JP2000335999A - チタン酸バリウム単結晶の製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム単結晶の製造方法

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JP2000335999A JP11151529A JP15152999A JP2000335999A JP 2000335999 A JP2000335999 A JP 2000335999A JP 11151529 A JP11151529 A JP 11151529A JP 15152999 A JP15152999 A JP 15152999A JP 2000335999 A JP2000335999 A JP 2000335999A
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Yuutoku Sekijima
雄徳 関島
Masaru Fujino
優 藤野
Takashi Fujii
高志 藤井
Kikuo Wakino
喜久男 脇野
Masakatsu Okada
正勝 岡田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度・高品質な正方晶のチタン酸バリウム
単結晶を安定に得ることのできる、チタン酸バリウム単
結晶の製造方法を提供する。 【解決手段】 本願発明にかかるチタン酸バリウム単結
晶の製造方法は、チタン酸バリウム単結晶の種結晶とチ
タン酸バリウム多結晶体との間にBa−Ti−O組成物
を挟持する工程と、前記Ba−Ti−O組成物を加熱溶
融させて前記種結晶に接合する工程と、前記Ba−Ti
−O組成物を加熱溶融させることにより形成された融帯
を前記チタン酸バリウム多結晶体側に移動させてチタン
酸バリウム単結晶を得る工程とを含むチタン酸バリウム
単結晶の製造方法であって、前記Ba−Ti−O組成物
のTi/(Ti+Ba)モル比およびアスペクト比が、
図1の点ABCDを結ぶ四角形の範囲内(頂点および辺
上を含む)に属する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は溶媒移動帯溶融法
(Traveling Solvent Floating Zone Method;TSFZ
法)による高品質な正方晶チタン酸バリウム単結晶の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より非線形光学の応用分野において
光屈折(Photorefractive;PR)効果が注目され、強誘
電体である正方晶チタン酸バリウム(BaTiO3 )単
結晶は小さなレーザ出力で大きなPR効果を示すことか
ら、最も期待されている材料の1つである。図2は、横
軸にTiO2 のモル%をとり、縦軸に温度(℃)をとっ
て示すBaO−TiO2 系二次元状態図である。チタン
酸バリウムは、図2を見れば分かる通り、一致溶融組成
を示すものの1460℃で立方晶−六方晶の相転位を起
こし、定比組成の融液から単結晶を育成しようとすると
六方晶のチタン酸バリウムが育成される。この六方晶の
チタン酸バリウムは室温まで冷却してもPR効果を示す
正方晶に相転位しない。そのため六方晶に相転位しない
1460℃以下の温度で育成することが必要である。そ
こで、従来、KFフラックスを用いたRemeika法
(J.P.Remeika;J.Am.Ceram.Soc.,76 (1954) p940) や、
TiO2 過剰の原料溶液を徐冷しながら引き上げるTS
SG法(味村彰治ら;日本結晶成長学会誌,.17 (1990)
p110)などでチタン酸バリウム単結晶の育成が行われて
きた。なお、図2中、cubとは立方晶を示し、hex
とは六方晶を示す。
【0003】ここで、現在主流に行われているTSSG
法によるチタン酸バリウム単結晶の製造方法について概
説する。素原料であるBaCO3 とTiO2 (共に純度
99.99%以上)の粉末をおのおの35mol%,6
5mol%の割合で混合し、大気中・1000℃で10
時間仮焼した後、白金製坩堝に充填する。これを150
0℃まで昇温・融解させ、融点(約1430℃)まで冷
却したところで、種結晶であるチタン酸バリウム単結晶
をシードタッチさせる。この後、温度を0.1℃/時間
の割合で冷却させながら種結晶を0.1mm/時間の割
合で引き上げることで結晶を成長させる。育成される単
結晶の直径は約20mmである。この方法ではチタン酸
バリウム単結晶が育成されるに従って原料融液の組成が
Tiに富む組成にずれて行き(図2参照)、1322℃
で包晶点に到達し、チタン酸バリウムの析出が終わる。
このため、育成できる結晶サイズに制限がある。また、
成長速度が遅いために単結晶育成に多くの時間を有す
る。これらがチタン酸バリウム単結晶のコスト高の原因
となっていた。また、坩堝材による結晶の汚染の影響も
避けられない。一般に、FeやCeなどある種の元素を
チタン酸バリウムに添加するとPR効果は増すが、それ
以外の元素についてはPR効果を減少させたり、正方晶
−立方晶相転移温度であるキュリー温度を下げることが
ある。それゆえ、目的以外の元素の混入は極力避けなけ
ればならない。また、TSSG法は、育成技術が困難
で、温度分布の均一化、種結晶の冷却など育成条件を厳
密に管理しないと、光学用途に耐える高品質なチタン酸
バリウム単結晶が得られない。
【0004】一方、Remeika法は大型単結晶が得
にくく、坩堝材やフラックス成分が不純物として取り込
まれやすいという不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題を回避する
ため、発明者らは溶媒移動帯溶融法(Traveling Solven
t Floating Zone Method;TSFZ法)を適用すること
を考えた。TSFZ法では坩堝を使用しないため坩堝材
からの不純物混入が避けられ、一致溶融組成でない材料
の単結晶育成が実現可能である。また、種結晶上へのチ
タン酸バリウムの析出に伴う溶媒中の組成変動も原料棒
から常にチタン酸バリウムが供給されるため、理論上、
原料が続く限り育成を続けることができる。このため、
高純度で低コストな正方晶のチタン酸バリウム単結晶の
育成が期待できる。FZ法による正方晶のチタン酸バリ
ウム単結晶の育成は、最初、Brownらにより試みら
れ(J.Appl.Phys.,35 (1964) p1954)、チタン酸バリウ
ムに数mol%のチタン酸ストロンチウムを固溶させる
と正方晶のチタン酸バリウムが直接得られることが見出
された。この方法により、直径3.2mm,長さ25m
mの単結晶の育成に成功している。しかし、この方法で
得られる結晶はチタン酸バリウムとチタン酸ストロンチ
ウムの固溶体で、ストロンチウムが固溶することでチタ
ン酸バリウムのキュリー温度(正方晶−立方晶相転移温
度)が低下するといった問題があった。一方、Turn
erらはTiO2 を溶媒にしたTSFZ法(C.E.Turner
et.al.;J.Cryst.Growth,56 (1982) p137)により、直径
約5mm,長さ約10mm程度の固溶体ではない純粋な
正方晶のチタン酸バリウム単結晶を得ている。しかし、
長尺結晶の育成にはまだ成功しておらず、また溶融帯形
成のためにPt−Rh線ヒーターを使用し、このヒータ
ーが融液と接触しているため、PtやRhが不純物とし
て混入するという問題があった。
【0006】それゆえに、本願発明の主たる目的は、高
純度・高品質な正方晶のチタン酸バリウム単結晶を安定
に得ることのできる、チタン酸バリウム単結晶の製造方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、チタン酸バ
リウム単結晶の種結晶とチタン酸バリウム多結晶体との
間にBa−Ti−O組成物を挟持する工程と、Ba−T
i−O組成物を加熱溶融させて種結晶に接合する工程
と、Ba−Ti−O組成物を加熱溶融させることにより
形成された融帯をチタン酸バリウム多結晶体側に移動さ
せてチタン酸バリウム単結晶を得る工程とを含むチタン
酸バリウム単結晶の製造方法であって、Ba−Ti−O
組成物のTi/(Ti+Ba)モル比およびアスペクト
比が、図1の点A(0.68,2.2)、B(0.8
1,2.1)、C(0.85,0.1)、D(0.7
2,0.2)を頂点とする四角形の範囲内(頂点および
辺上を含む)に属する、チタン酸バリウム単結晶の製造
方法である。ここで図1は、横軸にBa−Ti−O組成
物中のTi/(Ti+Ba)〔モル比〕をとり、縦軸に
アスペクト比をとったグラフである。なお、アスペクト
比とは、円柱試料の直径に対する高さの比をいう。
【0008】TSFZ法によれば、Ti/Ba比が1で
あるチタン酸バリウム単結晶を種結晶とし、チタン酸バ
リウム多結晶体を原料棒として、当該種結晶と原料棒の
間に溶媒としてのBa−Ti−O組成物を挟持し、当該
溶媒を加熱・溶融させることにより形成される融帯を原
料棒側に移動させることにより、チタン酸バリウム単結
晶を得ることができる。通常、Ba−Ti−O組成物の
組成は、図2に示す液相線PQ上から選ばれ、それを加
熱・溶解することにより融帯が形成される。液相線PQ
の幅は比較的狭い。しかし、融帯には、種結晶および原
料棒からそれぞれチタン酸バリウムが溶け出すため、融
帯の組成はTi/Ba比が1であるチタン酸バリウム側
にずれる。また、単結晶育成中においては、種結晶上へ
のチタン酸バリウム単結晶の析出および原料棒から融帯
へのチタン酸バリウムの溶け込みが繰り返し起こるた
め、融帯の組成は周期的に変動する。そのため、単結晶
育成中に融帯の組成が六方晶のチタン酸バリウムの析出
領域や包晶点(図2中Q)に接触してしまうおそれがあ
る。これでは、正方晶のチタン酸バリウム単結晶を安定
に得ることができない。しかし、本願発明においては、
Ba−Ti−O組成物のTi/(Ti+Ba)モル比お
よびアスペクト比を図1の点ABCDを頂点とする四角
形の範囲内(頂点および辺上を含む)に属するようにす
ることにより、高純度・高品質の正方晶のチタン酸バリ
ウム単結晶を安定に育成することができる。また、本願
発明によれば長尺の単結晶を得ることができる。
【0009】また、本願発明にかかるチタン酸バリウム
単結晶の製造方法においては、鉛直方向において、種結
晶の上にBa−Ti−O組成物を配置し、その上にチタ
ン酸バリウム多結晶体が配置されることが溶融液の垂れ
の影響を防止するため好ましい。
【0010】さらに、本願発明にかかるチタン酸バリウ
ムの製造方法においては、チタン酸バリウム多結晶体お
よびBa−Ti−O組成物は、それぞれ直径20mm以
下の円柱形であることが所望の単結晶を得るために好ま
しい。
【0011】また、本願発明にかかるチタン酸バリウム
の製造方法においては、光加熱装置によりBa−Ti−
O組成物を加熱溶融させることが不純物の混入を防止す
る点で好ましい。
【0012】本願発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【発明の実施の形態】図3は、本願発明にかかる単結晶
の製造方法に用いられる単結晶育成装置の一例を示す図
解図である。この単結晶育成装置10は、筐体12を含
む。筐体12内には双楕円をその長軸回りに回転させた
双楕円回転面を有する双楕円ミラー14が収納される。
双楕円とは2つの楕円が一つの焦点を共有して組み合わ
された形状をいう。双楕円ミラー14内には、双楕円の
共有焦点を間に挟んで対向する両側の焦点に対応する位
置にそれぞれハロゲンランプ16,16が配置される。
ハロゲンランプ16,16は熱源としての光源であり、
照射された光は双楕円ミラー14内面で反射され共有焦
点に集中される。これにより、共有焦点にあらかじめ保
持された試料を加熱溶融させて、融帯を形成することが
できる。すなわち、この実施形態ではハロゲンランプ1
6,16と双楕円ミラー14とで光加熱装置が構成され
る。また、双楕円ミラー14内には、石英管22が収納
され、石英管22内には、原料棒および種結晶を保持し
て鉛直方向の上下に移動させるための上シャフト18お
よび下シャフト20が、共有焦点を間に挟んで鉛直方向
上下に対向して配置される。上下シャフト18,20を
鉛直方向上下に同期させて移動させることにより、融帯
を原料棒および種結晶の長手方向に移動させることがで
きる。上シャフト18には、チタン酸バリウム多結晶体
を円柱形に加工した原料棒24が保持される。下シャフ
ト20には、チタン酸バリウム単結晶を円柱形に加工し
た種結晶26が保持される。種結晶26の原料棒24に
対向する端部には、円柱形に加工したBa−Ti−O組
成物28が取り付けられる。この装置10を使用した実
施例および比較例を以下に説明する。
【0014】(実施例1)チタン酸バリウム多結晶体で
なる原料棒の出発原料としての炭酸バリウム(純度9
9.99%)と酸化チタン(純度99.99%)とを、
Ba/Ti(モル比)が50/50となるように秤量
し、玉石および純水と共にポットミルで混合した。ま
た、Ba−Ti−O組成物作製のための出発原料として
の炭酸バリウム(純度99.99%)と酸化チタン(純
度99.99%)とを、Ba−Ti−O組成物中のTi
/(Ti+Ba)〔モル比〕が、図1の点A,B,C,
Dを頂点とする四角形の範囲内(頂点および辺上を含
む)に属するように秤量し、玉石、および純水と共にポ
ットミルで混合した。各々の混合物は脱水、乾燥した
後、メッシュに通して粒度を整えた。このようにして得
られた2種類の混合物をそれぞれアルミナ製坩堝に充填
し、抵抗加熱式焼成炉内で仮焼を行った。この仮焼は、
1200℃で2時間、大気雰囲気で行った。得られた仮
焼粉末を乳鉢内で粉砕し、各々内径10mmのラバーチ
ューブに充填し、静水圧プレス機内において2t/cm
2 の圧力で加圧成形することで円柱形の成形体を得た。
得られた円柱成形体の直径は8mmであった。各々の円
柱形成形体を再び抵抗加熱式焼成炉内で焼成した。この
焼成は、1300〜1460℃の温度範囲内で、2時
間、大気雰囲気中で行った。焼結後の円柱形成形体の直
径は7.5mmであった。焼結したBa−Ti−O組成
物をアスペクト比が図1の点A,B,C,Dを頂点とす
る四角形の範囲内(頂点および辺上を含む)に属する高
さに切り出した。
【0015】上述の工程で得られたチタン酸バリウム多
結晶体の原料棒、およびBa−Ti−O組成物と、種結
晶として用いるチタン酸バリウム単結晶とを図3に示し
た単結晶育成装置10にセットした。種結晶26上にB
a−Ti−O組成物28を置き、このBa−Ti−O組
成物28を光加熱装置14,16で加熱・融解した。融
解したBa−Ti−O組成物28に原料棒24を接触さ
せ、上シャフト18と下シャフト20とを互いに逆方向
に同一軸回りに回転させながら1時間程なじませた。そ
の後、上シャフト18と下シャフト20を同期駆動し
て、鉛直下方向に1mm/時間の速度で引き下げること
により、融帯を一定形状で安定に維持しながら相対的に
鉛直方向上方の原料棒24側に移動させた。こうして、
原料棒24から融帯への原料の溶解および融帯から種結
晶26側への単結晶の析出を連続的に行った。
【0016】Ti/(Ti+Ba)モル比およびアスペ
クト比を様々に変更したBa−Ti−O組成物を用いて
チタン酸バリウム単結晶の育成を行った結果を表1に示
す。表1には、X線構造解析により確認された生成相を
併せて示す。ここでBaTiO3 (tet.)とは正方
晶チタン酸バリウムを示し、BaTiO3 (hex.)
とは六方晶チタン酸バリウムを示す。また、表1中、*
印をつけたものは本発明の範囲外である。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示した試料No.1〜No.21の
実験結果について以下に説明する。
【0019】(試料1)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.68で、アスペクト比が2.2になるよう高
さ16.5mmに切り出した直径7.5mmのBa−T
i−O組成物を用いてチタン酸バリウム単結晶の育成を
行った。得られた結晶は、X線構造解析により、正方晶
単相であることが確認された。また、得られた単結晶を
ポーリング処理により単分域化した後、2本のアルゴン
レーザ(波長514.5nm)による2光波混合実験を
行った結果、シグナル光強度の増幅が確認された。
【0020】(試料2)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.68で、アスペクト比が2.3になるよう高
さ17.25mmに切り出した直径7.5mmのBa−
Ti−O組成物を用いてチタン酸バリウム単結晶の育成
を行った。得られた結晶は、結晶中に異相が目視で観察
でき、X線構造解析により正方晶チタン酸バリウムとB
aTi2 5 の混合相であることが確認された。
【0021】(試料3)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.68で、アスペクト比が2.1になるよう高
さ15.75mmに切り出した直径7.5mmのBa−
Ti−O組成物を用いてチタン酸バリウム単結晶の育成
を行った。得られた結晶は、結晶中に異相が目視で観察
でき、X線構造解析により正方晶および六方晶のチタン
酸バリウムの混合相であることが確認された。
【0022】(試料4)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.70で、アスペクト比が1.2になるよう高
さ9mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用いてチ
タン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた結晶
は、X線構造解析により正方晶単相であることが確認さ
れた。得られた単結晶をポーリング処理により単分域化
した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5nm)
による2光波混合実験を行った結果、シグナル光強度の
増幅が確認された。
【0023】(試料5)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.70で、アスペクト比が2.1になるよう高
さ15.75mmに切り出したBa−Ti−O組成物を
用いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られ
た結晶は、X線構造解析により正方晶単相であることが
確認された。得られた単結晶をポーリング処理により単
分域化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5
nm)による2光波混合実験を行った結果、シグナル光
強度の増幅が確認された。
【0024】(試料6)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.70で、アスペクト比が1.1になるよう高
さ8.25mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶および六方晶のチタン酸バリウムの混合相で
あることが確認された。
【0025】(試料7)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.70で、アスペクト比が2.2になるよう高
さ16.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶チタン酸バリウムとBaTi2 5 との混合
相であることが確認された。
【0026】(試料8)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.72で、アスペクト比が0.2になるよう高
さ1.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用い
てチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた結
晶は、X線構造解析で正方晶単相であることが確認され
た。得られた単結晶をポーリング処理により単分域化し
た後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5nm)に
よる2光波混合実験を行った結果、シグナル光強度の増
幅が確認された。
【0027】(試料9)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.80で、アスペクト比が2.1になるよう高
さ15.75mmに切り出したBa−Ti−O組成物を
用いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られ
た結晶は、X線構造解析により、正方晶単相であること
が確認された。得られた単結晶をポーリング処理により
単分域化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.
5nm)による2光波混合実験を行った結果、シグナル
光強度の増幅が確認された。
【0028】(試料10)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.80で、アスペクト比が0.2になるよう高
さ1.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用い
てチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた結
晶は、X線構造解析で正方晶単相であることが確認され
た。得られた単結晶をポーリング処理により単分域化し
た後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5nm)に
よる2光波混合実験を行った結果、シグナル光強度の増
幅が確認された。
【0029】(試料11)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.80で、アスペクト比が0.1になるよう高
さ0.75mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶および六方晶のチタン酸バリウムの混合相で
あることが確認された。
【0030】(試料12)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.80で、アスペクト比が2.2になるよう高
さ16.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶チタン酸バリウムとBaTi2 5 との混合
相であることが確認された。
【0031】(試料13)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.81で、アスペクト比が2.1になるよう高
さ15.75mmに切り出したBa−Ti−O組成物を
用いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られ
た結晶は、X線構造解析により、正方晶単相であること
が確認された。得られた単結晶をポーリング処理により
単分域化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.
5nm)による2光波混合実験を行った結果、シグナル
光強度の増幅が確認された。
【0032】(試料14)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.83で、アスペクト比が1.4になるよう高
さ10.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶チタン酸バリウムとBaTi2 5 との混合
相であることが確認された。
【0033】(試料15)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.83で、アスペクト比が0.8になるよう高
さ6.0mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用い
てチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた結
晶は、X線構造解析により、正方晶単相であることが確
認された。得られた単結晶をポーリング処理により単分
域化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5n
m)による2光波混合実験を行った結果、シグナル光強
度の増幅が確認された。
【0034】(試料16)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.85で、アスペクト比が0.1になるよう高
さ0.75mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、X線構造解析で正方晶単相であることが確認さ
れた。得られた単結晶をポーリング処理により単分域化
した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5nm)
による2光波混合実験を行った結果、シグナル光強度の
増幅が確認された。
【0035】(試料17)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.85で、アスペクト比が0.2になるよう高
さ1.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用い
てチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた結
晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析によ
り正方晶チタン酸バリウムとBaTi2 5 との混合相
であることが確認された。
【0036】(試料18)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.85で、アスペクト比が0.05になるよう
高さ0.375mmに切り出したBa−Ti−O組成物
を用いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得ら
れた結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解
析により正方晶および六方晶のチタン酸バリウムの混合
相であることを確認された。
【0037】(試料19)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.65で、アスペクト比が2.2になるよう高
さ16.5mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶および六方晶のチタン酸バリウムの混合相で
あることが確認された。
【0038】(試料20)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.86で、アスペクト比が0.1になるよう高
さ0.75mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用
いてチタン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶は、結晶中に異相が目視観察され、X線構造解析に
より正方晶チタン酸バリウムとBaTi2 5 との混合
相であることが確認された。
【0039】(試料21)Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.75で、アスペクト比が1.2になるよう高
さ9mmに切り出したBa−Ti−O組成物を用いてチ
タン酸バリウム単結晶の育成を行った。得られた結晶
は、X線構造解析により、正方晶単相であることが確認
された。得られた単結晶をポーリング処理により単分域
化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5n
m)による2光波混合実験を行った結果、シグナル光強
度の増幅が確認された。
【0040】(比較例1)実施例1と同じ条件でBa−
Ti−O組成物を用いずにチタン酸バリウム単結晶の育
成を行った。得られた単結晶は、X線構造解析により、
六方晶チタン酸バリウム単相であることが確認された。
得られた単結晶をポーリング処理により単分域化した
後、2本のアルゴンレーザ(波長514.5nm)によ
る2光波混合実験を行った結果、シグナル光強度の増幅
は確認されなかった。
【0041】次に、原料棒およびBa−Ti−O組成物
の太さを変更した実施例および比較例について以下に述
べる。
【0042】(実施例2)実施例1と同じ条件で、焼結
後の直径が20mmの原料棒、およびBa−Ti−O組
成物を用いて、チタン酸バリウム単結晶の育成を行っ
た。Ba−Ti−O組成物は、Ti/(Ti+Ba)
(モル比)が0.80で、アスペクト比が0.2になる
よう高さ4mmに切り出した。得られた結晶は、X線構
造解析により、正方晶チタン酸バリウム単相であること
が確認された。得られた単結晶をポーリング処理により
単分域化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.
5nm)による2光波混合実験を行った結果、シグナル
光強度の増幅が確認された。
【0043】(実施例3)実施例1と同じ条件で、焼結
後の直径が1mmの原料棒、およびBa−Ti−O組成
物を用いて、チタン酸バリウム単結晶の育成を行った。
Ba−Ti−O組成物は、Ti/(Ti+Ba)(モル
比)が0.80で、アスペクト比が0.2になるように
高さ0.2mmに切り出した。得られた結晶は、X線構
造解析により、正方晶チタン酸バリウム単相であること
が確認された。得られた単結晶をポーリング処理により
単分域化した後、2本のアルゴンレーザ(波長514.
5nm)による2光波混合実験を行った結果、シグナル
光強度の増幅が確認された。
【0044】(比較例2)実施例1と同じ条件で、焼結
後の直径が21mmの原料棒、およびBa−Ti−O組
成物を用いて、チタン酸バリウム単結晶の育成を行っ
た。Ba−Ti−O組成物は、Ti/(Ti+Ba)
(モル比)が0.80で、アスペクト比が0.2になる
ように高さ4.2mmに切り出した。しかし、結晶の融
解が不十分で単結晶が得られなかった。
【0045】
【発明の効果】本願発明によれば、高純度・高品質な正
方晶のチタン酸バリウム単結晶を容易にかつ安定に育成
することができる。その結果、たとえば光ホログラムメ
モリー等の光デバイス用材料として好適な特性を持つ正
方晶のチタン酸バリウム単結晶を比較的低コストで供給
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる単結晶の製造方法における、
Ba−Ti−O組成物中のTi/(Ti+Ba)(モル
比)とアスペクト比とが属する範囲を示すグラフであ
る。
【図2】BaO−TiO2 系二次元状態図である。
【図3】本願発明にかかる単結晶の製造方法に用いられ
る単結晶育成装置の一例を示す図解図である。
【符号の説明】
10 単結晶育成装置 12 筐体 14 双楕円ミラー 16 ハロゲンランプ 18 上シャフト 20 下シャフト 22 石英管 24 原料棒 26 種結晶 28 Ba−Ti−O組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 高志 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 脇野 喜久男 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 岡田 正勝 京都府京都市中京区聚楽廻東町22番地 コ スモ二条1103 Fターム(参考) 4G077 AA02 AB09 AB10 BC41 CE03 EC08 GA10 HA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸バリウム単結晶の種結晶とチタ
    ン酸バリウム多結晶体との間にBa−Ti−O組成物を
    挟持する工程と、 前記Ba−Ti−O組成物を加熱溶融させて前記種結晶
    に接合する工程と、 前記Ba−Ti−O組成物を加熱溶融させることにより
    形成された融帯を前記チタン酸バリウム多結晶体側に移
    動させてチタン酸バリウム単結晶を得る工程とを含むチ
    タン酸バリウム単結晶の製造方法であって、 前記Ba−Ti−O組成物のTi/(Ti+Ba)モル
    比およびアスペクト比が、図1の点A(0.68,2.
    2)、B(0.81,2.1)、C(0.85,0.
    1)、D(0.72,0.2)を頂点とする四角形の範
    囲内(頂点および辺上を含む)に属する、チタン酸バリ
    ウム単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉛直方向において、前記種結晶の上に前
    記Ba−Ti−O組成物を配置し、その上に前記チタン
    酸バリウム多結晶体が配置される、請求項1に記載のチ
    タン酸バリウム単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チタン酸バリウム多結晶体および前
    記Ba−Ti−O組成物は、それぞれ直径20mm以下
    の円柱形である、請求項1または請求項2に記載のチタ
    ン酸バリウム単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 光加熱装置により前記Ba−Ti−O組
    成物を加熱溶融させる、請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載のチタン酸バリウム単結晶の製造方法。
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