JP2000329903A - 反射防止膜用剤および反射防止膜製造方法 - Google Patents

反射防止膜用剤および反射防止膜製造方法

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JP2000329903A
JP2000329903A JP11136921A JP13692199A JP2000329903A JP 2000329903 A JP2000329903 A JP 2000329903A JP 11136921 A JP11136921 A JP 11136921A JP 13692199 A JP13692199 A JP 13692199A JP 2000329903 A JP2000329903 A JP 2000329903A
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energy ray
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JP11136921A
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English (en)
Inventor
Ichiro Hiratsuka
一郎 平塚
Kazuo Okawa
和夫 大川
Hiroyuki Tachikawa
裕之 立川
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理コスト、処理時間および処理の煩雑さが
ないという面で優れている簡便な方法にて、処理基材と
の密着性が良好でかつ透明性の高い反射防止膜を得るこ
とのできる反射防止膜用剤およびこれを用いた反射防止
膜製造方法を提供する。 【解決手段】 エネルギー線重合性材料100重量部、
および該エネルギー線重合性材料に対してTiO換算
で5〜300重量部の平均粒子径5〜100nmの有機
溶剤分散型コロイダル酸化チタンを含有する高屈折率層
形成性の反射防止膜用剤である。また、有機溶剤に対し
て特定のフッ素含有シランカップリング剤を溶解した溶
液を加水分解処理した低屈折率層形成性の反射防止膜用
剤である。さらに、これらを用いた反射防止膜製造方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射防止膜を製造す
るための反射防止膜用剤、および反射防止膜の製造法に
関し、詳しくは高屈折率層形成性の反射防止膜用剤、低
屈折率層形成性の反射防止膜用剤、およびこれらを用い
た反射防止膜の製造法に関し、透明性・密着性・反射防
止能・処理コスト・処理時間に優れた反射防止膜を得る
ことに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管や液晶モニター等、情報視認
用表示端末が普及するにつれて、使用環境における外部
光の反射により眼精疲労、視力低下等の諸問題が発生
し、このため外部光の映り込みが少ない情報視認用表示
端末が求めれられてきている。
【0003】従来、このような問題を解決するために反
射防止膜を情報視認用表示端末に直接施すことが行われ
ており、かかる反射防止膜は、膜厚をコントロールした
高屈折率層と低屈折率層の積層による入射光の干渉作用
を利用したものが一般的であった。
【0004】また、この反射防止膜は、厳密にコントロ
ールされた屈折率を有する高屈折率金属化合物と低屈折
率金属化合物とを交互に膜厚をコントロールしながら真
空蒸着法やスパッタリング法により積層することで達成
されてきたのが現状である。
【0005】しかし、この方法では反射防止膜を施した
製品の製造には高価な真空蒸着装置やスパッタリング装
置を使用する必要があり、処理時間や処理コストがかか
りすぎるため、安価な情報視認用表示末端に適応するの
が困難であった。
【0006】また、直接、蒸着法やスパッタリング法に
より積層することが困難な性質の情報視認用表示末端に
は適応できないという問題も有していた。
【0007】さらに、高屈折率金属又は金属酸化物等の
無機材料を反射防止処理を行う樹脂基材に蒸着・スパッ
タリング等の方法で形成する場合、両者が異種物質であ
ることに由来し、密着性が十分ではなく、剥離し易い問
題もあった。
【0008】特開平5−2101号公報には、かかる手
段による反射防止膜の製造方法が開示されているが、処
理の煩雑さや、時間・コストの面で不利であることは前
述の通りである。また、特開平7−72305号公報に
は、低屈折率層を塗工・乾燥により作成する方法が記載
されている。しかし、かかる発明における低屈折率層は
膜強度が低く、耐久性に劣るものであり、高屈折率金属
層も蒸着法が採用され、処理の煩雑さ、量産効率の悪
さ、および高処理コストの点で不十分である。
【0009】さらに、高屈折率層成分として特開平2−
113027号、特開平3−54226号、特開平3−
21638号および特開平3−41110号の各公報に
は、イオウを多量に含んでなる反応性樹脂が開示されて
いるが、このような製品を使用する場合、特殊な原料を
使用する必要性からコスト高となり、また、使用後の廃
棄や焼却の際にイオウ酸化物を大気中に放出するという
環境面でも悪影響があるため、問題があった。さらにま
た、樹脂屈折率を変更するためには、分子構造の変更を
行う必要があり、細かな屈折率の調整が困難であるとい
う問題も有していた。
【0010】一方、低屈折率層の作成は、従来技術にお
いては、フッ化マグネシウム等のフッ素原子含有金属や
珪素金属または酸化珪素の蒸着・スパッタリングで達成
されるのが一般的であり、反射防止膜全体として処理時
間および処理コストの面で有利な方法が実用化されてい
ないというのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、処理コスト、処理時間および処理の煩雑さがないと
いう面で優れている簡便な方法にて、処理基材との密着
性が良好でかつ透明性の高い反射防止膜を得ることので
きる反射防止膜用剤およびこれを用いた反射防止膜製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の高屈折率層形成性の反射防止膜用剤は、必
須の成分として、エネルギー線重合性材料100重量
部、および該エネルギー線重合性材料に対してTiO
換算で5〜300重量部の、平均粒子径5〜100nm
の有機溶剤分散型コロイダル酸化チタンを含有すること
を特徴とするものである。
【0013】本発明の高屈折率層形成性の反射防止膜用
剤においては、前記エネルギー線重合性材料が、(1)
カチオン重合性有機物質と、(2)エネルギー線感受性
カチオン重合開始剤とからなるものであってもよく、あ
るいはまた前記エネルギー線重合性材料が、(1)カチ
オン重合性有機物質と、(2)エネルギー線感受性カチ
オン重合開始剤と、(3)ラジカル重合性有機物質と、
(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とからな
るものであってもよい。また、前記エネルギー線重合性
材料における、(1)カチオン重合性有機物質と(3)
ラジカル重合性有機物質との重量比(1):(3)は、
好ましくは10〜100:0〜90である。
【0014】また、本発明の低屈折率層形成性の反射防
止膜用剤は、必須の成分として、有機溶剤に対して次
式、 (式中、Rは直鎖でも分岐でもよい炭素原子数1〜3
のアルコキシ基、Rは直鎖でも分岐でもよい炭素原子
数1〜16であるフッ素原子含有炭化水素基、Rは炭
素原子数1〜3のアルキル基であり、R、R、R
がそれぞれ複数存在する場合にはいずれも、同一であっ
ても異なっていてもよく、全R中のフッ素原子数は3
以上であり、mは1〜3の数、nは1〜3の数であり、
かつm+n≦4である)で表されるフッ素含有シランカ
ップリング剤を溶解した溶液を加水分解処理したことを
特徴とするものである。
【0015】さらに、本発明の反射防止膜製造方法は、 イ)高屈折率層形成性の反射防止膜用剤を被反射防止体
表面に塗工する工程と、 ロ)高屈折率層形成性の反射防止膜用剤を塗工した被反
射防止体表面にエネルギー線を照射して塗工物を硬化さ
せ高屈折率層を形成する工程と、 ハ)該高屈折率層上に低屈折率層形成性の反射防止膜用
剤を塗工する工程と、 ニ)該低屈折率層形成性の反射防止膜用剤を塗工した塗
工物を硬化させ低屈折率層を形成する工程と、からなる
ことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の高屈折率層形成性の反射
防止膜用剤に使用する有機溶剤分散型コロイダル酸化チ
タンとは、酸化チタン粒子を有機溶剤に分散させたもの
である。
【0017】ここで使用される有機溶剤は、特に限定さ
れるものではないが、一例を示すと、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶
剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル等のセルソルブ系溶剤、酢酸メチル、
酢酸エチル等のエステル系溶剤、カルビトール系溶剤、
等の有機溶剤を挙げることができ、これらの有機溶剤は
1種又は2種以上の混合溶剤として使用することがで
き、好ましくは沸点200℃以下の有機溶剤がよく、ま
た、水分含有量が5重量%以下であることが望ましい。
【0018】有機溶剤中の酸化チタンの含量は任意であ
る。後述のエネルギー線重合性材料との割合においてT
iO含量が所望範囲内であればよいので特に限定され
るものではないが、好ましくは1〜60重量%のTiO
を含むものがよい。
【0019】TiO分が少なすぎると高屈折率層を形
成しにくくなり、また多すぎると安定な分散液を得るの
が難しくなる。
【0020】有機溶剤に分散しているTiOの平均粒
子径は5〜100nmであり、より望ましくは平均粒子
径7〜70nmである。平均粒子径が5mm未満の場合
には、安定したコロイド状を保てず、配合したエネルギ
ー線重合性組成物の安定性が悪化する。逆に100mm
を超えると、硬化膜の透明性が悪化するため、本発明の
特徴である透明性において不適当なものとなる。
【0021】本発明において使用する有機溶剤分散型コ
ロイダル酸化チタンは、酸化チタン粒子が有機溶剤中に
コロイド状に分散していることが必要であり、分散液と
して使用するものであるので、例えば、3000rpm
で30分間の遠心分離処理により、沈降物がTiO
有量の5重量%以下となるような安定した分散液を使用
することが好ましい。
【0022】この様な有機溶剤分散型コロイダル酸化チ
タンは、単にTiO粉末を前述の有機溶剤に分散した
だけでは得ることはできない。TiO粉末を単に分散
させたものを用いた場合、分散粒子が上記の粒子径範囲
から大幅に逸脱するため、透明性に優れた反射防止膜は
得られない。
【0023】本発明に使用可能なこのような有機溶剤分
散型コロイダル酸化チタンは、例えば、特開平6−29
8533号公報に開示されているようなチタンアルコキ
シドを強酸中に滴下する方法や、特公2820251号
公報記載のような水性チタニアゾルの水分を溶剤置換す
ることによって得ることができる。また、一般市販品を
そのまま使用することも可能で、オプトレイク(触媒化
成(株)製)等の商標名で市販されているものも使用で
きる。
【0024】本発明の高屈折率層形成性の反射防止膜用
剤は、エネルギー線重合性材料100重量部に対して、
前述の粒子径5〜100nmの有機溶剤分散型コロイダ
ル酸化チタンを、TiO換算で5〜300重量部含有
するものである。
【0025】かかるコロイダル酸化チタンが上記範囲量
未満であると屈折率が不足し高屈折率層を与えることが
できない。好ましくは、屈折率1.60以上を与える量
とするのがよい。また、上記範囲量を超えて配合すると
屈折率は高くなるが、硬化膜としての硬度が不足し、さ
らに透明性が低下するため、不適当なものとなる。
【0026】本発明の高屈折率層形成性の反射防止膜用
剤に使用するエネルギー線重合性材料は、(1)カチオ
ン重合性有機物質と、(2)エネルギー線感受性カチオ
ン重合開始剤とからなるものであるか、あるいは上記
(1)、(2)に加えて、(3)ラジカル重合性有機物
質と、(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤と
からなるものとすることができる。
【0027】エネルギー線重合性材料に使用し得る
(1)カチオン重合性有機物質としては、例えば、エポ
キシ化合物、環状エーテル化合物、オキセタン化合物、
環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオ
エーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニル
化合物などであり、これらの1種または2種以上を使用
することができる。中でも、入手するのが容易であり取
扱いに便利なエポキシ化合物が適している。かかるエポ
キシ化合物としては、芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポ
キシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが適している。
【0028】芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、少
なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまた
は、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジル
エーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、またこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させ
た化合物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹
脂、エポキシ化フルオレン樹脂、エポキシ化カルバゾー
ル樹脂等が挙げられる。
【0029】また、脂環族エポキシ樹脂の具体例として
は、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコール
のポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセン、シク
ロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化すること
によって得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化
合物または、シクロペンテンオキサイド構造含有化合
物、またはビニルシクロヘキサン構造を有する化合物を
酸化剤でエポキシ化することによって得られるビニルシ
クロヘキサンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。
例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−
エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エ
ポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ
−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メ
チル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカル
ボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘ
キシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘ
キサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シク
ロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキ
センジオキサイド、4 −ビニルエポキシシクロヘキサ
ン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,
4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエン
ジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス
(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポ
キシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が
挙げられる。
【0030】脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸の
ポリグリシジルエステル、脂肪族長鎖不飽和炭化水素を
酸化剤で酸化することによって得られるエポキシ含有化
合物、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタク
リレートのホモポリマー、グリシジルアクリレートまた
はグリシジルメタクリレートのコポリマー等が挙げられ
る。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジ
グリシジルエーテル,1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル,グリセリンのトリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペン
タエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アル
コールのグリシジルエーテル。また、プロピレングリコ
ール,グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種また
は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによ
って得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジル
エーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル
が挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグ
リシジルエーテルやフェノール,クレゾール,ブチルフ
ェノール、またこれらにアルキレンオキサイドを付加す
ることによって得られるポリエーテルアルコールのモノ
グリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステ
ル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチ
ル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ
油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0031】(1)カチオン重合性有機物質のエポキシ
化合物以外の具体例としては、トリメチレンオキサイ
ド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメ
チルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオ
キセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタ
ン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメ
トキシ)メチル〕ベンゼン等のオキセタン化合物、テト
ラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン
等のオキソフラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオ
キソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等
の環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−
カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチレンスル
フィド、チオエピクロロヒドリン等のチイラン化合物、
1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタ
ン等のチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体
等の環状チオエーテル化合物、エチレングリコールジビ
ニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒ
ドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2
−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジビニ
ルエーテル等のビニル化合物、エポキシ化合物とラクト
ンの反応によって得られるスピロオルソエステル化合
物、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジ
エン等のエチレン性不飽和化合物および上記化合物の誘
導体等が挙げられる。
【0032】なお、本発明においては、(1)カチオン
重合性有機物質として、上述したカチオン重合性物質の
うち1種または2種類以上の化合物を配合して使用する
ことができる。
【0033】また、これらに限定されるものではない
が、(1)カチオン重合性有機物質のうち好ましいもの
は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有す
る脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ化フル
オレン樹脂、エポキシ化カルバゾール樹脂である。
【0034】エネルギー線重合性材料に使用し得る
(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として
は、エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる
物質を放出することが可能な化合物であり、特に好まし
いものは、照射によってルイス酸を放出するオニウム塩
である複塩、またはその誘導体である。かかる化合物の
代表的なものとしては一般式、 [A]t+[B]t− で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができ
る。
【0035】ここで、陽イオンAt+はオニウムである
のが好ましく、その構造は例えば、 [(R11Z]t+ で表すことができる。
【0036】更にここで、R11は炭素数が1〜60であ
り、炭素以外の原子をいくつ含んでもよい有機の基であ
る。aは1〜5なる整数である。a個のR11は各々独立
で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1
つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが
好ましい。ZはS、N、Se、Te、P、As、Sb、
Bi、O、I、Br、Cl、F、N=Nからなる群から
選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオンA
t+中のZの原子価をzとしたとき、t=a−zなる関
係が成り立つことが必要である。
【0037】また、陰イオンBt−は、ハロゲン化物錯
体であるのが好ましく、その構造は例えば、 [LXt− で表すことができる。
【0038】更にここで、Lはハロゲン化物錯体の中心
原子である金属または半金属(Metalloid)であり、
B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、
In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等であ
る。Xはハロゲンであ る。bは3〜7なる整数であ
る。また、陰イオンBt−中のLの原子価をpとしたと
き、t=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
【0039】上記一般式の陰イオン[LXt−の具
体例としてはテトラフルオロボレート(BF、ヘ
キサフルオロホスフェート(PF、ヘキサフルオ
ロアンチモネート(SbF、ヘキサフルオロアル
セネート(AsF、ヘキサクロロアンチモネート
(SbCl等が挙げられる。
【0040】また、陰イオンBt−は、 [LXb−1(OH)]t− で表される構造のものも好ましく用いることができる。
L、X、bは上記と同様である。また、その他用いるこ
とができる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO
、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CFSO
、フルオロスルホン酸イオン(FSO、ト
ルエンスルホン陰酸イオン、トリニトロベンゼンスルホ
ン酸陰イオン等が挙げられる。
【0041】また、陰イオンBt−として、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレートも好ましく使用す
ることができる。
【0042】本発明では、この様なオニウム塩のなかで
も、芳香族オニウム塩を使用するのが特に有効である。
中でも、特開昭50−151997号、特開昭50−1
58680号公報に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭
50−151997号、特開昭52−30899号、特
開昭56−55420号、特開昭55−125105号
公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50
−158698号公報記載のVA族芳香族オニウム塩、
特開昭56−8428号、特開昭56−149402
号、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソ
スルホキソニウム塩、特開昭49−17040号記載の
芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4139655号明
細書記載のチオビリリウム塩等が好ましい。また、その
他好ましいものとしては、鉄/アレン錯体やアルミニウ
ム錯体/光分解珪素化合物系開始剤等も挙げられる。
【0043】これらの芳香族オニウム塩のなかでも特に
好ましいのは、陽イオンとして、 または (式中、Rは夫々同一でも異なっていてもよい水素原
子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子またはハロゲン原
子を含んでもよい炭化水素基、もしくは置換基がついて
もよいアルコキシ基、Arは1以上の水素原子が置換さ
れていてもよいフェニル基である。)で表される化合物
および(トリルクミル)ヨードニウム、ビス(ターシャ
リブチルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルホ
ニウム等からなるものが挙げられる。例えば、4,4’
−ビス(ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフ
ォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホ
スフェート、4−(4−ベンゾイル−フェニルチオ)フ
ェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘ
キサフルオロホスフェート、4,4’−ビス(ジ(β−
ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ)フェニル
スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4,
4’−ビス(ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルス
ルホニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロ
アンチモネート、4,4’−ビス(ジフルオロフェニル
スルホニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオ
ロホスフェート、4,4’−ビス(ジフルオロフェニル
スルホニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオ
ロアンチモネート、4,4’−ビス(フェニルスルホニ
オ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフ
ェート、4,4’−ビス(フェニルスルホニオ)フェニ
ルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−
(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニ
ウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾイ
ルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フ
ェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘ
キサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾイルフェ
ニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)ス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(4−
ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾ
イルフェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、4−(フェニルチオ)
フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−
(フェニルチオ)フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジ−
(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジ−
(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロ
アンチモネート 4−(フェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)
フェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアン
チモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニ
ルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ
−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フ
ルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチ
オ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホ
スフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニ
ルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイル
フェニルチオ)フェニルビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−
(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウムヘキサフ
ルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、(トリルクミル)ヨード
ニウムヘキサフルオロホスフェート、(トリルクミル)
ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(トリル
クミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、ビス(ターシャリブチルフェニル)ヨ
ードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ターシ
ャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアン
チモネート、ビス(ターシャリブチルフェニル)ヨード
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニ
ウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジル−4−ヒド
ロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアン
チモネート、ベンジルジメチルスルホニウムヘキサフル
オロホスフェート、ベンジルジメチルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−
ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフ
ェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキ
サフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジメ
チルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−
メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシカルボニ
ルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロ
アンチモネート、4−エトキシカルボニルオキシフェニ
ルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
4−エトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、α−ナフチルメ
チルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、α−ナフチルメチルジメチルスルホニウムヘキサフ
ルオロアンチモネート、α−ナフチルメチルテトラメチ
レンスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、α−ナ
フチルメチルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、シンナミルジメチルスルホニウムヘ
キサフルオロホスフェート、シンナミルジメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、シンナミルテト
ラメチレンスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
シンナミルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロ
アンチモネート、N−(α−フェニルベンジル)−2−
シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−
(α−フェニルベンジル)−2−シアノピリジニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、N−シンナミル−2−シ
アノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−シ
ンナミル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアン
チモネート、N−(α−ナフチルメチル)−2−シアノ
ピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−(α−
ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフル
オロアンチモネート、N−ベンジル−2−シアノピリジ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、N−ベンジル−2
−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート等
を挙げることができる。
【0044】また、これらの(2)エネルギー線感受性
カチオン重合開始剤の好ましい使用量は、カチオン重合
性有機物質100重量部に対して0.1〜50重量%、
より好ましくは1.0〜20重量%で調整するのがよ
い。(1)カチオン重合性有機物質100重量部に対し
て、(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の配
合量が0.1重量%未満であると硬化が不十分となるこ
とがあり、表面硬度の低下を招き、好ましくない。ま
た、50重量%を超えて配合しても、諸特性の向上はな
く、表面硬度の低下を招くおそれがあるので好ましくな
い。
【0045】エネルギー線重合性材料に使用し得る
(3)ラジカル重合性有機物質は、好ましくは、1分子
中に少なくとも1個以上の不飽和二重結合を有する化合
物である。
【0046】かかる化合物としては、例えばアクリレー
ト化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタン化合
物、不飽和ポリエステル化合物、スチレン系化合物等が
挙げられる。
【0047】(3)ラジカル重合性有機物質の中でもメ
タ(アクリル)基を有する化合物は、合成、入手が容易
で、かつ取り扱いも容易であり、好ましい。例えば、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエー
テル(メタ)アクリレート、アルコール類の(メタ)ア
クリル酸エステルが挙げられる。
【0048】ここで、エポキシ(メタ)アクリレートと
は、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エ
ポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、(メタ)アク
リル酸とを反応させて得られるアクリレートである。こ
れらのエポキシアクリレートのうち、特に好ましいもの
は、芳香族エポキシ樹脂のアクリレートであり、少なく
とも1個の芳香核を有する多価フェノールまたはそのア
ルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル
を、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)
アクリレートである。例えば、ビスフェノールA、また
はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロロヒドリ
ンとの反応によって得られるグリシジルエーテルを、
(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アク
リレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル
酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。ウレタン(メタ)アクリレートとして好ましいも
のは、1種または2種以上の水酸基含有ポリエステルや
水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる
(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる
(メタ)アクリレート等である。
【0049】ここで使用する水酸基含有ポリエステルと
して好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコ
ールと、1種または2種以上の多塩基酸との反応によっ
て得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多
価アルコールとしては、例えば1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ト
リメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩
基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無
水フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。
【0050】水酸基含有ポリエーテルとして好ましいも
のは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレ
ンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含
有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前
述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオ
キサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
【0051】水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと
して好ましいものは、多価アルコールと(メタ)アクリ
ル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルであって、多価アルコールとし
ては、前述した化合物と同様のものが例示できる。
【0052】かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸のう
ち、二価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル
化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸
エステルは特に好ましく、例えば2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0053】イソシアネート類としては、分子中に少な
くとも1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ま
しく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2
価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0054】ポリエステル(メタ)アクリレートとして
好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)ア
クリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)
アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエ
ステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多
価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩
基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポ
リエステルであって、多価アルコールとしては、前述し
た化合物と同様のものが例示できる。1塩基酸として
は、例えばギ酸、酢酸、酪酸、安息香酸が挙げられる。
多塩基酸としては、例えばアジピン酸、テレフタル酸、
無水フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。
【0055】ポリエーテル(メタ)アクリレートとして
好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(ア
クリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メ
タ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポ
リエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1
種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加するこ
とによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、
多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のもの
が例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイドが挙げられる。
【0056】アルコール類の(メタ)アクリル酸エステ
ルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水
酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、およびその
アルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを
反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、例え
ば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキ
サイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
フルオレン誘導体ジ(メタ)アクリレート、カルバゾー
ル誘導体ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これ
らのラジカル重合性有機物質は、1種或いは2種以上を
所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0057】エネルギー線重合性材料に使用し得る
(4)ネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としては、
エネルギー照射によってラジカル重合を開始させること
が可能な化合物であり、アセトフェノン系化合物、ベン
ジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサント
ン系化合物などのケトン系化合物が好ましい。
【0058】アセトフェノン系化合物としては、例え
ば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソ
プロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−
1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−タ
ーシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャ
リブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザ
ルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
【0059】ベンジル系化合物としては、ベンジル、ア
ニシル等が挙げられる。
【0060】ベンゾフェノン系化合物としては、例えば
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒ
ラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェ
ノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾ
イル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げら
れる。
【0061】チオキサントン系化合物としては、チオキ
サントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオ
キサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロ
ピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン
等が挙げられる。
【0062】これらの(4)エネルギー線感受性ラジカ
ル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の
性能に応じて配合して使用することができる。
【0063】以上のような(4)エネルギー線感受性ラ
ジカル重合開始剤は、(3)ラジカル重合性有機物質に
対して、好ましくは0.05〜10重量%、より好まし
くは0.1〜10重量%配合される。この範囲を上回る
と十分な強度が得られないことがあり、下回ると樹脂が
十分硬化しない場合がある。
【0064】エネルギー線重合性材料における、(1)
カチオン重合性有機物質と(3)ラジカル重合性有機物
質の重量比(1):(3)は10〜100:0〜90で
あることが好ましい。(1)カチオン重合性有機物質の
含有量が10重量%未満、即ち、ラジカル重合性有機物
質(4)の含有量が90重量%を超えて含まれる場合に
は、高屈折率層が薄膜であることから、酸素阻害により
硬化時の架橋が十分進まなくなり、弱い硬化膜となって
不適当なものとなる。故に、少なくとも(1)カチオン
重合性有機物質はエネルギー線重合性材料中に10重量
%以上含まれていることがよく、より好ましくはエネル
ギー線重合性材料中に(1)カチオン重合性有機物質は
20重量%以上含まれていた方がより、酸素阻害の影響
が少なくなるため好ましい。
【0065】また、本発明に使用するエネルギー線重合
性材料は、必要に応じて1分子中に2個以上の水酸基を
有する有機化合物とともに使用することができる。例え
ば、多価アルコール、水酸基含有ポリエーテル、水酸基
含有ポリエステル、多価フェノールなどの1分子中に2
個以上の水酸基を有する有機化合物を配合することによ
って、硬化塗膜の機械強度を高めることができる。
【0066】多価アルコールの例としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスルトール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオールなどが挙げられる。
【0067】水酸基含有ポリエーテルとは、1種または
2種以上の多価アルコールまたは多価フェノールに1種
または2種以上のアルキレンオキサイドを付加して得ら
れる化合物である。これに用いられる多価アルコールの
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スルトール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられ
る。多価フェノールの例としてはビスフェノールA、ビ
スフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂などが挙げられる。またアルキレンオ
キサイドの例としては、ブチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、エチレンオキサイド等が挙げられる。
【0068】水酸基含有ポリエステルとは、1種または
2種以上の多価アルコールや多価フェノールと1種また
は2種以上の1塩基酸や多塩基酸とのエステル化反応に
よって得られる水酸基含有ポリエステル、および1種ま
たは2種以上の多価アルコールや多価フェノールと1種
または2種以上のラクトン類とのエステル化反応によっ
て得られる水酸基含有ポリエステルである。多価アルコ
ールや多価フェノールの例としては前述のものと同様の
ものが挙げられる。1塩基酸としては例えば、ギ酸、酢
酸、酪酸、安息香酸などが挙げられる。多塩基酸として
は、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット
酸などが挙げられる。ラクトン類としてはβープロピオ
ラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンな
どが挙げられる。
【0069】多価フェノールとは、芳香環に直接結合し
た水酸基を1分子中に2個以上含有する化合物であり、
前述のものと同様のものが挙げられる。
【0070】本発明の低屈折率層形成性の反射防止膜用
剤に使用するフッ素含有シランカップリング剤は、次
式、 (式中、Rは直鎖でも分岐でもよい炭素原子数1〜3
のアルコキシ基、Rは直鎖でも分岐でもよい炭素原子
数1〜16であるフッ素原子含有炭化水素基、Rは炭
素原子数1〜3のアルキル基であり、R、R、R
がそれぞれ複数存在する場合にはいずれも、同一であっ
ても異なっていてもよく、全R中のフッ素原子数は3
以上であり、mは1〜3の数、nは1〜3の数であり、
かつm+n≦4である)で表されるフッ素含有シランカ
ップリング剤である。
【0071】上記式中のR〜Rの少なくとも1つは
アルコキシ基であり、少なくとも1つはフッ素原子を含
む炭化水素基である必要がある。
【0072】前述の条件を満たすならば、R〜R
各々同一構造でもよく、異種構造でもよい。フッ素原子
を含む炭化水素基は直鎖でも分岐でもよく、炭素原子数
1〜16である炭化水素鎖に全Rとして少なくとも3
個以上のフッ素原子を含有する。
【0073】更に、このフッ素含有シランカップリング
剤中に含有されるフッ素原子の含有量3重量%以上であ
ることが屈折率低下の点でより好ましく、更に屈折率が
1.40以下を与える量とするのがよい。
【0074】本発明の低屈折率層形成性の反射防止膜用
剤は、上記低屈折率成分たるフッ素含有シランカップリ
ング剤を有機溶剤に溶解した後、加水分解処理したもの
である。
【0075】ここで使用し得る有機溶剤としては、特に
限定されるものではないが、例えば、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等の有機溶剤を好ましいものとし
て挙げることができる。
【0076】有機溶剤に対するフッ素含有シランカップ
リング剤の溶解量は任意である。即ち、有機溶剤は低屈
折率層を形成する際に除去(蒸発)されるので、フッ素
含有シランカップリング剤量が所望とする低屈折率層厚
となるように調製すればよい。
【0077】しかし、極端にフッ素含有シランカップリ
ング剤が少ないと粘度との関係で、所望とする低屈折率
層厚を与えるだけの量を簡便な塗工工程では被低屈折率
層形成体上に配置することがむずかしくなり、また、極
端にフッ素含有シランカップリング剤が多いと簡便な塗
工工程ではムラになりやすいので、特に限定されるもの
ではないものの、概ね、3〜10重量%程度であること
が好ましい。
【0078】また、ここでの加水分解処理は、特に限定
されず、本発明の目的を阻害しない範囲内でシランカッ
プリング剤加水分解物を得る従来公知の方法を任意に用
いればよく、例えば、酢酸、塩酸、硫酸等の酸成分を少
量添加し、20〜30分間室温にて攪拌処理することに
よって目的とする加水分解液を簡便に得ることができ
る。
【0079】次に、本発明の反射防止膜製造方法は、
イ)上記の高屈折率層形成性の反射防止膜用剤を被反射
防止体表面に塗工する工程と、ロ)高屈折率層形成性の
反射防止膜用剤を塗工した被反射防止体表面にエネルギ
ー線を照射して塗工物を硬化させ高屈折率層を形成する
工程と、ハ)該高屈折率層上に上記低屈折率層形成性の
反射防止膜用剤を塗工する工程と、ニ)該低屈折率層形
成性の反射防止膜用剤を塗工し、塗工物を硬化させ低屈
折率層を形成する工程と、からなるものである。
【0080】ここで、被反射防止体は高屈折率層形成性
の反射防止膜用剤中の有機溶剤に十分な耐性を有するも
のであれば任意の材料を使用することができるが、好ま
しくは150℃以上の耐熱性を有するものが、高屈折率
層や低屈折率層を形成する際の有機溶剤除去(乾燥)に
あたって加熱処理を行うことができ、好ましい。
【0081】高屈折率層形成性の反射防止膜用剤の塗工
方法は、特に限定されるものではないが、塗工膜厚がコ
ントロール出来る方法がよく、スピンコート法、グラビ
ア塗工法等が好ましい方法として挙げられる。
【0082】この際、高屈折率層形成性の反射防止膜用
剤は、必要であれば有機溶剤で希釈することができ、例
えば上記したような酸化チタン粒子の分散に使用した有
機溶剤を好ましく使用することができる。
【0083】本発明の方法において、高屈折率層形成性
の反射防止膜用剤は活性エネルギー線を照射することに
より重合し、硬化する。この活性エネルギー線として
は、例えば、紫外線、電子線、エックス線、放射線、高
周波等が挙げられ、紫外線が最も経済的であり好まし
い。紫外線の光源としては、紫外線レーザー、水銀ラン
プ、特に(超)高圧水銀ランプ、キセノンランプ、アル
カリ金属ランプ、市販の無電極ランプ(例えば、Fus
ion社製のVバルブ(商品名)、Dバルブ(商品
名))などがある。本発明の光重合性組成物の重合・硬
化にあたって位置選択性の必要な場合には、集光性が良
好なレーザー光線(特に発振波長300nm〜450n
m)が好ましい。また、位置選択性があまりない場合に
は、水銀ランプ等が経済的で好ましい。
【0084】尚、高屈折率層形成性の反射防止膜用剤塗
工後、硬化に先立ち、該高屈折率層形成性の反射防止膜
用剤中の有機溶剤を除去(乾燥)させることが好まし
い。
【0085】かかる有機溶剤の除去(乾燥)は室温に放
置することでも行うことができるが、被反射防止体が耐
熱性を有するものである場合は、加熱(例えば40〜1
00℃で数分間程度)することで迅速に行うことができ
る。
【0086】次に、低屈折率層形成性の反射防止膜用剤
の塗工方法も、特に限定されるものではないが、塗工膜
厚がコントロール出来る方法がよく、スピンコート法、
グラビア塗工法等が好ましい方法として挙げられるが、
簡便には高屈折率層を形成した被塗工対象物をフッ素含
有シランカップリング剤の加水分解液中に浸漬するディ
ッピング法によっても達成できる。
【0087】塗工された低屈折率層の硬化は有機溶剤の
除去(乾燥)によって達成され、方法は特に限定される
ものではなく、室温に放置することでも行うことができ
るが、80〜150℃において1〜30分間の熱処理
が、迅速性および簡便性等の面で優れている。
【0088】本発明の反射防止膜製造方法において、高
屈折率層と低屈折率層のそれぞれの膜厚は、従来の反射
防止膜における高屈折率層と低屈折率層との関係と同様
にすればよい。
【0089】具体的には、例えば、高屈折率層を10〜
5,000nm、好ましくは50〜3,000nm、低
屈折率層を5〜5,000nm、好ましくは25〜1,
500nmとなるようにし、各層の膜厚を入射光が干渉
を起こす最適な膜厚に調整すればよい。
【0090】ここで、膜厚の調製は各層塗工時の固形分
調整、すなわち溶剤希釈倍率の変更によって容易に達成
できる。
【0091】また、入射光が干渉を起こす最適な膜厚
は、入射光の波長をλとすると、高屈折率層の光学膜厚
においてλ/2とし、低屈折率層の光学膜厚においてλ
/4となり、この関係に近いほど好ましい。
【0092】なお、光学膜厚とは、膜の屈折率と膜厚の
積で表され、計算により必要な実塗工膜厚を算出して前
述の方法で塗工すれば良い。
【0093】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき説明する。下記
の表1および2に示す配合組成の高屈折率層形成性の反
射防止膜用剤および低屈折率層形成性の反射防止膜用剤
を調製し、以下の評価を行った。得られた結果を表1お
よび2に併記する。また、本発明における評価サンプル
の作製方法および評価方法を以下に記載する。なお、以
降、高屈折率層形成性の反射防止膜用剤を高屈折率溶
液、その硬化膜を高屈折率膜と略し、同様に低屈折率層
形成性の反射防止膜用剤を低屈折率溶液、その硬化膜を
低屈折率膜と略す。
【0094】評価サンプルの作製:表面易密着処置PE
Tフィルム(東レ(株)製ルミラーU−98)にメチル
エチルケトンにて希釈した高屈折率溶液をバーコーター
にて塗工し、80℃で3分間の乾燥処理後、高圧水銀灯
にて1000mJ/cmのエネルギー線を照射し、硬
化処理した。あらかじめ、メタノールに希釈し、酢酸に
て加水分解処理した低屈折率溶液に、前述の高屈折率膜
を形成したポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムを浸漬し、30mm/分の速度で引き上げた。10
0℃で30分間の硬化処理を行い、試験サンプルとし
た。フッ素含有シランカップリング剤はメタノールで希
釈して5重量%液とした。
【0095】屈折率測定:23℃においてアツベ式屈折
率計にて測定した。表1および2には高屈折率溶液およ
び低屈折率溶液の測定値を記した。
【0096】反射率測定:試験サンプルの反射防止膜側
より波長500〜700nmの光を垂直に入射させ、分
光光度計にて反射率、透過率を測定し、それより可視光
領域の平均反射率、平均透過率を求めた。
【0097】密着性:セロハンテープによる碁盤目剥離
試験にて評価した。全く剥離しなかった場合は「○」、
低屈折率膜と高屈折率膜の間で剥離した場合は「×」、
基材と反射防止膜が剥離した場合は「××」と記載し
た。
【0098】また、表1および2中の使用材料はそれぞ
れ下記に示すものである。 エポキシ樹脂1:3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ樹脂3:ビスフェノキシフルオレンジエポキシ
ド アクリル樹脂1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート アクリル樹脂2:ビスフェノキシフルオレンジアクリレ
ート 溶剤分散型コロイダル酸化チタン:メチルイソブチルケ
トン分散(TiO含有量20重量%、平均粒子径25
nm、(触媒化成(株)製オプトレイク)) 光カチオン重合開始剤:4,4’−ビス(ジ(β−ヒド
ロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ)フェニルスル
フィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート 光ラジカル重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン フッ素含有シランカップリング剤I:ヘプタデカフルオ
ロデシルメチルジメトキシシラン フッ素含有シランカップリング剤II:ヘプタデカフルオ
ロデシルトリメトキシシラン フッ素含有シランカップリング剤III:トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】 *160にて硬化せず
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、処理コスト、処理時間
および処理の煩雑さがないという面で優れている簡便な
方法にて、処理基材との密着性が良好でかつ透明性の高
い反射防止膜を得ることのできる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月8日(1999.6.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】有機溶剤に分散しているTiOの平均粒
子径は5〜100nmであり、より望ましくは平均粒子
径7〜70nmである。平均粒子径が5nm未満の場合
には、安定したコロイド状を保てず、配合したエネルギ
ー線重合性組成物の安定性が悪化する。逆に100nm
を超えると、硬化膜の透明性が悪化するため、本発明の
特徴である透明性において不適当なものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立川 裕之 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 AA05 BB24 CC03 CC23 CC24 CC33 CC34 DD05 4F071 AA33 AA42 AA44 AA80 AB18 AC13 AC16 AD02 AE02 AE06 AF29 AF30 AF31 AH19 BA02 BB02 BB13 BC01 BC02 BC17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の成分として、エネルギー線重合性
    材料100重量部、および該エネルギー線重合性材料に
    対してTiO換算で5〜300重量部の平均粒子径5
    〜100nmの有機溶剤分散型コロイダル酸化チタンを
    含有することを特徴とする高屈折率層形成性の反射防止
    膜用剤。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー線重合性材料が、(1)
    カチオン重合性有機物質と、(2)エネルギー線感受性
    カチオン重合開始剤とからなる請求項1記載の高屈折率
    層形成性の反射防止膜用剤。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー線重合性材料が、(1)
    カチオン重合性有機物質と、(2)エネルギー線感受性
    カチオン重合開始剤と、(3)ラジカル重合性有機物質
    と、(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とか
    らなる請求項1記載の高屈折率層形成性の反射防止膜用
    剤。
  4. 【請求項4】 前記エネルギー線重合性材料における、
    (1)カチオン重合性有機物質と(3)ラジカル重合性
    有機物質との重量比(1):(3)が10〜100:0
    〜90である請求項3に記載の高屈折率層形成性の反射
    防止膜用剤。
  5. 【請求項5】 必須の成分として、有機溶剤に対して次
    式、 (式中、Rは直鎖でも分岐でもよい炭素原子数1〜3
    のアルコキシ基、Rは直鎖でも分岐でもよい炭素原子
    数1〜16であるフッ素原子含有炭化水素基、Rは炭
    素原子数1〜3のアルキル基であり、R、R、R
    がそれぞれ複数存在する場合にはいずれも、同一であっ
    ても異なっていてもよく、全R中のフッ素原子数は3
    以上であり、mは1〜3の数、nは1〜3の数であり、
    かつm+n≦4である)で表されるフッ素含有シランカ
    ップリング剤を溶解した溶液を加水分解処理したことを
    特徴とする低屈折率層形成性の反射防止膜用剤。
  6. 【請求項6】 イ)請求項1〜4のうちいずれか一項記
    載の高屈折率層形成性の反射防止膜用剤を被反射防止体
    表面に塗工する工程と、 ロ)高屈折率層形成性の反射防止膜用剤を塗工した被反
    射防止体表面にエネルギー線を照射して塗工物を硬化さ
    せ高屈折率層を形成する工程と、 ハ)該高屈折率層上に請求項5記載の低屈折率層形成性
    の反射防止膜用剤を塗工する工程と、 ニ)該低屈折率層形成性の反射防止膜用剤を塗工した塗
    工物を硬化させ低屈折率層を形成する工程と、からなる
    ことを特徴とする反射防止膜製造方法。
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