JP2000330571A - 吸音構造体 - Google Patents

吸音構造体

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JP2000330571A
JP2000330571A JP11141973A JP14197399A JP2000330571A JP 2000330571 A JP2000330571 A JP 2000330571A JP 11141973 A JP11141973 A JP 11141973A JP 14197399 A JP14197399 A JP 14197399A JP 2000330571 A JP2000330571 A JP 2000330571A
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Japan
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sound
front plate
resonators
sound absorbing
cavity
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JP11141973A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Narita
信彦 成田
Keiichi Sasaki
啓一 佐々木
Tetsuji Morita
哲司 森田
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Nok Vibracoustic Co Ltd
Original Assignee
Nok Vibracoustic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな設置スペースを必要とせずに広い周波
数帯域あるいは低周波数帯域の吸音周波数を設定可能と
し、製造が容易な吸音構造体を提供する。 【解決手段】 正面板12には中空***部121が形成
され、その頂部壁面121a及び(又は)側部壁面12
1bに、前記中空***部121よりも容積の小さい所要
数の副***部122が形成されている。各中空***部1
21は、背面板11との間に空洞13を画成することに
よって、空洞13内の空気ばねのばね定数と、前記頂部
壁面121aの振動マス領域の質量とによって、所定の
共鳴周波数を有する共鳴器10を構成する。また、各副
***部122は、各中空***部121の壁面上に共鳴器
10よりも小さい副共鳴器10’を構成するものである
と共に、各副***部122は、各中空***部121の振
動マスとしての質量を増大させる機能を有する。このた
め前記共鳴周波数を低く設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防音技術におい
て、共鳴器により音を共鳴吸収する吸音構造を有するも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の吸音構造体の典型的な従来技術
としては、例えば図8又は図9に示されたようなものが
ある。このうち図8に示された吸音構造体は、背面板1
00の音源側の面に多数の共鳴器200A(図では一個
のみ示される)を形成したものであり、すなわち、背面
板100の音源側に正面板201が添着され、この正面
板201に***形成された多数の中空***部202の各
頂部に共鳴孔203が開設され、これによって共鳴器2
00Aが構成される。各共鳴器200Aは、中空***部
202によって画成された空洞204における空気ばね
のばね定数と、共鳴孔203の内周に存在する空気塊の
質量によって決まる共鳴周波数(吸音周波数)が互いに
異なる値に設定され、ヘルムホルツの共鳴理論によっ
て、前記吸音周波数帯域の音を共鳴吸収するものであ
る。
【0003】また図9に示された吸音構造体は、背面板
100の音源側の面に、中空***部202が***形成さ
れた正面板201が添着されることによって、共鳴孔の
存在しない多数の共鳴器200B(図では一個のみ示さ
れる)が構成されている。各共鳴器200Bは、中空隆
起部202によって画成された空洞204における空気
ばねのばね定数と、中空***部202の壁面の質量及び
剛性とによって決まる共鳴周波数(吸音周波数)が互い
に異なる値に設定され、共鳴により前記吸音周波数帯域
の音を吸収するものである。
【0004】図8に示された構造において、共鳴器20
0Aの共鳴孔203の内周に存在する気塊の長さ(質
量)は中空***部202の肉厚に依存され、同様に、図
9に示された構造において、共鳴器200Bにおける中
空***部202の壁面の質量及び剛性はその肉厚や材質
に依存される。このため、正面板201の肉厚及び材質
が一定であれば、共鳴器200A,200Bの吸音周波
数は、実質的にはその大きさによって決まり、すなわち
共鳴器200A,200Bの容積が大きいほどその共鳴
周波数が低くなる。したがって、この種の吸音構造体
は、広い周波数帯域での吸音効果を実現する目的で、通
常は図10に示されるように、大きさの異なる多数の共
鳴器200A又は200B(図示のものは共鳴器200
B)を2次元的に配置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の吸音構造体によれば、より広い周波数帯域で吸音効
果を得るには、大きさの異なる共鳴器を多数配置する必
要があり、特定周波数における吸音効果を向上させる場
合にも多数の共鳴器が必要になる。また、低周波数帯域
の音を低減対象とする場合は、空洞204(中空***部
202)の容積を大きくしてその空気ばねのばね定数を
低くすることによって、吸音器の吸音周波数を低周波数
帯域にチューニングする必要がある。したがっていずれ
の場合も、設置面積が増大するといった問題が指摘され
る。
【0006】また、図9に示された吸音構造体の場合
は、その製造において、真空成形法等によって正面板2
01に多数の中空***部202を成形した後で、その各
頂部における所定箇所に共鳴孔203を開設する。そし
て各中空***部202は容積や高さがそれぞれ異なるた
め、共鳴孔203の開設には、前記各頂部に対応してポ
ンチが配置された打ち抜き型と、前記各頂部を内側から
押さえる押さえ型とを用いるが、共鳴孔203を確実に
打ち抜き形成するためには、前記打ち抜き型及び押さえ
型には極めて高精度の寸法公差が要求される。
【0007】したがって本発明が解決しようとする技術
的課題は、大きな設置スペースを必要とすることなく広
い周波数帯域あるいは低周波数帯域の吸音周波数を設定
可能とすることにあり、他の技術的課題は、製造が容易
な吸音構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を有
効に解決するための手段として、本願の請求項1に係る
吸音構造体は、背面板とその音源側に配置された正面板
との間に空洞を画成した複数の共鳴器を有し、前記共鳴
器に前記空洞より容積の小さい所要数の副共鳴器が突出
形成されたものである。したがって、共鳴器と副共鳴器
が3次元的に配置された構造になり、2次元方向の設置
面積を節減することができ、しかも正面板における振動
マスとしての壁面の質量が増大するので、吸音周波数を
低く設定することができる。
【0009】従来の技術的課題を有効に解決するための
他の手段として、本願の請求項2に係る吸音構造体は、
背面板とその音源側に配置された正面板との間に空洞を
画成した複数の共鳴器を有し、前記正面板のうちの振動
マスとなる壁面に所要数の錘体を装着可能としたもので
ある。すなわち適当な錘体を装着することによって、振
動マスとしての壁面の質量がみかけ上増大するので、空
洞容積が小さくても吸音周波数を低く設定することがで
きる。
【0010】従来の技術的課題を有効に解決するための
更に他の手段として、本願の請求項3に係る吸音構造体
は、背面板とその音源側に配置された正面板との間に空
洞を画成した複数の共鳴器を有し、前記正面板のうち振
動マスとなる壁面に補強部が形成されたものである。前
記補強部は、例えばビードあるいはリブからなるもので
あり、それ自体の重量によって前記正面板における振動
マス領域の質量を増大させ、また前記正面板の剛性を増
大させることによって実質的に振動マスとしての領域を
拡大してその質量を増大させるので、空洞容積が小さく
ても吸音周波数を低く設定することができる。。
【0011】従来の技術的課題を有効に解決するための
更に他の手段として、本願の請求項4に係る吸音構造体
は、背面板とその音源側に配置された正面板との間に空
洞を画成した複数の共鳴器を有し、前記正面板に溝又は
屈曲部による易変形部及びこの易変形部で囲まれた振動
マス領域が形成されたものである。この場合、前記易変
形部のばね定数が低く、しかもその内側に画成される振
動マス領域を広くすることができるため、空洞容積が小
さくても吸音周波数を低く設定することができる。
【0012】従来の技術的課題を有効に解決するための
更に他の手段として、本願の請求項5に係る吸音構造体
は、背面板とその音源側に配置された正面板との間に空
洞を画成した複数の共鳴器からなり、前記背面板には前
記空洞を画成する中空***部が形成され、前記正面板は
複数の空洞と対応する領域にわたって平坦に形成される
と共に前記各空洞を前記音源側に開放する共鳴孔が開設
されたもので、これによって、前記共鳴孔の開設が容易
になる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係る吸
音構造体の第一実施形態を示すものである。この実施形
態において、参照符号11は背面板、12はこの背面板
11の音源側に添着されたポリプロピレンやナイロン等
の合成樹脂板からなる正面板である。正面板12には外
観が台形状を呈する複数の中空***部121が形成さ
れ、これら各中空***部121の頂部壁面121a及び
(又は)側部壁面121bには、前記中空***部121
よりも容積の小さい所要数の副***部122が形成され
ている。
【0014】上記実施形態において、各中空***部12
1は、背面板11との間に空洞13を画成することによ
って共鳴器10を構成するものである。また、各副***
部122は、各中空***部121の壁面上に共鳴器10
よりも小さい副共鳴器10’を構成するものである。
【0015】共鳴器10は、主に音源側を向いた中空隆
起部121の頂部壁面121aが、前記音源からの空気
伝送音による音圧を受けて振動する振動マスとして機能
し、空洞13に閉じ込められた空気が空気ばねとして機
能し、この空気ばねのばね定数と、前記頂部壁面121
aの振動マス領域の質量とによって、所定の共鳴周波数
を有する。そして一般に、この種の共鳴器の共鳴周波数
を低くするには、その頂部壁面の面積を広くすることに
よって、その振動マスとしての質量を増大させると共に
壁面のばね定数を低下させる必要があるが、この実施形
態における共鳴器10は、副***部122の形成によっ
て空洞13の容積が増大して前記空気ばねが低ばね定数
になり、しかも副***部122自体が実質的に共鳴器1
0における頂部壁面121aの振動マス領域の質量を増
大させる。したがって、中空***部121の容積をそれ
ほど大きくしなくても、前記共鳴周波数を十分に低く設
定することができる。
【0016】副共鳴器10’は、主に音源側を向いた副
***部122の頂部壁面122aが、前記音源からの空
気伝送音による音圧を受けて振動する振動マスとして機
能し、その質量が、中空***部121の頂部壁面121
a全体の質量よりも十分に小さいため、共鳴器10に比
較して高い周波数帯域の共鳴周波数を有する。したがっ
て、音源からの空気伝送音のうち比較的高周波数帯域の
音を共鳴により吸収するものである。
【0017】なお、共鳴器10及び副共鳴器10’は、
その全てをそれぞれ互いに容積の異なるものとすること
によって、広い周波数帯域に対応させることや、同じ容
積のものを複数組ずつ配置することによって吸音率を向
上させることなど、目的に応じて設計される。
【0018】上記実施形態によれば、高周波数帯域の音
を吸収する副共鳴器10’が低周波数帯域の音を吸収す
る共鳴器10の頂部壁面121a上に形成されているた
め、先に説明したように、共鳴器10の共鳴周波数を十
分に低くして低音領域の騒音に対する吸音効果を向上さ
せることができる。また、図10の従来例のように共鳴
器を2次元的に配置したものに比較して設置面積を小さ
くすることができ、換言すれば、同じ設置面積でもより
多くの共鳴器を配置して、吸音効果を向上させることが
できる。
【0019】図3は、本発明に係る吸音構造体の第二実
施形態を示すものである。この実施形態において、ポリ
プロピレンやナイロン等の合成樹脂からなる正面板12
には、背面板11との間にそれぞれ互いに容積が異なる
空洞13を画成することによって共鳴器10を構成する
複数の中空***部121(図では一個のみ示される)が
形成され、外観が台形状を呈するこれら複数の中空***
部121のうちの一部又は全部の頂部壁面121aに
は、陥没部123が形成されている。この陥没部123
は筒状嵌合面123aを有し、図3(B)に示されるよ
うに、外部から適当な大きさの錘体14を圧入嵌着可能
となっている。
【0020】上記第二実施形態において、共鳴器10
は、主に音源側を向いた中空***部121の頂部壁面1
21aが振動マスとなるものであるが、陥没部123の
形成によってその質量が大きくなる。このため、図4
に、頂部壁面121aを平坦に形成した共鳴器の特性の
相違を概略的に示すように、空洞13の容積及び正面板
12の肉厚が同一であっても、頂部壁面121aに陥没
部が形成されていない平坦な共鳴器に比較して、陥没部
123が形成された共鳴器10の共鳴周波数が低くな
る。しかも、前記陥没部123に錘体14を圧入嵌着す
ることによって共鳴周波数が一層低くなり、この錘体1
4が大きいほど共振周波数が低くなる。
【0021】したがって、大きさが同じ中空***部12
1でも、頂部壁面121aが平坦なものや、陥没部12
3を形成したものや、この陥没部123に錘体14を装
着したもの等を配置することによって、種々の周波数帯
域の吸音が可能となる。また、中空***部121の容積
をそれほど大きくしなくても低周波数帯域の音に対応す
ることができるので、設置面積を縮小することができ
る。
【0022】図5は、本発明に係る吸音構造体の第三実
施形態を示すものである。この実施形態において、ポリ
プロピレンやナイロン等の合成樹脂材からなる正面板1
2には、背面板11との間にそれぞれ互いに容積が異な
る空洞13を画成することによって共鳴器10を構成す
る複数の中空***部121(図では一個のみ示される)
が形成され、外観が台形状を呈するこれら複数の中空隆
起部121のうちの一部又は全部の頂部壁面121aに
は、補強部として、平面形状が前記頂部壁面121aの
対角線方向に延びる略X字形の適当な大きさのビード部
124が形成されている。
【0023】先に説明したように、この種の吸音構造体
においては、共鳴器10は、主に音源側を向いた中空隆
起部121の頂部壁面121aが振動マスとなるもので
あるが、頂部壁面121aを平坦に形成した場合、音源
からの音圧を受けて共振により振動変位される領域は、
実質的に前記頂部壁面121aの中央部付近に限定され
るので、その質量が小さく、したがって共鳴周波数を低
く設定するには前記頂部壁面121aの面積を十分に大
きくしなければならない。
【0024】これに対し、上記第三実施形態によれば、
頂部壁面121aは、ビード部124が形成された領域
(図5(A)における一点鎖線で囲まれた領域)121
a’は剛性が大きくなるので、この領域121a’が、
外部からの音圧を受けることによって併進運動的に厚さ
方向へ振動変位する。すなわち、前記領域121a’が
実質的な振動マスとして機能するものであって、頂部壁
面121aを平坦に形成した場合に比較すると、振動マ
スとしての領域が増大し、しかもビード部124は、そ
れ自体によって前記振動マス領域121a’の質量を増
大させるため、共鳴器10の共鳴周波数を十分に低く設
定することができる。
【0025】したがってこの第三実施形態においても、
中空***部121の容積をそれほど大きくしなくても低
周波数帯域の音に対応することができるので、設置面積
を縮小することができる。また、大きさが同じ中空***
部121でも、ビード部124の大きさによって、中空
***部121の頂部壁面121aにおける振動マス領域
121a’の面積(質量)を変えることができるので、
種々の周波数帯域の吸音が可能となる。
【0026】なお、補強部としてのビード部124の形
状は図示のようなX字形に限定されるものではなく、三
方あるいは六方に延びるものや、多角形状のものなど、
種々の形状が考えられる。
【0027】図6は、本発明に係る吸音構造体の第四実
施形態を示すものである。この実施形態において、ポリ
プロピレンやナイロン等の合成樹脂材からなる正面板1
2には、背面板11との間にそれぞれ互いに容積が異な
る空洞13を画成することによって共鳴器10を構成す
る複数の中空***部121(図では一個のみ示される)
が形成され、外観が台形状を呈するこれら複数の中空隆
起部121のうちの一部又は全部の頂部壁面121aに
は、その中央部を取り囲むように連続して延びる溝12
5が形成されている。
【0028】中空***部121の頂部壁面121aのう
ち、溝125が形成された部分は薄肉であることによっ
て剛性(ばね定数)の小さい易変形部121cとなって
おり、これによって囲まれた部分は、音源からの音圧を
受けて厚さ方向へ併進運動的に振動変位する実質的な振
動マスとしての領域121a’となるものである。すな
わち、頂部壁面121aは、振動マス領域121a’
が、周囲を易変形部121cを介して弾性的に支持され
た構造となっている。
【0029】先に説明したように、中空***部121の
頂部壁面121aを平坦に形成した場合は、外部からの
音圧によって振動変位される振動マスとしての領域は実
質的に前記頂部壁面121aの中央部付近に限定される
が、上記第四実施形態によれば、溝125による易変形
部21cは剛性が小さいため、前記頂部壁面121aが
外部からの音圧を受けると、前記溝125で囲まれた領
域121a’全体が併進運動的に振動変位する。したが
って、前記領域121a’全体が実質的な振動マスとし
て機能するものであり、頂部壁面121aを平坦に形成
した場合に比較して振動マスとしての領域を大きくする
ことができる。
【0030】したがってこの第四実施形態においても、
中空***部121の容積をそれほど大きくしなくても、
前記中空***部121の頂部壁面121aにおける振動
マス領域121a’の質量を大きくすることによって、
低周波数帯域の音に対応することができるので、設置面
積を縮小することができる。また、大きさが同じ中空隆
起部121でも、溝125による前記振動マス領域12
1a’の面積(質量)を変えることによって、種々の周
波数帯域の吸音が可能となる。
【0031】なお、溝125の形状は図6(A)に示さ
れる形状のほか、例えば円形のものなど種々の形状が考
えられ、またその断面形状も図6(B)のようなV字形
に限定されるものではない。
【0032】なお、上述した第一乃至第四実施形態は、
いずれもヘルムホルツ共鳴器によるものと異なり、各中
空***部121の頂部壁面121aには空洞13を音源
側に開放する共鳴孔が存在しない。したがってその製造
に際しては、互いに高さの異なる各頂部壁面121aの
中央部に共鳴孔を開設する工程が不要である。これに対
し、図7に示される本発明の第五実施形態の吸音構造体
は、ヘルムホルツ共鳴器による吸音機能を奏するもので
あって、空洞13を音源側に開放する共鳴孔126が存
在しているが、後述のように、この共鳴孔126の開設
を容易にしたものである。
【0033】第五実施形態の吸音構造体の構成を更に詳
しく説明すると、背面板11には、互いに容積の異なる
空洞13を画成する複数の中空***部111が、音源と
反対側へ向けて突出形成されている。一方、前記背面板
11の音源側に添着されたポリプロピレンやナイロン等
の合成樹脂材からなる正面板12は、複数の空洞13と
対応する領域にわたって平坦に形成されている。また、
この正面板12には、前記空洞13を前記音源側に開放
する共鳴孔126が、各空洞13に対応して開設され、
これによって共鳴器10が構成されている。
【0034】共鳴器10は、中空***部111によって
画成された空洞13の容積(高さ)による空気ばねのば
ね定数と、共鳴孔126の内周に存在する気柱の質量と
によって決まる共鳴周波数を有し、音源からの空気伝送
音のうち、前記共鳴周波数と対応する周波数帯域の音を
取り込んで吸収するものである。したがって、共鳴周波
数の異なる種々の大きさの共鳴器10が多数配置される
ことによって、広い周波数帯域の音を吸収することがで
きる。
【0035】上記構成によれば、共鳴器10の空洞13
を形成するための多数の中空***部111が背面板11
に形成され、共鳴孔126が開設された正面板12には
中空***部が存在しないため、正面板12への各共鳴孔
126の開設に際しては、先に説明した図8の従来構造
のように、互いに高さの異なる中空***部の頂部壁面に
開設する場合と異なり、高精度に製作した打ち抜き型と
押さえ型とを用いる必要がなく、容易に開設することが
できる。
【0036】
【発明の効果】本発明の吸音構造体によると、副***部
の形成、錘体装着部の形成、補強部の形成、あるいは易
変形部の形成によって、正面板における振動マス領域の
質量を増大させることができるので、空洞容積にのみ依
存することなく吸音周波数を低く設定することができ、
このため設置面積を節減することができ、あるいは同一
の設置面積では共鳴器の数を多くして吸音効果を向上さ
せることができる。
【0037】また、正面板に、空洞を音源側へ開放する
共鳴孔を開設する場合は、前記正面板を平坦に形成し、
共鳴器を形成するための***部を背面板に設けることに
よって、前記共鳴孔の開設を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸音構造体の第一実施形態を示す
概略的な斜視図である。
【図2】上記第一実施形態の要部断面図である。
【図3】本発明に係る吸音構造体の第二実施形態を示す
もので、(A)は錘体を装着しない状態の要部断面図、
(B)は錘体を装着した状態の要部断面図である。
【図4】上記第二実施形態の吸音特性を示す説明図であ
る。
【図5】本発明に係る吸音構造体の第三実施形態を示す
もので、(A)は要部斜視図、(B)は要部断面図であ
る。
【図6】本発明に係る吸音構造体の第四実施形態を示す
もので、(A)は要部斜視図、(B)は要部断面図であ
る。
【図7】本発明に係る吸音構造体の第五実施形態を示す
もので、(A)は全体の断面図、(B)は要部断面図で
ある。
【図8】従来技術に係る吸音構造体を示す要部断面図で
ある。
【図9】従来技術に係る他の吸音構造体を示す要部断面
図である。
【図10】従来技術に係る吸音構造体を示す概略的な斜
視図である。
【符号の説明】
10 共鳴器 10’ 副共鳴器 11 背面板 111,121 中空***部 12 正面板 121a,123a 頂部壁面 121a’ 振動マスとしての領域 121b 側部壁面 121c 易変形部 122 副***部 123 陥没部 123a 筒状嵌合面 124 ビード部 125 溝 126 共鳴孔 13 空洞 14 錘体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 啓一 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会 社内 (72)発明者 森田 哲司 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会 社内 Fターム(参考) 5D061 AA06 CC04 DD06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背面板(11)とその音源側に配置され
    た正面板(12)との間に空洞(13)を画成した複数
    の共鳴器(10)を有し、 前記共鳴器(10)に前記空洞(13)より容積の小さ
    い所要数の副共鳴器(10’)が***形成されたことを
    特徴とする吸音構造体。
  2. 【請求項2】 背面板(11)とその音源側に配置され
    た正面板(12)との間に空洞(13)を画成した複数
    の共鳴器(10)を有し、 前記正面板(12)のうちの振動マスとなる壁面に所要
    数の錘体(14)を装着可能としたことを特徴とする吸
    音構造体。
  3. 【請求項3】 背面板(11)とその音源側に配置され
    た正面板(12)との間に空洞(13)を画成した複数
    の共鳴器(10)を有し、 前記正面板(12)のうち振動マスとなる壁面に補強部
    (124)が形成されたことを特徴とする吸音構造体。
  4. 【請求項4】 背面板(11)とその音源側に配置され
    た正面板(12)との間に空洞(13)を画成した複数
    の共鳴器(10)を有し、 前記正面板(12)に溝又は屈曲部による易変形部(1
    21c)及びこの易変形部(121c)で囲まれた振動
    マス領域(121a’)が形成されたことを特徴とする
    吸音構造体。
  5. 【請求項5】 背面板(11)とその音源側に配置され
    た正面板(12)との間に空洞(13)を画成した複数
    の共鳴器(10)を有し、 前記背面板(11)には前記空洞(13)を画成する中
    空***部(111)が形成され、 前記正面板(12)は複数の空洞(13)と対応する領
    域にわたって平坦に形成されると共に前記各空洞(1
    3)を前記音源側に開放する共鳴孔(126)が開設さ
    れたことを特徴とする吸音構造体。
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