JP2001003247A

JP2001003247A - 横編み機における編み糸量制御方法及び装置

Info

Publication number: JP2001003247A
Application number: JP11170727A
Authority: JP
Inventors: Kimihiro Maenaka; 公祐前中; Atsushi Takashima; 淳高島; Hiroki Yamazaki; 宏喜山崎; Tatsuya Tani; 達也谷
Original assignee: Tsudakoma Corp; Tsudakoma Industrial Co Ltd
Current assignee: Tsudakoma Corp
Priority date: 1999-06-17
Filing date: 1999-06-17
Publication date: 2001-01-09

Abstract

(57)【要約】【目的】多様な柄の編み地を編成する場合でも、
編成及び編み地に悪影響を与えない制御を行うこと【解決手段】編み糸量の制御は、各コースについて予
め指定された編成条件による編成部分のみの編み糸量を
補正することにより行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、キャリッジレス式
横編み機における編み糸量を制御する方法及び装置に関
し、特に異なる編成条件による複数の編成部分が混在す
る編み地の編成に好適な編み糸量を制御する方法及び装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】横編み機において、大量の編み地を生産
するために、サンプル編み地を編成してそのときに使用
した編み糸の長さ（サンプル糸長）を求め、求めたサン
プル糸長を基に実際の編成時（実編成時）における編み
糸の使用量（消費糸長）を制御し、それにより編み地の
品質を均一化する技術が従来から提案されている（例え
ば、特開平６−２５９５３号公報、特開平９−２７３０
５２号公報）。

【０００３】この編み糸量の制御では、先ず、予め行わ
れるサンプル編み地の編成時に、使用される編み糸量
（糸長）をコース単位で測長すると共に、これを積算
し、この積算値が所定の制御単位長（例えば、３０ｍ
等）を越えたコースまでを基準の制御区間として、制御
区間毎に積算値をサンプル糸長として記憶しておく。

【０００４】次いで、実編み地の編成時において、上記
と同様に、消費される編み糸量（糸長）をコース単位で
測長し、これを積算すると共に、上記基準の制御区間に
相当するコースの積算値を消費糸長として求める。そし
て、この消費糸長をサンプル編み地の対応する制御区間
のサンプル糸長と比較し、この比較結果が所定範囲を越
えるときに、比較結果に基づいて次の制御区間の編成に
おける編み糸の引き込み量（度目）を制御する。

【０００５】このような編み糸量制御において、従来で
は、度目の変更制御は、コース単位でしか行われていな
い。すなわち、次の制御区間の全てのコースの度目を変
更するか、又は、１コースおきに度目を変更することし
か行われていない。

【０００６】

【解決しようとする課題】この従来技術によると、イン
ターシャの境界部、ケーブル柄等、他よりも度目を大き
くして目移ししやすいようにした移し目を形成する場合
において、この移し目の度目までも制御（変更）するこ
とになるから、目移しの失敗をしやすく、編成ミスを招
くおそれがある。

【０００７】また、ジャカード編みにおいて、各編み糸
について一方の針床のみで編成する場合と、一部が柄と
して他方の針床で編成される場合とでは、柄部分の度目
が異なるため、同じ１コースの編成であっても編み糸の
消費量は異なる。このため、従来の技術では、柄のない
部分の比較結果に基づいて柄部分をも含めて制御するこ
とになるから、正確な制御が行えないし、柄の位置、大
きさ等のバランスが低下する。このことは、組組織のよ
うに度目の異なる複数の柄部分が混在する編み地の編成
についても同様である。

【０００８】さらに、従来の技術では、異なるキャリア
（給糸口）から給糸されて糸種が相互に異なる複数の柄
部分が混在する編み地の編成において、これらの柄部分
も制御対象になるから、編み糸の消費量の違いや糸の物
性の違いにより、柄の位置、大きさ等のバランスがくず
れるおそれがある。

【０００９】それゆえに、横編み機における編み地の使
用編み糸量の制御において、多様な柄の編み地を編成す
る場合でも、編成及び編み地に悪影響を与えない制御を
行うことが重要である。

【００１０】

【解決手段、作用及び効果】本発明は、上記課題を解決
し得る、キャリッジレス式横編み機における編み糸量を
制御する方法及び装置を提供する。

【００１１】本発明に係る編み糸量制御方法は、各コー
スについて予め指定された編成条件による編成部分の編
み糸量を制御することを含む。

【００１２】本発明に係る編み糸量制御装置は、編成条
件を各コース内の編成部分毎に設定する手段と、編み糸
量を制御するか否かを前記編成条件毎に指定する手段と
を含む。

【００１３】好ましい実施例において、制御は、例え
ば、予めサンプル編み地の編成を行い、そのときに使用
された編み糸量（糸長）を制御区間毎にサンプル糸長と
して求めて記憶しておき、実編み地の編成において、サ
ンプル編み地の各制御区間に相当する制御区間（コー
ス）の編成に使用された編み糸量（糸長）を消費糸長と
して求めると共に、この消費糸長をサンプル編み地の対
応する制御区間のサンプル糸長と比較し、この比較結果
が所定の範囲を越えるときに、次の制御区間の編成にお
いて、指定された編成条件の度目を補正することにより
行われる。

【００１４】上記のように、指定された編成条件による
編成部分の編み糸量を制御するならば、多様な柄の編み
地を編成する場合に、コース単位ではなく、１コース内
において編み糸量を制御する編成部分と制御しない編成
部分とを混在させることができるから、編成及び編み地
に悪影響を与えるおそれがない。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１を参照するに、横編み機１０
は、度目を１目毎に指定可能のキャリッジレス式横編み
機であり、また異なる編成条件による複数の編成部分が
混在する編み地の編成に用いることができる。キャリッ
ジレス式横編み機は、編み針を進退させるカム及びこの
カムを移動させるキャリッジを備えない代わりに、編み
針を進退させるリニアモータのようなアクチュエータを
備えた横編み機として規定することができる。

【００１６】編成条件は、例えば、編成データ内の度目
の種類を特定する度目コード、使用するキャリアを特定
するキャリア番号のいずれか一方とすることができ、異
なる編成条件は、例えば、異なる度目コード及び異なる
キャリア番号のいずれか一方とすることができる。以下
の説明では、度目コードを、制御を区別するための制御
対象とする。

【００１７】横編み機１０は、複数の編み針１２を編み
針毎に設けられた針モータ１４により進退（往復移動）
させ、給糸用の複数のキャリア１６をキャリア毎に設け
られたキャリアモータ１８により左右方向へ往復移動さ
せて編み糸を編み針１２に供給し、これにより編み地２
０を編成する。

【００１８】針モータ１４は、リニアモータのようなア
クチュエータである。これに対し、キャリアモータ１８
は、サーボモータのように位置制御可能の一般的なモー
タである。針モータ１４及びキャリアモータ１８は、キ
ャリア・針コントローラ２２により制御される。

【００１９】編み針１２に供給される編み糸の量（給糸
量＝消費糸長）は、測定用エンコーダ２４と、その出力
パルスをキャリア番号毎に計数する測定用カウンタ２６
とにより測定される。カウンタ２６は、編成中のキャリ
ア番号等の編成データをキャリア・針コントローラ２２
から受け、キャリア番号毎の糸長データを編成制御部２
８に供給する。

【００２０】表示器３０は、表示制御部３２により制御
される。編成に必要な各種の編成データ、表示器３０に
表示する各種の表示データ、機器の制御に用いる各種の
制御データは、編成制御部２８に格納されている。編成
制御部２８は、後に説明する図２に示すステップを実行
する。

【００２１】編成データは、図３に一例を示すように、
度目の長さを表す初期設定値と、使用するキャリア番号
とを度目コード毎に有しており、また編み糸量を制御す
べきか否かを度目コード毎に指定している。この編成デ
ータは、図４にその一部を示すような編み地２０の編成
のための全編成パターンを含む。

【００２２】図３に示す例では、度目コード２３，３
０，３５及び４５に対応する編み目の度目が制御され
る。これにより、図４に示す部分の編み地においては、
ハッチングをした領域内の全編み目の度目が制御される
が、柄の内部を含む他の領域内の全編み目は度目を制御
されない。この編成データは、表示器３０に表示可能で
あり、また実際の編成に先立って設定すなわち指定され
る。

【００２３】使用するキャリアの消費糸長を基準に編み
糸量を度目コード毎に制御する一実施例を、図２を参照
して以下に説明する。図２では、度目コード毎の使用キ
ャリアのうち、消費される糸量が最長のキャリアの消費
糸長を制御の基準にしているが、度目コード毎の使用キ
ャリアの消費糸長のトータル値を制御の基準としてもよ
い。

【００２４】実際の編成に先立って、サンプル編み地の
編成が行われる。この編成作業は、編成制御部２８に予
め設定された各種のデータを用いて、各種の機器を制御
することにより行われる。

【００２５】サンプル編み地の編成の間、編成に使用し
た編み糸量（糸長）がエンコーダ２４及びカウンタ２６
によりキャリア毎に測長されて、各制御区間毎の積算糸
長がサンプル糸長として編成制御部２８のメモリに記憶
される。サンプル糸長は、カウンタ２６のキャリア毎の
計数値を制御区間毎にクリアすることにより得ることが
できる。

【００２６】また、実編み地の編成に先だって、編成制
御部２８は、測長量が最長となるキャリア番号を編成デ
ータから度目コード毎に検索する（ステップ１００）。
このステップ１００は、例えば、ある度目コードの編み
地部分の編成に複数のキャリア（例えば、キャリア番号
１，３，５）が用いられる場合、それらのキャリアのう
ち、消費編み糸量が最長となるキャリアの番号を検索す
ることにより、実行することができる。

【００２７】次いで、度目を制御すなわち補正すべきか
否かが度目コード毎に設定される（ステップ１０１）。

【００２８】次いで、編成制御部２８は、ステップ１０
０及び１０１の結果から、図３の表で示すような制御テ
ーブルが作成される（ステップ１０２）。

【００２９】次いで、実編み地の編成が編成制御部２８
による制御の基に開始される（ステップ１０３）。実編
み地の編成の間、編み糸量制御は、以下の通りキャリア
毎に実行される。

【００３０】先ず、制御部２８は、キャリア番号を所定
の値（例えば、使用されるキャリア番号のうち、最も小
さい番号等）におき（ステップ１０４）、次いでそのキ
ャリア番号の編み糸の消費量を測長する（ステップ１０
５）。このステップ１０５は、キャリア毎に、実編み地
の編成に使用した編み糸量（糸長）をエンコーダ２４及
びカウンタ２６によりコース単位で測長し、この測長し
た値を数コースにわたって積算し、この積算値をキャリ
ア毎の積算糸長として制御部２８のメモリに記憶するこ
とにより、実行することができる。

【００３１】次いで、編成制御部２８は、所定の制御単
位長に達したか否かを判定する（ステップ１０６）。こ
の制御単位長は、予め任意に設定した所定の値であっ
て、３０ｍとすることができる。したがって、ステップ
１０６は、積算糸長がこの所定の値に達したか否かを判
定することにより、行うことができる。

【００３２】ステップ１０６の判定の結果、積算糸長が
制御単位長に達している（Ｙｅｓ）と、編成制御部２８
は、このときの積算糸長をこの制御区間の消費糸長と
し、この消費糸長をサンプル編み地の対応する制御区間
のサンプル糸長と比較する。そして、この比較結果（両
者の比）が所定の範囲外であるか否かを判定する（ステ
ップ１０７）。このステップ１０７は、例えば、消費糸
長と基準糸長との比が所定範囲を有する閾値外に達した
か否かを判定することにより、実行することができる。

【００３３】ステップ１０７の判定の結果、所定の範囲
外である（Ｙｅｓ）と、編成制御部２８は、そのキャリ
ア番号の編み糸を用いる度目を変更することがステップ
１０２において作成した制御テーブルに設定されている
か否かを判定する（ステップ１０８）。

【００３４】ステップ１０７の判定の結果、度目を補正
すべきことが設定されている（Ｙｅｓ）と、編成制御部
２８は、次の制御区間内の指定された全ての度目を補正
し（ステップ１０９）、次いでステップ１１０に移行す
る。

【００３５】ステップ１０６，１０７及び１０８におけ
る判定の結果が否定を表すＮｏである場合も、編成制御
部２８はステップ１１０に移行する。ステップ１１０に
おいて、編成制御部２８は、キャリア番号が最終番号１
６であるか否かを判定する（ステップ１１０）。

【００３６】キャリア番号が最終番号でない（Ｎｏ）
と、編成制御部２８は、キャリア番号に１を加算した
後、ステップ１０５に戻って、次のキャリアについての
前述の処理を行う（ステップ１１１）。しかし、キャリ
ア番号が最終番号であると、編成制御部２８は編成が終
了したか否かを判定する（ステップ１１２）。

【００３７】ステップ１１２における判定は、１つの編
み地の編成が終了したか否かであってもよいし、複数又
は多数の編み地の編成が終了したか否かであってもよ
い。

【００３８】ステップ１１２の判定の結果、終了してい
ないと、編成制御部２８はステップ１０４に戻留。しか
し、終了していると、編成制御部２８は全ての動作を終
了する。

【００３９】上記の結果、指定されたコードの度目が修
正されてその度目の形成に使用される編み糸量が制御さ
れるから、多種多様の柄の編み地を編成する場合に、１
コース内において編み糸量を制御する度目と制御しない
度目とを混在させることができ、その結果編成及び編み
地に悪影響を与えるおそれがない。

【００４０】上記実施例では、度目コートを編成条件と
しているが、キャリア番号を編成条件としてもよい。ま
た、特定の度目を編成部分としているが、連続する複数
の度目（所定範囲内の度目）全体を編成部分としてもよ
い。

【００４１】本発明は、上記実施例に限定されす、本発
明の趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る編み糸量制御装置を備えた横編み
機の一実施例を示す電気回路のブロック図

【図２】編み糸量制御方法の一実施例を説明するための
流れ図

【図３】表示器に表示する画面の一実施例を示す図

【図４】表示器に表示する画面の他の実施例を示す図

【符号の説明】

１０横編み機１２編み針１６キャリア２０編み地２４測長用エンコーダ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山崎宏喜石川県金沢市野町５丁目18番18号津田駒工業株式会社内 (72)発明者谷達也石川県金沢市野町５丁目18番18号津田駒工業株式会社内Ｆターム(参考） 4L054 AA01 BD07 CA01 CA02 CA03 CA04 CA06 CA08 CA09 CB03 CB04 DA05 NA02 NA03 NA05 NA07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】キャリッジレス式横編み機における編み
糸量を制御する方法であって、各コースについて予め指
定された編成条件による編成部分の編み糸量を制御する
ことを含む、横編み機における編み糸量制御方法。
【請求項２】キャリッジレス式横編み機における編み
糸量を制御する装置であって、編成条件を各コース内の
編成部分毎に設定する手段と、編み糸量を制御するか否
かを前記編成条件毎に指定する手段とを含む、横編み機
における編み糸量制御装置。