JP2000352789A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2000352789A
JP2000352789A JP16374799A JP16374799A JP2000352789A JP 2000352789 A JP2000352789 A JP 2000352789A JP 16374799 A JP16374799 A JP 16374799A JP 16374799 A JP16374799 A JP 16374799A JP 2000352789 A JP2000352789 A JP 2000352789A
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JP
Japan
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silver
compound
photosensitive layer
photothermographic material
acid
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JP16374799A
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English (en)
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Ken Nagami
憲 永見
Ikuo Kurachi
育夫 倉地
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 帯電防止能に優れ、且つ、熱現像後の耐傷性
に優れたレーザーイメージャー又はレーザーイメージセ
ッター用熱現像感光材料の提供。 【解決手段】 支持体の一方の側に、感光性ハロゲン化
銀粒子を含有する感光性層及び非感光性層を有する熱現
像感光材料において、感光性層又は非感光性層から選ば
れる1層に、下記一般式(1)で表される化合物又は
(2)で表される化合物を含有することを特徴とする。 一般式(2) 〔N=P(XR)(X′R′)〕n 例えば(NP(NHC1.6(NHC
H)0.4nは3〜12である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像感光材料
(以下、単に感光材料ともいう)に関し、特に帯電防止
性能が高く、熱現像後の耐傷性に優れたレーザーイメー
ジャー又はレーザーイメージセッター用熱現像感光材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷製版や医療の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題と
なっており、近年では、環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レー
ザーイメージャーやレーザーイメージセッターにより効
率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成
することができ処理廃液を伴わない処理のできる感光材
料に関する技術が必要とされている。
【0003】この技術として、例えば、米国特許第3,
152,904号、同第3,457,075号、及び
D.Morgan Dry Silver Photo
graphic MaterialやD.Morgan
B.Shely Thermally Proces
sed Silversystems、Sturge、
V.Walworth A.Shepp編集 Nebl
ette 第8版 第2頁 1969年等に記載されて
いるように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀
粒子および還元剤を含有する熱現像感光材料が知られて
いる。
【0004】これら熱現像感光材料は、通常80〜14
0℃で熱現像して画像を形成させるため、熱現像感光材
料を撮影及び現像処理する搬送系において、搬送時、ロ
ーラーとの摩擦や剥離で生じる帯電量が多く、静電気に
よるくっつきで搬送不良が起きてしまう欠点があり、感
光材料には現像前、現像後いずれも充分な帯電防止機能
を付与しなければならない。具体的には、20%RHで
測定したときの表面電気抵抗(LogΩ・cm)を少な
くとも一方の面は12.5以下、好ましくは12.0以
下、更に11.5以下に下げることが好ましい。
【0005】これらの対策として、特開平9−1462
22号で開示されている導電性金属酸化物を用いること
が有効である。一般的には、支持体と感光層の間に設け
られた、例えば下引き層に金属酸化物を含有させること
が知られている。しかし、これらの方法では現像後の耐
傷性が劣化を伴うため、現像後の耐傷性の劣化のない熱
現像感光材料が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の上記目的は、
帯電防止能に優れ、且つ、熱現像後の耐傷性に優れたレ
ーザーイメージャー又はレーザーイメージセッター用熱
現像感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱現像感
光材料の研究を進める中で、特に加熱(熱現像)後の表
面電気抵抗を下げることに取り組み、本発明の構成が耐
傷性を劣化させずに表面電気抵抗を充分に下げ、現像後
の耐傷性を向上することを発見し、上記目的は以下の構
成により達成できることを見い出した。
【0008】1.支持体の少なくとも一方の側に、感光
性ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層及び非感光性層
を有する熱現像感光材料において、該感光性層又は非感
光性層から選ばれる少なくとも1層に、下記一般式
(1)で表される化合物を含有することを特徴とする熱
現像感光材料。
【0009】
【化2】
【0010】式中、qは0又は1で、q=1のとき、A
は−(X)a−(Y)b−(Z)c−基(但し、X及び
Zは1個の末端エーテル残基をもつ炭素数の合計が10
0以下の含酸素炭化水素基、Yは−O−(C=O)−R
−(C=O)−基(但し、Rは炭素数1〜82の炭化水
素基)又は−O−(C=O)−NH−R′NH(−C=
O)−基(但し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)
であり、a、b及びcはそれぞれ0又は1であり、pは
10〜1000である。なお、式中の←は配位結合を示
す。
【0011】2.支持体の少なくとも一方の側に、感光
性ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層及び非感光性層
を有する熱現像感光材料において、該感光性層又は非感
光性層から選ばれる少なくとも1層に、下記一般式
(2)で表される化合物を含有することを特徴とする熱
現像感光材料。
【0012】一般式(2) 〔N=P(XR)(X′R′)〕n 式中、X、X′は−O−、−NH−、−NR″−から選
ばれる基であり、R、R′、R″はH、B、C、N、
O、F、P、S、Cl、Br、I、Na、Kから選ばれ
る少なくとも1種の原子から構成され、nは3以上の整
数を表す。
【0013】以下、本発明について詳細に述べる。
【0014】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理し
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀
の色調を制御する色調剤等を有機マトリックス中に分散
した状態で含有する熱現像感光材料である。
【0015】本発明の一般式(1)で表される化合物に
ついて説明する。
【0016】前記、一般式(1)において、qは0又は
1で、q=1のとき、Aは−(X)a−(Y)b−
(Z)c−基、但し、X及びZは1個の末端エーテル残
基をもつ炭素数100以下の含酸素炭化水素基、Yは−
O(−C=O)−R(−C=O)−基、但し、Rは炭素
数1〜82の炭化水素基又は−O(−C=)O−NH−
R′NH−(C=O)−基、但し、R′は炭素数2〜1
3の炭化水素基等であり、a、b及びcはそれぞれ0又
は1であり、pは10〜100である。なお、式中の←
は配位結合を示す。
【0017】本発明の一般式(1)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】本発明の一般式(1)で表される化合物は
特開平1−259051号、同1−259052号、同
1−266153号、同1−230653号に記載の方
法で容易に合成することができる。また、前記化合物は
ボロンインターナショナル社より市販されており、容易
に入手できる。
【0023】一般式(1)で表される化合物の添加方法
は水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど
のアルコール類に溶解して添加することができる。
【0024】一般式(1)で表される化合物の添加層
は、感光性乳剤層又は非感光性層の少なくとも1層に添
加されるが、好ましくは支持体に対して最も遠くに塗設
される層である。
【0025】添加量は、付量として0.01〜5g/m
2で、好ましくは0.5〜3g/m2である。添加量が付
量として0.01g/m2未満では所望の帯電防止効果
が得られず、5g/m2を越えると現像処理性に影響を
及ぼす。
【0026】前記一般式(2)で表される化合物につい
て説明する。
【0027】前記一般式(2)で表される化合物は、基
本骨格がP=N結合で構成されるホスファゼン誘導体
で、置換基の一部がイオン性の側鎖基もしくは導電性を
発揮するπ電子系の側鎖基、ポリエーテル系側鎖基であ
り、これらの化合物群には、P=N結合で線状の高分子
量の化合物群と環状の化合物群がある。線状の高分子量
の化合物は、環状の化合物の開環重合により合成され
る。
【0028】以下に、これら一般式(2)で表される化
合物を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0029】2−1 (NP(NHC651.6(NH
64SO3H)0.4n 2−2 (NP(NHC651.6(NHC64SO3
a)0.4n nは3〜12である。
【0030】一般式(2)で表される化合物群の合成法
を更に詳しく述べれば、(PNF23、(PNF24
(PNF2)n(n<15)等の側鎖基がF原子の三量
体、四量体、n量体の化合物、(PNCl23、(PN
Cl24、(PNCl2)n(n<15)等の側鎖基が
Cl原子の三量体、四量体、n量体の化合物、(PNB
23、(PNBr24、(PNBr2)n(n<1
5)等の側鎖基がBr原子の三量体、四量体、n量体の
化合物、(PNI23、(PNI24、(PNI2)n
(n<15)等の側鎖基がI原子の三量体、四量体、n
量体の化合物のハロゲン原子をC65ONa、CH36
4ONa、(C65O)2Ca、CF3CH2ONaのよ
うな芳香族化合物の金属塩との反応、C65OHのよう
な水酸基を有する芳香族化合物又はCH2(CH3)=C
−COOCH2CH2OHのような脂肪族アルコール、C
65NH2のような芳香族アミン類などのようなP原子
上のハロゲン原子と求核置換しうる芳香族化合物と、ア
ニリンなどのアミン類、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリ
ウムなどのハロゲン受容体化合物との混合による方法を
挙げることができる。
【0031】一般式(2)で表される化合物は、一般に
このようにして容易に合成できる。
【0032】また、芳香族側鎖基とは、一般に芳香族環
を有する化合物から誘導される基であり、
【0033】
【化7】
【0034】などの芳香環に官能基として水酸基を有す
る化合物から誘導される基がある。
【0035】さらにアニリン、フェニレンジアミンなど
の芳香環において、官能基としてアミノ基を有する化合
物から誘導される基、あるいは、チオフェノール、ジメ
ルカプトベンゼンなどの芳香族環に官能基としてメルカ
プト基を有する化合物から誘導される基などである。ま
た、側鎖基の組み合わせとしては、必ずしも単一の基で
構成されなくてもよく、これらの中から複数選ばれた組
み合わせでもよい。
【0036】また、テトラシアノキノジメタン(TCN
Q)、テトラチオフルバレン、ポリアセチレン(TT
F)、コーテリレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフ
ェン、ポリピロール、ポリアニリン等の共役系高分子或
いはそれらに適当なドーピング剤をドープした高分子或
いはポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビニルベ
ンジルトリメチルアンモニウムクロリド、四級塩ポリマ
ー類などのイオン導電性高分子からなる化合物も用いる
ことができる。
【0037】また、炭素材料を有機高分子に分散し、硬
化させた微粒子なども用いることができる。炭素材料に
関しては、有機化合物を出発原料として、炭化プロセス
により製造された材料であり、コークス、炭素繊維、ガ
ラス状炭素、熱分解炭素、ホイスカー、カーボンブラッ
クなどを挙げることができる。
【0038】炭素材料に関しては、原料により様々な形
態があるが、その構成元素の90wt%以上を占める主
成分は、多い順に挙げればC、O、H、Nであり、化合
物中に含まれるC成分が70wt%以上であれば本発明
を達成することができる。
【0039】これら70wt%以上の成分がH、B、
C、N、O、F、P、S、Cl、Br、I、Na、Kか
ら選ばれる原子で構成される微粒子の粒子径(以下、粒
径ともいう)は、平滑性などの面から平均粒径10μm
以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下である。
平均粒子径(以下、平均粒径ともいう)の測定方法に関
しては、特に制限はないが、適当な溶媒に分散し遠心沈
降速度から求める方法が一般に採られる。
【0040】しかし、主成分がH、B、C、N、O、
F、P、S、Cl、Br、I、Na、Kから選ばれる原
子で構成される微粒子を含む粉体から任意にサンプリン
グされた試料から電子顕微鏡により求めてもよい。ま
た、ここに記載した方法以外の方法で平均粒径を測して
もよい。
【0041】主成分がH、B、C、N、O、F、P、
S、Cl、Br、I、Na、Kから選ばれる原子で構成
される微粒子の比重の測定は、でき得る限り微粒子を構
成する材料の比重に近い方法を選択する。例えば、重量
を化学天秤で測定後、適当な気体、流体等を用いて微粒
子の体積を測定し、比重を求める方法が一般に用いられ
る。比重の測定方法については、特に制限を加えるもの
ではないが、主成分がH、B、C、N、O、F、P、
S、Cl、Br、I、Na、Kから選ばれる原子で構成
される微粒子の比重の値については、塗布液中における
粒子の沈降の問題を回避するため20℃の水を基準にし
て3.0以下が好ましい。
【0042】これら導電性もしくは半導電性粒子の製造
方法は、本発明の目的を達成できるものであれば如何な
る方法でもよく、例えば、化合物を適当な溶媒に溶解
後、スプレードライなどを用いて微粒子を製造する方
法、溶媒に分散後、ボールミル、サンドグラインダーな
どで粉砕する方法、ジェットミルなどの乾式粉砕機によ
る粉砕或いは化合物製造時に溶媒相と生成物が2相分離
する方法もしくは予め2相以上に分離している状態で化
合物を製造する方法などを用いて製造時に微粒子化する
方法など本発明の目的を達成する方法であれば何でもよ
い。
【0043】これら粉体及び導電性化合物は、バインダ
ー中に分散又は溶解させて用いられる。或いは、金属酸
化物粒子を導電性高分子化合物で表面処理もしくはマイ
クロカプセル化などの処理を行った粉体、金属酸化物粒
子を導電性高分子化合物の溶解もしくは分散された溶液
中に混合後、スプレードライ法、凍結乾燥法などの処理
を行った粉体をバインダー中に分散して塗布を行っても
よい。
【0044】粒子と有機バインダーによる塗布方法の場
合の添加量であるが、導電性高分子化合物は、導電性な
どの物性を損なわない程度に添加され、その添加量に制
限を加えないが、塗布乾燥後のポリマー中の体積分率で
60%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは
40%以下で十分発明の目的は達成される。しかし、こ
のような粉末は、そもそもより添加量が少ない方が好ま
しいので30%以下が好ましく、さらに好ましくは20
%以下である。しかし、体積分率で0.1%以上、好ま
しくは0.5%以上の添加は必要で、化合物によっては
1%以上の添加が必要の場合もあるが、添加量について
は特に制限を加えるものではない。
【0045】これらの添加により、良好な透明性と帯電
防止性が得られ、また、導電性物質のみならず、熱現像
感光材料の取り扱い中の圧力カブリ、擦り傷等の発生を
防止することができる。また、このような添加量のとき
に、本発明で得られた熱現像感光材料の表面比抵抗は1
13Ω・cm未満となり、帯電防止を達成することがで
きる。
【0046】本発明の一般式(2)で表される化合物の
添加量は、熱現像感光材料1m2当たり0.5〜300
0mgであることが好ましく、より好ましくは10mg
〜1000mgである。
【0047】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子に
ついて説明する。
【0048】本発明の熱現像感光材料は、画像形成後の
白濁を低く抑えるため及び良好な画質を得るために平均
粒径が小さい方が好ましく、平均粒径が0.2μm以
下、より好ましくは0.01〜0.17μm、特に好ま
しくは0.02〜0.14μmである。
【0049】ここでいう粒径とは、ハロゲン化銀粒子が
立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、
ハロゲン化銀粒子の稜の長さを言い、また、ハロゲン化
銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と
同面積の円像に換算したときの直径を言う。ハロゲン化
銀は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散と
は、下記式で求められる単分散度が40以下をいう。更
に好ましくは30以下であり、特に好ましくは0.1以
上20以下である。
【0050】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板
状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子などを
挙げることができるが、本発明においては、特に立方体
状粒子、平板状粒子が好ましい。
【0051】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平
均アスペクト比は2〜100が好ましく、より好ましく
は3〜50である。
【0052】これら平板状ハロゲン化銀粒子は、米国特
許第5,264,337号、第5,314,798号、
第5,320,958号等に記載されており、容易に目
的の平板状粒子を得ることができる。
【0053】更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸ま
った粒子も好ましく用いることができる。ハロゲン化銀
粒子の外表面としては、特に制限はないが、ミラー指数
〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この
割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上
であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率
は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面
との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imag
ing Sci.,29,165(1985年)により
求めることができる。
【0054】ハロゲン組成としては特に制限はなく塩化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀
のいずれであってもよい。本発明においては臭化銀、あ
るいは沃臭化銀を好ましく用いることができる。特に好
ましくは沃臭化銀であり、沃臭化銀含有率は0.1〜4
0モル%が好ましく、0.1〜20モル%以下がより好
ましい。
【0055】粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一
であっても、ハロゲン組成がステップ状に変化したもの
でもよく、あるいは連続的に変化したものでもよいが、
好ましい例としては、粒子内部の沃化銀含有率の高い沃
臭化銀子である。また、コア/シェル構造を有すハロゲ
ン化銀粒子を用いることが好ましい。
【0056】本発明に用いられる写真乳剤は、P.Gl
afkides著Chimie et Physiqu
e Photographique(Paul Mon
tel社刊、1967年)、G.F.Duffin著
PhotographicEmulsion Chem
istry(The Focal Press刊、19
66年)、V.L.Zelikman et al著M
aking andCoating Photogra
phic Emulsion(The Focal P
ress刊、1964年)等に記載された方法を用いて
調製することができる。
【0057】即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の
いずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それ
らの組合せ等のいずれを用いてもよい。このハロゲン化
銀はいかなる方法で画像形成層に添加されてもよく、こ
のときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように
配置する。また、ハロゲン化銀は有機酸銀とハロゲンイ
オンとの反応による有機酸銀中の銀の一部又は全部をハ
ロゲン化銀に変換することによって調製してもよいし、
ハロゲン化銀を予め調製しておき、これを有機銀塩を調
製するための溶液に添加してもよく、又はこれらの方法
の組み合わせも可能であるが、後者が好ましい。
【0058】一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して
0.75〜30重量%の量で含有することが好ましい。
【0059】本発明に用いられるハロゲン化銀には、周
期表の6族から11族に属する金属イオンを含有するこ
とが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、
Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Auが好ましい。
【0060】これらの金属イオンは金属錯体または金属
錯体イオンの形でハロゲン化銀に導入できる。これらの
金属錯体または金属錯体イオンとしては、下記一般式で
表される6配位金属錯体が好ましい。
【0061】一般式 〔ML6m 式中、Mは周期表の6〜11族の元素から選ばれる遷移
金属、Lは配位子、mは0、−、2−、3−または4−
を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲ
ン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン
化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナー
ト、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニ
トロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくはア
コ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位
子が存在する場合には、配位子の一つまたは二つを占め
ることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なってい
てもよい。
【0062】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イ
リジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。
【0063】以下に遷移金属錯体イオンの具体例を示す
が、本発明はこれらに限定されない。
【0064】 1:〔RhCl63- 2:〔RuCl63- 3:〔ReCl63- 4:〔RuBr63− 5:〔OsCl3- 6:〔IrCl64- 7:〔Ru(NO)Cl52- 8:〔RuBr4(H2O)〕2- 9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4- 10:〔RhCl5(H2O)〕2- 11:〔Re(NO)Cl52- 12:〔Re(NO)(CN)52- 13:〔Re(NO)Cl(CN)42- 14:〔Rh(NO)2Cl4- 15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4- 16:〔Ru(NO)(CN)52- 17:〔Fe(CN)63- 18:〔Rh(NS)Cl52- 19:〔Os(NO)Cl52- 20:〔Cr(NO)Cl52- 21:〔Re(NO)Cl5- 22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 23:〔Ru(NS)Cl52- 24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 25:〔Os(NS)Cl(SCN)42- 26:〔Ir(NO)Cl52- 27:〔Ir(NS)Cl52- これらの金属イオン、金属錯体または金属錯体イオンは
一種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以
上併用してもよい。これらの金属イオン、金属錯体また
は金属錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当
であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルであ
る。
【0065】これらの金属を提供する化合物は、ハロゲ
ン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み
込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つ
まり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段
階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の
段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段
階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段
階で添加する。
【0066】添加に際しては、数回に渡って分割して添
加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させる
こともできるし、特開昭63−29603号、特開平2
−306236号、同3−167545号、同4−76
534号、同6−110146号、同5−273683
号等に記載されている様に粒子内部に分布を持たせて含
有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布を持
たせて含有させたものである。
【0067】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液または水
溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶
液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液
として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子
を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水
溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調
製時に予め金属のイオンまたは錯体イオンをドープして
ある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等
がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属
化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を
水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
【0068】粒子表面に添加する時には、粒子形成直後
または物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時
に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入するこ
ともできる。
【0069】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知
の脱塩法により脱塩することができる。
【0070】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は
化学増感されていることが好ましく、増感方法としては
イオウ増感、セレン増感、テルル増感、貴金属増感、還
元増感等公知の増感法を用いることができる。また、こ
れら増感法は2種以上組み合わせて用いることもでき
る。イオウ増感にはチオ硫酸塩、チオ尿素化合物、無機
イオウ等を用いることができる。セレン増感、テルル増
感に好ましく用いられる化合物としては、特開平9−2
30527号記載の化合物を挙げることがきる。
【0071】貴金属増感法に好ましく用いられる化合物
としては、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレー
ト、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナ
イド或いは米国特許第2,448,060号、英国特許
第618,061号等に記載されている化合物を挙げる
ことができる。還元増感法の貝体的な化合物としてはア
スコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラ
ジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン
化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7
以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成すること
により還元増感することができる。
【0072】本発明の熱現像感光材料には、分光増感色
素としてシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレッ
クスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、
ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニ
ン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を
用いることができる。例えば特開昭63−159841
号、同60−140335号、同63−231437
号、同63−259651号、同63−304242
号、同63−15245号、米国特許第4,639,4
14号、同第4,740,455号、同第4,741,
966号、同第4,751,175号、同第4,83
5,096号に記載された分光増感色素が使用できる。
【0073】本発明の熱現像感光材料に使用される有用
な分光増感色素は、例えばリサーチディスクロージャー
(Research Disclosure)(RD)
Item17643IV−A項(1978年12月p.
23)、同Item1831X項(1978年8月p.
437)に記載もしくは引用された文献に記載されてい
る。特に各種レーザーイメージャーやスキャナーの光源
の分光特性に適した分光感度を有する分光増感色素を有
利に選択することができる。例えば特開平9−3407
8号、同9−54409号、同9−80679号記載の
化合物が好ましく用いられる。
【0074】有用なシアニン色素としては、例えば、チ
アゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン
核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核お
よびイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色
素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、
上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダ
ニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン
核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリ
ル核およびピラゾロン核などの酸性核も含む。
【0075】これらの分光増感色素は単独に用いてもよ
いが、それらの組合せを用いてもよく、分光増感色素の
組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0076】分光増感色素とともに、それ自身分光増感
作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しな
い物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んで
もよい。
【0077】有用な分光増感色素、強色増感を示す色素
の組合せおよび強色増感を示す物質は、前記RD176
巻17643(1978年12月発行)第23頁IVの
J項あるいは特公昭43−4933号、特開昭59−1
9032号、同59−192242号等に記載されてい
る。
【0078】本発明の熱現感光材料に好ましく用いられ
る有機銀塩は、還元可能な銀源であり、還元可能な銀イ
オン源を含有する有機酸又はヘテロ有機酸の銀塩、特に
長鎖(10〜30、好ましくは15〜28の炭素原子
数)の脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。また、配位
子が4.0〜10.0の銀イオンに対する錯安定度定数
を有する有機又は無機の銀錯体も有用であり、例えば次
のものが挙げられる:有機酸の銀塩(例えば、没食子
酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸、オレイン酸、カプロン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、マレイン酸、リノール酸等の銀
塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1
−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カ
ルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等銀
塩);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸と
のポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類
(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデ
ヒド等の銀錯体)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリ
チル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、
5,5−チオジサリチル酸)、チオエン類の銀塩又は錯
体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒド
ロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオエン、及び
3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン
等)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,
2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミ
ノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及び
ベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体
又は塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム
等の銀塩;又はメルカプチド類の銀塩。
【0079】好適な銀塩の例は、RD第17029及び
29963に記載されており、特に好ましい銀源はベヘ
ン酸銀である。
【0080】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法又は特開平9−1276
43号に記載されているようなコントロールドダブルジ
ェット法等が好ましく用いられる。
【0081】有機銀塩の形状としては特に制限はない
が、短軸と長軸を有する針状結晶が好ましい。感光性ハ
ロゲン化銀感光材料でよく知られているように銀塩結晶
粒子の粒径とその被覆力の間の反比例の関係は本発明に
おける熱現像感光材料においても成立し、すなわち熱現
像感光材料の画像形成部である有機銀塩粒子が大きいと
被覆力が小さく画像濃度が低くなることを意味すること
から有機銀塩の粒径を小さくすることが必要である。
【0082】有機酸塩の粒径は、短軸0.01〜0.2
0μm、長軸0.10〜5.0μmが好ましく、短軸
0.01〜0.15μm、長軸0.10〜4.0μmが
より好ましい。
【0083】有機銀塩の粒径分布は、単分散であること
が好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標
準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の百分率が好ま
しくは100%以下、より好ましくは、80%以下、さ
らに好ましくは50%以下がよい。有機銀塩の形状の測
定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像よ
り求めることができる。
【0084】単分散牲を測定する別の方法として、有機
銀塩の体積荷重平均直径の標準偏差を求める方法があ
り、体積荷重平均直径で割った値の百分率(変動係数)
が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以
下、さらに好ましくは50%以下である。測定方法とし
ては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射
し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関係
数を求めることにより得られた粒径(体積荷重平均直
径)から求めることができる。
【0085】本発明の熱現像感光材料における有機銀
塩、特に有機酸銀の塗布量は感光材料1m2当たり0.
5〜5.0gが好ましく、さらには1.0〜3.0gが
好ましい。
【0086】本発明の熱現像感光材料に好適な還元剤の
例は、米国特許第3,770,448号、同第3,77
3,512号、同第3,593,863号及び前記RD
第17029及び同29963に記載されており、次の
ものがある。
【0087】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキ
セノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクトン類
(reductones)エステル(例えば、ピペリジ
ノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒドロ
キシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N
−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾ
ン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラ
ゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーア
ミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、
ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピ
ルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニ
ル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例え
ば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミド
アニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシン類;アジン類(例えば、脂肪
族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸
の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシ
ルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジ
ン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェ
ノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導
体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベン
ゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホン
アミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,
3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類
(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエト
キシ−1,4−ジヒドロピリジン);ヒンダードフェノ
ール類、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピ
ラゾリドン類。中でも特に好ましい還元剤はヒンダード
フェノール類である。ヒンダードフェノール類としては
下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0088】
【化8】
【0089】一般式(A)において、Rは水素原子、又
は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C
49、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′
及びR″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0090】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定さ
れるものではない。
【0091】
【化9】
【0092】
【化10】
【0093】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0094】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマ
ー、合成樹脂、ポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えばゼラチン、アラビアゴム、ポ
リビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セ
ルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルピロリドン、カゼイン、デンプン、ポリ
アクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメタクリル酸、コポリスチレン−無水マレイン
酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール類
(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラ
ール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ
樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカ
ーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエス
テル類、ポリアミド類が挙げられ、これらは親水性でも
非親水性でもよい。
【0095】本発明の熱現像感光材料においては、熱現
像後の寸法変動を防ぐ目的として、感光性層のバインダ
ー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。さ
らに好ましくは1.7〜8g/m2である。感光性層の
バインダー量が1.5g/m2未満では未露光部の濃度
が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0096】本発明の熱現像感光材料は、感光性層側に
マット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像の
傷つき防止のためには、熱現像感光材料の表面にマット
剤を配することが好ましく、そのマット剤を乳剤層側の
全バインダーに対し、重量比で0.5〜10%含有する
ことが好ましい。
【0097】本発明の熱現像感光材料に好ましく用いら
れるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでも
よい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,
158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,9
95号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,1
81号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜
鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることができる。
有機物としては、米国特許第2,322,037号等に
記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特
許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公
昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、
スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン
或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,
257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第
3,022,169号等に記載されたポリカーボネート
の様な有機マット剤を用いることができる。
【0098】マット剤の形状は定形、不定形のどちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。マット剤の粒径とはこの球形
換算した直径のことを示すものとする。
【0099】本発明に好ましく用いられるマット剤は、
平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更
に好ましくは1.0〜8.0μmである。また、粒径分
布の変動係数としては、50%以下であることが好まし
く、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは
30%以下となるマット剤である。
【0100】ここで、粒径分布の変動係数は、下記の式
で表される値である。
【0101】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 マット剤は任意の構成層中に含むことができるが、本発
明の目的を達成するためには好ましくは感光性層以外の
構成層であり、更に好ましくは支持体から見て最も外側
の層である。
【0102】マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布
した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法
を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する
場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0103】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、触媒活性量のハロゲン化銀、ヒドラジン誘導体、
還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を、
通常、有機バインダーマトリックス中に分散した状態で
含有している熱現像感光材料であることが好ましい。
【0104】本発明の熱現像感光材料は常温で安定であ
るが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱
することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化
剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通
じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン
化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露
光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画
像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形
成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液
を供給することなしで進行する。
【0105】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも一層の感光性層を有している。支持体上に感光
性層のみを形成してもよいが、感光性層上に少なくとも
一層の非感光性層を形成することが好ましい。
【0106】感光性層を通過する光の量又は波長分布を
制御するため、感光性層と同じ側のフィルター染料及び
反対側のアンチハレーション染料層から選ばれる少なく
とも1層に、いわゆるバッキング層を形成してもよい
し、感光性層に染料又は顔料を含ませてもよい。用いら
れる染料、顔料としては所望の波長範囲で目的の吸収を
有するものであれば如何なる化合物でもよいが、例えば
特開昭59−6481号、同59−182436号、米
国特許第4,271,263号、同第4,594,31
2号、欧州特許公開533008号、同号652473
号、特開平2−216140号、同4−348339
号、同7−191432号、同7−301890号など
に記載の化合物が好ましく用いられる。
【0107】また、これらの非感光性層には、前記のバ
インダーやマット剤を含有することが好ましく、さらに
ポリシロキサン化合物、ワックス又は流動パラフィンの
ようなスベリ剤を含有してもよい。
【0108】感光性層は複数層にしてもよく、また階調
の調節のため感度を高感層/低感層又は低感層/高感層
にしてもよい。各種の添加剤は感光性層、非感光性層、
又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。
【0109】本発明の熱現像感光材料には、例えば界面
活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、被覆助剤等を用いても良い。
【0110】本発明の熱現像感光材料には、色調剤を添
加することが好ましい。色調剤は、米国特許第3,08
0,254号、同第3,847,612号及び同第4,
123,282号に示されるように、写真技術において
周知の材料である。好適な色調剤の例は、前記RD第1
7029号に開示されており、次のものがある。
【0111】イミド類(例えば、フタルイミド);環状
イミド類、ピラゾリン−5−オン類及びキナゾリノン
(例えば、サクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン等);ナフタールイミ
ド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイ
ミド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミン
トリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−
(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例え
ば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブ
ロックされたピラゾール類、イソチウロニウム誘導体及
びある種の光漂白剤の組み合わせ(例えば、N,N′−
ヘキサメチレン(1−カルバモイル−3,5−ジメチル
ピラゾール)、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)
ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)及び
2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール
の組み合わせ);メロシアニン染料(例えば、3−エチ
ル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン
(ベンゾチアゾリニリデン))−1−メチルエチリデ
ン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン);フ
タラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の
金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、
6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタ
ラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジ
オン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わ
せ(例えば、6−クロロフタラジノン及びベンゼンスル
フィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン及びp
−トリスルホン酸ナトリウム);フタラジン及びフタル
酸の組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含
む)とマレイン酸無水物及びフタル酸、2,3−ナフタ
レンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその
無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−
ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から
選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キ
ナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナフトキサジン
誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例え
ば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピ
リミジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−
ジヒドロキシピリミジン)及びテトラアザペンタレン誘
導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェ
ニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペ
ンタレン)。好ましい色調剤としてはフタラゾン又はフ
タラジンである。
【0112】本発明には現像の抑制又は促進などの現像
の制御、分光増感効率を向上又は現像前後の保存性を向
上させるためにメルカプト化合物、ジスルフィド化合
物、チオン化合物を含有させることが好ましい。
【0113】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでもよいが、ArSM、Ar−
S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは水
素原子又はアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の
窒素、イオウ、酸素、セレニウム又はテルリウム原子を
有する芳香環または縮合芳香環である。好ましくは、複
素芳香環はベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、
ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾ
ール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベン
ゾテルゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾー
ル、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ト
リアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジ
ン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン等の複素芳香
環である。
【0114】この複素芳香環は、例えば、ハロゲン原子
(例えば、Br、Cl等の各原子)、ヒドロキシ基、ア
ミノ基、カルボキシ基、アルキル基(例えば、1個以上
の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するも
の)及びアルコキシ基(例えば、1個以上の炭素原子、
好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる
置換基群から選択されるものを有してもよい、メルカプ
ト基で置換された複素芳香族化合物としては、2−メル
カプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキ
サゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メル
カプト−5−メチルベンズイミダゾール、6−エトキシ
−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオ
ビスベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾール
チオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチル−
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトキ
ノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−4−
(3H)キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−4−
キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ−4
−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2
−メルカプトピリミジンモノヒドレート、2−アミノ−
5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−ア
ミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4
−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカ
プトピリミジン、4,6−ジアミノ−2メルカプトピリ
ミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジンヒドロ
クロリド、3−メルカプト−5−フェニル−1,2,4
−トリアゾール、2−メルカプト−4−フェニルオキサ
ゾール等のメルカプト基で置換された複素芳香族化合物
などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0115】これらのメルカプト化合物の添加量として
は乳剤層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルの
範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり
0.01〜0.3モルの量である。
【0116】最も有効なカブリ防止剤として知られてい
るものは水銀イオンである。熱現像感光材料中にカブリ
防止剤として水銀化合物を使用することについては、例
えば米国特許第3,589,903号に開示されてい
る。しかし、水銀化合物は環境的に好ましくない。非水
銀カブリ防止剤としては例えば米国特許第4,546,
075号及び同第4,452,885号及び特開昭59
−57234号に開示されている様なカブリ防止剤が好
ましい。
【0117】特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国
特許第3,874,946号及び同第4,756,99
9号に開示されているような化合物−C(X1)(X
2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲン原子でX
3は水素原子又はハロゲン原子)で表される1以上の置
換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防
止剤の例としては、特開平9−90550号の段落番号
〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合物等
が好ましく用いられる。
【0118】更に、より好適なカブリ防止剤は米国特許
第5,028,523号及び英国特許出願第9,22
2,138.4号、同第9,300,147.7号、同
第9,311,790.1号に開示されている。
【0119】本発明に於ける感光層には、可塑剤及び潤
滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第2,9
60,404号に記載された種類のグリセリン及びジオ
ール)、米国特許第2,588,765号及び同第3,
121,060号に記載の脂肪酸又はエステル、英国特
許第955,061号に記載のシリコーン樹脂などを用
いることができる。
【0120】本発明の熱現像感光材料の感光層、保護
層、バック層など各層には硬膜剤を用いてもよい、硬膜
剤の例としては、イソシアネート化合物類、米国特許第
4,791,042号などに記載されているエポキシ化
合物類、特開昭62−89048号などに記載されてい
るビニルスルホン系化合物類などが用いられる本発明の
熱現像感光材料には塗布性、帯電改良などを目的として
界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、
アニオン系、カチオン系、ベタイン系、ノニオン系、フ
ッ素系などいかなるものも適宜用いられる。具体的に
は、特開昭62−170950号、米国特許第5,38
2,504号などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、
特開昭60−244945号、特開昭63−18813
5号などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許第3,
885,965号などに記載のポリシロキサン系界面活
性剤、特開平6−301140号などに記載のポリアル
キレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げら
れる。
【0121】本発明における熱現像感光材料はディップ
塗布法、エアナイフ塗布法、フロー塗布法又は米国特許
第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用い
る押出塗布法を含む種々の塗布方法を用いることができ
る。また、必要により、米国特許第2,761,791
号および英国特許第837,095号に記載の方法によ
り2層又はそれ以上の層を同時に塗布することができ
る。
【0122】本発明の熱現像感光材料に用いられる支持
体は、現像処理後に所定の光学濃度を得るため及び現像
処理後の画像の変形を防ぐためにプラスチックフイル
ム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテ
ート、ポリエチレンナフタレート等が好ましい。特に好
ましくはポリエチレンテレフタレート(以下、PETと
略す)、ポリエチレンナフタレート(以下、PENと略
す)、及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体を含むプラスチック(以下、SPSと略す)の支
持体が挙げられる。
【0123】支持体の厚みとしては50〜300μm程
度、好ましくは70〜180μmである。
【0124】また熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、感光性層が塗布されるまでの間
に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、
好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40
℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の
融点を超えた温度で加熱しては本発明の効果は得られな
い。
【0125】次に本発明の熱現像感光材料の支持体に好
ましく用いられるプラスチックについて説明する。
【0126】本発明の熱現像感光材料の支持体に好まし
く用いられるPETとしては、ポリエステルの成分が全
てポリエチレンテレフタレートからなるものであるがポ
リエチレンテレフタレート以外に、酸成分としてテレフ
タル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタ
ル酸、ブチレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、アジピン酸等とグリコール成分としてエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール等との変性ポリエステ
ル成分が全ポリエステルの10モル%以下含まれたポリ
エステルであってもよい。
【0127】PENとしては、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート及びテレフタル酸と2,−6ナフタレンジ
カルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエ
ステル及びこれらのポリエステルの二種以上の混合物を
主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。また、
さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他
のポリエステルが混合されていても良い。
【0128】SPSとしては、通常のポリスチレン(ア
タクチックポリスチレン)と異なり立体的に規則性を有
したポリスチレンである。SPSの規則的な立体規則性
構造部分をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連
鎖、あるいはそれ以上と規則的な部分がより多くあるこ
とが好ましく、本発明において、ラセモ連鎖は、2連鎖
で85%以上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以
上、それ以上の連鎖で30%以上であることが好まし
い。SPSの重合は特開平3−131843号公報記載
の方法に準じて行うことが出来る。
【0129】本発明に用いられる支持体の製膜方法及び
下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好
ましくは特開平9−50094号の段落番号〔003
0〕〜同〔0070〕に記載された方法を用いることで
ある。
【0130】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものでは
ない。
【0131】実施例1 (粉体P1)(NP(NHC651.6(NHC64
3H)0.4n(nは3〜12)の10%溶液をスプレ
ードライ法により噴霧乾燥後、粉体として回収する。得
られた粉体は、平均粒子径0.15μmで、比1.2
5、体積固有抵抗2.3×10-4Ωcmであった。
【0132】(粉体P2)(NP(NHC65
1.6(NHC64SO3Na)0.4n(nは3〜12)の
10%溶液をスプレードライ法により噴霧乾燥後、粉体
として回収する。得られた粉体は、平均粒子径0.11
μmで、比1.35、体積固有抵抗8.5×10-4Ω・
cmであった。
【0133】(下引済み感光材料用支持体の作製)市販
の2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmのPETフイル
ムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一
方に面に、下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚み0.8μ
mになるように塗設し、乾燥させて下引層(A−1)と
した。
【0134】次に、反対側の面に、下記下引塗布液b−
1を乾燥膜厚み0.8μmになるように塗設し、乾燥さ
せて下引層(B−1)とした。
【0135】 〈下引塗布液a−1〉 ブチルアクリレート(30重量%)、t−ブチルアクリレート (20重量%)、スチレン(25重量%)、2−ヒドロキシ エチルアクリレート(25重量%)の共重合体ラテックス液 (固形分30%) 270g 化合物(C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0136】 〈下引塗布液b−1〉 ブチルアクリレート(40重量%)、スチレン(20重量%)、 グリシジルアクリレート(40重量%)の共重合体ラテックス (固形分30%) 270g 化合物(C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0137】次に、塗設した下引層(A−1)、(B−
1)の表面に8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引
層(A−1)の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾
燥膜厚0.1μmになるように下引層(A−2)として
塗設し、下引層(B−1)の上には、下記下引上層塗布
液b−2を乾燥膜厚0.8μmになるように下引層(B
−2)として下引上層を塗設した。
【0138】また、下記下引上層塗布液b−2から化合
物(C−4)、(C−5)を除いたものを、下引上層塗
布液(b−3)とし、これを乾燥膜厚0.8μmになる
ように下引層(B−3)として下引上層に塗設したもの
も併せて作製した。
【0139】 〈下引上層塗布液a−2〉 ゼラチン 0.4g/m2になる量 化合物(C−1) 0.2g 化合物(C−2) 0.2g 化合物(C−3) 0.1g シルカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0140】 〈下引上層塗布液b−2〉 化合物(C−4) 60g 化合物(C−5)を成分とするラテックス(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g 化合物(C−6) 12g ポリエチレングリコール(平均分子量600) 6g 水で1リットルに仕上げる。
【0141】
【化11】
【0142】
【化12】
【0143】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900m
l中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10
mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた
後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/
2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶
液及び〔Ir(NO)Cl53-塩を銀1モル当たり1
×10-4モルを、pAg7.7に保ちながらコントロー
ルドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その
後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5
に調整して平均粒子サイズ0.06μm、粒子サイズの
変動係数11%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭
化銀粒子を得た。
【0144】この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈
降させ脱塩処理を行い、その後フェノキシエタノール
0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して
ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0145】(ベヘン酸Na溶液の調製)340mlの
イソプロパノールにベヘン酸34gを65℃で溶解し
た。次に撹拌しながら0.25Nの水酸化ナトリウム水
溶液をpH8.7になるように添加した。この際、水酸
化ナトリウム水溶液400mlを必要とした。得られた
ベヘン酸ナトリウム水溶液を減圧濃縮し、ベヘン酸ナト
リウムの濃度が重量%で8.9%とした。
【0146】(ベヘン酸銀の調製)750mlの蒸留水
中に30gのオセインゼラチンを溶解した溶液に2.9
4モルの硝酸銀溶液を加え、銀電位を400mVとし
た。この中にコントロールドダブルジェット法を用いて
78℃の温度下で、前記ベヘン酸ナトリウム水溶液37
4mlを44.6ml/分の速度で添加し、同時に2.
94モルの硝酸銀水溶液を銀電位が400mVになるよ
うに添加した。添加時のベヘン酸銀ナトリウム及び硝酸
銀の使用量はそれぞれ0.092モル、0.101モル
であった。
【0147】添加終了後、さらに30分攪拌し、限外濾
過により水溶性塩類を除去した。
【0148】(感光性乳剤の調製)上記のベヘン酸分散
物に、上記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g加え、撹拌
しながらポリ酢酸ビニルの酢酸n−ブチル溶液(1.2
wt%)100gを徐々に添加して分散物のフロックを
形成後、水を取り除き、更に2回の水洗と水の除去を行
った後、バインダーとしてポリビニルブチラール(平均
分子量3000)の2.5wt%の酢酸n−ブチルとイ
ソプロピルアルコールの1:2混合溶液60gを撹拌し
ながら加えた後、得られたゲル状のベヘン酸銀及びハロ
ゲン化銀の混合物にバインダーとしてポリビニルブチラ
ール(平均分子量4000)及びイソプロピルアルコー
ルを加え分散した。
【0149】前記、支持体上に、以下の各層を順次形成
し、試料を作製した。なお、乾燥は各々75℃、5分間
で行った。
【0150】〈バック面側塗布〉以下の組成の液を乾燥
膜厚5μmになるように塗布した。
【0151】 ポリビニルブチラール(10%イソプロパノール溶液) 150ml/m2 染料−B 70mg/m2 染料−C 70mg/m
【0152】
【化13】
【0153】(感光層面側塗布) 〈感光性層〉以下の組成の液をバインダーとしてポリビ
ニルブチラールを用いて乾燥後の膜厚が25μmになる
ように塗布した。
【0154】 感光性乳剤A 銀量として3g/m2になる量 増感色素−1(0.1%N,N−ジメチルホルムアミド溶液) 2ml カブリ防止剤−2(1.5%メタノール溶液) 8ml 現像剤−1(2.4%N,N−ジメチルホルムアミド溶液) 5ml フタラゾン(4.5%N,N−ジメチルホルムアミド溶液) 8ml 本発明の一般式(1)で表される化合物 表1記載の量 本発明の一般式(2)で表される化合物 表1記載の量 一般式(A)で表される化合物 例示A−4(10%メタノール溶液) 13ml 硬調化剤H(1%メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド溶液 4:1溶液) 2ml
【0155】
【化14】
【0156】
【化15】
【0157】表面保護層:以下の組成の液を感光層の上
に塗布した。
【0158】 アセトン 175ml/m2 2−プロパン 40ml/m2 メタノール 15ml/m2 セルロースアセテート 8.0g/m2 フタラジン 1.0g/m2 4−メチルフタル酸 0.72g/m2 テトラクロロフタル酸 0.22g/m2 テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2 マット剤(単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ) 30mg/m2 (熱現像感光材料の性能評価) 〈露光及び現像処理〉上記で作製した熱現像感光材料に
810nmの半導体レーザーを有するイメージャーで露
光した。その後ヒートドラムを有する自動現像機を用い
て、110〜130℃で15秒熱現像処理した。その
際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋
で行った。
【0159】〈表面比抵抗の測定〉13.5×10cm
に裁断した試料を80℃で5分間加熱した後、23℃、
20%RHの条件で2時間調湿し、感光性層側の表面電
気抵抗をテラオームメーターVE−30(川口電機
〔株〕製)を用いて測定し、表1にlogΩ・cmで示
した。
【0160】〈耐傷性の評価〉先端が半径0.1mmの
サファイア針を試料表面に圧着し、1秒間10mmの速
度で膜面上を平行に移動させながら0〜200gの範囲
で荷重を連続的に変化させて試料の膜面に損傷が生ずる
針の荷重を求めた。
【0161】以上の結果を表1に示した。
【0162】
【表1】
【0163】表1より、本発明の感光性層中に一般式
(1)又は(2)で表される化合物を含有する熱現像感
光材料は表面比抵抗も低く、熱現像後の耐傷性にも優れ
ていることが分かる。
【0164】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による熱
現像感光材料は、帯電防止能に優れ、且つ、熱現像後の
耐傷性に優れた効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に、感光性
    ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層及び非感光性層を
    有する熱現像感光材料において、該感光性層又は非感光
    性層から選ばれる少なくとも1層に、下記一般式(1)
    で表される化合物を含有することを特徴とする熱現像感
    光材料。 【化1】 式中、qは0又は1で、q=1のとき、Aは−(X)a
    −(Y)b−(Z)c−基(但し、X及びZは1個の末
    端エーテル残基をもつ炭素数の合計が100以下の含酸
    素炭化水素基、Yは−O−(C=O)−R−(C=O)
    −基(但し、Rは炭素数1〜82の炭化水素基)又は−
    O−(C=O)−NH−R′NH(−C=O)−基(但
    し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)であり、a、
    b及びcはそれぞれ0又は1であり、pは10〜100
    0である。なお、式中の←は配位結合を示す。
  2. 【請求項2】 支持体の少なくとも一方の側に、感光性
    ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層及び非感光性層を
    有する熱現像感光材料において、該感光性層又は非感光
    性層から選ばれる少なくとも1層に、下記一般式(2)
    で表される化合物を含有することを特徴とする熱現像感
    光材料。 一般式(2) 〔N=P(XR)(X′R′)〕n 式中、X、X′は−O−、−NH−、−NR″−から選
    ばれる基であり、R、R′、R″はH、B、C、N、
    O、F、P、S、Cl、Br、I、Na、Kから選ばれ
    る少なくとも1種の原子から構成され、nは3以上の整
    数を表す。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100401018C (zh) * 2001-08-10 2008-07-09 爱信Aw株式会社 导航装置和导航方法

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