JP2001003837A - 燃料サプライポンプ - Google Patents

燃料サプライポンプ

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JP2001003837A
JP2001003837A JP11172596A JP17259699A JP2001003837A JP 2001003837 A JP2001003837 A JP 2001003837A JP 11172596 A JP11172596 A JP 11172596A JP 17259699 A JP17259699 A JP 17259699A JP 2001003837 A JP2001003837 A JP 2001003837A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、プリストローク制御による燃料
圧送開始時に、ポンプ室への燃料を流入するインレット
バルブの閉弁動作を一時的に停止又は減速することによ
り、圧送燃料に生じる油撃を抑える燃料サプライポンプ
を提供する。 【解決手段】 燃料サプライポンプのプランジャ83の
リフト初期には、ポンプ室84内の燃料をフィード側の
燃料通路13aに戻して吐出路102に吐出される燃料
圧送量を制御するプリストローク制御が行われる。燃料
圧送開始時に、開閉弁96を閉弁させて、圧力制御室9
4内の背圧によりインレットバルブ88のリフトを一時
的に停止することにより、ポンプ室84内の燃料の一部
が燃料通路13aに戻し続けられので、プランジャ83
のリフトによる急激な燃料の圧力上昇が防止され、燃料
サプライポンプが大きな油撃を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料サプライポ
ンプに関し、詳細にはコモンレール式燃料噴射システム
において燃料をコモンレールに圧送する燃料サプライポ
ンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、エンジンの燃料噴射制御
に関して、噴射圧力の高圧化を図り、且つ燃料の噴射タ
イミング及び噴射量等の噴射条件をエンジンの運転状態
に応じて最適に制御する方法として、コモンレール式燃
料噴射システムが知られている。コモンレール式燃料噴
射システムは、ポンプによって所定圧力に加圧された燃
料噴射制御用の作動流体をコモンレールに内に蓄圧状態
に貯留し、作動流体圧力を利用して各気筒にそれぞれ配
置されたインジェクタを作動させて、インジェクタから
対応する燃焼室内に燃料を噴射するシステムである。燃
料が各インジェクタにおいてエンジンの運転状態に対し
て最適な噴射条件で噴射されるように、コントローラが
各インジェクタに設けられた制御弁の作動を制御してい
る。
【0003】コモンレールから燃料供給管を通じて各イ
ンジェクタの先端に形成された噴孔に至る燃料流路内に
は、常時、噴射圧力相当の燃料圧が作用しており、各イ
ンジェクタは燃料供給管を通じて供給される燃料を通過
又は遮断する制御を行うため開閉弁と当該開閉弁を開閉
駆動するための電磁アクチュエータを備えている。コン
トローラは、加圧燃料が各インジェクタにおいてエンジ
ンの運転状態に対して最適な噴射条件で噴射されるよう
に、コモンレールの圧力と各インジェクタの電磁アクチ
ュエータの作動とを制御している。また、作動流体とし
てエンジンオイルをコモンレールに貯留し、コモンレー
ルからインジェクタの圧力室に供給したオイル圧力でイ
ンジェクタ内の増圧室内に供給されている燃料を所定の
圧力まで増圧する型式のコモンレール式燃料噴射システ
ムも提案されている。
【0004】従来のコモンレール燃料噴射システムを図
5に基づいて説明する。燃料タンク7からフィードポン
プ6によって吸い上げられた燃料は、燃料サプライポン
プ1に送られる。燃料サプライポンプ1は、例えばエン
ジンによって駆動されるプランジャ式の可変容量式高圧
ポンプであり、燃料をコモンレール2に圧送する。供給
された燃料は蓄圧状態にコモンレール2に貯留され、コ
モンレール2からインジェクタ3に供給される。インジ
ェクタ3は、エンジンの型式に応じて通常、各気筒に対
応して複数個設けられており、コモンレール2から供給
された燃料を各対応する燃焼室内に噴射する。
【0005】燃料サプライポンプ1は、エンジンの出力
によって駆動されるポンプ駆動カム10と、ポンプ駆動
カム10に当接して往復動をするプランジャ11とを備
えており、プランジャ11の頂面がポンプ室12の壁面
の一部を形成している。フィードポンプ6が送り出した
燃料は燃料通路13を通じてポンプ室12に流入する。
ポンプ室12と燃料通路13との間にはインレットバル
ブ15が配設されており、燃料通路13を通じてポンプ
室12に流入する燃料量を制御している。ポンプ室12
の吐出側、即ち、ポンプ室12とコモンレール2との間
を繋ぐ燃料吐出路14には逆止弁17が設けられてい
る。
【0006】コモンレール2には、コモンレール圧力が
システム異常等に起因して異常上昇するのを防ぐため
に、常閉型のリリーフ弁20が備えられている。常閉型
のリリーフ弁20は、コモンレール圧力が所定の設定圧
力よりも高圧になると開弁して、コモンレール2内の燃
料を排出路21を通じて燃料タンク7へ放出し、コモン
レール2内の燃料圧を低下させる。コモンレール2に貯
留された燃料は、燃料供給管23を通じてインジェクタ
3に供給される。また、コモンレール2に設けられた圧
力センサ22が検出したコモンレール圧力Prは、エン
ジンの電子制御モジュール(ECM)であるコントロー
ラ8に入力される。
【0007】インジェクタ3は、図示が省略されたシリ
ンダヘッド等のベースに設けられた穴部にシール部材に
よって密封状態に取付けられる。インジェクタ3はイン
ジェクタ本体内を往復動可能な針弁31と、針弁31が
リフトしたときに開口して燃料を燃焼室(図示せず)に
噴射する噴孔32を備えている。針弁31の頂面33
は、燃料供給管23からの燃料圧が供給されるバランス
チャンバ30の壁面の一部を形成している。燃料供給管
23に接続する燃料通路34は、針弁31の周囲に形成
された燃料溜まり35に連通している。燃料溜まり35
に臨む針弁31の第1テーパ面36には(針弁31の開
弁時には、針弁31の先端に形成され且つインジェクタ
本体のテーパ状弁シートと着座して噴孔32を開閉する
第2テーパ面37にも)燃料圧力が作用して、針弁31
にリフト力を与える。一方、針弁31には、バランスチ
ャンバ30内の燃料圧力に基づく押し下げ力と、リター
ンスプリング(図示せず)の戻し力とが作用する。リフ
ト力、押し下げ力及び戻し力のバランスによって針弁3
1のリフトが制御される。
【0008】コモンレール2内の高圧燃料は、燃料流路
の一部を構成する燃料供給管23、燃料供給管23から
分岐した供給路38を通じてバランスチャンバ30に供
給される。供給路38には、オリフィス39が設けられ
ている。バランスチャンバ30内の燃料圧を制御するた
め、バランスチャンバ30には排出路40が設けられて
いる。排出路40にもオリフィス41が設けられてお
り、オリフィス41の有効通路断面積はオリフィス39
の有効通路断面積よりも大となるように設定されてい
る。また、排出路40には、排出路40を燃料戻し管4
6に開放するための開閉弁44が設けられている。
【0009】排出路40に設けられている開閉弁44を
コントローラ8からの制御電流の供給を受けて作動する
電磁ソレノイド45の制御によって開弁させると、オリ
フィス39はオリフィス41よりも燃料の流れをより強
く制限するので、バランスチャンバ30内の燃料圧が低
下する。針弁31を持ち上げるリフト力が、バランスチ
ャンバ30内の燃料圧に基づく押下げ力及びリターンス
プリングのばね力との合力を上回ると、針弁31がリフ
トする。針弁31がリフトすると噴孔32が開口するの
で、コモンレール2から燃料供給管23及び燃料通路3
4を通じてインジェクタ3に導かれた燃料は、針弁31
の周囲の通路を通じてノズルの先端に形成された噴孔3
2から燃焼室(図示せず)内へと噴射される。バランス
チャンバ30から排出路40を通じて流出し燃焼室内へ
の噴射に費やされなかった燃料は、燃料戻り管46を経
て燃料タンク7に回収される。
【0010】コントローラ8には、エンジン回転数Ne
を検出するエンジン回転数センサ、アクセルペダルの踏
込み量Acを検出するためのアクセル踏込み量センサ等
の各種センサ9からの検出信号が入力される。コントロ
ーラ8には、コモンレール圧力センサ22が検出したコ
モンレール圧力Prが入力される。その他、コントロー
ラ8への入力信号としては、冷却水温センサ、エンジン
気筒判別センサ、上死点検出センサ、大気温度センサ、
大気圧センサ、吸気管内圧力センサ等のエンジンの運転
状態を検出するための各種センサからの信号がある。
【0011】コントローラ8は、上記各センサ9からの
検出信号と予め求められている噴射特性マップとに基づ
いて設定された目標噴射特性に従って、開閉弁44を開
閉制御して針弁31をリフト制御する。目標噴射特性
は、エンジン出力がエンジンの運転状態に即した最適出
力になるように、インジェクタ3による燃料の噴射条
件、即ち、燃料の噴射タイミング及び噴射量を定めるも
のである。バランスチャンバ30内の燃料圧力を解放す
るための開閉弁44の開閉制御は、電磁ソレノイド45
によって行なわれ、燃料噴射の時期及び量は、噴射圧
(コモンレール圧力に略等しい)と針弁31のリフト
(リフト量、リフト期間)とによって定められる。コン
トローラ8が出力したコマンドパルスに基づいて決定さ
れた駆動電流が電磁ソレノイド45に送られて、針弁3
1のリフトが制御される。
【0012】例えば、インジェクタ1の燃料噴射量とコ
ントローラ8が出力するコマンドパルスのパルス幅との
関係が、コモンレール圧力Pr(コモンレール2内の燃
料圧力)をパラメータとしたマップによって定められて
いる。燃料噴射は、コマンドパルスの立ち下がり時刻と
立ち上がり時刻に対して一定時間遅れて開始又は停止さ
れるので、コマンドパルスがオン又はオフとなる時期を
制御することによって、噴射タイミングを制御すること
が可能である。基本噴射量とエンジン回転数との間に
は、アクセルペダル踏込み量Acをパラメータとして一
定の関係が基本噴射量特性マップとして予め与えられて
おり、燃焼サイクル毎の燃料噴射量は、エンジンの運転
状態に応じて基本噴射量特性マップから計算によって求
められる。図示の例では、インジェクタ3は1つのみ示
されているが、エンジンは4気筒、6気筒のように多気
筒エンジンであり、コントローラ8は各気筒に対応して
配置されているインジェクタ3毎に燃料噴射制御を行
う。
【0013】インジェクタ3から噴射される燃料の噴射
圧力はコモンレール2に貯留されている燃料の圧力に略
等しいので、噴射圧力を制御するにはコモンレール圧力
Prを制御すればよい。インジェクタ3が燃料を噴射し
てコモンレール2内の燃料が消費されることによりコモ
ンレール圧力Prは低下するが、コントローラ8は、燃
料サプライポンプ1の圧送量を制御することによりコモ
ンレール2の圧力を制御する。即ち、コモンレール圧力
Prは、燃料サプライポンプ1の圧送量によって、エン
ジンの運転状態が一定であればその状態に対応した一定
圧力を保持するように、又はエンジンの運転状態が変更
されれば、その変更に対応してエンジンの運転状態に最
適となるように増圧又は減圧方向に制御される。
【0014】コモンレール2の圧力の制御は、エンジン
の運転状態に応じて目標コモンレール圧力を決定し、こ
の目標コモンレール圧力と圧力センサ22によって検出
された実際のコモンレール圧力Prとの偏差をなくすよ
うに、燃料サプライポンプ1の圧送量、即ち、1回のプ
ランジャのリフトに伴う圧送量をフィードバック制御す
ることによって行われる。
【0015】図5に示すコモンレール式燃料噴射システ
ムでは、燃料サプライポンプ1の圧送量を制御する方法
の一つとして、プランジャ11が圧送付行程中にあると
きにインレットバルブ15を閉じればポンプ室12内に
吸入された燃料は吐出側に圧送されるが、インレットバ
ルブ15を開いておくとポンプ室12内の燃料は燃料通
路13を通じて戻ることを利用して、燃料通路13のイ
ンレットバルブ15の弁作動時期を制御するプリストロ
ーク制御が知られている。インレットバルブ15は、コ
ントローラ8からの制御電流によって電磁ソレノイド1
6を励磁することで、燃料ポンプ1の圧送量を制御す
る。即ち、プランジャ11の上昇行程中に電磁ソレノイ
ド16へ通電してインレットバルブ15を開弁させる
と、その作動期間中は、プランジャ11により加圧され
る燃料は、インレットバルブ15を通じて燃料通路13
に戻され、燃料吐出路14に圧送されることはない。イ
ンレットバルブ15を閉じた時からプランジャ11の上
死点到達時点までの期間が燃料圧送期間となる。この圧
送期間、即ち、インレットバルブ15の閉弁期間を制御
することで、燃料サプライポンプ1の圧送量を制御する
ことができ、燃料サプライポンプ1の圧送量によってコ
モンレール圧力Pr、即ち、噴射圧力を制御することが
できる。尚、燃料通路13での燃料圧(フィード圧)
は、リリーフ弁18により上限が制限されているので、
フィードポンプ6が送る余剰の燃料はリリーフ弁18及
び戻し管19を通じて燃料タンク7に戻される。
【0016】ところで、コモンレール式燃料噴射システ
ムに用いられる燃料サプライポンプにおいては、燃料の
急激な圧送が行われると、エンジンの振動や騒音の原因
となる。インレットバルブ15を用いた燃料圧送量のプ
リストローク制御をする燃料サプライポンプ1において
は、インレットバルブ15がポンプ室12と燃料通路1
3との間の連通を遮断した時からプランジャ11のリフ
トに伴って燃料圧送が開始されるが、燃料圧送開始時に
プランジャ11のリフトによってポンプ室12内の燃料
の急な圧送開始と共にポンプ室12内の燃料圧力が急上
昇し、この燃料圧力の急上昇を原因とする衝撃(油撃)
が発生する。この衝撃により、燃料サプライポンプ1に
振動や騒音が発生する。また、シリンダヘッド上におい
て燃料サプライポンプ1とコモンレール2、及びコモン
レール2とインジェクタ3がそれぞれ直結されるエンジ
ンにおいては、燃料サプライポンプ1に生じた振動は、
コモンレール2及びインジェクタ3に伝達されてエンジ
ンの騒音をより大きくしているという問題がある。更
に、コモンレール圧力の変動が大きくなり、コモンレー
ル圧力の検出値に基づいて行われる燃料噴射制御にも影
響が出る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】プランジャのリフト
は、急排気弁駆動用のカムが設けられたカム軸の回転に
伴って回転するポンプ駆動カムのカム作用によるもので
あり、設計段階で決定されることである。そこで、燃料
圧送開始時にポンプ室内に生じる燃料圧力の急上昇を緩
和させることができれば、燃料サプライポンプ自体、及
び燃料サプライポンプと直結されるコモンレールやイン
ジェクタ等の振動を抑制してエンジンの振動や騒音をよ
り低減させることが可能となる点で解決すべき課題があ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、ポン
プ駆動カムの駆動によって往復動されるプランジャによ
りポンプ室内の燃料を圧送する燃料サプライポンプにお
いて、プランジャによるポンプ室内での燃料圧力の急上
昇に伴って発生する騒音や振動を抑制した燃料サプライ
ポンプを提供することである。
【0019】この発明は、ポンプ本体内に形成されたポ
ンプシリンダ、前記ポンプシリンダ内を往復動するプラ
ンジャ、ポンプ駆動軸に設けられ且つ前記プランジャを
押圧して前記ポンプシリンダと前記プランジャとで形成
されるポンプ室内の燃料を圧送するポンプ駆動カム、前
記ポンプ室内に燃料を供給するため前記ポンプ本体内に
形成された燃料通路、前記ポンプ室と前記燃料通路とを
連通又は遮断するインレットバルブ、及び前記プランジ
ャが圧送行程にあるときに前記インレットバルブを所定
のタイミングで閉弁して前記ポンプ室内に吸入されてい
る燃料の前記燃料通路への戻し量を調整することにより
前記ポンプ室からの燃料圧送量のプリストローク制御を
行うコントローラを具備し、前記コントローラは、前記
ポンプ室から圧送される燃料圧力を軽減するため、前記
プリストローク制御を行う際の前記インレットバルブの
閉弁動作をその途中において一時的に停止又は減速させ
ることから成る燃料サプライポンプに関する。
【0020】この発明による燃料サプライポンプによれ
ば、インレットバルブがプランジャが圧送行程にあると
きに所定のタイミングで閉弁され、閉弁までの期間では
ポンプ室内に吸入されている燃料はその一部を吸入側に
戻し、閉弁後から圧送上死点前のプランジャの圧送行程
で燃料を吐出側に圧送することにより、ポンプ室内に吸
入されている燃料の燃料通路に戻し量を調整するプリス
トローク制御が行われる。プリストローク制御を行う際
のインレットバルブの閉弁動作をその途中において一時
的に停止又は減速させるので、インレットバルブは完全
に閉弁せず、燃料は開いている隙間を通じてフィード側
の燃料通路の戻ることができる。したがって、燃料圧送
が開始されたときに、プランジャのリフトによって減少
するポンプ室内の容積に相当する燃料のすべてを吐出側
に圧送しないので、燃料の圧送と同時に生じていた燃料
圧力の急上昇が緩和され、燃料サプライポンプの振動が
抑制されると共に、コモンレール圧力が過大になるのも
軽減される。
【0021】この燃料サプライポンプにおいては、前記
コントローラは、前記プランジャのリフト速度が最も速
い時期を含む期間に渡って、前記インレットバルブの閉
弁動作を一時的に停止又は減速させるように制御するの
が好ましい。プランジャのリフト速度が最も速い時期
は、燃料の時間(カム軸回転角度)当たりの燃料圧送量
が最も大きくなり、燃料吐出圧力も最も高くなる時期で
ある。この時期にインレットバルブの閉弁動作を一時的
に停止又は減速させることによって、急激な燃料吐出圧
力の上昇が効果的に軽減される。
【0022】前記コントローラは、前記ポンプ室からの
燃料圧送量を確保するため、前記インレットバルブの閉
弁動作を一時的に停止又は減速させる期間に応じて、前
記プランジャによる燃料圧送期間を長く設定する。イン
レットバルブの閉弁動作を一時的に停止又は減速させる
と、その停止期間又は減速程度及び期間に応じて、燃料
圧送量が減少する。エンジンの運転状態に応じて必要な
燃料噴射量が求められているので、必要な燃料噴射量を
確保するため、インレットバルブの閉弁動作を一時的に
停止又は減速させる期間に応じて、プランジャによる燃
料圧送期間が長く設定される。
【0023】前記インレットバルブの弁本体と前記弁本
体が嵌入する弁シリンダとで圧力制御室が形成されてお
り、前記圧力制御室と前記燃料通路とを連通又は遮断す
る開閉弁が設けられており、前記開閉弁の開弁作動によ
って前記圧力制御室と前記燃料通路とを連通することに
より前記インレットバルブの昇降を許容すると共に、前
記開閉弁の閉弁作動によって前記圧力制御室と前記燃料
通路とを遮断して前記インレットバルブの昇降を阻止
し、前記コントローラは、前記プリストローク制御を行
う際に前記圧力制御室と前記燃料通路とを遮断すること
により前記インレットバルブの閉弁動作を一時的に停止
させる。インレットバルブの開閉は、開閉弁によってイ
ンレットバルブの背圧を制御することによって制御され
るので、インレットバルブを開閉させる構造が簡単にな
る。
【0024】前記燃料サプライポンプは、前記燃料サプ
ライポンプから圧送された燃料を蓄圧状態に貯留するコ
モンレール、エンジンの各気筒に対応してそれぞれ設け
られ且つ前記コモンレールから供給される燃料を前記各
気筒の燃焼室内に噴射するインジェクタ、及びエンジン
の運転状態を検出する検出手段を具備し、前記コントロ
ーラが前記検出手段からの検出信号に基づいて前記イン
ジェクタから噴射すべき燃料の噴射条件を求めると共に
前記噴射条件に従って前記コモンレール内の燃料圧力と
前記インジェクタからの燃料噴射とを制御するコモンレ
ール式燃料噴射システムに適用される。コモンレール式
燃料噴射システムでは、コモンレール圧力の正確な検出
と目標圧力への正確な制御が求められ、この燃料サプラ
イポンプを適用すると、燃料の圧力を乱す大きな油撃の
発生がなく、コモンレール圧力を正確に検出し且つその
検出値に基づいてコモンレール圧力を正確に制御するこ
とが可能になる。
【0025】コモンレール式燃料噴射システムにおい
て、前記燃料サプライポンプ、前記コモンレール及び前
記インジェクタを前記エンジンのシリンダヘッドに取り
付けると共に、前記コモンレールに対して前記燃料サプ
ライポンプと前記インジェクタとを直結して燃料噴射系
統のレイアウト等を簡素に構成することがある。燃料サ
プライポンプをコモンレールに直結すると、燃料サプラ
イポンプに発生する油撃がコモンレールに直接に伝達さ
れてコモンレール圧力の正確な検出の妨げになると共
に、コモンレールを介してインジェクタにも振動が伝達
される。また、燃料サプライポンプがコモンレールと共
鳴すると、振動や騒音が大きくなることもある。この発
明による燃料サプライポンプでは油撃の発生が抑えられ
るので、この燃料サプライポンプが適用されるコモンレ
ール式燃料噴射システムが、燃料サプライポンプとイン
ジェクタとをコモンレールに対して直結する型式のコモ
ンレール式燃料噴射システムであっても、コモンレール
やインジェクタに大きな振動や騒音が生じることが防止
される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による燃料サプライポンプの実施例を説明する。図1
は、この発明による燃料サプライポンプにおけるプラン
ジャリフトに応じたインレットバルブのリフトのための
制御信号、その制御信号に応じて制御されるインレット
バルブのリフト量、及び燃料サプライポンプによる燃料
圧送率の時間(カム軸回転角度)変化の一例を示すグラ
フ、図2はこの発明による燃料サプライポンプが適用さ
れるシリンダヘッドの上部構造を示す分解斜視図、図3
はこの発明による燃料サプライポンプの一実施例を示す
断面図、及び図4は図3に示す燃料サプライポンプのイ
ンレットバルブを含む一部を拡大して示す断面図であ
る。燃料サプライポンプが適用されるコモンレール式燃
料噴射システムそれ自体は、燃料サプライポンプの具体
的構成を除いて、図5に示すシステムを採用することが
できる。したがって、本発明による燃料サプライポンプ
が適用されるコモンレール式燃料噴射システムについて
の再度の説明は省略する。コモンレール式燃料噴射シス
テムに適用されるインジェクタについても同様である。
【0027】図2を参照すると、この発明における燃料
サプライポンプ80は、コモンレール50及びインジェ
クタ60と共にそれぞれシリンダヘッド70上に取り付
けられる。また、燃料サプライポンプ80とコモンレー
ル50とは燃料管によって接続されておらず,燃料サプ
ライポンプ80にはコモンレール50が直結されてお
り、燃料サプライポンプ80から圧送された高圧燃料は
コモンレール50に直接に供給される。コモンレール5
0には、更にインジェクタ60がインジェクタアーム6
1を介して直結されている。コモンレール50は、イン
ジェクタ60の列に沿ってエンジンの前後方向に延びて
おり、アーム51を介してシリンダヘッド70上に取り
付けられる。なお、インジェクタ60は、バランスチャ
ンバ30(図5参照)内の燃料圧力を解放するため、積
層された圧電素子のタイプの電磁アクチュエータ62を
備えている。
【0028】シリンダヘッド70(或いはその上部構
造)には、複数の弁駆動カム73,74をそれぞれ一体
的に形成されたカム軸71,72がブラケット75によ
って回転自在に保持されている。弁駆動カム73,74
は、エンジンの燃焼室に開口する吸気ポート及び排気ポ
ートとを開閉するための吸排気弁を駆動する。各インジ
ェクタ60は、4つの弁駆動カム73,74で囲まれた
スペースに上方より挿入され、シリンダヘッド70に設
けた穴部(図示せず。)にシール部材を介して密封状態
に取り付けることにより、エンジンに組み付けられる。
燃料サプライポンプ80は、ポンプ本体81から突出す
る固定部81aにおいてシリンダヘッド70のブラケッ
ト76に固定されている。
【0029】エンジンの出力軸からの回転力は、 入力端
部77aからカム軸71に入力され、カム軸71に一体
的に設けられたポンプ駆動カム77を回転させる。図3
に示された燃料サプライポンプ80を参照すると、回転
するポンプ駆動カム77のカム作用によって、燃料サプ
ライポンプ80のプランジャ83がポンプ本体81に形
成されているポンプシリンダ82内を往復動する。プラ
ンジャ83とポンプ本体81との間には圧縮ばね85が
配設されており、プランジャ83は、圧縮ばね85の作
用により常にポンプ駆動カム77のカム面に追従して移
動する。ポンプシリンダ82とプランジャ83との間に
は、燃料を吸入し且つ圧送するポンプ室84が形成され
ている。プランジャ83は、実線で示すポンプシリンダ
82から最も突出した下死点Aと、想像線で示すポンプ
シリンダ82に最も入り込んだ上死点Bとの間を往復動
する。プランジャ83が下死点Aを占めるときポンプ室
84の容積は最大となり、プランジャ83が上死点Bを
占めるときポンプ室84の容積は最小となる。ポンプ駆
動カム77のカムプロフィールは、カム軸71の1回転
に対して1つのカム山を有するものとして描かれている
が、これに限らず、2つのカム山を有するカムプロフィ
ールを備えていても構わない。
【0030】燃料サプライポンプ80の一部を拡大した
図4に示すように、フィードポンプ6(図5参照)から
燃料通路13を通じて燃料サプライポンプ80に供給さ
れた燃料は、ポンプ本体81内の燃料通路13aを経
て、ポンプ本体81の上部に形成されている連絡室86
に至る。ポンプ室84と連絡室86との間には燃料通路
の一部を構成する連絡通路87が形成されており、連絡
室86とポンプ室84とは、インレットバルブ88によ
って連通・遮断可能に接続されている。インレットバル
ブ88は、連絡通路87内の隙間を持って延びる弁ステ
ム89、弁ステム89のポンプ室84側に配置される弁
ヘッド90、及び弁ステム89及び弁ヘッド90を開弁
方向に付勢するばね91から成る。なお、燃料通路13
と、プランジャ83の周囲を漏洩した燃料が溜まる低圧
室103との間には、低圧室103から燃料通路13に
燃料を戻す逆止弁13bが配設されている。なお、図3
ではインレットバルブ88は開弁状態にあるが、図4で
はインレットバルブ88は閉弁状態にある。
【0031】弁ステム89の弁本体92は、ポンプ本体
81の頂面に取り付けられるアダプタ93に形成されて
いる弁シリンダ92aに嵌入して圧力制御室94を形成
している。圧力制御室94には、燃料の一部が燃料通路
13aからアダプタ93に形成されている燃料通路10
0,95を通じて導入されている。圧力制御室94と燃
料通路100,95とは、開閉弁96によって連通又は
遮断される。プランジャ83の圧送行程において通路9
5が開閉弁96によって閉じられている場合、インレッ
トバルブ88がポンプ室84の圧力によってリフトしよ
うとしても、圧力制御室94内の燃料は通路95を通じ
て排出されないので、インレットバルブ88のリフトは
阻止される。開閉弁96が開作動されて通路95が開放
されるとき、圧力制御室94内の燃料は排出可能とな
り、インレットバルブ88はポンプ室84の圧力によっ
てリフト可能となる。したがって、プランジャ83の圧
送行程において開閉弁96の開閉に応じて、圧力制御室
94内の燃料圧力は保持又は解放され、インレットバル
ブ88の閉弁動作、即ち、ポンプ室84と連絡室86と
の連絡通路87を通じた連通又は遮断の制御が可能であ
る。開閉弁96は、連絡通路87の出口を開閉可能な弁
体97、弁体97を閉弁方向に駆動するソレノイド9
8、及び弁体97を開弁方向に付勢するばね99から構
成されている。
【0032】開閉弁96を開弁状態にした状態で、プラ
ンジャ83が吸入行程にあるときには、ポンプ室84が
負圧となり、インレットバルブ88が開弁して連絡室8
6から連絡通路87を通じてポンプ室84に燃料が流入
する。プランジャ83が圧送行程にあるときには、ポン
プ室84内の燃料が昇圧されるので、インレットバルブ
88の弁ヘッド90が連絡通路87の入口に形成されて
いる弁シート87aに着座してインレットバルブ88が
閉じようとする。
【0033】プランジャ83の圧送行程の初期に開閉弁
96を閉じてインレットバルブ88を開弁状態にし、そ
の後に、所定のタイミングで開閉弁96を開いて圧力制
御室94を通路95,100を通じてフィード側に連通
し、圧力制御室94内の燃料を押出し可能とすることに
よりインレットバルブ88がリフト可能となる。ポンプ
室84内の高い燃料圧力に基づくリフト力によって、イ
ンレットバルブ88はリフトして閉弁状態になる。この
ように、インレットバルブ88が閉弁するまでの期間、
プランジャ83のリフトに伴って減少した容積に相当す
るポンプ室84内の燃料は連絡通路87を通じて流入側
に戻し、閉弁以後にプランジャ83がリフトするに伴っ
て圧送上死点に至るまでの間、ポンプ室84に残ってい
る量の燃料の圧送を行うという、燃料圧送量のプリスト
ローク制御が可能となる。ポンプ室84内で昇圧された
燃料は、吐出側に設けられている逆止弁101を開弁さ
せて吐出路102を通じてコモンレール50(図2参
照)に圧送される。
【0034】図1には、(a)に燃料サプライポンプ8
0におけるプランジャ83のリフト量Lp、(b)にイ
ンレットバルブ88のリフトを制御するための制御信号
Sc、(c)に制御信号Scに応じて制御されるインレ
ットバルブ88のリフト量Li、及び(d)に燃料サプ
ライポンプ80によって圧送される燃料圧送率qP が示
されている。図1の横軸は、時間又はポンプ駆動カム7
7が設けられているカム軸71の回転角度である。プラ
ンジャ83のリフト量Lpの変化は、ポンプ駆動カム7
7のカム作用により、図1(a)に示されているよう
に、正弦状に変化する。プランジャ83が上死点TDC
から下死点BDCに至るまでの吸込み行程においては、
その前半の期間で開閉弁96への制御信号Scはオフと
なっており、ソレノイド98の励磁が行われないので、
常開弁である開閉弁96はばね99の作用により開弁し
ている。したがって、プランジャ83の吸込み作用によ
って圧力制御室94内には燃料が流入・流出可能であ
り、インレットバルブ88は開弁して、燃料が連絡室8
6から連絡通路87を通じてポンプ室84に流入する。
【0035】図1(b)に示すように、下死点BDCの
前の時刻t1 において、開閉弁96への制御信号Scが
オンに切り換わると、開閉弁96は通路95の開口を閉
じる閉弁状態となり、圧力制御室94からの燃料は供給
側、即ち、通路100側に戻ることができない。したが
って、インレットバルブ88はリフトすることができ
ず、開弁状態を維持する。下死点BDCの後の時刻t2
までの期間、開閉弁96への制御信号Scがオンに維持
される。下死点BDCの前においては、開弁状態のイン
レットバルブ88を通じて燃料が燃料通路13a、連絡
室86及び連絡通路87を通じてポンプ室84に流入し
続けるが、下死点BDCを過ぎて圧送行程に移行した後
も、時刻t2 までは、インレットバルブ88は開弁状態
を維持されるので、燃料はポンプ室84から連絡通路8
7を通じて燃料通路13aへリークされ、燃料サプライ
ポンプ80からの燃料圧送量は殆ど生じない。
【0036】時刻t2 において、開閉弁96への制御信
号Scはオフに切り換わるので、開閉弁96は開弁して
圧力制御室94内の燃料は通路95,100を通じてフ
ィード側に戻ることができる。この状態では、インレッ
トバルブ88はリフト可能になり、インレットバルブ8
8は、プランジャ83のリフトに伴って高まるポンプ室
84内の燃料圧力によって急速にリフトして閉弁を開始
する。ポンプ室84内における燃料圧力は、インレット
バルブ88が完全に閉弁する前においても、逆止弁10
1を開弁させるのに充分高められ、ポンプ室84内の燃
料は吐出路102を通じてコモンレール50(図2参
照)に圧送開始される。
【0037】従来の燃料サプライポンプ80であれば、
時刻t2 の後において開閉弁96への制御信号Scは図
1(b)の点線で示すようにオフの状態のままであるの
で、プランジャ83が圧送行程を経過するに従って、図
1(c)の点線で示すように,時刻t2 の後の短期間の
内にインレットバルブ88は急激に変位(リフト量Li
としてはゼロに変位)して時刻t4 に実質的に閉弁し、
その後は、インレットバルブ88は閉弁状態を維持する
ので、燃料サプライポンプの吐出圧力と圧送量とが急に
増加し(図1(d)の破線で示す燃料圧送率qP の変化
を参照)、燃料サプライポンプの振動や騒音の原因にな
っていた。
【0038】この発明による燃料サプライポンプ80に
よれば、図1(b)に示すように、プランジ83の圧送
行程中に開閉弁96への制御信号Scがオフとされる時
刻t 2 の後において、何らの対策を施さなかった場合に
インレットバルブ88が実質的に閉弁する時刻t4 が到
来する前の時刻t3 から、時刻t5 までの比較的短い所
定の期間ΔTに渡って、開閉弁96への制御信号Scを
再度オンとしている。開閉弁96を再度閉弁させること
により、インレットバルブ88の弁ヘッド90がポンプ
本体81に形成されている弁シート87aに実質的に着
座するに至る前に、圧力制御室94からの燃料の排出が
停止され、インレットバルブ88のリフトLiが一時的
に停止される(図1(c)においてCで示す)。この期
間ΔTの間、インレットバルブ88は完全な閉弁状態と
はならず、ポンプ室84は連絡通路87を通じて連絡室
86に連通しているので、ポンプ室84内の燃料の一部
が連絡室86に戻る。
【0039】所定の期間ΔTが終了する時刻t5 におい
て、開閉弁96への制御信号Scが再度オフとされ、開
閉弁96は開弁して圧力制御室94内の燃料は再び圧力
制御室94から排出可能となる。インレットバルブ88
はプランジャ83のリフトに伴ってリフトを再開し、時
刻t6 において弁ヘッド90が弁シート87aに完全に
着座して閉弁する。
【0040】開閉弁96を上記のように制御することに
より、インレットバルブ88のリフトが一時的に停止さ
れ、その間にプランジャ83がリフトしても燃料の一部
がフィード側に戻されるので、燃料サプライポンプ80
による燃料圧送率qP が低下し、吸込み行程中にポンプ
室84内に吸い込まれた燃料量(図1の燃料圧送率q P
のグラフにおいて破線Dで示す曲線で定まる面積に相
当)に対する実際に圧送された圧送燃料量Qp(燃料圧
送率qP のグラフにおいて実線Eで示す曲線で定まるハ
ッチングを施した部分の面積に相当)の割合が低くな
る。したがって、ポンプ室84から燃料が急激に上昇す
る燃料圧力で圧送されることに起因して生じていた燃料
サプライポンプ80の振動や騒音が回避される。図2に
示すように、コモンレール50に対して燃料サプライポ
ンプ80とインジェクタ60が直結されている場合に
は、燃料サプライポンプ80が生じさせた油撃がコモン
レール50に直ちに伝達され、燃料サプライポンプ80
がコモンレール50と共鳴して、振動や騒音の原因とな
り易いが、燃料サプライポンプ80における油撃の発生
が抑えられるので、油撃に起因する振動や騒音も抑制す
ることが可能となる。
【0041】上記の実施例では、インレットバルブ88
のリフトを一時停止させていたが、開閉弁96の開弁程
度を精度良く制御することができれば、インレットバル
ブ88のリフト速度を低下させることもできる。また、
インレットバルブ88のリフトを一時的に停止させる期
間に、プランジャ83の上昇速度が最も速くなる時期、
即ち、プランジャ83のリフト量Lpの曲線の傾きが最
大となる時点tm を含めることにより、燃料サプライポ
ンプ80の燃料圧送率qP を効果的に低減させることが
でき、燃料サプライポンプ80の振動や騒音を効率良く
抑制することができる。更に、インレットバルブ88の
リフトを一時的に停止させる期間に応じてポンプ室84
からの燃料の戻りが増加するので、図1(d)の燃料圧
送率qPを示すグラフから分かるように、ポンプ室84
からの1回の圧送による燃料圧送量Qpが減少する。圧
送燃料量Qpの確保のためには、ポンプ室84からの圧
送期間を長くする、即ち、プリストローク制御のための
時刻t2 の時間を早める等の対策を施す必要がある。
【0042】
【発明の効果】この発明による燃料サプライポンプによ
れば、コントローラはプリストローク制御を行う際に、
ポンプ室と燃料通路とを連通又は遮断するインレットバ
ルブの閉弁動作をその途中において一時的に停止又は減
速させてポンプ室から圧送される燃料圧力を軽減するた
め、インレットバルブの完全に閉弁せず開いている隙間
を通じて燃料がフィード側の燃料通路の戻ることがで
き、燃料圧送が開始されたときに、プランジャのリフト
によって減少するポンプ室内の容積に相当する燃料のす
べてを吐出側に圧送しないので、圧送行程における燃料
圧送圧力を低くすることができ、圧送される燃料の圧力
の急上昇、即ち、大きな油撃が緩和され、プランジャの
燃料圧送に伴う燃料サプライポンプの騒音や振動が発生
するのを抑制することができる。
【0043】また、燃料サプライポンプがコモンレール
式燃料噴射システムに適用されるときには、燃料サプラ
イポンプから圧送された燃料は蓄圧状態にコモンレール
に貯留され、コントローラは、コモンレール圧力を含む
エンジンの運転状態を検出する検出手段からの検出信号
に応じて求められる目標燃料噴射条件に基づいて、コモ
ンレールから供給された燃料を燃焼室に噴射するインジ
ェクタの制御を行っている。この場合、コモンレールに
設けられている圧力センサは、燃料サプライポンプから
の油撃による影響がより少ないコモンレール圧力を検出
することができ、コモンレール式燃料サプライポンプ噴
射システムの作動がより正確になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による燃料サプライポンプにおけるイ
ンレットバルブのための制御信号、インレットバルブの
リフト量、及び燃料サプライポンプによる燃料圧送率の
時間(カム軸回転角度)変化の一例を示すグラフであ
る。
【図2】この発明による燃料サプライポンプが適用され
るシリンダヘッドの上部構造を示す分解斜視図である。
【図3】この発明による燃料サプライポンプの一実施例
を示す断面図である。
【図4】図3に示す燃料サプライポンプのインレットバ
ルブを含む一部を拡大して示す断面図である。
【図5】従来のコモンレール式燃料噴射システムを説明
する概要図である。
【符号の説明】
8 コントローラ 13a 燃料通路 22 圧力センサ 50 コモンレール 60 インジェクタ 70 シリンダヘッド 77 ポンプ駆動カム 80 燃料サプライポンプ 81 ポンプ本体 82 ポンプシリンダ 83 プランジャ 84 ポンプ室 87 連絡通路(燃料通路) 88 インレットバルブ 92 弁本体 92a 弁シリンダ 94 圧力制御室 95,100 通路 96 開閉弁 tm プランジャのリフト速度が最も速い時期 Lp プランジャ83のリフト Li インレットバルブ88のリフト Sc 開閉弁96への制御信号 Qp 燃料圧送量 qP 燃料圧送率
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 59/46 F02M 59/46 Y Fターム(参考) 3G060 AA03 BA23 CA00 DA12 GA01 GA03 GA07 GA08 GA10 GA11 GA14 3G066 AA07 AB02 AC01 AC09 AD12 BA12 BA22 CA01S CA03 CA04T CA04U CA08 CA09 CB01 CB07U CB12 CC06T CC08T CC70 CD04 CD25 CD26 CE02 CE13 CE22 CE27 DC04 DC05 DC09 DC13 DC14 DC18 DC19 DC22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ本体内に形成されたポンプシリン
    ダ、前記ポンプシリンダ内を往復動するプランジャ、ポ
    ンプ駆動軸に設けられ且つ前記プランジャを押圧して前
    記ポンプシリンダと前記プランジャとで形成されるポン
    プ室内の燃料を圧送するポンプ駆動カム、前記ポンプ室
    内に燃料を供給するため前記ポンプ本体内に形成された
    燃料通路、前記ポンプ室と前記燃料通路とを連通又は遮
    断するインレットバルブ、及び前記プランジャが圧送行
    程にあるときに前記インレットバルブを所定のタイミン
    グで閉弁して前記ポンプ室内に吸入されている燃料の前
    記燃料通路への戻し量を調整することにより前記ポンプ
    室からの燃料圧送量のプリストローク制御を行うコント
    ローラを具備し、前記コントローラは、前記ポンプ室か
    ら圧送される燃料圧力を軽減するため、前記プリストロ
    ーク制御を行う際の前記インレットバルブの閉弁動作を
    その途中において一時的に停止又は減速させることから
    成る燃料サプライポンプ。
  2. 【請求項2】 前記コントローラは、前記ポンプ室から
    の燃料圧送量を確保するため、前記インレットバルブの
    閉弁動作を一時的に停止又は減速させる期間に応じて、
    前記プランジャによる燃料圧送期間を長く設定すること
    から成る請求項1に記載の燃料サプライポンプ。
  3. 【請求項3】 前記インレットバルブの弁本体と前記弁
    本体が嵌入する弁シリンダとで圧力制御室が形成されて
    おり、前記圧力制御室と前記燃料通路とを連通又は遮断
    する開閉弁が設けられており、前記開閉弁の開弁作動に
    よって前記圧力制御室と前記燃料通路とを連通すること
    により前記インレットバルブの昇降を許容すると共に、
    前記開閉弁の閉弁作動によって前記圧力制御室と前記燃
    料通路とを遮断して前記インレットバルブの昇降を阻止
    し、前記コントローラは、前記プリストローク制御を行
    う際に前記圧力制御室と前記燃料通路とを遮断すること
    により前記インレットバルブの閉弁動作を一時的に停止
    させることから成る請求項1又は2に記載の燃料サプラ
    イポンプ。
  4. 【請求項4】 前記燃料サプライポンプから圧送された
    燃料を蓄圧状態に貯留するコモンレール、エンジンの各
    気筒に対応してそれぞれ設けられ且つ前記コモンレール
    から供給される燃料を前記各気筒の燃焼室内に噴射する
    インジェクタ、及びエンジンの運転状態を検出する検出
    手段を具備し、前記コントローラが前記検出手段からの
    検出信号に基づいて前記インジェクタから噴射すべき燃
    料の噴射条件を求めると共に前記噴射条件に従って前記
    コモンレール内の燃料圧力と前記インジェクタからの燃
    料噴射とを制御するコモンレール式燃料噴射システムに
    適用されることから成る請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の燃料サプライポンプ。
  5. 【請求項5】 前記燃料サプライポンプ、前記コモンレ
    ール及び前記インジェクタは前記エンジンのシリンダヘ
    ッドに取り付けられると共に、前記燃料サプライポンプ
    と前記コモンレールとが互いに直結されており、前記コ
    モンレールと前記インジェクタが互いに直結されている
    ことから成る請求項4に記載の燃料サプライポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101592596B1 (ko) * 2010-10-29 2016-02-05 현대자동차주식회사 고압연료펌프

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