JP2000510097A - 宿主細胞シクロフィリンレセプター活性を妨げることによるhiv感染の治療 - Google Patents

宿主細胞シクロフィリンレセプター活性を妨げることによるhiv感染の治療

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Abstract

(57)【要約】 介入のための標的としてシクロフィリンA及びその対応するヒト細胞結合パートナーを用いるHIV感染の治療のための医薬組成物を開示する。HIV感染についての治療としてシクロフィリン、抗シクロフィリン、抗体、及びPEG化シクロフィリンAを用いる方法が更に開示される。本発明は、更に、シクロフィリン及びその細胞レセプターの相互作用を阻害する化合物の同定のためのスクリーニングアッセイを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 宿主細胞シクロフィリンレセプター活性を妨げることによるHIV感染の治療 発明の技術分野 本発明は、シクロフィリンA及びその対応するヒト細胞結合パートナー又は介 入のための標的としてのレセプターを標的とするHIV感染の治療のための医薬組 成物を提供する。本発明は、抗シクロフィリン抗体、誘導化シクロスポリンA、 及びシクロフィリン結合パートナーの可溶性形態を提供し、それらはおそらくHI V感染のための治療として、細胞結合パートナー又はレセプターでシクロフィリ ンAの結合を妨げることにより機能する。本発明は、シクロスポリン及びその同 起源の細胞結合パートナーの生産及び遊離を妨害するようデザインされた遺伝子 構成物を更に提供する。本発明は、更に、シクロフィリン及びその細胞レセプタ ーの相互作用を阻害する化合物の同定のためのスクリーニングアッセイを提供す る。 発明の背景 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)と呼ばれるゆ っくりと退行していく免疫系の病気の主な原因として関連している(Bavre-Sino ussiら、1983,Science 220:868-870;Galloら、1984,Science 224:500-503)。 ヒトにおいて、HIV複製はCD4+Tリンパ球集団において顕著におこり、HIV感染 はこの細胞型を涸渇させ、最終的に免疫不全、日和見感染、神経不全、新生物増 殖、及び最後には死を導く。 HIVはCD4+細胞により標的化される。なぜならCD4細胞表面タ ンパク質(CD4)はHIV-1ウイルスのための細胞レセプターとして機能するから である(Dalgleishら、1984,Nature 312:763-767;Klatzmannら、1984,Nature 312:767-768;Maddonら、1986,Cell 47:333-348)。細胞内へウイルスが入るの は細胞のCD4レセプター分子に結合するgp120に依存し(McDougalら、1986,Sci ence 231:382-385;Maddonら、1986,Cell 47:333-348)、これはCD4+細胞に対 するHIVの向性を説明し、他方gp41はウイルス膜内のエンベロープグリコプロテ イン複合体をつなぎ留める。これらのウイルス−細胞相互作用は感染のために必 要であるが、更なるウイルス−細胞相互作用も要求されるという証拠がある。 HIV感染は汎流行性であり、HIV関連の病気は主要な世界的健康問題である。HI V感染の最も早期の段階である細胞内へのウイルス侵入を阻害することができる 薬剤を開発する試みも行われている。ここで、その焦点は今まではHIVのための 細胞表面レセプターであるCD4にあった。組換え可溶性CD4は、例えば特定のHI V-1株によるCD4+T細胞の感染を阻害することが示されている(Smithら、1987 ,Science 238:1704-1707)。しかしながら特定の初期のHIV-1単離物は組換えCD 4による阻害に比較的感受性がない(Daarら、1990,Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 87:6574-6579)。更に、組換え可溶性CD4の臨床的試みは確定的でない結果 を生み出している(Schooleyら、1990,Ann.Int.Med.112:247-253:Kahnら、1 990,Ann,Int.Med.112: 254-261;Yarchoanら、1989,Proc,Vth Int.Cont. on AIDS,p564,MCP137)。 これにより、抗レトロウイルス薬のデザイン及びテストに大量の努力が向けら れているが、有効な非毒性の治療がなお必要とされている。 シクロフィリンAは、広範囲の細胞内で発現される19kDタンパク 質である。シクロフィリンAは免疫抑制剤であるシクロスポリンAに結合し、ペ プチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ(PPIase)、及びタンパク質ホー ルディング又は“シャペロン”活性を有する。シクロフィリンAは“イムノフィ リンファミリー”の一員、即ち免疫性を制御することに関連する細胞因子の群の 一員である。少くとも4つの型の哺乳動物シクロフィリン:シクロフィリンA, B,C及びhCyP3がクローン化されている(Friedmanら、1943,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA,90:6815-6819)。シクロフィリンCと結合するがシクロフィリンA 又はBに結合しないN末端シグナル配列を有するグリコプロテインが同定されて いる(Friedmanら、前掲)。この相互作用の機能的な意義は概に解明されている 。マウスマクロファージのMAC-2結合タンパク質において相同なタンパク質が見 い出されており、それは免疫抑制剤シクロスポリンAの吸収により生ずる免疫制 御のカスケードに関連すると仮定される(Chicheporticheら、1994,Proc.Natl .Acad.Sci.USA,269:5512-5577)。 ごく最近、シクロスポリンAの、HIVビリオンのGagタンパク質と、特にそのキ ャプシド抗原部分との機能的関連が注目された(Thaliら、1994,Nature 372:363 -365)。シクロフィリンはHIV-1ビリオンに特異的に組み込まれることが報告され ており、そしてGag−シクロフィリン相互作用の破壊はシクロフィリンAのビリ オンへの組込み及びHIV-1複製の両方を防ぐことが報告されており、このことは 感染性HIV-1ビリオンの形成にGagのシクロフィリンAとの相互作用が必要である ことを示す(Frankeら、1995,Nature 372:359-362)。 シクロフィリンは、移植物拒絶の防止に広く用いられる潜在的な免疫抑制剤で あるシクロスポリンAのための宿主細胞レセプターの 1つであることが認められている。シクロスポリンAは、潜在的な免疫抑制、抗 寄生虫、殺真菌及び慢性抗炎症特性を示す疎水性環式ウンデカペプチドのファミ リーの一員である。シクロスポリンAはT細胞活性化において早い段階を阻害す ることにより免疫抑制効果を発揮すると考えられている。シクロスポリンAはT 細胞成長因子であるインターロイキン2(IL-2)のRNA転写を遮断し、前駆体細 胞分解性T細胞によるIL2レセプターの発現を阻害することが見い出されている (Palacios,1982,J.Immunol.128:337)。シクロフィリンAは、免疫抑制を誘 導するのに必要とされるレベルと一致した値である10-8mol/Lの範囲の解離定 数でシクロスポリンAに結合する(Handschumacherら、1984,Science 226:544 )。 シクロスポリンAは試験管内Gag−シクロフィリン相互作用を妨害し、ビリオ ン内へのシクロフィリン組込みを遮断し、そして細胞培養におけるHIV-1の複製 を阻害することが示されている(Frankeら、前掲;Thaliら、前掲;Billichら、1 995,J.Virol.69:2451-2461)。シクロスポリンAがHIV-1ウイルスと直接相互 作用することは示されていない。シクロスポリンA及びそのアナログはシクロフ ィリンAと相互作用することによりHIVの生活環における2つの段階を妨害する という仮説がある。それは、シクロスポリンA処理が環状HIVDNAの形成により測 定されるような感染した細胞のゲノム内への組込みの前にHIV感染を阻害する感 染の確立、及びプロウイルスDNAの宿主ゲノム内への組込みの間、並びに脱ぎ捨 てたウイルス粒子の減少が観察されるがウイルス抗原発現の減少が観察されない 時のウイルス複製の最後の段階である(Billichら;前掲)。それゆえ、研究者 らは、抗HIV剤を開発するための試みにおいてウイルスタンパク質Gagと細胞タン パク質シクロフィリンAとの間の相互作用を破壊することに焦点を当てている。 先の観察結果にかかわらず、患者におけるHIV感染のための治療としてのシク ロスポリンAの有用性は極めて限られている。最初に、シクロスポリンAは潜在 的な免疫抑制剤であるので、免疫無防備状態になるであろうHIV感染患者におけ るその使用は禁忌を示される。更に、シクロスポリンA及びそのアナログの注目 されるHIV阻害効果はシクロスポリンAで免疫抑制を実現するのに必要とされる 濃度より10〜100倍高い薬剤濃度を必要とする。全身の免疫系を全般的に抑制す るシクロスポリンの能力がHIV感染の治療として提唱されている(米国特許第4,8 14,323号を参照のこと)。しかしながら、この治療方法は、強烈に免疫抑制され た状態のHIV感染患者の場合、大きな欠点を有する。 発明の概要 本発明は、HIV感染を阻害するための方法であって、細胞によりインターナラ イズされない(採り込まれない)シクロスポリン誘導体を、HIV感染を阻害する のに十分な量で患者に投与することを含む方法を提供する。好ましくは、シクロ スポリン誘導体はPEG−シクロスポリンである。本発明は、HIV感染を阻害するた めの免疫治療法であって、シクロフィリンに対する免疫応答を誘導するのに十分 な量でシクロフィリン免疫原を個体に投与することを含む方法を更に提供する。 好ましくは、シクロフィリン免疫原はアジュバントと共に投与され、そしてグリ ケートされている。 本発明は、HIV感染を阻害するための免疫治療法であって、HIV感染を阻害する のに十分な投与量で、シクロフィリンを中和する抗体を個体に投与することを含 む方法を更に提供する。好ましくは、その抗体は一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト に適合させた抗体、又はFabフラグメントである。本発明は、HIV感染を阻害する ための方 法であって、HIV感染を阻害するのに十分な量で外因性シクロフィリンを患者に 投与することを含む方法を更に提供する。本発明は、シクロスポリンの誘導化形 態を含む医薬組成物であって、シクロスポリンがポリエチレングリコールとの反 応により誘導化されてPEG−シクロスポリンを形成することを特徴とする医薬組 成物を提供する。 最後に、本発明は、試験管内でシクロフィリン及びその同起源の結合パートナ ー又はレセプターの相互作用を阻害する化合物又は組成物を同定するための薬剤 スクリーニング法であって、(a)テスト化合物、シクロフィリン及びシクロフ ィリン結合パートナーを反応混合物に加え;そして(b)その反応混合物中のシ クロフィリン−シクロフィリン結合パートナー複合体のいずれかを検出すること を含む方法を提供する。 本発明は、部分的に、細胞外から供されたシクロスポリン、又はシクロスポリ ンについての中和性抗体、及び宿主細胞によるそれらのインターナリゼーション を阻害するよう修飾されたシクロスポリンA誘導体各々がHIV複製を阻害すると いう出願人の発見に基づく。この発見は、外因性シクロフィリンA、細胞外から 供給されたシクロフィリンAについての中和性抗体、及び細胞に入ることから排 除されるように修飾された細胞外から供給されたシクロスポリンA誘導体各々が HIV複製を阻害することを証明する例に記載される。この結果は、特定のシクロ スポリンは細胞の宿主系におけるHIV感染に対する効能を示すが、これらのペプ チドは感染した細胞内で機能すると考えられているので免疫調節活性を有する細 胞タンパク質であるシクロフィリンAがHIV-Gagへの結合によりHIVビリオンに組 み込まれると信じられ、生産的ウイルス感染(例えばウイルスアセンブリ−及び 伝達)に必要とされると考えられるので驚くべきこ とである。ビリオンのコア内に含まれるGag−シクロフィリンA複合体はHIV−エ ンベロープグリコプロテインを有する脂質エンベロープにより囲われている。従 って、Gag−シクロフィリン複合体は外因性シクロフィリンに、細胞外中和性抗 体に、又は細胞によるインターナリゼーションを阻害するよう誘導化されたシク ロスポリンAに露出されないと一般に理解される。 特に、シクロフィリンを中和する抗体はHIV感染を阻害するのに用いることが できる。本発明の一実施形態において、治療すべき患者の外部で、例えば抗原と してシクロフィリンを用いて作られた中和性抗体は、受動的免疫治療の試みにお いて投与することができる。好ましい実施形態において、シクロフィリンはアジ ュバントと一緒に用いられ、抗原性及び抗体の利用性を改善するために、例えば グリコシル化(glycation)により共有結合で修飾される。本発明の他の実施形態 において、シクロフィリンは、HIV感染患者における活性な免疫応答を作り出す ために“ワクチン”として用いるために、例えばアジュバントと組み合わせて免 疫原として製剤化することができる。好ましい実施形態において、シクロスポリ ンは免疫原性を改善するため又は意図した目的のための誘発された抗体の特徴を 改善するためにグリコシル化の進展により改良される。 シクロフィリンAとの細胞内相互作用により免疫抑制を通常引きおこすであろ うシクロスポリンは、例えばかさ高い又は荷電した置換基の共有結合により細胞 内への薬剤の侵入を阻害し、それによりこれらの誘導体を非免疫抑制性にするよ うに誘導化することができる。好ましい実施形態において、シクロスポリンはポ リエチレングリコール置換基の結合により改良される。このようなシクロスポリ ン誘導体は、HIV感染した患者において免疫抑制を誘導せずにHIV感染を阻害する のに用いることができる。 本発明は、HIV感染を妨害するための外因性シクロスポリンの使用に、及びHIV -Gagとの複合体を形成することができないがなおシクロフィリン宿主レセプター に結合することができるシクロフィリン誘導体の使用に更に関する。それゆえ、 これらのシクロフィリン誘導体はビリオンに組み込まれ得ないが、なお宿主結合 タンパク質へのHIVビリオン関連シクロフィリンの結合と競合し又はそれを遮断 することができる。 図面の簡単な説明 図1は、40μg/mlで外因性シクロフィリンで処理されたH9細胞培養物中で のHIV-1感染の阻害を示す。逆転写酵素(RT)活性は、標準的方法に従って、感 染後5日の培養物上清においてアッセイした。 図2は、外因性シクロフィリン(1又は40μg/ml)で、又はグリケートされ たシクロフィリン(α-AGE-CyP)にもしくは非修飾シクロフィリン(α-CyP)に 対する完全な抗血清で処理したH9細胞培養物におけるHIV-1感染の阻害を示す 。逆転写酵素(RT)活性は、標準的な方法に従って感染後3日の培養物上清にお いてアッセイした。 図3は、40μg/mlにおいて外因性シクロフィリンで処理したヒトPBL培養物 中のHIV-1感染の阻害の時間経過を示す。培養物上清中のp24抗原レベルは、市 販のELISAによりアッセイした。 図4は、シクロフィリン、抗シクロフィリン抗体、及び細胞侵入を阻害するよ うに誘導化したシクロスポリンAによるヒト単球/マクロファージ培養物におけ るHIV-1感染の阻害を示す。阻害は、適切な対照を引用することにより定量的PCP −アッセイにおいて測定したHIVpolレトロトランスクリブションの阻害の割合( %)として 評価した。 発明の詳細な記載 シクロフィリン(CyP)は、4つの型:CyPA,CyPB,CyPC及びhCyP3が知られてお り、シクロスポリンAのためのレセプターであるタンパク質シクロフィリン、並 びにそのシクロフィリンのいずれかの誘導体、又はシクロフィリンに相当するア ミノ酸配列を有するフラグメントもしくはペプチドをいう。 シクロスポリン(CsA)は、免疫抑制剤シクロスポリン、並びにそのシクロスポ リンのいずれかの誘導体、又はシクロスポリンに相当するアミノ酸配列を有する フラグメントもしくはペプチドをいう。 本明細書で用いられるシクロフィリン結合パートナーとは、シクロフィリン特 異的結合活性を有する、細胞結合タンパク質、細胞表面結合タンパク質、細胞外 レセプター、又は細胞内結合タンパク質のいずれかを意味する。 本発明は、HIV感染の治療のための医薬組成物を提供する。これらの剤は、シ クロフィリンAとシクロフィリンAに特異的な細胞結合タンパク質との間の相互 作用を妨害するようデザインされる。本発明の第1の実施形態において、シクロ フィリンは患者においてHIV感染を阻害するために投与され得る。このシクロフ ィリンはヒトシクロフィリンA,BもしくはCと、又は他の種(例えばマウス、 イースト)のシクロフィリンと実質的に同一の配列を有するタンパク質であって も、上述のネイティブ配列のいずれかの変異体であってもよい。本発明に従って 投与した場合、これらの治療は、ウイルス関連シクロフィリンと宿主細胞タンパ ク質との間の相互作用を妨害することにより、抗HIV感染治療としての利用性を 有するであろう。 第2の実施形態において、シクロフィリンに対して形成された中和性抗体は、 受動的免疫治療アプローチにおいて投与することができる。本発明は、免疫原と して調剤されたシクロフィリンの使用にも関する。“ワクチン”としてのシクロ フィリンの使用はHIV感染患者に役立つ活性な免疫応答を形成するであろう。好 ましい実施形態において、免疫原として用いるためのシクロフィリンは、最初に 非酵素的グリコシル化により修飾されて、免疫原性又は抗原特異的免疫応答の要 求される特性が改善される。 その小さな分子は、細胞内シクロフィリンAとの相互作用のため通常免疫抑制 を生ずるであろうが例えばかさ高い又は荷電した置換基、例えばポリエチレング リコールの共有結合により細胞内へのそれらの侵入を阻害するように誘導化され ているシクロスポリンである。細胞外に供されたシクロスポリン誘導体はHIV感 染を阻害するのに用いることができる。これは、それらの修飾により大きな免疫 抑制活性がないことにより、シクロフィリンAとその細胞結合タンパク質との間 の相互作用を遮断することに帰すると考えられる。 本発明は、更に、HIV感染を阻害する化合物を同定するためのスクリーニング アッセイを提供する。これらの化合物は、シクロフィリンAとその細胞結合タン パク質との間の相互作用を遮断する活性について選択される。これらの同定され た化合物はHIV感染の治療及び防止における利用性を有するであろう。 本発明は、部分的に、細胞外外因性シクロフィリンA、シクロフィリンAのた めの中和性抗体、及び宿主細胞へのそれらの侵入を阻害するように改良されたシ クロスポリンA誘導体を供した場合、それら各々がHIV複製及び細胞培養におけ る感染を阻害するという本出願人の驚くべき発見に基づく。細胞侵入から排除さ れるように改良された細胞外に供されたシクロスポリンA、それゆえ非免疫抑制 性誘導体はHIV複製を阻害する。これらの結果は、唯一知られているシクロフィ リンとのHIV感染関連分子相互作用、Gag−シクロフィリン複合体がHIV−エンベ ロープグリコプロテインを有する脂質エンベロープにより囲われているHIVビリ オンのコア内に含まれることから、驚くべきことである。従って、Gag−シクロ フィリン複合体は細胞外に供されたシクロフィリンA、中和性抗体又は誘導化シ クロスポリンAに露出されないはずである。いずれかの理論又は説明に限定しな いが、シクロフィリンのための宿主細胞結合因子又はレセプターが存在し、HIV によるCD4+宿主細胞の有効な感染のために宿主CD4レセプターの他に要求され る(例えば核への結合、非コーティング及び転移)という仮説を本出願人は立て た。 例えば、本発明により用いることができる化合物はシクロフィリンとその細胞 結合パートナー又はレセプターとの間の相互作用を妨害するいずれかの化合物、 例えばこれらに限られないが、シクロフィリンに対する中和性抗体、及びHIV感 染患者における活性な免疫応答を引きおこすための免疫原としてのシクロフィリ ンの使用を含む。本発明により用いることができる化合物の他の例は、シクロフ ィリンA、並びに有利には、ウイルス関連シクロフィリンAとその細胞結合パー トナー又はレセプターとの間の相互作用を阻害し、相応じてHIV感染を阻害する シクロスポリンの非免疫抑制性誘導体を含む。本発明により用いることができる 化合物の他の例は、これらに限られないが、ペプチド(例えばシクロフィリン結 合パートナー又はレセプターの可溶性部分を示すペプチド)、ホスホペプチド、 小さな有機もしくは無機分子、又は抗体(例えばポリクローナル、モノクローナ ル、ヒト適合化、抗イデイオタイプ、キメラ又は一本鎖抗体、並びにFAb,F(ab ’)2及びFAb発見ライブラリーフラグメント、並びにそれらのエピトープ結合性 フラグメント)を含む。 本発明は、受動的免疫治療アプローチにおける誘導化シクロフィリンに対して 任意に生ずるシクロフィリンに対する抗体を中和するための使用、及びHIV感染 患者における活性な免疫応答を作り出すための免疫原としてのシクロフィリン、 任意に誘導化形態のシクロフィリンの使用を提供する。 本発明は、シクロフィリンと、又はその細胞結合パートナーと相互作用し、HI V感染を阻害する中和性抗体を提供する。これらの抗体はシクロフィリンとその 宿主細胞結合パートナー又はレセプターとの間の相互作用を破壊し、それにより HIV感染を阻害する。これらの本発明の中和性抗体は、受動的免疫治療アプロー チにおいて投与することができる。本発明の好ましい実施形態において、その中 和性抗体は、グリコシル化されたシクロフィリンを用いて作り出される。シクロ フィリンをグリコシル化するための方法は、引用によりその全体が本明細書に組 み込まれるWO 93/23081に記載される。 シクロフィリンA又はその宿主細胞結合パートナーもしくはレセプターに特異 的な抗体は、HIV感染を阻害するために作り出すことができ、これらの抗体はこ の点において、ウイルスに関連するシクロフィリンとその細胞結合パートナー又 はレセプターとの間の相互作用を妨害することにより機能すると考えられる。受 動的免疫治療の試みのために、これらの抗体は、そのタンパク自体に対して、又 はそのタンパク質の一部に対応するペプチドに対して、標準的な技術を用いて作 り出すことができる。それら抗体は、これらに限られないが、ポリクローナル、 モノクローナル、Fabフラグメント、一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、非ヒ ト抗体又はヒト適合化抗体を含む。 抗体のフラグメントを用いる場合、標的タンパク質の結合ドメイ ンに結合する最も小さな阻害性フラグメントが好ましい。例えば、標的タンパク 質に結合する抗体の可変領域のドメインに対応するアミノ酸配列を有するペプチ ドを用いることができる。これらのペプチドは化学的に合成し、又は組換えDNA 技術により生産することができる。あるいは、細胞内標的エピトープに結合する 一本鎖中和性抗体も投与することができる。これら一本鎖抗体は、例えばMarasc oら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:7889-7893,1993)に記載される技術のよ うな技術を利用することにより例えば標的細胞集団内に一本鎖抗体をコードする ヌクレオチド配列を発現させることにより、投与することができる。 抗体の生産のために、種々のホスト動物、例えばこれらに限られないがウサギ 、マウス及びラットをそのタンパク質の注入により免疫化することができる。例 えばこれらに限られないが、グリコシル化の進展の方法によるもしくはグリコシ ル化産物の進展による関心の抗原の改良により、又はフロイントアジュバント( 完全及び不完全)、ミネラルゲル、例えば水酸化アルミニウム表面活性物質、例 えばリゾレシチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプ チド、油エマルション、キーホールリンペット(Keyhole limpet)ヘモシアニン 、ジニトロフェノール、及び潜在的に役立つヒトアジュバント、例えばBCG(bac ille Calmette-Guerin)及びコリネバクテリウム.パルブム(Corynebacterium parvum )と一緒の抗原の投与により、ホストの種に依存して、免疫応答を増加さ せるために種々のアジュバントを用いることができる。 上述の受動的ワクチン製剤を導入するために多くの方法を用いることができる 。これらは、これらに限られないが、経口、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下 、及び鼻内の経路である、ワクチンがデザインされた病原体の感染の自然の経路 により、又は病原体が体内 に存在する組織内にワクチン製剤を導入することが好ましい。 免疫化手順において、用いられる免疫原の量及び免疫化スケジュールは、当業 者の医師により決定されるであろうし、患者の免疫応答及び抗体タイターを考慮 して投与されるであろう。 本発明は、免疫原として製剤化され、深刻な免疫無防備状態でないHIV感染患 者において又はHIV露出及び感染の危険がある集団において活性な免疫応答を作 り出すために“ワクチン”として用いられるシクロフィリンの使用を更に提供す る。好ましい実施形態において、活性な免疫化は、Advanced Glycation Endprod ucts(AGES)として知られる不可逆的共有結合アダクトの形成を導く条件下でグ ルコース又は他の還元糖と、免疫原シクロフィリンを反応させることを含む。シ クロスポリンをグリケートするための方法は、その全体が引用により本明細書に 組み込まれるWO 93/23081に記載される。 シクロフィリンとその細胞結合パートナーとの間の相互作用を妨害するシクロ フィリンA又は細胞結合パートナーもしくはレセプターに対して生じた活性な免 疫応答は、それゆえ、HIV感染を阻害するように形成され得る。活性な免疫化の ために、シクロフィリンもしくはその細胞結合パートナーもしくはレセプター、 又はその細胞結合パートナーもしくはレセプターに結合するシクロフィリンに必 要とされるドメインに対応するアミノ酸配列を有するフラグメントもしくはペプ チドからなる免疫原を含むワクチンは、HIV患者又はHIV露出の危険のあるヒトに おいて免疫応答を作り出すのに利用することができる。これらの免疫原は、任意 に、促進されたグリコシル化又は促進されたグリコシル化産物により改良するこ とができ、免疫応答を増加させるためのアジュバント、例えば潜在的に役立つヒ トアジュバント、即ちBCG(bacille Calmette-Guerin)及びコリ ネバクテリウム・パルブムと一緒に製剤化することができる。 上述のワクチン製剤を導入するために多くの方法を用いることができ、これら は、これらに限られないが、経口、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、及び鼻 内経路を含む。ワクチンがデザインされた病原体の感染の自然の経路によりワク チン製剤を導入するのが好ましい。 免疫化手順において、用いられる免疫原の量及び免疫化スケジュールは医師に より決定されるであろう。 本発明は、更に、シクロスポリンの誘導体が細胞内シクロスポリンAと対応し て相互作用しないように、宿主細胞への侵入又は宿主細胞によるインターナリゼ ーションを阻害するように改良されたシクロスポリン誘導体を更に提供する。こ れらの本発明のシクロスポリン誘導体は、細胞外に供された時にHIVウイルス侵 入を阻害するよう機能すると確信される。これらのシクロスポリン誘導体はHIV による感染を阻害するが、HIV感染患者の免疫抑制を生じないはずである。それ ゆえ、本発明に、細胞による分子のインターナリゼーションを防ぎ又はそれを最 小限にするが、シクロスポリンとの相互作用を防ぎ、それによりHIV感染を阻害 するシクロスポリンの誘導体を含む。シクロスポリンは、タンパク質へのかさ高 い置換基の付加により誘導化することができる。これらの置換基の例は、これら に限られないが、荷電した置換基(例えばスペルミン又はスペルミジン)、修飾 された骨格を有する及び有さないポリヌクレオチド、炭水化物(例えばポリアク リル酸、アクリル酸ポリナトリウム、アクリル酸ポリセシウム、ポリメタクリル 酸)、両親媒性ブロックコポリマー(例えばポリスチレンポリナトリウムアクリ レート)、及び両親媒性ホモポリマーを含む。 本発明の好ましい実施形態において、シクロスポリンはポリエチ レングリコールとの反応により誘導化されて“PEG化(pegylated)”シクロスポ リンを生ずる。PEG化シクロスポリンは、標準的な化学的方法により調製するこ とができる。本発明のPEG化シクロスポリンを調製する好ましい方法は、メトキ シポリエチレングリコール−スクシニミジルスクシネートを、8−アミノ−シク ロスポリン、A及び4−ジメチルアミノピリジンと、メチレンクロライド中で、 暗所中で室温で2日間、撹拌しながら反応させることを含む。次に、いずれかの 非反応部位を遮断するために、エタノールアミンを加え、その混合物を更に24時 間、撹拌しながら室温でインキュベートした。その誘導化シクロスポリンAを通 常の相HPLCによりその反応混合物から精製した。 本発明は、シクロスポリンとその細胞結合パートナー又はレセプターとの間の 相互作用を阻害するための外因性シクロフィリンの使用を更に提供する。外因性 形態のシクロフィリンの例は、これらに限られないが、ヒトシクロフィリンA、 他のヒトシクロフィリン、他の種(例えばマウス、イースト)のシクロフィリン 、誘導化シクロフィリン、組換えシクロフィリン、シクロフィリン融合タンパク 質又はその宿主細胞レセプターに結合するシクロフィリンのドメインを発現する ペプチドフラグメントを含む。Gagタンパク質との複合体を形成し及び形成せず 、HIVビリオンにより組み込まれないが、宿主細胞シクロフィリン結合パートナ ー又はレセプターに結合してGag−シクロフィリン複合体の結合を遮断するシク ロフィリンの両方の形態が含まれる。 本発明の更なる実施形態は、シクロフィリンとその細胞結合パートナーとの間 の相互作用を阻害するための外因性シクロフィリン結合タンパク質の使用に関す る。シクロフィリン結合パートナー又はレセプターの外因性形態の例は、これら に限られないが、誘導化シ クロフィリン結合パートナー、組換えシクロフィリン結合パートナー、融合タン パク質又はシクロフィリンに結合するシクロフィリン結合パートナー又はレセプ ターのドメインを発現するペプチドフラグメントを含む。 本発明の更なる実施形態において、構成的に又は適切なインデューサーに応答 してシクロフィリンを生産又は遊離するための細胞の遺伝子工学、及び外から移 入された細胞の植え付け又は外因性細胞集団に移入するための遺伝子治療による 患者の治療によるHIV患者への前記細胞の供給を用いるHIV感染のための治療様式 が心に描かれる。この治療様式は、例えば生産的感染のために要求されるような 、ウイルス関連シクロフィリンと上述の細胞結合タンパク質との間の相互作用を 妨害することによる、HIV感染を阻害するシクロスポリン変異体、シクロスポリ ンの分子デコイ又は他の類似物の発現及び遊離によるHIV治療を行うのに同様に 適する。シクロフィリン結合タンパク質又はそのシクロフィリン結合ドメインの 可溶性形態を発現し、遊離するために細胞の遺伝子工学を利用する治療様式は、 同様に、本発明の実施において利用性が見い出され、以後考慮されるであろう。 シクロフィリンは、種々の方法により誘導化することができる。好ましい実施 形態において、シクロフィリンは、暗所で室温で2日間撹拌しながらメチレンク ロライド中でシクロフィリンをメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジ ルスクシネート及び4−ジメチルアミノピリジンと反応させることによりPEG化 される。いずれかの非反応部位を遮断するため、エタノールアミンを加え、その 混合物を更に24時間、撹拌しながら室温でインキュベートする。PEG化されたシ クロフィリンを、通常の相HPLCによりその反応混合物から精製する。 シクロフィリンの組換え形態は、合成技術により又は組換えDNA技術により生 産することができる。組換えDNAは、差別的に発現されるシクロフィリンタンパ ク質コード化配列及び適切な転写/翻訳調節シグナルを含む発現ベクターを作製 するのに用いることができる。これらの方法は、例えば、試験管内組換えDNA技 術、合成技術及び生体内組換え/遺伝子組換えを含む。あるいは、差別的に発現 されるシクロフィリンタンパク質配列は、例えばシンセサイザーを用いて化学的 に合成することができる。 種々の宿主発現ベクター系を、シクロフィリンコード化配列を発現するのに利 用できる。これらの宿主−発現系は、関心のコード化配列が生産され、次に精製 され得るビヒクルであるが、適切なヌクレオチドコード化配列で形質転換し又は それを移入した時にその場でシクロフィリンタンパク質を生産し遊離することが できる細胞でもある。これらは、これらに限られないが、シクロフィリンタンパ ク質コード化配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコス ミドDNA発現ベクターで形質転換されたバクテリア(例えば大腸菌、B.サブチ リス(B .subtilis))のような微生物;シクロフィリンタンパク質コード化配列 を含む組換えイースト発現ベクターで形質転換されたイースト(例えばサッカロ マイセス(Saccharomyces)、ピキア(Pichia));シクロフィリンタンパク質コード 化配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス(baulovir us )を感染させた昆虫細胞系;シクロフィリンタンパク質コード化配列を含む組 換えウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス、CaML;タバ コモザイクウイルス、TMV)を感染させ、又は組換えプラスミド発現ベクター(例 えばTiプラスミド)で形質転換した植物細胞系;又は哺乳動物細胞のゲノム(例 えばメチロチオネイソプロモーター)又は哺乳動物ウイルス( 例えばアデノウイルス遅期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター )由来のプロモーターを含む組換え発現構成物を有する哺乳動物細胞系(例えばC OS,CHO,BHK,293,3T3)を含む。 バクテリア系において、例えば直ちに精製される高レベルの融合タンパク質産 物の発現を推進するベクターが要求され得る。これらのベクターは、これらに限 られないが、融合タンパク質が生産されるようにシクロスポリンタンパク質コー ド化配列がLacZコード化領域と枠内でベクター内に個々に連結され得る大腸菌発 現ベクターpVR278;及びpINベクターを含む。pGEXベクターは、グルタチオンS −トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現 するのにも用いることができる。一般に、これらの融合タンパク質は可溶性であ り、グルタチオン−アガロースビーズへの吸着及び次の遊離グルタチオンの存在 下での溶出により、溶解した細胞から容易に精製することができる、pGEXベクタ ーは、そのクローン化された標的遺伝子タンパク質がGST成分から遊離され得る ようにトロンビン又は第Xa因子プロテアーゼ開裂部位を含むようデザインされる 。 昆虫系において、オートグラファ.カリホルニカ(Autographa californica) 核ポリヒドロシスウイルス(AcNPV)が外来遺伝子を発現するためにベクターとし て用いられる。そのウイルスは、スポドプテラ.フルギペルダ(Spodoptera frug iperda )細胞内で増殖する。シクロフィリンコード化配列の上手くいった挿入は 、ポリヘドリン遺伝子の不活性化及び非閉塞性組換えウイルスの生産を引きおこ すであろう。次にこれらの組換えベクターは挿入された遺伝子が発現されるスポ ドプテラ.フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞に感染するのに用いられ る。 哺乳動物宿主細胞において、いくつかの発現系、例えばウイルス ベースの発現系を利用することができ、細胞で発現されたタンパク質又はタンパ ク質を発現する細胞を利用することができる。アデノウイルスを発現ベクターと して用いる場合、関心のシクロフィリンコード化配列は、アデノウイルス転写/ 翻訳調節複合体、例えば遅期(late)プロモーター及びトリパータイト(tripar tite)リーダー配列に連結することができる。次にこのキメラ遺伝子は、試験管 内又は生体内組換えによりアデノウイルスゲノム内に挿入することができる。ウ イルスゲノムの非本質的領域(例えば領域E1又はE3)における挿入は、感染 した宿主内で生きることができ、シクロフィリンタンパク質を発現することがで きる組換えウイルスを生ずるであろう。 シクロフィリンA、その細胞結合パートナー又はレセプターに結合し、シクロ フィリンAとその細胞レセプターとの間の相互作用を妨害する化合物又は組成物 を同定するために、以下のアッセイをデザインする。シクロフィリンAとその細 胞結合パートナー又はレセプターとの間の相互作用のインヒビターとして同定さ れたこれらの化合物は抗HIV剤としての利用性を有するであろう。標的遺伝子又 は関心のタンパク質としてのシクロフィリン及びその細胞結合パートナー又はレ セプターの相互作用を阻害する化合物を同定するためのアッセイの原理は、テス ト化合物並びにシクロフィリン及びその宿主レセプターの反応混合物又は部分的 に前記シクロフィリン結合活性を含む細胞調製物を、その化合物が相互作用及び 結合するのを許容するのに十分な時間で調製し、これにより除去及び/又は検出 することができる複合体を形成することに関する。阻害活性について化合物をテ ストするために、テスト化合物の存在及び欠如下で反応混合物は調製される。テ スト化合物は反応混合物内に最初に含んでもシクロフィリンA及びその細胞結合 パートナー又はレセプター の添加の後一度に加えてもよい。対照反応混合物はテスト化合物なしで又は対照 剤と共にインキュベートされる。標的遺伝子タンパク質と細胞又は細胞外結合パ ートナーとの間のいずれかの複合体の形成が次に検出される。対照反応における 化合物の形成は、その化合物が標的遺伝子タンパク質及び相互作用性結合パート ナーの相互作用を妨害することを示すがテスト化合物を含む反応混合物において はそうでない。更に、テスト化合物及び正常の標的遺伝子タンパク質を含む反応 混合物内での複合体形成は、テスト化合物及び変異標的遺伝子タンパク質を含む 反応混合物内の複合体形成とも比較される。 標的遺伝子産物と結合パートナーとの相互作用を妨害する化合物についてのア ッセイは、異種又は同種形態で行うことができる。異種アッセイは、標的遺伝子 産物又は結合パートナーのいずれかを固相に固定し、その反応の後に固相上に固 定された化合物を検出することに関する。同種アッセイにおいては、全体の反応 を液相で行う。いずれのアプローチにおいても反応物の添加の順序はテストされ る化合物についての異なる情報を得るために種々であり得る。例えば、標的遺伝 子産物と結合パートナーとの間の相互作用を例えば競合により妨害するテスト化 合物は、テスト物質の存在下で反応を行うことにより、例えば標的遺伝子タンパ ク質及び相互作用性細胞又は細胞外結合パートナーの前に又はそれらと同時に反 応混合物にテスト物質を加えることにより同定することができる。あるいは、予 め形成された複合体を破壊するテスト化合物、例えば複合体から構成物の1つを 置換するより高い結合定数を有する化合物は、複合体を形成した後に反応混合物 にテスト化合物を加えることにより、テストすることができる。ウイルス形態は 以下に簡単に記載される。 異種アッケイ系においては、標的遺伝子タンパク質又は相互作用 性細胞又は細胞外結合パートナーは固体表面上に固定化され、他方非固定化種は 直接的又は間接的に標識化される。実際はマイクロタイタープレートが利用され る。その固定化された種は、非共有又は共有結合により固定化され得る。非共有 結合は、標的遺伝子産物又は結合パートナーの溶液で固体表面をコートし、そし て任意に乾燥させることにより簡単に行うことができる。あるいは、固定化され るべき種に特異的な固定化抗体は、固体表面にその種を固定化するのに用いるこ とができる。その表面はあらかじめ調製することができる。 アッセイを行うために、固定化された種のパートナーはテスト化合物と共に又 はそれなしで、コートされた表面に露出される。反応を完了した後、反応してい ない化合物が(例えば洗浄により)除去され、形成されたいずれかの複合体が固 体表面上に固定化され続けるであろう。固体表面上に固定化された複合体の検出 は、いくつかの方法により行うことができる。非固定化種を予め標識化した場合 、その表面上に固定化された標識の検出は複合体が形成されたことを示す。非固 定化種を予め標識しない場合、例えば最初は非固定化の種に特異的である標識さ れた抗体を用いて、表面上に固定化された複合体を検出するために間接的標識を 用いることができるしかわりに抗体は、標識された抗Ig抗体で直接標識し又は間 接的に標識することができる。反応構成物の添加の順序により、複合体形成を阻 害し又は予め形成された複合体を破壊するテスト化合物を検出することができる 。 あるいは、その反応は、例えば溶液中に形成されるいずれかの複合体を固定化 するための結合する構成物の1つに特異的な固定化抗体、及び固定化された複合 体を検出するための他のパートナーに特異的な標識された抗体を用いてテスト化 合物の存在又は欠如下で液 相中で行うことができ、その反応生成物を反応していない構成物から分離し、複 合体を検出することができる。また、反応物の液相への添加の順序により、複合 体を阻害し、又は予め形成された複合体を破壊するテスト化合物を同定すること ができる。 あるいは、同種アッセイを用いることができる。このアプローチにおいては、 標的遺伝子タンパク質及び相互作用性細胞又は細胞外結合パートナーの予め形成 された複合体は、標的遺伝子産物又はその結合パートナーが標識されるがその標 識により作られるシグナルが複合体形成により消光する様式で調製される(米国 特許第4,109,496号)。予め形成された複合体からの種の1つと競合しそれを置 換するテスト物質の添加は、バックグラウンドを超えるシグナルを形成させるで あろう。この方法において、標的遺伝子タンパク質/細胞又は細胞外結合パート ナー相互作用を破壊するテスト物質を同定することができる。 標的遺伝子産物は、当該技術で慣用的に用いられる組換えDNA技術を用いる固 定化のために調製することができる。例えば、標的遺伝子コード化領域は、その 結合活性が結果として生ずる融合タンパク質内で維持されるように、pGEX-5X-1 のような融合ベクターを用いてグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺 伝子に融合させることができる。その相互作用する細胞又は細胞外結合パートナ ーは精製することができ、モノクローナル抗体を作り出すのに用いることができ る。この抗体は放射性同位体125Iで標識することができる。異種アッセイにお いて、GST−標識遺伝子融合タンパク質は、グルタチオン−アガロースビーズに 固定化することができる。次に、相互作用する細胞又は細胞外結合パートナーは 、相互作用及び結合がおこるのを許容するように、テスト化合物の存在又は欠如 下で添加することができる。反応期間の後、結合していない材料は 洗い落とすことができ、標識化されたモノクローナル抗体をその系に加え、その 複合化した構成物に結合させることができる。標的遺伝子タンパク質と相互作用 性細胞又は細胞外結合パートナーとの間の相互作用は、グルタチオン−アガロー スビーズと会合したままである放射能の量を測定することにより検出することが できる。テスト化合物による相互作用の阻害の成功は、測定される放射能の減少 を引きおこす。 あるいは、GST−標的遺伝子融合タンパク質及び相互作用性細胞又は細胞外結 合パートナーは、固体グルタチオン−アガロースビーズの欠如下で液体中で一緒 に混合することができる。テスト化合物は、種を相互作用させる間又は後のいず れかに加えることができる。次にこの混合物はグルタチオン−アガロースビーズ に加えることができ、結合していない材料は洗い落とされる。また、標的遺伝子 産物/結合パートナー相互作用の阻害の程度は、標識化した抗体を加え、ビーズ に関連する放射能を測定することにより検出することができる。これらのシクロ フィリン融合タンパク質構成物は、細胞シクロフィリン結合パートナー及びその 変異体を同定及び単離するのに同様に役立つ。 本発明の化合物、例えばこれらに限られないが、抗シクロフィリン抗体、組換 えシクロフィリン、誘導化シクロスポリン及び誘導化シクロフィリンAは、HIV 感染の治療及び防止のための薬理的組成物としての利用性を有する。シクロフィ リンAとその細胞結合パートナー又はレセプターとの間の相互作用を阻害する本 発明のスクリーニングアッセイにおいて同定されるこれらの化合物も、HIV感染 の治療及び防止のための薬理的組成物において利用性を有する。 本発明の化合物は、それ自体で、又はHIV感染に関連する種々の条件を治療又 は改善するための投与量で適切な担体又は賦形剤と混 合された医薬組成物においてヒト患者に投与することができる。更に、治療に有 効な投与量とは、HIV感染を阻害するのに十分な化合物の量をいう。治療に有効 な投与量は、単独で、又はHIV感染又は関連する病気のための他の治療と組み合 わせて補助療法として投与することができる。本願の化合物の調剤及び投与のた めの技術は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”Mack Publishing Co., Easton,PA、最新版に見い出される。 適切な投与の経路は、例えば経口、直腸、経粘膜、又は腸の投与;非経口デリ バリー、例えば筋内、皮下、髄内注入、並びに鞘内、直接的心室内、静脈内、腹 腔内、鼻内、又は眼内注入、及び任意にデポ(depot)又は徐放性製剤においてで あり得る。 更に、標的化薬剤デリバリーシステムにおいて、例えば抗CD4抗体でコートさ れたリポソームにおいて本発明の剤を投与することができる。リポソームは、CD 4を発現する細胞に標的化され、それにより選択的に取り込まれるであろう。 これにより、本発明により用いるための医薬組成物は、医薬として用いること ができる調製物内への活性化合物のプロセッシングを容易にする賦形剤及び補助 剤を含む、1又は複数の生理的に許容される担体を用いて、慣用的な方法で製剤 化することができる。注入のため、本発明の剤は、水溶液中で、好ましくは生理 的に適合する緩衝液、例えばハンクス溶液、リンガー溶液、又は生理食塩水中で 製剤化することができる。経粘膜投与のために、浸透するバリアーに適した浸透 剤を製剤に用いることができる。経口投与のため、その化合物は、活性化合物を 医薬として許容される担体と組み合わせることにより直ちに製剤化することがで きる。 これらの担体により、本発明の化合物は、治療されるべき患者による口での消 化のための、錠剤、丸剤、ドラジュー、カプセル、液 体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として製剤化することが可能になる。 適切な賦形剤は、特に、充填剤、例えば糖、例えばラクトース、スクロース、マ ンニトール、又はソルビトール;セルロース調製物、例えばトウモロコシデンプ ン、コムギデンプン、コメデンプン、ポテトデンプン、ゼラチン、トラガカント ゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカ ルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)である。必 要に応じて、分解剤、例えば架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、又はアル ギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを添加することができる。 吸入による投与のため、本発明により用いるための化合物は、適切な推進剤、 例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラ フルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切な気体の作用と共に、加圧パック又は 噴霧器からのエーロゾルスプレー供給の形態で便利には送り出される。加圧エー ロゾルの場合、計量した量を送り出すためのバルブを供することにより投与単位 を決定することができる。例えば吸入器又は吹き入れ器において用いるためのゼ ラチンのカプセル及びカートリッジは、その化合物及び適切な粉末ベース、例え ばラクトース又はデンプンの粉末混合物を含むように製剤化することができる。 その化合物は、ポーラス注射又は連続的注入による注入により非経口投与のた めに製剤化することができる。注入のための製剤は、添加される防腐剤と共に、 アンプル内の単位投与形態で又は多重投与容器において供され得る。非経口投与 のための医薬製剤は、水溶性形態において活性化合物の水溶液を含む。更に、活 性化合物の懸濁液は、適切な油状注入懸濁液として調製することができる。適切 な脂溶性溶媒又はビヒクルは、脂肪油、例えばゴマ油、又は合成脂 肪酸エステル、例えばエチルオレエートもしくはトリグリセリド、又はリポソー ムを含む。水性注入懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えばナトリウ ムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、又はデキストランを含み得る。 任意に、その懸濁液は、高度に濃縮された溶液の調製を許容するために化合物の 溶解度を増加させる適切な安定化剤又は剤も含み得る。 シクロフィリンAとその宿主レセプターとの間の相互作用のインヒビターとし て同定される本発明の化合物の多くは医薬的に適合する対立イオンとの塩として 供され得る。医薬的に適合する塩は、多くの酸、例えばこれらに限られないが塩 酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等;又は塩基と共に形成す ることができる。塩は、水溶液又は対応する遊離塩基形態である他のプロトン性 溶媒中でより可溶性である。医薬として許容される塩、担体又は賦形剤の例は当 業者に公知であり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences,18th Editio n,A.R.Gennaro,Ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990において見い 出すことができる。これらの塩は、これらに限られないが、ナトリウム、カリウ ム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、塩酸、臭化水素酸、ヨウ 化水素酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸塩等を含む。 実施例1 この例は、ヒト末梢血液リンパ球(PBLs)又はH9T細胞系のHIV感染を阻害する 組換えシクロフィリンの有効性を証明する試験管内実験及びアッセイを提供する 。その感染の進行を監視することは、可溶性組換えシクロフィリンが感染を妨害 する有効な投与範囲を同定するであろう。 マウスシクロフィリン(シクロフィリンA)をRAW264.7細胞から クローン化した。RPMI/10%PBS中1×106細胞/mlの細胞密度でプレートしたマ クロファージを、1μg/mlのLPSで刺激した。LPSの添加後6時間に、その培地 を除去し、全てのRNAを製造元の説明に従ってRNA201(Biotecx;Houston,TX)で 単離した。1マイクログラムのRNAを逆転写し、結果として生じたcDNAを、シク ロフィリンコード化領域にわたる一対のシクロフィリン特異的プライマー(5’ -CCA-TGG-TCA-ACC-CCA-CC-3’及び5’-ACG-CTC-TCC-TGA-GCT-ACA-GA-3′)を 用いてPCRにより増幅させた。予想される大きさの一本鎖DNA増幅産物を得て、プ ラスミドpT7Blueにクローン化し、pT7BlueT-Vector Kit(Novageni Madison,WI) を用いてNova Blueコンピテント大腸菌に形質転換した。 ネズミシクロフィリンcDNAを含む組換えpT7Blueクローンを制限酵素NdeI及びB amH Iで消化し、そのシクロフィリン挿入物を単離して、ヒスチジン融合タンパク 質としてその発現を許容するNdeI/BamHI消化pET14bベクター(Novagen)内で消化 した。そのシクロフィリン挿入物を、(培地へのIPTGの添加により誘導を許容す る)lacレプレッサーの制限下にあるT7プロモーターの後ろにおいた。そのベ クターは、(カルベニシリン含有培地を許容する)アンピシリン耐性のための遺 伝子も含んでいる。そのシクロフィリン含有ベクターを用いて大腸菌DH5α細胞 を形質転換した。これらの細胞をストリーキングして出し、単一の組換えコロニ ーから増幅した細胞を単離して、後の使用のために−70℃で20%グリセロール中 に保存した。次にネズミシクロフィリン含有pET14bプラスミドDNAを調製し、大 腸菌BL21(DE3)発現株(Novagen)を形質転換するのに用いた。(500mlエーレンマイ ヤーフラスコ内に種つけした)100ミリリッター培養物を、660nmの吸光度が0.6〜 1.00Dunitの間になるまで激しく振とうしながら37℃で増殖させた。同時に、IPT Gをその培養物( 最終1mm)に加え、そのインキュベーションを更に3時間、37℃で続けた。バク テリアを遠心により収集し、その細胞ペレットを−70℃で凍結させた。 タンパク質精製のために、(100mlの培養物に相当する)バクテリアペレット を解凍し、His-Bind Resin(Novagen)を用いる後の精製のために調製において4.0 mlのBinding Buffer中に再度懸濁した。そのバクテリアを、等量の洗浄したガラ スビーズ(106μm;Sigma)を加え、その混合物を10分間、激しくボルテキシング することにより溶解した。ガラスビーズを、10分間、1000×gでの遠心により除 去し、そのバクテリア抽出液を30分、38000×gでの遠心により不純物を除いた 。その浄化したバクテリアライゼートを0.22ミクロンシリンジフィルターを通し て滅菌ろ過し、直ちに2.5ml His-Bind Resin(Novagen)を含むカラムに充填し た。カラムを製造元の指示に従って更に洗浄した。 洗浄後、その組換え材料を1Mイミダゾールで溶出した。SDS-PAGEにより評価 してシクロフィリン融合タンパク質を含む溶出液をトロンビンでのタンパク質分 解による開裂にかけて発現されたペプチドのアミノ末端からHis-Tagリーダー配 列を除去した。開裂反応のため、トロンビン(組換えタンパク質1mg当り0.5Unit )及び組み換えで発現されたペプチドを、20℃で2時間、Thrombin Cleavage Buf fer(20mM Tris-HCl,pH8.4,150mM NaCl及び2.5mM CaCl2)中でインキュベートし た。次にその混合物を4℃でCentriprep-10濃縮器(Amicon Corp.,Danvers,MA) を用いて濃縮した。トロンビン及びその開裂したHis-Tagリーダー配列から組換 えネズミシクロフィリンを精製するために、その濃縮した混合物をPBS、pH7.4 で平衝化した。Superose 12カラム(Pharmacia,Piscataway,NJ)での高性能ゲル ろ過クロマトグラフィーにかけた。シクロフィリンは、19kD aの見掛け分子量で鋭いピークとして溶出した。シクロフィリンを含む画分(16 & 17)をプールし、Centriprep-10濃縮器(Amicon Corp)を用いて濃縮し、そして0. 01Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4に対して透析した。タンパク質濃度を、標準 としてウシγ−グロブリンと共に、Bradfordアッセイにより測定した(Bio-Rad Laboratories,Richmond,CA)。その材料は、銀染色のSDSポリアクリルアミド ゲルから判断して98%超の純度であった。 H9T細胞系を、10%胎児ウシ血清及び1%Pen/strepを供したRPMI培地中で培 養させた。細胞を0.5×106細胞/mlの密度で種つけし、2日おきにその細胞懸濁 液の半分を除き、新しい培地ととりかえ、細胞密度を1×106細胞/ml未満に維 持した。細胞に、1×106細胞当り10ngのp24の多重度でHIV-IRF株を感染させた 。37℃で2時間の吸着の後、非結合ウイルスを洗い落とし、示される投与量でrC yPあり又はなしで新鮮な培地中でインキュベートを続けた。(標準的な方法に従 って)RT及びp24分析のために、2日おきにサンプルを除去し、細胞懸濁液の半 分をその時に新しい培地に置換した。 精製した正常なヒト末梢血液リンパ球(PBLs)の培養物を感染の前に48時間、 PHA/IL-2で活性化/刺激した。培養物に外因性組換えシクロフィリン(rCyP) の存在又は欠如下でHIVを感染させ、示される投与量で培地を含む、rCyPを3日 おきに再補給した。感染の進行をモニターすることにより、HIV感染を妨害する のに有効な可溶性シクロフィリンの投与範囲を同定した。 これらの研究の結果を図1,2及び3に示す。図1は、感染後5日目において 、培養物上清中のRT活性によりアッセイして、実験のHIV感染が、40μg/mlの 組換えネズミシクロフィリンで処理したH9T細胞培養物において阻害されたこと を示す。図2は、部分的に 、40μg/mlのシクロスポリンは感染後のRT活性により測定してH9細胞培養物 においてHIV感染を阻害するが、1μg/mlではそうでないことを示す。更なる 実験において、培養したT細胞系で見られるこれらの阻害効果が確認され、ヒト におけるHIV感染に対するこの治療様式の利用性を補強する正常なヒト末梢血液 リンパ球に広げた。図3は、p24 ELISAキットによりアッセイした、培養上清中 のp24抗体の出現により測定した、PBL培養物中40μg/mlの投与量での外から 補給された組換えシクロフィリンの阻害効果の時間経過を示す。 実施例2 本実施例は、シクロフィリンに対する抗体(抗CyP)又はCyPの実験的にグリケー ト化された調製物に対する抗体(抗−AGE−CyP)の有効性を証明する試験管内実験 及びアッセイを提供する。抗AGE-CyP抗体は、免疫沈降研究により示されるよう に、ネイティブ形態において可溶性CyPを認識するが、抗CyP抗血清はそうでなか った。 精製した組換えネズミシクロフィリンのアリコート(最終500μg/ml)を非 加湿空気インキュベーター内で37℃で3ケ月間、0.5Mリン酸ナトリウム緩衝液( pH7.4)中でグルコース(1M最終)と反応させた。これらの条件下でのグルコー スとのタンパク質のインキュベーションは、環元糖によるタンパク質の自発的修 飾を導くメイラード反応の拡張した系によりAdvanced Glycation Endpvoducts( 又はAGEs)として知られる不可逆的共有結合アダクトを形成させることが示され た。終了した後、その反応混合物を透析して非共有結合で結合した低分子量反応 物を除去し、エッペンドルフチューブ(チューブ当り0.125μg)に分注し、ウ サギの免疫化に用いるまで、−20℃で凍結保存した。 ポリクローナルウサギ抗シクロフィリン抗血清を生じさせた。雌 のニュージーランド白ウサギを、1.0ml塩類溶液+1.0ml完全フロイントアジュバ ント中に乳化されたシクロフィリンで免疫化した。の免疫原(20μgヒトシクロ フィリン)を、ウサギの背の4つの部位における皮下注入により投与した。動物 に、1.0ml塩類溶液及び1.0ml不完全フロイントアジュバント中に乳化した同じ抗 原を毎月ブースター注入で投与した。血液を、各々のブースター注入の後7日及 び14日に血液を吸引し、その血清画分を回収して−20℃で凍結保存した。プレ免 疫及び免疫血清を、組換えヒトシクロフィリン及び組換えネズミシクロフィリン の両方に対するウエスタンブロッティング及び免疫沈降により反応性についてテ ストした。プレ免疫血清は両方のアッセイにおいて陰性であった。ウエスタンブ ロットにおいて、免疫血清は両方の抗原に対して陽性であった。免疫沈降実験は 陰性であった。 免疫化及び追加抗原刺激のために用いられる組換えネズミシクロフィリンを、 実施例1に記載される手順により、大腸菌内で生産した。各々の時点において、 ウサギを50μgネズミシクロフィリンで免疫化し、ブーストした。プレ免疫及び 免疫血清を、組換えヒトシクロフィリン及び組換えネズミシクロフィリンの両方 に対するウエスタンブロッティング及び免疫沈降により反応性についてテストし た。プレ免疫血清は、両方のアッセイにおいて陰性であった。ウエスタンブロッ トにおいて、免疫血清は両方の抗原に対して陽性であった。免疫沈降実験は陰性 であった。 各々の時点において、ウサギを125μgのAGE改良ネズミシクロフィリンで免疫 化してブーストした。プレ免疫及び免疫血清を、組換えヒトシクロフィリン及び 組換えネズミシクロフィリンの両方に対するウエスタンブロッティング及び免疫 沈降により反応性についてテストした。プレ免疫血清は両方のアッセイにおいて 陰性であっ た。ウエスタンブロット及び免疫沈降実験において、免疫血清は両方の抗原に対 して陽性であり、このことはAGE改良型ネズミシクロフィリンに対して生じた抗 体が可溶性シクロフィリン及び固定化シクロフィリンを認識することを示す。 シクロフィリンアフィニティー樹脂を調製するために、組換えネズミシクロフ ィリンを、製造元により推奨されるプロトコルに従ってSepharoseビーズに結合 させた。要約すると、3グラムの凍結乾燥したCNBr活性化Sepharose 4B(Pharmac ia;Piscataway,NJ)を1mMのHClで再度水和し(10.5mlの膨張したゲルを生ずる )、半融ガラス漏斗上で1mMのHCl(凍結乾燥粉末1g当り200ml)で15分、 洗った。半融ガラス漏斗での流体の除去の後、50mlゲルを50ccチューブに移し、 25μgの組換えネズミシクロフィリンを含む10mlの0.1M NaHCO3/0.5M NaCl( pH8.0)と混合した。その混合物を室温で2時間、振とうさせた。その後、0.5ml の1Mエタノールアミン−HCl(pH9)を加えて過剰な反応基を静め、振とうを更 に2時間、続けた。シクロフィリンのゲルマトリックスへの結合は、上清中の検 出可能なタンパク質がないことにより示されるように本質的に完全であった。次 にそのゲルを半融ガラス漏斗に移し、0.5M NaClを含む0.1M酢酸ナトリウム(pH 4.0)及び0.5M NaClを含む0.1M Tris-HCl(pH8.0)(40ml各々洗浄)の3回の交 互のサイクルで洗った。膨張したゲルの最終的な量は約5.0mlであった。 ネズミシクロフィリンアフィニティー樹脂(5.0ml充填量)を10mlのガラス壁の クロマトグラフィーカラムに移した。樹脂を充填した後、そのカラムを、10カラ ム体積の10mM Tris(pH7.5)、10カラム体積の100mMグリシン(pH2.5)、10カラム体 積の10mM Tris(pH8.8)、10カラム体積の100mMトリエチルアミン(pH1.5、新しく 調製)、及び最後に、10カラム体積の10mM Tris(pH7.5)で連続的に洗った。 10mM Tris(pH7.5)に対して一晩、透析した5ミリリッターのポリクローナルウサ ギ抗ネズミAGE−改良型シクロフィリンをそのカラムに充填した。そのカラムを1 0カラム体積の2OmM Tris(pH7.5)、次に10カラム体積の10mM Tris/0.5M NaCl(p H7.5)で洗い、次にそのカラムを100mMグリシン−HCl(pH2.5)で洗い、1.0ml画分 を収集することによりシクロフィリン特異的抗体を溶出した。 H9T細胞系を10%胎児ウシ血清及び1%pen/strepを供したRPMI培地中で培養 した。細胞を0.5×106細胞/mlの密度で種つけし、2日おきに、その細胞懸濁液 の半分を除き、新しい培地と取りかえて、1×106細胞/mlに細胞密度を維持し た。細胞に、1×106細胞当り10ngのp24の多重度でHIV-1RP株を感染させた。37 ℃、5%CO2で2時間の吸着の後、非結合ウイルスを洗い落とし、新しい培地中 でインキュベーションを続けた。サンプルを、2日おきに、RT及びp24分析のた めに除き、その時にその細胞懸濁液の半分を新しい培地にとりかえた。 HIV陰性ドナーの完全な血液から単球培養物を調製した。末梢血液単核細胞(PB MCs)をFicoll-Hypaque勾配で単離し、10%心臓不活性化正常ヒト血清(NHS)を補 給したDMEM中6〜8×106細胞/mlで再度懸濁し、PRIMARIAフラスコ内にプレー トした。2時間の、37℃でのインキュベーションの後、付着細胞をDMEMで3回洗 い、DMEM+10%NHS+1ng/ml M-CSF(Sigma)を再度補給した。24時間のインキュ ベーションの後、細胞をCa2+及びMg2+を含まないPBSで洗い、次に氷上で3〜5 分、PBS+10mM EDTA中でインキュベートした。ゴムポリスマンで細胞を引き離し 、洗浄し、計数し、そしてDMEM+10%NHS+1ng/ml M-CSF中に再度懸濁した。 この時点で、細胞は、細胞形態学及び非特異的エステラーゼ染色の基準で98%超 の単球であった。単球をPRIMARIAプレート内に106細胞/mlの密度でプレ ートし、2日毎に培地の半分を交換して6日間、試験管内で分化させた。7日目 に、プレートした後、細胞を2時間、単球向性株HIV-1ADA(106細胞当り100ngの p24の感染の多重度)に露出し、洗浄し、DMEM+10%NHS中で培養した。 (1〜200μg/mlの範囲の)種々の濃度の組換えマウスシクロフィリン及び 抗シクロフィリン抗体(1:40希釈率)をウイルスと一緒に細胞に加え、同様 に全ての後のインキュベーションを通して存在させた。 感染後種々の間隔で、細胞を洗い、6×106細胞/mlでProteinase Kを含む1 ×PCR緩衝液(50mM KCl;1OmM Tris-HCl,pH8.3;2Z5mM MgCl2;0.1μg/mlゼラ チン;0.45%NP40;0.45%Tween20;250μg/ml Proteinase K)に再度懸濁した 。60℃で3時間の消化の後、Proteinase Kを10分間、95℃に加熱することにより 不活性化し、そしてHIVpol遺伝子に特異的なプライマー(PCRI及びPC 又は対照として細胞α−チュブリン遺伝子(AT1及びAT2)でのPCR分析のためにラ イゼートを用いた。50μlのPCR反応物を次:25ml細胞ライゼート;1μlの10m M dTNTP混合物:1μlの各々のプライマー;Proteinase Kを含まない12.5μl の2×PCR緩衝液;0.25μlのTaqポリメラーゼ(5U/ml又は反応当り1.25U) の通り調製した。各々30秒の95℃での変性;30秒の60℃でのアニーリング;45秒 の72℃での伸長から構成される35サイクルのPCRを行った。サイクルの前に6分 の95℃での変性、次に7分の72℃での最後の伸長を行った。PCR産物を、サザン に移した後の32P標識化プローブへのハイブリダイゼーションにより視覚化し、 その結果を直接的イメ ージャーシステム(Packard)で定量した。 H9細胞培養物(図2)において、組換えシクロフィリン又はグリケート化シ クロフィリンに対して生じた抗血清は、感染後3日のRT活性により測定してHIV 感染を阻害した。これらのデータを確認し、ヒト単球/マクロファージの培養物 中の非形質転換細胞を用いて広げた。 単球培養物の効果を、注入後48時間、PCRによりアッセイした。シクロフィリ ンによるHIV-1 cDNA合成の投与量依存性阻害を、50μg/mlで50%阻害(IC50) で観察した(図4)。HIV-1 cDNA形態について見られる阻害が、遅い生体内逆転 写酵素(2回目の強力な停止の後)を生産したことは、核転座が終わる前に停止 したウイルス複製が影響を受けたことを示す。抗AGE-CyP抗血清からアフィニテ ィー精製した抗シクロフィリン抗体(図4)で同様の結果が観察された。 実施例3 本実施例は、HIV感染のインヒビターとしてのPEG化シクロスポリンの有効性を 証明する試験管内実験及びアッセイを提供する。ヒト単球/マクロファージ細胞 培養物を“PEG化した”シクロスポリンアナログの存在及び欠如下でのHIVの接種 で攻撃する。このシクロスポリンアナログは、細胞侵入を防ぐためにポリエチレ ングリコールとの反応により改良されている。このPEG化CsAは、標準的T細胞増 殖アッセイにおいて免疫抑制でない。その感染の進行を監視することは、HIV感 染を妨害するPEG化シクロスポリンの有効な投与範囲を同定する。 シクロフィリンを含むことが知られているHIVビリオンの複製は、免疫抑制剤 シクロスポリンA(CsA)により阻害される。CsAがこの点において細胞外で機能す るか又は細胞内で機能するかを決定す るために、細胞膜に浸透することができないCsAアナログを以下の通り合成した :8−アミノ−シクロスポリンA(0.5mgs)をメトキシポリエチレングリコール −スクシニミジルスクシネート(10mgs)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.2 mgs)とメチレンクロライド中で暗所で室温で2日間、撹拌しながら反応させた 。いずれの非反応部位も遮断するため、エタノールアミン(5μl)を加え、そ の混合物を更に24時間、撹拌しながら室温でインキュベートした。その反応混合 物を、通常の相HPLCによるCsA-PEG精製を行うまで、−70℃に移した。 H9T細胞系を10%胎児ウシ血清及び1%pen/strepを補給したRPMI培地中で培 養した。細胞を0.5×106細胞/mlの密度で種つけし、そして毎2日ごとに、その 細胞懸濁液の半分を除去し、新しい培地と置換し、1×106細胞/ml未満の細胞 密度を維持した。細胞に、1×106細胞当り10ngのp24の多重度でHIV-IRF株を感 染させた。37℃、5%C02での2時間の吸着の後、非結合ウイルスを洗い落とし 、新しい培地でインキュベーションを続けた。RT及びp24分析のために2日おき にサンプルを除去し、その細胞懸濁液の半分を新しい培地に置換した。 HIV陰性ドナーの完全な血液から単球培養物を調製した。末梢血液単核細胞(PB MCs)をFicoll-Hypaque勾配で単離し、10%心臓不活性化正常ヒト血清(NHS)を補 給したDMEM中6〜8×106細胞/mlで再度懸濁し、PRIMARIAフラスコ内にプレー トした。2時間の、37℃でのインキュベーションの後、付着細胞をDMEMで3回洗 い、DMEM+10%NHS+1ng/ml M-CSF(Sigma)を再度補給した。24時間のインキュ ベーションの後、細胞をCa2+及びMg2+を含まないPBSで洗い、次に氷上で3〜5 分、PBS+10mM EDTA中でインキュベートした。ゴムポリスマンで細胞を引き離し 、洗浄し、計数し、そしてDMEM+ 10%NHS+1ng/ml M-CSF中に再度懸濁した。この時点で、細胞は、細胞形態学 及び非特異的エステラーゼ染色の基準で98%超の単球であった。単球をPRIMARIA プレート内に106細胞/mlの密度でプレートし、2日毎に培地の半分を交換して 6日間、試験管内で分化させた。7日目に、プレートした後、細胞を2時間、単 球向性株HIV-1ADA(106細胞当り100ngのp24の感染の多重度)に露出し、洗浄し 、DMEM+10%NHS中で培養した。 図4に示すように、細胞侵入を阻害するよう誘導化されたシクロスポリンは、 HIVpol遺伝子レトロトランスクリプションのPCR分析により判断して単球/マク ロファージ培養物のHIV感染を阻害するのに0.1μg/mlの投与量で有効であった 。PEG化CsAは非免疫抑制性であるが、CsA自体とほぼ同じ抗ウイルス効果を示し た。H9細胞での平行した研究において、PEG化CsAはCsAともほぼ同じ能力であ った。 実施例4 本実施例は、H9細胞膜上のシクロフィリン結合パートナーの同一定を決定す るための架橋研究を供する。ジスクシニミジルスベレート(DSS)、ホモ二重官能 性N−ヒドロキシースクシニミドエステルを架橋試薬として用いた。H9細胞を 収集し、氷冷PBSで洗い2.5×107の細胞をきれいなチューブに移し、そして遠 心によりペレット化した。このペレットを0.5mlの架橋緩衝液中に再度懸濁し、1 25 I−シクロフィリンを加えた。氷上での60分のインキュベーションの後、細胞 を500×gでペレット化し、上清を捨てた。そのペレットを架橋緩衝液中で2.5× 106細胞/mlに再度懸濁し、DSSを最終濃度20μg/mlに加えた。この反応混合物 を20分、4℃で振動させ、この時に反応を停止させるために1容量のTE緩衝液pH 7.4を加えた。細胞を氷冷TE緩衝液(pH7.4)で3回洗い、そしてNP40溶解 緩衝液でのホモジェニゼーションにより膜を抽出した。NP40抽出液を、ヨウ素化 シクロフィリンに架橋されたタンパク質を同定するために、SDS-PAGE電気泳動及 びオートラジオグラフィーにより分析した。細胞を膜、細胞質及び/又は核画分 に分画した更なる分析は、シクロフィリン結合パートナーのサブ細胞局在化を更 にキャラクタライズした。 組換えネズミシクロフィリンをBolton-Hunter法:又は市販のIodogen法を用い てヨウ素化した。Bolton-Hunter試薬(N−スクシニシジル−3−(4−ヒドロ キシ−5−(〔125I〕イオドフェニル−プロピオネート)をNENから購入した。 実施例5 本実施例は、マウスの免疫化で始めるモノクローナル抗AGE改良型シクロフィ リンを作り出すための免疫化プロトコルを提供する。4匹のBALB/Cマウスを、 塩類溶液及びアジュバント(Ribi)の1:1混合物中25μgのAGE改良型ネズミ シクロフィリンでの腹腔内注入により免疫化した。免疫化後21日に、マウスをRI BIアジュバント中25μgのAGE改良型ネズミシクロフィリンでブーストし、21日 ごとにこの量のアジュバント中の抗原でブーストした。2回目のブーストの後、 マウスを尾から採血し(約50μl)、各々のマウスからの血清を、プレートを組 換えネズミシクロフィリンでコートした接的ELISAにおいてシクロフィリンに対 する免疫反応性について分析した。マウスが抗シクロフィリンIgGについて陽性 であった場合、そのマウスに抗原の最後のブーストを行い、脾臓除去及びハイブ リドーマ生産のために安楽死させた。生じたハイブリドーマをシクロフィリン特 異的モノクローナル抗体の生産についてスクリーニングした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 39/395 D 45/00 45/00 47/48 47/48 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/50 33/50 Z 33/566 33/566 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 シェリー,バーバラ,エー. アメリカ合衆国,ニューヨーク 10025, ニューヨーク,ウエスト エンド アベニ ュ 685,アパートメント 2 エフ (72)発明者 ウルリッヒ,ピーター,シー. アメリカ合衆国,ニュージャージー 07675,オールド タッパン,デュールフ ロード 148 (72)発明者 セラミ,アンソニー アメリカ合衆国,ニューヨーク 10021, ニューヨーク,イースト セブンティセカ ンド ストリート 525,アパートメント 48イー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. HIV感染を抑えるための方法であって、HIV感染を抑えるのに十分な量で、 細胞によりインターナライズされないシクロスポリン誘導体を被検体に投与する ことを含む方法。 2. 前記シクロスポリン誘導体がPEG−シクロスポリンであることを特徴とす る請求項1に記載の方法。 3. HIV感染を抑えるための免疫治療法であって、シクロフィリンに対する免 疫応答を誘導するのに十分な投与量でシクロフィリン免疫原を個体に投与するこ とを含む方法。 4. 前記シクロフィリン免疫原をアジュバントと共に投与することを特徴とす る請求項3に記載の方法。 5. 前記シクロフィリン免疫原がグリコシル化されていることを特徴とする請 求項4に記載の方法。 6. HIV感染を抑えるための免疫治療法であって、HIV感染を抑えるのに十分な 投与量で、シクロフィリンを中和する抗体を個体に投与することを含む方法。 7. 前記抗体が一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト適合化抗体、又はFabフラグメ ントであることを特徴とする請求項6に記載の方法。 8. HIV感染を抑えるための方法であって、HIV感染を抑えるのに十分な量で外 因性シクロフィリンを被検体に投与することを含む方法。 9. シクロスポリンの誘導化形態を含む医薬組成物であって、該シクロスポリ ンがポリエチレングリコールとの反応により誘導化されてPEG−シクロスポリン を形成していることを特徴とする医薬組成物。 10.シクロフィリンとその同起源の細胞結合パートナー又はレセ プターとの相互作用を試験管内で阻害する化合物又は組成物を同定するための薬 剤スクリーニング方法であって、 (a)テスト化合物、シクロフィリン及びシクロフィリン結合パートナーを反 応混合物に添加するステップと、 (b)該反応混合物内でいずれかのシクロフィリン−シクロフィリン結合パー トナー複合体を検出するステップと、 を含む方法。
JP09532773A 1996-03-12 1997-03-12 宿主細胞シクロフィリンレセプター活性を妨げることによるhiv感染の治療 Ceased JP2000510097A (ja)

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