JP2000336098A - 核酸精製装置 - Google Patents

核酸精製装置

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JP2000336098A
JP2000336098A JP11149731A JP14973199A JP2000336098A JP 2000336098 A JP2000336098 A JP 2000336098A JP 11149731 A JP11149731 A JP 11149731A JP 14973199 A JP14973199 A JP 14973199A JP 2000336098 A JP2000336098 A JP 2000336098A
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rack
nucleic acid
sample
holding
separation chip
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JP11149731A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Suzuki
博之 鈴木
Yasuo Kaneko
康雄 兼子
Tomoya Sakurai
智也 桜井
Kazuhisa Machida
和久 町田
Seiki Izawa
清貴 井澤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操作性がよくて誤操作を誘発しにくい核酸精製
装置を提供すること。 【解決手段】立上げ動作が完了すると操作パネル2には
核酸抽出画面108が表示される。「SHUTDOW
N」ボタン115が押されると装置は立ち下げ要求が送
信される。数値テキストボックス124は検体ラック1
0に設定された検体の数を表し、テキストボックスの下
の2つの三角ボタン120、121によって変更するこ
とができる。ボタン操作に同期して検体ラックレイアウ
ト図113上の検体が存在する位置の色が変わる。検体
は検体ラック10の上の右から1列目の上から下に、続
いて2列目の上から下に、左側に向かって、空サイトを
作らないように詰める。検体レイアウト図113は検体
ラックの検体の位置を表すようにその検***置は検体ラ
ックの検***置と対応づけされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核酸精製装置、特に
生物試料に含まれる核酸を共存物質から分離して取り出
すのに適した核酸精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】分子生物学の進歩によって遺伝子に関す
る数々の技術が開発され、またそれらの技術により多く
の疾患性の遺伝子が分離され、同定されるようになっ
た。その結果、医療の分野でも、診断或いは検査法に分
子生物学的な技術が取り入れられ、従来不可能であった
診断が可能となったり、検査日数の大幅短縮が達成され
つつある。
【0003】このような進歩は、核酸増幅法、特にポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR法と称されるpolymerase cha
in reaction)の実用化によるところが大きい。PCR
法は、溶液中の核酸を配列特異的に増幅することが可能
なため、例えば血清中に極微量しか存在しないウイルス
を、そのウイルスの遺伝子である核酸を増幅して検出す
ることにより間接的に証明できる。しかし、このPCR
法を臨床の場で日常検査に使用した際に、いくつかの問
題点が存在する。その中でも特に、前処理における核酸
の精製、精製工程が精度維持のために重要である。核酸
の精製に関しては、いくつかの手法が提案されている。
【0004】特開平2−289596号公報は、カオト
ロピック物質の存在下で核酸と結合することが可能なシ
リカ粒子を、核酸結合用固相として使用することを教示
している。この特開平2−289596号公報には、シ
リカ粒子の懸濁液とカオトロピック物質としてのグアニ
ジチオシアネート緩衝液とが入った反応容器に、核酸を
含む試料を加えて混合し、核酸がシリカ粒子に結合され
た複合体を遠心分離した後、上澄みを廃棄し、残った複
合体に洗浄液を加えてボルテックスミキサーを使用して
洗浄し、再沈澱した複合体をエタノール水溶液で洗浄し
た後アセトンで洗浄し、アセトンを除去して乾燥した複
合体に溶離用緩衝液を加えて核酸を溶離して回収する精
製方法が記載されている。
【0005】また、特開平8−320274号公報は、
単一検体のために多数の容器と分注チップを用いてDN
Aを単離する方法を教示している。この特開平8−32
0274号公報には、次の記載がなされている。すなわ
ち、移動機構によって移動されるピペットノズルに第1
チップを装着し、その第1チップ内に検体を吸引する。
次いで、第1チップの下端に血球の殻を取るフィルタを
嵌合し、該フィルタを通して第1チップ内の検体を第1
容器へ吐出する。その後、ピペットノズルからフィルタ
及び第1チップを取り外し、ピペットノズルの下端に第
2チップを装着し、第1容器内の検体を第2チップ内に
吸引する。次いで、第2チップの下端にDNAを捕獲す
るためのシリカメンブランフィルタを嵌合し、第2チッ
プ内の検体をシリカメンブランを通して第2容器へ吐出
することによりシリカメンブランでDNAを捕獲すると
共に爽雑物を第2容器に吐出する。その後、ピペットノ
ズルを洗浄液が収容された第3容器まで移送し、DNA
を捕獲したシリカメンブランフィルタを第2チップから
取り外して、第3容器の洗浄液中に浸漬する。次いで、
第2チップを取り外したピペットノズルに第3チップを
装着し、第3チップ下端に第3容器内のシリカメンブラ
ンフィルタを嵌合し、第3チップ内に洗浄液とDNAの
混合液を吸引した後、その混合液を第4容器内に吐出す
る。
【0006】さらに、特開平7−250681号公報
は、ガラスパウダー層を2枚のガラス繊維フィルタとメ
ンブランフィルタで挟んだ四重構造の濾過部材を有する
カートリッジ容器を用いてDNA精製液を精製する方法
を教示している。この特開平7−250681号公報で
は、調製されたDNA含有培養液を前処理してトラップ
フィルタに形質転換体を集菌し、溶菌用試薬を添加して
プラスミドDNAを細胞外に溶出させたものを精製用試
料とする。精製工程では、カートリッジ容器に精製用試
薬とカオトロピックイオン生成用試薬(ヨウ化ナトリウ
ム)を添加し、カートリッジ容器に真空減圧又は遠心分
離処理を施し、カートリッジ容器のガラスパウダー層に
プラスミドDNAを吸着させる。次いで、カートリッジ
容器に洗浄用緩衝液を添加して真空減圧又は遠心分離処
理により洗浄し、その後、カートリッジ容器に溶出用緩
衝液を添加して真空減圧又は遠心分離操作を施し、プラ
スミドDNAのみを溶出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの核酸の精製方
法に関する技術では、しかし、核酸の精製工程において
用いられるべき装置の操作性については考慮されていな
かった。
【0008】本発明の目的は操作性がよくて誤操作を誘
発しにくい核酸精製装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、第1の
観点によれば、複数の検体を保持するラックと、前記検
体から核酸を抽出する手段と、その抽出した核酸を収容
するラックと、デイスプレイ装置と、入力装置とを含
み、 前記デイスプレイ装置は前記検体保持ラック中の
検体の位置を表しかつ前記入力装置から入力される核酸
抽出処理すべき検体と一定の配置関係を持つ検体レイア
ウト図を含む画面を表示し、前記検体レイアウト図中の
前記検***置のうちの、前記入力装置から入力された核
酸抽出処理すべき検体に対応する検***置は他の検***
置と区別できるように表示される核酸精製装置にある。
【0010】本発明の特徴は、第2の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
する手段と、その抽出した核酸を収容するラックと、タ
ッチパネル式デイスプレイ装置とを含み、 該タッチパ
ネル式デイスプレイ装置は数値を表示するテキストボッ
クスと前記数値を増減させるボタンとを含む画面を表示
し、前記ボタンは前記テキストボックスの下方に配置さ
れている核酸精製装置にある。
【0011】本発明の特徴は、第3の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
する手段と、その抽出した核酸を収容するラックと、デ
イスプレイ装置と、入力装置とを含み、前記デイスプレ
イ装置は前記検体保持ラック中の検体の位置を表す検体
レイアウト図を含む画面を表示し、前記検体レイアウト
図中の、前記入力装置から入力される核酸抽出処理すべ
き検体に対応する検***置には検体処理状況が表示され
る核酸精製装置にある。
【0012】本発明の特徴は、第4の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
する手段と、その抽出した核酸を収容するラックと、デ
イスプレイ装置とを含み、前記デイスプレー装置は、検
体について核酸抽出処理が適正に行われなかった場合
に、その検体についてエラー情報と操作者に対する確認
部を表示する核酸精製装置にある。
【0013】本発明の特徴は、第5の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
するための手段と、その核酸抽出においてその核酸を捕
捉する分離チップを保持するラックと、前記抽出した核
酸を収容するラックと、前記分離チップ保持ラックの分
離チップの位置を表す分離チップレイアウト図を含む画
面を、前記分離チップの装着位置を認識し得るように表
示するデイスプレイ装置と、入力手段とを含み、該入力
手段により前記分離チップの装着位置を変更し得るよう
にした核酸精製装置にある。
【0014】本発明の特徴は、第6の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
するための手段と、その核酸抽出においてその核酸を捕
捉する分離チップを保持するラックと、前記抽出した核
酸を収容するラックと、デイスプレー装置とを含み、該
デイスプレー装置は前記検体保持ラック、分離チップ保
持ラックおよび核酸収容ラックの基準位置のレイアウト
図と前記基準位置に関連付けて配置されている、前記基
準位置の選択部とを含む画面を表示することを核酸精製
装置にある。
【0015】本発明の特徴は、第7の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
するための手段と、その核酸抽出処理においてその核酸
を捕捉する分離チップを保持するラックと、前記抽出し
た核酸を収容するラックと、前記核酸抽出処理のために
試薬を分注する機構と、前記核酸抽出処理のために前記
分離チップ保持ラックの分離チップを装着する機構と、
前記検体保持ラック、分離チップ保持ラックおよび核酸
収容ラックを収納する収納手段と、前記試薬および/又
は分離チップが不足した場合、前記核酸抽出処理を停止
して、そのときの前記試薬分注機構および/又は分離チ
ップ装着機構の状態を記憶するとともに、前記試薬分注
機構および/又は分離チップ装着機構を所定位置に待避
した後に前記ラック収納手段を取り出し得る状態にする
手段とを含む核酸精製装置にある。
【0016】本発明の特徴は、第8の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
するための手段と、その核酸抽出処理においてその核酸
を捕捉する分離チップを保持するラックと、前記抽出し
た核酸を収容するラックと、前記核酸抽出処理のために
試薬を分注する機構と、前記核酸抽出処理のために前記
分離チップ保持ラックの分離チップを装着する機構と、
前記検体保持ラック、分離チップ保持ラックおよび核酸
収容ラックを収納する収納手段と、入力装置と、前記ラ
ック収納手段の位置を検出する手段とを含み、該検出手
段によって前記ラック収納手段が所定位置にないことを
検出された場合に前記入力装置からの操作者による入力
操作を禁止するようにした核酸精製装置にある。
【0017】本発明の特徴は、第9の観点によれば、複
数の検体を保持するラックと、前記検体から核酸を抽出
するための手段と、その核酸抽出処理においてその核酸
を捕捉する分離チップを保持するラックと、前記抽出し
た核酸を収容するラックと、前記核酸抽出処理のために
試薬を分注する機構と、前記核酸抽出処理のために前記
分離チップ保持ラックの分離チップを装着する機構と、
前記検体保持ラック、分離チップ保持ラックおよび核酸
収容ラックを収納する収納手段と、該ラック収納部に近
接して設けられた、前記核酸抽出処理によって生じる廃
液の収納部および前記核酸抽出処理のために使用した分
離チップの収納部とを含み、前記検体ラックの検体の核
酸抽出処理は前記廃液収納部および使用済み分離チップ
収納部に近い方から実行するようにした核酸精製装置に
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】核酸含有試料としては、全血、血
清、喀痰、尿等の生体試料や培養細胞、培養細菌等の生
物学的な試料、あるいは電気泳動後のゲルに保持された
状態の核酸、DNA増幅酵素等の反応産物や素精製状態
の核酸を含む物質等を対象とすることができる。なお、
ここでの核酸とは、2本鎖、1本鎖、あるいは部分的に
2本鎖もしくは1本鎖構造を有するデオキシリボ核酸
(DNA)及びリボ核酸(RNA)を含む。
【0019】シリカ含有の固相への核酸の結合を促進す
る物質としては、核酸の吸収ピークがある260nmの
波長付近の吸収が少ない物質が好ましい。なぜなら、核
酸の純度や量の検定には、分光光度計により260nm
の吸収を測定することが多いからである。また、チオシ
アン酸を含む物質は酸と反応すると致死性のガスを発生
するため取り扱い上好ましくない。本発明の望ましい実
施例では、これらの点を考慮し、カオトロピック剤とし
て塩酸グアニジン(GuHCl)を用いる。塩酸グアニ
ジンの使用時の最終濃度は4〜6mol/lであること
が望ましい。
【0020】核酸捕捉用チップに内蔵されるシリカ含有
固相としては、ガラス粒子、シリカ粒子、石英濾紙、石
英ウール、あるいはそれらの破砕物、珪藻土など、酸化
珪素素を含有する物質であれば使用することができる
が、チップ外へ固相が出ないようにするために、チップ
先端部の内径を小さくし、かつ固相をチップ先端部内径
よりも大きな外径を持たせるか、あるいはチップ内の先
端部付近に、固相の外径より孔径の小さい保持材を設置
することなどにより、チップ内に試料を吸入したときに
試料が固相に大きな接触面積で接触されるように、固相
がチップ内に保持される。
【0021】核酸を固相から溶離する工程は洗浄工程後
の固相に対して低塩濃度の水溶液、あるいは水を混合す
ることにより達成される。この操作により核酸は固相か
ら水相へと移行するため、その水相を精製品用容器に回
収することで精製済みの核酸水溶液が得られる。
【0022】本発明にもとづく一実施例を示す核酸精製
装置を、図1〜図13を参照して説明する。図1は本発明
にもとづく一実施例を示す核酸精製装置の斜視図、図2
は図1の下部の平面図、図3は図1の平面図、図4は本
発明にもとづく一実施例を示す核酸精製装置の電気系の
ブロックダイヤグラム、図5は図1の実施例において用
いられる試薬パックの斜視図、図6は図1の実施例にお
いて用いられる分注器の系統図、図7は図1の実施例に
おいて用いられる検体ラックの斜視図、図8は図1の実
施例において用いられる精製品ラックの斜視図、図9は
図1の実施例において用いられる代替案としての精製品
チューブの正面図、図10は図1の実施例において用い
られる分離チップラックの斜視図、図11は図1の実施
例において用いられる分離チップの斜視図、図12およ
び図13は図1の実施例において用いられる分離ノズル
に対する分離チップの装着、取り外しの動作説明図であ
る。
【0023】核酸精製装置は図1に示すように卓上形の
形状を持ち、試薬や純水、分離チップなどの消耗品、精
製品収納チューブ、検体チューブを装置内に設定してか
らバッチ方式で遺伝子の精製を実行する。装置本体1に
はハンディタイプのバーコードリーダ14が接続されて
いて、検体ラック、試薬パック、精製品ラックに表示さ
れている情報を読み取ることによって操作者による入力
操作を容易にしているが、それぞれの情報を読み取るた
めの専用の固定式バーコードリーダを設置してもよい。
また、検体ラック、試薬パック、精製品ラックに表示さ
れている情報が文字やラックや試薬パックの一部の形状
や色などでエンコードされている場合にはバーコードリ
ーダの代わりに、形状認識や文字読み取り手段を設けて
もよい。
【0024】装置本体1の正面の右上部に設置されてい
る操作パネル2はグラフィック表示機能を持った液晶タ
ッチパネルからなり、装置状態や精製処理の進行状況を
表示したり、画面上の表示されているボタンなどを操作
することによって精製処理のためのパラメータを設定す
ることができる。操作パネル2は操作者が立った姿勢か
らでも扱いやすいように、斜め上方に向けて使用するこ
ともできる。操作パネル2として液晶タッチパネルを用
いるのは核酸精製装置の設置場所をなるべく小さくする
ための配慮によるものであるが、装置本体1に隣接した
空間に十分なスペースがあるならばCRTディスプレイ
やキーボード、マウスを備えたパソコンやワークステー
ションを用いてもよい。
【0025】装置本体1の正面上部には純水タンク4と
試薬パック5−1および5−2が格納されていて、DN
Aの精製処理を行なう際にリニアスライダー3に設置さ
れた分注ノズル6を通して検体ラック10上の検体に分
注される。
【0026】分注ノズル6が設置された分注ヘッド6A
と分離ノズル7が設置された分離ヘッド7Aはバー状の
リニアスライダー3に接続されていて、リニアスライダ
ー3が水平方向に駆動されると分注ヘッド6Aおよび分
離ヘッド7Aも平行移動する。分注ヘッド6Aはリニア
スライダー3上を縦方向に移動する駆動機構を持ち、各
分注ノズル6は上下方向の駆動機構を持っている。これ
によって検体ラック10上の任意の位置に移動して試薬
を分注することができる。また、分離ヘッド7Aはリニ
アスライダー3に固定されているが、分離ノズル7の位
置を検体ラック10、精製品ラック12および分離チッ
プラック11の穴に合せてあるため、リニアスライダー
3と上下方向の駆動機構によって検体の吸引吐出、分離
チップの装着および精製品の分注を行なうことができ
る。
【0027】核酸を精製する血清などの複数の検体は検
体ラック10に予め決められた量だけ分注されていて、
分注ノズル6から分注される試薬と分離チップラック1
1に設置された複数の分離チップによって核酸が精製さ
れ、精製品ラック12に設置されている複数の精製品チ
ューブに分注される。また、核酸精製の工程において検
体の細胞膜などの不要物や用済みの試薬が混合した不要
液は廃液口8より廃棄され、1回の精製処理に使用され
た分離チップはチップ廃棄口9より廃棄される。
【0028】検体ラック10、分離チップラック11、
精製品ラック12は消耗品トレー13の内部に設置さ
れ、これらの架設品および用済み品の回収は消耗品トレ
ー13を引き出すことによって行なう。これによって操
作者がノズル先端に誤って接触する機会を低減し、ま
た、操作者の腕から出される塵埃などによって消耗品ト
レー13内部が汚染されることを防いでいる。また、消
耗品トレー13の位置を検知するセンサがあり、分注ノ
ズル6や分離ノズル7を駆動したときに消耗品トレー1
3が所定位置にないためにノズル6や7が消耗品ラック
13内部に設置した検体ラック10等と接触の恐れがあ
る場合には操作パネル2に表示されている画面上のボタ
ンを不活性化し、消耗品ラック13が正常な位置に再設
定されると画面上のボタンは活性化される。
【0029】消耗品トレー13上には、左端から精製品
ラック12、2つの分離チップラック11、検体ラック
10、廃液口8およびチップ廃棄口9がその順序で配列
されている。検体ラック10および精製品ラック12は
6行8列の検体および精製品を保持し、分離チップは2
つの6行4列の分離チップラック11上に設置されてい
る。ここで、行間隔がほぼ同じにされているのは6連ノ
ズルによる同時分離処理を行うためである。
【0030】精製品ラック12をチップ廃棄口9および
廃液口8から最も遠い位置に配置するのは、廃液および
チップ廃棄の際に廃液中に存在している拡散がミスト状
に飛散することによる精製品のコンタミネーションを防
止するためである。また、同様の理由によって分離チッ
プを精製品ラック12に近い位置に配置している。
【0031】検体ラック10が廃液口8の隣に配置され
ているのは、核酸精製の化学反応を伴う工程が検体ラッ
ク10の検体容器上で行われることから、廃棄口8との
距離を近づけて分注機構および分離機構を装備したリニ
アスライダー3の移動距離を短縮することによって核酸
精製に要する時間を短縮するためである。また、検体ラ
ック10と廃液口8を隣接させることによって、分注ノ
ズルあるいは分離ノズルからの液だれによるコンタミネ
ーションに対して被害を極小とする効果がある。
【0032】装置本体1の内部には制御用計算機30が
組み込まれており、該制御用計算機は図4に示すように
核酸精製装置を制御するための制御プログラム38を実
行する。すなわち制御用計算機30は、これに接続され
ているバーコードリーダー14、操作パネル2および機
構制御部31を通して、操作者からの入力やセンサ37
やI/Oからの信号を取得し、シリンジ33、分注ノズ
ルホルダ6A、リニアスライダー3を駆動するためにス
テッピングモータ32、34および35を駆動するとと
もに分注器の電磁弁36を駆動したり、操作パネルの表
示を更新したりする。
【0033】試薬パック5―1、5―2は界面活性剤
(R1)、結合促進剤(R2)、洗浄剤(R3)、溶離
液(R4)を含む。試薬パック5―1、5―2の各々の
側面あるいは任意の位置には図5に示すようにバーコー
ド15が貼付けられており、そこに各試薬の成分情報、
吸引量、攪拌回数、使用順序のような制御情報が表示さ
れている。制御情報には使用する検体量や精製品ラック
に分注する際の分注量を含めても良い。
【0034】試薬パック5―1、5―2の各々は図5に
示すように開閉栓にノズルを差し込む形状とし、ノズル
先端をチューブで分注ノズル6に接続することによって
各試薬パックの栓を開けず、密閉状態のまま試薬を使用
することができる。これは試薬パックの口から試薬が汚
染されることを防止する効果がある。
【0035】図6に示す分注器において、シリンジ33
を吸入方向に駆動すると、シリンジ33によって試薬パ
ック5―1又は5―2中の試薬を吸入することができ
る。試薬パック5―1および5―2のいずれの中の試薬
を吸入するかは電磁弁36―2を切り替えることにより
可能である。シリンジ33を吸入方向に駆動すると、シ
リンジ33によって純水タンク4中の純水を分岐ジョイ
ント38を介して吸入することもできる。一方、シリン
ジ33を吐出方向に駆動すると、吸入した試薬や純水を
シリンジ33によって吐出すなわち放出することができ
る。その切り替えは電磁弁36―1、36―3および3
6―4を制御することによって可能である。
【0036】なお、試薬ノズルは4個あり、したがって
試薬ノズルから分岐ジョイントまでの図に示す系も4個
あって、試薬の分注は4個同時に行われるのであるが、
図6では3個の系は省略されている。
【0037】図7に示す検体ラック10は消耗品トレー
13に架設される。検体ラック10は複数の検体収容穴
を有し、該検体収容穴には、検体を収容する検体チュー
ブ(図示せず)が挿入される。検体ラック10には6行
8列の48検体を設置することができ、分離チップを用
いた核酸と担体との結合、廃棄物の洗浄、担体からの核
酸溶離は1列に含まれる6検体を多連分離ノズル7を用
いて同時処理する。
【0038】精製品ラック12の1例を図8に示す。こ
れは現在標準的に使用されているPCR装置用の試料ラ
ックである。ラックの高さ、上面の形状、精製品チュー
ブが挿入される試料穴の大きさおよび間隔は一定である
が、充填する精製品の量によって穴の深さが異なるラッ
クが数種類使われている。試料穴の直径は7mm、間隔
は9.0mmの精製品ラックが用いられることが多い。
精製品ラックはその穴に精製品を分注するチューブを架
設したり、1枚のプレート上に試料を保持するための凹
みを持つマイクロプレートであってもよい。
【0039】図9は代替案としての精製品チューブを示
す。この精製品チューブは9.4mm間隔でチューブ間
を軟性のジョイントで結合して6本を一組としたもので
ある。これを次のPCR工程では2組12本として円形に架
設して用いる装置も使われることが有り、精製品チュー
ブから専用チューブに分注し直すことなく、そのままP
CR工程を実行することができる。
【0040】図10は分離チップラック11、図11に
は分離チップ25を示す。1つのチップラック11は6
行4列の分離チップを保持することができ、2個までの
分離チップラック25を架設して精製処理を実行するこ
とができる。分離チップ25の上部は外周が大きくなっ
ていて、そこが分離チップラック11の穴の端部と係合
して保持される。その内部は円筒形になっていて、分離
ノズル7の方から核酸を含む試料に汚物が混入するのを
防ぐためにフィルタ26を詰めている。フィルタ26の
下方には実際に核酸を捕捉するための担体27が詰めら
れていて、結合促進剤が存在する場合に核酸をその表面
に吸着し、容離液のもとでは捕捉された核酸はその表面
から容離する。担体27の材料としては、シリカを原料
とした粒子を固めて用いても良い。
【0041】分離チップ25を分離ノズル7に装着する
動作を図12を参照して説明する。リニアスライダーバ
ー3を水平移動して、分離ノズルホルダ7Aに保持され
ている分離ノズル7を分離チップラック11のチップ装
着位置まで移動し、そこから分離ノズル7を下降して、
その先端を分離チップ25の内部に押し付ける。分離ノ
ズル7の外径と分離チップ25の上部内径は等しく設定
されいるため分離チップ25は分離ノズル7の先端に固
定されることになる。
【0042】使用済みとなった分離チップ25を廃棄す
る動作を図16を参照して説明する。まず、分離ノズル
7をチップ廃棄口9まで移動し、分離チップ25がその
内部に完全に収まるまで下降させる。廃棄口9は図13
に示すように分離チップ25の外周よりも小さく、分離
ノズル7の外周よりも小さい半円形の切れ込み部がある
ため、分離チップ25の上端部がその切れ込み端部と係
合するように分離ノズル7を移動してから上昇させる。
これによって使用済みとなった分離チップ25は廃棄ト
レー(図示せず)に収納される。
【0043】続いて図14から図16を用いて本発明に
もとづく実施例の操作フローを説明する。また、操作フ
ローの中で使用される画面についての説明を適宜行なう
が、最初に画面の基本レイアウトについて図17を参照
して説明する。
【0044】操作パネル2の基本画面は、ユーザモード
表示部100、タイトル部101、時刻表示部102、
画面展開部103および制御情報表示部104から構成
される。ユーザモード表示部100にはユーザモードを
表わすアイコンが表示され、操作者がどのような権限で
装置を操作しているかを喚起する。タイトル部101に
は画面名称が表示される。時刻表示部102には現時刻
が分単位で表示される。画面展開部103はメンテナン
スメニュー画面を開いたり、前画面に戻るために用いる
ボタンである。
【0045】本実施例における画面構成は木構造になっ
ており、画面展開部103が「MENU」を表示してい
るときはメニュー画面を表示して所望する機能への分岐
のために使用され、「BACK」が表示されているとき
は前画面に復帰するために使用される。制御情報表示部
104は装置情報を表示したり、制御指示を行なうため
のボタンを表示して操作者からの制御命令を受け付け
る。なお、図中、操作可能なボタンは太字で強調して示
しているが、ボタン部に凹凸をつけた立体表示や配色を
変えることによって強調して操作ミスを防いでも良い。
【0046】図14を参照するに、装置電源(図示せず)
を投入すると(S−1)、制御用計算機30は制御用プ
ログラム38をローディングしてそれを起動する。制御
用プログラム38は初期処理(S−2)を実行して、バ
ーコードリーダ14、操作パネル2、機構制御部31を
利用可能な状態に遷移させる。
【0047】操作パネル2には図18に示す初期/終了
画面105が表示され、装置の立上げが完了して利用可
能な状態になると所定の時間だけ、パスワード画面を開
くための2つの隠しボタン106−1と106−2を受
付可能にして、2つが同時に押下された場合に限って図
19のパスワード要求画面107を表示する。操作者は
予め設定されているパスワードをテンキー109から入
力し、桁数をパスワードテキストボックス108で確認
してからOKボタン110を押下する。これによって正
しいパスワードが入力された場合に装置は特権モードで
動作し、不正なパスワードが入力されたかキャンセルボ
タン111が押下された場合には一般モードで動作す
る。特権モードでは装置のメンテナンス機能が利用可能
となるため、スパナを象ったアイコン112を表示して
おり、装置の立上げ後にはすべての画面のモード表示部
にはアイコン112が表示される。所定の時間に隠しボ
タン106−1、106−2が押されずにパスワード要
求画面107が表示されない場合には、装置は一般モー
ドとして動作する。
【0048】パスワード受付を含むすべての立上げ動作
が完了すると操作パネル2には図20に示す核酸抽出画
面(ルーチン画面)108が表示される。核酸抽出画面
108において、「SHUTDOWN」ボタン115が
押されると装置は立ち下げ要求が送信される。
【0049】数値テキストボックス124は検体ラック
10に設定された検体の数を表し、テキストボックスの
下の2つの三角ボタン120、121によって変更する
ことができる。通常の操作では操作者の視線は操作パネ
ル2を見下ろすことになるため、三角ボタン120、1
21をテキストボックスの下に配置し、操作者の手が視
線を遮ることを防止している。
【0050】ボタン操作に同期して検体ラックレイアウ
ト図113上の検体が存在する位置の色を変えて検体数
の誤りを防止している。検体は検体ラック10の上の右
から1列目の上から下に、続いて2列目の上から下に、
左側に向かって、空サイトを作らないように詰めること
にする。これによって検体数を決めると検体ラック上に
占める検***置が一意に決定できるため、検体数の表示
が更新されると同時に検体のレイアウト図113を表示
する。検体レイアウト図113は検体ラックの検体の位
置を表すようにその検***置は検体ラックの検***置と
対応づけされている。検体ラックの検体ラックの検体は
6行8列の配列になっているため、検体ラック上に占め
る検体のレイアウト図と検体数の関係は直感的に分かり
にくい。このため、これらを同時に表示することによっ
て操作者が検体数を誤まるのを防ぐ効果がある。
【0051】「START」ボタン117が押されると
設定された検体数の核酸抽出処理を実行する。「BUZ
ZER」ボタン116は装置の稼働中にエラーが発生し
た場合に発行するブザー音を抑止するためのボタンであ
る。
【0052】以下、操作パネル2の核酸抽出画面108
から操作者が入力した命令を受け付けて(S−4)、そ
れに応じた処理を繰り返し実行する(S−3)。
【0053】制御要求には核酸精製要求、各種のメンテ
ナンス要求や終了要求などがあり、それに応じてフロー
は分岐する(S−5)。
【0054】核酸精製要求が入力されると、操作者はま
ず消耗品トレー13を引き出して検体ラック10、分離
チップラック11、精製品ラック12を架設する(S−
6)。続いて操作者からの核酸精製の開始命令が入力さ
れると、後述の核酸精製処理が実行され(S−7)、完
了したら精製品を回収する(S−8)。使用済みの廃液
や分離チップ25は廃棄物として装置本体1内の廃棄物
トレー(図示せず)の中に保持されているため、それら
の回収を行う(S−9)。核酸精製処理が終了するとス
テップS−5に戻って次の制御命令を受け付ける。
【0055】ステップS−5にてメンテナンス要求が入
力された場合、すなわち核酸抽出画面108にてその右
上にある画面展開部の「MENU」ボタンが押される
と、図22のユーザモードのメンテナンスメニュー画面
あるいは図23のサービスモードのメンテナンスメニュ
ー画面が表示されて、その中の項目が選択されると(S
−10)、それに応じた処理(S−11)が実行され
る。メンテナンス処理におけるメンテナンスメニューに
応じて展開される操作画面の詳細について後述する。
【0056】ステップS−5にて終了要求が入力された
場合、すなわち核酸抽出画面108の「SHUTDOW
N」ボタン115が押された場合には終了処理を実行し
(S−12)、装置の電源を遮断できる状態にして制御
プログラム38は終了する。
【0057】核酸精製処理を図15のフローチャートを
参照して説明する。ステップS−30では、分離ノズル
ホルダ6Aには6本の分離ノズル6が設置されていて、
検体ラック10上の列に対応する6検体の精製が同時に
実行される。このためフローでは処理中の列の番号をN
として記している。
【0058】核酸抽出処理において生じる廃液を廃液口
8に吐出する際に霧状の飛沫が発生する可能性が高いた
め、装置の正面から向かって右側を1列目、左側を8列
目として、右側から左側に向けて検体を核酸抽出処理す
ることによって未処理の検体が汚染される可能性を抑え
ることができる。
【0059】このとき、操作パネル2の表示を核酸抽出
画面108から図21の抽出モニタ画面125に切り替
える。抽出モニタ画面125は検体レイアウト図11
3、処理中の列Nを表わすカーソル126、処理中の検
体番号テキストボックス127、処理中断時のみ有効と
なり、処理の再開させるための「RESUME」ボタン
128、核酸抽出処理を中止するための「STOP」ボ
タン129から構成されている。カーソル126と検体
番号テキストボックス127は連動して動き、これによ
って現在処理中の検体や未処理の検体数を知ることがで
きるため、操作者は作業のスケジューリングを行ないや
すい。検体レイアウト図113の検***置には各検体の
処理状況を表すマークを付けて表示する。すなわち検体
には実体がない状態、検体はあるが処理が始まっていな
い状態、正常に抽出処理を終了した状態、抽出処理中に
何らかのエラーが発生して処理が中断してしまった中断
状態、さらに中断状態を細分化して中断した工程の情報
などを識別して表示することによって抽出処理の進捗状
況や進捗度を詳細に知ることができる。
【0060】次に、ステップS−31で、検体ラック1
0上の列Nの各検体に対して、試料中に含まれる核酸と
その他の組織を分離するための界面活性剤(R1)およ
び分離された核酸と分離チップ25の中の担体27との
結合を促進する結合促進剤(R2)を分注する。このと
き、界面活性剤(R1)と結合促進剤(R2)の分注ノ
ズルを各検体の上方に移動するようにリニアスライダー
3によって水平方向に駆動し、分注ノズルホルダ6Aに
設置されているステッピングモータによって奥行き方向
の位置を調整する。分注ノズル6を検体の真上に移動さ
せたら、分注ノズル6の先端を検体に近づけてから界面
活性剤(R1)あるいは結合促進剤(R2)を分注する
が、これは検体汚染の原因となる飛沫の発生を抑制する
ためである。
【0061】ステップS−32では先述したように分離
チップ25を分離ノズル7に装着する。
【0062】ステップS−33ではステップS−32で
装着した分離チップ25を列Nの検体の上まで移動し
て、下降しその先端を検体中に浸してその検体を吸引し
て検体の液量を確認する。すなわち検体量が不足してい
る場合には核酸精製が適切に行われない可能性があるた
め、エラーとしてログ情報を残す。
【0063】ステップS−34では検体を分離チップ2
5の内部に吸引したり、検体ラック10に吐出して戻す
ことによって検体と界面活性剤(R1)、結合促進剤
(R2)の混合液の攪拌を行う。混合液内の検体は核酸
とそれ以外の組織に分解されているため、分離チップ2
5中の担体27を通過する際に結合促進剤(R2)の働
きによって核酸のみが担体27を構成するシリカ粒子に
吸着することになる。混合液の攪拌は6検体分を同時に
行う。
【0064】ステップS−35では、検体と界面活性剤
(R1)、結合促進剤(R2)の混合液のうち、核酸以
外の組織物と試薬を廃棄する。混合液の全量を分離チッ
プ25中に吸い込んでから、分離ノズル7を上昇させ、
廃液口8の上方に移動するまでスライダー3を駆動す
る。廃液の飛沫を抑制するため分離ノズルを廃液口内部
まで下降してから分離チップ25内の混合液を全量吐出
する。
【0065】ステップS−36では界面活性剤(R1)
や結合促進剤(R2)と同様の方法によって洗浄液(R
3)を列Nの検体に分注する。ステップS−35で検体
は界面活性剤(R1)、結合促進剤(R2)とともに廃
棄されているので検体ラックの列Nには洗浄液(R3)
のみが存在している。
【0066】ステップS−37ではステップS−34と
同様の操作を行う。これはステップS−35によって核
酸が分離チップ25内の担体27に捕捉された状態にな
っているが、それ以外の共存物も担体に若干残存してい
るため、洗浄液(R3)によってこれらの残存している
共存物を洗浄するために行うものである。
【0067】ステップS−38ではステップS−35と
同様の操作を行う。これによって分離チップ25内の担
体27には核酸のみが捕捉された状態となる。
【0068】ステップS−39ではステップS−36と
同様の操作によって溶離液(R4)を検体ラック10の
列Nの検体に分注する。
【0069】ステップS−40ではステップS−37と
同様の操作を行う。これによって分離チップ25内の担
体27に捕捉されていた核酸は遊離され、担体27を構
成するシリカ粒子の間隙を溶離液との混合液として流動
可能となる。
【0070】ステップS−41ではあらかじめ設定され
ていた量の混合液を分離チップ25内に分取してから、
分離ノズル7を精製品ラック12の列N上方に移動し、
飛沫を押えるために精製品ラック12の近傍まで下降さ
せてから吐出する。
【0071】ステップS−42では前述の手順によって
使用済みとなった分離チップ25を廃棄する。核酸精製
処理が終了すると操作パネル2の表示は抽出モニタ画面
125から核酸抽出画面(ルーチン画面)108に戻
る。
【0072】核酸抽出処理中に検体の液量不足の検知な
どによって核酸抽出処理が正常に行なわれなかった場合
には、ルーチン画面108に戻る前に核酸抽出処理が正
常に行なわれなかった検体情報を制御用計算機30に記
憶し、更にその検体についてエラー表示と操作者によっ
て押されるべき確認ボタンとを表示して、操作者に注意
を促し、すべてのエラーを確認するまではルーチン画面
に108に戻れない。すなわち、ステップ43で核酸抽
出エラーが発生したかどうかの判断がなされ、その発生
がなければフローはそれで終了が、エラーが発生した場
合は、そのエラーのメッセージと確認ボタンを表示し、
操作者によって確認ボタンが押されるのを待つ。つま
り、確認を問い合わせる(S−45)。このステップは
全核酸抽出エラーについて繰り返される(S−44)。
【0073】核酸精製中に試薬不足を検知したときに
は、核酸抽出処理を一時中断して分注ノズル6や分離ノ
ズル7を引き上げ、リニアスライダー3を右端に待機さ
せる。そして、そのときの装置状態、具体的には分注ノ
ズルおよび分離ノズルの位置、を制御用計算機30に記
憶しておく。消耗品トレー13は核酸抽出処理のスター
ト時にロックされてその引き出しができない状態にされ
るが、分注ノズルや分離ノズルが待機位置に待機してい
るときは消耗品トレー13の引き出しのロックが解除さ
れるようになっている。
【0074】次に、図26に示す試薬管理画面160を
表示して、空になった試薬パックの交換を促して交換作
業が完了すると核酸抽出処理に戻り、リニアスライダー
3、分注ノズル6、分離ノズル7を元の位置に戻してか
ら処理を再開する。分離チップの不足を検知した場合に
も同様の処理を行なう。
【0075】次に、試薬残量チェックの方法を図16の
フローチャートにしたがって説明する。試薬残量チェッ
クはメンテナンス処理として図14のステップS−11
で実行されても良く、また図15に示す核酸精製処理の
ステップS−31、S−36あるいはS−39で試薬を
実際に分注する際に行っても良い。またこれらのいかな
る組み合わせで行っても良い。
【0076】まず、ステップS−50で試薬パック5−
1に含まれる界面活性剤(R1)、結合促進剤(R
2)、洗浄液(R3)、溶離液(R4)の残量をチェッ
クして、次に行うべき核酸精製処理に必要な試薬がある
かを判定する。これらの試薬の残量は試薬パック5に添
付されている試薬バーコード15にエンコードされてい
る各試薬の容量(充填量)と、実際に精製処理の際に分
注したときの分注量を制御用プログラム38によって制
御用計算機30に記憶させ、その総和と試薬容量との差
として求めれば良い。また、次の核酸精製処理に必要な
試薬量は、試薬バーコード15にエンコードされている
分注量と検体ラック10に架設された検体数の積として
求めることができる。
【0077】試薬パック5―1に次の核酸精製に必要な
試薬が残存している場合にはステップS−57に進み、
界面活性剤(R1)、結合促進剤(R2)、洗浄液(R
3)、溶離液(R4)を試薬パック5―1から吸引する
ように電磁弁36−2を切り替えて、試薬残量チェック
を終了する。
【0078】ステップS−50にて試薬パック5−1に
十分な試薬が残存していない場合にはステップS−51
にて試薬パック5−2についても同様のチェックを行な
う。十分な試薬が試薬パック5−2に残存している場合
には試薬パック5−1を交換する必要が有ることをアラ
ーム表示して(S−52)から試薬残量チェックを終了
する。ただし、図15に示す核酸精製処理のステップS
−31、S−36あるいはS−39で試薬を実際に分注
する際に行なう場合にはアラーム表示を省略し、分注ノ
ズル6を試薬パック5−2に切り替えた後、直ちに試薬
残量チェックを終了しても良く、そうすることによって
一方の試薬パックが空になっても自動的にもう一方の試
薬パックを分注ノズル6に接続して核酸精製処理を続行
することができる。
【0079】続いて、ステップS−58に進み、界面活
性剤(R1)、結合促進剤(R2)、洗浄液(R3)、
溶離液(R4)を試薬パック2から吸引するように電磁
弁36−2を切り替えて、試薬残量チェックを終了す
る。
【0080】ステップS−51にて試薬パック5−1お
よび5−2に十分な試薬が残存していない場合にはその
旨を警告メッセージとして表示し(S−54)、試薬パ
ック5の交換を操作者に促す。試薬パックの交換(S−
55)を行うと試薬パックから分注ノズル6へのチュー
ブに空気が混入するため、空気を抜くためのプライミン
グ処理(S−53)、すなわち分注ノズル6を廃液口8
まで移動してから新しい試薬パックからの試薬でチュー
ブを充填して空気を古い試薬と一緒に吐き出す。
【0081】試薬パックの交換(S−55)の際に、試
薬パックに添付されている試薬バーコード15をバーコ
ードリーダ14で読み込ませることによって、試薬パッ
クに組み込まれている試薬の種類、各試薬の使用順序、
精製処理の際の分注量や攪拌回数を取得し、制御用計算
機30内部に記憶する。
【0082】図16に示したフローチャートでは試薬パ
ック5−1の残量チェックを先に行なっているが、試薬
パック5−2の残量チェックを先に行なうようにしても
良く、また現在分注ノズル6に接続されている試薬パッ
クを記憶しておき、それを試薬パック5―1、もう一方
を試薬パック5―2としても良い。
【0083】図14の操作フローのステップS−5でメ
ンテナンスが選択されたとき、すなわち核酸抽出画面1
08の上部右の画面展開部に表示された「MENU」ボ
タンが押された場合、一般モードでは図22のメンテナ
ンス画面130、特権モードでは図23に示すメンテナ
ンス選択画面130―2が表示される。一般モードで操
作できるボタンは「RESULT」ボタン131、「R
EAGENT」ボタン132、「DISP.TIP」ボ
タン133の3つだけであるが、特権モードではそれに
加えて「TEACHING」ボタン134、「ACTI
ON CHECK」ボタン135、「PATTERN S
ET」ボタン136、「SYSTEMLOG」ボタン1
37、「TIMER SET」ボタン138、「VER
SION」ボタン139の9つのボタンが利用可能とな
る。
【0084】「RESULT」ボタン131が押される
と図24に示す抽出結果管理画面150が表示される。
抽出結果は核酸抽出開始時刻とその時の検体数の一覧表
153として管理されている。「DETAIL」ボタン
151を押すと結果カーソル152が置かれている核酸
抽出結果の詳細表示画面に切り替える。インクリメント
ボタン120あるいはデクリメントボタン121を押す
と結果カーソルの位置を移動することができる。
【0085】核酸抽出結果の詳細表示画面155は図2
5に示されるように、抽出処理実行時の検体レイアウト
図113と選択された処理の開始時刻と検体数152が
表示されるが、検体レイアウト図133には検体の有
無、抽出処理の成功と失敗、失敗の場合にはその工程な
どの情報を色分け、記号などを使って表示しても良い。
【0086】「REAGENT」ボタン132が押され
ると図26に示す試薬管理画面160が表示される。2
つの試薬パックの試薬残量を抽出可能な検体数で表わし
たものを「USEFUL SAMPLES」の右側のテ
キストボックス161で表示している。また各々の試薬
パックの試薬残量を左下のテキストボックス162−
1、162−2で表示する。試薬パックが交換された場
合にはそれに対応した「CHANGE PACK」ボタ
ン163−1又は163−2が押されると試薬パックの
容量を残量に加算して「USEFUL SAMPLE
S」の値も更新する。試薬パックの容量は試薬パックに
前述の試薬バーコード15が添付されていればバーコー
ドリーダ14を用いてそこから取得してもよいが、試薬
バーコードがない場合には現在設定されている核酸抽出
パターンの試薬量から取得しても良い。
【0087】「DISP.TIP」ボタン133が押さ
れると図27に示す分離チップ管理画面170が表示さ
れる。画面には2つの分離チップラック11の分離チッ
プに対応する分離チップ位置を表す分離チップ位置レイ
アウト図が175として図示されており、その上に次に
分離ノズル7に装着する分離チップ25の装着位置を表
わすカーソル174が表示されている。この分離チップ
装着位置カーソル174は制御プログラム38で記憶さ
れており、核酸抽出処理において装着するたびにその位
置を前進させている。装着位置前進ボタン172および
後退ボタン173はその位置を移動させるものである。
これによって半端な数の分離チップを廃棄することな
く、有効利用することができる。
【0088】「TEACHING」ボタン134が押さ
れると図28に示す位置調整画面が表示される。位置調
整とは、分注ノズル6や分離ノズル7を移動する際に基
準となる位置が装置の製造工程中に理想的な値(設計
値)からずれることがあるため、基準となる位置の実際
の座標を求めて設計値を置き換えることである。設計値
は制御用計算機30に記憶されているもので、その値と
置き換えられる実際の計測値ももちろん制御用計算機3
0に記憶される。分注ノズル6や分離ノズル7を原点に
戻してから、操作者の目視や位置を測る計測器械を用い
て基準となる位置まで移動させてその変位を座標として
記憶する方式を採っている。基準位置には検体ラック1
0、2つの分離チップラック11、精製品ラック12、
廃液口8、チップ廃棄口9の位置があり、これらは調整
位置表示図181として表示されてある。
【0089】位置調整画面には位置調整を行なう基準位
置を示すために、調整位置表示図181と、調整を行な
う基準位置を選択するためのボタン182〜188が表
示され、選択ボタンと基準位置との関連を示すために引
き出し線を用いている。これにより装置の部位名称を詳
細に知らなくても、直感的に調整すべき部位を選択する
ことができる。また引き出し線のかわりに調整位置表示
図181上の基準位置と選択ボタンに同じ名称やID番
号を付与して表示することによって同様の効果を得るこ
とができる。
【0090】「POSITION」ボタン185が押さ
れると図29に示す調整位置表示画面190が表示され
る。基準位置である検体ラック10、2つの分離チップ
ラック11、精製品ラック12、廃液口8、チップ廃棄
口9の位置はそれぞれ192―1〜192―6として表
示され、それらの位置の座標値がX、YおよびZ座標テ
キストボックス192〜194にそれぞれ一覧表示され
る。右上の「BACK」と表示された画面展開ボタンが
押されると位置調整画面180に戻る。
【0091】選択ボタン「ISOLATOR」、「TI
P 1」、「TIP 2」、「SAMPLE」、「LIQ
UID OUT」又は「TIP OUT」が押されると図
30に示す調整位置設定画面205が表示され、それぞ
れ精製品ラック位置、分離チップの位置、検体ラック位
置、廃液口位置、チップ廃棄口位置の調整を行なうこと
ができる。位置設定画面の上部にあるタイトル部には画
面名称(精製品ラックの位置、分離チップの位置、検体
ラックの位置、廃液口の位置、チップ廃棄口の位置)と
ハイフン(‘−’)に続いて選択された基準位置の名称
が表示される。このため、操作中にどの位置を調整して
いるか確認することができる。位置設定画面には、X、
YおよびZの3軸に対応した座標値変更部206―1〜
206―3がある。またこれらにはそれぞれ座標軸に沿
った値の増加ボタンと減少ボタンがあり、更にその左側
に現在の値を表示するテキストボックスがそれぞれあ
る。増加ボタン又は減少ボタンが押されると左側の現在
値がそれに応じて変わるとともに、対応した座標軸に沿
って機構系も駆動する。このため、操作者が目視や器具
を用いて計測することによって対象物が基準位置に達し
たか否かを確認することができる。こうして対象物が基
準位置まで移動したことを確認すると操作者は「SE
T」ボタン207を押すことによって、調整値の更新を
行なうことができる。また調整作業の結果を破棄したい
場合には「CANCEL」ボタン208を押すことによ
って調整対象は前回の調整値に移動し、座標値変更部の
テキストボックスに表示される値も前回の調整値に戻
る。
【0092】調整位置表示画面190および調整位置設
定画面205の右上の画面展開ボタンには「BACK」
のラベルが表示されており、それを押すことによって位
置調整画面180に戻り、同様に位置調整画面180に
おいて「BACK」と表示されている画面展開ボタンが
押されると図22又は図23に示されるメニュー画面に
戻る。
【0093】「ACTION CHECK」ボタン13
5が押されると図31に示す動作確認画面210が表示
される。動作確認画面には「REAGENT DISP
LENSER」ボタン211、「ISOLATOR P
IPETOR」ボタン212、「ROUTINE」ボタ
ン213が表示されていて、それぞれ試薬分注器(分注
ノズル6)の動作、分離ピペッタ(分離ノズル7)動作
および装置全体のルーチン動作(核酸抽出動作)の確認
を行なうための画面に切り替える。「REAGENT
DISPENSER」ボタン211および「ISOLA
TOR PIPETOR」ボタン212が押されると図
32に示す試薬分注器の動作チェック画面220に切り
替わる。図32の画面のタイトル部に「ACTION
CHECK− REAGENT」と表示されているの
は、前画面において「REAGENTDISPENSE
R」が選択されたことを示しており、「ISOLATO
R PIPETOR」が選択されていれば「ACTIO
N CHECK − ISOLATOR」と表示される。
「LEFT/RIGHT」ボタン221、「FRONT
/REAR」ボタン222、「UP/DOWN」ボタン
233はそれぞれ動作チェックを行なう自由度を選択す
るボタンであり、それぞれX、YおよびZ軸の動作に対
応する。「REPEAT COUNT」は選択された動
作の繰り返し回数のことであり、矢印ボタン120〜1
23で設定された値がテキストボックス226に表示さ
れる。「START」ボタン231が押されると「RE
PEATCOUNT」回数だけ基本動作が繰り返し、
「STOP」ボタン232が押されると指定された回数
に達していなくても直ちに確認動作を停止する。
【0094】図31の動作確認画面210において「R
OUTINE」ボタンが選択されると、図33のルーチ
ン動作チェック画面227が表示される。ルーチン動作
とは通常の核酸抽出動作のことであり、ルーチン動作チ
ェックないしは確認は検体、試薬などの消耗品を使用し
ないで液面検知センサの状態をすべて無視して行なう機
械的な動作確認である。「START」ボタン224が
押されると矢印ボタン120〜123で指定されて繰り
返し回数テキストボックス227に表示された回数だ
け、ルーチン動作を実行する。ただし、「STOP」ボ
タン225が押されたら直ちにルーチン動作確認を停止
する。
【0095】図32および図33の画面において「BA
CK」と表示された画面展開ボタンを押すと図31の動
作確認画面に戻り、更に「BACK」画面展開ボタンを
押すと、メニュー選択画面に戻る。
【0096】「PATTERN SET」ボタン136
が押されると図34に示す抽出パターン設定画面230
が表示される。抽出パターンとは核酸抽出を行なう際に
分注する試薬の量や、攪拌回数などの制御情報である。
検体や使用する試薬の種類によって制御パラメータの最
適な値の組は異なるため、これらを抽出パターンとして
まとめて識別番号を付与し、検体や使用する試薬の種類
に応じた抽出パターンの選択を可能にしている。抽出パ
ターン設定画面の左側の列には界面活性剤(R1)、結
合促進剤(R2)、洗浄液(R3)、溶離液(R4)な
どの試薬、空気(AIR)、検体(SAMPLE)の項
目が示されており、左から2列目にはそれらの項目に対
する吸引量(分注量)の値、3列目には試薬や空気を分
注した時の攪拌回数の値を示している。
【0097】画面の右側には抽出パターンの識別番号を
設定する操作部となっており、矢印ボタン120、12
1によって設定された抽出パターン識別番号がテキスト
ボックス234に表示され、表示されている抽出パター
ンが装置の制御部に取り込まれて、核酸抽出を実行する
際に表示されているパラメータが参照されることにな
る。矢印キー120、121によって抽出パターン識別
番号を変更すると、画面左側のパラメータの値も更新さ
れ、同時に装置の制御部に取り込まれている値も更新さ
れる。
【0098】「CHANGE PARAMETER」ボ
タン235が押されると表示中の抽出パターンで定義さ
れているパラメータの値を変更するため、図35に示す
パラメータ設定画面240が表示される。この画面には
試薬の分注量や空気の吸引量を変更するための項目選択
ボタン241−1〜241−5、攪拌回数を変更するた
めの選択ボタン242−1〜242−5、検体液量を変
更するための「SAMPLE」ボタン243、精製品の
分取量変更を選択する「ISOLATOR」ボタン24
4、精製品容器の形状を選択するための「CUP DE
PTH」ボタン245が表示されている。
【0099】試薬の分注量や空気の吸引量を変更するた
めの項目選択ボタン241−1〜241−5、攪拌回数
を変更するための選択ボタン242−1〜242−5、
検体液量を変更するための「SAMPLE」ボタン24
0、精製品の分取量変更を選択する「ISOLATO
R」ボタン244が選択されると図36に示すパラメー
タ変更画面250が表示される。画面250のタイトル
部に表示されている「PARAMETER SET」に
続いて、変更すべきパラメータの名称が表示され、「V
OL.R1」とあるのは界面活性剤(R1)の分注量を
変更するための選択ボタン241−1が押されたことを
示している。画面上部に「EFFECTIVE RAN
GE /0 − 990」と表示されているのは選択され
たパラメータの有効範囲を示している。パラメータ値の
設定には矢印ボタン120〜123が押され、パラメー
タの値はテキストボックス225に表示される。「O
K」ボタン252が押されると値を確定し、「CANC
EL」ボタン253が押されると入力された値を無効と
し、変更前の値に戻す。
【0100】図35のパラメータ設定画面240で「C
UP DEPTH」ボタン245が押されると図37に
示す精製品容器選択画面が表示される。「FOR CO
BAS AMPLICOR」ボタン201が押されると
精製品容器として図9に示す精製品チューブ25−2を
使用することを制御プログラム38に通知し、精製品を
精製品ラック12に分注する際には精製品チューブ25
−2の形状に合わせて分注ノズル7を下降させる。一
方、一般的に広く使用されている標準的なPCR装置の
試料容器には容量によってその深さが異なる容器が用意
されている。「FOR PCR」ボタン202−1〜2
02−5は深さの異なるPCR用試料容器を選択するた
めのボタンである。
【0101】「SYSTEM LOG」ボタン137が
押されると図38に示すシステムログ情報表示画面が表
示される。システムログ情報とは本実施例で示す装置の
内部で起こった主要な事象の記録のことであり、発生時
刻と事象コード「ALARM」およびその詳細情報を含
む。主な事象には核酸抽出処理の開始・終了・中断、装
置の異常検知、試薬パックなどの消耗品の交換、位置調
整値の値の更新が含まれる。制御プログラム38はシス
テムログを順次記憶し、所定の数を超えた場合には最も
古い記録を削除して所定の数を超えないようにしてい
る。システムログ情報表示画面260は最新のシステム
ログ情報から順に、一覧表にして表示し、各事象のデー
タには発生時刻と事象コード「ALARM」が表示され
ている。詳細情報を参照するためにはカーソル261を
矢印ボタン120、121によって所望するシステムロ
グ情報の行に移動してから、「DETAIL」ボタン1
51を押すことによってシステムログ情報詳細表示画面
(図示せず)に切り替える。詳細表示画面の右上部の画
面展開ボタンには「BACK」のラベルが表示されてお
り、それを押すことによってシステムログ情報表示画面
に戻る。同様にシステムログ情報表示画面において「B
ACK」と表示されている画面展開ボタンが押されると
図22または図23に示されるメニュー画面に戻る。
【0102】「TIMER SET」ボタン138が押
されると図39に示す時刻設定画面265が表示され
る。「YEAR」ボタン266―1、「MONTH」ボ
タン266―2、「DAY」ボタン266―3、「HO
UR」ボタン266―4、「MINUTE」ボタン26
6―5はそれぞれ年月日、時分の値を変更するためのボ
タンで、各々の項目に対応したデータがボタンの左側に
表示されている。これらのボタンのいずれかが押される
と図40の時刻変更画面270に画面が切り替わり、選
択したボタンに対応した項目の数値を変更することがで
きる。図40に示す例では「YEAR」ボタンが押され
て画面が切り替えられたため、YEARに対応した値の
テキストボックス271が表示され、矢印ボタン120
〜123によってその値を変更することができる。
【0103】時刻変更画面270の「BACK」画面展
開ボタンが押されると、時刻設定画面265に戻り、時
刻設定画面265の「BACK」画面展開ボタンが押さ
れると図22又は図23に示したメニュー画面に戻る。
【0104】「VERSION」ボタン139が押され
ると図41に示すバージョン情報画面が表示される。こ
の画面には装置の型式名称と制御プログラム38のバー
ジョン番号が表示され、「OK」ボタン276か「BA
CK」と表示された画面展開ボタンが押されると図22
又は図23に示したメニュー画面に戻る。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、操作性がよくて誤操作
を誘発しにくい核酸精製装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく一実施例を示す核酸精製用装
置の斜視図。
【図2】図1の下部の平面図。
【図3】図1の平面図。
【図4】本発明にもとづく一実施例を示す核酸精製装置
の電気系のブロックダイヤグラム。
【図5】図1の実施例において用いられる試薬パックの
斜視図。
【図6】図1の実施例において用いられる分注器の系統
図。
【図7】図1の実施例において用いられる検体ラックの
斜視図。
【図8】図1の実施例において用いられる精製品ラック
の斜視図。
【図9】図1の実施例において用いられる代替案として
の精製品チューブの正面図。
【図10】図1の実施例において用いられる分離チップ
ラックの斜視図。
【図11】図1の実施例において用いられる分離チップ
の斜視図。
【図12】図1の実施例において用いられる分離ノズル
に対する分離チップの装着の動作説明図。
【図13】図1の実施例において用いられる分離ノズル
に対する分離チップの取り外しの動作説明図。
【図14】図1の実施例の操作フローチャート。
【図15】図1の実施例における抽出処理のフローチャ
ート。
【図16】図1の実施例における残量チェックのフロー
チャート。
【図17】図1の操作パネルに表示される画面の基本画
面レイアウトを示す図。
【図18】図1の操作パネルに表示される初期/終了画
面を示す図。
【図19】図1の操作パネルに表示されるパスワード画
面を示す図。
【図20】図1の操作パネルに表示される核酸抽出画面
(ルーチン画面)を示す図。
【図21】図1の操作パネルに表示される抽出モニタ画
面を示す図。
【図22】図1の操作パネルに表示されるユーザモード
のメンテナンスメニュー画面を示す図。
【図23】図1の操作パネルに表示されるサービスモー
ドのメンテナンスメニュー画面を示す図。
【図24】図1の操作パネルに表示される抽出結果管理
画面を示す図。
【図25】図1の操作パネルに表示される検体管理詳細
画面を示す図。
【図26】図1の操作パネルに表示される試薬管理画面
を示す図。
【図27】図1の操作パネルに表示される分離チップ管
理画面を示す図。
【図28】図1の操作パネルに表示される位置調整画面
を示す図。
【図29】図1の操作パネルに表示される調整位置表示
画面を示す図。
【図30】図1の操作パネルに表示される調整位置設定
画面を示す図。
【図31】図1の操作パネルに表示される動作確認画面
を示す図。
【図32】図1の操作パネルに表示される試薬分注機の
動作チェック画面を示す図。
【図33】図1の操作パネルに表示されるルーチン動作
チェック画面を示す図。
【図34】図1の操作パネルに表示される抽出パターン
設定画面を示す図。
【図35】図1の操作パネルに表示されるパラメータ設
定画面を示す図。
【図36】図1の操作パネルに表示されるパラメータ変
更画面を示す図。
【図37】図1の操作パネルに表示される精製品容器選
択画面を示す図。
【図38】図1の操作パネルに表示されるシステムログ
情報表示画面を示す図。
【図39】図1の操作パネルに表示される時刻管理画面
を示す図。
【図40】図1の操作パネルに表示される時刻設定画面
を示す図。
【図41】図1の操作パネルに表示されるバージョン情
報表示画面を示す図。
【符号の説明】
1:装置本体、2:操作パネル、3:リニアスライダ
ー、4:純水タンク、5−1、5−2:試薬パック、5
−1 … 試薬ボトル、6:分注ノズル、6A:分注ノ
ズルホルダ、7:分離ノズル、7A:分離ノズルホル
ダ、8:廃液口、9:チップ廃棄口、10:検体ラッ
ク、11:分離チップラック、12:精製品ラック、1
3:消耗品トレー、14:バーコードリーダ、15:試
薬バーコード、25:分離チップ、30:制御用計算
機、33:シリンジ、34:分注ノズルホルダ、10
0:ユーザモード表示部、101:タイトル表示部、1
02:時刻表示部、103:画面展開ボタン、104:
制御情報表示部、初期/終了画面、107:パスワード
画面、113:検体レイアウト図、108:核酸抽出画
面、120:インクリメントボタン、121:デクリメ
ントボタン、125:抽出モニタ画面、130:ユーザ
モードのメンテナンスメニュー画面、130−2:サー
ビスモードのメンテナンスメニュー画面、150:抽出
結果管理画面、155:検体管理詳細画面、160:試
薬管理画面、170:分離チップ管理画面、180:位
置調整画面、190:調整位置表示画面、205:調整
位置設定画面、200:精製品容器選択画面、210:
動作確認画面、220:試薬分注器の動作チェック画
面、230:抽出パターン設定画面、240:パラメー
タ設定画面、250:パラメータ変更画面、260:シ
ステムログ情報表示画面、265:時刻管理画面、27
0:時刻設定画面、275:バージョン情報表示画面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 智也 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 町田 和久 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所デザイン研究所内 (72)発明者 井澤 清貴 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所デザイン研究所内 Fターム(参考) 4B063 QA20 QQ03 QQ06 QQ15 QQ42 QQ52 QR51 QR54 QR83 QS12 QS25 QS39 4C057 AA04 BB02 BB05 CC03 DD01 MM02 MM04 MM09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出する手段と、その抽出した核酸を収容す
    るラックと、デイスプレイ装置と、入力装置とを含み、
    前記デイスプレイ装置は前記検体保持ラック中の検体
    の位置を表しかつ前記入力装置から入力される核酸抽出
    処理すべき検体と一定の配置関係を持つ検体レイアウト
    図を含む画面を表示し、前記検体レイアウト図中の前記
    検***置のうちの、前記入力装置から入力された核酸抽
    出処理すべき検体に対応する検***置は他の検***置と
    区別できるように表示されていることを特徴とする核酸
    精製装置。
  2. 【請求項2】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出する手段と、その抽出した核酸を収容す
    るラックと、タッチパネル式デイスプレイ装置とを含
    み、該タッチパネル式デイスプレイ装置は数値を表示す
    るテキストボックスと前記数値を増減させるボタンとを
    含む画面を表示し、前記ボタンは前記テキストボックス
    の下方に配置されている核酸精製装置。
  3. 【請求項3】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出する手段と、その抽出した核酸を収容す
    るラックと、デイスプレイ装置と、入力装置とを含み、
    前記デイスプレイ装置は前記検体保持ラック中の検体の
    位置を表す検体レイアウト図を含む画面を表示し、前記
    検体レイアウト図中の、前記入力装置から入力される核
    酸抽出処理すべき検体に対応する検***置には検体処理
    状況が表示されることを特徴とする核酸精製装置。
  4. 【請求項4】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出する手段と、その抽出した核酸を収容す
    るラックと、デイスプレイ装置とを含み、前記デイスプ
    レー装置は、検体について核酸抽出処理が適正に行われ
    なかった場合に、その検体についてエラー情報と操作者
    に対する確認部を表示することを特徴とする核酸精製装
    置。
  5. 【請求項5】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出するための手段と、その核酸抽出におい
    てその核酸を捕捉する分離チップを保持するラックと、
    前記抽出した核酸を収容するラックと、前記分離チップ
    保持ラックの分離チップの位置を表す分離チップレイア
    ウト図を含む画面を、前記分離チップの装着位置を認識
    し得るように表示するデイスプレイ装置と、入力手段と
    を含み、該入力手段により前記分離チップの装着位置を
    変更し得るようにしたことを特徴とする核酸精製装置。
  6. 【請求項6】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出するための手段と、その核酸抽出におい
    てその核酸を捕捉する分離チップを保持するラックと、
    前記抽出した核酸を収容するラックと、デイスプレー装
    置とを含み、該デイスプレー装置は前記検体保持ラッ
    ク、分離チップ保持ラックおよび核酸収容ラックの基準
    位置のレイアウト図と前記基準位置に関連付けて配置さ
    れている、前記基準位置の選択部とを含む画面を表示す
    ることを特徴とする核酸精製装置。
  7. 【請求項7】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出するための手段と、その核酸抽出処理に
    おいてその核酸を捕捉する分離チップを保持するラック
    と、前記抽出した核酸を収容するラックと、前記核酸抽
    出処理のために試薬を分注する機構と、前記核酸抽出処
    理のために前記分離チップ保持ラックの分離チップを装
    着する機構と、前記検体保持ラック、分離チップ保持ラ
    ックおよび核酸収容ラックを収納する収納手段と、前記
    試薬および/又は分離チップが不足した場合、前記核酸
    抽出処理を停止して、そのときの前記試薬分注機構およ
    び/又は分離チップ装着機構の状態を記憶するととも
    に、前記試薬分注機構および/又は分離チップ装着機構
    を所定位置に待避した後に前記ラック収納手段を取り出
    し得る状態にする手段とを含む核酸精製装置。
  8. 【請求項8】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出するための手段と、その核酸抽出処理に
    おいてその核酸を捕捉する分離チップを保持するラック
    と、前記抽出した核酸を収容するラックと、前記核酸抽
    出処理のために試薬を分注する機構と、前記核酸抽出処
    理のために前記分離チップ保持ラックの分離チップを装
    着する機構と、前記検体保持ラック、分離チップ保持ラ
    ックおよび核酸収容ラックを収納する収納手段と、入力
    装置と、前記ラック収納手段の位置を検出する手段とを
    含み、該検出手段によって前記ラック収納手段が所定位
    置にないことを検出された場合に前記入力装置からの操
    作者による入力操作を禁止するようにしたことを特徴と
    する核酸精製装置。
  9. 【請求項9】複数の検体を保持するラックと、前記検体
    から核酸を抽出するための手段と、その核酸抽出処理に
    おいてその核酸を捕捉する分離チップを保持するラック
    と、前記抽出した核酸を収容するラックと、前記核酸抽
    出処理のために試薬を分注する機構と、前記核酸抽出処
    理のために前記分離チップ保持ラックの分離チップを装
    着する機構と、前記検体保持ラック、分離チップ保持ラ
    ックおよび核酸収容ラックを収納する収納手段と、該ラ
    ック収納部に近接して設けられた、前記核酸抽出処理に
    よって生じる廃液の収納部および前記核酸抽出処理のた
    めに使用した分離チップの収納部とを含み、前記検体ラ
    ックの検体の核酸抽出処理は前記廃液収納部および使用
    済み分離チップ収納部に近い方から実行するようにした
    ことを特徴とする核酸精製装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002078847A1 (fr) * 2001-03-28 2002-10-10 Hitachi, Ltd. Instrument et procede permettant de recuperer de l'acide nucleique
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