JP2000507849A - 生体適合性を向上させるためのポリマーによる表面の共有結合修飾 - Google Patents

生体適合性を向上させるためのポリマーによる表面の共有結合修飾

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Abstract

(57)【要約】 細胞の付着を阻止するために組織および細胞表面を共有結合修飾する技術が本明細書には記載される。本明細書に記載のプロセスは、インビボで許容される条件下で実施され、水性の穏やかな条件下で組織または細胞表面に存在する基と反応しそれによってポリマーを組織および細胞表面に共有結合で付着させる少なくとも1個の反応性の基を有する生体適合性ポリマーを使用する。ポリマーに付けられる反応性の基は、組織または細胞表面に存在するアミン基および水酸基と反応するものであることが好ましい。好ましい一実施例では、本明細書に記載の方法は、PEG−イソシアナート溶液を用いて組織および細胞表面の共有結合修飾を実現する。本明細書に記載の方法は、血管中の血小板および白血球の沈着を減少させ、それによってPTCAおよび血管手術を含む血管処置でよく見られる合併症である血栓症および再狭窄を防止するのに特に有用である。さらに、本明細書に記載の方法は、組織表面のタンパク質を血液要素からマスクすることによって、移植物のトロンボゲン形成性を低下させ、血管手術の合併症を減らすのにも有用である。最後に、本明細書に記載の方法は、移植された組織および細胞の免疫原性を低下させ、それによって免疫抑制療法の必要を減らす。

Description

【発明の詳細な説明】 名称 生体適合性を向上させるためのポリマーによる表面の共有結合修飾 発明の分野 本発明は、生体適合性を向上させるための表面の修飾に関し、詳細には、ポリ マーを使った組織および細胞表面の共有結合修飾技法に関する。 発明の背景 研究者達は、生物中に存在する表面、あるいは生物中に導入される表面に対す る細胞付着を低下させようとして様々な技術を使用してきた。こうした技術は、 それを使って様々な処置、移植片およびインプラントの生体適合性を改善するの に使えるので、重要な医学的用途がある。しかし、こうした技術は様々な問題点 があるため、インビボでの使用、すなわちインビボの生体移植やインプラントに 適しない。本明細書に記載する技術は、様々な医学的応用分野で使用できる。具 体的には、本明細書に記載する技術は、血管措置および生体移植に数多くの用途 がある。さらに詳細には、本明細書に記載の技術は、血管血栓症および再狭窄の 低減、移植血栓症の低減、血管手術の合併症の低減、移植した組織および細胞群 の免疫原性の低減のために使用できる。 血管手術に関しては、研究者達は、様々な方法を使用して損傷を受けた血管上 への血小板の沈着を阻止しようと追求してきた。こうした沈着が血栓症および再 狭窄をもたらすからである。再狭窄は、主として血管の内側層における平滑筋細 胞の遊走および細胞(有糸)***から生じる。これは、動脈内膜過形成と呼ばれ る過程である。血管の管腔表面が損傷を受けると、内皮下基質タンパク質が露出 して、血小板沈着を誘発し、急性血管閉塞をもたらす可能性がある。このような 損傷はまた、血小板由来因子の放出によって動脈内膜過形成を誘発することもあ る。血小板から放出されたセロトニンおよびトロンボキサンA2は、現在、急性 血栓症性血管閉塞の重要因子であると考えられている血管収縮剤である。血小板 由来成長因子(「PDGF」)は平滑筋細胞を刺激して活発に細胞***させるこ とができる。血小板顆粒によるPDGF、セロトニンおよびロイコトリエンの放 出はまた、平滑筋細胞の血管動脈内膜層への移動を仲介することがある。最後に 、血小板、免疫細胞、および機械的外傷によって損傷を受けた細胞から放出され たプロテアーゼは、内側弾性膜などの物理的境界の破壊により平滑筋細胞の移動 を促進することがある。 こうした血管への損傷は、経皮経管冠動脈形成術(「PTCA」)など普通の 血管処置中に発生する。PTCAは冠動脈バイパス移植術の代替策であり、1〜 2本の血管に単純病変をもつ患者の詰まった冠動脈を再開通させるものである。 PTCAは初期成功率が高いが、現在は、PTCA手術の2〜4%で血栓症およ び血管収縮による再閉塞が直後に起こっている。その上、PTCAにより開通に 成功した動脈の約30〜40%に再閉塞または再狭窄が、それもしばしば3カ月 以内に、起こっている。PTCAは米国で毎年30万人を超える患者に実施され ている。したがって、PTCAの後に、損傷を受けた動脈内膜表面への血小板の 沈着を止めることによってPTCA技術を改良すると、動脈内膜過形成および冠 動脈再狭窄を減す上で大きな利益が得られる可能性がある。 血管は血管手術中にも同様に損傷を受ける。血管吻合術における急性血栓症性 閉塞は、微小血管移植片配置術の主な合併症である。血小板は、アゴニストに応 答し、吻合部位に存在するコラーゲンその他の接着性タンパク質に付着して、血 小板の活性化とその後の凝集を引き起こす。吻合部位を修飾して、トロンボゲン 形成性のないコーティングを形成すると、吻合部が治癒して最終的に内皮再生す る時間が与えられる。さらに、トロンボゲン形成性タンパク質の一時的部位特異 的マスキングを行うと、全身的抗血小板物質を使用せずに、急性血栓症および末 梢組織の虚血が大幅に減少する。 冠動脈形成術に伴う血管ステント配置は、長期的血管開通性を改善する技術と して普及してきた。こうしたステントは、機械的反動に対する足場を血管に与え る働きをする。ステントの配置は、血小板の沈着および血小板を介する過形成は 阻止しないので、内膜過形成による再閉塞はステント配置でよく見られる。さら に、ステントによってもたらされる利点が、動脈壁の損傷、不適切なステント開 口部、アクセス部位での出血と分離などステントに起因する血管合併症の増加に よって打ち消されることもある。こうした合併症があると一般に入院期間が延び る。したがって、ステント配置の代わりに、あるいはステント配置の補足として 使えるコーティングを開発できる技術、すなわちステントの重要な機械的利点を 保持しながら急性血栓症および過形成を減らすことができる技術があれば、大き な利益となるはずである。 薬品の全身送達を含めて血小板の沈着を阻止するために様々な技術が使用され てきた。遺憾ながら、薬品の全身送達は、出血性合併症の危険の増大を伴う。 研究者達は、また、ポリマーゲルを使って血小板沈着を阻止しようと試みてき た。こうしたゲルは切断によって崩壊するので、少なくとも理論的には、崩壊過 程で塞栓症の危険が増大する。当技術分野の若干の研究者達は血小板沈着の阻止 を試み、光活性化剤および開始剤によって重合させたポリエチレングリコール( 「PEG」)ゲルで損傷を受けた動脈区間をコーティングして血栓症が大幅に減 少したと報告している。たとえば、Hubbellらが報告した技術(Hummbell等に対 する米国特許第5468505号)では、血小板の表面沈着を阻止するため光活 性化エオシンY(「EY」)とトリエタノールアミン(「TEA」)を使って血 管表面上でPEG−ジアクリレートの重合を開始させる。遺憾ながら、これらの 方法では、修飾を行うために多数の工程が必要なことが多い。 また従来技術では、官能基を付けたポリエチレングリコールによる懸濁タンパ ク質の共有結合修飾も記載されている。遺憾ながら、こうした方法の温度、pH 、 時問および毒性因子/副産物のパラメータは生体組織に使用するには向かない。 当技術分野の他の研究者は、血管再狭窄を防止するための種々の遺伝子工学的 戦略を調査している。遺憾ながら、それらの遺伝子工学的手法は、調節および技 術上の障害が大きい。遺伝子形質転換では血管をウィルス・ベクターにさらすこ とがしばしば必要であり、十分に制御されない細胞の形質転換を伴うことがある 。さらに遺伝的形質転換は炎症を誘発し、本明細書に記載する技術よりも高価と なり、かつ血小板の沈着を防止する作用が遅くなることがある。 研究者達はまた、移植された組織および細胞の免疫原性を一時的に低下させる 方法を求めてきた。移植細胞を免疫隔離するための現在の技術(たとえばカプセ ル化)はまだ問題がある。移植した細胞および組織の免疫原性を低下させるよう な移植表面の修飾により、免疫抑制療法の必要が減少することになる。同様に、 表面修飾技術はまた、血液または血漿に接触するバイオリアクタ中のマイクロキ ャリア上の細胞を保護するのにも使用される。こうした適用例の一例は、人工肝 臓に関するものであり、現在研究者は細胞を隔離するのに免疫分離性の膜または カプセル化を使っている。移植の研究者達は、移植術に対する宿主の寛容性を誘 導する方法を探している。宿主が細胞移植片および全器官移植片に対する寛容性 を確立できるまで、移植した物質の免疫原性抗原をマスクする技術があれば、移 植受容者に寛容性を誘導するように設計された他の方法に対する有用な相補物と なるはずである。さらに、急性血栓症、繊維素溶解を減らし、ドナー器官の活性 化を補完する技術があれば、臨床上大きな利益をもたらすはずである。 したがって、生体内で許容される条件下で、細胞粘着力を減退させる性質を示 すように組織および細胞表面を修飾する経済的かつ効率的な方法が当技術分野で 依然必要とされている。具体的には、血管手術や外傷の後に、生体内で許容され る条件下で血管表面への血小板および白血球の沈着を減退させる方法が当技術分 野で依然必要とされている。 本出願人は本願を通じて以下の略語を使用する。 ANOVA=分散分析 ECGM=内皮成長因子を含む内皮細胞生育培地 EDTA=エチレンジアミン四酢酸 EY=エオシンY HCAEC=ヒト冠動脈内皮細胞 HT=Hepes−Tyrodes混合物 MW=分子量 PEG=ポリエチレングリコール PTCA=経皮経管冠動脈血管形成術 TEA=トリエタノールアミン 発明の概要 本明細書に記載する発明は、ポリマーの少なくとも1つの末端に付着させた反 応性の基によって水溶性ポリマーを共有結合で付着させることにより、細胞およ び細胞表面上の反応性の基を修飾できるという原理に基づくものである。ポリマ ーの反応性末端基は、組織または細胞表面に存在するアミン基および水酸基と反 応し、それによってその表面を共有結合で修飾することが好ましい。どんな生体 適合性ポリマーも使用できる。アミンと水酸基を含めて組織および細胞表面に存 在する基と穏やかな水性条件下で反応できる基を、ポリマーの少なくとも1つの 末端に付ける。反応性末端基の性質により、共有結合修飾がどれだけ迅速に達成 できるかが決まる。 従来技術とは違って、本明細書に記載の技術によると、生体内処置に適合する 条件下で、ポリマーが表面組織タンパク質または表面細胞タンパク質に直接付着 して接着性または抗原性リガンドをマスクするように表面の共有結合ポリマー修 飾を行うことが可能となる。さらに、光を使用する従来技術の技法とは対照的に 、組織または細胞表面のアミン基および恐らくは水酸基へのポリマーの結合は、 ほ ぼ生理条件で十分速やかに行われ、光または光開始剤なしで高度のタンパク質修 飾が可能である。 血管処置に使用する場合、本発明は、損傷を受けた血管壁に沈着する血小板お よび恐らくは白血球から放出される因子が、平滑筋細胞の生育と化学走性を促す という原理に基づいている。共有結合で付着したポリマーでトロンボゲン形成性 血管壁タンパク質を血液細胞との相互作用から遮蔽することにより、本発明の技 術は血小板および白血球の初期沈着を阻止し、細胞***活性化および化学走性に 対する促進事象をなくする。この処置で使用するポリマーは表面組織タンパク質 のアミンおよび水酸基残基と直接反応し、生体内で許容される条件下でこれらの タンパク質にポリマーを共有結合で付着させる。したがって、PTCAなどの血 管処置に使用する場合、血管腔をポリマーで直接共有結合修飾すると、PTCA 後の冠動脈再狭窄の発生が低下するはずである。 本明細書に記載の技術は、現在開発中または使用中の他の技術に勝るいくつか の利点がある。たとえば、トロンボゲニン形成巣が局所的にマスクされるが患者 の血小板機能は維持されるので、ポリマー表面修飾の効率がより高くなる。Fi g.1aおよびFig.1bを参照のこと。このポリマー表面修飾技術はまた、 特異的付着性リガンドをマスクするためにモノクローナル抗体または生物活性ペ プチドを局所的に送達する提案された技術に比べて経済的および理論的に勝る利 点を有する。モノクローナル抗体は生産コストが高く入手が難しいが、ポリマー は容易に入手でき比較的安価である。その上、モノクローナル抗体は組織または 細胞表面に存在する抗原に限定され、それらの抗原に特異的であるが、ポリマー は表面上の様々な座に付着できる。 他の研究者達が使用している動脈の光重合性ゲルコーティングに対して、本明 細書に記載する技術は様々な理由で勝っている。たとえば、本明細書に記載する ポリマー共有結合修飾戦略は光重合性ゲル法に伴う光源や光開始剤を必要としな い。さらに、本明細書に記載する技術は表面タンパク質へのポリマーの直接付着 を実現するので、血管が自然に再建されるにつれ、ポリマーはゆっくり除去され る。従来技術に記載のゲルでは、ゲルの分解をポリマー内の生分解性結合の切断 に頼っている。光重合性ゲルおよび本明細書に記載する技術の分解過程をFig .2aおよび2bにそれぞれ示す。すなわち、本明細書に記載する技術は、治癒 過程で損傷を生じる可能性のある塞栓を生じる可能性がより低いと思われる。 光重合性ゲル技法の血管に対する効果および作用と本明細書に記載する技術の 違いは、光重合ゲルをコーティングしたヒト胎盤動脈(Fig.3参照)と本明 細書に記載する技術を使ってコーティングしたヒト胎盤動脈(Fig.6参照) の走査電子顕微鏡写真を比較すると直ちに明らかである。ゲルは均質な表面を作 り出すが、本明細書に記載する技術は、血管輪郭の完全性を保持し、下にある血 管のよりよい評価が可能である。 ポリマーによる表面の共有結合修飾はまた、血管内にステントを配置する代わ りにあるいはその補足として使用するのにもよく適している。補足として使用す る場合は、急性血栓症および過形成を抑えかつステントの重要な機械的利点を保 持することが可能である。 さらに、記載の技術の反応速度論は、1分未満の反応時間で修飾が達成できる ことを示唆している。タンパク質の修飾には一般に数時間または数日を要するこ とを当業者なら理解されよう。本明細書に記載する技術を血管に応用する場合、 反応が速く光開始要件がないため、血管虚血時間が最短になり、カテーテルを含 めて送達様式の複雑さが減り、それによって合併症の危険が低減する。 最後に、本明細書に記載する技術は、ヒト細胞の遺伝子修飾を必要としない。 したがって、調査中の遺伝子工学法とは違って、ポリマー表面修飾は調節および 技術上の障害がより少なく、炎症を起こす可能性がより低く、より安価であり、 直ちに血小板沈着を防止する働きをする。 要約すると、本明細書に記載の表面の共有結合修飾は、従来技術に勝る多くの 利点を提供する。たとえば、血管処置に適用する場合、本明細書に記載する技術 は、現在の技術および提案されている技術に勝る多くの利点を提供する。これは 、速い反応速度を示し、血管損傷部位に限定してリガンドを広くカバーし、比較 的簡単な送達法で処理できる。合併症を伴う恒久的血管内装置は本明細書に記載 の技術には必要でない。ポリマー共有結合修飾はまた、血管が自然に再建され治 癒するとき、安全に分解する。その上、この分解の副産物は無害性である。 本発明の一目的は、生体内で許容される条件下で組織または細胞表面の共有結 合修飾を行う技法を提供することである。 本発明の他の目的は、様々な血管内処置中および血管外傷後の合併症を減らす ことである。 本発明の他の目的は、血管内ステント配置を使用するまたは使用しない、PT CAを含む様々な血管処置の後の再狭窄の発生を減らすことである。本発明の他 の目的は、血栓症および血管収縮によって生じる急性再閉塞を防止することによ り、PTCAを含む血管処置の初期成功率を高めることである。 本発明の他の目的は、血小板、白血球、細菌の付着を防止することにより、移 植した細胞および組織の生体適合性を向上させる技術を提供することである。 本発明の他の利点は、添付の図面を参照して行う現在好ましい実施例について の以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。 発明の詳細な説明 本明細書には、生体適合性を向上させるために組織および細胞表面を共有結合 修飾する方法を開示する。本明細書に記載する発明は、ポリマー末端に付けた反 応性の基を介して水溶性ポリマーを共有結合で付着させることにより、細胞およ び組織表面上の反応性の基を修飾できるという原理に基づいている。どんな水溶 性ポリマーでも、そのポリマーが多数表面に共有結合で付着して自然な形態をと った場合に、修飾すべき組織または細胞表面をほぼ覆うバリアを形成するのに十 分な長さであれば、使用することができる。すなわち、たとえばポリペプチドや 糖類もポリマーとして使用できる。PEGポリマーは、高い生体適合性を示すの で、これを使用することが好ましい。 穏やかな水性条件下で組織および細胞表面に存在するアミン基や水酸基などの 反応性の基と共有結合で反応できる基ならどんな基も、ポリマーの少なくとも1 つの末端に付けることができる。この反応性末端基の諸特性によって、この共有 結合修飾がどれだけ迅速に実現されるかが決まる。組織表面および生体内細胞表 面は通常、多数のアミン基および水酸基を含むので、ポリマーに付いた反応性末 端基は、好ましくは組織および細胞表面に存在するアミン基および水酸基と反応 し、それによってその表面を共有結合修飾し、ポリマーを付着させる。組織およ び細胞表面に存在するアミン基および水酸基と反応するには、ポリマーに付けた 反応性末端基は、エステル、酸無水物(N−カルボキシ無水物を含む)、イソシ アナート、アルデヒド、トシレート、トレシレートまたはエポキシドとすること ができる。反応性末端基は、ポリマーの共有結合付着に対して小さな分子あるい は有毒な分子を放出しないものが好ましい。したがって、環状エステル、環状酸 無水物、イソシアナートが、ポリマー末端に付けて共有結合修飾を実施するため の好ましい反応性の基である。具体的には、ジイソシアナートが、組織および細 胞表面上のアミン基および水酸基との反応時間が1分未満であることがわかって いるので好ましい。組織および細胞表面上のアミン基および水酸基以外の分子基 と反応させるために、本明細書に記載の技法でマレイミドも使用できる。 本明細書に記載する技法は、移植組織の生体適合性を向上させるために、移植 する組織または細胞にその移植前に適用することができる。インビボで使用する 場合、所望の場所に適した方法ならどんな方法を使っても(たとえば注射または カテーテル)、反応性末端基の1つを有するポリマーを含む溶液を所望の部位に 適用することができる。この共有結合修飾は反応動熊が速いので、一般にこの技 法は所望の部位でのみ働く。ある種のカテーテルによって形成されるような機械 的バリアを立てて、共有結合修飾を所望の領域だけに制限することもできる。 本出願人は、共有結合付着が可能なポリマーで処理した表面の諸特徴および本 発明の諸方法を実証する証拠資料を提出する。本発明は、以下の非限定的な例お よび好ましい実施例によってさらに理解できるであろう。 実施例1 血管表面のPEGジイソシアナートによる修飾 本明細書で使用するプロトコルおよび血小板の沈着を検出する方法の評価のた め、本出願人は、他の発明者が提起した血小板沈着を減らす技法を追試し、類似 の結果を得ることができた。光重合性PEGゲルを、損傷を受けた動脈部分に含 浸させて、上述の系中における血小板沈着に対するその効果を査定した。本明細 書に記載する実験で使用した光重合化ゲルは、Hubbellらが記載した方法で形成 した。ただし、18,500MWPEGテトラアクリレートの代わりに400M Wおよび1000MWPEGジアクリレートを使用した。血管表面を4%EYで 1分間インキュベートし、次いでpH7.4のHepes−Tyrodes(H T)緩衝液で洗浄した。23%PEGジアクリレート(分子量400)0.5m lと、3.5%TEA10mlとn−ビニルピロリジノン200μlの混合物5 μlの溶液を、血管が軽い被覆で覆われるまで一滴ずつ表面に加え、紫外光(1 0ワット/cm2)に5分間曝露して、ポリマーのゲル化を最大にした。このゲ ルをpH7.4のHT緩衝液で洗浄して、未重合のPEGを除去した。Fig. 4に、7回の実験の結果を示す。各棒は試験した最高4本の血管の平均を表す。 分子量400と1000のPEGジアクリレートゲルはいずれも血小板沈着の著 しい低下(p<0.05)を示し、互いに有意な差はなかった(p>0.5)。 本明細書に記載の技法を実証するため、PEG(分子量3400)ジイソシア ナート(米国アラバマ州HuntsvilleのShearwater Polymers社)0.2gをpH 8.0に調整したリン酸緩衝食塩水1mlに溶かして、PEGジイソシアナート 溶液を作成した。PEGポリマーを選んだのは、その親水性、水溶性、生体適合 性のためである。ジイソシアナートを選んだのは、アミン基および水酸基と の反応時間が特に速いためである。ヒト胎盤からの動脈切片の管腔表而をPEG ジイソシアナート溶液に30分、15分、5分および1分間浸漬することによっ てそれら切片を修飾した。物理的に吸着したPEGの効果を調べ、官能性末端基 の重要性を明らかにするため、血管表面のタンパク質と共有結合できる末端基を 持たないPEGとも血管切片をインキュベートした。pH8.0のリン酸塩緩衝 食塩水1mlに溶かしたPEG(分子量3400)(非反応性)0.2gを使っ て対照を作成し、血管を30分および1分間インキュベートした。 様々のPEG血管コーティングおよび修飾の有効性を評価するため、以前にBa dimonらによってJ.Lab.Clin.Med.,1987,110(6):750-12に記載された潅流 システム中で、PEGでコーティングした損傷を受けた動脈に111インジウムで 標識した血小板を含むヒト全血を流して、実験を行った。PTCA後の冠動脈の モデルとして使用したのは、内皮除去したヒト胎盤動脈であった。分娩後2時間 以内に得た胎盤を洗浄し、絨毛膜を除去した。この胎盤動脈をそっくり分離し、 漏れを最小限に抑えるための分岐点を通って長手方向に切り、金属スパチュラで 引っ掻いて内皮を除去した。潅流用血液は、10日間アスピリンを飲んでいない 、すなわち血液が抗凝固性になっていない健康なボランテアの肘前静脈から得た 。JohnsonらがPlast.Reconst.Surg.,1992,90(4):650-8.Aに以前に記載した ように111インジウムオキシン(ミズーリ州セントルイスのMallinkrodt)で血 液を標識し、潅流する直前に赤血球と血漿で元に戻した。 Fig.5に示すように、PEGジイソシアナートで30分間の反応時間共有 結合修飾した血管への血小板の沈着は対照の未処理の血管および非反応性PEG で処理した(PEG吸着)血管に比べて有意に減少した(p<0.0005)。 5分および15分間PEGジイソシアナートにさらしてそれと反応させてPEG ジイソシアナートで共有結合修飾した血管も、PEG吸着切片よりも有意に低い 血小板沈着を示した(p<0.05)。これらの結果は、組織または細胞表面を ポリマーの共有結合的付着で修飾した場合に、ポリマーが細胞相互作用を防ぐ上 で有効かつ適切であることを示している。より具体的には、これらの結果は、組 織表面と反応させたとき、細胞相互作用を防ぐ上での共有結合的に付着したPE Gの有効性と適切さを示している。5分または15分間反応させた血管切片への 血小板沈着は、30分間反応させたものと有意な差はなかった(p>0.9)。 血小板の活性に変動があるため、30分、15分および5分間浸漬の結果は、P EGジイソシアナートで処理した血管への血小板沈着を30分間血小板にさらさ れた未処理の裸の血管への沈着で割った比として表す。PEGジイソシアナート 溶液に1分間浸漬した血管の結果は1分間血小板にさらされた未処理の裸の血管 への沈着で割った比として表す。すべてのテストで、分散分析(「ANOVA」 )を使って、テスト群間に統計的差があるかどうか判定し、Neuman−Ke uls検定を使って群間のp値を得た。 処理および未処理の血管の走査電子顕微鏡写真を比較すると、この技術の効果 はただちに明らかであった。Fig.6aに前述のプロトコルに従った未処理で むき出しにした胎盤動脈の走査電子顕微鏡写真を示す。多数の血小板が組織表面 に付着しているのが観察できる。組織表面への血小板の付着およびひろがりは、 未処理でむき出しの胎盤動脈の高い表面トロンボゲン形成性を示している。それ とは対照的に、Fig.6bは本明細書に記載した技術を使って処理した、より 具体的には前述のようにPEGジイソシアナート溶液で処理した裸の胎盤動脈の 走査電子顕微鏡写真を示す。処理済みの血管に付着している血小板は非常に少な く、付着した血小板はひろがりを示さず、それにより処理した血管のトロンボゲ ン形成性が低いことを示している。Fig.6cは、組織表面と共有結合で付着 できる反応基を持たないポリマーで処理した裸の胎盤動脈の走査電子顕微鏡写真 を示す。この例では、PEGジイソシアナートで胎盤動脈を処理するのに使った のと同じプロトコルに従って裸の胎盤動脈をPEG−OH溶液で処理した。未処 理で裸の胎盤動脈の場合と同様に、多数の血小板が組織表面に付着してそこで広 がり、高い表面トロンボゲン形成性を示している。 実施例2 光重合性PEGゲルで処理した移植片 本明細書に記載する技術の効果をさらに実証し、本明細書に記載する技術を評 価するために使用するテスト方法を検証するため、本出願人はこの技術をプレク ロット(preclotted)ダクロンに適用した。プレクロットダクロン(ニュージャ ージー州オークランドのMedox社)の表面を上記と同じ反応条件を用いてP EGジイソシアナートで共有結合修飾した。また光重合化ゲルをPEGジアクリ レート(分子量400)を用いてダクロン移植片をコーティングした。Fig. 7に示すように、PEGジイソシアナートで修飾した移植片も光重合性ゲルで処 理した移植片も、本明細書で使用する実験のテスト方法を検証するために前述の 技術を使って修飾すると、未処理のプレクロットダクロン血管移植片よりも有意 に低い血小板沈着を示した(p<0.05)。 実施例3 ヒト冠動脈内皮細胞に対する本発明の生体適合性を実証する毒性デー タ 以下では、本発明を実証するために使用したヒト冠動脈内皮細胞の好ましい培 養方法について述べる。ここに示す実験では、商業的に培養され冷凍保存したヒ トの培養冠動脈内皮細胞(「HCAEC」)をClonetics社から入手した。この 内皮細胞を75cm2の培養フラスコに接種した。できた細胞集団は分けて多数 の均質な継代培養をつくる。ECGMを培養を維持するために加えた。ECGM をフラスコから除去し、残留ECGMを除去するため、0.25%のEDTA( 重量/体積)を含むトリプシン約1mlを加えた。0.25%のEDTA(重量 /体積)を含むトリプシン約5〜7mlを加えて約10分間37℃に保ち、培養 フラスコ表面から細胞をはがした。すべての細胞がはがれたのを確認するため、 培養を光学顕微鏡検査した。 内皮細胞をフラスコの表面から外した後、懸濁液と細胞の全体積が50ccと なるようにMedia 199(Sigma社)に懸濁させた。円錐試験管を遠 心分離機に入れ、1100rpmで6分間回して内皮細胞と培地とを分離した。 遠心による分離プロセスの終了後、ピペットで円錐試験管から培地を除去した。 細胞ペレットを入れた各円錐試験管に、内皮細胞成長因子(Clonetics社提供 )を含む内皮細胞増殖培地(「ECGM」)を加えた。ECGMは細胞ペレット を再懸濁させるために加えた。細胞ペレットの再懸濁後、内皮細胞の集団をウェ ルに分注して均質な継代培養を作った。目視検査ですべての細胞がECGMの薄 い層で覆われるように、十分なECGMを各内皮細胞の継代培養に加えた。効率 のよい細胞の生育を確保するため、製造元の指示通りECGMは2〜3日毎に交 換した。 3つの処理群を作った。(1)HCAECにPEGジイソシアナート溶液を直 接加えた「直接群」;(2)HCAECにECGMを加え、続いてPEGジイソ シアナート溶液を加えた「培地群」;(3)PEGジイソシアナート溶液を加え なかった「対照群」。直接群も培地群も、リン酸緩衝食塩水(pH8.0)1m l当たり0.2gのPEGジイソシアナートを用いて作成したPEGジイソシア ナート溶液を使用した。直接群では、HCAECを覆うECGMをピペットで除 去し、目視検査ですべてのHCAECが覆われたように見えるまでPEGジイソ シアナート溶液を1滴ずつHCAECに直接加えた。HCAEC/PEGジイソ シアナート混合物を1分間インキュベートした後、ECGMを加えた。培地群で は、直接群の各継代培養物で使用したのと同量のPEGジイソシアナート溶液を 、ECGM中のHCAECに直接加えた。すなわち、PEGジイソシアナート溶 液を加える前にECGMを除去しなかった。対照群では、HCAECを入れたウ ェルからECGMを除去し、ウェルを1分間インキュベートし、HCAECにE CGMを加えた。 PEGジイソシアナート溶液の効果を決定するため、目視検査で確認しながら 、細胞が接着した直後、細胞が急速に生育しているとき、および細胞が集密状態 になった時の様々な時点でPEGジイソシアナート溶液を直接群および培地群の 継 代培養に加えた。したがって、継代培養作成後、下記間隔で直接群および培地群 の継代培養物にPEGジイソシアナート溶液を加えた。(1)2〜4時間(すな わち細胞接着の直後);(2)1〜2日(すなわち、急速な生育中);(3)4 〜7日(すなわち細胞が集密状態にある時)。サンプリング法で細胞数を計算し た。 これらの実験の結果をFig.8に示す。0日目および2日目にPEGジイソ シアナートに曝露した後のHCAECの正規化生育比(0、2、6日目の細胞数 を0日目の細胞数で割った値で表す)をFig.8に示す。このデータから、P EGジイソシアナート溶液がHCAECに対して、処理直後の細胞生育を減少さ せるという弱い作用を示したことがわかる。しかし、PEGジイソシアナート溶 液で処理したHCAECは回復して、対照細胞が集密状態に達してから1日以内 に同じく集密状態になった。 同様に、Fig.9は、0日目にPEGジイソシアナートにさらした後のHC AECの平均生育比(2、6、9日目の細胞数を0日目の細胞数で割った値で示 す)を示している。Fig.9はまた、ここに述べた実験の標準偏差をバーで示 している。この場合も、処理群の間に生育速度の著しい違いはない。直接群およ び培地群の集密状態HCAECにPEGジイソシアナート溶液を加えたとき、対 照群と比べて形態または細胞数に対する効果は認められなかった。 実施例4 ヒト繊維芽細胞に対する本発明の生体適合性を実証する毒性データ 本明細書に記載する技術の生体適合性をさらに実証するため、ヒト皮膚組織の サンプルから繊維芽細胞を分離し、培養した。前述の直接群で使用したプロトコ ルに従ってヒト繊維芽細胞をPEGジイソシアナート溶液に浸漬した。前記の例 1で述べた技術を用いて作成したPEGジイソシアナート溶液にさらした後4日 間繊維芽細胞の生育を測定した。これらの実験の結果をFig.10に示す。こ れらの結果は、本明細書に記載する技術、具体的には本明細書に記載するPEG ジイソシアナート溶液を使用した技術が、ヒト繊維芽細胞の生育に対して何の作 用ももたないことを示している。 図面の簡単な説明 Fig.1は、未処理の組織表面への血小板の付着機構を示す、未処理の組織 表面の概略図である。Fig.1bは、細胞の付着力を低減させるために付着性 リガンドがマスクされた共有結合修飾された血管の模式図である。 Fig.2aは、生物表面に付着させたゲルの分解プロセスの模式図である。 Fig.2bは、本明細書に記載の技術を用いて共有結合修飾した組織表面の 分解プロセスの模式図である。 Fig.3は、光重合ゲルでコーティングした胎盤動脈の例示的走査電子顕微 鏡写真であり、スケールバーは10ミクロンを表す。 Fig.4は、光重合性PEGゲルでコーティングした動脈上への111インジ ウムで標識した血小板の沈着のFig.7の実験の結果、および日平均値を示す ものであり、各棒はテストした最大4個の動脈の平均を表す。 Fig.5は、PEGジイソシアナートで修飾した動脈表面への111インジウ ムで標識した血小板の沈着と対照の日平均の比として表した実験結果を示すもの であり、この場合、ヒト胎盤動脈をPEGジイソシアナートに30分、15分、 5分および1分間さらした。 Fig.6aは、未処理の裸の胎盤動脈の走査電子顕微鏡写真であり、スケー ルバーは10ミクロンを表す。 Fig.6bは、PEGジイソシアナート溶液を使って共有結合修飾した裸の 胎盤動脈の走査顕微鏡写真であり、スケールバーは10ミクロンを表す。 Fig.6cは、組織表面に共有結合的に付着する反応基を持たないポリマー で処理した裸の胎盤動脈の走査電子顕微鏡写真であり、スケールバーは10ミク ロンを表す。 Fig.7は、ポリエチレングリコールで修飾したプレクロットダクロン移植 物上への111インジウムで標識した血小板の沈着、および未処理のプレタロット ダクロン移植片上への血小板の沈着を示す図である。 Fig.8は、0日目および2日目にPEGジイソシアナートをHCAECに 加えた毒性実験の結果をプロットしたグラフであり、PEGジイソシアナートを HCAECに直接添加(「直接」群)、生育培地中のHCAECに添加(「培地 」群)、または加えなかった(「対照」群)実験についてHCAECの正規化生 育比(0日目、2日目、6日目の細胞数を0日目の細胞数で割った値として表す )を示す。 Fig.9は、HCAECにPEGジイソシアナートを加えた毒性実験の結果 を表す棒グラフであり、0日目にPEGジイソシアナートにさらした後のHCA ECの平均生育比(生育比は2日目、6日目、9日目の細胞数を0日目の細胞数 で割った値として表す)を示し、PEGジイソシアナートをHCAECに直接加 える(「直接」群)、生育培地中のHCAECに加える(「培地」群)、または 加えなかった(「対照」群)ものであり、標準偏差をバーで示す。 Fig.10は、PEGジイソシアナート溶媒に曝露してから4日後のヒト組 織芽細胞の生育、および未処理のヒト組織芽細胞の4日後の生育(対照)を示す グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),AU,BA,BR,BY,CA,C N,CZ,ES,GH,HU,IL,JP,KP,KR ,LT,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG, SK,TR,UA (72)発明者 ベックマン,エリック,ジェー. アメリカ合衆国.15218 ペンシルヴァニ ア,エッジウッド,ウィロー プレイス 417 (72)発明者 ルッセル,アラン アメリカ合衆国.15260 ペンシルヴァニ ア,ピッツバーグ,ガードナー スティー ル カンファレンス センター 200 【要約の続き】 に、本明細書に記載の方法は、移植された組織および細 胞の免疫原性を低下させ、それによって免疫抑制療法の 必要を減らす。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インビボで許容される条件下で組織および細胞表面に存在する基と反応す る少なくとも1個の末端官能基を有する生体適合性ポリマーを共有結合的に結合 させることからなる、組織および細胞表面をポリマーで共有結合修飾する方法。 2.インビボで許容される条件下で組織および細胞表面に存在する基と反応す る少なくとも1個の末端官能基を有する生体適合性ポリマーを共有結合的に結合 させることからなる、組織および細胞表面をポリマーで共有結合修飾する方法で あって、組織または細胞表面を、少なくとも1個の末端官能基を有する生体適合 性ポリマーを含む溶液にさらすことを特徴とする方法。 3.インビボで許容される条件下で組織および細胞表面に存在するアミン基お よび水酸基と反応する少なくとも1個の官能末端基を有する生体適合性ポリマー を共有結合的に結合させることからなる、組織および細胞表面をポリマーで共有 結合修飾する方法。 4.インビボで許容される条件下で組織および細胞表面に存在するアミン基お よび水酸基と反応する少なくとも1個の官能末端基を有する生体適合性ポリマー を共有結合的に結合させることからなる、組織および細胞表面をポリマーで共有 結合修飾する方法であって、組織または細胞表面を、少なくとも1個の官能末端 基を有する生体適合性ポリマーを含む溶液にさらすことを特徴とする方法。 5.インビボで許容される条件下で組織および細胞表面に存在するアミン基お よび水酸基と反応する少なくとも1個の官能末端基を有する生体適合性ポリマー を共有結合的に結合させることからなる、組織または細胞表面への細胞の付着を 減らす方法。 6.インビボで許容される条件下で組織および細胞表面に存在するアミン基お よび水酸基と反応する少なくとも1個の官能化末端基を有する生体適合性ポリマ ーを共有結合的に結合させることからなる、組織または細胞表面への血小板およ び白血球の付着を選択的に減らす方法。 7.血管組織表面に存在するアミン基および水酸基と反応する少なくとも1個 の官能末端基を有する生体適合性ポリマーを、インビボで許容される条件下で共 有結合的に付着させることからなる、血管組織表面を修飾する方法。 8.血管組織表面に存在するアミン基および水酸基と反応する少なくとも1個 の官能末端基を有する生体適合性ポリマーを、インビボで許容される条件下で共 有結合的に付着させることからなる、血管手術または傷害後の血栓症および再狭 窄を軽減する方法。 9.血管組織表面に存在するアミン基および水酸基と反応する少なくとも1個 の官能末端基を有する生体適合性ポリマーを、インビボで許容される条件下で共 有結合的に付着させることからなる、経皮冠動脈経管血管形成術を改良する方法 。 10.移植組織および細胞表面をポリマーで共有結合修飾することを含む、組 織または細胞性移植物の免疫原性を減少させる方法であって、少なくとも1個の 末端官能基を有する生体適合性ポリマーをインビボで許容される条件下で組織お よび細胞表面に存在する基と共有結合させる方法。 11.官能末端基が、エステル、酸無水物、イソシアナート、アルデヒド、ト シレート、トレシレート、エポキシドまたはマレイミドである、請求の範囲第1 項または第2項に記載の方法。 12.官能末端基が、エステル、酸無水物、イソシアナート、アルデヒド、ト シレート、トレシレート、またはエポキシドである、請求の範囲第1項ないし第 10項のいずれか1項に記載の方法。 13.官能末端基が、環状エステル、環状酸無水物、またはイソシアナートで ある、請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の方法。 14.生体適合性ポリマーが、官能末端基として付加されたジイソシアナート を有する、請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか一項に記載の方法。 15.生体適合性ポリマーがポリエチレングリコールである、請求の範囲第1 項ないし第10項のいずれか1項に記載の方法。 16.生体適合性ポリマーがポリエチレングリコールであり、官能末端基が、 エステル、酸無水物、イソシアナート、アルデヒド、トシレート、トレシレート 、エポキシドまたはマレイミドである、請求の範囲第1項ないし第10項のいず れか1項に記載の方法。 17.生体適合性ポリマーがポリエチレングリコールであり、官能末端基が、 環状エステル、環状酸無水物、またはイソシアナートである、請求の範囲第1項 ないし第10項のいずれか1項に記載の方法。 18.生体適合性ポリマーがポリエチレングリコールであり、官能末端基が、 ジイソシアナートである、請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか1項に記 載の方法。 19.リン酸緩衝食塩水に溶かしたポリエチレングリコール(分子量3400 )−ジイソシアナートを含む溶液に組織または細胞表面をさらす、請求の範囲第 1項ないし第10項のいずれか1項に記載の方法。 20.リン酸緩衝食塩水に溶かしたポリエチレングリコール(分子量3400 )−ジイソシアナートを含む溶液に組織または細胞表面をさらし、溶液のpHを 8.0に調節する、請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の方 法。 21.細胞の生育可能性の維持に適合する条件下で組織または細胞表面に存在 する基と反応する少なくとも1個の末端官能基を有する生体適合性ポリマーを共 有結合的に結合させることからなる、組織および細胞表面をポリマーで共有結合 修飾する方法。
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