JP2000334448A

JP2000334448A - 流体殺菌浄化装置

Info

Publication number: JP2000334448A
Application number: JP11151393A
Authority: JP
Inventors: Kuniyasu Iwasaki; 邦康岩崎
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1999-05-31
Filing date: 1999-05-31
Publication date: 2000-12-05

Abstract

(57)【要約】【課題】殺菌・浄化効果の高い流体殺菌浄化装置を提
供する。【解決手段】紫外線照射下において、処理ケース内に
網状の光触媒７を、流体の流れの方向に対し垂直または
斜めに複数の層状にして配置したことにより、流体は連
続して光触媒の網目を複数回通過することになり、光触
媒粒子と被処理物の接触機会が増大し、光触媒作用の効
率を高め殺菌浄化能力が向上したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、風呂の浴用水、飲用
水、プール用水、養魚水槽用水などの液体および空気な
どの気体である流体を、光触媒作用を用いて殺菌浄化す
る業務用あるいは家庭用の流体殺菌浄化装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】光触媒作用により無機・有機化合物の酸
化的分解および菌やウイルスの破壊の効果が得られるこ
とは以前より知られており、この光触媒作用を利用した
水の浄化の応用例として、風呂の浴用水を循環浄化させ
ながら保温して常時入浴可能とした所謂２４時間風呂と
しての浴用水循環浄化装置における殺菌浄化手段の一部
として用いられ、例えば特開平８−８９７２５号公報、
特開平８−３１８２６７号公報等に示されているものが
知られている。

【０００３】これらの浴用水循環浄化装置では、フィル
ターおよびろ過材による物理的除去、ろ過材内の微生物
による生物的分解、紫外線による殺菌、光触媒による殺
菌および浄化等を組み合わせて、循環ポンプにより浴用
水を循環させて殺菌浄化を行い、ヒーターを介して保温
することにより、常時入浴可能な浴用水に維持すること
ができるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した従
来の浴用水循環浄化装置には以下の課題が残されてい
た。

【０００５】これら従来の浴用水循環浄化装置では、微
生物による生物的分解を主としているため有用菌以外の
雑菌の繁殖も見受けられ、殺菌力浄化能力が不十分なこ
とから、浴用水中に肺炎や気管支炎を発症する有害なレ
ジオネラ菌が発見されるなど、その安全性が指摘されて
おり、殺菌・浄化能力の向上が課題とされている。

【０００６】しかしながら、紫外線による殺菌力を高め
るためには、殺菌効果を決める紫外線の照度と流体への
紫外線照射時間に大きく作用されるため、従来の浴用水
循環浄化装置の構造での強い殺菌力を得るための高出力
紫外線ランプの採用や長い紫外線照射時間の確保は、狭
い浴室内で浄化装置を使うための構造的制限およびコス
ト高によりその実現がむずかしく、また浄化能力を高め
るためのろ過槽内ろ過材の量を増やすことは、雑菌の繁
殖や装置が大型化する等の問題により実現がむずかし
く、残る手段として光触媒作用による殺菌・浄化能力の
向上が課題とされている。

【０００７】なお、光触媒作用による酸化分解反応は、
紫外線領域波長の光を受けて光励起された光触媒粒子表
面に反応を受ける被処理物である雑菌および有機物やそ
の他の有害物質が接触して初めて起こるため、光触媒作
用の効率は、紫外線を受けた光触媒粒子表面積と流体に
含まれる被処理物との接触機会の多さにより決まるの
で、殺菌浄化能力を向上させるためには光触媒粒子と流
体中の被処理物との接触機会を増やすことが課題とされ
ている。

【０００８】光触媒作用を利用した前記特開平８−８９
７２５号公報記載の浄化装置では、図９および図１０に
示すように光触媒３０は円筒状の処理ケースの内部に設
置された光源２９の管軸回りに円筒状の網として設置さ
れているため、流体は流入口３１から流出口３２までを
通過する過程では光触媒の網目を１回もしくは２回程度
の少ない回数しか通過しないと想定され、光触媒と被処
理物の接触機会は少ないという欠点があった。

【０００９】また、特開平８−３１８２６７号公報に記
載の浄化装置では、円筒状の処理ケースの中に光源と円
筒状の厚みをもったろ過材が設けられ、そのろ過材の内
周面に網状の光触媒として設置されているため、流体は
処理ケース内を通過する過程では光触媒網目を１回程度
しか通過しないと想定され、光触媒と被処理物の接触機
会は少ないという欠点があった。

【００１０】本発明は、前記課題である殺菌浄化能力を
上げるために、光触媒粒子と被処理物の接触機会の少な
さを解決して増やすことにより、殺菌・浄化能力を向上
させた流体殺菌浄化装置を提供することを目的としてい
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】光触媒は、流体の流れを
損なわない様な網状またはパンチング板状の形状とした
基材の表面に、光触媒である二酸化チタン粒子を固定し
たものである。

【００１２】本発明では、光源からの紫外線照射下にお
いて光触媒粒子と流体中の被処理物の接触機会を増大さ
せるために、前記光触媒を処理ケース内を流れる流体の
流れの方向に対し垂直または斜めに複数の層状に配置し
たことにより、流体は流れを損なうことなく前記光触媒
の網目を連続的に複数回通過するように構成したもので
ある。これにより課題とされている光触媒粒子と流体中
の被処理物の接触機会を大幅に増やしたものである。

【００１３】請求項２記載の発明では、同一の光源にお
いて流体の紫外線を受けて光触媒作用が働く流路を長く
確保するために、ユニット化された処理ケース４を光源
６の周囲に光源側に紫外線透過壁３が面するように複数
個配置してそれらを直列に配管したものである。

【００１４】

【作用】本発明は、流体が光触媒の層を複数回通過する
ことにより、有効に働く光触媒表面の光触媒粒子と流体
中に含まれる被処理物である雑菌および有機物や有害物
質との接触機会が大幅に増えることになり、光触媒作用
による分解の効率が大幅に上がり、殺菌・浄化能力を大
幅に高めたものである。

【００１５】また請求項2記載の発明は、同一光源にお
いて、紫外線の照射を受けて光触媒作用の働く流路を長
く確保できたことにより、流路確保部分において光触媒
粒子と流体中に含まれる被処理物である雑菌および有機
物や有害物質との接触機会が大幅に増えることになり、
殺菌・浄化能力を大幅に高めたものである。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき具体的
に説明する。

【００１７】光触媒７および光触媒１４は流体の流れを
損なわない網状の形状とし、チタンを基材にして表面に
光触媒である二酸化チタンを固定したものである。

【００１８】なお、前記光触媒７および光触媒１４は、
チタン網を基材にして表面に光触媒である二酸化チタン
粒子を固定したものであるが、他の金属や樹脂またはセ
ラミック等を基材に用いて、流体の流れを損なわないよ
うな網状またはパンチング板状に形成されたものであっ
て、その基材の表面に光触媒粒子を固定化させたもので
あってもよい。

【００１９】図１は請求項１記載の流体殺菌浄化装置Ａ
の構成図である。図２はその断面図である。流体の流入
口１と流出口２を設けた一方向が紫外線を透過する紫外
線透過壁３で構成されている処理ケース４の中に、光源
の光を反射するように処理ケース内面にそって光反射板
６を設けるとともに、網状の光触媒７は処理ケース内を
流れる流体の流れの方向に対し斜めに複数の層状に設置
されており、前記光触媒７を照射するための光源５は紫
外線透過壁３を隔てて処理ケース外部に設けられて構成
されている。矢印は流体の流れの方向をあらわす。

【００２０】光源５から放射された紫外線は、処理ケー
ス４の一面を構成する紫外線を透過する紫外線透過壁３
を透過し、処理ケース内を流れる流体の流れの方向に対
し斜めに設置された光触媒７に照射される。光触媒７は
網目構造なので網目を通過した紫外線は反射板６により
反射されて裏側からもまんべんなく紫外線を受けること
ができる。流体は流入口１から入り流出口２から出るま
での過程において、設けられた光触媒網目を層になって
いる数に相当する回数を連続して通過するので、その過
程で光触媒表面の光触媒粒子と流体中に含まれる被処理
物質である雑菌および有機物や有害物質等との接触機会
が複数回以上に大幅に増え、光触媒作用による被処理物
質の分解が効率よく行なわれ、殺菌・浄化能力が向上さ
れる。

【００２１】また、図１の前記光触媒７は、流体の流れ
る方向に対して、１枚の光触媒を網状の光触媒面が斜め
になるようにアコーディオン状に連続的に折りたたんだ
形状で設置した実施例である。図３は前記光触媒７を流
体の流れる方向に対して、複数の光触媒を網状の光触媒
面を垂直にして等間隔を開けて連続的に設置した実施例
である。どちらの実施例においても、流体は処理ケース
内を通過する過程において、層状になった光触媒面の網
目を連続的に複数回通過するように構成されている。

【００２２】図４は請求項３記載の流体殺菌浄化装置B
の構成図である。図５はその断面図である。流体の流入
口８と流出口９を設けた円柱状の処理ケース１０内に、
紫外線を放射する光源１１、それを収納する紫外線透過
管１２、光反射板１３が設けられるとともに、円筒状処
理ケースの高さ方向に対して垂直に網状の光触媒１４が
等間隔に連続して配置されて構成されている。流体は処
理ケース内を通過する過程において層状に設置されたド
ーナツ板状の形状である前記光触媒１４の網目を連続的
に通過し、光触媒との接触機会が多くなるように構成さ
れている。

【００２３】図６は請求項２記載の流体殺菌浄化装置の
構成図である。図１の流体殺菌浄化装置Aをユニットと
して光源の周囲に紫外線透過壁３が光源に面するように
複数配置し、それらを直列に配管して流路を形成してユ
ニット集合体として一つの流体殺菌浄化装置とした実施
例である。これにより同一光源において紫外線を受けら
れる流路長を長く確保することができたので、光触媒表
面の光触媒粒子と流体中に含まれる被処理物質の接触機
会が大幅に増大し、紫外線および光触媒作用による殺菌
・浄化能力を大幅に向上させたものである。

【００２４】図７は流体殺菌浄化装置Aのユニットを６
個使用して直列に配管し、ユニット集合体とした一つの
流体殺菌浄化装置Cの斜視図である。

【００２５】なお、前記紫外線透過壁３および紫外線透
過管１２は、紫外線波長を透過する材質の石英ガラスで
形成されているが、紫外線波長を透過する性能をもつホ
ウケイ酸ガラス、プラスチック等が好適に用いることが
できる。

【００２６】また、前記光源６および光源１１は、紫外
線領域の発光波長を有した光源である紫外線ランプで構
成されているが、紫外線領域の発光波長を有した白熱灯
等のフィラメントランプ、水銀灯、キセノン灯等の高輝
度放電灯、蛍光灯、ブラックライト、殺菌灯等の蛍光灯
類等の人工光源や太陽光等の自然光源を好適に用いるこ
とができる。また、これらを組み合わせた構成であって
もよい。

【００２７】図８は本発明に係る流体殺菌浄化装置を具
備する浴用水循環浄化装置本体の使用状態の実施例を示
す説明図である。

【００２８】２０は浴用水を貯留する浴槽で、吸込口２
１と吐出口２２を介して浴用水の循環回路２３と連通し
ている。循環回路２３には循環ポンプ２４、粒状ろ過材
２５と容器２６で構成されたろ過槽２７、流体殺菌浄化
装置Ａ、浴用水を保温する加熱ヒーター２８が設けられ
ている。なお、流体殺菌浄化装置Aは装置Bまたは装置C
であってもかまわない。

【００２９】かかる構成により、循環ポンプ２４を駆動
し、吸込口２１から吸込んだ浴用水を循環させながら殺
菌・浄化するとともに、ヒーター２８により保温して吐
出口２２より浴槽に戻すことにより、浴槽水を常時入浴
可能な状態に維持することができる。

【００３０】本実施例の他に、飲用水、プール水、養魚
水槽水、その他の液体、さらには空気などの気体に含ま
れる無機化合物有機化合物の分解や雑菌等の有害物質を
分解するような装置にも用いることができる。

【００３１】また、ユニット化された液体殺菌浄化装置
Aにおいて、光源を太陽光に求め紫外線透過壁３を太陽
に向けて設置することにより、太陽光を光源としたパッ
シブシステムとして活用できる。この実施例によれば、
安全な飲用水が不足するような電力供給が止まった災害
地等において、殺菌浄化された安全な飲用水を提供する
ことができる。

【００３２】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
流体殺菌浄化装置によれば次のような効果が得られる。

【００３３】本発明によれば、紫外線照射下において光
触媒表面の光触媒粒子と流体中の被処理物の接触機会を
増大することができるので、光触媒作用を利用した雑菌
および有機物やその他の有害物質等の分解能力を著しく
向上させることができ、流体の殺菌・浄化能力が向上す
る。

【００３４】請求項２記載の発明によれば、同じ光源の
紫外線照射効果に比べ、紫外線を受けられる流路を長く
取ることが出来るので、光触媒粒子と被処理物の接触機
会が増大し、紫外線照射による殺菌および光触媒作用に
よる分解能力を著しく向上させることができ、流体の殺
菌・浄化能力が向上する。

【００３５】かかる発明により、浴用水循環浄化装置に
おいて光触媒による浄化・殺菌能力が向上したために、
ろ過材の量を少なくすること並びに循環ポンプを小型化
することが可能になり、低価格で小型の浴用水循環浄化
装置が可能となる。また、装置形状の自由度が広がり浴
室内での使用においても圧迫感のない形状にすることが
できる。

【００３６】かかる発明により、浴用水循環浄化装置に
おいて、流体浄化殺菌装置をろ過槽１５の下流側に設置
することにより、ろ過槽内で繁殖した雑菌が流体に混入
して排出された場合でも、流体殺菌浄化装置の中で殺菌
されるので浴槽水中への雑菌の混入が防げる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１記載の流体殺菌浄化装置の構成図であ
る。

【図２】請求項１記載の流体殺菌浄化装置の断面図であ
る。

【図３】本発明装置における光触媒の設置の実施例であ
る。

【図４】請求項３記載の流体殺菌浄化装置の構成図であ
る。

【図５】請求項３記載の流体殺菌浄化装置の断面図であ
る。

【図６】請求項２記載の流体殺菌浄化装置ユニットシス
テム構成図である。

【図７】請求項２記載の流体殺菌浄化装置ユニットシス
テム斜視図である。

【図８】浴槽水循環浄化装置における実施例の構成図で
ある。

【図９】従来の光触媒を利用した殺菌浄化装置の構成図
である。

【図１０】従来の光触媒を利用した殺菌浄化装置の断面
図である。

【符号の説明】

３紫外線透過壁４処理ケース５光源７光触媒

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ０１Ｊ 35/02 Ｃ０２Ｆ 1/72 １０１４Ｇ０６９Ｃ０２Ｆ 1/72 １０１Ｂ０１Ｄ 53/36 ＪＦターム(参考） 4C058 AA20 AA30 BB02 BB06 EE30 JJ02 KK02 KK25 KK46 4C080 AA07 AA10 BB02 BB05 CC01 HH05 JJ03 KK08 MM02 QQ11 QQ20 4D037 AA02 AA09 AB03 BA18 CA16 4D048 AA17 AA21 AB01 AB03 BA07Y BA13Y BA39Y BA41Y BB07 CC29 CC32 CC40 EA01 4D050 AA04 AA10 AB06 BB01 BC06 BC09 CA07 CA12 4G069 BA04A BA04B BA18 BA48A CA01 CA07 CA10 CA11 EA12 EB10 EE06 EE07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】流体の流入口（１）と流出口（２）を設
けた一方向が紫外線を透過する紫外線透過壁（３）で構
成されている処理ケース（４）の中に、紫外線を放射す
る光源（５）からの光を反射する光反射板（６）を設け
るとともに、処理ケース（４）内の紫外線透過壁と光反
射板の間の空間を流れる流体の流れの方向に対し、垂直
または斜めに流体が通過できる形状の光触媒（７）を複
数の層状に設け、前記光触媒（７）を照射するために紫
外線透過壁（３）を隔てて処理ケース外部に設けられた
光源（５）で構成されたことを特徴とする流体殺菌浄化
装置。
【請求項２】光源の周囲であって光源側に面するよう
に設けた紫外線透過壁（３）を有する前記処理ケース
（４）を複数配置し、それらを直列に配管して流路を構
成したことを特徴とする請求項１記載の流体殺菌浄化装
置。
【請求項３】流体の流入口（８）と流出口（９）を設
けた円筒状の処理ケース（１０）内に、紫外線を放射す
る光源（１１）とそれを収納する紫外線透過管（１２）
および紫外線を放射する光源（１１）からの光を反射す
る光反射板（１３）を設けた処理ケース（１０）におい
て、その処理ケース内の流体が流れる空間に円筒状処理
ケースの高さ方向に対し垂直に流体が通過できる形状の
光触媒（１４）を複数の層状に設けたことを特徴とする
流体殺菌浄化装置。