JP2000344974A - 耐油性の樹脂組成物 - Google Patents

耐油性の樹脂組成物

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JP2000344974A
JP2000344974A JP15761099A JP15761099A JP2000344974A JP 2000344974 A JP2000344974 A JP 2000344974A JP 15761099 A JP15761099 A JP 15761099A JP 15761099 A JP15761099 A JP 15761099A JP 2000344974 A JP2000344974 A JP 2000344974A
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polyphenylene ether
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resin
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Osamu Shoji
修 庄司
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエー
テル系樹脂よりなる樹脂組成物において、ポリプロピレ
ン系樹脂のブレンド組成比を高めることなく連続相がポ
リプロピレン系樹脂である、耐熱性に優れた耐油性の樹
脂組成物の提供。 【解決手段】 (a)重量平均分子量が800000以
下のポリプロピレン系樹脂と(b)重量平均分子量が1
0000以上のポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)
混和剤よりなり、(b)成分のMFR値に対する(a)
成分のMFR値を、(a)成分のMFR値≧(b)成分
のMFR値×1.5+1.6(g/10分)の式で導き
だされる値とし、(a)〜(c)成分の合計100体積
%中における(a)成分の含有量が5〜50体積%とな
るようなブレンド組成比で配合し、溶融混練して得られ
る連続相がポリプロピレン系樹脂である耐油性の樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車分野、電気
・電子分野、その他の各種工業材料分野で利用される耐
熱性、耐油性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル−ポリオレフィ
ン系ポリマーアロイに関してはこれまで数多くの提案が
なされている。例えば、米国特許第3361851号公
報明細書では、ポリフェニレンエーテルをポリオレフィ
ンとブレンドすることにより、耐溶剤性、耐衝撃性を改
良する提案がなされており、米国特許第3994856
号明細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェ
ニレンエーテルおよびスチレン系樹脂を水添ブロック共
重合体とブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の
改良に関する記載がある。
【0003】又、米国特許第4145377号明細書に
は、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニレンエー
テルおよびスチレン系樹脂をポリオレフィン/水添ブロ
ック共重合体=20〜80重量部/80〜20重量部か
らなる予備混合物および水添ブロック共重合体とブレン
ドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良に関する記
載があり、さらに米国特許第4166055号明細書お
よび米国特許第4239673号明細書には、ポリフェ
ニレンエーテルを水添ブロック共重合体およびポリオレ
フィンとブレンドすることによる耐衝撃性の改良が記載
されている。
【0004】そして米国特許第4383082号明細書
およびヨーロッパ公開特許第115712号明細書では
ポリフェニレンエーテルをポリオレフィンおよび水添ブ
ロック共重合体とブレンドすることにより耐衝撃性を改
良するという記載がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術によ
り得られるポリマーアロイ組成物は、ポリオレフィンの
有する耐薬品性とポリフェニレンエーテルの有する耐熱
性とのバランスの取れた樹脂組成物である。しかしなが
ら、ポリマーアロイ組成物は一般的に成分ポリマーのブ
レンド組成比によってモルフォロジーが変化するため、
ポリオレフィンの持つ耐薬品性・耐油性を保持させるた
めにはポリオレフィンのブレンド組成比を高める必要が
あり、その結果ポリフェニレンエーテルが本来有する耐
熱性や難燃性を損なうという欠点があった。
【0006】本発明は、ポリプロピレン系樹脂のブレン
ド組成比を高めることなく、連続相がポリプロピレン系
樹脂である耐熱性、難燃性に優れた耐油性の樹脂組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するため、溶融混練温度下でのポリプロピレン系樹
脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(MFR
値)差とブレンド組成比、および難燃性に関して鋭意検
討を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂のMF
R値に対して特定のMFR値を有するポリプロピレン系
樹脂、および混和剤を用いることで、ポリプロピレン系
樹脂のブレンド組成比を高めることなく耐油性に優れた
樹脂組成物をもたらすことを見出した。また、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂のブレンド組成比を高めたこと
で、従来技術では成し得なかった耐熱性と難燃性に優れ
た耐油性の樹脂組成物をもたらすことを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、(a)重量平均分子
量が800000以下のポリプロピレン系樹脂と(b)
重量平均分子量が10000以上のポリフェニレンエー
テル系樹脂と(c)混和剤よりなり、且つ300℃、
2.16Kgの荷重で測定した(b)成分のMFR値
(以下(b)成分のMFRと略記する)に対する(a)
成分の300℃、2.16Kgの荷重で測定したMFR
値(以下(a)成分のMFRと略記する)を、(a)成
分のMFR≧(b)成分のMFR×1.5+1.6(g
/10分)の式で導きだされる値とし、そして(a)〜
(c)成分の合計100体積%中における(a)成分の
含有量が5〜50体積%となるようなブレンド組成比で
配合し、溶融混練して得られる連続相がポリプロピレン
系樹脂である耐油性の樹脂組成物、
【0009】および(a)重量平均分子量が80000
0以下のポリプロピレン系樹脂と(b)重量平均分子量
が10000以上のポリフェニレンエーテル系樹脂と
(c)混和剤と(d)難燃剤よりなり、(a)、(b)
成分のMFRを、(a)成分のMFR≧(b)成分のM
FR×1.5+1.6(g/10分)の式で導きだされ
る値とし、そして(a)〜(d)成分の合計100体積
%中における(a)成分の含有量が5〜50体積%とな
るようなブレンド組成比で配合し、溶融混練して得られ
る連続相がポリプロピレン系樹脂である難燃性を付与し
た耐油性の樹脂組成物を提供するものである。
【0010】本発明で用いる(a)ポリプロピレン系樹
脂は、結晶性プロピレンホモポリマーおよび、重合の第
一工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と
重合の第二工程以降でプロピレン、エチレンおよび/も
しくは少なくとも1つの他のα−オレフィン(例えば、
ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体部分を有する結晶
性プロピレン−エチレンブロック共重合体であり、さら
にこれら結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピ
レン−エチレンブロック共重合体の混合物であってもか
まわない。
【0011】かかるポリプロピレン系樹脂は、通常、三
塩化チタン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担
持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム
化合物の存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重
合圧力3〜100気圧の範囲で重合して得られる。この
際、重合体の分子量を調製するために水素等の連鎖移動
剤を添加することも可能であり、また重合方法としてバ
ッチ式、連続式いずれの方法でも可能で、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶
液重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無
溶媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での
気相重合方法などが適用できる。
【0012】また、上記した重合触媒の他に得られるポ
リプロピレンのアイソタクティシティおよび重合活性を
高めるため、第三成分として電子供与性化合物を内部ド
ナー成分または外部ドナー成分として用いることができ
る。これらの電子供与性化合物としては公知のものが使
用でき、例えば、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メ
チル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルなどのエステ
ル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチル
などの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホリックト
リアミドなどのリン酸誘導体などや、アルコキシエステ
ル化合物、芳香族モノカルボン酸エステルおよび/また
は芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素ア
ルコキシシラン、各種エーテル化合物、各種アルコール
類および/または各種フェノール類などが挙げられる。
【0013】本発明で供するポリプロピレン系樹脂のポ
リスチレン換算重量平均分子量は800000以下であ
る。重量平均分子量が800000を超えると流動性の
低下が著しく好ましくない。この重量平均分子量は通
常、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等によっ
て知ることができる。また溶融混練温度における溶融粘
度の調整は、得られる樹脂組成物のモルフォロジー形態
に重大な影響を及ぼすために非常に重要である。溶融混
練温度におけるポリプロピレン系樹脂の溶融粘度を示す
指標であるメルトフローレート(MFR)(300℃、
荷重2.16Kg)は、後述する(b)ポリフェニレン
エーテル系樹脂のMFRに対して、(a)成分のMFR
≧(b)成分のMFR×1.5+1.6(g/10分)
の式で導きだされる値である。
【0014】上記の式で導きだされるMFR値未満で
は、得られる樹脂組成物の連続相がポリフェニレンエー
テル系樹脂となり耐油性が損なわれ好ましくない。連続
相がポリプロピレン系樹脂であることは、溶融混練して
得られた樹脂組成物をクロロホルム等でエッジング処理
し、走査型電子顕微鏡で観察することで確認することが
できる。すなわち、ポリプロピレン系樹脂はクロロホル
ム等でエッジングされずに観察されるが、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂はクロロホルム等でエッジングされる
ため、連続相成分を特定することが可能である。また、
樹脂組成物のモルフォロジーは、超薄切片法透過型電子
顕微鏡写真撮影により確認することができる。
【0015】本発明のポリプロピレン系樹脂は、上記し
た方法で得られるものであればいかなる結晶性や融点を
有するものでも用いることができ、また結晶性や融点、
分子量の異なる数種類のポリプロピレンを併せて用いる
こともできる。
【0016】つぎに本発明で用いる(b)ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂は、下記構造式を有するポリフェニレ
ンエーテルである。ポリフェニレンエーテルは、それ自
体公知の化合物である。
【0017】
【化1】
【0018】上記式中、R1、R2、R3、およびR4はそ
れぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一級ま
たは第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル
基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少なく
とも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔て
ているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される
ものを表わし、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0019】該ポリフェニレンエーテルはポリスチレン
換算重量平均分子量が10000以上のホモ重合体およ
び/または共重合体である。重量平均分子量が1000
0未満であると、流動性に優れるものの生産性や色調の
低下を招き好ましくない。この重量平均分子量は通常、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等によって知
ることができる。
【0020】このポリフェニレンエーテルの具体的な例
としては、例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6
−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等
が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他の
フェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノ
ールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合
体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられ
る。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さ
らにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)が好ましい。
【0021】かかるポリフェニレンエーテルの製造方法
は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば、米国特許第3306874号記載
のHayによる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触
媒として用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合
することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許
第3306875号、同第3257357号および同第
3257358号、特公昭52−17880号および特
開昭50−51197号および同63−152628号
等に記載された方法で容易に製造できる。
【0022】また、本発明で用いるポリフェニレンエー
テル系樹脂は、前記したポリフェニレンエーテルのほか
に、該ポリフェニレンエーテルとα,β−不飽和ジカル
ボン酸およびその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、
非存在下で溶融状態、溶液状態で80〜350℃の温度
下で反応させることによって得られる公知の変性ポリフ
ェニレンエーテルでもよく、さらに前記したポリフェニ
レンエーテルと該変性ポリフェニレンエーテルの任意の
割合の混合物であってもかまわない。
【0023】さらに、本発明で用いるポリフェニレンエ
ーテル系樹脂は上記したポリフェニレンエーテルのほか
に、これらポリフェニレンエーテル100重量部に対し
てポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレンも含
む)またはハイインパクトポリスチレンを400重量部
を超えない範囲で加えたものも好適に用いることができ
る。
【0024】本発明で用いる(c)混和剤は、(a)ポ
リプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系
樹脂を溶融混合した際に、(b)ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を(a)ポリプロピレン系樹脂中に好適に分散
させる能力を有すものであれば何ら限定されずに使用で
きる。
【0025】例えばプロピレン重合体にスチレン重合体
鎖をブロック状に結合したブロック共重合体やグラフト
共重合体(以下、ポリプロピレン−ポリスチレンブロッ
ク共重合体と略記する)、プロピレン重合体にポリフェ
ニレンエーテル重合体鎖をブロック状に結合したブロッ
ク共重合体やグラフト共重合体(以下、ポリプロピレン
−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体と略記す
る)、スチレン−ブタジエンおよび/またはイソプレン
共重合体を水素添加反応して得られる水添ブロック共重
合体等が好ましいものとして挙げられる。
【0026】なかでも本発明で(c)混和剤として好適
に用いることができるブロック共重合体は、得られる樹
脂組成物への衝撃強度を付与する効果も兼ねたビニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物の水素添加物であり、少
なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくと
も1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体
を水素添加してなる水添ブロック共重合体がより好まし
く、例えば、A−B、A−B−A、A−B−A−B、
(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構造を
有する水添ブロック共重合体が好ましい。
【0027】このブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以
上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役
ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み
合わせが好ましい。
【0028】そして、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックの1,2−ビニル結合量及び3,4−ビニ
ル結合量の合計量(以下ビニル結合量と略記する)は4
0%以上が好ましく、さらに好ましくは、ブタジエンを
主体とする重合体ブロックにおいては、ビニル結合量が
65〜90%、より好ましくは70〜85%である。ま
た、イソプレンを主体とする重合体ブロックにおいて
は、好ましくはビニル結合量が45%以上、より好まし
くは45〜90%である。
【0029】また、ブタジエンとイソプレンの組み合わ
せよりなるランダム,テーパード(分子鎖に沿ってモノ
マー成分が増加または減少するもの),ブロック共重合
体等の共役ジエン化合物より成る重合体ブロックにおい
ては、好ましくはビニル結合量が45%以上、より好ま
しくは45〜90%である。このビニル結合量が40重
量%未満であるとポリプロピレン系樹脂とポリフェニレ
ンエーテル系樹脂の混和性が低下し、耐衝撃性、引張伸
度が低下し好ましくない。そしてこれらのビニル結合量
は通常、赤外分光光度計やNMR等で知ることができ
る。
【0030】この水添ブロック共重合体は、含有する水
素添加する前のブロック共重合体に結合したビニル芳香
族化合物が20〜80重量%であることが好ましく、さ
らに30〜80重量%であることが好ましい。このよう
な構造をもつブロック共重合体は、上記したブロック共
重合体の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bの脂肪族系二重結合を水素添加した水添ブロック共重
合体として本発明の(c)成分として用いることができ
る。
【0031】かかる脂肪族二重結合の水素添加率は少な
くとも50%を超え、好ましくは80%以上である。ま
た、上記の構造を有する水添ブロック共重合体の数平均
分子量は40000〜500000、好ましくは500
00〜300000、さらに好ましくは60000〜2
00000の範囲であり、分子量分布(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)は10以下であ
る。さらに、ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのい
ずれであってもよい。
【0032】これらの水添ブロック共重合体は、上記し
た構造を有するものであればどのような製造方法で得ら
れるものであってもかまわない。公知の製造方法の例と
しては、例えば、特開昭47−11486号公報、特開
昭49−66743号公報、特開昭50−75651号
公報、特開昭54−126255号公報、特開昭56−
10542号公報、特開昭56−62847号公報、特
開昭56−100840号公報、特開平2−30021
8号公報、英国特許第1130770号および米国特許
第3281383号および同第3639517号に記載
された方法や英国特許第1020720号および米国特
許第3333024号および同第4501857号に記
載された方法がある。
【0033】また、本発明で用いる水添ブロック共重合
体は、上記した水添ブロック共重合体のほかに、該水添
ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融
状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度
下で反応させることによって得られる公知の変性(該
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01
〜10重量%グラフトまたは付加)水添ブロック共重合
体であってもよく、さらに上記した水添ブロック共重合
体と該変性水添ブロック共重合体の任意の割合の混合物
であってもかまわない。
【0034】つぎに、本発明で得られる耐油性の樹脂組
成物に難燃性を付与する目的で用いられる(d)難燃剤
は、難燃剤であれば特に成分、形状等に限定されずに使
用できる。すなわち(d)難燃剤として、無機系難燃剤
(アンチモン系、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム等)や含ハロゲン系難燃剤、燐酸エステル、芳香族
縮合燐酸エステル、ポリ燐酸系、トリアジン誘導体、赤
燐系難燃剤等が用いられる。これらの中でも、燃焼時の
安全性や他物性とのバランスを考慮すると燐酸エステ
ル、芳香族縮合燐酸エステル、ポリ燐酸系、トリアジン
誘導体、赤燐系難燃剤等を単独、または併用することが
好ましく、さらには赤燐系難燃剤を主体とすることがよ
り好ましい。
【0035】本発明の樹脂組成物は、上記した(a)〜
(d)成分を基本成分として構成される。本発明におい
て、本発明の目的である耐熱性と耐油性に優れた樹脂組
成物を得るには、(a)〜(c)成分の合計100体積
%中における(a)ポリプロピレン系樹脂の含有量が5
〜50体積%となるようなブレンド組成比で配合し、連
続相がポリプロピレン系樹脂であることが必須である。
ポリプロピレン系樹脂の含有量が50体積%を超える
と、耐油性に優れるものの耐熱性の向上は認められず好
ましくない。また、5体積%未満では耐熱性は優れるも
のの、ポリプロピレン系樹脂が連続相を形成できずに耐
油性が損なわれ好ましくない。
【0036】また、難燃性と耐熱性に優れた耐油性の樹
脂組成物を得るには、(a)〜(d)成分の合計100
体積%中における(a)ポリプロピレン系樹脂の含有量
が5〜50体積%、好ましくは5〜40体積%、より好
ましくは5〜35体積%となるようなブレンド組成比で
配合し、連続相がポリプロピレン系樹脂であることが必
須である。ポリプロピレン系樹脂の含有量が50体積%
を超えると、難燃剤を多量に必要とするため機械的強度
が損なわれ好ましくない。また、5体積%未満では耐熱
性は優れるものの、ポリプロピレン系樹脂が連続相を形
成できずに耐油性が損なわれ好ましくない。
【0037】又、(a)〜(d)成分の合計100体積
%中における他の成分の配合量については、(c)混和
剤の配合量は0.1〜20体積%であり、(d)難燃剤
を用いる場合の配合量は0.1〜20体積%である。そ
して、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の配合量は
100体積%から上記の(a)、(c)、(d)の配合
量の和(a+c+d)を引いた残り、即ち10〜94.
8体積%である。
【0038】本発明では、上記の成分の他に、本発明の
特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附
加的成分、例えば、結合スチレン量10〜90%のスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、結合スチレン量1
0〜90%のスチレン−イソプレンブロック共重合体、
酸化防止剤、金属不活性化剤、フッ素系ポリマー、可塑
剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆
油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、
耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリッ
プ剤、無機または有機の充填材や強化材(ガラス繊維、
ガラスフレーク、カーボン繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、
ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラ
ック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわな
い。
【0039】本発明の樹脂組成物を製造するための方法
には特に制限はない。それらの方法として例えば、単軸
押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダー
プラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融
混練方法が挙げられるが、特に二軸押出機を用いた溶融
混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に
限定されるものではないが、各樹脂成分の分解・劣化を
抑え、十分な混練効果を得るには250〜350℃の中
から任意に選ぶことが好ましい。
【0040】具体的な溶融混練方法として、例えば上記
した各成分を用いて、第1原料供給口より(a)ポリプ
ロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系樹
脂、(c)混和剤および必要に応じて(d)難燃剤を供
給し溶融混練を行う方法、第1原料供給口より(a)ポ
リプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系
樹脂、および(c)混和剤とを供給し、第2原料供給口
より必要に応じて(d)難燃剤を供給する方法、第1原
料供給口より(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と
(c)混和剤、および必要に応じて(d)難燃剤とを供
給し、第2原料供給口より(a)ポリプロピレン系樹脂
を供給する方法、
【0041】第1原料供給口より(b)ポリフェニレン
エーテル系樹脂と(c)混和剤とを供給し、第2原料供
給口より(a)ポリプロピレン系樹脂と必要に応じて
(d)難燃剤を供給する方法、第1原料供給口より
(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂を供給し、第2原
料供給口より(a)ポリプロピレン系樹脂と(c)混和
剤および必要に応じて(d)難燃剤とを供給する方法、
第1原料供給口より(a)ポリプロピレン系樹脂の一部
と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(c)混
和剤を供給し、第2原料供給口より残りの(a)ポリプ
ロピレン系樹脂、および必要に応じて(d)難燃剤を供
給する方法、
【0042】第1原料供給口より(a)ポリプロピレン
系樹脂の一部と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂を
供給し、第2原料供給口より残りの(a)ポリプロピレ
ン系樹脂と(c)混和剤および必要に応じて(d)難燃
剤を供給する方法などの方法で製造することができる。
この際のスクリュー回転数は特に限定されるものではな
いが、100〜1200rpmの中から任意に選ぶこと
ができる。
【0043】このようにして得られる本発明の樹脂組成
物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、
押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形
できる。これら各種部品としては、例えば自動車部品、
電気機器の内外装部品、その他の各種工業材料部品が挙
げられる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明の実
施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例により
限定されるものではない。 実施例に使用した(a)ポリプロピレン系樹脂 (a−1):ホモ−ポリプロピレン MFR=2.4g/10分 重量平均分子量(Mw)763000、Mw/Mn=
5.0 (a−2):ホモ−ポリプロピレン MFR=5.6g/10分 重量平均分子量(Mw)634000、Mw/Mn=
4.3 (a−3):ホモ−ポリプロピレン MFR=9.4g/10分 重量平均分子量(Mw)519000、Mw/Mn=
4.9
【0045】(a−4):ホモ−ポリプロピレン MFR=20g/10分 重量平均分子量(Mw)441000、Mw/Mn=
4.8 (a−5):ホモ−ポリプロピレン MFR=36g/10分 重量平均分子量(Mw)374000、Mw/Mn=
4.1 (a−6):ホモ−ポリプロピレン MFR=60g/10分 重量平均分子量(Mw)311000、Mw/Mn=
4.3 (a−7):ホモ−ポリプロピレン MFR=81g/10分 重量平均分子量(Mw)260000、Mw/Mn=
4.0 ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)はAS
TM D1238に準拠し、300℃、2.16Kgの
荷重で測定した。
【0046】実施例に使用した(b)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂 (b−1):2,6−キシレノールを酸化重合して得た
ポリフェニレンエーテル MFR=9.1g/10分 重量平均分子量(Mw)13500、Mw/Mn=2.
0 (b−2):2,6−キシレノールを酸化重合して得た
ポリフェニレンエーテル MFR=3.7g/10分 重量平均分子量(Mw)33700、Mw/Mn=2.
2 (b−3):2,6−キシレノールを酸化重合して得た
ポリフェニレンエーテル MFR=2.0g/10分 重量平均分子量(Mw)48000、Mw/Mn=2.
0 (b−4):2,6−キシレノールを酸化重合して得た
ポリフェニレンエーテル MFR=1.3g/10分 重量平均分子量(Mw)56900、Mw/Mn=2.
【0047】(b−5):2,6−キシレノールを酸化
重合して得たポリフェニレンエーテル MFR=0.7g/10分 重量平均分子量(Mw)65300、Mw/Mn=2.
3 (b−6):2,6−キシレノールを酸化重合して得た
ポリフェニレンエーテル MFR=0.3g/10分 重量平均分子量(Mw)86200、Mw/Mn=2.
9 (b−7):2,6−キシレノールを酸化重合して得た
ポリフェニレンエーテル MFR=0.06g/10分 重量平均分子量(Mw)127800、Mw/Mn=
3.3 ポリフェニレンエーテルのMFR(メルトフローレー
ト)はASTM D1238に準拠し、300℃、2.
16Kgの荷重で測定した。
【0048】実施例に使用した(c)混和剤 (c−1):ポリスチレン(1)−水添ポリイソプレン
−ポリスチレン(2)の構造を有し、数平均分子量8
6,300、分子量分布1.10、水素添加前のポリイ
ソプレンのビニル結合量が54%、ポリスチレン(1)
の数平均分子量20,200、ポリスチレン(2)の数
平均分子量20,000、ポリイソプレン部の水素添加
率が83.5%の水添ブロック共重合体を合成し、この
ポリマーを(c−1)とした。
【0049】実施例に使用した(d)難燃剤 (d−1):赤燐系難燃剤 ノーバレッド140(燐化
学(株)製) (d−2):有機燐酸エステル化合物 トリフェニルホ
スフェート(大八化学工業(株)製) (d−3):芳香族縮合燐酸エステル CR741(大
八化学工業(株)製) (d−4):ポリ燐酸アンモニウム テラージュC60
(チッソ(株)製) (d−5):1,3,5−トリアジン誘導体 シアヌル酸クロライド、モルホリンおよびピペラジンを
用いて2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,
5−トリアジンのポリマー(n=11、分子量約277
0)を合成した。
【0050】
【実施例】実施例1〜27および比較例1〜9 実施例1〜17は、本発明の耐油性の樹脂組成物であ
る。表1、表2に示したブレンド組成比および溶融混練
方法でポリプロピレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル
系樹脂、混和剤を配合、溶融混練しペレットとして得
た。比較例1〜6は、ポリプロピレン系樹脂とポリフェ
ニレンエーテル系樹脂のMFRの関係が本発明の請求範
囲から外れており、比較例7は混和剤を用いていないた
め本発明の請求範囲から外れている。いずれも連続相が
ポリフェニレンエーテル系樹脂である耐油性の損なわれ
た例である。表3に示したブレンド組成比および溶融混
練方法でポリプロピレン系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、混和剤を配合、溶融混練しペレットとして得
た。
【0051】実施例18〜27は、本発明の難燃性を付
与した耐油性の樹脂組成物である。表4、5に示したブ
レンド組成比および溶融混練方法でポリプロピレン系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、混和剤、および難
燃剤を配合、溶融混練しペレットとして得た。比較例
8、9は、ポリプロピレン系樹脂の含有量が本発明の請
求範囲から外れており、難燃性が付与されない例であ
る。表5に示したブレンド組成比および溶融混練方法で
ポリプロピレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、混和剤、および難燃剤を配合、溶融混練しペレット
として得た。
【0052】溶融混練は樹脂流れ方向に対し上流に第1
供給口、下流に第2供給口を有し、第2供給口の上流及
び第2供給口とダイとの間に真空ベント口を設けた二軸
押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDE
RER社製、ドイツ国)を用いて、前段バレル設定温度
290〜330℃、後段バレル設定温度250〜290
℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量15Kg/
時間の条件にて溶融混練しペレットとして得た。
【0053】得られたペレットの切断面と平行な面を、
ウルトラミクロトーム(ライヘルト社製 ウルトラカッ
トE)を用いて平滑にした後、クロロホルム中に30分
程度浸漬し、80℃で60分間真空乾燥させたサンプル
を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−T2
00)を用いて観察、写真観察をした。この写真より連
続相成分を確認した。また、得られたペレットの切断面
と平行な面を、ウルトラミクロトーム(ライヘルト社製
ウルトラカットE)を用いて超薄切片を作製しルテニ
ウム酸により染色し、それを透過型電子顕微鏡(日本電
子(株)製 1200EX)を用いて観察、写真撮影し
た。この写真よりモルフォロジーを確認した。
【0054】さらに、このペレットを用いて260〜3
30℃の温度範囲内に設定したスクリューインライン型
射出成形機に供給し、金型温度80℃の条件で曲げ試験
用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピース、
熱変形温度測定用テストピース、耐油性テストピースお
よび燃焼試験テストピースを射出成形した。これらのテ
ストピースの物性、耐油性、難燃性を測定し、その結果
を併せて表1〜5に載せた。なお、物性の評価は次の通
りに行った。
【0055】(1)熱変形温度 ASTM D−648に準じ、4.6Kg/cm2荷重
で測定した。 (2)アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度 ASTM D−256に準じ、23℃で測定した。 (3)曲げ弾性率試験 ASTM D−790に準じ、23℃で曲げ弾性率を測
定した。 (4)耐油性試験 ダンベル試験片(全長215mm、厚さ2mm)を射出
成形機を用いて成形し、このダンベル試験片をベンディ
ングフォームを用いて1%の歪みをかけ、23℃、24
時間ガソリン、サラダ油に浸漬し、浸漬後のクラック発
生状況および破断の有無を目視で観察した。 (5)燃焼試験 UL94規格に準じ、1/16インチ厚みのサンプルを
用いて燃焼試験を実施した。
【0056】実施例1〜17、および比較例1〜6よ
り、重量平均分子量800000以下のポリプロピレン
系樹脂と重量平均分子量10000以上のポリフェニレ
ンエーテル系樹脂、および混和剤より成る樹脂組成物に
おいて、X軸にポリフェニレンエーテル系樹脂のMFR
を、Y軸にポリプロピレン系樹脂のMFRを示したXー
Yグラフに耐油性の結果を記すと、(ポリプロピレン系
樹脂のMFR)≧(ポリフェニレンエーテル系樹脂のM
FR)×1.5+1.6の式で導き出される範囲におい
ては、ポリプロピレン系樹脂の含有量が5〜50体積%
と成るようなブレンド組成比で配合しても、本発明の目
的とする連続相がポリプロピレン系樹脂である耐熱性に
優れた耐油性の樹脂組成物が得られる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】樹脂組成物のモルフォロジーの一例を図
1、図2に示す。図1は実施例1のペレットを前記の方
法で倍率10000倍で観察した透過型電子顕微鏡の写
真であり、図中球状に分散している分散相がポリフェニ
レンエーテル系樹脂であり、連続相がポリプロピレン系
樹脂、界面の黒い部分が混和剤である水添ブロック共重
合体である。図2は比較例1のペレットを前記の方法で
倍率10000倍で観察した透過型電子顕微鏡の写真で
あり、図中楕円状に分散している分散相がポリプロピレ
ン系樹脂であり、連続相がポリフェニレンエーテル系樹
脂、界面の黒い部分が混和剤である水添ブロック共重合
体である。
【0061】また上記特性に加え、実施例18〜27よ
り、上記組成物に難燃剤を配合し、ポリプロピレン系樹
脂の含有量が5〜50体積%と成るようなブレンド組成
比で配合しても、連続相がポリプロピレン系樹脂である
難燃性、耐熱性に優れた耐油性の樹脂組成物を提供する
ことが可能である。比較例8、9は、実施例18〜27
において、組成を表5に記載のように変更した。その結
果、難燃性の付与が困難となる例であり、難燃剤を増量
すると耐熱性、剛性の低下も伴い、本願発明の効果が失
われ適当でない。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【発明の効果】本発明の重量平均分子量が800000
以下のポリプロピレン系樹脂と重量平均分子量が100
00以上のポリフェニレンエーテル系樹脂と混和剤から
なる樹脂組成物は連続相がポリプロピレン系樹脂であ
り、耐熱性及び耐油性に優れているという効果を有し、
また、難燃剤を添加することで、上記特性に加え優れた
難燃性が付与された樹脂組成物になるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(図面代用写真)実施例1のペレットの切断面
の透過型電子顕微鏡(倍率10000倍)写真である。
【図2】(図面代用写真)比較例1のペレットの切断面
の透過型電子顕微鏡(倍率10000倍)写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)重量平均分子量が800000以
    下のポリプロピレン系樹脂と(b)重量平均分子量が1
    0000以上のポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)
    混和剤よりなり、且つ300℃、2.16Kgの荷重で
    測定した(b)成分のMFR値に対する(a)成分の3
    00℃、2.16Kgの荷重で測定したMFR値を、
    (a)成分のMFR値≧(b)成分のMFR値×1.5
    +1.6(g/10分)の式で導きだされる値とし、そ
    して(a)〜(c)成分の合計100体積%中における
    (a)成分の含有量が5〜50体積%となるようなブレ
    ンド組成比で配合し、溶融混練して得られる連続相がポ
    リプロピレン系樹脂である耐油性の樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)重量平均分子量が800000以
    下のポリプロピレン系樹脂と(b)重量平均分子量が1
    0000以上のポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)
    混和剤と(d)難燃剤よりなり、且つ(a)、(b)成
    分の300℃、2.16Kgの荷重で測定したMFR値
    を、(a)成分のMFR値≧(b)成分のMFR値×
    1.5+1.6(g/10分)の式で導きだされる値と
    し、そして(a)〜(d)成分の合計100体積%中に
    おける(a)成分の含有量が5〜50体積%となるよう
    なブレンド組成比で配合し、溶融混練して得られる連続
    相がポリプロピレン系樹脂である難燃性を付与した耐油
    性の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (c)混和剤が、少なくとも1個のビニ
    ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、共役
    ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロ
    ックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる
    水添ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の耐油性の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (d)難燃剤が、赤燐系難燃剤を主体と
    する難燃剤であることを特徴とする請求項2記載の耐油
    性の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 溶融混練温度が250〜350℃である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐油
    性の樹脂組成物。
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