JP2000348047A - 見学者案内支援装置 - Google Patents

見学者案内支援装置

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JP2000348047A
JP2000348047A JP11157394A JP15739499A JP2000348047A JP 2000348047 A JP2000348047 A JP 2000348047A JP 11157394 A JP11157394 A JP 11157394A JP 15739499 A JP15739499 A JP 15739499A JP 2000348047 A JP2000348047 A JP 2000348047A
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JP
Japan
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interest
knowledge
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JP11157394A
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English (en)
Inventor
Rieko Kadobayashi
理恵子 門林
Kenji Mase
健二 間瀬
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ATR Media Integration and Communication Research Laboratories
Original Assignee
ATR Media Integration and Communication Research Laboratories
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Publication date
Application filed by ATR Media Integration and Communication Research Laboratories filed Critical ATR Media Integration and Communication Research Laboratories
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 展示者側の知識と見学者の興味を仲介して不
特定多数の見学者向けに最適な展示情報を提供できるよ
うな見学者案内支援装置を提供する。 【解決手段】 システムAでは、展示物の構造概念を知
識空間構造として出力表示部3に表示し見学者が入力部
1を操作して興味のある知識空間構造を獲得したときに
制御部2は興味空間構造を形成し、元の概念構造と興味
空間構造を融合して興味知識融合空間構造を形成し、こ
れらの3つの構造を比較して見学者の興味に応じた展示
物を選択して選択信号をシステムBに出力する。システ
ムBでは、制御部4が選択された展示物に対応した仮想
展示物を見学に適した順に並び替えて出力表示部5に案
内表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は見学者案内支援装
置に関し、特に、博物館や美術館などの展示内容の構造
を可視化して見学者に見せ、見学者に対して最適な見学
コースなどを三次元表示して案内するような見学者案内
支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】日本には400館以上もの博物館がある
と言われている。これらの博物館を訪れる見学者は、年
齢,職業,国籍などの背景や訪問の目的,興味を持つ分
野などがさまざまに異なっている。しかし、現在の博物
館での展示は、このように千差万別の見学者に対して同
じものしか提供することができない。また、博物館が持
っているすべての情報を開示しても、見学者は情報の洪
水に飲まれてしまうばかりである。そのため、見学者は
興味のあることについて深く掘り下げて知る、あるいは
自分の視点で関心のあるものだけを中心に展示を見ると
いったことが難しいという問題がある。
【0003】そこで、本願発明者らは特開平11−25
02号公報において、知識の提供者と利用者との間の意
思疎通を仲介するために、知識や興味を融合して伝達す
る方法について提案した。
【0004】しかし、この方法では知識や興味を融合し
て伝達することはできるが、それを展示の見学の案内に
使用することができなかった。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、見
学者の興味に応じた展示物を選択したとき、選択された
展示物を見学に適した順に並び替えて案内できるような
見学者案内支援装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
展示物の提供者の知識と見学者の興味とを融合して見学
者に案内情報を提供するための見学者案内支援装置であ
って、展示物の概念構造を知識空間構造として可視化す
る可視化手段と、可視化された知識空間構造を見学者が
操作することにより見学者の興味を獲得して興味空間構
造を形成する興味獲得手段と、概念構造と興味空間構造
とを融合して興味知識融合空間構造を形成する興味融合
手段と、知識空間構造と興味空間構造と興味知識融合空
間構造とを比較して見学者の興味に応じた展示物を選択
する選択手段と、選択された展示物に対応した仮想展示
物を見学に適した順に並び替えて案内表示する案内表示
手段とを備えて構成される。
【0007】請求項2に係る発明は、展示物を可視化す
るとともに展示物の提供者の知識と、見学者の興味とを
融合する第1のシステムと、見学者に案内情報を提供す
るための第2のシステムとを備えた見学者案内支援装置
であって、第1のシステムは請求項1と同様の可視化手
段と興味獲得手段と興味融合手段と選択手段とを備え、
第2のシステムは第1のシステムに電気的に着脱自在に
設けられていて、さらに第1のシステムの選択手段から
選択信号が与えられたことに応じて、選択された展示物
に対応した仮想展示物を生成する生成手段と、生成され
た仮想展示物を見学に適した順に並び替えて見学順路を
表示する案内表示手段とを備えて構成される。
【0008】請求項3に係る発明では、知識は知識オブ
ジェクトの集合に複数の特徴属性が対応付けられてい
て、請求項1または2の可視化手段は知識オブジェクト
と各知識オブジェクトに対応する複数の特徴属性とが入
力され、これを統計処理して各知識オブジェクトおよび
特徴属性の相互関係を知識空間構造として可視化し、見
学者が自分の興味のある知識オブジェクトあるいは特徴
属性ないしその両方を指定したとき、指定された特徴オ
ブジェクトと特徴属性とに関連があるすべての知識オブ
ジェクトと関連する特徴属性を抽出し、これらの相互関
係を興味知識融合空間構造として形成する。
【0009】請求項4に係る発明では、請求項3の興味
獲得手段は、見学者によって指定された知識オブジェク
トと特徴属性のみに基づいて、統計処理によってそれら
の相互関係を興味空間構造として表現する。
【0010】請求項5に係る発明では、興味空間構造を
用いて見学者によって操作されなかった知識オブジェク
トとその特徴属性を併せて拡張興味空間構造として配置
する。
【0011】請求項6に係る発明では、知識空間構造と
拡張興味空間構造と興味知識融合空間構造とを比較し、
これらの空間のすべてに共通して含まれている知識オブ
ジェクトと特徴属性について、それらの任意の2つの組
合せのすべてについての正規化距離を各空間上で測定
し、測定された正規化距離を予め定めるしきい値に基づ
いて数種類の距離関係に量子化する。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態では、学芸員
の知識と見学者の興味を融合させ、見学者毎にカスタマ
イズされた新しい展示を構成する装置に、この発明を適
用した場合について説明する。
【0013】図1はオブジェクトと特徴属性との関連を
模式的に示した図であり、図2は特徴属性の重みを示す
図である。
【0014】展示室や展示物に付与されているすべての
説明文のように、ある一まとまりの知識を表現するもの
を知識オブジェクトと称し、その集合を図1に示すよう
に知識オブジェクト集合Ocとする。説明文に含まれる
複数のキーワードを特徴属性の集合Kcと称し、Kcで
示されている特徴属性には、それぞれ図2に示すように
重みwijが付与されている。ここで重みwijはたと
えば0.5,0.3…のような数値である。これらの知
識オブジェクトの集合Ocと特徴属性の集合Kcとによ
って学芸員の知識が構成されており、これらの集合Oc
とKcとの二次空間構造を統計手法(相対尺度法)によ
って可視化したものを知識空間と称する。
【0015】集合Ocに含まれる説明文オブジェクトの
中から見学者が興味を持つオブジェクトのみを選択する
ことによって、集合Ocの部分オブジェクト集合Ov
と、このOvの構成要素である説明文オブジェクトに含
まれるすべての重み付けの特徴属性Kvを生成する。こ
の場合OvとKvの二次元空間構造を統計手法(相対尺
度法)によって可視化したものを興味空間aと称する。
なお、図1においてKc−Kvの領域は部分オブジェク
ト集合Ovに全く含まれていない特徴属性の部分集合で
ある。
【0016】図1において、集合Omは部分オブジェク
ト集合Ovには含まれないが、特徴属性Kvに含まれる
特徴属性の全部または一部を含む説明文オブジェクトの
集合である。集合Ov- は特徴属性の集合Kvに含まれ
る特徴属性を一切含まないオブジェクトである。
【0017】興味空間上にOmのオブジェクトを配置し
たものを興味拡張空間と称する。また、説明文オブジェ
クトの集合OvとOmと特徴属性Kvに対して統計手法
(相対尺度法)を適用することによって、Ov集合機構
Omに含まれるすべての説明文オブジェクトと、Kvに
含まれるすべての特徴属性、すなわち図1のaとbの領
域に含まれるオブジェクトと特徴属性の関係を二次元空
間構造として可視化する。ここで、相対尺度法とは、複
数の数量化属性で構成されたオブジェクト集合が与えら
れたときに、オブジェクト同士の属性共有性と属性同士
の共起性を顕在化するようにオブジェクト集合と属性集
合にそれぞれ得点数量を与えることによって構造を可視
化する手法である。
【0018】上述の知識空間は、特徴属性Kvによって
束縛されているため、見学者の興味による制約を受けて
いる。しかし、一方で集合Omに含まれる説明文オブジ
ェクトによって、Kvに含まれるキーワード間によって
見学者によっては導入されなかった新たな関係が導入さ
れる。この関係はそもそも学芸員によって与えられたも
のであるので、結局この空間は学芸員の知識構造と見学
者興味を融合させることによって再構成した知識空間で
あるとみなせる。この空間を興味知識融合空間と称す
る。
【0019】この興味知識融合空間は、学芸員の知識構
造に基づく展示空間の単なる部分構造ではない。知識空
間には、集合Kvに含まれないキーワードによる関連が
含まれているが、興味知識融合空間からはこれらのキー
ワードによる寄与が削除されている。このことは、単に
一部の関連が削除されるのみならず、これらのキーワー
ドによって与えられる関連性によって覆い隠されていた
ような関連性を顕在化させる効果を持つ。この結果、興
味知識融合空間には知識空間にはなかった関連が現れる
可能性がある。
【0020】図3はこの発明の一実施形態の見学者案内
支援装置の全体の構成を示すブロック図である。図3に
おいて、見学者案内支援装置は、システムAとシステム
Bとから構成されている。システムAは展示の内容の構
造を可視化するとともに、見学者の興味を獲得するイン
タフェースとなる。システムBは見学者に対して仮想展
示を行なうものであり、システムAからオブジェクトI
Dが送られてくると自動的に見学の案内を行なう。
【0021】このために、システムAは入力部1と制御
部2と出力表示部3とを含み、システムBは制御部4と
出力表示部5とを含む。そして、システムAの制御部2
とシステムBの制御部4とはオブジェクトIDを送るた
めに電気的に着脱自在に接続されている。システムAの
入力部1はキーボードやフロッピィディスク読取装置な
どによって構成され、前述の知識オブジェクトや特徴属
性などを入力する。制御部2は入力された知識オブジェ
クトや特徴属性を後述の図4および図5に示すフローチ
ャートに基づくプログラム処理を行なったり、システム
BにオブジェクトIDを出力する。出力表示部3はディ
スプレイやプリンタなどによって構成され、前述の知識
空間や拡張興味空間や興味知識融合空間を形成する。
【0022】システムBの制御部4はシステムAからオ
ブジェクトIDを受取ると、後述の図6に示すフローチ
ャートに基づくプログラム処理を行なって展示中のオブ
ジェクトと仮想展示空間全体と見学者の位置の表示を行
なう。
【0023】図4および図5はシステムAの動作を説明
するためのフローチャートであり、図6はシステムBの
動作を説明するためのフローチャートであり、図7は知
識空間の一例を示す図であり、図8は拡張興味空間の一
例を示し、図9は興味知識融合空間の一例を示し、図1
0は知識空間構造と拡張興味空間構造と興味知識融合空
間構造との関連を示す図である。
【0024】次に、図1〜図10を参照して、この発明
の一実施形態の動作について説明する。
【0025】図4に示したステップ(図示ではSPと略
称する)SP1において、システムAの入力部1から知
識オブジェクト集合が入力され、制御部2に与えられ
る。制御部2はステップSP2において、各知識オブジ
ェクトから構文解析によりキーワードを抽出し、図2に
示すような重み付け特徴属性を抽出し、ステップSP3
において統計処理により知識オブジェクトと特徴属性を
空間構造として可視化し、図7に示すような知識空間構
造を出力表示部3によって表示する。
【0026】図7に示した知識空間構造は一例として国
立歴史民族博物館の常設展示室を引用したものであり、
個々の展示の説明文が知識オブジェクトとして可視化さ
れている。
【0027】利用者は図4のステップSP4において、
図7に示した展示空間を見て、入力部1のセレクトボタ
ンを操作し、たとえば「日本文化のあけぼの」,「王朝
文化」,「民衆の生活と文化」のアイコンをクリックし
て知識オブジェクトを指定する。制御部2はステップS
P5において、利用者によって指定された知識オブジェ
クトが含む特徴属性を一切含まない知識オブジェクトあ
るいはステップSP4で利用者によって指定された特徴
属性を一切含まない知識オブジェクトを破棄する。すな
わち、図1に示した集合Ov- の知識オブジェクトが破
棄される。
【0028】図7において、制御部2は利用者が知識オ
ブジェクトを指定していた場合、指定されたどの知識オ
ブジェクトにも含まれない特徴属性を破棄する。ステッ
プSP7において利用者が指定された知識オブジェクト
ないし特徴属性のみを用いて、統計処理によりそれらの
知識オブジェクトと特徴属性を空間構造として可視化す
る。さらに、ステップSP8において、ステップSp7
でできた空間上に、破棄されていない残りのすべての知
識オブジェクトと特徴属性を配置し、図8に示すような
拡張興味空間構造を形成して出力表示部3で可視化す
る。
【0029】ステップSP9において、拡張興味空間構
造上であるすべての知識オブジェクトと特徴属性を用い
て統計処理により空間構造として可視化し、図9に示す
ような興味知識融合空間構造を可視化する。
【0030】ステップSP10において、図7に示した
知識構造上の任意の2つの知識オブジェクトのすべての
組合せについて、その間の正規化距離を測定する。ここ
で、オブジェクトOiとOj(i≠j)の正規化距離d
ijはdij=(xij−x - /σ)で表わされる。但
し、xijは各空間におけるOiとOjの実測距離、x
- およびσは、それぞれ各空間における全オブジェクト
間の実測距離の平均と標準偏差である。
【0031】ステップSP11において、図8に示した
拡張興味空間構造上の任意の2つの知識オブジェクトの
すべての組合せについて、その間の正規化距離を測定す
る。また、制御部2はステップSP12において、図9
に示した興味知識融合空間構造上の任意の2つの知識オ
ブジェクトのすべての組合せについて、その間の正規化
距離を測定する。ステップSP13,SP14およびS
P15において、それぞれ測定した正規化距離に対し、
あるしきい値を用いてすべての知識オブジェクト対の距
離関係を、近い/遠い/中間の3つに量子化し、表1に
示すような距離変化パターンを得る。
【0032】
【表1】
【0033】図10は上述の距離変化を説明するための
図である。図10(a)に示す知識空間構造、図10
(b)に示す拡張興味空間構造および図10(c)に示
す興味知識融合空間構造のそれぞれに関して、AとBは
「遠い→遠い→近い」という関係にあり、AとCは「近
い→遠い→遠い」という関係にあり、BとCは「遠い→
遠い→遠い」という関係になる。
【0034】表1において、パターン1の「近い→近い
→近い」やパターン8の「遠い→遠い→遠い」という変
化は、学芸員と知識の空間においても利用者の興味の空
間においても同様に意識されたものであり、この装置に
よる融合の結果も変化がなく、利用者にとっても学芸員
にとっても発見がないといえる。前述図7〜図9に示し
た国立歴史民族博物館のデータでは、「日本文化のあけ
ぼの」と「イネと異人」などの組合せが1に相当し、
「道と旅」と「印刷文化」などの組合せが8に当たる。
【0035】パターン3の「近い→遠い→近い」という
変化は、学芸員が用意した知識空間では関連性が高いと
されていたにも拘らず、利用者の拡張興味空間では関連
性が薄れてしまったが、この装置によって再度近く配置
されることでその関連性が改めて利用者に伝えられるこ
とになると見ることができる。
【0036】従来の展示方法では、学芸員が伝えようと
したにも拘らず見学者が見落としたままになるものを、
この装置に支援によって見学者が発見できたと解釈でき
る。パターン3の例は、「道と旅」と「海浜の民」に見
ることができる。
【0037】上述の3パターンが見学者に発見されるも
のであったのに対して、パターン5の「遠い→近い→近
い」という変化は学芸員にとっての発見となる場合であ
る。学芸員が意識していなかった関連性が見学者によっ
て示され、この装置が見学者の意見を支持する形で両者
を融合したと考えることができる。これは学芸員にとっ
ては、見学者からのフィードバックによる新たな発見と
いえる。このような見学者から学芸員へのフィードバッ
クは、従来の博物館の展示においては困難であり、この
発明による仲介の注目すべき効果である。
【0038】パターン5の例として「東国と西国」と
「都市の大衆の時代」が挙げられる。ここで注意すべき
は、5のパターンが見学者にとって意味がないパターン
であるとは限らない点である。つまり、見学者から自分
の興味に応じた納得のいく結果が得られたのであり、こ
の実施形態の装置では、見学者の要望に応じたものを提
供できていると考えられるからである。
【0039】パターン3と5の場合は、学芸員もしくは
見学者のいずれか一方にとっては発見であるが、他方に
とってはわかっていたことをもう一方に教示したものと
考えられる。
【0040】パターン2の「近い→近い→遠い」という
変化とパターン7の「遠い→近い→近い」という変化
は、学芸員と見学者の双方が同様に関連性が高いもしく
は低いと意識していたものがこの装置によって反対であ
ることが明らかにされたという意味で、どちらにとって
も発見といえる。
【0041】パターン2の例としては、「文書と絵図は
あたる」と「都市の風景」が相当し、パターン7の例と
しては「律令国家」と「都市の繁栄」が相当する。特
に、パターン7の場合は、学芸員も見学者も関連が深い
とは意識していなかったものが、この装置によって両者
の知識と視点が融合されて初めて顕在化する関連であ
り、より有益な発見と考えられる。
【0042】パターン4の「近い→遠い→遠い」という
パターンは、たとえば「前方後円墳の時代」と「印刷文
化」に見られる。元の展示空間では関連度が高かった
が、見学者の興味空間では関連性が薄れ、この実施形態
による融合の結果もそのままであったというパターンで
ある。見学者にとって発見はなく、学芸員にとっても有
益とはなりにくい。
【0043】同様に、「都市の風景」と「産業と改革」
に見られる「遠い→近い→遠い」というパターン6も学
芸員にとっては元の知識空間と同じ結果が得られている
だけであり、見学者にとっては関連性が低くなる変化で
あるので、見学者,学芸員の双方にとってもあまり効果
的ではない例である。
【0044】図11はシステムAでの展示に関する知識
と興味を融合する機能の動作例を説明するための図であ
る。図5に示すステップSP7において、上述の如く8
パターンを得ると、ステップSP17において獲得した
知識空間11と拡張興味空間12と興味知識融合空間1
3とともにパターン分類14を図11に示す表示態様で
出力表示装置3で表示する。パターン分類として表示の
8つのパターンを示す番号と見学する展示物の個数が表
示される。
【0045】見学者がステップSP18において入力部
1を操作していずれかのパターンを選択すると、制御部
2はステップSP19において選択したパターンのオブ
ジェクトIDをシステムBに出力する。システムBで
は、図6に示すステップSP21において制御部4がシ
ステムAからオブジェクトIDが入力されたことを判別
する。ステップSP22で見学コースに応じた仮想カメ
ラ位置の動きをアニメーションとして生成し、ステップ
SP23で見学コースのスタートとエンドおよび中間の
見学すべきオブジェクトを近いものから順番に選んで設
定し、このように設定した見学コースをステップSP2
4で出力表示部5に表示する。
【0046】図12はシステムBの出力部分表示部5で
表示される例を示し、図13は図12の見学ルートの表
示例を示す。
【0047】図12に示すように、システムBの出力表
示部5にはエリア21に展示中のオブジェクトが表示さ
れ、エリア22には仮想展示空間全体が表示されるとと
もに、見学者の位置が表示される。仮想展示空間全体の
表示としては、図13に示すように、仮想展示空間全体
を三次元で各展示物を表示し、見学する順序を矢印で表
示することが考えられる。エリア23には、エリア21
に表示した展示中のオブジェクトの説明文が表示され
る。
【0048】なお、図3に示したシステムAとシステム
Bは展示空間の入口に設置しておいてもよく、あるいは
システムBをシステムAから切り離し、見学者が所持で
きるように携帯型として見学者がシステムBの表示され
た見学順序で見学するようにしてもよい。また、システ
ムBは各家庭内に設置しておき、システムAとの間はイ
ンターネットを利用してオブジェクトIDを受け取るよ
うにしてもよい。
【0049】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、展示
物の構造概念を知識空間構造として可視化し、見学者が
その構造概念を操作したときにその見学者の興味を獲得
して興味空間構造を形成し、元の概念構造と興味空間構
造を融合して興味知識融合空間構造を形成し、これらの
3つの構造を比較して見学者の興味に応じた展示物を選
択し、選択された展示物に対応した仮想展示物を見学に
適した順に並び替えて案内表示するようにしたので、展
示者側の知識と見学者の興味を仲介して、不特定多数の
見学者向けに最適な展示情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態で用いられるオブジェクト
と特徴属性の関連を模式的に示した図である。
【図2】特徴属性の重みを示す図である。
【図3】この発明の一実施形態の概略ブロック図であ
る。
【図4】この発明の一実施形態のシステムAの動作を説
明するためのフローチャートの前半部分を示す図であ
る。
【図5】この発明の一実施形態のシステムAの動作を説
明するためのフローチャートの後半部分を示す図であ
る。
【図6】この発明の一実施形態のシステムBの動作を説
明するためのフローチャートを示す図である。
【図7】知識空間の一例を示す図である。
【図8】拡張興味空間の一例を示す図である。
【図9】興味知識融合空間の一例を示す図である。
【図10】知識空間構造と拡張興味空間構造と興味知識
融合空間構造との関連を示す図である。
【図11】システムAでの展示に関する知識と興味を融
合する機能の動作例を説明するための図である。
【図12】システムBによる仮想展示空間での案内の動
作例を説明するための図である。
【図13】システムBによる展示空間の見学順路を可視
化した例を示す図である。
【符号の説明】
1 入力部 2,4 制御部 3,5 出力表示部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月31日(2000.3.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】そこで、本願発明者らは特願平11−25
02号公報において、知識の提供者と利用者との間の
意思疎通を仲介するために、知識や興味を融合して伝達
する方法について提案した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、展示物を可
視化するとともに展示物の提供者の知識と、見学者の興
味とを融合する第1のシステムと、見学者に案内情報を
提供するための第2のシステムとを備えた見学者案内支
援装置であって、第1のシステムは、展示物の概念構造
を知識空間構造として可視化する可視化手段と、可視化
された知識空間構造を見学者が操作することにより、該
見学者の興味を獲得して興味空間構造を形成する興味獲
得手段と、概念構造と興味獲得手段によって獲得された
興味空間構造を融合して興味知識融合空間構造を形成す
る興味融合手段と、知識空間構造と興味空間構造と興味
知識融合空間構造とを比較して、これらの空間のすべて
に共通して含まれている知識オブジェクトと特徴属性に
ついてそれらの任意の2つの組合せのすべてについての
正規化距離を各空間上で測定し、測定された正規化距離
を予め定めるしきい値に基づいて数種類の距離関係に量
子化してパターン化して見学者の興味に応じた展示物を
選択する選択手段とを含む。第2のシステムは第1の
システムに電気的に着脱自在に設けられていて、第1の
システムの選択手段から選択信号が与えられたことに応
じて、選択された展示物に対応した仮想展示物を生成す
る生成手段と、生成された仮想展示物を見学順路の少な
くとも最初と中間と最後で見学に適した順に並び替え
示する案内表示手段とを備えて構成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】好ましくは、知識は知識オジェクトの集合
に複数の特徴属性が対応付けられていて、可視化手段は
知識オブジェクトと各知識オブジェクトに対応する複数
の特徴属性とが入力され、これを統計処理して各知識オ
ブジェクトおよび特徴属性の相互関係を知識空間構造と
して可視化し、見学者が自分の興味のある知識オブジェ
クトあるいは特徴属性ないしその両方を指定したとき、
指定された特徴オブジェクトと特徴属性とに関連がある
すべての知識オブジェクトと関連する特徴属性を抽出
し、これらの相互関係を興味知識融合空間構造として形
成する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】より好ましくは、興味獲得手段は見学者に
よって指定された知識オブジェクトと特徴属性のみに基
づいて、統計処理によってそれらの相互関係を興味空間
構造として表現する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、展示
物の構造概念を知識空間構造として可視化し、見学者が
その構造概念を操作したときにその見学者の興味を獲得
して興味空間構造を形成し、元の概念構造と興味空間構
造を融合して興味知識融合空間構造を形成しこれらの
3つの構造を比較し、これらの空間のすべてに共通して
含まれている知識オブジェクトと特徴属性について、そ
れらの任意の2つの組合せのすべてについての正規化距
離を各空間上で測定した正規化距離を、予め定めるしき
い値に基づいて数種類の距離関係に量子化してパターン
化し、見学者の興味に応じた展示物を選択し、選択され
た展示物に対応した仮想展示物を見学順路の最初と中間
と最後とで見学に適した順に並び替えて案内表示するよ
うにしたので、展示者側の知識と見学者の興味を仲介し
て、不特定多数の見学者向けに最適な展示情報を提供で
きる。
フロントページの続き (72)発明者 間瀬 健二 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール知能映 像通信研究所内 Fターム(参考) 5B050 AA10 BA08 BA11 CA07 EA24 EA28 FA02 FA13 5B075 PP02 PP13 PQ02 UU16 5C082 AA03 CB01 DA87 MM05 MM10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 展示物の提供者の知識と見学者の興味と
    を融合して、該見学者に案内情報を提供するための見学
    者案内支援装置であって、 前記展示物の概念構造を知識空間構造として可視化する
    可視化手段、 前記可視化手段によって可視化された知識空間構造を前
    記見学者が操作することにより該見学者の興味を獲得し
    て興味空間構造を形成する興味獲得手段、 前記概念構造と前記興味獲得手段によって獲得された興
    味空間構造を融合して興味知識融合空間構造を形成する
    興味融合手段、 前記知識空間構造と前記興味空間構造と前記興味知識融
    合空間構造とを比較して、前記見学者の興味に応じた展
    示物を選択する選択手段、および前記選択手段によって
    選択された展示物に対応した仮想展示物を見学に適した
    順に並び替えて案内表示する案内表示手段を備えた、見
    学者案内支援装置。
  2. 【請求項2】 展示物を可視化するとともに前記展示物
    の提供者の知識と見学者の興味とを融合する第1のシス
    テムと、見学者に案内情報を提供するための第2のシス
    テムとを備えた見学者案内支援装置であって、 前記第1のシステムは、 前記展示物の概念構造を知識空間構造として可視化する
    可視化手段、 前記可視化手段によって可視化された知識空間構造を前
    記見学者が操作することにより、該見学者の興味を獲得
    して興味空間構造を形成する興味獲得手段、 前記概念構造と前記興味獲得手段によって獲得された興
    味空間構造を融合して興味知識融合空間構造を形成する
    興味融合手段、および前記知識空間構造と前記興味空間
    構造と前記興味知識融合空間構造とを比較して、前記見
    学者の興味に応じた展示物を選択する選択手段を備え、 前記第2のシステムは、前記第1のシステムに電気的に
    着脱自在に設けられていて、さらに前記第1のシステム
    の選択手段から選択信号が与えられたことに応じて、前
    記選択された展示物に対応した仮想展示物を生成する生
    成手段、および前記生成手段によって生成した仮想展示
    物を見学に適した順に並び替えて見学順路を表示する案
    内表示手段を備えた、見学者案内支援装置。
  3. 【請求項3】 前記知識は知識オブジェクトの集合に複
    数の特徴属性が対応付けられていて、 前記可視化手段は、前記知識オブジェクトと各知識オブ
    ジェクトに対応する複数の特徴属性とが入力され、これ
    を統計処理して各知識オブジェクトおよび特徴属性の相
    互関係を知識空間構造として可視化し、 前記興味獲得手段は、前記見学者が自分の興味のある知
    識オブジェクトあるいは特徴属性ないしその両方を指定
    したとき、指定された特徴オブジェクトと特徴属性とに
    関連があるすべての知識オブジェクトと関連する特徴属
    性を抽出し、これらの相互関係を興味知識融合空間構造
    として形成することを特徴とする、請求項1または2に
    記載の見学者案内支援装置。
  4. 【請求項4】 前記興味獲得手段は、前記見学者によっ
    て指定された知識オブジェクトと特徴属性のみに基づい
    て、統計処理によってそれらの相互関係を興味空間構造
    として表現することを特徴とする、請求項3に記載の見
    学者案内支援装置。
  5. 【請求項5】 前記興味獲得手段は、前記興味空間構造
    を用いて前記見学者によって操作されなかった知識オブ
    ジェクトとその特徴属性を併せて拡張興味空間構造とし
    て配置することを特徴とする、見学者案内支援装置。
  6. 【請求項6】 前記知識空間構造と前記拡張興味空間構
    造と前記興味知識融合空間構造とを比較し、これらの空
    間のすべてに共通して含まれている知識オブジェクトと
    特徴属性についてそれらの任意の2つの組合せのすべて
    についての正規化距離を各空間上で測定し、測定された
    正規化距離を予め定めるしきい値に基づいて数種類の距
    離関係に量子化することを特徴とする、請求項5に記載
    の見学者案内支援装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006268201A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Fujitsu Ltd 記事又は話題を管理するためのプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006268201A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Fujitsu Ltd 記事又は話題を管理するためのプログラム
JP4721740B2 (ja) * 2005-03-23 2011-07-13 富士通株式会社 記事又は話題を管理するためのプログラム

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