JP2000501067A - 医薬化合物 - Google Patents

医薬化合物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は微小管システムの崩壊のため、抗新生物剤として、抗真菌剤として、および癌の治療のため、に有用なことのある新規クリプトフィシン化合物を提供する。本発明はさらにこの新規クリプトフィシン化合物を投与するための製剤も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 医薬化合物 発明の領域 この発明は医薬品および有機化学の技術分野に関し、抗微小管薬剤として有用 な新規クリプトフィシン(cryptophycin)化合物を提供する。 発明の背景 細胞増殖の正常な制御に従わない細胞増殖によって特徴付けられる新生物疾患 はヒトおよび他の哺乳類における主たる死因の一つである。癌化学療法における 臨床的体験はこれらの疾病を処置するためにはさらに効果の優れた新規な薬品が 望ましいことを証明している。そのような臨床的体験は細胞骨格における微小管 システムを崩壊させる薬剤は新生物細胞の増殖を阻止するために有効なものもあ りうることを証明している。 真核細胞の微小管システムは細胞骨格の主たる成分の一つであって、形成およ び解体の動的な状態である。すなわちチューブリンのヘテロダイマーが重合して 微小管を形成する。微小管は細胞の構造、代謝および***の調節において鍵とな る役割を果たしている。微小管のこの動的状態はその正常な機能にとっては必須 である。細胞***に関して言えばチューブリンが重合して微小管となり、これが 有糸***紡錘体を形成する。次いで有糸***紡錘体の使用が終わるとこの微小管 は脱重合する。従って、微小管の重合または脱重合を妨害し、従って有糸***を 阻止する薬剤には臨床的使用における最も有効な癌化学療法剤をいくつか含む。 これに加えて、本発明の化合物は殺真菌性を有する。さらに微小管システムを 崩壊する性能を有する薬剤は研究目的のために有用でありうる。 ある種のクリプトフィシン化合物は文献既知である。しかしながら、溶解性が 改善され、強力な力価を有するクリプトフィシン化合物はほとんどの医薬的使用 に対して望ましいものであって、広範囲なクリプトフィシン化合物の集団は処置 の追加的な選択を提供できるであろう。本出願人はそのような望ましい溶解性を 有する新規化合物ならびに微小管システムを崩壊する性能を有する新規化合物を 今回発見した。そのような化合物は全合成法を使用して製造できるので医薬的に 有用な薬剤として開発する目的によく適合するものである。 発明の要約 本発明は式I: [式中、 Arはフェニルまたは単なる非置換または置換の芳香族またはヘテロ芳香族基 、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルキンのいずれかである。 R1はハロゲン、SH、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ト リアルキルアンモニウム、アルキルチオ、ジアルキルスルホニウム、スルフェー ト、またはホスフェートであって R2はOHまたはSHであるか、または R1およびR2が互いに結合して、エポキシ環、アチリジン環、エピスルフィド 環、スルフェート環、シクロプロピル環、またはモノアルキルホスフェート環を 形成してもよく、または R1およびR2が互いに結合して、C18とC19の間に第二の結合を形成してもよ い。 R3は低級アルキル基である。 R4はHである。 R5はHである。 R4およびR5は互いに結合して、C13とC14の間に第二の結合を形成してもよ い。 R6はB環ヘテロ芳香族、置換ヘテロ芳香族、B環(C1〜C6)アルキル、(C3 〜C8)シクロアルキル、置換C3〜C8シクロアルキル、置換(C1〜C6)アルキル 、式III': で示される基、および式III”: で示される基から構成される群から選択される置換基である。 R7はNR5152、R53NR5152、OR53、H、および低級アルキル基から 構成される群から選択される。R51およびR52は独立にC1〜C3−アルキルから 構成される群から選択され、R53はC1〜C3−アルキルである。 R8はHまたは低級アルキル基である。 R7およびR8は所望ならばシクロプロピル環を形成できる。 R9はH、低級アルキル基、不飽和低級アルキル、および低級アルキル−C3〜 C5−シクロアルキルから構成される群から選択される。 R10はHまたは低級アルキル基である。 R9およびR10は所望ならば結合してシクロプロピル環を形成する。 R11はH、OH、単なるアルキル、フェニル、置換フェニル、ベンジルおよび 置換ベンジルから構成される群から選択される。 R14はHまたは低級アルキル基である。 R15、R16、およびR17はおのおの独立して水素、(C1〜C6)アルキル、OR18 、ハロ、NR18'R19'、NO2、OPO42、OR19フェニル、SCH2フェニ ル、CONH2、CO2H、PO32、およびSO223、およびZZから構成さ れる群から選択される。 R18は水素、アリール、およびC1〜C6−アルキルから構成される群から選択 される。 R18'は水素および(C1〜C6)アルキルから構成される群から選択される。 R19はC1〜C6−アルキルである。 R19'は水素および(C1〜C6)アルキルから構成される群から選択される。 R23は水素および(C1〜C3)アルキルから構成される群から選択される。 R30は水素またはC1〜C6−アルキルである。 nは0、1、または2である。 pは0、1、または2である。 mは0、1、または2である。 XはO、NH、およびアルキルアミノから構成される群から選択される。 YはO、NH、およびアルキルアミノから構成される群から選択される。 Zは−(CH2)n−、−(CH2)p−O−(CH2)m−、および(C3〜C5)シクロア ルキルから構成される群から選択される。 ZZは芳香族基および置換芳香族基から構成される群から選択される] で示される新規クリプトフィシン化合物またはその医薬的に許容される塩または 溶媒和物を提供する。 但し、R6が式III’で示される基であって、nが1である時には、R15、 R16およびR17から構成される群の少なくとも1個は非水素基でなければならな いものとする。 また、但し、R15、R16およびR17の中で1個のみがOHまたはOR29であっ て、R15、R16およびR17から構成される群の1個がハロであるならば、R15、 R16、およびR17から構成される群の残りの基は水素またはハロであってはなら ず、R29は(C1〜C5)アルキルであるものとする。 さらに、但し、この化合物は次の各式で示されるクリプトフィシン類: から構成される群から選択されるクリプトフィシンではないものとする。 本発明は医薬的製剤、式Iで示される化合物を有効量使用して微小管システム を崩壊する方法、式Iで示される化合物を有効量投与することを含む哺乳類細胞 の増殖を阻止する方法、および式Iで示される化合物を有効量投与することを含 む哺乳類における新生物を処置する方法を提供する。発明の詳細な記載 本明細書で使用する用語「単なるアルキル」はC1〜C7−アルキルを示すもの とするが、ここにアルキルは飽和でも、不飽和でも、分枝でも、直鎖でもよい。 これに限定するものではないが、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプ ロピル、n−ブチル、プロペニル、2級ブチル、n−ペンチル、イソブチル、3 級ブチル、2級ブチル、メチル化ブチル基、ペンチル、3級ペンチル、2級ペン チル、メチル化ペンチル基、その他を含む。 本明細書で使用する用語「B環C1〜C6−アルキル」は飽和、不飽和、分枝お よび直鎖のアルキルを示すが、ここではB環C1〜C6−アルキル基には非炭素置 換基を3個まで含んでいてもよい。このような非炭素置換基は最も好適にはOH 、SCH2フェニル、NH2、CO、CONH2、CO2H、PO32、SO221 から構成される群から選択される。ここにR21は水素およびC1〜C3−アルキル から選択される。 本明細書で使用する用語「置換フェニル」は非炭化水素置換基を1個から3個 有するフェニル基を示すものとするが、ここに非炭化水素置換基は単なるアルキ ル、Cl、Br、F、およびIから構成される群から独立に選択してもよい。 本明細書で使用する用語「置換ベンジル」は非炭化水素置換基を1個から3個 有するベンジル基を示すものとするが、ここに非炭化水素置換基は単なるアルキ ル、Cl、Br、F、およびIから構成される群から独立に選択してもよく、ここ こにこれらの置換基は可能な炭素原子のいずれに結合していてもよい。 本明細書で使用する「B環ヘテロ芳香族基」は酸素、窒素、および硫黄から構 成される群から選択される非炭素置換基を1個またはそれ以上含む芳香族環を示 す。これに限定するものではないが、特に好適なB環ヘテロ環基は式:[式中、R20は水素およびC1〜C6−アルキルから選択される] から構成される群から選択される。 「B環ヘテロ芳香族基」が式: から構成される群から選択される置換基を示すことは特に好適である。 本明細書で使用する「シクロアルキル」は飽和C1〜C8−シクロアルキル基を 示すが、ここにこの基はC1〜C3−アルキル、ハロ、およびOR22から構成され る群から選択される置換基をゼロ個から3個含んでいてもよい。ここにR22は水 素およびC1〜C3−アルキルから選択される。このような置換基は可能な炭素原 子のいずれに結合していてもよい。シクロアルキルが置換または非置換シクロヘ キシルを示すことは特に好適である。 本明細書で使用する「低級アルコキシ基」は酸素原子に結合している炭素原子 数1個から5個のアルキル基のいずれかを意味する。本明細書で使用する「低級 アルキル基」は炭素原子数1個から5個のアルキル基を意味し、直線状および非 直線状炭化水素鎖を含み、これに限定するものではないが、例えばメチル、エチ ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、3級ブチル、2級ブチル、 メチル化ブチル基、ペンチル、3級ペンチル、2級ペンチル、およびメチル化ペ ンチル基を含む。本明細書で使用する「アリル性置換アルケン」はアルキル置換 を含む炭素原子数1個から7個を有するアルケンのいずれかを意味する。本明細 書で使用する用語「不飽和低級アルキル」は前記に定義した低級アルキル基を意 味し、ここにその不飽和低級アルキル置換基には二重結合1個から2個までが存 在する。好適な不飽和低級アルキルの一つには−CH2−CH=CH2がある。用 語「低級アルキル−C3〜C5−シクロアルキル」はC3〜C5−シクロアルキル基 で置換されたC〜C−アルキルを示す。好適な低級アルキル−C3〜C5−シクロ アルキル基には−CH2−シクロプロピルがある。ここに、この基はクリプトフ ィシン骨格構造のR9にCH2を介して結合する。 本明細書で使用する「エポキシ環」は骨格が炭素2個および酸素原子1個から 構成される3員環を意味する。本明細書で使用する「アチリジン環」は骨格が炭 素2個および窒素原子1個から構成される3員環を意味する。本明細書で使用す る「スルフィド環」は骨格が炭素2個および硫黄原子1個から構成される3員環 を意味する。本明細書で使用する「エピスルフィド環」は骨格が炭素2個および 硫黄原子1個から構成される3員環を意味する。本明細書で使用する「スルフェ ート基」は炭素−炭素−酸素−硫黄−酸素骨格から構成され、さらにこの硫黄原 子には追加的な酸素原子2個が結合している5員環を意味する。本明細書で使用 する「シクロプロピル環」は骨格が炭素3個から構成される3員環を意味する。 本明細書で使用する「モノアルキルホスフェート環」は炭素−炭素−酸素−燐− 酸素骨格から構成され、さらにこの燐原子に追加的な酸素原子2個が結合してい るものである5員環を意味する。燐原子に結合するその追加的な酸素原子の中の 1個は低級アルキル基を有する。 本明細書で使用する「単なる非置換芳香族基」は4n+1電子を有する通常の 芳香環を示し、これに限定するものではないが、例えばフリル、ピロリル、チエ ニル、ピリジル、その他の単環共役系またはこれに限定するものではないが、例 えばインドリルまたはナフチルの双環共役系をなす。 本明細書で使用する「単なる置換芳香族基」はハロゲンおよび低級アルキル基 から構成される群から選択された1種の基で置換されたフェニル基を示す。 本明細書で使用する「ヘテロ芳香族基」は酸素、窒素、および硫黄から構成さ れる群から選択された非炭素置換基1個またはそれ以上を含む芳香族環を示す。 本明細書で使用する「ハロゲン」または「ハロ」は歴史的にハロゲンとして知 られている周期律表の群の構成員を示す。これに限定するものではないが、ハロ ゲン化の方法にはハロゲン化水素の付加反応、高温での置換反応、光ハロゲン化 反応、その他を含み、これらの方法は熟練した専門家に知られている。 本明細書で使用する用語「哺乳類」は高等脊椎動物の哺乳類綱を示すものとす る。これに限定するものではないが、用語「哺乳類」にはヒトを含む。本明細書 で使用する用語「処置」は指摘した病状の予防またはすでに定着している病状の 緩和または排除を含む。この明細書で請求するクリプトフィシン化合物はヒトの 患者の処置と同様に動物の健康目的のためにも有用であることができる。 この発明の好適な特徴のいくつかを次に表の形式で示すが、ここではその特徴 はこの発明の好適な態様を提供するために独立に選択してもよい。この発明は決 して下記に記載する特徴に限定されるものではない: A)R8がエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはイソ ペンチルであるもの。 B)R7がエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル 、またはイソペンチルであるもの。 C)R7がHであり、R8がメチルであり、R3がメチルであって、XおよびY の双方がOであることはないもの。 D)R3がエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル またはイソペンチルであるもの。 E)R9がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、また はイソペンチルであるもの。 F)R10がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、また はイソペンチルであるもの。 G)クリプトフィシン化合物であって、ここにC−3、C−6、C−7、C− 10、C−16、C−17およびC−18(番号付けは前記式Iに示したもので ある)から構成される群から選択した基の少なくとも1個がR立体化学を有する もの。 H)クリプトフィシン化合物であって、ここにC−3、C−6、C−7、C− 10、C−16、C−17およびC−18(番号付けは前記式Iに示したもので ある)から構成される群から選択した基の少なくとも1個がS立体化学を有する もの。 I)Arが水素、ハロゲン、および単なるアルキルから構成される群から選択 した置換基を有するフェニルであるもの。 J)YがOである化合物。 K)YがOであり、R7、R8、R9、およびR10がおのおの水素であり、およ びR1およびR2がエポキシドを形成する化合物。 L)R7、R8がおのおの水素であるもの。 M)R7およびR8がおのおの水素およびCH3から選択されるもの。 N)YがOであるもの。 O)Rがメチル、エチル、n−プロピル、およびフェニルから構成される群か ら選択されるもの。 P)R1およびR2がエポキシド環を形成するもの。 Q)XおよびYの双方がOであるもの。 R)R4およびR5が二重結合を形成するもの。 S)nが0であり、R6が置換ベンジルであって、その置換基1個がハロゲン であり、もう一つがOR12基であるもの。ここにR12は低級アルキルである。 T)式Iで示される化合物を微小管システムの崩壊のために使用すること。 U)式Iで示される化合物を抗新生物薬剤として使用すること。 V)式Iで示される化合物を哺乳類における癌の処置のために使用すること。 W)式Iで示される化合物を抗糸状菌薬剤として使用すること。 X)R6が式III’であって、p−ヒドロキシ置換されているもの。 Y)R6が式: から構成される群から選択されるもの。 Z)Zが−(CH2n−であるもの。ここにnは0である。 AA)Zが−(CH2n−であるもの。ここにnは2である。 BB)Zが−(CH2n−であるもの。ここにnは1である。 CC)R6が式III’であるもの。 DD)R6が式III”であるもの。 EE)R6がC3〜C6−シクロアルキルであるもの。 FF)R6がB環ヘテロ芳香族、置換ヘテロ芳香族、B環アルキル、シクロア ルキル、置換シクロアルキル、式III’および式III”から構成される群から選択 されるもの。 GG)R15、R16、およびR17の少なくとも1個がSCH2フェニル、NH2、 CO、CONH2、CO2H、PO32、およびSO22Iから構成される群から 選択されるもの。ここにR21は水素およびC1〜C3−アルキルから選択される。 HH)Arがフェニルであるもの。 II)ArがOH、OCH3、ハロ、およびメチルから構成される群から選択 した基1個または2個で置換されているフェニルであるもの。および JJ)Arがナフチルであるもの。 KK)R6がZ基を有し、そのZ基の第一炭素がクリプトフィシン分子への結 合点に関して式: の基であるもの。 LL)R6がヘテロ芳香族環であるもの。 MM)R7がN(CH3)2、CH2N(CH3)2から構成される群から選択されるも の。 NN)R7がCH2OCH3であるもの。 OO)R7がシクロプロピルであるもの。 PP)R9がCH2シクロプロピルであるもの。 QQ)R9がCH2CH=CH2であるもの。 本明細書が目指す化合物をさらに例示するために、次の特に好適な化合物の表 を提供する。この例示は決してこれらに限定する目的ではない。 R3がCH3であり、R4およびR5が結合して第二の結合を形成し、R14が水素 であり、R30が水素であり、R7およびR8がおのおのメチルであり、R10が水素 であり、R9が−CH2CH(CH3)2であり、XおよびYが各々Oであり、Arが フェニルであって、R1、R2およびR6が下記に表示するもの: 追加的な好適化合物は、Arがフェニルでなくて式: で示される基である点を除外すれば、前記の通りの化合物である。 別の好適化合物は、Arが式: で示される基である点を除外すれば、前記の通りの化合物である。 本発明は対象に本明細書に開示する医薬的または動物薬的組成物の有効量を投 与して細胞の増殖を阻止することを含む哺乳類細胞の過剰増殖に起因する病理学 的状態を緩和する方法を提供する。この発明の好適な態様においては、本方法は さらに病理学的状態の緩和を指向する少なくとも1種の追加的治療剤を対象に投 与することを含む。本発明の好適な態様において、この病理学的状態は新生物の 形成によって特徴付けられる。本発明のさらに好適な態様においては、この新生 物は乳腺、肺臓の小細胞、肺臓の非小細胞、結腸直腸、白血病、黒色腫、膵臓の 腺癌、中枢神経系(CNS)、卵巣、黄体、軟組織または骨の肉腫、頭部および頚 部、膵臓および食道を含む消化器、胃、骨髄腫、膀胱、腎臓、甲状腺および非ホ ジキン病およびホジキン病を含む神経内分泌の新生物から構成される群から選択 される。 本明細書で使用する「新生物性」は新生物を示し、これは異常増殖であって、 この増殖は通常の増殖の限界に従わない細胞の増殖のために起きるものである。 本明細書で使用する「抗新生物薬剤」は新生物表現型の細胞を阻止し、除去し、 抑制し、または逆転する、化合物、組成物、混合物、共混合物、または配合物の いずれかである。 抗有糸***剤は作用の分子的機構に基づいて、三群に分類されることがある。 第一の群はコルヒチンおよびコルセミドを含む薬剤から構成され、これはチュー ブリンを差押ることによって微小管の形成を阻止する。第二の群はビンブラスチ ンおよびビンクリスチンを含む薬剤から構成され、これはチューブリンの準結晶 性凝集体の形成を誘導する。ビンブラスチンおよびビンクリスチンはよく知られ ている抗癌剤であって、有糸***紡錘体の微小管を崩壊するそれらの作用は過剰 増殖細胞を優先的に阻害する。第三の群はタキソールを含む薬剤から構成され、 チューブリンの重合を促進し、微小管を安定化する。 多数の腫瘍細胞による薬剤耐性および多剤耐性表現型の発現および新生物細胞 に対する臨床的に証明された抗微小管薬剤の作用機構は、非薬剤耐性新生物細胞 に対して細胞傷害性があり、同様に薬剤耐性表現型を持つ新生物細胞に対しても 細胞傷害性のある抗微小管薬剤の開発を要請している。 化学療法、外科手術、放射線療法、生物反応調節剤、および免疫療法が最近の 癌治療に使用されている。各療法には当技術分野の通常の熟練者に知られている 特定的適応があり、新生物細胞の完全な破壊に達することを目指してその1部ま たは全部を採用することがある。さらにその上、併用療法は一般に単一抗新生物 薬剤の使用よりもさらに有効なので、式Iで示される化合物を別の新生物薬剤と 組合せる併用化学療法も本発明が提供する。そこで、本発明の別の側面は前記利 益を提供するのに役立つ非毒性付加塩を含めて式Iで示される化合物少なくとも 1種の治療的有効量を含む組成物を提供する。かかる組成物はまた生理学的に許 容できる液体、ゲル、または固体の担体、希釈剤、アジュバント、および添加剤 とともに提供できる。このような担体、アジバント、および添加剤は米国薬局方 第XXII版および米国民医薬品集第XVII版、U.S.Pharmacopeia Convention社、ロ ックビル、MD(1989年)にも見出される。これとは別の処置法はAmerican Hospital Formulary Service社による「AHFS医薬品情報(AHFS Drug Informa tion)」 、1993年eの522〜660頁にも記載がある。これらの参考文献は いずれも熟練した専門家によく知られており、容易に入手できる。 本発明はさらに新生物疾患を処置するために使用される式Iで示される化合物 少なくとも1種および別の抗新生物薬剤少なくとも1種を含有する医薬的組成物 を提供する。式Iで示される化合物と組合せて利用することのある抗新生物薬剤 にはMerck社「メルクインデックス(Merck Index)」11版、16〜17頁(19 89年)に提供されているものを含む。このメルクインデックスは広く認識され ており、熟練した専門家には容易に入手できる。 この発明の別の態様において、抗新生物薬剤は抗代謝剤であってもよく、決し てこれらに限定するものではないが、これにはメトトレキセート、5−フルオロ ウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、お よび2−クロロデオキシアデノシンから構成される群から選択されるものを含む こともある。本発明の他の態様においては、意図する抗新生物薬剤はアルキル化 薬剤であって、決してこれらに限定するものではないが、これにはサイクロホス ファミド、メファラン、ブスルファン、パラプラチン、クロロアンブシル、およ びナイトロゲンマスタードから構成される群から選択されるものを含むこともあ る。さらに別の態様において、この抗新生物薬剤は植物アルカロイドであって、 決してこれらに限定するものではないが、これにはビンクリスチン、ビンブラス チン、タキソール、およびエトポシドから構成される群から選択されるものを含 むこともある。本発明の別の態様においては、意図する抗新生物薬剤は抗生物質 であり、決してこれらに限定するものではないが、これにはドキソルビシン、ダ ウノルビシン、マイトマイシンC、およびブレオマイシンから構成される群から 選択されるものを含むこともある。さらに別の態様においては、意図する抗新生 物薬剤はホルモンであって、決してこれらに限定するものではないが、これには カルステロン、プロピオン酸ジオモスタボロン、エピチオスタノール、メピチオ スタン、テストラクトン、タモキシフェン、燐酸ポリエストラジオール、酢酸メ ガステロール、フルタミド、ニルタミド、およびトリロタンから構成される群か ら選択されるものを含むこともある。 さらに別の態様では、意図する抗新生物薬剤は酵素を含み、決してこれらに限 定するものではないが、これにはL−アスパラギナーゼと、決してこれらに限定 するものではないがアムサクリンのようなアミノアクリジン誘導体とから構成さ れる群から選択されるものを含むこともある。その他の抗新生物薬剤にはLittle Brown社の「癌化学療法ハンドブック(Handbook of Cancer Chemotherapy)」、第 3版(1991年)のSkeel,Roland T.執筆「抗新生物剤および生物反応修飾 剤:臨床的に使用される薬剤の分類、使用および毒性(Antineoplastic Drugs an d Biologic Response Modifier:Classification,Use and Toxicity of Clinical ly Useful Agents)」に記載のものを含む。 これらの化合物および組成物は動物薬的使用のために哺乳類に投与することも できる。例えば家畜動物は臨床的なヒトの患者と殆ど同じ様式で処置することが できる。一般に治療的効果に必要な用量は使用の型、投与の様式、ならびに各対 象の特定的な必要性に従って変化するものである。典型的には用量は約0.00 1から1000mg/対象体重kg、さらに通常には0.01から10mg/対象体重k gの範囲にあるものである。あるいは、これらの範囲内の用量を所期の治療効果 が得られるまで通常は24時間を超える長時間にわたって定常的に投与すること もできる。実際、薬剤用量ならびに投与経路は相対的有効性、相対的毒性、腫瘍 の増殖特性および細胞周期に対する式Iで示される化合物の効果、薬剤の薬動力 学、患者の年齢、性別、体力的状況、および以前の処置に基づいて選択されなけ ればならず、これらは熟練した専門家が決定できるものである。 式Iで示される化合物は追加的抗新生物薬剤の存否にかかわらず、そのままで または塩の形で治療用組成物に製剤化してもよい。医薬的に許容される非毒性塩 には塩基付加塩を含むが、たとえばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カル シウム、または鉄の水酸化物のような無機塩基、およびたとえばイソプロピルア ミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイ ン、その他のような有機塩基から誘導してもよい。このような塩はまた、遊離の カチオン性基とともに酸付加塩として形成することもあり、一般的にはたとえば 塩酸または燐酸のような無機酸またはたとえば酢酸、シュウ酸、クエン酸、マン デル酸、その他のような有機酸とともに形成するものである。本発明がさらに熟 練した専門家に提供するその他の添加剤は例えば米国薬局方に見出される。 所与の治療用組成物中に含ませるべき特定的担体の適合性は好適な投与経路に 依存する。例えば、抗新生物性組成物は経口投与用に製剤化することもある。こ のような組成物は典型的には液体の液剤または懸濁液剤または固体の形で調製さ れる。経口投与剤は通常、例えば結合剤、増量剤、担体、保存剤、安定化剤、乳 化剤、緩衝剤、マンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、 サッカリンナトリウム、セルルース、炭酸マグネシウム、その他のような添加剤 を含む。これら組成物は液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出剤、 または粉剤の剤型であってもよく、典型的には活性成分を1%から95%まで含 む。より好ましくはこの組成物は約2%から約70%の活性成分を含む。 本発明の組成物は液体の液剤、懸濁剤、または乳化剤として、または注射直前 に液体に溶解または懸濁するのに適する固体としてのいずれか注射剤として調製 することもある。このような注射剤は皮下、血管内、腹腔内、筋肉内、髄腔内、 または胸膜内に投与することもある。単数または複数の活性成分は生理学的に許 容され、活性成分と適合する希釈剤、担体または添加剤と混合することが多い。 適当な希釈剤および添加剤は、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセリン またはその他およびこれらの組合せである。所望なら、これに加えて組成物には 例えば湿潤剤または乳化剤、安定化剤、またはpH緩衝剤のような少量の助剤を 含めてもよい。 本発明はさらに哺乳類細胞の増殖を阻止するためにこれらの細胞を式Iで示さ れる化合物の哺乳類細胞の増殖阻止に十分な量と接触することによる式Iで示さ れる化合物の使用方法を提供する。好適な態様は過剰増殖する哺乳類細胞の増殖 を阻止する方法である。この発明の目的について「過剰増殖する哺乳類細胞」は 増殖の特徴的な限界(例えばプログラムされた細胞死)に従わない哺乳類細胞で ある。さらに好適な態様はこの哺乳類細胞がヒトの細胞の場合である。本発明は さらにこの哺乳類細胞を式Iで示される化合物少なくとも1種および抗新生物薬 剤少なくとも1種と接触させることを提供する。ここに意図する抗新生物薬剤の 型については前記した。 本発明はさらにこれらの細胞を過剰増殖哺乳類細胞の増殖阻止に十分な量の式 Iで示される化合物と接触させることによって多剤耐性表現型を含む薬剤耐性表 現型を有する過剰増殖細胞の増殖を阻止するために式Iで示される化合物を使用 する方法を提供する。好適な態様はこの哺乳類細胞がヒトの細胞である場合であ る。この発明はさらに式Iで示される化合物少なくとも1種および前記のような 別種の抗新生物薬剤少なくとも1種と接触させることを提供する。 本発明は対象に有効量の式Iで示される化合物を含む医薬的組成物を過剰増殖 細胞の増殖を阻止するために投与することによって、例えば新生物のような過剰 増殖哺乳類細胞に起因する病理学的状態を緩和する方法を提供する。本明細書で 使用する「病理学的状態」は正常な増殖限界に従わない哺乳類細胞の増殖に起因 する病理のいずれかを示す。そのような細胞増殖は前記のような新生物に起因す ることもある。 さらに好適な態様ではその新生物細胞がヒトの細胞である。本発明は式Iで示 される化合物を別の治療法ならびにその他の抗新生物薬剤と組合わせて利用する ことによってそのような病理学的状況を緩和する方法を提供する。 本発明化合物の有効性は熟練した専門家に知られている標準的な方法を使用し て評価できる。そのような方法の例は以下の通り: この発明の化合物は病原性糸状菌に対して有用であることが見出されている。 例えば、Cryptococcus neoformans処置のための有用性は酵母窒素塩基デトロー ス寒天培地を使用するCryptococcus neoformansに対する試験結果によって証明 できる。この検定を実施するに当たって、この発明の化合物はトゥイーン20添 加ジメチルスルホキシドに溶解する。無菌蒸留水/10%DMSOで2倍希釈を 行って、84株のCryptococcus neoformansの広範囲パネルに対して寒天希釈検 定プレート中の最終薬剤濃度を0.008μg/mLから16.0μg/mLの範 囲とする。Cryptococcus neoformans分離株84株に対する最小阻止濃度を決定 して所望の抗カビ作用を証明する。 本化合物はCorbett検定法(Corbett,T.H.など、「細胞傷害性抗癌性薬剤: 医薬発見および開発のためのモデルおよび構想(Cytotoxic Anticancer Drugs:Mo dels and Concepts for Drug Discovery and Development)」 、35頁〜87頁、 Kluwer Academic出版社:ノーウェル、1992年)を使用してヒトの鼻咽喉癌 細胞系統KB、ヒトの結腸直腸腺癌細胞系統LoVoに対する最終阻止濃度につい て検定する。検定法についてはValerioteなど著、「抗癌性薬剤の発見および開発 (Discovery and Development of Anticancer Agents)」 、Kluwer Academic出版社 :ノーウェル、1993年も参照してこの化合物評価に使用する。 最も活性のある化合物群はCorbett検定法を使用して別の細胞型4種、例えば マウス白血病、マウス固形腫瘍、ヒト固形腫瘍および悪性度の低い繊維芽細胞に 対する細胞傷害性についてさらに評価する。 この化合物群はマウスに移植された薬剤耐性腫瘍を含むさらに広範囲なマウス およびヒト腫瘍に対して評価する。 担癌率(T/C)(処置動物における平均担癌率対無処置動物における平均担 癌率)を以後の評価に使用する。米国立癌研究所の標準によれば42%以下のT /C値を活性であり、米国立癌研究所の標準によれば10%以下のT/C値を優 れた活性であって、臨床的作用の候補であると解釈する。材料 ビンブラスチン、サイトカラシンB、イソチオシアン酸テトラメチルロダミン (TRITC)−ファロイジン、スルホロダミンB(SRB)およびβ−チューブ リンに対する抗体およびビメンチンに対する抗体は有力な販売者から購入可能で ある。イーグル塩を含む基本イーグル培地(BME)およびウシ胎児血清(FB S)も購入可能である。細胞系統 ジャーカットT細胞白血病系統およびA−10ラット大動脈平滑筋細胞はアメ リカンタイプカルチャーコレクションから入手し、10%FBSおよび50μg /mL硫酸ゲンタマイシン含有BME中で培養する。ヒト卵巣癌腫細胞(SKO V3)およびビンブラスチンに対する耐性で選択したサブ系統(SKVLB1) はオンタリオ癌研究所のVictor Ling博士のご厚意からの恵与によるものである 。両細胞系統は10%FBSおよび50μg/mL硫酸ゲンタマイシン含有BM E中で維持した。P−グリコプロテイン過剰発現細胞に対する選択圧を維持する ように継代の24時間後にビンブラスチンを最終濃度1μg/mLでSKVLB 1細胞に添加した。細胞増殖および細胞周期休止検定 細胞増殖検定法はSkehanなどが記載した通りに行う。ジャーカット細胞につい ては培養物を指摘した薬剤でSkehanなどの記載したように処理して全細胞数をヘ マチトメーターの細胞を計数することによって測定する。有糸***中の細胞の百 分率はPBS中0.4%ギムザ染色し、続いて迅速にPBSで洗浄することによ って測定する。毎処置には少なくとも1000細胞について有糸***像の存在に ついて測定し、計数した全細胞数に対する有糸***像を有する細胞比率として有 糸***係数を算出する。免疫螢光検定 A−10細胞をBME/10%FBS中のカバーグラス上で全面生長近くまで 増殖させる。化合物をPBSに溶解し、指定最終濃度まで添加して細胞をその後 24時間インキュベーションする。微小管および中間径フィラメントの染色には 細胞を冷メタノールで固定し、10%ウシ血清含有PBSとインキュベーション して非特異的結合部位を遮断する。次に細胞を製造社が推奨する濃度の抗β−チ ューブリンモノクローナル抗体または抗ビメンチンモノクローナル抗体のいずれ かと37℃で60分間インキュベーションする。続いて結合するプライマリー抗 体をフルオレッセイン結合ウサギ抗マウスIgGと45分間インキュベーション することによって可視化する。カバーグラスを顕微鏡のスライドグラスに装着し て螢光のパターンを検査し、フルオレッセインに対するエピ螢光オプティックス を装備したツァイス社の光学顕微鏡I11を使用して写真撮影する。ミクロフィ ラメントの染色には細胞を3%パラホルムアルデヒドで固定し、0.2%トリト ンX−100で透過性にし、水素化ホウ素ナトリウム(1mg/mL)で化学的に 還元する。次に100nM−TRITC−ファロイジンを含むPBSを添加して 混合物を37℃で45分間インキュベーションする。細胞をPBSで迅速に洗浄 した後、カバーグラスを装着して、直ちに前記のようにして写真撮影する。ジャーカット細胞の増殖および細胞周期に及ぼすクリプトフィシン群およびビン ブラスチンの影響 細胞の増殖および有糸***中細胞の百分率に及ぼすクリプトフィシン化合物群 およびビンブラスチンの影響について用量−応答曲線を測定する。細胞骨格に及ぼすサイトカラシンB、ビンブラスチンおよびクリプトフィシン化 合物の効果 大動脈平滑筋(A−10)細胞をカバーグラス上に増殖させ、PBS、2μM −サイトカラシンB、100nM−ビンブラスチンまたは10nM−クリプトフ ィシン化合物で処理する。24時間後、微小管およびビメンチン中間径フィラメ ントを間接的免疫螢光法によって可視化し、ミクロフィラメントはTRITC− ファロイジンを使用して染色する。各薬剤の形態学的効果を検査する。無処置の 細胞は核周辺に完全な微小管形成中心を有する広範な微小管網目組織を示した。 ビメンチン中間径フィラメントは細胞質全体に平等に分布し、ミクロフィラメン ト束は細胞の主軸に沿って集中していた。サイトカラシンBは準結晶性断片の蓄 積を伴ってミクロフィラメントの完全な脱重合を起こした。この化合物は微小管 または中間径フィラメントの分布にはいずれも影響を与えなかった。クリプトフ ィシ ン化合物で処理した微小管およびビメンチン中間径フィラメントでは微小管喪失 およびビメンチン中間径フィラメント崩壊が観察された。タキソール安定化微小管に及ぼすクリプトフィシン化合物およびビンブラスチン の効果 A−10細胞を0または10μM−タキソールで3時間処理した後、PBS、 100nM−ビンブラスチンまたは10nM−クリプトフィシン化合物を添加す る。24時間後、微小管の構造を前記のような免疫螢光によって検査する。対照 細胞におけるものと比較してタキソール処理細胞での微小管は広範囲、特に細胞 極領域、に配列している。前記と同様にビンブラスチンは非前処理細胞では微小 管の完全な脱重合を起こした。しかしながら、タキソールでの前処理はビンブラ スチンに応答する微小管の脱重合を防止した。同様に、タキソールで前処理した 微小管はクリプトフィシン化合物処理でも観察された。ビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物による微小管脱重合の可逆性 A−10細胞を100nM−ビンブラスチンまたは10nM−クリプトフィシ ン化合物のいずれかで24時間処理すると完全な微小管脱重合を起こす。次に、 細胞を洗浄して薬剤不含培地中で1時間または24時間の間インキュベーション する。微小管はビンブラスチン除去後に迅速に再重合し、1時間の後には微小管 は顕著な水準に達し、24時間の後には完全な形態学的回復を示した。この発明 のクリプトフィシン化合物で処置し、そのクリプトフィシン化合物除去の1時間 または24時間後に細胞の微小管状態を可視化する。細胞増殖に及ぼすビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物の併用の影響 SKOV3細胞をクリプトフィシン化合物とビンブラスチンとの組合せで48 時間処理する。次に生存細胞の百分率を測定して各組合せについてIC50を算出 する。SKOV3およびSKVLB1細胞に及ぼすクリプトフィシン化合物、ビンブラ スチン、およびタキソールの傷害性 SKVLB1細胞はP−グリコプロテインを過剰発現するため天然産物抗癌薬 剤に対して耐性である。タキソール、ビンブラスチン、およびクリプトフィシン 化合物のSKOV3およびSKVLB1細胞の増殖を阻止する性能を観察する。 タキソールは、SKVLB1およびSKOV3についてIC50おのおの1および 8000nMで用量依存的に両細胞系統の増殖阻止を起こす。ビンブラスチンも SKOV3およびSKVLB1についてIC50おのおの0.35および4200 nMで両細胞系統の増殖阻止を起こす。本発明のクリプトフィシン化合物はSK OV3およびSKVLB1に対してIC50約1から約1000nMを示す。 そこで、本発明では微小管網目構造崩壊および有糸***阻止によって作用して 細胞増殖を強力に阻害する新規クリプトフィシン化合物を提供することを証明で きる。これらの研究はクリプトフィシン化合物が微小管構造を崩壊し、有糸*** の機能を含む正常な細胞機能を阻害することを証明できる。 古典的抗微小管薬剤、たとえばコルヒチンおよびビンカアルカロイドのような ものは細胞***を有糸***段階で休止させる。これらの薬剤の効果の一つをクリ プトフィシン化合物の効果と比較することは適切であると思われる。この目的の ためにビンカアルカロイドであるビンブラスチンを古典的抗微小管薬剤の代表に 選択した。従ってクリプトフィシン化合物およびビンブラスチンのジャーカット T細胞白血病細胞系統の増殖および細胞周期進捗に及ぼす影響を比較した。 抗有糸***効果は共通に有糸***紡錘体の中の微小管崩壊を介して起こされる ので、細胞骨格構造に対するクリプトフィシン化合物の効果は、螢光顕微鏡法に よって測定する。クリプトフィシン化合物またはビンブラスチンのいずれかで処 理した細胞の免疫螢光染色は両化合物が微小管の完全な消失を起こすことが証明 される。SKOV3細胞についての同様な研究から、クリプトフィシン化合物の 抗微小管効果が平滑筋細胞系統にのみ独特なものではないことを証明できる。ヒト結腸癌GC3による検索 96ウェルプレートのウェルいくつかにGC3ヒト結腸癌腫細胞(1×10n 細胞/100μL検定用ウェル)を接種して、24時間後に被検化合物を添加し た。96ウェルプレートの別のウェルには細胞不含培地を添加した。検定用培地 (使用した培地はRPMI−1640:しかしながら細胞が生存できる培地なら ばいずれも許容されるであろう)には10%透析ウシ胎児血清および25mM− HEPES緩衝液を添加した。 被検化合物は検定前には褐色ビンに貯蔵した。新鮮ジメチルスルホキシド貯蔵 溶液(200μg/mL)は燐酸塩緩衝食塩水(PBS)で被験試料の希釈液を 調製する直前に調製した。PBS中1:20ジメチルスルホキシド溶液の希釈液 は最終濃度が10μg/mLになるように調製した。PBSを使用して、1:3 順次希釈液(前回試料0.5mLをPBS1mLで希釈)を調製した。この検定 にはファルコン社2054チューブを使用した。 被験化合物の各希釈液の10μL試料をGC3プレートのウェル3個に添加し た。プレートは37℃で72時間インキュベーションした。臭化3−[4,5−ジ メチル−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウム(「MTT」5mg/mLP BS)の貯蔵試料10μLを各ウェルに添加した。プレートを37℃で約1時間 インキュベーションした。プレートを遠心分離し、培地をウェルからデカンテー ションして除き、各ウェルに酸性イソプロパノール(イソプロパノール中0.0 4N−HCl)100μLを添加した。波長570nmを使用して1時間以内にプ レートを測定した(SpectraMax読取機)。 式Iで示される化合物の評価の結果は本化合物が本明細書の発明の処置方法に おいて有用であることができることを示唆する。さらに本化合物は微小管システ ムの崩壊に有用なものである。 式Iで示される化合物は式II:[式中、 Ar、R1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10は式Iについて前記し た意義を有する。 R13はt−ブチルカルバメート(BOC)から構成される群から選択される。 R24は式: で示される(N−ヒドロキシサクシンイミド、本明細書では「NHS」)、N−ヒド ロキシスルホサクシンイミドおよびその塩、2−ニトロフェニル、4−ニトロフ ェニルおよび2,4−ジクロロフェニルから構成される群から選択される。 XはO、NHまたはアルキルアミノである。 YはO、NHまたはアルキルアミノである。] で示される化合物を使用して製造できる。 式III:[式中、R基および様々な置換基は本明細書に前記し本明細書全体を通して定義 するものである] で示される化合物は式IV: [式中、R25は活性エステル型置換基である] で示される化合物に式: [式中、R27はH、C1〜C12−アルキルおよびアリールから構成される群から 選択される] で示される酸とシリル化剤とを接触させることによって製造できる。ビス−N, O−トリメチルシリルアセトアミド(BSA)は特に好適なシリル化剤である。 R25に関して使用する用語「活性エステル型置換基」はOR24置換基を良好な 脱離基にする置換基を示す。適当な置換基は、例えば「有機化学における保護基 (Protective Groups in Organic Chemistry)」、Plenum出版社(ロンドンおよびニ ューヨーク、1973年);Greene,T.W.、「有機合成における保護基(Protecti ng Groups in Organic Synthesis)」、Wiley出版社(ニューヨーク、1981年 )のような標準的参考文献からの知識によって選択できる。特に好適なR25基は N−ヒドロキシサクシンイミド(NHS)である。 本明細書に記載する製法は最も好ましくは溶媒存在下に完成される。専門家は 前記製法に対して適当な溶媒を選択できる。不活性有機溶媒は特に好適である。 しかしながら、ある条件下では水性溶媒が適当である。例えば、R27が水素であ って、R13がBOCであるなら、溶媒として水性塩基は有効なものである。 式Iで示される化合物の所望のR6置換基がアミンを含むならば、R6基のアミ ン置換基はアミノ保護基を使用して保護しなければならない。専門家は、例えば「 有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、Plenum 出版社(ロンドンおよびニューヨーク、1973年);Greene,T.W.、「有機合成 における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」、Wiley出版社(ニ ューヨーク、1981年)を含む標準的な著作に従って適当なアミノ保護基を容 易に選択できる。 R27は酸性、中性、または緩和な塩基性条件を使用して−CO227置換基の 除去ができる基であるべきである。好適なR27基は決してこれらに限定するもの ではないが水素、C1〜C6−アルキル、トリクロロメチル、トリクロロエチル、 およびメチルチオメチルを含む。R27が水素であることは特に好適である。 以下の反応式は専門家にさらに教示するために提供する。反応式I 反応式I’ 反応式I’および本明細書を通じて使用するR1'はハロゲン、SH、アミノ、 モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキル チオ、ジアルキルスルホニウム、スルフェート、ホスフェート、または保護OH または保護SH基である。R2はOHまたはSHである。R26は保護しなければ 化学操作の過程で反応するかも知れないアルコールを合成過程の一部の間に保護 し、後の合成段階で除去するために導入されるアルコール保護基である。このよ うな保護基の形成および除去について多数の反応が、例えば「有機化学における 保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、Plenum出版社(ロンドンお よびニューヨーク、1973年);Greene,T.W.、「有機合成における保護基(Pr otecting Groups in Organic Synthesis)」、Wiley出版社(ニューヨーク、19 81年)を含む多数の標準的著作に記載されている。熟練した専門家は殊にこれ らの著作に提供される教示に従って、適当なアルコール保護基を選択できる。特 に有用なアルコール保護基の一つは3級ブチルジメチルシリル(TBS)である 。 [R6は前記に定義した意義を有する] 本明細書に提供する複数の反応式による生成物は標準的方法を使用して別のク リプトフィシン化合物を提供するためにさらに別の誘導体にできる。 専門家は前記の反応式および下記の実施例に従って適当な出発物質および試薬 を利用して所望の化合物を製造できる。 エステル出発物質は、例えば次の通りにして製造できる。 [R6は前記に定義した意義を有する] エステル製造の方式は熟練した専門家の便宜のために反応式の特定的応用の一 つを提供する本明細書の製造例の部によってさらに説明する。 エステル製造の反応式は本明細書がクレームするAr置換基にも適用される。 この反応式の記載には合成反応方式を図示したフェニル環のみに限定する意図は ない。そうではなくてこの工法を広く適用できる専門家に本明細書にクレームす る化合物の所望の出発物質を提供するものである。 必要な反応時間は出発物質および操作温度に関係する。所与の工程についての 最適反応時間は、いつもそうであるように、短い反応時間が望ましい処理量およ び長い反応時間が望ましい最高収率との競合的目標を考慮することによって決定 される妥協の産物である。 本発明をさらに例示するために下記の実施例を提供する。本発明の範囲を下記 実施例に、および下記実施例によって限定することは決して意図していない。 製造例1 工程1.5−フェニル−2(E)−ペンテン酸メチルエステル :ホスホノ酢酸ト リメチルエステル(376g、417mL、2.07モル)のTHF(750mL )溶液を0℃でメカニカルスターラーおよびN2導入口を装着した3Lの三頚丸 底フラスコ中で撹拌した。***液に滴下漏斗からニートのテトラメチルグアニジ ン(239g、260mL、2.07モル)を滴加した。透明淡黄色***液を0℃ で25分間撹拌した。ヒドロ桂皮アルデヒド(90%、253g、248mL、 1.9モル)のTHF(125mL)溶液を反応溶液中に徐々に滴加した。添加終 了後、反応物を10時間撹拌して室温に戻した。GCは生成物対出発物質の比率 95:5を示した。水500mLを反応容器に添加し、反応物を一夜撹拌すると 二層に分離した。有機層を分離し、水層はt−BuOMeで抽出した。両有機層を 集めてMgSO4上で乾燥し、次に真空濃縮して橙色の油状物を得た。 粗製生成物を129℃/0.3mmHgで蒸留して透明な淡黄色油状物360.5g 、収率91.7%を得た。 EIMSm/z:190(13;M+),159(410,158(39),131( 90),130(62),117(22),104(12),95(57),91(1 00),77(21),65(59)。 HREIMSm/z:190.0998(C12142,D−0.4mnu)。 UVlmax(e)210(8400),260(230)nm。 IRnmax:3027,2949,1723,1658,1454,1319, 1203,978,700cm-11H−NMRδ(CDCl3):7.15〜7.3(Ph−H5;bm),7.00(3 −H,dt,15.6/6.6),5.84(2−H;dt,15.6/1.2),3.7 0(OMe;s),2.76(5−H2;t,7.2),2.51(4−H2;bdt,6. 6/7.2)。 13C−NMRδ(CDCl3):166.9(1),148.3(3),140.6(Ph −1'),128.4/128.2(Ph2'/3'/5'6'),126.1(Ph4'),1 21.4(2),51.3(OMe),34.2/33.8(4/5)。工程2.5−フェニル−2−ペンテン−1−オール :熱電対、メカニカルスター ラーおよびN2導入口を装着した12L四頚丸底フラスコにこのエノエートエス テル(310.5g、1.5モル)のTHF(1.5L)溶液を入れ、i−PrOH /CO2浴で−71℃に冷却した。反応温度<−50℃に維持する速度で反応器 にDIBAL(2.5L、1.5Mトルエン溶液、3.75モル)を滴加した。添 加終了後、反応温度−50℃以下で反応物を一夜撹拌した。TLC(3:1、ヘ キサン:EtOAc、SiO2)は16時間後に出発物質不在を示した。 反応温度を−15℃まで上昇させた。1N−HCl(150mL)で徐々に反応を 停止させた。この時点で反応物はゼラチン状の固体になった。スパーテルを用い てこの半固体を崩し、1N−HCl(200mL)を添加して混合物を流動性にし た。濃HCl(625mL)を入れて二層系を形成させた。両層を分離し、生成物 をt−BuOMeで抽出した。有機層をMgSO4上で乾燥し、真空濃縮して透明 な淡黄色油状物247.8gを得た。この粗製生成物を145℃/0.25mmHg で蒸留し、209.7g、86.2%を得た。 EIMSm/z:162(1;M+),144(16),129(7),117(9), 108(6),92(17),91(100),75(5),65(12)。 HREIMSm/z:162.1049(C1114O,D−0.4mmu)。 UVlmax(e)206(9900),260(360)。 IRnmax:3356,2924,1603,1496,1454,970,7 46,700cm-11H−NMRδ:7.15〜7.3(Ph−H5;m),5.70(3−H,dt,15. 6/6.0),5.61(2−H;dt,15.6/4.8),4.02(1−H2;d4. 8),2.68(5−H2;t,7.2),2.40(OH;bs),2.36(4−H2; dt,6.0/7.2)。 13C−NMRδ:141.6(Ph1'),131.8(3),129.5(2),12 8.3/128.2(Ph2'/3'/5'/6'),125.7(Ph4'),63.3(1 ),35.4/33.8(4/5)。工程3.(2S,3S)−2,3−エポキシ−5−フェニル−1−ペンタノール : メカニカルスターラー、熱電対および窒素導入口を装着した1L三頚丸底フラス コにCH2Cl2(350mL)、乾燥4Åモレキュラーシーブス(30g)、および L−(+)酒石酸ジエチルエステル(7.62g、0.037モル)を添加した。得 られた混合物を−20℃に冷却し、Ti(O−i−Pr)4(9.2mL、0.031モ ル)で処理、続いてt−ブチルハイドロパーオキシド(4.0M−CH2Cl2溶液 、182mL、0.78モル)を反応温度≦−20℃に維持する速度で添加した。 添加終了後、反応混合物をさらに30分間撹拌し、これを次に反応温度≦−20 ℃に維持する速度で前記アリルアルコール(50g、0.31モル)のCH2Cl2 (30mL)溶液で処理した。反応物を同温度で5時間撹拌し、次いで濾過して 0℃の硫酸第一鉄七水和物(132g)および酒石酸(40g)の水(400m L)溶液中に入れた。混合物を20分間撹拌し、次に分液漏斗に移し、t−Bu OMe(2×200mL)で抽出した。有機層を集めてNaCl含有30%NaOH 溶液と0℃で1時間撹拌した。両層を再分離し、水層はt−BuOMeで抽出した 。有機層を集めて食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濃縮してコハク色油状 物52.8gを得た。工程4.(2R,3R)−2−ヒドロキシ−3−メチル−5−フェニルペンタン −1−オール :メカニカルスターラー、熱電対およびN2導入口を装着した5L 三頚丸底フラスコにヘキサン(1L)を入れ、0℃に冷却した。これに2.0M −Me3Alのヘキサン溶液(800mL、1.6モル)を添加し、続いて温度−2 0℃以下に維持しながらこのエポキシド(120g、0.677モル)のヘキサ ン(250mL)/CH2Cl2(50mL)溶液を添加した。添加完了後、曇った反 応混合物を5℃で35分間撹拌し、次に10%HCl(300mL)の溶液を滴加 し、続いて濃HCl(350mL)を加えた。両層を分離し、有機層を食塩水で洗 浄し、MgSO4上で乾燥した。揮発性物質を減圧除去後、油状物122.1グラ ムを得た。工程5.トルエンスルホン酸(2R,3R)−2−ヒドロキシ−3−メチル−5− フェニルペンタン−1−イルエステル :メカニカルスターラーおよび窒素導入口 を装着した2L三頚丸底フラスコにこのジオール(58g、0.30モル)、酸化 ジブチル錫(1.5g、0.006モル、2モル%)、トルエンスルホニルクロリド (57.5g、0.30モル)、CH2Cl2(580mL)およびトリエチルアミン (42.0mL、0.30モル)を加えた。得られた混合物を室温で2時間(反応 は1時間で完了したが)撹拌し、濾過し、水洗し、MgSO4で乾燥した。真空で 揮発性物質を除いて希琥珀色油状物104.1グラムを得た。工程6.トルエンスルホン酸(2R,3R)−2−[(3級ブチルジメチルシリル) オキシ]−3−メチル−5−フェニルペンタン−1−イルエステル :このトジレ ート(100g、0.29モル)およびトリエチルアミン(81.0mL、0.58 モル)のCH2Cl2(1200mL)溶液にニートTBS−OTf(99mL、0. 43モル)を滴加し、続いてさらに20分間撹拌した。反応物を食塩水で2回洗 浄し、MgSO4上で乾燥し、濃縮乾固した。得られた油状物を最小量のヘキサン に溶解し、シリカ床で濾過し、ヘキサン:EtOAc(9:1)で溶離して希コハ ク色油状物134gを得た。工程7.トルエンスルホン酸(2R,3R,5RS)−2−[(3級ブチルジメチル シリル)オキシ]−3−メチル−5−ブロモ−5−フェニルペンタン−1−イルエ ステル :メカニカルスターラー、還流凝縮器および窒素導入口を装着した5L 三頚丸底フラスコにCCl4(1680mL)、TBS Ts(140g、0.30モル) 、NBS(65g、0.365モル)およびAIBN(16.5g、0.10モル )を入れた。撹拌しながら真空にして混合物を脱ガスし、窒素を逆充填(3×) した。反応混合物を還流まで加熱すると色が暗褐色になった。15分間激しく還 流の後、反応混合物が明黄色になり、クロマトグラフィー分析は反応完了を示し た。室温まで冷却後、反応物を濾過し、濾液を濃縮乾固した。残渣をヘキサンに 再溶解し、再濾過し、濃縮乾固してコハク色油状物170.3グラムを得た。工程8.トルエンスルホン酸(2R,3R)−2−[(3級ブチルジメチルシリル) オキシ]−3−メチル−5−フェニルペンタン−4(E)−エン−1−イルエステ :メカニカルスターラー、還流凝縮器および窒素導入口を装着した2L三頚丸 底フラスコにこの臭化物(100g、0.186モル)のアセトニトリル(70 0mL)溶液を添加した。DBU(83.6mL、0.557モル)を加えて得られ る暗褐色溶液を15分間還流した。室温まで冷却後、溶媒を真空除去し、残渣を CH2Cl2(200mL)中で潰し、シリカ床で濾過した。揮発性物質を再蒸発し 、残渣をEtOAcに溶解し、水、食塩水で洗い、MgSO4上で乾燥し、濃縮乾固 した。分取mplc(Prep 500)クロマトグラフィーで所望の不飽和化合物(5 0.3g、4工程にわたり収率60%)を得た。工程9.(3S,4R)−3−[(3級ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチル −6−フェニルヘキサン−5(E)−エン−1−イルニトリル :このトシレート( 50g、0.11モル)をDMSO(1L)に溶解し、KCN(14.2g、0. 22モル)および水(25mL)で処理し、得られた混合物を窒素中60℃で1 8時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAc(1L)および水(1 L)の間に分配した。水層をEtOAc(500mL)で抽出し、有機層を集めて 食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。CH2Cl2によるシリカゲルフラッシュク ロマトグラフィーは所望のニトリルを収率92%で与えた。工程10.(5S,6R)−5−[(3級ブチルジメチルシリル)オキシ]−6−メチ ル−8−フェニルオクタ−2(E),7(E)−ジエン酸メチルエステル :このニト リル(14.67g、46.5ミリモル)をトルエン(200mL)に溶解し、 窒素中で−78℃に冷却した。激しく撹拌しながら1.5M−DIBALトルエ ン溶液(37.2mL、55.8ミリモル)を滴加した。添加の完了後、冷浴を除 き、反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を注意深く1N−HCl中に注 入し、混合物を室温で30分間撹拌した。両層を分離し、有機層を酒石酸ナトリ ウムカリウムの飽和水溶液(2×)、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。揮 発性物質を真空で除去し、粗製の淡黄色油状物を直接次の縮合に使用した。 前記からの粗製アルデヒドをTHF(90mL)に溶解し、窒素中室温で、ホ スホノ酢酸トリメチルエステル(9.03mL、55.8ミリモル)およびテトラ メチルグアニジン(7.0mL、55.8ミリモル)で処理した。反応混合物を 16時間撹拌し、次にEtOAc(200mL)および水(100mL)の間で 分配した。水層はEtOAc(100mL)で逆抽出し、有機層を集めて水、食 塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。揮発性物質を真空除去し、粗製の黄色油 状物(17.0g)をシリカゲルでCH2Cl2:シクロヘキサン(1:1から2 :1)を用いてクロマトグラフして所望のエステル13.67グラムを得た。 収率78.5%。 製造例2 メチルエステル(2.673ミリモル)をアセトンに溶解し、次に室温で1N− LiOH水(26mL)を加えた。曇った混合物をさらにアセトン(20mL) で希釈して得られた黄色混合物を室温で23.5時間撹拌した。反応物をジエチ ルエーテル(400mL)で希釈し、有機層を1N−HCl(120mL)、食 塩水(200mL)、H2O(160mL)で洗った。有機層を乾燥し、真空濃 縮して黄色油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(勾配:5%AcOH +20%〜40%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、カルボン酸(960 mg、100%)を黄色油状物として得た。 1H−NMRδ(CDCl3):7.38〜7.19(m,PhH5),7.09 (ddd,J=15.2Hz,J=7.6Hz,J=7.9Hz,3−H),6 .38(d,J=16Hz,8−H),6.16(dd,J=16Hz,J=8 Hz,7−H),5.85(d,J=15.8Hz,2−H),3.81〜3. 75(m,5−H),2.49〜2.37(m,6−H,4−CH2),1.1 2(d,J=6.7Hz,6−Me),0.91(s,SiCMe3),0.0 65(s,SiMe),0.068(s,SiMe)ppm。 IRμ(CHCl3):2957,2930,2858,1697,1258 ,1098,838cm-1。 MS(FD)360.2(M+,100)。 [α]D+87.6°(c10.5,CHCl3)。 元素分析:C21323として計算値:C69.95;H8.95%。実験値 :C69.19;H8.39%。 製造例3 カルボン酸(2ミリモル)の乾燥ジメチルホルムアミド(5.50mL)溶液 を撹拌しつつ、これに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ ジイミド(2.4ミリモル)およびN−ヒドロキシサクシンイミド(2.6ミリ モル)を室温で添加した。この混合物を28時間撹拌し、次にEtOAc(10 0mL)で希釈し、1N−HCl水(2×50mL)、H2O(75mL)で洗 浄し、乾燥し、真空濃縮して油状物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフ ィー(勾配:5〜30%EtOAc/ヘキサン)で精製して活性エステルを淡黄 色油状物(724mg、80%)として得た。 1H−NMRδ(CDCl3):7.36〜7.20(m,PhH5,3−H) ,6.38(d,J=16Hz,8−H),6.14(dd,J=16.1Hz ,J=8.0Hz,7−H),6.03(d,J=16Hz,2−H),3.7 9 (q,J=4.3Hz,5−H),2.94(brs,CH2CH2),2.58 〜2.42(m,6−H,4−CH2),1.10(d,J=6.8Hz,6− Me),0.90(s,SiCMe3),0.05(s,SiMe2)ppm。 IRμ(CHCl3):2957,2931,2858,1772,1741 ,1648,1364,1254,1092,1069,838cm-1。 MS(FD):457(M+,100)。 [α]D+71.3°(c10.1,CHCl3)。 元素分析:C2535NO5として計算値:C65.61;H7.71;N3. 06%。実験値:C65.51;H7.56;N3.02%。 製造例4 シリルエーテル(2.50g、5。47ミリモル)のCH3CN(130mL )溶液を0℃で撹拌しながら、これに48%HF水(15mL)を0℃で添加し た。この溶液を0℃で0.75時間、次に室温で4時間撹拌した。反応物をジエ チルエーテル(300mL)で希釈し、洗液が〜pH7になるまでH2Oで洗浄 した。有機層を乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して黄色残渣を得、これをEt2 Oから再結晶して白色結晶(1.46g、78%)としてアルコールを得た。 1H−NMRδ(CDCl3):7.41〜7.20(m,PhH5,3−H) ,6.48(d,J=16Hz,8−H),6.15〜6.07(m,7−H, 2−H),3.71〜3.65(m,5−H),2.83(brs,CH2CH2 ),2.60〜2.33(m,6−H,4−CH2),1.95(brs,5− OH),1.14(d,J=6.8Hz,6−Me)ppm。 IRμ(KBr):3457,1804,1773,1735,1724,1 209,1099,1067,1049,975,744,694cm-1。 UV(EtOH)1max250(e=20535)nm。 MS(FD):343.2(M+,100)。 [α]D−57.8°(c10.56,CHCl3)。 元素分析:C1921NO5Sとして計算値:C66.46;H6.16;N4 .08%。実験値:C66.49;H6.16;N4.07%。 実施例1 カルボン酸(1.28g、3.87ミリモル)の乾燥塩化メチレン(6mL) 懸濁液にEDC(742mg、3.87ミリモル)およびDMAP(73mg、 0.60ミリモル)を加え、混合物を室温で0.5時間撹拌した。この反応混合 物にアルコール(1.02g、2.97ミリモル)のジクロロメタン(5.5m L)溶液を添加し、さらに0.3時間撹拌した。反応物をCH2Cl2(200m L)で希釈し、1N−HCl水(2×50mL)、飽和NaHCO3(2×50 mL)、H2O(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、真空濃 縮して油状残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(勾配:10〜30%E tOAc/ヘキサン)で精製して所望のエステルを黄色固体(1.68g、79 %)として得た。 1H−NMRδ(CDCl3)ユニットA:7.35〜7.20(m,PhH5 ,3−H),6.43(d,J=15.8Hz,8−H),6.12(d,J= 15.9Hz,2H),5.99(dd,J=8.5Hz,J=15.8Hz, 7−H),5.06〜5.08(m,5−H),2.85(brs,CH2CH2 ),2.68〜2.61(m,6−H,4−CH2),1.13(d,J=6. 8Hz,6−Me)。 ユニットC:5.31(brt,NH),3.28〜3.25(m,3−C H2),1.43(s,CMe3),1.21(s,2−Me),1.19(s, 2−Me)。 ユニットD:4.95(dd,J=9.8Hz,J=3.8Hz,2−H), 1.73〜1.64(m,3−H,4−H),1.59〜1.49(m,3−H ’),0.85(d,J=6.4Hz,5−Me),0.82(d,J=6.4 Hz,4−Me)ppm。 IRμ(KBr):3400,2975,1743,1367,1206,1 126,1145,1068cm-1。 MS(FD)657(M+,100)。 [α]D+39.5°(c10.38,CHCl3)。 元素分析:C3548210として計算値:C64.01;H7.37;N4 .27%。実験値:C64.19;H7.27;N4.52%。 実施例2 活性エステル(150mg、0.229ミリモル)の乾燥DMF溶液(2.5 mL)を撹拌しながら、これにN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド (282μL、1.143ミリモル)、続いてD−ヒドロキシフェニルグリシン (57mg、0.343ミリモル)を加えた。この混合物を封管中でN2下に5 5℃で20時間加熱した。反応溶液をEtOAc(180mL)で希釈し、1N −HCl水(50mL)、H2O(50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、 乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して黄色固体を得た。この粗製固体をカラムク ロマトグラフィー(勾配:5〜20%MeOH/CH2Cl2)で精製してアミド (122mg、75%)を得た。1H−NMRδ(CD3OD/CDCl3)ユニットA:7.27〜7.20( m,PhH5),6.75〜6.69(m,3−H),6.43(d,J=15 .9Hz,8−H),5.96(d,J=15.7Hz,7−H),5.93( d,J=15.6Hz,2−H),4.95〜4.93(m,5−H),2.5 6〜2.49(m,6−H,4−CH2),1.04(d,J=6.8Hz,6 −Me)。 ユニットB:7.16(d,J=8.3Hz,ArH2),6.66(d,J =8.2Hz,ArH2),5.62(brt,NH),5.19〜5.18( m,2−H)。 ユニットC:3.15(d,J=6.3Hz,3−CH2),1.36(s, CMe3),1.11(s,2−Me),1.08(s,2−Me)。 ユニットD:4.85(dd,J=9.6Hz,J=3.3Hz,2−H), 1.64〜1.57(m,3−H,4−H),1.55〜1.47(m,3−H ’),0.76(d,J=6.3Hz,5−Me),0.73(d,J=6.3 Hz,4−Me)ppm。 IRμ(KBr):3400,2972,1728,1672,1614,1 515,1450,1416,1171,1147cm-1。 MS(FAB)610.6([MH2−Boc]+,100)。 [α]D−19.9°(c6.53,MeOH)。 実施例3 実施例2で製造したBOCアミン(109mg、0.154ミリモル)をトリ フルオロ酢酸(5mL、5ミリモル)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応物 を真空濃縮し、高真空で乾燥してアミンのトリフルオロ酢酸塩を明黄褐色泡状物 として得た。粗製のアミン塩(max.0.154ミリモル)を乾燥DMF(3 1mL)およびジイソプロピルエチルアミン(80μL、0.462ミリモル) に溶解し、続いてペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネート(77mg 、0.2ミリモル)を添加した。得られた溶液を室温で乾燥N2下に15時間撹 拌し、真空濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(勾配:1〜4%MeOH /CH2Cl2)で精製してクリプトフィシンを黄褐色固体(54mg、59%) として得た。 1H−NMRδ(CDCl3)ユニットA:7.36〜7.15(m,PhH5 ),6.79〜6.69(m,3−H),6.54(d,J=15.8Hz,8 −H),5.98(dd,J=15.8Hz,J=8.8Hz,7−H),5. 06〜5.0(m,5−H),2.61〜2.49(m,6−H,4−H),2 .39〜2.30(m,3−H’),1.10(d,J=6.8Hz,6−Me )。 ユニットB:7.90(dd,J=10Hz,J=1.68Hz,OH),7 .65(d,J=6.3Hz,NH),7.10(d,J=8.5Hz,ArH2 ),6.71(d,J=8.4Hz,ArH2),5.28(d,J=6.5H z,2−H)。 ユニットC:3.55〜3.47(dd,J=13.3Hz,J=10.1H z,3−CH2),3.00(d,J=13.4Hz,NH),1.19(s, 2−Me),1.16(s,2−Me)。 ユニットD:4.90(dd,J=10Hz,J=3.5Hz,2−H),1 .66〜1.54(m,3−H,4−H),1.32〜1.25(m,3−H’ ),0.67(見掛t,J=7.1Hz,5−Me,4−Me)ppm。 IRμ(KBr):3418,3340,2960,1740,1713,1 671,1514,1271,1198,1155,972cm-1。 MS(FD)590(M+,100)。 [α]D+15.35°(c3.91,CHCl3)。 実施例4 実施例3で製造したスチレン(42mg、0.0712ミリモル)を乾燥ジク ロロメタン(2.2mL、0.035ミリモル)に懸濁し、室温でm−CPBA (49mg、0.285ミリモル)を一度に添加した。乾燥テトラヒドロフラン (0.3mL)を添加して均質な溶液とした。反応物をN2下に室温で21時間 撹拌し、次に別のCH2Cl2(15mL)でさらに希釈した。有機層を10%− Na225水(10mL)、飽和NaHCO3水(10mL)、H2O(10m L)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して黄色固体を得た。粗製の生 成物を最初にカラムクロマトグラフィー(勾配:1〜5%MeOH/CH2Cl2 )により精製して、(α:β)−C7−C8エポキシドの1:1.15混合物を 白色固体(23mg、54%)として得た。この(α:β)−混合物の逆相HP LC(カラム:4.6×250mm、Kromsil−C18、溶離剤:60% CH3CN/H2O、流速:1.0mL/分、UV:220nm)分離はα−エポ キシド(2.3mg、t=13.7分)およびβ−エポキシド(5.8mg、t =12.1分)を白色固体として与えた。 実施例5 上に図示した化合物は実施例1〜4の操作法を使用して実質的に前記のように して製造した。 α−エポキシド:1 H−NMRδ(CDCl3実施例6 上に図示した化合物は実施例1〜4の操作法を使用して実質的に前記のように して製造した。 β−エポキシド: 1H−NMRδ(CDCl3)ユニットA:7.36〜7.16(m,PhH5 ),6.70〜6.79(m,3−H),5.91(dd,J=15.5Hz, J=5.18Hz,2−H),5.23〜5.18(m,5−H),3.75( d,J=1.67Hz,8−H),2.96(dd,J=7.4Hz,J=2. 0Hz,7−H),2.72〜2.67(m,4−H),2.44〜2.39( m,4−H’),1.81〜1.88(m,6−H),1.13(d,J=6. 9Hz,6−Me)。 ユニットB:7.66(s,NH),7.13(d,J=8.5Hz,ArH2 ),6.74(d,J=8.5Hz,ArH2),5.27(s,2−H)。 ユニットC:7.66(s,NH),3.49(dd,J=13.6Hz,J =10Hz,3−CH2),1.20(s,2−Me),1.18(s,2−M e)。 ユニットD:4.93(dd,J=10Hz,J=3.2Hz,2−H),1 .69〜1.59(m,3−H,4−H),1.30〜1.22(m,3−H’ ), 0.79(d,J=6.2Hz,5−Me),0.78(d,J=6.3Hz, 4−Me)ppm。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ムーア,リチャード・イー アメリカ合衆国96816ハワイ州ホノルル、 パホア・アベニュー4494番 (72)発明者 ペイテル,ビノド・エフ アメリカ合衆国46032インディアナ州カー メル、フリートウッド・ドライブ・ノース 13002番 (72)発明者 レイ,ジェイムズ・イー アメリカ合衆国46268インディアナ州イン ディアナポリス、グランジャー・レイン 6640番 (72)発明者 トス,ジョン・イー アメリカ合衆国46278インディアナ州イン ディアナポリス、ペリエ・コート6759番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式I: [式中、 Arはフェニルまたは単なる非置換または置換の芳香族またはヘテロ芳香族基 、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルキンのいずれかである。 R1はハロゲン、SH、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ト リアルキルアンモニウム、アルキルチオ、ジアルキルスルホニウム、スルフェー ト、またはホスフェートであって R2はOHまたはSHであるか、または R1およびR2が互いに結合して、エポキシ環、アチリジン環、エピスルフィド 環、スルフェート環、シクロプロピル環、またはモノアルキルホスフェート環を 形成してもよく、または R1およびR2が互いに結合して、C18とC19の間に第二の結合を形成してもよ い。 R3は低級アルキル基である。 R4はHである。 R5はHである。 R4およびR5は互いに結合して、C13とC14の間に第二の結合を形成してもよ い。 R6はB環ヘテロ芳香族、置換ヘテロ芳香族、B環(C1〜C6)アルキル、( C3 〜C8)シクロアルキル、置換C3〜C8シクロアルキル、置換(C1〜C6)アル キル、式III’ で示される基、および式III”: で示される基から構成される群から選択される置換基である。 R7はNR5152、R53NR5152、OR53、H、および低級アルキル基から 構成される群から選択される。R51およびR52は独立にC1〜C3−アルキルから 構成される群から選択され、R53はC1〜C3−アルキルである。 R8はHまたは低級アルキル基である。 R7およびR8は所望ならばシクロプロピル環を形成できる。 R9はH、低級アルキル基、不飽和低級アルキル、および低級アルキル−C3〜 C5−シクロアルキルから構成される群から選択される。 R10はHまたは低級アルキル基である。 R9およびR10は所望ならば結合してシクロプロピル環を形成する。 R11はH、OH、単なるアルキル、フェニル、置換フェニル、ベンジルおよび 置換ベンジルから構成される群から選択される。 R14はHまたは低級アルキル基である。 R15、R16、およびR17はおのおの独立して水素、(C1〜C6)アルキル、O R18、ハロ、NR18'R19'、NO2、OPO42、OR19フェニル、SCH2フェ ニル、CONH2、CO2H、PO32、およびSO223、およびZZから構成 される群から選択される。 R18は水素、アリール、およびC1〜C6−アルキルから構成される群から選択 される。 R18'は水素および(C1〜C6)アルキルから構成される群から選択される。 R19はC1〜C6−アルキルである。 R19'は水素および(C1〜C6)アルキルから構成される群から選択される。 R23は水素および(C1〜C3)アルキルから構成される群から選択される。 R30は水素またはC1〜C6−アルキルである。 nは0、1、または2である。 pは0、1、または2である。 mは0、1、または2である。 XはO、NH、およびアルキルアミノから構成される群から選択される。 YはO、NH、およびアルキルアミノから構成される群から選択される。 Zは−(CH2n−、−(CH2p−O−(CH2m−、および(C3〜C5) シクロアルキルから構成される群から選択される。 ZZは芳香族基および置換芳香族基から構成される群から選択される] で示される化合物またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。 但し、R6が式III’で示される基であって、nが1である時には、R15、 R16、およびR17から構成される群の少なくとも1個は非水素基でなければなら ないものとする。 また、但し、R15、R16およびR17の中の1個のみがOHまたはOR29であっ て、R15、R16およびR17から構成される群の1個がハロであるならば、R15、 R16、およびR17から構成される群の残りの基は水素またはハロであってはなら ず、R29は(C1〜C5)アルキルであるものとする。 さらに、但し、この化合物は次の各式で示されるクリプトフィシン類: から構成される群から選択されるクリプトフィシンではないものとする。 2.YがOである請求項1の化合物。 3.XがOである請求項2の化合物。 4.R6が式: で示される基である請求項3の化合物。 5.R9がイソブチルであり、R10が水素である請求項4の化合物。 6.R8およびR7がおのおの独立にメチルおよび水素から構成される群から 選択される請求項5の化合物。 7.R1およびR2がエポキシド基を形成する請求項6の化合物。 8.R15、R16、およびR17のいずれもがC1〜C3−アルキルではない請求 項1の化合物。 9.XがOである請求項8の化合物。 10.R6が式: で示される基である請求項9の化合物。 11.R8およびR7がおのおのメチルである請求項10の化合物。 12.R9がイソブチルであり、R10が水素である請求項11の化合物。 13.R1およびR2がエポキシド基を形成する請求項12の化合物。 14.nが0である請求項1の化合物。 15.nが0である請求項9の化合物。 16.nが0である請求項3の化合物。 17.R15、R16、およびR17から構成される群のいずれもがハロまたはOC H3ではない請求項1の化合物。 18.nが0である請求項17の化合物。 19.nが2である請求項17の化合物。 20.nが1である請求項17の化合物。 21.R30がメチルである請求項3の化合物。 22.R30が水素である請求項20の化合物。 23.R6が式: から選択される請求項3の化合物。 24.R6が次のヘテロ芳香環8個: から構成される群から選択される請求項1の化合物。 25.化合物が: から構成される群から選択される請求項1の化合物。 26.請求項1の化合物を有効量投与することを含む哺乳類における微小管結 合を崩壊する方法。 27.請求項1の化合物を有効量投与することを含む試験管内で微小管結合を 崩壊する方法。 28.必要とする患者に請求項1の化合物を有効量投与することを含む哺乳類 における新生物を処置する方法。 29.請求項1の化合物およびそれのための医薬的に許容される希釈剤または 担体の1種またはそれ以上を含む製剤。 30.請求項1の化合物を有効量投与することを含む、真菌感染症に罹患して いるか、または罹患のおそれのある哺乳類を処置する方法。
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