JP2000355949A - 石積擁壁補強方法 - Google Patents

石積擁壁補強方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石積擁壁を、工期が短く低コストで安全な工
法で倒壊のおそれのないように補強する。 【解決手段】 前作業工程Aで調査等を行い、シール工
程Bで積石1の目地をシールすると共にグラウト材を注
入するための注入口12を形成し、注入工程Cで石1の
背後の胴込め部2及び裏込め部3の空洞部及び土砂空隙
部にグラウト材を注入し、コア抜き工程Dで注入したグ
ラウト材がある程度固形化した後に口径90mm、長さ4
5cm程度の大きさのコアを抜き、排水部形成工程Eでコ
アを抜いた空跡16aに水濾過体17を設置する。 【効果】 短工期で低コストで安全に石積擁壁を補強で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、弱体化した石積擁
壁を使用に耐えるように補強する石積擁壁補強方法に関
する。
【0001】
【従来の技術】天然石や天然素材の加工石や石状のコン
クリートブロック等を用いた石積擁壁は、地震による揺
さぶりや排水時の土砂流出等の経年変化により、石積の
表面やその内部の胴込め部、裏込め部等に隙間ができ、
擁壁が緩んだり孕んだりしていることが多い。そして、
この状態がひどくなると、石積擁壁が崩壊したり倒壊す
るおそれがある。
【0002】このような石積擁壁は、従来では、全て解
体後再構築されていた。しかしながら、解体再構築工事
では、工期が長くかかると共に工費が高くなり、又、史
跡等の関係で解体できない場合もあるという問題があっ
た。一方、このような石積擁壁に建設時又はそれ以上の
安全性を持たせるように補強する工事は、従来から施工
された例がなく、その方法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】石積擁壁の補修方法と
しては、通常の地盤改良技術を応用することがまず考え
られる。例えば、石積擁壁の頂部にボーリングマシンを
据えて、石積の裏で石からかなり離れた所をボーリング
マシンによって穿孔し、その先端から高圧でグラウト材
を噴出させ、石積の胴込め部、裏込め部又はその背後の
空隙化もしくは空洞化した部分にグラウト材を注入し、
空洞化した部分を埋め戻し、石積周辺をコンクリートで
固形化して擁壁強度を増強する工法が考えられる。
【0004】しかしながら、このような工法では、工事
機械が大掛かりになって工費が高くなること、グラウト
材噴射圧力の調整が困難で高圧になって前面の石積を押
し出したり石積擁壁の全体を押し倒すような危険性があ
ること、グラウト材の注入量が極めて多くなること、等
の諸問題がある。
【0005】一方、石積の表面から石積の擁壁背後の岩
盤層までロックボルトを打ち込み、その先端を噴射した
コンクリートで固化し、これによって石積をアンカー固
定する方法も考えられる。しかしながら、この方法で
は、補強の対象になる石積擁壁には一体的強度がないた
め、多数のロックボルトを使用しなければならないこ
と、長さが2〜3mにもなるロックボルトを打ち込むの
で、ボルト長部分及びこれを打ち込み機械の設置スペー
スの確保が困難であること、等の問題がある。
【0006】本発明は従来技術及び通常考えられる上記
方法における諸問題を解決し、工期が短く低コストで安
全な工法で広い作業スペースを占有することなく、弱体
化した石積擁壁を崩壊や倒壊のおそれのないように補強
する石積擁壁補強方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、石積擁壁補強方法が、
組み付けられた外面体とその裏の内面体とを備えた石積
擁壁の前記外面体の目地をシール材で塞ぐと共に前記外
面体の表面側から前記内面体の間隔にグラウト材を注入
するための注入口を設けるシール工程と、前記注入口か
ら前記グラウト材を注入する注入工程と、前記グラウト
材が固形化した後に前記表面側から前記グラウト材の注
入されている所のコアを抜くコア抜き工程と、前記コア
を抜いた跡に水濾過体を設置する排水部形成工程と、を
有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は石積擁壁の断面構造の一例
を簡略化して示した図で、図2は本発明を適用した石積
擁壁補強方法の全体工程の一例を示す。石積擁壁は、組
み付けられた外面体である積石1と、その裏の内面体と
して積石1の裏側部分を形成する胴込め部2及びこれに
続く裏込め部3とを備えている。積石1には、間知石、
野面石、丸割石、割石等の種類があり、通常天然素材の
石を例えば図3、図4に示すような形状に加工したもの
や、自然石そのままの形状の石がある。又、石材に代え
て、図3、4のような形状に製作されたコンクリートブ
ロックを積石として使用した石積擁壁もある。
【0009】胴込め部2は、積石1の間隔部分をなす所
で、それぞれの石の荷重を伝達し石の安定化を図る作用
をなす。この部分は、空積み式の擁壁では、土砂又は栗
石もしくはこれらの両方で形成され、通常積石1の先端
部分を受ける図示しない枕石を有する。連積み式の擁壁
ではこの部分にコンクリートが充填されている。何れの
場合でも、地震や経年変化等により、部分的又は全面的
に空隙化又は空洞化していることがよくある。
【0010】裏込め部3は、空積み式の擁壁では、原土
壌や栗石を含む土砂で形成される。練積み式の擁壁で
は、図1において二点鎖線で示す上下に連続したコンク
リートの壁体3a及びその背後の栗石層3bで構成され
る。地震等によってこの部分にもある程度空隙ができる
ことがある。裏込め部3の背後は原土壌部4である。
【0011】石積擁壁は、更に、積石1及び胴込め部2
の基礎となる基礎コンクリート5、通常栗石からなる基
礎材6、コンクリート又はモルタルから成る天板7、裏
込め部3に水抜きがある場合の栗石8、止水コンクリー
ト9、その支持栗石10、等で構成されている。このよ
うな擁壁の弱体化した状態としては、図1(b)に示す
ように積石1の目地1aの緩み、石の変位や孕み、胴込
め部2や裏込め部3、更にその背後の原土壌部4の部分
的空洞化、等がある。このような石積擁壁では、弱体化
によって部分的に崩壊したり、全体的に倒壊するおそれ
がある。
【0012】本発明の石積擁壁補強方法は、積石1が天
然石もしくはコンクリートブロックの何れであっても、
又、擁壁が空積み式もしくは練積み式の何れであって
も、更に胴込め部や裏込め部の材料が何であっても、弱
体化した石積擁壁であればどのような擁壁に対しても適
用可能である。
【0013】そして本発明の方法は、図2に示す如く、
必要に応じて行う前作業工程A、シール工程B、注入工
程C、コア抜き工程D、及び排水路形成工程Eを主要工
程として構成されている。
【0014】前作業工程Aでは、石積擁壁の目地1aの
状態、胴込め部2及び裏込め部3の空洞状況、水抜パイ
プの状況、裏込め部3の背後の土質、傾斜角度、高さ、
周辺地形、等の調査を行い、シール材、グラウト材、水
濾過体等の必要量の算定、必要な作業員や機械の数、工
期等を推定したり、作業場所や工事日程を定める。空洞
状態は例えば検測棒を用いて行う。このような前作業工
程Aは、工事規模や現場の状況、発注者の要求、類似工
事の有無等によって必要に応じて行う。
【0015】又、石積擁壁の傾斜角が大きかったり擁壁
が高いような場合には、土質、擁壁形状、盛土等のデー
タから石積擁壁の崩壊、転倒に対する安全性確認の計算
を行う。前作業工程Aの最後には、石積擁壁の除草等の
清掃を行い、本体姿を確認し、次からの実質的工事に移
行する。
【0016】シール工程Bでは、積石1間の目地1aを
シール材で塞ぐ。シール材は、無機質早強性セメントに
シリカ系珪砂6〜7号と有機性接着剤とを適当な割合で
混合し、これに水を加えて練り上げることによって作ら
れる。通常、10〜20分程度の時間で最終強度の20
〜30%が得られ、1週間で最終強度に近い強度が得ら
れるような材料が用いられる。
【0017】この工程では、図5に示すように、製作さ
れたシール材を適当な大きさの団塊11にして、目地1
aに下から嵌め込んで積み上げ、目地を塞ぐように表面
及び裏面を馴らしつつ重ねてゆき、目地1aを完全に封
鎖する。このシール材は、両側の積石1と接着し、上記
の如く早強性であるため、施工後数分間で石と一体化し
てシール効果を発揮する。目地1aを塞いだシール部1
bの奥行き方向の厚みは、グラウト材を圧入したときに
背後からかかる圧力に十分耐えられるだけあればよく、
通常50mm程度である。なお、石積擁壁では胴込め部
2がV字状に広がっているので、効果的にシール性が発
揮される。このようなシール工程Bにおける目地搦め補
強により、緩みや孕みのあった石積間隔が詰まって全体
を一体化することができる。
【0018】このシール工程Bでは、目地封鎖工事と共
に、積石1の表面側100から胴込め部2や裏込め部3
の間隔にグラウト材を注入するための注入口12を設け
る。注入口12は、図5(c)に示す如く、シール工程
中に、例えば大/小口径が50mm/30mmで長さ1
00mm程度のグラウト材注入用ホース先端の口金やこ
れに相当する塩ビ管等の形筒13aを目地1aに挿入
し、その周囲にシール材を沿わせて固めた後に抜いて形
成する。その設置場所は、1列の目地の上方で間隔の広
い所や、目地近傍の石の端を少し削った所とし、その数
は1m2 当たり2〜3個所である。
【0019】注入工程Cでは、注入口12からグラウト
材を注入する。グラウト材としては、通常市販されてい
るものの中から、凝固時間、強度及び強度発生日数等の
基本物性が良く正確なものを適当に選択する。
【0020】この工程では、先ずそのグラウト材に対し
て規定されている水を加えてミキサーで練り上げ、ポン
プを使用し、図6に示す如く、ポンプと注入口12との
間を先端に口金13が設けられているゴムホース14等
で接続し、ポンプを駆動してグラウト材を注入口12か
ら吐出する。ポンプとしては、最高圧力が5〜10kgf/
cm2 程度の低圧のものでよく、電動ポンプ等であっても
よいが、手動ポンプを用いる方がよい場合が多い。
【0021】即ち、石積擁壁の胴込め部2や裏込め部3
における空洞容積や隙間は、工事対象の擁壁毎に又同じ
工事でも擁壁の各場所によって相当のばらつきがあるた
め、グラウト材を確実に注入し且つ完全に隙間に行き渡
られせるためには、人力でポンプを駆動し、その駆動力
の大きさ即ち手応えにより、力を加減しつつ圧入するこ
とが望ましいからである。なお、ポンプやグラウト材タ
ンク等は、スペースがあれば石積擁壁の天端位置に設置
されることが望ましい。そのようにすれば、ホース14
の取扱性が良く、又、注入口12に対してグラウト材の
ヘッド圧を効かせることができる。図6の符号15はホ
ースの仮支持台である。
【0022】グラウト材の注入は、石積擁壁のうちの低
段から上段に向かって順次実施される。このときには、
ホース14の口金13と注入口12とを順次接続替えし
ていく。なお、石積擁壁が長い場合等には、同レベルの
段の複数の注入口12の例えば2ピッチの間隔を置いて
複数のホースで同時並行的に注入してもよい。1つの注
入口12へグラウト材を注入すると、通常これに近い他
の注入口12からグラウト材が流出してくるため、その
時点をもってその口への注入を終了する。又、この流出
がないままポンプの圧力が高くなると、胴込め部2等に
隙間がないものと判断し、このときにもその口からの注
入を終了し、グラウト材の流出した注入口と共にその口
に栓をして密封する。
【0023】図6では、このようなグラウト材の流れ状
態を矢印で示している。即ち、1つの胴込め部2に注入
されたグラウト材は、胴込め部2に空洞があれば先ずそ
の部分に充満するが、胴込め部2の土砂や栗石又はこれ
らの混合体には15〜30%程度の空隙率があるため、
空隙部分に侵入して胴込め部2の全体をコンクリート化
し、更に左右及び上下の近隣の胴込め部及び裏込め部3
にも部分的に侵入して行く。そして、上記の如く、1つ
の口から注入されたグラウト材が近隣の注入口12から
出てきたときに1つの口からの注入を終了する。このよ
うなグラウト材が注入後固形化すると、図示の積石1
(1−1)と1(1−2)を含む近隣の積石1が、胴込
め部2及び図において二点鎖線で示すように部分的に生
成したグラウト材の裏込め部への侵入部分により、強固
に一体化される。
【0024】なお、裏込め部3が図1の二点鎖線のよう
に水抜き用の栗石8になっているときには、グラウト材
の浸透性がよいため栗石側に大きく流れ込み、水の通路
を塞ぐ可能性があるので、注入口12からは低圧でグラ
ウト材を注入し、これが胴込め部2の全体に十分行き渡
るようにする。野積擁壁のように裏込め水抜き用の栗石
がない場合には、上限圧力に近い比較的高い圧力を維持
して圧入する。
【0025】コア抜き工程Dでは、図7(a)のよう
に、グラウト材が固形化した後に表面100側から削孔
機を用いてグラウト材の注入されている所のコア16を
抜く。コア16は、2〜3m2 に1本程度の割合で、9
0mm程度の直径で1/100程度の勾配を付けて長さ
450mm程度にする。この長さは、胴込め部2の寸法
即ち積石1の大きさによって異なるが、450mm程度
の長さにすれば通常胴込め部2を貫通する。コア16
は、グラウト材注入部分のサンプルにするために、濡れ
雑巾等を被せて強度が出るように水養生され、グラウト
材の標準検査方法である4週強度検査の対象とされ、そ
の圧縮強度が測定される。又、コア16の表面に現れた
グラウト材注入痕跡状態が目視検査される。このような
検査により、グラウト材で固められ積石1を含めて一体
化された擁壁の圧壊性や倒壊性に対する安全性が確認さ
れる。
【0026】排水部形成工程Eでは、上記工程でコア1
6を抜いた空跡16aに水濾過体17を設置する。水濾
過体17は、本例では、口径75mmで両端が開口し円
筒部に図示しない多数の穴の明けられた塩ビ管から成る
外筒17aと、その中に入れられた円筒状の特殊フィル
タ17bとで構成されている。外筒17aは、コアの空
跡16a内にモルタルで部分的に固定される。特殊フィ
ルタ17bは、内外面を形成するポリプロピレンの網目
構造のパイプとこれらの間のポリエチレンテレフタール
繊維充填材とが組み合わされた円筒体から成る。塩ビ管
に通常のフィルタを充填した従来型の水抜きでは、泥土
やシルト系排水を処理すると目詰まりして短期間で排水
不能になっていたが、この特殊フィルタ82は、毛細管
現象によって土砂中の水分を吸収・排水し、半永久的に
目詰まりしない優れた性能のものである。これにより、
裏込め部に浸透してきた雨水等を確実に排水し、目地1
aがシールされていても、水による石積擁壁の崩壊、倒
壊を確実に防止することができる。
【0027】以上のような石積擁壁補強方法によれば、
短い工期で低コストで安全な工法により、弱体化した石
積擁壁を崩壊や倒壊のおそれのないように補強すること
ができる。そしてこの場合、大型機械を用いる必要がな
いので、広い作業スペースを占有することなく、どのよ
うな現場でも施工することができる。なお、本発明の方
法によれば、少なくとも積石と胴込め部とが一体化され
るので、これらをロックボルトで固定する場合には、少
ない本数のボルトにより、更に擁壁強度を上げるられる
という相乗的効果が生ずる。
【0028】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、シール工程
により、組み付けられた外面体とその裏の内面体とを備
えた石積擁壁の外面体の目地をシール材で塞ぐと共に外
面体の表面側から内面体の間隔にグラウト材を注入する
ための注入口を設けるので、注入工程で注入口からグラ
ウト材を注入すると、外面体の表面側から注入口を介し
て適当な圧力で直接内面体の部分にグラウト材を注入す
ることができる。従って、内面体部分に空洞部分がある
と、空洞部分の手前側から奥方向に向かってグラウト材
を低い圧力で空洞部分に容易に充満させることができ
る。そして、石積擁壁の外面体に内側からこれを倒壊さ
せるような高い圧力がかかるのを防止することができ
る。その結果、安全にグラウト材を注入することができ
る。即ち、本石積擁壁補強方法によれば、石積擁壁の内
面体が外から内にV字状に広がっている特徴を上手く利
用し、容易に安全且つ確実に内面体にグラウト材を詰め
込むことができる。
【0029】注入口のある内面体の空洞部分にグラウト
材が充満すると、グラウト材は土砂等から成る内面体中
の空隙部分に浸透して行くと共に、近隣の内面体の空洞
部分にも入って行く。そして、適当な複数の位置の注入
口からこのようなグラウト材を注入することにより、外
面体及び内面体の全体もしくは一部分を含めて石積擁壁
の全体を一体化することができる。
【0030】次に、コア抜き工程により、グラウト材が
固形化した後に表面側からグラウト材の注入されている
所のコアを抜くので、固形化したグラウト材に必要な強
度があるかどうかを検査し、石積擁壁の補強効果を確認
することができる。又、排水部形成工程により、コアを
抜いた跡に水濾過体を設置するので、コア抜きで強度検
査と排水部形成との両目的を達成し、石積擁壁補強方法
を能率のよいものにすることができる。更に、水濾過体
によって内面体部分の水を外面体の表面に確実に排水で
きるので、目地シールがされていても、石積擁壁に水を
孕むことによる崩壊、倒壊の危険性がなくなる。
【0031】以上の如く、本発明の方法によれば、外部
において内面体の手前側から低圧で順次グラウト材を詰
め込むことができるので、ボーリング機械を使用すると
きのように、内側から一度に外面体に高圧がかかって石
積擁壁を倒壊させることがなく、安全に補強工事を実施
することができる。又、空洞化した部分を中心に必要部
分だけをコンクリート化するので、効率の良い補強工事
ができ、工事期間を短くすることができる。特に、従来
のように石積擁壁を再構築する工事に比べると、大幅な
工期短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用できる石積擁壁の構造例を示す説
明図で、(a)は断面状態で(b)は一部分の平面状態
を示す。
【図2】本発明を適用した石積擁壁補強方法の工程例を
示す説明図である。
【図3】上記石積擁壁に使用される積石の形状例を示
し、(a)は側面図で(b)は正面図である。
【図4】上記積石の他の形状例を示し、(a)は側面図
で(b)は正面図である。
【図5】シール工程の一例を示す説明図で、(a)は目
地にシール材を付けて行くときの正面状態、(b)はシ
ール材の断面状態、(c)は注入口を形成するときの断
面状態、(d)は注入口の形成された断面状態を示す。
【図6】グラウト材を注入する状態及びグラウト材の侵
入する状態を示す説明図である。
【図7】コア抜き及び排水部を示し、(a)はコア抜き
部分の断面図、(b)は水濾過体の設置状態を示す断面
図、(c)は水濾過体の断面図である。
【符号の説明】
1 積石(外面体) 1a 目地 2 胴込め部(内面体) 3 裏込め部(内面体) 12 注入口 16 コア 16a 空跡(コアを抜いた跡) 17 水濾過体 100 表面 B シール工程 C 注入工程 D コア抜き工程 E 排水部形成工程

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組み付けられた外面体とその裏の内面体
    とを備えた石積擁壁の前記外面体の目地をシール材で塞
    ぐと共に前記外面体の表面側から前記内面体の間隔にグ
    ラウト材を注入するための注入口を設けるシール工程
    と、前記注入口から前記グラウト材を注入する注入工程
    と、前記グラウト材が固形化した後に前記表面側から前
    記グラウト材の注入されている所のコアを抜くコア抜き
    工程と、前記コアを抜いた跡に水濾過体を設置する排水
    部形成工程と、を有することを特徴とする石積擁壁補強
    方法。
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