JP2000350959A - 粉体微粒化静電塗装方法とその装置、設備 - Google Patents

粉体微粒化静電塗装方法とその装置、設備

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JP2000350959A JP11199407A JP19940799A JP2000350959A JP 2000350959 A JP2000350959 A JP 2000350959A JP 11199407 A JP11199407 A JP 11199407A JP 19940799 A JP19940799 A JP 19940799A JP 2000350959 A JP2000350959 A JP 2000350959A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉体静電塗装プロセスの実用ラインにおい
て、被塗物に吹付けた塗料粉体のうち被塗物に塗着され
て形成される塗着粉体層の重量割合を表す塗着効率を画
期的に向上させる新規な粉体塗装装置及び方法を提供す
ること。更に塗着粉体層を加熱焼付けて形成される塗膜
厚の均一性を向上させ、被塗物の凹部における塗膜形成
性能である貫入性と、被塗物の裏面における塗膜形成性
能を示すつきまわり性を向上させ、塗膜表面平滑性を改
善し薄膜塗装を可能とすることによって塗料の節約を可
能にすること。 【構成】 高濃度の連続粉体流として粉体塗料を供給
し、該粉体塗料流中で交差衝突する粉体流速度より高速
な薄層気体剪断層噴流によって生成した粉体塗料の微粒
化気粉2相流を、搬送・荷電して帯電微粒化塗料粉体ク
ラウドを生成させ、その中に被塗物を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉体塗料を帯電させ
被塗物上に塗料粉体層を塗着した後焼付けて塗膜を形成
する所謂静電粉体塗装工程において、被塗物に適用する
粉体塗料のうち、有効に被塗物に塗着されて粉体層を形
成する塗料の比率即ち塗着効率を大幅に向上させ、焼付
後の塗膜の膜厚分布の均一性と平滑性にすぐれ、薄膜塗
装とそれによる塗料の節約を可能とする静電粉体塗着方
法と、それに使用される装置および設備に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体塗料は、通常その使用目的に
応じて所要粒度分布をもつバルク状で、プラスチック袋
に密封されカートンに収容し、または防湿力のあるドラ
ム缶に収容するなどして製造提供され、これの保管・輸
送・ハンドリング等の過程がメーカ・ディーラ・ユーザ
夫々において繰り返され、最終的に粉体塗装機の塗料容
器に装入されて、被塗物に静電塗着され粉体層を形成す
る。粉体塗料は電気抵抗の著しく高い微粉であり、特に
最近は塗膜の平滑性の向上や薄膜化による塗料の節約等
を目的として、更に微粉化の傾向にあり、前述の過程を
経て粉体塗装機の塗料容器に投入される粉体塗料は、殆
どの場合製造時の個別粒子の集合体ではなく、フアンデ
ルヴァルス力や静電気力などによって個別粒子が数個な
いし数十個程度凝集してできたクラスターを多く含む集
合体として、バルク粉体を形成している。
【0003】粉体塗装機の塗料容器(以下塗料容器と略
称)中の粉体塗料には、エヤによる流動化・かくはん・
加振等の手段が適用されるのが通常であるのでこれらに
よる帯電等によって更にクラスタの形成が促進され、塗
料容器中の粉体塗料は製造当初の粒度分布とは異なり実
質的にはかなり粗大化した粒度分布をもつクラスターの
集合体としてのバルク粉体に変質する。
【0004】粉体静電塗装の工程は、エヤによる塗料粉
体の搬送・コロナ放電やトリボ帯電による塗料粉体の帯
電・塗料帯電クラウドの形成と塗着、の三つの主要プロ
セスを含み、溶剤塗料による静電塗装に比較して塗着効
率と塗膜の平滑性に劣るというのがつとに指摘されてき
た問題点である。しかしその原因をクラスタ形成による
塗料粒子の粗大化に求めて対策を講じた粉体静電塗装シ
ステムは殆どなく、唯わずかに粉体静電ガンの尖端部に
せまい円環流路を設け、この中で塗料粉体を空気によっ
て高速旋回させクラスタの解砕をはかる方式がある。し
かしこの方式は吐出粉体がひろがるうえに、対象塗料に
対する汎用性がなく、塗料粒子に作用する遠心力によっ
てガンヘッド内面に塗料が蓄積すること等の問題によ
り、保守が面倒になるという問題が発生することもあ
り、被塗物が広い面状の場合には適するが、高度な入り
込み性が必要となる複雑な形状の被塗物には適しないと
いう問題点もある。
【0005】従来技術による殆どの粉体塗装機の塗料供
給手段としては、塗料容器からノズルとスロートより成
るインジェクタと塗料ホースを接続しその先に粉体静電
ガンを設けたシステムが使用される。このシステムの内
クラスターの解砕に有効なのは、ノズルから吹込まれる
圧縮空気がバルク粉体を伴ってスロートを通過する部分
であるが、この時の空気速度はシステム全体の要請から
20m/秒〜70m/秒の範囲であって、しかも高速の
場合には搬送する粉体塗料の供給量も多いのが通常であ
るので、70m/秒の最高速の場合でも80%以上クラ
スタを解砕することは通常不可能であり、残存するクラ
スタが、粉体静電塗装の塗着効率と塗膜平滑度を悪化さ
せる。塗料ホースおよび粉体静電ガン内の搬送気体速度
は通常10〜25m/秒程度であって、クラスターの解
砕には殆ど無効であり、逆に凝集によりクラスタの生成
をおこす場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】粉体静電塗装機の塗料
容器中の多量のクラスターを含むバルク粉体を、製造さ
れたときの粒度分布(通常液体中に超音波等で強制分散
させて測定した粒度)になるべく近い粒度分布にまで微
粒化することによって、高い塗着効率、塗膜厚分布と平
滑度の良好な塗膜が得られ、必要に応じて薄膜塗装も容
易にできる塗料の節約が可能な構造簡単・運転容易で汎
用性に富む新規な粉体静電塗装システムを実現すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための第
一手段は、微粒化手段に高濃度の塗料粉体を導入する粉
体導入手段を設けることであり、粉体は、粉体単独・気
体流動化粉体・高濃度気体搬送粉体の何れかの状態で高
濃度の粉体流を形成して、微粒化手段に導入される。
【0008】第二の手段は、微粒化手段によって、該粉
体流と交差する粉体流より高速な高速薄層気体剪断層噴
流を形成することであり、該気体流は、通常、粉体流を
囲む微粒化手段の管路の管壁から粉体流に向かいほぼ垂
直に偏平気体噴出口から吹き込まれ、粉体流中で交差衝
突し強力な乱流を形成するように構成し、該気体流が粉
体流の断面すべてにわたって、少なくとも一回以上存在
するようにすることである。該気体流は、偏平噴出口か
ら噴出させこれを薄層化することによって気体流内部の
粉体の分散に役立たないコア気流の割合を少なくし、高
速化してその両面にそってその接線方向の流速が急激に
変化している剪断層を形成する噴流−高速薄層気体剪断
層噴流−として粉体中のクラスターに有効に強力な剪断
作用を及ぼすことによってこれを微粒化し、粉体の加速
などに使われる割合を極少にすることができる。しか
も、微粒化用空気はすべて粉体流中で交差衝突するの
で、粉体を特定の方向に加速することがなく、保有する
エネルギーは高効率でほとんど粉体の微粒化のみに利用
される。また、粉体を管壁やディフューザー等に吹きつ
け、かえって付着や粒径の増大をおこしたりすることが
ない。
【0009】粉体クラスターの微粒化に適用される高速
薄層気体剪断層噴流は、微粒化手段の粉体流を囲む管路
の管壁の偏平吹込口から吹き込まれるので、管壁の吹込
口に近いほどその効果が高い。従って、粉体流を吹込口
のある管壁付近に誘導することにより、分散効果をより
有効に発揮させる場合もある。
【0010】微粒化手段によって、殆ど単独粒子にまで
微粒化された塗料粒体を含む気粉2相流は、多くの場合
ノズルとスロートより成るインジェクタとそれに続く塗
料ホースによって希釈搬送され、塗料ホース尖端の静電
粉体ガンによって荷電吐出されて、微粒化帯電塗料粉体
クラウドを形成し被塗物上に静電塗着され静電塗着粉体
層を形成し、次いで加熱焼付工程を経て本発明による粉
体微粒化静電塗装工程が完成する。
【0011】本発明によって、微粒化帯電塗料クラウド
を形成する方式は、前述の被塗物に向かって静電粉体ガ
ンによって微粒化帯電粉体塗料クラウドを直接吹き付け
るものだけに限定されるものではなく、ブース内の広い
範囲に帯電塗料粉体クラウドを型成しその中を被塗物を
通過させ、帯電塗料粒子自体の電荷とその空間電荷電界
とによって塗着をおこなう所謂クラウドチャンバー方式
による粉体塗装工程を実施することもできる。
【0012】
【作用】本発明の作用は、クラスターを形成して実質上
粗大化している塗料容器中のバルク状塗料粉体を、通
常、塗料容器の塗料粉体搬送路の入口付近からインジェ
クタ以前において、微粒化手段を適用することによって
殆ど製造時の粒度分布にまで微粒化し、これによって微
粒化された気粉2層流として、インジェクタと塗料ホー
スによって希釈搬送し、静電粉体ガン等の帯電効果を著
しく向上させることによって、被塗物のまわりに形成さ
れる帯電塗料粉体クラウドの単位重量宛の電荷量即ち比
電荷Q/M(マイクロクーロン/グラム=μc/g)が
著しく改善される。
【0013】その効果は、例えば外部電界のないトリボ
静電ガンやクラウドチャンバー方式による静電粉体塗装
の場合には、粉体のクラスタを微細化すると、粉体が本
来持っている表面積と個数が最大となり粉体とトリボ荷
電装置との接触面積と接触回数が最大となるとともに、
帯電可能な粉体粒子の表面積も最大となるので、これら
の総合効果により塗料粉体の比電荷が最大となる。この
場合帯電粉体粒子を被塗物に向かって駆動する力は、帯
電塗料粉体粒子クラウドによって形成される空間電荷電
界強度と各粒子の持つ電荷量との積となるので、結局粉
体塗料の塗着効率の改善は、塗料粉体粒径の2乗に逆比
例して向上することになる。更に、塗料粉体の実質的微
粒化により、塗料粉体の流体力学的特性は、気体によっ
て受ける力が粒径の2乗に比例するのに対し、塗料粉体
の重量は粒径3乗に逆比例して減少するので、塗料粉体
の粒径が小さくなることによって、塗料粉体が著しく気
流に乗り易くなるので静電粉体ガンの気流吹付けによる
入り込み性の改善と、比荷電Q/Mの改善とが相俟って
入り込み性が要求される被塗物の部位における塗料の塗
着性も著しく改善され、更に重力による終端落下速度も
小さくなり、これによってブース内の塗料粒子の沈降速
度が小さくなり、同様の効果はクラウドチャンバー方式
の場合は、チャンバー内単位容積あたりの塗料粉体クラ
ウド濃度の向上として、塗着効率の向上や生産能力の改
善をもたらす。
【0014】本発明が塗料粉体荷電手段としてコロナ式
静電粉体ガンを含む場合の効果は、塗料粉体の微粒化に
よって帯電可能な表面積と粒子個数が増加することによ
り、ガンの帯電効率が向上して荷電塗料粉体のQ/Mが
改善され、これが、ガンに印加されている高電圧によっ
て、ガンと被塗物の間に形成される電界との相乗作用に
よって荷電塗料粉体の飛行が加速されて塗着効率の向上
がもたらされ、塗着粉体の被塗物への付着密度も向上す
る。更に、帯電塗料粉体粒子がガンより遠ざかって被塗
物に接近した領域においては、粒子の被塗物に向かう駆
動力は、被塗物付近の帯電粒子クラウドによる空間電荷
電界の効果が増加するので、これによりトリボ静電ガン
の場合と同様に塗着効率の向上がもたらされる。また、
くぼみのある被塗物や複雑な形状の被塗物の場合には、
Q/Mの向上によって、くぼみに入り込んだ帯電塗料粉
体クラウドの自己電荷と空間電荷電界によって、高効率
で密度の高い平坦な塗料粉体の強力な塗着粉体層が形成
される。
【0015】従来技術の場合にはクラスタの形成の結
果、比荷電Q/Mの小さいクラスタのまま粗大粒子がく
ぼみ部に貫入するので、塗料粉体の付着力が弱く、垂直
に近い面では塗料が滑り落ちて塗料粉体の塗着層形成が
なかなか起らず、他方水平部には比電荷Q/Mの小さい
粗大粒子が堆積し有効な塗着粉体層が形成されないの
で、塗膜厚の均一性が悪化すると同時に、多くの場合手
直し塗装が必要となり、塗膜厚分布、平滑性の悪化と工
程の生産能率の低下を招くこととなる。
【0016】また、被塗物の背面には通常ガンから吹出
される搬送空気流が到達しないが、コロナガンヘッドに
印加される高電圧による電気力線は、搬送空気に影響さ
れず被塗物のコロナガンの裏側にも回りこむ。本発明に
よれば、従来技術の粗大でQ/Mが小さい塗料粉体に比
較して大きな比電荷Q/Mをもった本発明による微粒化
した塗料粉体は、電気力線乗って被塗物の裏側に廻り込
んで塗着される比率が大きくなるので、塗料のつきまわ
り性が改善され、これも塗膜厚の均一化と塗着効率の向
上に大きな寄与をなす。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による粉体微粒化静電塗装
方法とその装置および設備の実施の一例を図1に示し
た。図1は本発明の基本的構成の一例で、近年多用され
る様になってきた、カートン入の少量の粉体塗料から直
接塗料を吸引して、静電粉体ガンで塗着をおこなう方式
に本発明を適用した例の要点を略示したものである。図
1において、粉体塗料容器7(通常はプラスチック袋入
カートンを加振台に載せたもの)中の粉体8は、メー
カ、ディーラ、工場等における度重なるハンドリング、
輸送、貯蔵等の工程を経たうえ、粉体導入手段4への円
滑な塗料粉体導入をはかるための加振機9による振動等
によって、その大部分はクラスターとなり、製造時の単
独粉子の粒度分布より粗大化した粒度分布をもつバルク
粒体となっている。
【0018】図1において、ノズル20スロート21よ
り成るインジェクタ22に吹き込まれるノズルエヤ23
によって発生する吸引作用によって、塗料吸上部6を介
して多量のクラスターよりなるバルク粉体塗料8を、粉
体導入手段4を通して微粉化手段1に導入する。該微粒
化手段1の内部外周には、A−A断面図に示した様に粉
体導入手段4の上部に、その軸心に向かって閉口する偏
平流路11が複数個開口している。スペーサ12は偏平
気路の厚みを規定し、通常調圧器30と流体抵抗33に
よって定まる一定流量の微粒化エヤ3は前記偏平流路1
1を通って粉体導入手段4中の粉体に、秒速20〜10
0m/秒程度、通常50〜80m/秒の高速で吹込ま
れ、高速薄層気体剪断層噴流10となり、その強力な剪
断作用によって、粉体流4に含まれるクラスターを個別
粒子に微粒化する。
【0019】そのとき微粒化に使用された微粒化エヤ3
は、微粒化の結果生成した微粒化粉体間に混在して個別
分離を保持するために、塗料吸上部6中のエヤ速度は1
0〜20m/秒程度が適当であり、これによって粉体を
バルクのままでインジェクタ22のスロート21に送入
した場合に比較して、塗料粉体がよく微粒化したうえ
に、微粒化エヤによく分散し、従来技術にみられるバル
ク粉体をそのままインジェクタに送入した場合に比較し
て、容積が通常30倍程度に増加してスロート21に軸
対象によく分散して送入されるので、エジェクタ22の
微粒化エヤ3による吸引性能の低下は殆ど問題にならな
い。
【0020】従来技術においては、図1に対応する場合
には、容器中のバルク塗料粉体をそのまま、或いは塗料
吸上部下端付近に設けられた部分流動化手段によって流
動化状態でインジェクタに送入するのが通常である。こ
の場合にはインジェクタスロートに吸入された塗料粉体
が、スロートに対して例えば下側に偏流するので、スロ
ート中でノズルから噴出するノズルエヤによるバルク粉
体の微粒化効果は35〜70%程度しか期待できない。
従来の静電粉体塗装においては、殆どの場合塗料粉体塗
料容器におけるクラスタ生成による塗料粉体の実質上の
粗大化が粉体静電塗装プロセス及ぼす悪影響を考慮して
いないが、これは、インジェクタスロート内の高速気流
によって、塗料粉体が製造時の塗料粉体の程度にまで分
散されることを仮定していることに由来するものと考え
られる。しかし実際にはこの仮定は、静電粉体塗装プロ
セスの高性能化の前提条件とすることはできないことの
解明が、本発明完成の端緒となった。
【0021】図1において、微粒化エヤ3は流量設定手
段30,33によって通常一定値に設定され、高速薄層
気体剪断層噴流10は偏平流路11の流体抵抗によって
均等に分配され、各噴出口2の吹込速度は常に均等に所
定値に維持される。同時に、図1のA−A断面図より明
らかなように、高速薄層気体剪断層噴流10は、粉体流
4に対してその断面全体にわたって存在するので、微粒
化作用が粉体流4の細部にわたって必ずおこなわれ、し
かも気体流同士のみが粉体流4の中で衝突し、決して管
路やディフューザー等の固体に向かって粉体を吹き付け
たり旋回流による遠心力によって管路の内壁に押しつけ
たりすることがない。従って、低融点粉体における衝突
溶着や、強度の弱い粉体の破壊、装置の磨耗、付着層の
生成などの問題を起こすことがない。
【0021】図1において、偏平流路11の厚みは0.
1〜1mm程度が通常適用され、微粒化エヤが極めて薄
いので、微粒化エヤの内部の粉体の分散に有効に作用し
ないコア気体流の割合が少なく、剪断が気体流の両面で
有効におこなわれるので、クラスターに対し大きな微粒
化剪断力が得られる。従って、各噴出口2におけるエヤ
吹込速度は25〜100m/秒程度と、それ程大きくと
る必要がない場合が多く、所要空気量も少なく、例え
ば、気体に対する粉体の重量混合比Γにして20〜10
程度と少なくてすむ。また、機械的構造が簡単で磨耗す
る部分がないので、テフロンや高密度ポリエチレンなど
の非付着性材料で装置を作ることができ、組立調整が極
めて容易で保守点検の必要が殆どなく、簡単小型な装置
であるという大きな特徴を有する。
【0023】本発明による粉体微粒化静電塗装システム
においては、図1において、塗料粉体供給の調整は、ノ
ズルエヤバルブ27によってノズルエヤ23を調整する
ことによっておこなわれ、塗料ホース35中の搬送速度
の調整のためには、インジェクタ出口にサブエヤ24を
吹込むことによっておこなうことができ、システムの基
本構成としては、従来技術によるインジェクタシステム
を、そのまま適用することができる。しかし高塗着効
率、塗膜厚分布の均一性、塗膜平滑性等に勝れた高度な
粉体塗装の実施には、塗料搬送空気量の計測制御管理も
極めて重要であって、図1のインジェクタ駆動システム
及び図2のインジェクタノズルおよびノズルエヤバルブ
の特性図は、これの実施について示したものである。
【0024】図2は、図1において搬送圧力計32に示
される圧力が所要圧になる様に、搬送エヤ29を定圧弁
28によって所定圧に保持した場合のノズル20とノズ
ルエヤバルブ27の合成流体抵抗を、ノズルエヤバルブ
の開度を横軸Xに、ノズルエヤ23の流量(N/分)M
を示す特性曲線M=f(X)でこれを表し、X及びMの
最大値をXm、Ymとする。この時サブエヤ流体抵抗2
5とサブエヤバルブ26の合成流体抵抗が、図2と同様
にサブエヤバルブ開度をX軸に、サブエヤ24の流量
(N/分)SをY軸にとって、その特性曲線SがS=Y
m−f(Xm−X)となる様に構成し、ノズルエヤバル
ブ27の開度をXとしたときにサブエヤバルブ26の開
度が常にXm−Xとなる様に、逆動作の連動手段54に
よってノズルエヤバルブとサブエヤバルブを連結する
と、塗料ホース35中の搬送空気量は、常にYm+微粒
化エヤに等しい一定値となり、これはノズルエヤバルブ
27サブエヤバルブ26の何れを操作しても変化せず、
定圧弁28の操作によって、搬送圧力計32の指示によ
り自由に設定することができる。この場合28は通常の
バルブを適用し、これに上流の共通圧力調整手段による
調整圧を供給してもよい。
【0025】この場合、粉体塗装装置で使用される0.
5〜5kg/cmの範囲の圧縮空気に対しては、イン
ジェクターノズル及びサブエヤ流体抵抗に適用される内
径0.5〜2.5mm、長さ1〜10mm程度の細管に
おける、圧力降下P(kg/cm)と流量F(N/
分)との間には、実験的にF=AP+C(但A,Cは定
数)との関係が存在するので搬送圧力計32は、搬送空
気量乃至は塗料ホース内搬送速度を示す等間隔目盛で目
盛ることができ、運転管理上極めて便利である。またこ
の様にすることによってノズルエヤバルブ27及びサブ
エヤバルブ26を操作して、ノズルエヤとサブエヤの比
率を調整して一定の搬送空気量のもとで塗料供給量を広
範囲にわたって設定・変更することが容易であるので、
塗料粉体流量計を含む系においては、その出力を設定値
と比較してその差を増幅した出力でノズルエヤバルブを
フィードバック制御して塗料供給量の自動制御をするこ
とができ、この場合搬送空気量は塗料供給量とは独立に
定圧弁28によって所定の値を得ることができ、また搬
送空気量を搬送圧力計32によって知ることができ、こ
れは本発明の粉体微粒化塗装システム以外にも広い適用
範囲をもつ、新しい別の発明である。
【0026】図1図2に示した実施例において、微粒化
手段1によって殆ど製造時の単独粒子にまで微粒化され
た塗料粉体は、インジェクタ22において、ノズルエヤ
23及びサブエヤ24によって均一に分散懸濁希釈され
た気粉2相流19となって、塗料ホース35を通って搬
送され粉体ガン36によって荷電吐出される。この場
合、通常の粉体静電塗装システムにおいては、搬送エヤ
の塗料ホース及び静電粉体ガン吐出までの通過所要時間
は1秒程度乃至はそれ以下であって、本発明によれば、
通常の平均粒径40μ以下の粉体塗料の場合には、塗料
粉体が微粒化して搬送エヤによく分散懸濁して低濃度と
なって搬送エヤと殆ど同一の速度で搬送されるので、塗
料ホース35静電粉体ガン36の通過に必要な1秒乃至
はそれ以下の搬送時間内におこる塗料粉体の凝集再結合
は、実用上無視することができる。
【0027】これに対し、従来技術による粉体静電塗装
システムにおいては、インジェクタによって塗料ホース
内を搬送される塗料粉体のかなりの部分をなす粗大なク
ラスタが、重力や塗料ホースの曲がりによる遠心力によ
って塗料ホース内搬送エヤと分離して偏った高濃度低速
搬送されることが多くなり、その結果、塗料粒子の凝集
再結合が起って塗料粒子が更に粗大化し、結局これが静
電粉体ガンの著しい性能低下を招くことになり、これは
静電粉体ガン自体の改良によって解決することの極めて
困難な問題である。
【0028】図1に示した本発明の実施例において、静
電粉体ガン36は、従来公知のコロナ式、トリボ式、あ
るいはこれらの複合式の荷電分散吐出手段を有するあら
ゆる方式の静電粉体ガンを適用することができ、通常粉
体塗装ブース53内に、被塗物40に向かって、帯電微
粒化塗料粉体クラウド47を吐出形成する。被塗物40
はコンベヤ41によって、ブース53中に形成された帯
電微粒化塗料粉体クラウド47を通過してその表面に帯
電塗着粉体層が形成され、必要に応じて、矢印39に例
示した静電粉体ガンの位置や方向を操作変化させるため
のレシプロケータ、ロボット等が適用される。静電粉体
ガン36には、必要に応じて粉体ガンエヤ37が供給さ
れ、これは例えば、公知のコロナ式の放電電極保護エ
ヤ、トリボ式の帯電補助エヤ等であり、38はコロナ式
静電粉体ガン用の電源乃至はトリボ式静電粉体ガンの電
流計等である。
【0029】以上図1図2によって詳細に説明したごと
く、本発明によれば、塗料粉体容器7内の塗料吸上部入
口の粉体濃度の高い部位に、バルク塗料粉体8の新規な
微粒化手段1を設け、塗料ホース35内の搬送空気量の
調節設定容易な新規なインジェクタシステム22及びそ
の関連機器25,26,27,54,28,32等によ
って、少量の微粒化エヤ3により、塗料粉体が製造され
たときとほぼ同一の粒度分布をもつ、従来技術に比較し
て実質上微粒化された塗料粉体を、粉体静電ガンからよ
く分散された状態で安定に吐出することが可能となっ
た。
【0030】その結果、静電粉体ガンとして、コロナ式
トリボ式及びその複合方式等の周知の静電粉体ガンにお
いて、
【作用】の項において詳細に述べた機構・作用により、
粉体塗装技術発展過程において際立った改善のみられて
いない塗着効率の向上に著しい効果をもたらす。具体的
には、被塗物・ブース・コンベヤ・レシプロケータ・静
電粉体ガン機種・運転条件−塗料供給量・ガン印加電圧
・塗料ホース・塗料搬送空気量・塗料吐出パタン−が同
一の場合、本発明による微粒化手段1の適用によって、
被塗物に塗着される粉体の重量が、微粒化手段1を適用
しない従来技術による場合に比較して実用ラインにおい
て10〜50%増加する。塗着粉体重量の増加は、被塗
物によって異なり、一般的に言って従来技術による塗着
効率が低い場合ほど、塗着粉体重量の増加効果が著し
く、塗膜厚の均一性、つきまわり性、塗膜平滑性も向上
する。以上の説明において、従来技術によって所望の膜
厚が得られていた場合には、本発明による塗着粉体の重
量増加割合に相当する割合だけ、塗料粉体の吐出量を減
少させても、従来技術の場合と同等またはそれ以上の塗
料塗着量が得られ、従来技術による場合に比較して、塗
膜厚の均一性、つきまわり性、塗膜平滑性等が向上す
る。
【0031】本発明は微粉化手段1を、図1に示したよ
うに、粉体塗料容器7よりバルク粉体を短い粉体導入手
段4によって導入して微粉化する場合だけに限定される
ものではない。図3、図4、図5、図6、図7は、本発
明の微粉化手段1の適用方式に関する他の実施例につい
て述べたものである。
【0032】図3は、粉体塗料容器7中で多孔板15を
介して与圧室14を通して流動化エヤ13によって流動
化された流動化粉体16を、長い粉体導入手段4によっ
て粉体塗料容器7の上外部にインジェクタ22の作用に
より搬送エヤ29により吸い上げて微粒化手段1に導入
し、微粒化エヤ3によって図1と同様にして微粒化し
て、塗料ホース35を介して微粒化気粉2相流19を図
では省略した静電粉体ガンに搬送する別の本発明実施例
を示したもので、図1と同様に
【作用】の項において詳述した機構・作用により、図1
と同様にして本発明を実施することができる。インジェ
クタ22は図1に示した方式を適用することによって、
最高度に本発明の効果を発揮させることができるが、従
来技術による通常のインジェクタを利用することもでき
る。
【0033】図4は、粉体塗料容器7中で多孔板を介し
て与圧室14を通して流動化エヤ13によって流動化さ
れた流動化塗料粉体16を、モータ18によって駆動さ
れるスクリュー17によって粉体塗料容器7より引出
し、これを微粒化手段1によって微粒化エヤ3によって
微粒化し、インジェクタ22によって、塗料ホース35
によって微粒化気粉2相流19を、図では省略し静電粉
体ガンに搬送して、図3と同様に本発明を実施すること
ができる。図4で適用される微粒化手段1は図1と同様
な構造に上から下へ逆に粉体を通してもよいし、スクリ
ュー17の終端付近にオーバーフロー手段等を介して、
下から上に粉体を通すように微粒化手段1を適用しても
よい。モータ18はその回転数の設定制御によって、塗
料粉体供給量を嵩比重を仮定して設定制御する目的で利
用されることもある。
【0034】図5は、図4と同様にして流動化された流
動化塗料粉体16を、モータ18によって駆動されるテ
ーブルフィーダ34によって流動化塗料粉体16を引出
し、これを微粒化手段1によって微粒化エヤ3によって
微粒化してインジェクタ22によって静電粉体ガンに微
粒化塗料粉体を搬送して本発明を実施する場合の例示で
あり、図1、図3、図4、図5においては、同一の機能
については同一の番号を付してある。また図4、図5の
実施例においては、塗料粉体の流動化をしないで塗料容
器中のバルク粉体を直接引き出すことも実施可能であ
り、これらも本発明の範囲に含まれる。
【0035】図6は、本発明の別の実施例で、バルク状
粉体塗料8を逆円錐形の塗料容器内でかくはん機46を
かくはんモータ45により回転させつつ、その底部より
微粒化手段1によって塗料粉体を微粒化エヤ3により微
粒化して、インジェクタ22により静電粉体ガンに搬送
する。但し図4ではインジェクタ22はインジェクタ2
2の軸に直交する断面図によって示されている。
【0036】図4、図5において、流動化の困難な粉体
を扱う場合には、塗料容器7底部の多孔板15乃至はこ
れをキャンバスで代用してこれらに直接加振手段を適用
したり、これらの上部に接近したバルク粉体中にかくは
ん羽根を設けたり、多孔板上に接近したバルク粉体中に
加振手段を設けた網状部材を設けて流動化の改善をおこ
なう等の対策が適用される場合がある。しかしこれらの
方式は流動化の改善には有効であっても、塗料容器内バ
ルク粉体のクラスタ形成の解消には殆どの場合無効であ
り、多くの場合かくはんによる帯電等によって粉体塗料
のクラスタ形成を促進する。従って、この種の粉体塗料
容器も本発明の適用対象に含まれる。
【0037】図1、図2、図3、図4、図5、図6によ
って本発明の実施例に適用される粉体静電ガンは、粉体
静電ガンから吐出される微粉化塗料粉体帯電クラウドを
被塗物に向かって形成する方式は、ノズル型の粉体静電
ガンだけに限定されるものではなく、回転カップ、回転
ディスク等によって塗料粉体の分散と帯電を実施するあ
らゆる方式の粉体静電ガンを対象とするものであり、ま
たトリボ荷電やその他の方式のガン内部の荷電装置によ
ってあらかじめ帯電させた塗料粉体を、回転カップや回
転ディスクによって分散させて被塗物を包囲っする塗料
粉体帯電クラウドを形成するあらゆる粉体静電塗装装置
も、本発明の適用範囲に含まれる。
【0038】また、本発明は、図1乃至図6及び
【0037】において述べた、帯電塗料粉体粒子クラウ
ドを粉体ガン36によって吹き付ける粉体静電塗装方式
のみに限定されるものではなく、帯電塗料粉体粒子クラ
ウドをブース乃至はトンネルなどと呼ばれる空間に形成
保持し、更に必要に応じて、クラウドの帯電装置を設置
し、この中を被塗物を通過させることによって粉体静電
塗着をおこなう、静電粉体クラウド塗着と総称すべき方
式に、本発明を適用して高性能化した実施例を図7に示
した。図7では、図1乃至図6と共通の機能は同一の番
号を付してあり、通常粉体分散供給手段48はインジェ
クタを使用し、ブース底部の流動化粉体16を微粒化手
段1を介して吸い上げ、調整気流51と排気手段52の
調整等と荷電手段50によって、帯電塗料粉体クラウド
47を形成し、この中を被塗物40をコンベヤ4によっ
て通過させることにより塗着がおこなわれる。
【0039】図7に例示した本発明による静電粉体クラ
ウド塗着方式においては、微粒化手段1によって、塗装
空間に存在する帯電塗料粉体クラウド47が微粒化さ
れ、よく帯電しているので、重力による沈降速度が遅
く、気流の上向速度成分を小さくしたり、トンネル方式
のブースにおいては気流の水平速度成分を小さくするこ
とができ、塗料粉体のブース内有効領域滞留時間を長く
とり、同一容積中の粉体濃度の値を大きくすることがで
き、これによって生産能力の大きい装置を得ることがで
きる。その他の本発明によるこの方式に関する利得は、
図1乃至図6に関して述べたことと同様である。なお図
7によって例示した静電粉体クラウド塗着方式は、図7
の実施例だけに限定されるものではなく、例えば塗料の
供給は装置の下部からの方式以外に上部或いは側部より
の方式も実施可能であり、それに応じて排気及び塗料粉
体の回収方式も、既に公知の方式を含む適宜な変更が可
能であり、これらはすべて本発明に含まれる。以上に説
明したごとく、粉体塗料容器内の塗料粉体を微粒化手段
に導入するための手段には、図1〜図7に示した種々の
方法があり、これらは全体として粉体供給手段と総称す
ることができ、所期の目的を達成できるものであれば、
これらだけに限定されるものではない。
【0040】図6において、本発明による微粒化手段1
及び微粒化エヤ3を除いた従来技術による塗料供給シス
テムを、図1の1乃至9に示された本発明による塗料供
給システムの代わりに適用した従来技術による粉体静電
塗装ラインにおいて、被塗物40が、リブ深さ30mm
・幅45mm・長さ800mmのチャンネルで、これを
縦吊にしてコロナガン2台を上下動レシプロケータで駆
動し、製造時平均粒径35μの粉体塗料を各ガンの吐出
量100g/分、背面吸引ブースにおいて両ガンの中間
で180゜回転を適用して生産ラインを運転した場合、
被塗物に塗着された塗料粉体の重量は18gであった。
これを図1の塗料供給システム部に図3に示した本発明
による塗料供給システムを適用した本発明による粉体静
電塗装ラインにおいて、塗装供給システム以外はガン、
電源も含めて全く同一の機器・設備・運転条件とした場
合の塗着粉体重量は26gで44%増加し、入り込み
性、つきまわり性、塗膜平滑性も向上した。このテスト
法による各種被塗物に対する従来技術方式に対する本発
明方式による塗着粉体重量の増加割合は10%〜50%
であり、入り込み性、つきまわり性、塗膜厚の均一性、
塗膜平滑性も向上した。
【0041】本発明の実施にあたっては、微粒化手段1
を適用する塗料粉体は、バルク状又は、流動化状態等の
高濃度の場合が好適であり、したがって粉体流に関しイ
ンジェクタスロートより上流に設置されるのが通常であ
る。しかし粉体塗料容器とガンが接近している等の事情
により、インジェクタ下流の粉体濃度が高い場合にはイ
ンジェクタ下流乃至はガン内部に微粒化手段1を設置す
る場合もあり、このような場合も、ディフューザ乃至は
旋回気流等の作用により、塗料粉体が噴出口2に接近し
て高濃度となり微粒化が有効におこなわれる等の対策を
講ずる場合もあり、これ等も本発明の範囲に含まれる。
また、粉体塗料容器とガンが著しく接近している場合等
には、微粒化手段1の偏平流路11を粉体流に関して下
流側に向かって角度をつけることによって微粒化手段1
に弱い粉体搬送機能をもたせることができ、このような
場合も本発明の範囲に含まれる。以上の本発明に関する
説明においては、微粒化手段1、インジェクタ22等に
空気が適用される場合について説明したが、必要に応じ
て不活性ガス等の他の気体を適用することができる。
【0042】本発明による微粒化手段1の偏平流路11
は、図1に示したように、粉体流4に開口する相隣る偏
平流路口の両端が相接しているのを通常とし、大容量の
長期連続運転に適している。しかし粉体流4の供給量が
少ない場合等には必ずしもこの限りではなく、粉体流4
の中心軸に対して軸対象をなす放射線状の細孔を適用す
ることもできる。また、図1における偏平流路14が粉
体流4と全周で連通するようにした場合にも粉体クラス
ターの微粒化を実現することができ、本発明の一実施形
態であるが、図1に示した複数の流路に分割した方式が
粉体の攪拌乱流発生効果にすぐれ、少ない微粒化エヤで
良好な微粒化効果が得られる。
【0043】本発明に適用される粉体静電ガン36にお
いては、多くの場合コロナ放電ないしはトリボ荷電等の
粉体荷電手段が内蔵されている場合が多いが、クラウド
形成手段と粉体荷電手段とは分離設置されていてもよ
く、例えば図7においては粉体クラウドを形成するため
の粉体分散供給手段48と帯電手段50とは別置となっ
ている場合を例示している。しかし、必要に応じて粉体
分散供給手段48にも粉体荷電手段を内蔵させる場合も
あり、これも本発明に含まれる。
【0044】本発明は粉体静電塗装プロセスに適用し
て、その画期的性能向上をもたらすものであるが、本発
明を構成する要素・構成を適用して、クラスターを形成
して粗大化している乾燥粉体を少量の気体で微粒化して
帯電クラウドとして適用するあらゆる場合、例えば薬剤
の散布等に適用することができ、これらも本発明に含ま
れる。
【0045】
【発明の効果】本発明は塗料粉体を少量の微粒化エヤに
よって実質的に最大限に微粒化した単独粒子にすること
によって、粉体ガンにおけるコロナ荷電乃至はトリボ荷
電および静電粉体クラウド塗着において、帯電塗料粉体
の最高の比荷電Q/Mを実現し、塗料粉体クラウドが最
も静電粉体塗装装置の作る気流に乗り易く重力による沈
降を少なくすると同時に、帯電粉体クラウドの作る空間
電荷電界を最高にすることによって入り込み塗着性を改
善し、気流の少ない被塗物の裏側に存在するガン印加電
圧によるまわり込み電気力線による帯電塗料粉体粒子の
塗着によって塗料粉体のつきまわり性を改善し、更に塗
料粉体の微粒化と比電荷Q/Mの向上によって被塗物上
に形成される塗着粉体層の平坦化緻密化により、焼付形
成される塗膜の平滑性の向上と薄膜塗装の容易化、塗着
効率の画期的向上とそれによる塗料の回収再利用をしな
い所謂吹捨粉体塗装をも実現し、粉体塗装積年の問題点
を悉く解決した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粉体微粒化静電塗装方法とその装
置の構成を示す一実施例のシステム図である。
【図2】図1のインジェクタノズルおよびノズルエヤバ
ルブの特性を示す特性図である。
【図3】本発明による粉体塗料容器、微粒化手段、イン
ジェクタ部の構成の一実施例を示す部分的構成図であ
る。
【図4】本発明による粉体塗料容器、スクリューフィー
ダ、微粒化手段、インジェクタの構成の一実施例を示す
部分的構成図である。
【図5】本発明による粉体塗料容器、テーブルフィー
ダ、微粒化手段、インジェクタの構成を示す一実施例の
部分的構成図である。
【図6】本発明による内部かくはん型粉体塗料容器、微
粒化手段、インジェクタの構成を示す一実施例の部分的
構成図である。
【図7】本発明による静電粉体クラウド方式による粉体
塗装システムの断面構成図である。
【符号の説明】
1 微粒化手段 2 噴出口 3 微粒化エヤ 4 粉体導入手段、粉体流 7 粉体塗料容器 8 粉体 10 高速薄層気体剪断層噴流 11 偏平流路 12 スペーサ 13 流動化エヤ 16 流動化粉体 17 スクリュー 19 気粉2相流 20 ノズル 21 スロート 22 インジェクタ 23 ノズルエヤ 24 サブエヤ 25 サブエヤ流体抵抗 26 サブエヤバルブ 27 ノズルエヤバルブ 28 定圧弁 29 搬送エヤ 32 搬送圧力計 33 流体抵抗 34 テーブルフィーダ 35 塗料ホース 36 粉体ガン 40 被塗物 41 コンベヤ 46 かくはん機 47 帯電微粒化塗料粉体クラウド 48 粉体分散供給手段 50 荷電手段 53 ブース 54 連動手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に供給される高濃度の粉体流に対
    し、粉体流中で交差衝突する粉体流速度より高速な薄層
    気体剪断層噴流を、粉体流に向って吹き込んで粉体を微
    粒化した微粒化気粉2相流を形成し、該微粒化気粉2相
    流を搬送荷電して生成する帯電微粒化塗料粉体クラウド
    中に被塗物を保持することを特徴とする粉体微粒化静電
    塗装方法。
  2. 【請求項2】 粉体塗料を高濃度の連続粉体流として供
    給する粉体供給手段と、該粉体流中で交差衝突する粉体
    流速度より高速な薄層気体剪断層噴流を、粉体流に向っ
    て吹込む偏平気体噴出口を粉体流の外周に設けてなる粉
    体微粒化手段と、該粉体微粒化手段によって生成した微
    粒化気粉2相流を、搬送・荷電して帯電微粒化塗料粉体
    クラウドを生成する搬送・荷電クラウド生成手段とより
    成ることを特徴とする粉体微粒化静電塗装装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2によって生成
    する帯電微粒化塗料粉体クラウドを内包し、排気・塗料
    回収手段を有する粉体塗装ブースと、帯電微粒化塗料粉
    体クラウド中に被塗物を所要時間保持する被塗物搬送手
    段とより成ることを特徴とする粉体微粒化静電塗装設
    備。
  4. 【請求項4】 粉体供給手段がバルク粉体容器、また
    はバルク粉体容器と粉体引出の補助手段として粉体容器
    加振装置、部分流動化装置、かくはん装置、および粉体
    導入手段、スクリューフィーダ、テーブルフィーダ等を
    組合せた粉体供給手段であることを特徴とする請求項2
    記載の粉体微粒化静電塗装装置。
  5. 【請求項5】 粉体供給手段が流動化粉体容器、また
    は流動化粉体容器と粉体導入手段および粉体供給の補助
    手段として容器加振装置、かくはん装置、スクリューフ
    ィーダ、テーブルフィーダ等を組合せた粉体供給手段で
    あることを特徴とする請求項2記載の粉体微粒化静電塗
    装装置。
  6. 【請求項6】 微粒化気粉2相流の搬送手段が、ノズ
    ルとスロートよりなるインジェクタおよび塗料ホースよ
    り構成されていることを特徴とする請求項2、4、5記
    載の粉体微粒化静電塗装装置。
  7. 【請求項7】 インジェクタ出口にサブエヤ送入口を
    有することを特徴とする請求項6記載の粉体微粒化静電
    塗装装置。
  8. 【請求項8】 インジェクタのノズルエヤバルブとサ
    ブエヤバルブが逆動作の連動手段で連結され、ノズルエ
    ヤバルブの開度Xに対するノズルエヤバルブの流量特性
    f(X)に対して、サブエヤバルブの開度Xに対するサ
    ブエヤ流量特性がYm−f(Xm−X)であることを特
    徴とする請求項7記載の粉体微粒化静電塗装装置。
  9. 【請求項9】 インジェクタのサブエヤバルブの下流
    に、ノズルの圧力流量特性と同等の特性をもつ流体抵抗
    を設けたことを特徴とする請求項8記載の粉体微粒化静
    電塗装装置。
  10. 【請求項10】 インジェクタのノズルエヤバルブと
    サブエヤバルブに共通管路よりエヤを供給し、該共通管
    路に圧力調整手段と圧力計を設けたことを特徴とする請
    求項6、7、8、9記載の粉体微粒化静電塗装装置。
  11. 【請求項11】 帯電微粒化塗料粉体クラウドを生成
    する手段が、コロナ静電粉体ガン、トリボ静電粉体ガ
    ン、コロナ放電電極の何れか一つ、又はその組合わせに
    よってなることを特徴とする請求項2、3、4、5、
    6、7、8、9、10記載の粉体微粒化静電塗装装置お
    よび粉体微粒化静電塗装設備。
  12. 【請求項12】 帯電微粒化塗料粉体クラウドを生成す
    る手段が、レシプロケータ、ロボット等の操作手段を含
    むことを特徴とする請求項11記載の粉体微粒化静電塗
    装装置および粉体微粒化静電塗装設備。
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