
    ることなく圧入することにより被接合部材同士を接合す
    ることを特徴とする接合方法。
JP11175668A 1999-06-22 1999-06-22 釘、およびこの釘を用いた接合構造と接合方法 Pending JP2001003910A (ja)

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