JP2000351306A

JP2000351306A - 空気入りタイヤおよびその製造方法

Info

Publication number: JP2000351306A
Application number: JP11162640A
Authority: JP
Inventors: Masanori Takahashi; 正規高橋
Original assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Priority date: 1999-06-09
Filing date: 1999-06-09
Publication date: 2000-12-19

Abstract

(57)【要約】【課題】空気入りラジアルタイヤの生産効率を向上す
る。【解決手段】カーカスプライ２の折返し部２Ａはビー
ドコア３のみを内包し、ビードフィラーゴム４、アブレ
ージョンゴム５、サイドウォールゴム６の三層ゴム７を
一体と押出して折返し部２Ａの外側に貼着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤと
その製造方法に係り、より具体的には、ラジアルカーカ
スの端部でビードコアを巻掛けるとともに、この外側に
アブレージョンゴム、ビードフィラーゴムおよびサイド
ウォールゴムの三層ゴムを一体に押出してなるラジアル
空気入りタイヤとその製造法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】空気入りタイヤ、特に、ラジアルタイヤ
においては、ビードコアの外周部にビードフィラーゴム
を装着し、これらを内包するかたちでカーカス両端を折
返して折返し部を形成し、この折返し部にアブレージョ
ンゴム、サイドウォールゴムを個々に貼着して加硫成形
したのが基本である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ビードコアの外周部に
ビードフィラーゴムを装着した従来例においては、タイ
ヤ製造において装着工程が必要で手間がかかるとともに
装着精度に狂いが生じるおそれがあった。また、ビード
コアの構成が同じでビードフィラーゴムが異なるとき、
別の部材（部品）となり、部品管理上の面倒さがあっ
た。特開昭５２−１３１３０５号公報で開示の空気入り
タイヤにあっては、カーカスプライの両端部における折
返し部は、ビードコアだけを内包するように折返し、こ
の折返し部の外側にビードフィラーゴム（ゴムストッ
ク）を装着して、ビードコアとビードフィラーゴムとを
分離した空気入りタイヤが提案されている。

【０００４】しかし、この公報で開示の空気入りタイヤ
では、折返し部でビードコアだけを内包しているので折
返し部とカーカスの密接部位の径内側に空洞が形成され
るおそれがあり、これによってビード部の耐久性が低下
することから、前記空洞に少量のゴムストック（公報に
おいては断面三角形とされている）を挿入しなければな
らず、これでは部品点数が多くなるとともに、タイヤ製
造工程においても手間がかかるものであった。そこで本
発明は、カーカスプライの両端部における折返し部でビ
ードコアだけを内包した空気入りタイヤにおいて、折返
し部の外側に、アブレージョンゴム、ビードフィラーゴ
ム、サイドウォールゴムの三層ゴムを一体に押出成形し
たものを貼着することによって、ビード部の耐久性は確
保しつつ生産効率が向上できるようにしたことを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る空気入りタ
イヤは、前述の目的を達成するために、次の技術的手段
を講じている。すなわち、カーカスプライの両端を左右
のビードコアの周りに内側から外側に向って折返した折
返し部を備え、左右のビードコアおよび左右の折返し部
の外側に、ビードフィラーゴムとアブレージョンゴムお
よびサイドウォールゴムを一体に押出してなるゴム層を
備えて構成されていることを特徴とするものである（請
求項１）。

【０００６】この請求項１において、左右のビードコア
のそれぞれはタイヤ幅方向断面内において並設されてい
るワイヤ本数が、半径方向の内周側に位置する部分より
半径方向の外周側に位置する部分の本数が少なくされて
いて左右のビードコアの輪郭形状を楔形乃至三角形に構
成していることが推奨される（請求項２）。このように
構成したことによって、ビードコアの周りに折返し部が
段差なく沿接されて空洞の発生を抑えてビード部の耐久
性を向上をできるのである。また、本発明に係る空気入
りタイヤの製造方法は、カーカスプライの両端を左右の
ビードコアの周りに内側から外側に向って成形ドラム上
で折返して折返し部を形成するとき、左右のビードコア
上にビ−ドフィラーゴムのない状態で折返し、その後、
左右のビードコアおよび左右の折返し部の外側に、ビー
ドフィラーゴムとアブレージョンゴムおよびサイドウォ
ールゴムを一体に押出してなるゴム層を貼付け、その
後、ブレーカ層およびトレッドゴムを貼付けてグリーン
タイヤを作成し、このグリーンタイヤをタイヤ加硫機で
加硫成形するものである（請求項３）。

【０００７】この製造方法によれば、ビードコアとビー
ドフィラーゴムとの位置合せおよびフィラーゴム、アブ
レージョンゴムおよびサイドウォールゴムとの位置合せ
等が必要でなく、生産性を向上できるのである。更に、
本発明の製造方法は、前述した請求項３において、左右
のビードコアのそれぞれはタイヤ幅方向断面内において
並設されているワイヤ本数が、半径方向の内周側に位置
する部分より半径方向の外周側に位置する部分の本数が
少なくされて輪郭形状が楔形乃至三角形のビードコアを
用いてなることが推奨される（請求項４）。

【０００８】この請求項４によれば、ビードコアの外周
部に空洞が形成されるのを少なくできて、ビード部の耐
久性を確保した空気入りタイヤを提供できるのである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図１（１）（２）および図２
（１）（２）は、本発明に係る空気入りタイヤ（ラジア
ルタイヤ）の製造工程が例示されている。図１・２にお
いて、フォーマ１Ａとブラダ部１Ｂを有する成形ドラム
１上には、カーカスプライ、好ましくはラジアルカーカ
スプライ２が装着される。このカーカスプライ２は、ポ
リエステル、ナイロン等の有機繊維よりなる経糸と、
綿、セルロース系繊維（ポリノジック）等よりなる経糸
とを製織したすだれ織物をゴム引した反物を用いること
ができるが、それ以外の公知のカーカスプライを採用で
きる。

【００１０】カーカスプライ２の両端は折返し代を有し
てドラム１に装着され、この折返し代上には環状（リン
グ状）のビードコア３がビードセッタ等によって装着さ
れた後、図１（２）で示すようにビードコア３を内包す
るように、内側から外側に向ってカーカスプライ２の両
端（図では一方のみを示しているが他方も同じ構成であ
る）の折返し代が折返しされて折返し部２Ａとされてい
る。次いで、図１（３）で示すように、ビードフィラー
ゴム４、アブレージョンゴム５およびサイドウォールゴ
ム６の三者（三層）を一体的に押出成形したゴム層７
が、折返し部２Ａの外側とカーカスプライ２の外側に貼
着されることによって、折返し部２Ａはカーカスプライ
２に密着される。

【００１１】このようにカーカスプライ２で左右のビー
ドコア３を連結した状態でかつゴム層７を貼着した後、
図２（１）で示すように膨張され、そのクラウン部にブ
レーカ層（ベルト層）８とトレッドゴム９が貼着され、
図２（２）で示すようにトレッドゴム９の側縁でサイド
ウォールゴム６に貼着されて、ここに、断面トロイダル
形状のグリーンタイヤ（生タイヤ）１０が作成される。
その後、このグリーンタイヤをタイヤ加硫機に装着して
加硫成形することによってラジアルタイヤが製造され
る。

【００１２】図３（１）（２）および図５（１）（２）
を参照すると、加硫成形されたラジアルタイヤＴのビー
ド部が例示されており、図３（１）は図４（１）で示す
ようにビードワイヤ３Ａの多数本を束ねてなるビードコ
ア３が断面四角形とされた環状コアであり、図３（２）
は図４（２）で示すようにビードワイヤ３Ａの多数本を
束ねてなるビードコア３が断面三角形乃至楔形とされ
た、すなわち、タイヤ幅方向断面内において並設されて
いるワイヤ３Ａの本数が、半径方向の内周側に位置する
部分より半径方向の外周側に位置する本数が少なくされ
ていて輪郭形状を楔形乃至三角形に構成されたものであ
り、更に、図５（１）はビードコア３の断面形状が偏平
六角形、図５（２）は同じく正六角形に構成されたもの
である。

【００１３】図３および図５に示すいずれの実施の形態
においても、左右のビードコア３にカーカス２の両端が
内側から外側に向って折返されるとき、ビードコア３だ
けを内包してその折返し部２Ａがカーカスプライ２に密
着（密接）され、該折返し部２Ａの外側に、断面細長三
角形乃至楔形のビードフィラーゴム４、アブレージョン
ゴム５およびサイドウォールゴム６の三者を一体に押出
成形した三層ゴム７が装着されているのである。いずれ
の実施の形態においても、ビードコア３にビードフィラ
ーゴム４が装着されてなく、該ゴム４はアブレージョン
ゴム５、サイドウォールゴム６とともに三層ゴム７とし
て折返し部２Ａに貼着されているのである。

【００１４】特に、図３（２）および図４（２）で示す
ように、輪郭形状を三角形乃至楔形としたビードコア３
を採用したときには、折返し部２Ａとカーカスプライ２
との間に空間が形成されることが少なく、耐久性に富ん
だ構成となるのである。なお、アブレージョンゴム５は
リムとの接触部であることから、耐摩耗性に富んだゴム
材料が用いられ、ビードフィラーゴム４は折返し部２Ａ
のセパレーション等を抑制するための硬度を有するゴム
材料が用いられる。また、折返し部２Ａのエッジ２Ｂか
らのセパレーションを防止するため、図５（１）（２）
で示すように、該エッジ２Ｂを覆うように構成すること
が望ましい。

【００１５】

【発明の効果】以上詳述したように本発明方法によれば
生産効率が大幅に向上できるし、また、これによって生
産された空気入りタイヤはビード部の耐久性を向上でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】空気入りタイヤの製造工程を示し、（１）は第
１工程、（２）は第２工程、（３）は第３工程の要部断
面図である。

【図２】空気入りタイヤの製造工程を示し、（１）は第
４工程、（２）は第５工程の断面図である。

【図３】本発明方法によって生産されたタイヤのビード
部を示し、（１）は第１例、（２）は第２例である。

【図４】（１）は図３（１）のビードコアを、（２）は
図３（２）のビードコアを示している。

【図５】本発明方法によって生産されたタイヤのビード
部を示し、（１）は第３例、（２）は第４例である。

【符号の説明】

２カーカスプライ２Ａ折返し部３ビードコア４ビードフィラーゴム５アブレージョンゴム６サイドウォールゴム７三層ゴム

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カーカスプライの両端を左右のビードコ
アの周りに内側から外側に向って折返した折返し部を備
え、左右のビードコアおよび左右の折返し部の外側に、
ビードフィラーゴムとアブレージョンゴムおよびサイド
ウォールゴムを一体に押出してなるゴム層を備えて構成
されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項２】左右のビードコアのそれぞれはタイヤ幅
方向断面内において並設されているワイヤ本数が、半径
方向の内周側に位置する部分より半径方向の外周側に位
置する部分の本数が少なくされていて左右のビードコア
の輪郭形状を楔形乃至三角形に構成していることを特徴
とする請求項１記載の空気入りタイヤ。
【請求項３】カーカスプライの両端を左右のビードコ
アの周りに内側から外側に向って成形ドラム上で折返し
て折返し部を形成するとき、左右のビードコア上にビ−
ドフィラーゴムのない状態で折返し、その後、左右のビ
ードコアおよび左右の折返し部の外側に、ビードフィラ
ーゴムとアブレージョンゴムおよびサイドウォールゴム
を一体に押出してなるゴム層を貼付け、その後、ブレー
カ層およびトレッドゴムを貼付けてグリーンタイヤを作
成し、このグリーンタイヤをタイヤ加硫機で加硫成形す
ることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
【請求項４】左右のビードコアのそれぞれはタイヤ幅
方向断面内において並設されているワイヤ本数が、半径
方向の内周側に位置する部分より半径方向の外周側に位
置する部分の本数が少なくされて輪郭形状が楔形乃至三
角形のビードコアを用いてなることを特徴とする請求項
３に記載の空気入りタイヤの製造方法。