JP2000327581A - 口腔殺菌用組成物 - Google Patents

口腔殺菌用組成物

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JP2000327581A
JP2000327581A JP11139158A JP13915899A JP2000327581A JP 2000327581 A JP2000327581 A JP 2000327581A JP 11139158 A JP11139158 A JP 11139158A JP 13915899 A JP13915899 A JP 13915899A JP 2000327581 A JP2000327581 A JP 2000327581A
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Harumi Katsura
晴美 桂
Tatsuo Murata
達雄 村田
Ryoichi Tsukiyama
良一 築山
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Higashimaru Shoyu Co Ltd
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Higashimaru Shoyu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な口腔殺菌用組成物の提供。 【解決手段】 ホコッシ抽出物またはバクチオールを有
効成分とする口腔殺菌用組成物。有効成分を口腔内にお
いて20〜1000ppm の濃度になるように組成物中に含有さ
せる。組成物としては、キャンディ、口腔洗浄剤等があ
る。ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコ
ッカス・ソブリヌス等を殺菌することができ、虫歯、歯
周病等の疾病を予防乃至治療することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホコッシ抽出物又は
ホコッシ抽出物に含まれる有効成分バクチオールを活性
成分として含有する口腔殺菌用組成物に関する。本発明
の口腔殺菌用組成物は、歯周病原生細菌や歯垢中のう蝕
原生細菌に対して殺菌作用を示すものであり、虫歯ある
いは歯周病の発生を予防あるいは治療するのに用いるこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】う蝕及び歯周病は歯牙の損傷、喪失につ
ながる疾患であり、かつ極めて高頻度に認められるもの
である。これらの疾患が口腔内に常在する細菌によって
引き起こされることは学会の定説となっている。食品中
に含まれる糖分は、口腔内に常在している細菌であるス
トレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus muta
ns) やストレプトコッカス・ソブリヌス(Streptococcus
sobrinus) が生産するグルコシルトランスフェラーゼ
(GTase)によって、不溶性の多糖類(不溶性グルカン)
に変換される。この不溶性グルカンが歯の表面に付着す
ることにより、菌体の凝集塊である歯垢が形成される。
不溶性グルカンはこれらの細菌やその他の細菌類、ある
いは食べかすなどを取り込んで更に厚い歯垢になってい
く。歯垢の約70%は細菌であり、この細菌が、食物中に
含まれる糖質を分解することにより、乳酸などの有機酸
を生じpHの低下を生ずる。歯の表面においてpHが5.4 以
下になると歯牙のエナメル質に脱灰が生じ、う蝕の発生
となる。歯垢の層が薄い時は生成された乳酸は唾液によ
る緩衝作用をうけて中和されるが、歯垢の層が厚くなる
ほど歯垢の深層で生産される乳酸は、唾液による緩衝作
用 (中和作用) を受け難くなり、う蝕の進行が速くな
る。また、歯垢内で酸を生成する可能性のある細菌とし
て、上記のストレプトコッカス・ミュータンスやストレ
プトコッカス・ソブリヌス等のほかラクトバチラスやエ
ンテロコッカスなどの乳酸菌も検出されている。
【0003】歯垢や歯石中の菌やその生産酵素によっ
て、歯肉溝内の粘膜に炎症が起こったり、化膿菌の感染
により潰瘍が起こったりなど、歯根膜、歯肉、歯槽骨に
炎症が生じ、歯周病が発生する。この歯周病に関与する
細菌類として代表的なものにポルフィロモナス・ジンジ
バリス(Porphyromonas gingivalis) が知られている。
実際的なう蝕や歯周病の予防法として、歯磨きがあげら
れる。食事後30分以内に歯を磨くことで、ある程度の虫
歯及び歯周病予防は可能である。しかし、常に歯磨き用
品を携帯しておくことは不可能であり、食事後いつも歯
を磨ける状況にあるとは限らない。さらに歯磨きによっ
て歯垢、あるいはう蝕原生細菌を口腔内から完全に除去
することはできない。そのため、歯磨きは定期的に継続
して行うことを要求されている。
【0004】現在では、う蝕(虫歯)及び歯周病の原因
菌に対してその増殖を抑制したり、生育を阻害したりす
る抗菌剤を配合した口腔用組成物としてさまざまなもの
が提供されている。これらは、クロルヘキシジン、セチ
ルピリミジウムクロライドなどであるが、人体への影響
を考える上で安全性に問題がある場合がある。また、こ
れら薬剤をもってしても、定期的、継続的な処置なくし
てう蝕、歯周病予防の効果は得られない場合がある。
【0005】う蝕、歯周病予防のその他の方法として、
う蝕原生細菌に資化される糖類を摂取しない、GTase 酵
素活性を阻害する、細菌の歯面への付着を阻害するなど
の方法がある。ストレプトコッカス・ミュータンスやス
トレプトコッカス・ソブリヌスが資化できない糖、及び
GTase 活性阻害物質に関する研究が多く行われ、ある程
度の効果をあげているといわれる。しかしながら、これ
らは、う蝕原生細菌、歯周病原生細菌に対して直接的に
作用するものではなく、根本的な予防効果を提供するも
のとはなり難い。また、細菌の歯面への付着を阻害する
方法については現在も研究中であり、実用化された事例
は見られない。これらのことから、う蝕、歯周病原生細
菌に対して直接作用し、継続的に増殖抑制や殺菌できる
安全性の高い抗菌剤の開発が待望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、う蝕
予防や歯周病の予防及び治療に効果的であり、かつ安全
な口腔殺菌用組成物を提供することである。特に、歯垢
中に存在する細菌に対して殺菌作用のある抗菌剤の開発
を行うことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】ホコッシ抽出物は、オラ
ンダビユの種実からの抽出物であり、食品添加物の既存
添加物リストに製造用剤として収載されている。また、
バクチオールはホコッシ抽出物中の抗菌性の活性成分本
体である。特開平 10-215813号公報にはピロリ菌やスト
レプトコッカス・ミュータンスに対して抗菌力を示すこ
と、さらに、口腔洗浄剤や保健薬として利用できること
が開示されている。ストレプトコッカス・ミュータンス
に関しては、培養された遊離の菌体を用いて試験したと
ころ強い殺菌力を認めている。
【0008】本発明は、ホコッシ抽出物及びバクチオー
ルが各種のう蝕原生細菌だけでなく、歯周病原生細菌に
対しても殺菌力を示すこと、更に、歯垢内の細菌に対し
ても有効に殺菌作用を示すことを発見することにより完
成にいたったものである。更に、短期間の集中的処置に
よって、う蝕に関与する細菌の根絶の可能性をも示した
ものである。本発明における口腔殺菌用組成物として
は、飴、菓子類、ドリンク類、各種飲料等の食品類、ト
ローチや口腔洗浄剤などの予防用医薬部外品あるいは予
防用医薬品、歯の表面の殺菌剤のような治療用医薬品な
どを例示することができる。また、本発明における口腔
殺菌用組成物には、歯ブラシや入れ歯等の殺菌に用いる
組成物も含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるホコッシ抽出物
は、生薬である補骨脂を有機溶媒で抽出したものを利用
することができる。例えば特開平 5-15355号公報記載の
ようにオランダビユの種実 (生薬: 補骨脂) をアルコー
ル類、エステル類、エーテル類、ケトン類、炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類、あるいは場合により水との
混合物で抽出し、遠心分離あるいは濾過により固液分離
し、得られる抽出液を濃縮あるいは溶媒を留去すること
によって得ることができる。得られる濃縮物はペースト
状であるが、さらに粉末化して使用しても、アルコール
等に溶解して使用してもよい。また、用途によっては脱
色や脱臭のような精製を行なってもよい。
【0010】また、バクチオールは上記ホコッシ抽出物
をカラムクロマトなどを使って精製することによって得
ることができ、合成によって製造することも可能であ
る。本品は水には溶解しないが、乳化剤やサイクロデキ
ストリン等の適正量を利用することによって水溶性にす
ることが可能である。ホコッシ抽出物あるいはバクチオ
ールの添加量は、口腔内で処理する時間によって異なる
が、通常、バクチオールの濃度として、口腔内において
20ppm〜1000ppm 程度でよい。本発明の効果を得ようと
する実際的な例として、砂糖、水飴を主体としたキャン
ディの場合、キャンディの中にバクチオールとして 500
〜2000ppm 程度のホコッシ抽出物あるいはバクチオール
を添加しておくと、キャンディを食べている2〜10分の
間、口腔内におけるバクチオール濃度は、およそ50〜20
0ppmに維持される。また、治療的に歯の表面を処理しよ
うとする場合、バクチオールとして 200〜1000ppm 程度
のホコッシ抽出物又はバクチオールを塗布後、30秒から
60秒程度おくことによって効果を発揮できる。あるい
は、口腔内洗浄剤として利用する場合、20秒から30秒の
処理で効果を発揮しようとすると、バクチオール濃度と
して 500〜1000 ppm程度のホコッシ抽出物又はバクチオ
ールを利用すればよい。
【0011】これらの口腔殺菌用組成物の組成におい
て、バクチオールもしくはホコッシ抽出物を活性成分の
主体として利用するものであるが、その他の、殺菌剤や
効力増強剤、あるいは抗う蝕性の糖質や GTaseの阻害剤
などの配合を妨げるものではない。本発明の口腔殺菌用
組成物の効果をより有効に発揮させるためには、当然の
ことながら歯垢の厚さは薄い方がよく、好ましくは軽い
ブラッシング後に行う。また、う蝕原生細菌を完全に除
菌するためには、5日から10日程度にかけて、毎日数回
利用するのがよい。 本発明によれば、歯垢中に存在す
るストレプトコッカス・ミュータンスなどのう蝕原生細
菌は、ホコッシ抽出物又はバクチオールを配合した口腔
殺菌用組成物で処理することによって生存菌数が低下し
増殖が遅れる。更に、繰り返し処理することによって、
更に菌数の低下が見られ増殖は極めて遅くなる。従っ
て、本発明による口腔殺菌用組成物で処理した後は、う
蝕予防のための歯磨きの間隔を、今までより長くするこ
とも可能となる。
【0012】次に本発明における補骨脂エキスの抗菌活
性を試験例として示す。
【試験例1】(ホコッシ抽出物の調製)補骨脂1kgに90
%エタノール5Lを加え、25〜30℃で20時間浸漬し、この
浸漬液を濾別し、濾液を濃縮して溶媒を除去した。この
10gをジメチルスルフォキシド100gに溶解して使用し
た。 (バクチオール原液の調製) オランダビユの種実 1kgにn
-ヘキサン5Lを加えて常温で5時間浸漬し、この浸漬液
を濾別し濾液を濃縮して溶媒を除去すると、淡褐色の油
状性物質が得られた。これをn-ヘキサン 500mlに溶解
し、1%水酸化カリウム溶液 100mlと強く振り混ぜ、し
ばらく放置し分離した水酸化カリウム層を捨てた。この
操作を3回繰り返した後、n-ヘキサン相を 100mlの純水
で洗浄する操作を3回繰り返した。
【0013】ついで無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥さ
せた後、濃縮し約30g の油状物質を得た。この濃縮物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびシリカゲル
ODSカラムクロマトグラフィーによって分画し、バクチ
オール画分を得た。この画分は TLC上で紫外線254nm 、
及び 360nmならびに硫酸噴霧後の加熱によって検出した
ところ1スポットを示し、FID 検出器(水素炎イオン化
検出器)を付したガスクロマトグラフィーによって単一
のピークを示した。この画分の紫外部吸収スペクトル及
び分子量はバクチオールの文献値 [Tetrahedron 29, 11
99〜1125(1973):最大吸収波長 (エタノール溶液)260n
m、 (エタノール性水酸化カリウム溶液)285nm、分子量2
56]と一致し、単一のピークを示した。この画分を濃縮
してバクチオールを得た。これを、ジメチルスルフォキ
シドを用いて10mg/ml の濃度になるように溶解して使用
した。
【0014】以下の試験例2から試験例5において、バ
クチオール及びホコッシ抽出物の濃度は純分量で表記し
た。本発明におけるホコッシ抽出物及びバクチオールが
う蝕原生細菌や歯周病原生細菌に対して殺菌作用を示す
ことを、試験例2に示す。
【試験例2】培養菌体に対する殺菌試験 最小殺菌濃度の検討(MBC) 試験方法 表1に示した菌株を BHI培地中で24時間培養した菌液
0.1mlを、0,5,10,15,20,25,50ppm のバクチオール、又
は 0,20,40,60,80,100ppm のホコッシ抽出物を添加した
無菌のBHI培地10mlに添加して、8分後及び15分後にそ
の液 0.1mlを10mlの新しい BHI培地に加えた。これを37
℃48時間静置して培養し、培養後の培地の濁りによって
増殖の有無を判定した。その結果、表1及び表2に示し
たように、いずれの供試菌ともにバクチオール5〜20pp
m 、またはホコッシ抽出物20〜60ppm で8〜15分間接触
させることによって殺菌されており、バクチオール及び
ホコッシ抽出物がう触原生細菌や歯周病原生細菌に対し
て強い殺菌力を示すことが判明した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【試験例3】殺菌時間の検討 試験方法 37℃で20時間培養したストレプトコッカス・ミュータン
ス JCM5175をバクチオールを5, 20ppm又はホコッシ抽出
物を15, 60 ppm含む BHI培地に1/100 接種し、37℃で、
0, 0.5, 1, 5, 10分静置した。その後、滅菌水にて希釈
し、0.1%Tween入りの TGC培地で混釈培養後、菌数測定
を行った。その結果、表3に示すように時間の経過と共
に CFUの減少が見られた。また、処理時間 0.5分、1分
でも静菌数は大きく減少し、速やかな殺菌力が確認でき
た。
【0018】
【表3】
【0019】次に本発明におけるホコッシ抽出物やバク
チオールが歯垢中の細菌に対して殺菌力を示すことを試
験例4に示す。
【試験例4】歯垢内の細菌に対する殺菌試験 1.BHI 培地で37℃、20時間培養したストレプトコッカ
ス・ミュータンス JCM5175を、2%のサッカロースを添
加した BHI培地に 1/100接種し、37℃6時間培養して試
験管壁に人工的に歯垢を形成させた。軽く攪拌をしたの
ちに、試験管中の培養液を捨て、滅菌水で洗浄した。こ
の試験管に、100, 500, 1000ppm のバクチオールと乳化
剤として同濃度のショ糖脂肪酸エステル、又は、200,10
00,2000 ppm のホコッシ抽出物と乳化剤としての同濃度
のショ糖脂肪酸エステルを含む、pH6 のクエン酸バッフ
ァーを10ml加え、37℃5分処理を行った。その後、残存
バクチオール又はホコッシ抽出物の影響を除くために、
不活性化剤として1%Tween を加えた滅菌水10mlを加え、
強い攪拌及び超音波処理によって試験管壁の歯垢を均質
に分散させた。この液の中の生存菌数を適度な希釈の
後、0.1%Tween 入りの TGC培地で48時間混釈培養するこ
とによって測定した。この試験は処理前の歯垢の形成や
処理後の菌数測定のための分散にばらつきが大きいた
め、5回の同様の試験を行った平均値算出して表4に示
した。その結果、表4に示すように、歯垢内のストレプ
トコッカス・ミュータンスは完全には死滅していないも
のの、対照区に比べて大きく減少していた。
【0020】
【表4】
【0021】2.殺菌剤組成物としてプロピレングリコ
ール80%、精製水18%、70%エタノール1.9 %、バクチ
オール0.1 %(1000 ppm)を調製し、人工的に形成させた
歯垢に対して殺菌試験を行った。すなわち BHI培地で37
℃、20時間培養したストレプトコッカス・ミュータンス
GS5 、JC2 及び、ストレプトコッカス・ソブリヌス6715
の培養液0.1 mlを、2%のサッカロースを添加したBHI
培地10mlに接種し、37℃6時間時間培養して試験管壁に
人工的に歯垢を形成させた。試験管を軽く攪拌をしたの
ちに、試験管中の培養液を捨て、無菌生理食塩水で軽く
すすいだ。この人工歯垢の付着した試験管に、本発明の
バクチオールを用いた上記組成物10mlを添加して静置し
た。1 分間後にこの組成物を捨て、0.1%Tween80 を含む
無菌生理食塩水で3回洗浄し、10mlの無菌生理食塩水を
加え強く攪拌し均一化した後適度に希釈し、生存する菌
数を測定した。菌数の測定は、0.1%のTween80 を含むBH
I 寒天培地を用い、平板培養することによって行った。
対照区として、本発明の組成物のバクチオールの代わり
に70%のエタノールを用いて調製した組成物を用いて同
様の処理をした。また、試験のばらつきがあるため、各
試験で5本ずつ行いその平均値を表5に示した。その結
果、3種の菌株とも、生存菌が大幅に減少していること
が確認できた。
【0022】
【表5】
【0023】
【試験例5】歯垢内の細菌に対する繰り返し殺菌試験 BHI 培地に2%のサッカロースを添加した人工歯垢形成
培地(pH 7.0)に、BHI培地中で37℃、20時間培養したス
トレプトコッカス・ミュータンス JCM5175を1/100 接種
し、37℃で6時間培養して試験管壁に人工的に歯垢を形
成させた。軽く攪拌をしたのちに、試験管中の培養液を
捨て、滅菌水で洗浄した。この試験管に、200ppmのバク
チオール及びしょ糖脂肪酸エステルを含むpH6 のクエン
酸バッファーを10ml加え、37℃で5分間殺菌処理を行っ
た後、200ppmのしょ糖脂肪酸エステルを含むpH6 のクエ
ン酸バッファーで3回洗浄した(1回目処理)。
【0024】この処理した試験管に、上記の人工歯垢形
成培地を添加して37℃で6時間培養し、その後上述の方
法での殺菌処理及び洗浄操作を行った(2回目処理)。
更に、この試験管に上記の人工歯垢形成培地を添加し、
37℃12時間培養し、同様の処理を行った(3回目処
理)。その後もこの試験管について6時間培養→5分間
殺菌、洗浄処理(4回目処理)→6時間培養→5分間殺
菌、洗浄処理(5回目処理)→12時間培養→5分間殺菌
処理(6回目処理)を行い、それぞれの時点で培養液の
pHを測定した。また、6回目の処理後は試験例3と同様
にして生存菌数を測定した。対照区として、バクチオー
ルを含まない200ppmのショ糖脂肪酸エステルを添加した
pH6のクエン酸バッファーで同様の処理を行った。ま
た、試験、対照ともに5本の試験管を用いて行いその平
均値を示した。その結果は表6に示したように、殺菌処
理しない対照区に比べて、1回だけの殺菌処理後におい
てもpHの低下が著しく抑制された。くり返し回数の増加
とともにpHの低下は小さくなった。6回目の処理終了時
点で歯垢中の生残菌数を測定したところ、ほとんど存在
しないことが判明した。すなわち、単回の殺菌処理では
完全に殺菌できない濃度であっても、繰り返し殺菌処理
することによって完全に除菌できる可能性があることを
示している。
【0025】
【表6】
【0026】
【実施例1】キャンディの製造と殺菌力 以下の実施例においてはホコッシ抽出物は試験例1と同
様にして調製し、70%のエタノールに15%濃度に溶解し
て使用した。また、バクチオールは試験例1と同様にし
て調製し、70%のエタノールに5%濃度に溶解したものを
使用した。砂糖120g、70%水飴120gを混合し約 150℃に
加熱溶解して混合後、約70℃まで冷却し撹拌しながら、
バクチオール5%を溶解した70%エタノール液を 2ml、ま
たはホコッシ抽出物15%を溶解した70%エタノール液を
2ml添加し、よく混和後さらに冷却して固めて飴を作成
した。また、同様の手法によって70%エタノールを2ml
添加して作成した飴を対照とした。この飴それぞれ10g
を100ml の水に添加して溶解し、殺菌力を試験した。指
標菌としてストレプトコッカス・ソブリヌスを用い、試
験例3と同様の試験方法で殺菌処理を行い、5分後と10
分後の菌数を測定した。その結果、バクチオールまたは
ホコッシ抽出物を添加した飴は殺菌力を有することが確
認された。
【0027】
【表7】
【0028】
【実施例2】口腔内洗浄剤の製造と殺菌力 処方 エタノール 10 % グリセリン 4 % バクチオールまたはホコッシ抽出物 4 % ブドウ糖 10 % 水 78 % 上記処方で調製した口腔内洗浄剤は使用するとき10倍程
度に希釈し、口腔内に含んで30秒から1分程度洗浄すれ
ばよい。殺菌力は、実施例1と同様の手法で行い、30秒
後の生存菌数を測定したところ、処理前が 5×106 であ
ったのに対し、バクチオールまたはホコッシ抽出物添加
区はそれぞれ2×101 、4×101 と大幅に減少してい
た。
【0029】
【実施例3】各種口腔殺菌用組成物の製造 ジュースの製造 果汁 10 % ぶどう糖液糖 5 % 水 85 % バクチオールまたはホコッシ抽出物 0.2 % L-アスコルビン酸 0.05%
【0030】口中清涼剤 還元パラチノース 30 % 香料 0.1% ホコッシ抽出物またはバクチオール 1 % 澱粉 68.9%
【0031】トローチの製法 アラビアガム 7 % 砂糖 30 % パラチノース 40 % 香料 2 % ホコッシ抽出物またはバクチオール 1 % 水 20 %
【0032】歯ブラシ洗浄剤の製法 エタノール 20 % ホコッシ抽出物またはバクチオール 0.5% 水 79.5% この液に使用後水洗した歯ブラシを、1分から5分程度
浸漬することにより、歯ブラシに付着した細菌の多くが
殺菌される。
【0033】歯面に塗布する薬剤の調製 組成 プロピレングリコール 80 % 精製水 18 % ホコッシ抽出物またはバクチオール 2 % この液の適量を歯面に塗布し、30秒から数分間放置して
おくことによって歯垢中の細菌をも殺菌することができ
るので、治療薬として用いることができる。また、本薬
剤は、歯科治療における含そう剤として利用することも
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/00 631 A61K 31/00 631C 31/045 31/045 (72)発明者 築山 良一 兵庫県龍野市龍野町富永100−3 ヒガシ マル醤油株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB06 GB08 GG18 GK10 GL03 4B018 LB01 LB08 MD48 ME09 MF01 4C083 AA111 AA112 AC061 AC062 AC102 AC122 AD202 AD222 AD352 AD642 CC41 DD23 DD27 EE32 EE33 4C088 AB59 AB99 AC04 BA08 BA10 BA11 NA14 ZA67 ZB35 4C206 AA01 AA02 CA01 KA18 MA01 MA04 NA14 ZA67 ZB35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホコッシ抽出物を有効成分として含有す
    る口腔殺菌用組成物。
  2. 【請求項2】 ホコッシ抽出物を有効成分として含有す
    るう蝕および/または歯周病の予防および/または治療
    用組成物。
  3. 【請求項3】 バクチオールを有効成分として含有する
    口腔殺菌用組成物。
  4. 【請求項4】 バクチオールを有効成分として含有する
    う蝕および/または歯周病の予防および/または治療用
    組成物。
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