JP2001002469A - 圧電体ペーストならびにこれを用いた圧電体膜および圧電体部品 - Google Patents

圧電体ペーストならびにこれを用いた圧電体膜および圧電体部品

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JP2001002469A
JP2001002469A JP31773499A JP31773499A JP2001002469A JP 2001002469 A JP2001002469 A JP 2001002469A JP 31773499 A JP31773499 A JP 31773499A JP 31773499 A JP31773499 A JP 31773499A JP 2001002469 A JP2001002469 A JP 2001002469A
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Teppei Kubota
哲平 久保田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電体膜を厚膜形成技術によって形成するた
めに用いられる圧電体ペーストであって、比較的低温で
焼成することができ、圧電体ペースト中に含まれる圧電
性結晶粉末が有する強誘電性を保持しながら、良好な分
極性および高い圧電性を有する圧電体膜を形成できる、
圧電体ペーストを提供する。 【解決手段】 Pb(Zr,Ti)O3 系セラミックを
含む圧電性結晶粉末と、結晶化ガラス粉末と、有機ビヒ
クルとを含む、圧電体ペーストにおいて、結晶化ガラス
粉末として、熱処理によりPb(Zr,Ti)O3 系固
溶体相のような固溶体相を析出するものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電体ペースト
に関するもので、特に、圧電アクチュエータ、振動子、
圧力センサなどの圧電体部品において厚膜として備える
圧電体膜を形成するために有利に用いられる圧電体ペー
ストに関するものである。
【0002】また、この発明は、上述のような圧電体ペ
ーストを用いて形成される圧電体膜およびこの圧電体膜
を備える圧電体部品に関するものである。
【0003】
【従来の技術】強誘電性を有し、かつ高い圧電性を示す
ペロブスカイト酸化物の代表的なものとして、Pb(Z
r,Ti)O3 系セラミック、すなわちPZTセラミッ
ク結晶が知られている。PZTセラミック結晶は、たと
えば、Pb3 4 、TiO2 およびZrO2 の各原料粉
末をボールミルによって混合した後、仮焼による固相反
応を用いて得ることができる。
【0004】このようなPZT結晶を、圧電アクチュエ
ータ、振動子、圧力センサなどの圧電体部品における圧
電体部分を構成するために用いるとき、厚膜の形態をな
す圧電体膜の状態とされることがある。このような圧電
体膜の形成のためには、PZT結晶は粉末の状態で用意
され、これにガラス粉末および有機ビヒクルを加えて圧
電体ペーストとし、この圧電体ペーストによって厚膜を
形成するように圧電体ペーストを塗布し焼成することが
行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】PZT結晶粒子間の焼
結温度は、1000℃を超えるため、焼成工程での鉛の
蒸発を無視することはできず、焼結温度をできるだけ下
げるようにすることが望まれる。そのため、圧電体ペー
ストに加えられるガラス粉末として、焼成工程中におい
て粘性流動を生じる非晶質で安定な低軟化点のガラス、
たとえばホウケイ酸鉛ガラスまたはアルカリ添加ガラス
等のガラスを主成分とするものを用いることによって、
このようなガラス粉末を焼結助剤としても機能させるよ
うにすることが行なわれている。
【0006】しかしながら、上述のような非晶質で低軟
化点のガラスを圧電体ペースト中に含有させると、焼成
後の圧電体膜において、PZT結晶粒子の周囲を低誘電
率で非晶質のガラス相が覆う状態となり、圧電体膜自身
の強誘電性が劣化して双極子回転の障害となるため、直
流電界印加による分極性が低下する、という問題に遭遇
する。
【0007】そのため、上述のような厚膜形成技術によ
って形成された圧電体膜によれば、分極性の低下のため
に圧電特性として重要な圧電定数dijが低下し、外部電
界印加時の圧電歪み値が小さくなる。したがって、この
ような圧電体膜をもってたとえば圧電アクチュエータを
構成するときには、駆動時の素子曲げによるたわみ量が
小さくなる、という問題がある。
【0008】そこで、この発明の目的は、PZTセラミ
ック結晶のような圧電性結晶の強誘電性を保持し、その
ため、分極性の低下を招かず、かつ高い圧電性を得るこ
とができる、圧電体膜を形成することが可能な圧電体ペ
ーストを提供しようとすること、ならびに、このような
圧電体ペーストを用いて形成される圧電体膜およびこの
圧電体膜を備える圧電体部品を提供しようとすることで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を解
決するため、この発明の特徴は、簡単に言えば、圧電体
ペースト中に含まれるガラス粉末として、焼成のような
熱処理によって強誘電性および高い圧電性を有するPZ
T固溶体相のような固溶体相を析出する結晶化ガラスか
らなる粉末を用いようとすることにある。
【0010】より詳細には、この発明に係る圧電体ペー
ストは、圧電性結晶粉末と、熱処理により固溶体相を析
出する結晶化ガラス粉末と、有機ビヒクルとを含むこと
を特徴としている。
【0011】この発明に係る圧電体ペーストは、好まし
い実施態様では、Pb(Zr,Ti)O3 系セラミック
を含む圧電性結晶粉末と、熱処理によりPb(Zr,T
i)O3 系固溶体相を析出する結晶化ガラス粉末と、有
機ビヒクルとを含むことを特徴としている。
【0012】この実施態様において、好ましくは、圧電
性結晶粉末は、一般式:Pb(Zr x Ti1-x )O3
表され、かつ、xが0.49〜0.56の範囲にある組
成を有する。
【0013】また、この実施態様において、より好まし
くは、圧電性結晶粉末は、一般式:Pb(Zrx Ti
1-x )O3 で表され、かつ、xが0.49〜0.56の
範囲にある組成を有する、第1の成分と、Pb(Zn
1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Mg 1/3 Nb2/3 )O3
たはPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 で表される組成を有
する、第2の成分とを含む、複合ペロブスカイト酸化物
からなり、第2の成分は、第1および第2の成分の合計
に対して、10重量%〜40重量%の範囲の含有量をも
って含有している。
【0014】上述した複合ペロブスカイト酸化物は、好
ましくは、第1の成分の結晶粉末と第2の成分の結晶粉
末との混合物を仮焼して得られたものである。
【0015】また、第2の成分は、好ましくは、さらに
BaTiO3 を含む。このように、BaTiO3 を含む
場合、第2の成分は、好ましくは、Pb(Zn1/3 Nb
2/3)O3 、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 またはPb
(Ni1/3 Nb2/3 )O3 の原料に平均粒径0.5μm
以下のBaTiO3 結晶粉末を添加し熱処理して得られ
たものである。
【0016】また、上述の実施態様において、結晶化ガ
ラス粉末は、好ましくは、一般式:iPbO−jTiO
2 −kZrO2 −mSiO2 で表され、かつ、iが62
〜70モル%、jが7〜19モル%、kが7〜19モル
%、およびmが8〜9モル%の各範囲にある主成分と、
この主成分100重量部に対して3重量部以下の含有量
をもって含有するBi2 3 またはMnO2 からなる添
加成分とを含んでいる。
【0017】この発明は、また、上述したような圧電体
ペーストを塗布し、これを焼成することによって得られ
た、圧電体膜にも向けられる。
【0018】この発明に係る圧電体膜において、好まし
くは、上述の焼成温度が、800〜950℃の範囲に選
ばれる。
【0019】この発明は、さらに、絶縁基板と、この絶
縁基板上に形成される下層電極と、この下層電極上に形
成される圧電体膜と、この圧電体膜上に形成される上層
電極とを備える、圧電体部品にも向けられる。このよう
な圧電体部品において、圧電体膜が上述したような圧電
体膜によって与えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明による圧電体ペースト
は、前述したように、たとえばPb(Zr,Ti)O3
系セラミックを含む圧電性結晶からなる粉末のような圧
電性結晶粉末と、熱処理によりPb(Zr,Ti)O3
系固溶体相のような固溶体相を析出する結晶化ガラス粉
末と、有機ビヒクルとを含むものである。ここで、有機
ビヒクルとしては、たとえば、エチルセルロースやアル
キッド樹脂のようなバインダに有機溶剤を加えて混合し
たものを用いることができる。
【0021】〔第1の実施形態〕(圧電性結晶粉末の組
成)上述した圧電性結晶粉末は、第1の実施形態では、
一般式:Pb(Zrx Ti 1-x )O3 で表わされ、か
つ、xが0.49〜0.56の範囲にある組成を有する
ようにされる。
【0022】このような好ましい組成におけるxすなわ
ちZr/(Zr+Ti)比を求めるため、図1に示すよ
うに、Zr/(Zr+Ti)比を0.48〜0.60の
範囲で変化させた各組成のPZT結晶粉末を作製した。
そして、この結晶粉末を焼成によって焼結体とし、各試
料に係る焼結体の圧電定数d33を測定した。図1には、
Zr/(Zr+Ti)比を変化させたときの圧電定数d
33が示されている。
【0023】図1に示すように、圧電体ペーストに含ま
れる圧電性結晶粉末に関して設計上必要とする最低限の
圧電定数d33を、d33≧140pC/Nとしたとき、こ
れを満たすZr/(Zr+Ti)比すなわちxの範囲
は、0.49〜0.56ということになる。
【0024】(結晶化ガラス粉末の組成)また、この実
施形態において、圧電体ペーストに含まれる結晶化ガラ
ス粉末は、前述したように、一般式:iPbO−jTi
2 −kZrO2 −mSiO2 で表され、かつ、iが6
2〜70モル%、jが7〜19モル%、kが7〜19モ
ル%、およびmが8〜9モル%の各範囲にある主成分
と、この主成分100重量部に対して3重量部以下の含
有量をもって含有するBi2 3 またはMnO2 からな
る添加成分とを含んでいる。このような結晶化ガラス粉
末についての好ましい組成を求めるため、次のような実
験を実施した。
【0025】ガラス成分の出発成分として、Pb
3 4 、TiO2 、ZrO2 、SiO2 、およびBi2
3 をそれぞれ準備し、これらを種々の割合となるよう
に混合し、1400℃の温度で溶融させた後、水冷によ
る急冷を行ない、次いで、ポット粉砕することにより、
種々の組成を有する結晶化ガラス粉末を得た。
【0026】上述した結晶化ガラス粉末の作製におい
て、TiO2 およびZrO2 がともに7〜19モル%の
範囲内である場合であって、Pb3 4 がPbOに換算
して62モル%未満であったり、SiO2 が9モル%を
超えたりすると、強誘電性結晶相の生成比率が低下し、
そのため、誘電特性が低下した。他方、同様の場合であ
って、Pb3 4 がPbOに換算して70モル%を超え
たり、SiO2 が8モル%未満であったりすると、Pb
が過剰になり、蒸発による組成ずれを起こしやすくなっ
た。
【0027】また、TiO2 およびZrO2 のような核
形成剤の量を基準としてみると、TiO2 およびZrO
2 がともに7モル%未満であると、結晶化が遅れ、ま
た、強誘電体結晶相の生成比率が低下し、そのため、誘
電特性が低下した。他方、核形成剤の量が増し、TiO
2 およびZrO2 がともに19モル%を超えると、溶融
状態にあっても残留する結晶が生じ、ガラス作製が困難
になった。
【0028】このようなことから、結晶化ガラス粉末の
主成分に関して、PbOが62〜70モル%、TiO2
が7〜19モル%、ZrO2 が7〜19モル%、および
SiO2 が8〜9モル%の各範囲で含有されることが好
ましい。
【0029】上述のような好ましい組成を有する主成分
に対してたとえばBi2 3 からなる添加成分を加えて
構成された結晶化ガラス粉末を、550〜700℃の温
度範囲で加熱すれば、強誘電体相の析出による結晶化と
固溶体化とが生じて、700℃でPZT固溶体相を生成
した。副生成相として、PbO−SiO2 間の反応物も
生じた。また、800℃以上の温度域では焼結が加速さ
れ、緻密な粒組織が形成された。この段階で、副生成相
は溶解で消失し、ガラス原料調合段階でのBi 2 3
添加は結晶粒成長を促進させた。
【0030】上述した添加成分としてのBi2 3 をM
nO2 に置き換えると、結晶化温度が500℃まで低下
し、PZT固溶体相が600℃付近で生成するようにな
り、また、結晶粒組織もより微細化した。
【0031】また、以上のようなBi2 3 またはMn
2 からなる添加成分の含有量を、主成分100重量部
に対して3重量部以下にすることによって、特性上で余
分な副生成相の生成を抑制することができた。
【0032】(圧電体部品の実施例)図2は、この発明
に係る圧電体部品の一実施形態の断面構造を示してい
る。
【0033】図2に示した圧電体部品1は、たとえば圧
電アクチュエータを構成するもので、絶縁基板2と、こ
の絶縁基板2の図による上方に向く主面上に形成される
下層電極3と、この下層電極3上に形成される圧電体膜
4と、この圧電体膜4上に形成される上層電極5とを備
えている。また、絶縁基板2の図による下方に向く主面
上には、裏面電極6が形成され、この裏面電極6と上述
した下層電極3とは、絶縁基板2の端面上に形成された
端面電極7によって互いに導通される。
【0034】このような圧電体部品1において、圧電体
膜4が、上述のような圧電体ペーストを塗布し、これを
焼成することによって得られたものである。
【0035】図2に示した圧電体部品1に関して、圧電
体膜4の圧電特性、より具体的には圧電定数を評価する
ため、次のような実験を実施した。
【0036】(圧電体ペーストの作製)まず、圧電体膜
4を形成するための圧電体ペーストに含まれる結晶化ガ
ラス粉末として、以下の表1に示すような組成をそれぞ
れ有する「a−1」、「a−2」、「b−1」および
「b−2」の4種類を用意した。表1において、主成分
であるPbO、TiO2 、ZrO2 およびSiO2 の各
組成はモル%で示し、添加成分であるBi2 3 および
MnO2 の各組成は、主成分100重量部に対する重量
部で示している。
【0037】
【表1】
【0038】他方、圧電体ペーストに含まれる圧電性結
晶粉末として、以下の表2に示すように、Zr/Ti比
が0.52/0.48のもの、すなわちPb(Zr0.52
Ti 0.48)O3 で表わされる組成を有するものを用意し
た。
【0039】
【表2】
【0040】これら結晶化ガラス粉末と圧電性結晶粉末
とを表2に示すように組み合わせながら、圧電性結晶粉
末を64重量%、結晶化ガラス粉末を16重量%、エチ
ルセルロースベースのバインダを20重量%、それぞれ
含有させ、かつ有機溶剤を媒体として混合し、この混合
物をロールミルを用いて分散処理することによって、表
2に示した試料1〜4に係る圧電体ペーストを得た。
【0041】(圧電体部品の作製)このようにして得ら
れた各圧電体ペーストを用いて、図2に示した圧電体部
品1を得るため、厚み約1.0μmの白金からなる薄膜
をもって下層電極3および裏面電極6がそれぞれ形成さ
れた、高靭性の部分安定化ZrO2 からなる薄型の絶縁
基板2を用意し、下層電極3上に圧電体膜4を形成する
ため、上述した圧電体ペーストをスクリーン印刷し、そ
の塗膜を十分に乾燥させた後、空気中で焼成のための熱
処理を実施した。この熱処理において、500〜700
℃の結晶化温度域では1℃/分の遅い昇温速度をもって
加熱し、次いで、950℃で3時間保持することによっ
て、焼結を完了させる、といった温度プロファイルを採
用した。なお、圧電体膜4の焼成後の厚みは、約35〜
55μmの範囲になるように調節した。
【0042】次いで、圧電体膜4上に、銀からなる薄膜
をもって形成される上層電極5を形成するとともに、銀
を含む熱硬化膜をもって端面電極7を形成した。
【0043】このようにして得られた各試料に係る圧電
体部品1を分極処理するため、圧電体部品1をシリコー
ンオイルに浸漬しながら、80℃で30分間、直流電界
50kV/cmを圧電体膜4に印加した。
【0044】このような分極処理の結果、表2に示すよ
うに、分極軸方向に平行な方向で得られる圧電定数d33
は、圧電体膜4の形成のための圧電体ペーストにおいて
PbO−TiO2 −ZrO2 −SiO2 −Bi2 3
の結晶化ガラス粉末を含有する試料1および2では、1
18〜145pC/Nの値が得られ、PbO−TiO 2
−ZrO2 −SiO2 −MnO2 系の結晶化ガラス粉末
を含有する試料3および4では、50〜66pC/Nの
値が得られた。
【0045】〔第2の実施形態〕 (圧電性結晶粉末の組成)この実施態様では、圧電体ペ
ーストに含有される圧電性結晶粉末は、上述の第1の実
施形態で用いた一般式:Pb(Zrx Ti1-x )O3
表され、かつ、xが0.49〜0.56の範囲にある組
成を有するものだけでなく、これを第1の成分としなが
ら、Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Mg1/3
2/3 )O 3 またはPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 で表
される組成を有する、第2の成分をも含む、複合ペロブ
スカイト酸化物からなるものである。
【0046】この場合、第2の成分は、さらにBaTi
3 を含むことが好ましく、より好ましくは、Pb(Z
1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3
またはPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 の原料に平均粒径
0.5μm以下のBaTiO 3 結晶粉末を添加し熱処理
して得られたものである。
【0047】このような第2の成分を得るため、一具体
例では、次のような操作が実施される。
【0048】第2の成分がPb(Zn1/3 Nb2/3 )O
3 で表わされる組成を有する場合には、第2の成分の出
発原料として、Pb3 4 、ZnO、Nb2 5 、およ
び水熱合成で得たBaTiO3 微粒子(平均粒径0.5
μm)をそれぞれ準備し、ZnOを59.1モル%およ
びNb2 5 を40.9モル%となるように秤量し、か
つ混合した後、この混合物を900℃で仮焼し、そして
粉砕する。次いで、このZnO−Nb2 5 仮焼粉末
に、Pb3 4 およびBaTiO3 を混合する。この混
合状態において、全体組成として、Pb3 4 がPbO
に換算して69.8モル%、ZnOが13.7モル%、
Nb2 5 が9.5モル%、およびBaTiO3 が7.
0モル%とそれぞれなるように混合量を調節する。
【0049】ここで、BaTiO3 を添加したのは、種
結晶不足による常誘電体相のパイロクロア相を残留させ
ないためである。また、BaTiO3 結晶粉末の平均粒
径を0.5μm以下とすることにより、このようなBa
TiO3 の添加による効果がより発揮されやすくなる。
このことは、後述するPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3
の第2の成分の場合、およびPb(Ni1/3 Nb2/3
3 系の第2の成分の場合にも言えることである。
【0050】次いで、上述した混合物に対して、るつぼ
中において900℃で12時間の仮焼処理を行ない、そ
れによって、ペロブスカイト構造の安定したPZN粉末
としての第2の成分の結晶粉末を得ることができる。
【0051】また、第2の成分がPb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 で表わされる組成を有する場合には、第2の
成分の出発原料として、Pb3 4 、MgCO3 、Nb
2 5、および水熱合成で得たBaTiO3 微粒子(平
均粒径0.5μm)をそれぞれ準備し、MgCO3 をM
gO換算で50モル%およびNb2 5 を50モル%と
なるように秤量し、かつ混合した後、この混合物を90
0℃で仮焼し、そして粉砕する。次いで、このMgO−
Nb2 5 仮焼粉末に、Pb3 4 およびBaTiO3
を混合する。この混合状態において、全体組成として、
Pb3 4 がPbOに換算して69.8モル%、MgO
が11.6モル%、Nb2 5 が11.6モル%、およ
びBaTiO3 が7.0モル%とそれぞれなるように混
合量を調節する。
【0052】次いで、上述した混合物に対して、るつぼ
中において900℃で12時間の仮焼処理を行ない、そ
れによって、ペロブスカイト構造の安定したPMN粉末
としての第2の成分の結晶粉末を得ることができる。
【0053】また、第2の成分がPb(Ni1/3 Nb
2/3 )O3 で表わされる組成を有する場合には、第2の
成分の出発原料として、Pb3 4 、NiCO3 、Nb
2 5、および水熱合成で得たBaTiO3 微粒子(平
均粒径0.5μm)をそれぞれ準備し、NiCO3 をN
iO換算で50モル%およびNb2 5 を50モル%と
なるように秤量し、かつ混合した後、この混合物を90
0℃で仮焼し、そして粉砕する。次いで、このNiO−
Nb2 5 仮焼粉末に、Pb3 4 およびBaTiO3
を混合する。この混合状態において、全体組成として、
Pb3 4 がPbOに換算して69.8モル%、NiO
が11.6モル%、Nb2 5 が11.6モル%、およ
びBaTiO3 が7.0モル%とそれぞれなるように混
合量を調節する。
【0054】次いで、上述した混合物に対して、るつぼ
中において900℃で12時間の仮焼処理を行ない、そ
れによって、ペロブスカイト構造の安定したPNN粉末
としての第2の成分の結晶粉末を得ることができる。
【0055】圧電性結晶粉末を構成する複合ペロブスカ
イト酸化物は、前述した第1の成分の結晶粉末と第2の
成分の結晶粉末との混合物を仮焼して得ることができる
が、第2の成分は、第1および第2の成分の合計に対し
て、10重量%〜40重量%の範囲の含有量をもって含
有していることが好ましい。
【0056】上述した第2の成分の含有量についての好
ましい範囲を求めるため、Pb(Zr0.52Ti0.48)O
3 の組成を有する第1の成分としてのPZT結晶粉末に
対して、種々の割合で第2の成分の代表例としてのPZ
N結晶粉末を混合した後、これに仮焼処理と粉砕とを行
ない、複合ペロブスカイト酸化物からなる粉末を得た。
この複合ペロブスカイト酸化物におけるPZN結晶粉末
の添加量を種々に変えたときの圧電定数が図3に示され
ている。
【0057】図3に示すように、圧電体ペースト材料の
設計上で必要とする混合結晶の最低限の圧電定数d33
270pC/N以上としたとき、これを満たすPZN結
晶粉末の含有量は10重量%〜40重量%の範囲である
ことがわかる。
【0058】なお、同様のことが、第2の成分として、
PMN結晶粉末またはPNN結晶粉末を用いた場合に
も、あてはまることが確認されている。
【0059】次に、上述のようなPZT−PZN複合ペ
ロブスカイト酸化物からなる圧電性結晶粉末を含む圧電
体ペーストによって形成された圧電体膜の特性を評価す
るため、以下のような実験を実施した。
【0060】この実験では、以下に説明するように、圧
電体膜4の形成のために用いた圧電体ペーストおよび圧
電体膜4の形成方法を除いて、前述の第1の実施形態に
おける表2に示した圧電定数を求める実験の場合と同様
の条件に従って、図2に示した圧電体部品1を試料とし
て作製した。
【0061】(圧電体ペーストの作製)この実験で用い
た圧電体ペーストに含まれる圧電性結晶粉末としては、
以下の表3に示すように、PZT−PZN複合ペロブス
カイト酸化物からなるもの(試料11〜16)と、PZ
T結晶粉末単独からなるもの(試料17〜19)と、P
ZT−PMN複合ペロブスカイト酸化物からなるもの
(試料20)と、PZT−PNN複合ペロブスカイト酸
化物からなるもの(試料21)とを用意した。
【0062】
【表3】
【0063】表3の試料11〜21のいずれにおいて
も、PZTとしては、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3
組成を有するものを用いた。
【0064】また、試料11〜16におけるPZNにつ
いては、PbOを69.8モル%、ZnOを13.7モ
ル%、Nb2 5 を9.5モル%、およびBaTiO3
を7.0モル%それぞれ含有する混合物を仮焼して得ら
れたものを用いた。
【0065】試料20におけるPMNについては、Pb
Oを69.8モル%、MgOを11.6モル%、Nb2
5 を11.6モル%、およびBaTiO3 を7.0モ
ル%それぞれ含有する混合物を仮焼して得られたものを
用いた。
【0066】試料21におけるPNNについては、Pb
Oを69.8モル%、NiOを11.6モル%、Nb2
5 を11.6モル%、およびBaTiO3 を7.0モ
ル%それぞれ含有する混合物を仮焼して得られたものを
用いた。
【0067】また、試料11〜16のいずれにおいて
も、上述のPZT結晶粉末とPZN結晶粉末との混合比
率については、PZT結晶粉末とPZN結晶粉末との合
計に対して、PZN結晶粉末が30重量%含有するよう
にした。
【0068】試料20においては、上述のPZT結晶粉
末とPMN結晶粉末との混合比率については、PZT結
晶粉末とPMN結晶粉末との合計に対して、PMN結晶
粉末が20重量%含有するようにした。
【0069】試料21においては、上述のPZT結晶粉
末とPNN結晶粉末との混合比率については、PZT結
晶粉末とPNN結晶粉末との合計に対して、PNN結晶
粉末が20.5重量%含有するようにした。
【0070】また、試料11〜16に係るPZT−PZ
N複合ペロブスカイト酸化物を得るため、上述のように
PZT結晶粉末とPZN結晶粉末とを混合した後、仮焼
処理されるが、この仮焼処理にあたっては、700℃で
5時間行なったもの(試料11〜13)と950℃で5
時間行なったもの(試料14〜16)との2種類を用意
した。
【0071】試料20に係るPZT−PMN複合ペロブ
スカイト酸化物については、上述のようにPZT結晶粉
末とPMN結晶粉末とを混合した後、950℃で5時間
の仮焼処理を行なったものを用意した。
【0072】試料21に係るPZT−PNN複合ペロブ
スカイト酸化物については、上述のようにPZT結晶粉
末とPNN結晶粉末とを混合した後、950℃で5時間
の仮焼処理を行なったものを用意した。
【0073】また、圧電体ペーストに含まれる結晶化ガ
ラス粉末としては、前掲の表1における「b−1」の組
成を有するものを用いた。
【0074】また、圧電体ペーストに含まれる有機ビヒ
クルとしては、エチルセルロースをベースとするものを
用いた。
【0075】このような圧電性結晶粉末と結晶化ガラス
粉末と有機ビヒクルとを用いながら、圧電性結晶粉末を
76重量%、結晶化ガラス粉末を4重量%、および有機
ビヒクルを20重量%それぞれ含有させながら、これに
有機溶剤を加えて混合し、ロールミルを用いて分散処理
することによって、試料11〜21の各々に係る圧電体
ペーストを作製した。
【0076】(圧電体部品の作製)次いで、図2に示し
たような圧電体部品1を得るため、前述した実験の場合
と同様の態様で下層電極3および裏面電極6が形成され
た絶縁基板2が用意され、下層電極3上に圧電体膜4を
形成するため、上述した各試料に係る圧電体ペーストの
塗膜をスクリーン印刷によって形成し、この塗膜を十分
に乾燥させた後、空気中で焼成のための熱処理を施し
た。
【0077】この熱処理においては、500〜700℃
のガラスの結晶化温度域で1℃/分の昇温速度をもって
昇温した後、表3の「焼成条件」の欄で示すように、試
料11〜19については、800℃、900℃および9
50℃の各温度で3時間保持することによって焼結を完
了させる、温度プロファイルを採用し、試料20および
21については、800℃の温度で3時間保持すること
によって焼結を完了させる、温度プロファイルを採用し
た。なお、焼結後の圧電体膜4の厚みは約50μmにな
るように調節した。
【0078】その後、前述した実験の場合と同様の態様
で、上層電極5および端面電極7を形成し、各試料に係
る圧電体部品1を作製し、前述した実験の場合と同様の
条件で、これら圧電体部品1の分極処理を実施した。
【0079】得られた各試料に係る圧電体部品1につい
て誘電特性を測定したところ、表3に示すように、試料
11〜16については、試料17〜19に比べて、かな
り高い比誘電率εr が得られ、誘電ヒステリシス解析で
得られる残留分極Pr も大きく、また、より小さい抗電
界Ec が得られている。
【0080】また、試料20および21については、表
3に示すように、試料17〜19に比べて、特に同じ焼
成条件の試料17に比べて、高い比誘電率εr が得られ
ている。
【0081】また、図4には、試料11〜19につい
て、圧電体膜4の形成のための焼成温度と分極軸に平行
な方向の圧電定数d33との関係が示されているが、この
図4からわかるように、試料11〜13および14〜1
6については、試料17〜19に比べて、高い分極性と
圧電性が得られている。
【0082】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る圧電体ペ
ーストを用いることにより、従来の厚膜形成技術を適用
しながら1000℃以下といった比較的低温かつ空気中
での焼成で圧電体膜を形成することが可能になるととも
に、熱処理により固溶体相を析出する結晶化ガラス粉末
を含んでいるので、圧電性結晶粉末が有する強誘電性を
保持しつつ分極処理の容易な圧電体膜を得ることができ
る。
【0083】特に、好ましい実施態様では、圧電体ペー
ストは、Pb(Zr,Ti)O3 系セラミックを含む圧
電性結晶粉末と、熱処理によりPb(Zr,Ti)O3
系固溶体相を析出する結晶化ガラス粉末を含んでいるの
で、Pb(Zr,Ti)O3系セラミックを含む圧電性
結晶粉末が有する強誘電性を保持しつつ分極処理の容易
な圧電体膜を得ることができる。
【0084】また、このような圧電体膜を形成するため
の焼成において付与される温度を、800〜950℃の
範囲に選ぶことにより、より高い圧電性を得ることがで
きる。
【0085】また、この発明に係る圧電体ペーストにお
いて、圧電性結晶粉末として、一般式:Pb(Zrx
1-x )O3 で表され、かつ、xが0.49〜0.56
の範囲にある組成を有する、第1の成分と、Pb(Zn
1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3
たはPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 で表される組成を有
する、第2の成分とを含む、複合ペロブスカイト酸化物
からなり、第2の成分が、第1および第2の成分の合計
に対して、10重量%〜40重量%の範囲の含有量をも
って含有しているものを用いれば、Pb(Zr,Ti)
3 系セラミック単独の場合に比べて、より低温での焼
成が可能となり、かつ分極処理が容易で、したがって高
い圧電性を有する圧電体膜を得ることができる。
【0086】また、上述した第2の成分において、さら
にBaTiO3 を含むようにすれば、種結晶不足による
常誘電体相のパイロクロア相を残留させず、ペロブスカ
イト単相とすることができる。
【0087】また、この発明に係る圧電体ペーストに含
有される結晶化ガラス粉末として、一般式:iPbO−
jTiO2 −kZrO2 −mSiO2 で表され、かつ、
iが62〜70モル%、jが7〜19モル%、kが7〜
19モル%、およびmが8〜9モル%の各範囲にある主
成分と、この主成分100重量部に対して3重量部以下
の含有量をもって含有するBi2 3 またはMnO2
らなる添加成分とを含んでいるものを用いると、このよ
うな結晶化ガラス粉末における結晶粒の成長をより促進
させることができる。
【0088】なお、圧電性結晶粉末あるいは熱処理によ
り析出する固溶体相としては、Pb(Zr,Ti)O3
系以外に、Pb(Zn,Nb)O3 系、Pb(Mg,N
b)O3 系、Pb(Ni,Nb)O3 系、Pb(Mn,
Nb)O3 系、Pb(Sn,Nb)O3 系、Pb(C
o,Nb)O3 系、Pb(Fe,Nb)O3 系などが挙
げられる。
【0089】また、圧電性結晶粉末の第2の成分として
は、Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3、Pb(Mg1/3
2/3 )O3 、Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 以外に、
Pb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Sn1/2 Nb
1/2 )O3 、Pb(Co1/3 Nb2/3 )O3 およびPb
(Fe1/2 Nb1/2 )O3 の中から適宜選択して使用す
ることにより、圧電性に優れた圧電体膜を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の特定的な実施態様に係る圧電体ペー
ストに含まれるPZT系圧電性結晶粉末におけるZr/
(Zr+Ti)比の好ましい範囲を示すもので、圧電定
数d33とZr/(Zr+Ti)比との関係を示してい
る。
【図2】この発明に係る圧電体部品の一実施形態を図解
的に示す断面図である。
【図3】この発明に係る圧電体ペーストに含まれる圧電
性結晶粉末がPZT−PZN複合ペロブスカイト酸化物
からなる場合におけるPZNの好ましい含有量を示すも
ので、圧電定数d33とPZT−x重量%PZNとの関係
を示している。
【図4】この発明の特定的な実施態様に係る圧電体ペー
ストを焼成して得られた圧電体膜の圧電定数d33と焼成
温度との関係を示すもので、表3に示した試料11〜1
9についての圧電定数d33を示している。
【符号の説明】
1 圧電体部品 2 絶縁基板 3 下層電極 4 圧電体膜 5 上層電極

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性結晶粉末と、 熱処理により固溶体相を析出する結晶化ガラス粉末と、 有機ビヒクルとを含む、圧電体ペースト。
  2. 【請求項2】 Pb(Zr,Ti)O3 系セラミックを
    含む圧電性結晶粉末と、 熱処理によりPb(Zr,Ti)O3 系固溶体相を析出
    する結晶化ガラス粉末と、 有機ビヒクルとを含む、圧電体ペースト。
  3. 【請求項3】 前記圧電性結晶粉末は、一般式:Pb
    (Zrx Ti1-x )O 3 で表され、かつ、xが0.49
    〜0.56の範囲にある組成を有する、請求項2に記載
    の圧電体ペースト。
  4. 【請求項4】 前記圧電性結晶粉末は、一般式:Pb
    (Zrx Ti1-x )O 3 で表され、かつ、xが0.49
    〜0.56の範囲にある組成を有する、第1の成分と、
    Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Mg1/3 Nb
    2/3 )O3 またはPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 で表さ
    れる組成を有する、第2の成分とを含む、複合ペロブス
    カイト酸化物からなり、前記第2の成分は、前記第1お
    よび第2の成分の合計に対して、10重量%〜40重量
    %の範囲の含有量をもって含有している、請求項2に記
    載の圧電体ペースト。
  5. 【請求項5】 前記複合ペロブスカイト酸化物は、前記
    第1の成分の結晶粉末と前記第2の成分の結晶粉末との
    混合物を仮焼して得られたものである、請求項4に記載
    の圧電体ペースト。
  6. 【請求項6】 前記第2の成分は、さらにBaTiO3
    を含む、請求項4または5に記載の圧電体ペースト。
  7. 【請求項7】 前記第2の成分は、Pb(Zn1/3 Nb
    2/3 )O3 、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 またはPb
    (Ni1/3 Nb2/3 )O3 の原料に平均粒径0.5μm
    以下のBaTiO3 結晶粉末を添加し熱処理して得られ
    たものである、請求項6に記載の圧電体ペースト。
  8. 【請求項8】 前記結晶化ガラス粉末は、一般式:iP
    bO−jTiO2 −kZrO2 −mSiO2 で表され、
    かつ、iが62〜70モル%、jが7〜19モル%、k
    が7〜19モル%、およびmが8〜9モル%の各範囲に
    ある主成分と、前記主成分100重量部に対して3重量
    部以下の含有量をもって含有するBi 2 3 またはMn
    2 からなる添加成分とを含んでいる、請求項2ないし
    7のいずれかに記載の圧電体ペースト。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の圧
    電体ペーストを塗布し、これを焼成することによって得
    られた、圧電体膜。
  10. 【請求項10】 前記焼成において付与される温度が、
    800〜950℃の範囲である、請求項9に記載の圧電
    体膜。
  11. 【請求項11】 絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成さ
    れる下層電極と、前記下層電極上に形成される圧電体膜
    と、前記圧電体膜上に形成される上層電極とを備え、前
    記圧電体膜が請求項9または10に記載の圧電体膜によ
    って与えられる、圧電体部品。
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