JP2000343437A - 硬質素材の砥粒緻密化構造 - Google Patents
硬質素材の砥粒緻密化構造Info
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Abstract
して用いられる硬質素材において、表面に連続して緻密
に超砥粒を配列させ、ボンド層の摩耗による凹凸発生の
影響を抑制する。 【解決手段】 ダイヤモンド、CBNなどの超砥粒とマ
トリックスボンドからなる硬質素材において、粒径が2
0〜30μmの粗粒55〜75体積%、粒径が8〜12
μmの中粒15〜25体積%、粒径が2〜3μmの細粒
10〜20体積%の配合割合とした超砥粒を、活性金属
含有ろう材または自溶性合金からなるマトリックスボン
ドと混合して加熱、加圧焼結することにより、表面に超
砥粒が連続して緻密に配列された構造の硬質素材を得
る。
Description
CBN砥粒などの超砥粒を用いた硬質素材、とくに研
磨、研削用の工具類の耐摩耗性が要求される部分の材料
として用いられる硬質素材に関する。
の研磨、研削用の工具類の耐摩耗性が要求される部分の
材料として、ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒などの超砥
粒とマトリックスボンドからなる硬質素材が用いられて
いる。このような工具類に用いられる材料としては、工
具類の寿命、強度、精度を確保するために、耐摩耗性、
緻密性、表面の平滑性、耐熱性などの特性が要求され、
とくにワークを削ってしまうことがないように表面の平
滑性が重要視される。
昭54−37599号公報には、ダイヤモンドの含有量
が焼結体全体の重量で90〜50%の範囲にあり、残部
が銅を主成分とする結合相中に重量%で5〜50%のF
e,Co,Ni、Cr、Mnの中の一つ以上の元素を含
有したダイヤモンド焼結体が記載されている。このダイ
ヤモンド焼結体によれば、加熱による劣化の少ない耐摩
耗性に優れた焼結体の結合相が得られ、また極めて微細
なダイヤモンド粒子の焼結体が得られるとされている。
ダイヤモンド焼結体を用いたレースセンタが記載されて
いる。このレースセンタに用いられているダイヤモンド
焼結体は、ダイヤモンド粒子とAl,Si、Fe,C
o,Ni,Cu、の単体金属、合金、金属間化合物から
選ばれる金属材を含有するマトリックスからなるもので
ある。このマトリックスとダイヤモンド粒子とからなる
ダイヤモンド焼結体は、超砥粒層と基材とが直接結合型
の焼結体であることから、立体的構造を有する比較的大
型のものを製造することができるとされている。
報に記載のダイヤモンド焼結体は、超高圧、高温下で焼
結することにより製作されるものであり、その製作に大
がかりな設備を必要とし、製作コストも高いという難点
がある。また、特開昭54−37599号公報に記載の
ダイヤモンド焼結体は、焼結体の形状は円筒状や平板上
のものに限られ、たとえば円錐状などの立体的な形状の
焼結体を得ることが難しい。さらに、寸法の面でも制約
があり、砥粒層の厚さが5mmを超える大きさのものは
製作が困難である。
は、粒径がほぼ同じ大きさのダイヤモンド粒子をメタル
ボンドで結合したものであり、全体として密にダイヤモ
ンド粒子を混合したとしても、材料表面においては粒子
と粒子の間のボンド層が露出しており、ダイヤモンド粒
子が粗粒の場合はボンド層の摩耗による比較的大きな窪
みが生じ、砥粒が切刃となってワークを削ってしまい、
以後の使用が困難になる。逆にダイヤモンド粒子が細粒
の場合は、ダイヤモンド粒子が1層脱落した後に凹凸の
あるボンド層が出現し、砥粒の突き出しが大きくなって
ワークを削るために、以後の使用が困難になる。
耗性が要求される部分の材料として用いられる硬質素材
において、表面に連続して緻密に超砥粒を配列させ、ボ
ンド層の摩耗による凹凸発生の影響を抑制することにあ
る。
緻密化構造は、ダイヤモンド、CBNなどの超砥粒とマ
トリックスボンドからなる硬質素材において、超砥粒が
粗粒55〜75体積%、中粒15〜25体積%、細粒1
0〜20体積%からなり、マトリックスボンドが活性金
属含有ろう材または自溶性合金からなることを特徴とす
る。
定の配合割合とした超砥粒を活性金属含有ろう材または
自溶性合金と混合して加熱、加圧焼結することにより、
表面に超砥粒が連続して緻密に配列された硬質素材が得
られる。この硬質素材を工具類の耐摩耗性を要求される
部分の材料として用いると、工具表面は平滑となるの
で、工具によりワークが削られることがなくなる。ま
た、表面に超砥粒が緻密に配列されているので、表面に
凹凸ができにくく、長時間良好な表面粗さを維持するこ
とができる。
の区分は、粒径で表すと、粗粒は20〜30μm、中粒
は8〜12μm、細粒は2〜3μmの範囲である。この
区分にしたがった粗粒、中粒、細粒の各超砥粒を前記の
割合で配合する。この配合割合において、粗粒の体積%
を基準としたとき、中粒の配合が多すぎると空隙が大き
くなり過ぎ、また細粒の配合が多すぎるとマトリックボ
ンドが流れにくくなり、緻密化されにくく、また砥粒が
脱落しやすくなる。
/5とすることにより、細粒が粗粒および中粒の空隙に
密に充填された状態となり、表面の平滑性が一段と向上
する。また、マトリックスボンドが砥粒間に充分に流れ
込んで緻密化され、砥粒保持力が向上する。さらに、マ
トリックスボンドを活性金属含有ろう材または自溶性合
金とすることにより、従来のレジンボンドの場合に比し
て耐摩耗性および耐熱性、強度に優れた硬質素材がが得
られる。また、従来のWC,Coを主成分とするメタル
ボンドの場合に比して焼結工程での高温、高圧力を必要
としないので、製造コストは安価であり、大型、立体的
形状の焼結体を得ることもできる。
ドを活性金属含有ろう材または自溶性合金とすることに
よって、耐摩耗性、耐熱性、強度に優れた硬質素材を得
ることができる。さらに活性金属としてTiやCrなど
の炭化物生成元素を含むろう材を用いると、焼結工程に
おいて砥粒中のCとろう材中の炭化物生成元素とが反応
して砥粒表面に炭化物が生成されるため、砥粒保持力が
高く、砥粒の脱落が起こりにくくなる。
うな手順により製作することができる。 マトリックボンドとして、Cu60〜80重量%、S
n16〜20重量%、Ti2〜15重量%、Zr2〜5
重量%の活性金属ろう材を準備する。 粗粒(30μm)65体積%、中粒(10μm)15
体積%、細粒(3μm)20体積%からなる超砥粒を準
備する。 マトリックボンドに超砥粒を25〜60体積%混合す
る。 上記混合物を非酸化性雰囲気中で900℃、30分
間、加圧しながら焼結する。
近傍の断面構造を図1に示す。図1は粗粒、中粒、細粒
の超砥粒とボンドとの混合および配列状態を示す模式図
である。同図に示すように、粗粒1と粗粒1の間に中粒
2が配列され、粗粒1と中粒2の間に細粒3が配列さ
れ、各粒子間にボンド4が充填されたかたちとなってい
る。このような砥粒の配列となることにより、硬質素材
の表面5には、粗粒1、中粒2、細粒3が連続して緻密
に表れ、ボンドが摩耗したとしても表面に大きな凹凸が
生じない構造となる。
形態を説明する。超砥粒としてダイヤモンド砥粒を用
い、マトリックスボンドとしてCu−20SnにTiと
Zrをそれぞれ2.5重量%添加した活性金属含有ろう
材を用いた。ダイヤモンド砥粒とボンドの混合比率は5
0体積%(集中度200)とし、粗粒、中粒、細粒の配
合割合を種々変えて硬質素材を製作し、これを材料とし
てワークセンタを作成した(発明品1〜6)。比較例と
して特開昭54−37599号公報記載のダイヤモンド
焼結体と特開平8−52602号公報記載のダイヤモン
ド焼結体を製作し、これを材料としてワークセンタを作
成した(比較品1,2)。これらのワークセンタを旋盤
に取り付けて耐用試験を行った。表1にワークセンタ材
料の仕様を、図2に試験結果を示す。
タの耐用度指数を100としたときの他のワークセンタ
の耐用度指数を示す図である。ここで耐用度とは、素材
表面の形状が崩れ、工具交換に至るまでの使用時間をも
って表したものである。発明品1〜6のワークセンタは
比較品2のワークセンタに比して耐用度が15〜40%
向上しており、とくに細粒の配合比率を粗粒の1/3〜
1/5とした発明品3,4,5は一段と耐用度が高いこ
とがわかる。このように本発明によれば、素材表面に砥
粒が密に充填され、かつ、ろう材が砥粒間に充分に流れ
ることから、表面の平滑化、緻密化、ろう材と砥粒との
化学結合による強固な保持力が得られ、優れた耐用度が
得られることが確認された。
ができる。
とした超砥粒を活性金属含有ろう材または自溶性合金と
混合して加熱、加圧焼結することにより、表面に超砥粒
が連続して緻密に配列された硬質素材が得られ、この硬
質素材を工具類の耐摩耗性を要求される部分の材料とし
て用いると、工具表面は平滑となるので、工具によりワ
ークが削られることがなくなる。また、表面に超砥粒が
緻密に配列されているので、表面に凹凸ができにくく、
長時間良好な表面粗さを維持することができる。
/5とすることにより、細粒が粗粒および中粒の空隙に
密に充填された状態となり、表面の平滑性が一段と向上
する。また、マトリックスボンドが砥粒間に充分に流れ
込んで緻密化され砥粒保持力が向上する。
または自溶性合金とすることにより、従来のレジンボン
ドの場合に比して耐摩耗性および耐熱性、強度に優れた
硬質素材がが得られる。また、従来のWC,Coを主成
分とするメタルボンドの場合に比して焼結工程での高
温、高圧力を必要としないので、製造コストは安価であ
り、大型、立体的形状の焼結体を得ることもできる。
造を示す模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ダイヤモンド、CBNなどの超砥粒とマ
トリックスボンドからなる硬質素材において、超砥粒が
粗粒55〜75体積%、中粒15〜25体積%、細粒1
0〜20体積%からなり、マトリックスボンドが活性金
属含有ろう材または自溶性合金からなることを特徴とす
る硬質素材の砥粒緻密化構造。 - 【請求項2】 前記細粒の配合比率を粗粒の1/3〜1
/5とした請求項1記載の硬質素材の砥粒緻密化構造。 - 【請求項3】 前記超砥粒の粗粒の粒径が20〜30μ
m、中粒の粒径が8〜12μm、細粒の粒径が2〜3μ
mである請求項1または2記載の硬質素材の砥粒緻密化
構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15046999A JP3751160B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 硬質素材の砥粒緻密化構造 |
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JP15046999A JP3751160B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 硬質素材の砥粒緻密化構造 |
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JP2000343437A true JP2000343437A (ja) | 2000-12-12 |
JP3751160B2 JP3751160B2 (ja) | 2006-03-01 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003089064A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-25 | Asahi Diamond Industrial Co Ltd | ロータリツルーア及びその製造方法 |
JP2009545462A (ja) * | 2006-07-31 | 2009-12-24 | エレメント シックス (プロダクション)(プロプライエタリィ) リミテッド | 研磨剤コンパクト |
JP2009545463A (ja) * | 2006-07-31 | 2009-12-24 | エレメント シックス (プロダクション)(プロプライエタリィ) リミテッド | 研磨剤コンパクト |
CN112247860A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-01-22 | 浙江龙翔工具科技有限公司 | 一种金刚石节块及其制作方法、金刚石雕刻刀 |
-
1999
- 1999-05-28 JP JP15046999A patent/JP3751160B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN112247860A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-01-22 | 浙江龙翔工具科技有限公司 | 一种金刚石节块及其制作方法、金刚石雕刻刀 |
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