JP2000327402A - セラミック加工部品とその製造方法 - Google Patents

セラミック加工部品とその製造方法

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JP2000327402A
JP2000327402A JP11133341A JP13334199A JP2000327402A JP 2000327402 A JP2000327402 A JP 2000327402A JP 11133341 A JP11133341 A JP 11133341A JP 13334199 A JP13334199 A JP 13334199A JP 2000327402 A JP2000327402 A JP 2000327402A
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俊一 衛藤
Koichi Terao
公一 寺尾
Ichiro Uchiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度LSI検査用のプローブ案内部品3に
適用可能な、高精度で微細な機械加工を施したセラミッ
ク加工部品を実現する。 【解決手段】 窒化珪素25〜60重量%と窒化硼素40〜75
重量%とを骨材とするセラミック焼結体に、壁厚みが5
μm以上20μm未満、スリットの深さ/壁厚み比が15以
上、スリット間のピッチ精度が±4μm以内のスリット
加工を施すか、または穴径が65μm以下、穴間の壁厚み
が5μm以上20μm未満、穴の深さ/壁厚み比が15以
上、穴径と穴ピッチの精度がいずれも±4μm以内の穴
あけ加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック焼結体
に微細機械加工を施してスリットおよび/または穴を形
成したセラミック加工部品とその製造方法に関する。本
発明のセラミック加工部品は、薄い壁厚みで深いスリッ
トおよび/または穴を高い寸法精度で備えることができ
るので、半導体関連の各種部品、特に、IC、LSI等
の半導体素子を検査するための検査装置に使用されるプ
ローブ案内部品 (プローブガイド)として有用である。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の電気的特
性を検査する検査装置においては、検査する半導体素子
に形成されている多数の電極パッドと同数の測定プロー
ブを備えたプローブカードを用い、このプローブを電極
パッドに同時に接触させて検査を行う。
【0003】図1(A) に示すように、プローブカード1
は、セラミック等の絶縁性材料から形成され、そのほぼ
中央に、検査する半導体素子とほぼ同寸法か、それより
大きい開口Aを備えている。この開口Aは、図示のよう
に朝顔型に上に開いた形状とするのが普通である。プロ
ーブカード1の上面には、検査する半導体素子の電極パ
ッドと同数の測定プローブ2が、例えば接着剤により取
付けられている。
【0004】この測定プローブは、金属 (例、タングス
テン) 等の導電性材料からなり、その先端は略L型に折
り曲げられていて、開口Aを通してカード1の下面から
突き出るようにカード1の上面に装着されている。図示
していないが、プローブの他端は、カード1の上面に形
成された導電パターン (例、銅箔) に、半田等で電気的
に接続されている。各プローブが互いに接触しないよう
に、先端を除いたプローブの周囲を耐熱性樹脂等の絶縁
性材料で被覆してもよい。
【0005】プローブカード1を検査する半導体素子の
上に載せて押しつけ、開口Aから突き出た測定プローブ
2の先端が半導体素子の電極パッド (図示せず) と接触
することにより、半導体素子の電気的特性が検査され
る。そのためには、多数の測定プローブの全てが一度に
その下の電極パッドと確実に接触しなければならない。
しかし、プローブは通常は細い金属材であって、押しつ
け時の撓みにより先端の位置がずれ易く、電極パッドと
の確実な接触が困難となる。
【0006】測定プローブの精密な位置合わせを容易に
する手段として、図1(B) に示すように、絶縁性材料の
板材に、プローブが通る貫通穴Bを、電極パッドと同じ
パターンで設けたプローブ案内部品3を、プローブカー
ド1の開口Aを塞ぐように設置することができる。それ
により、各プローブ2の先端は、プローブ案内部品3の
貫通穴Bを通って突き出るため、撓みによる横方向の動
きが制限され、電極パッドと確実に接触させることがで
きる。
【0007】このプローブ案内部品3には、測定プロー
ブ2よりやや大きな径の貫通穴Bを電極パッドと同じピ
ッチで形成する必要がある。最近のLSIは飛躍的に高
密度化が進んでおり、電極パッドのピッチが100 μm以
下となることも珍しくない。例えば、図1(C) に示すよ
うに、電極パッドのピッチが70μmの場合、貫通穴Bの
径が60μmであると、貫通穴間の壁厚み (穴間の最小距
離) は10μmとなり、壁の厚みが非常に薄くなる。この
ように微細で薄肉の貫通穴を、例えば、ドリル加工によ
りプローブ案内部品に精度よく形成する必要がある。
【0008】従来のプローブ案内部品は、プラスチック
か、またはAl2O3 、SiO2、K2O 等からなる快削性の結晶
化ガラス系セラミック材料から作製されてきた。しか
し、プラスチックでは、高温で検査する必要性がある場
合には用いることができず、また貫通穴の十分な寸法精
度を得ることができない。一方、結晶化ガラス系セラミ
ック材料を用いた場合には、高温検査への対応は可能で
あるが、熱膨張係数が半導体素子に比べて非常に大き
く、測定温度により位置ずれを起こすという問題があ
る。また、材料の強度が低いため、ドリル加工による穿
孔時にカケや割れが起き易く、やはり十分な寸法精度
で、上述したような微細加工を施すことは困難である。
【0009】近年のレーザ加工技術の進歩により、セラ
ミック材料に微小な穴あけ加工等の微細加工が行われる
ようになった。しかし、レーザ加工では、レーザが照射
される入口側の穴の径が出口側の穴の径より大きい、先
細りのテーパ形状の貫通穴が形成され、穴の入口から出
口までずっと同一径の円柱状の穴あけ加工を精度よく行
うことは難しい。テーパ形状の貫通穴では、プローブが
斜めになり易く、先端の位置のずれが大きくなる。ま
た、超音波加工やサンドブラスト加工等の微細加工技術
でも、レーザ加工と同様に、穴の径がずっと同一の微細
な穴あけ加工は困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したプローブ案内
部品は、貫通穴にプローブを通してプローブの移動を制
限するタイプのものであるが、図1(D) に示すように、
貫通穴の代わりにスリットをプローブ案内部品に設け、
このスリットにプローブを通してプローブの移動を制限
することもできる。この場合も、壁厚みが非常に薄く、
深いスリットを精度よく形成する必要がある。このよう
なスリットの形成も従来は困難である。
【0011】上述したプローブ案内部品以外にも、半導
体素子等の電子部品やその製造装置、検査装置、および
その他の関連装置には、セラミックス等の電気絶縁性材
料に微細加工を施して貫通穴やスリットを形成した部品
が用いられることが多い。LSIの高密度化に伴って、
微細加工の高精度化および壁厚みの薄肉化の要求が強ま
っているが、この要求に十分に応えられるセラミック材
料がなかった。
【0012】本発明は、高精度の機械加工を施すことが
可能で、穴の入口から出口まで同一径の深い貫通穴や縦
長の短冊型断面形状の深いスリットを薄い壁厚みで高密
度に形成することができるセラミック焼結体を利用し
て、飛躍的に高密度化したLSIの検査用のプローブ案
内部品にも適用可能な、高精度で微細な機械加工を施
し、かつ温度による精度変化の小さいセラミック加工部
品を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討を重ねた結果、窒化珪素と窒化硼素の
混合物を主原料 (骨材) とする焼結セラミックス材料を
用いることにより、従来にない高精度で微細な機械加工
(研削加工やドリル加工) が可能となることを見出し、
本発明に到達した。
【0014】本発明により、下記およびに規定する
微細な機械加工が施されたセラミック加工部品が提供さ
れる。かかる加工精度を持ったセラミック加工部品はこ
れまで知られておらず、新規なものである。
【0015】研削加工により形成された複数のスリッ
トを備えたセラミック焼結体からなるセラミック加工部
品であって、前記スリット間の壁厚みが5μm以上20μ
m未満、前記スリットの深さ/壁厚み比が15以上、好ま
しくは20以上、かつ前記スリット間のピッチ精度が±4
μm以内であることを特徴とするセラミック加工部品。
【0016】ドリル加工により形成された複数の穴を
備えたセラミック焼結体からなるセラミック加工部品で
あって、前記穴径が65μm以下、前記穴間の壁厚みが5
μm以上20μm未満、前記穴の深さ/壁厚み比が15以
上、好ましくは20以上、かつ前記穴径と穴ピッチの精度
がいずれも±4μm以内であることを特徴とするセラミ
ック加工部品。
【0017】ここで、穴間の壁厚みとは穴間の最小距離
を意味する。好ましくは、前記セラミック焼結体は25℃
〜600 ℃での熱膨張係数が3×10-6/℃以下のものであ
る。このセラミック加工部品は、プローブが通る複数の
スリットおよび/または穴を備えたプローブ案内部品で
あってもよい。
【0018】上記の加工精度を持ったセラミック加工部
品は、窒化珪素25〜60重量%と窒化硼素40〜75重量%と
の混合物を主原料とするセラミック焼結体により実現す
ることができる。
【0019】即ち、上記のセラミック加工部品は、窒化
珪素25〜60重量%と窒化硼素40〜75重量%とからなる主
原料粉末を焼結助剤成分と混合して原料粉末を得る工
程、この原料粉末を高温加圧下で (例、ホットプレスま
たはHIPにより) 焼結してセラミック焼結体を得る工
程、およびこのセラミック焼結体を研削砥石またはドリ
ルで加工する工程、を含む方法により製造することがで
きる。特に窒化硼素の原料粉末は平均粒径1μm未満の
ものが好ましい。
【0020】本発明によればまた、プローブが通る複数
のスリットおよび/または穴を備えたプローブ案内部品
であって、窒化珪素25〜60重量%と窒化硼素40〜75重量
%との混合物を主原料とするセラミック焼結体からな
り、前記スリットおよび/または穴が機械加工により形
成されたものであることを特徴とするプローブ案内部品
も提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係るセラミック加工部品
は一般に板状であって、研削砥石によるスリット加工で
形成された複数のスリットおよび/またはドリルによる
穴あけ加工により形成された複数の貫通穴を有し、それ
らの形状は次の通りである。
【0022】1.スリット加工 壁厚み :5μm以上20μm未満 深さ/壁厚み比 :15以上 スリット間ピッチ精度:±4μm以内 即ち、壁厚みが5〜20μmと薄く、かつ深さ/壁厚み比
が15以上と非常に深いスリットが、スリット間ピッチ精
度±4μm以内の高精度で形成されている。かかるスリ
ットを有するセラミック加工部品はこれまで知られてい
なかった。
【0023】スリットの幅は特に制限されず、例えば、
スリット内にプローブを保持することができるように、
プローブの太さよりやや大きいスリット幅とすることが
できる。壁厚みが薄く、かつ精度よくスリット加工がで
きるため、高密度にプローブを保持することができ、か
つプローブの位置合わせの精度が向上し、検査装置の信
頼性が高まる。
【0024】2.穴あけ加工 穴径 :65μm以下 穴間の壁厚み :5μm以上20μm未満 穴の深さ/壁厚み比 :15以上 穴径と穴ピッチの精度 :±4μm以内 穴あけ加工の場合も、穴径が65μm以下と微細で、穴間
の壁厚み (穴間の最小距離) が5〜20μmと非常に薄
く、かつ穴の深さ/壁厚みの比が15以上という深い貫通
穴を、穴径と穴ピッチの精度がいずれも±4μm以内の
高精度で形成されており、かかる貫通穴を有するセラミ
ック加工部品はやはり新規である。
【0025】貫通穴の穴径は、例えば、プローブが通る
ように、プローブ径よりやや大きめに設定する。例え
ば、径が50μmの穴は、現在入手可能な最小の超硬ドリ
ルである50μmドリルを用いて穴あけ加工することによ
り形成できる。穴間の壁厚みが薄く、かつ精度よく穴加
工ができるため、高密度にプローブを保持することがで
き、かつプローブの位置合わせの精度が向上し、検査装
置の信頼性が高まる。
【0026】なお、スリットの幅や貫通穴の径は、セラ
ミック加工部品の厚み方向で変化せずに一定である (即
ち、テーパがついていない) ことが好ましいが、テーパ
付きのスリットまたは貫通穴とすることもできる。その
場合は、径および壁厚みは平均値 (中間値) が上記の規
定を満たせばよい。
【0027】上述した形状および精度のスリットまたは
貫通穴を有するセラミック加工部品は、窒化珪素(Si
3N4) 25〜60重量%と窒化硼素 (BN) 40〜75重量%との
混合物を主原料 (骨材) とするセラミック焼結体のスリ
ット加工または穴あけ加工により製造することができ
る。この製造方法について次に説明する。
【0028】まず、窒化珪素25〜60重量%と窒化硼素40
〜75重量%とからなる主原料粉末を、焼結助剤成分と混
合して原料粉末を調製する。この混合は、例えば、湿式
ボールミル等により行うことができる。
【0029】窒化硼素は六方晶系低圧相のもの(hBN) で
よい。窒化硼素は、被削性に優れるものの強度特性が悪
い。従って、焼結体中に粗大な窒化硼素が存在すると、
それが破壊起点となって、加工時のカケ、割れ発生要因
となる。このような粗大な窒化硼素粒子を形成しないた
めには、原料粉末を微粉にすることが有効である。主原
料粉末、特に窒化硼素の原料粉末は平均粒径1μm未満
のものを使用することが望ましい。
【0030】焼結助剤は、窒化珪素や窒化硼素の焼結に
従来より使用されているものから選択することができ
る。好ましい焼結助剤は酸化アルミニウム (アルミナ)
、酸化マグネシウム、酸化イットリウム (イットリア)
、およびランタノイド金属の酸化物から得られた1種
もしくは2種以上であり、より好ましくはアルミナとイ
ットリアの混合物、もしくはこれにさらに酸化マグネシ
ウムを添加した混合物である。焼結助剤成分の配合量
は、窒化珪素と窒化硼素とからなる主原料粉末の1〜15
重量%、特に3〜10重量%の範囲とすることが望まし
い。配合量が少なすぎては焼結が不十分となって焼結体
の強度が低下し、配合量が多すぎると強度の低い粒界ガ
ラス層が増加して焼結体の強度低下を招く。
【0031】原料粉末を高温加圧下で焼結させ、焼結体
とする。この焼結は、例えば、ホットプレスより行うこ
とができる。ホットプレスは、窒素雰囲気中で行うが、
加圧窒素中で行ってもよい。ホットプレス温度は1700〜
1950℃の範囲内がよい。温度が低すぎると焼結が不十分
となり、高すぎると主原料の熱分解が起こるようにな
る。加圧力は20〜50 MPaの範囲内が適当である。ホット
プレスの持続時間は温度や寸法にもよるが、通常は1〜
4時間程度である。高温加圧焼結は、HIP (ホットア
イソスタティクプレス) により行うこともできる。この
場合の焼結条件も、当業者であれば適宜設定できる。
【0032】得られた焼結体は、焼結助剤の種類や量を
適切に選択すれば、25℃〜600 ℃での熱膨張係数が3×
10-6/℃以下となる。この焼結体に、適当な研削砥石ま
たはドリルを用いてスリット加工もしくは穴あけ加工を
施し、前述した形状の複数のスリットまたは貫通穴を形
成する。この焼結体は被削性に優れ、かつ高強度である
ため、前述した精度でスリットまたは貫通穴を形成する
ことが可能となる。
【0033】こうして製造されたセラミック加工部品の
用途は特に制限されないが、例えば、上述した半導体素
子の検査装置に使用されるプローブカードに装着するプ
ローブ案内部品として有用である。その場合、スリット
または貫通穴の径は、これに通すプローブの直径より2
〜5μm程度大きくすることが好ましい。
【0034】
【実施例】(実施例1)平均粒径0.5 μm、純度99%の六
方晶窒化硼素(hBN) 粉末と、平均粒径0.2 μmの窒化珪
素粉末とを表1に示す割合で混合した。この混合粉末
(主原料粉末)に対して、焼結助剤として、2重量%のア
ルミナと6重量%のイットリアを加え、エチルアルコー
ルを溶媒としてボールミル混合を行った。得られたスラ
リーを乾燥させて原料粉末を得た。
【0035】この原料粉末を黒鉛製のダイスに充填し、
窒素雰囲気中30 MPaの圧力を加えながら1800℃で1時間
ホットプレス焼結を行って、65×65mm、厚み10 mm の正
方形のセラミック焼結体を得た。
【0036】この焼結体の曲げ破壊強度を3点曲げ試験
で測定した。また、被削性を評価するため、超硬-K10種
工具を用いて、研削速度18 m/min、送り速度0.03 mm/re
v 、切込0.1 mmの条件で旋削試験を行い、5分後の被削
材の表面粗さと工具の逃げ面摩耗幅 (工具の摩耗の程度
を示す) を測定した。さらに、この焼結体の熱膨張係数
を室温 (25℃) 〜600 ℃の範囲で測定した。これらの測
定結果を表1に一緒に示す。
【0037】この焼結体に、研削砥石 (レジンボンドダ
イヤモンド砥石#200 、厚み40μm、外径50 mm)を用い
たスリット加工により、図2に示す形状のスリット (幅
=40μm、壁厚み=15μm、深さ=300 μm、深さ/壁
厚み比=20) を100 個形成した。スリット加工は可能で
あるが、精度が不十分 (ピッチ精度が±4μmを超え
る) か、割れおよび/または欠け (チッピング) が発生
した場合を△、十分な精度でスリット加工が可能で、割
れや欠けが発生しない場合を○と評価した。結果を表1
に併せて示す。
【0038】(実施例2)実施例1と同様にしてセラミ
ック焼結体を作製し、厚さ300 μmの薄板状に切り出し
た後、直径50μmの超硬ドリル (材質SKH9) を用いて、
図1(C) に示すように、壁厚み10μmで縦30列、横20列
(合計600 個) の穴あけ加工を行った。穴の直径は60μ
m、深さは300 μmであり、壁厚み/深さ比は30とな
る。
【0039】得られた貫通穴の穴径と穴ピッチの精度を
測定し、この精度が±4μm以内で、割れや欠けがない
場合を○、穴あけ加工は可能であるものの、精度が不十
分か、割れや欠けが発生した場合を△、穴あけ加工が不
可能な場合を×と評価した。この結果も表1に併記す
る。主原料の Si3N4:BNの重量比が40:60である焼結体
を穴あけ加工した場合の表面を示す電子顕微鏡写真の1
例を図3に示す。
【0040】(比較例1)比較のために、従来の快削性
結晶化ガラス系セラミック材料について、実施例1およ
び2と同様のスリット加工および穴あけ加工を施したと
ころ、材料の強度が弱く、微細加工を施すと、図4に示
すように、欠け (チッピング) が発生し、精度よくきれ
いに穴あけ加工することができなかった。このセラミッ
ク材料の各種特性や加工結果も表1に併記する。
【0041】
【表1】
【0042】表1からわかるように、窒化珪素:窒化硼
素の重量比が25:75〜60:40の範囲内である混合物を主
原料 (骨材) とする焼結体からなるセラミック材料を用
いると、割れや欠けを生ずることなく、薄い壁厚みで微
細かつ深いスリットや貫通穴を機械加工により形成する
ことができる。また、この材料の熱膨張係数は従来の結
晶化ガラス系セラミック材料に比べて著しく小さい。
【0043】本発明に係る窒化珪素/窒化硼素焼結体
(本発明例) と、上記の結晶化ガラスセラミック (従来
例) で、十分な精度 (スリット間のピッチ精度または穴
径と穴ピッチの精度が±4μm以下) で割れや欠けを生
ずることなく安定に加工できる壁厚みの範囲は次の通り
である。
【0044】
【表2】
【0045】本発明のセラミック材料は、従来では不可
能であった薄い壁厚みで高精度の微細なスリット加工お
よび穴あけ加工を施すことができ、また熱膨張係数が従
来材の 1/5〜1/3 と小さい。従って、測定温度により位
置ずれを起こすことがほとんどなく、温度を変化させた
測定にも安定して対応可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、薄い壁厚みで、幅また
は直径の小さい深いスリットまたは貫通穴を精度よく形
成することができるので、高密度にプローブを所定位置
に保持することができるプローブ案内部品を作製するこ
とが可能となる。また、このスリットや貫通穴をまっす
ぐにテーパをつけずに形成できることと、セラミック焼
結体の熱膨張係数が比較的小さく、シリコンに近似して
いて、測定温度による位置ずれが起きにくいことから、
プローブの位置合わせの精度が向上し、検査装置の信頼
性が著しく高まる。その結果、LSIの高密度化に対応
可能な高密度で、かつ高精度の半導体素子の検査装置が
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A) は従来のプローブカードの断面を示す
略式説明図、図1(B) はプローブ案内部品を備えたプロ
ーブカードの断面を示す略式説明図、図1(C) はプロー
ブ案内部品の貫通穴の上面 (左図) および断面 (右図)
を示す略式説明図、図1(D) はスリットを備えたプロー
ブ案内部品の略式説明図である。
【図2】実施例で形成したスリットの形状を示す説明図
である。
【図3】本発明のセラミックの穴あけ加工後の表面を示
す電子顕微鏡写真である。
【図4】従来のセラミックの穴あけ加工後の表面を示す
電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 一郎 尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工業株式 会社エレクトロニクス技術研究所内 Fターム(参考) 2G011 AA17 AB06 AB07 AC21 AE22 3C069 BA09 CA03 EA02 4G030 AA12 AA36 AA50 AA52 BA18 BA24 CA07 GA11 GA17 GA29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削加工により形成された複数のスリッ
    トを備えたセラミック焼結体からなるセラミック加工部
    品であって、 前記スリット間の壁厚みが5μm以上20μm未満、 前記スリットの深さ/壁厚み比が15以上、かつ前記スリ
    ット間のピッチ精度が±4μm以内であることを特徴と
    するセラミック加工部品。
  2. 【請求項2】 ドリル加工により形成された複数の穴を
    備えたセラミック焼結体からなるセラミック加工部品で
    あって、 前記穴径が65μm以下、 前記穴間の壁厚みが5μm以上20μm未満、 前記穴の深さ/壁厚み比が15以上、かつ前記穴径と穴ピ
    ッチの精度がいずれも±4μm以内であることを特徴と
    するセラミック加工部品。
  3. 【請求項3】 前記セラミック焼結体の25℃〜600 ℃で
    の熱膨張係数が3×10-6/℃以下である、請求項1また
    は2記載のセラミック加工部品。
  4. 【請求項4】 前記セラミック焼結体が、窒化珪素25〜
    60重量%と窒化硼素40〜75重量%との混合物を主原料と
    するものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載のセラミック加工部品。
  5. 【請求項5】 窒化珪素25〜60重量%と窒化硼素40〜75
    重量%とからなる主原料粉末を焼結助剤成分と混合して
    原料粉末を得る工程、この原料粉末を高温加圧下に焼結
    してセラミック焼結体を得る工程、およびこのセラミッ
    ク焼結体を研削砥石またはドリルで加工する工程、を含
    むことを特徴とする請求項4記載のセラミック加工部品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記窒化硼素の原料粉末が平均粒径1μ
    m未満である、請求項5記載のセラミック加工部品の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 プローブが通る複数のスリットおよび/
    または穴を備えたプローブ案内部品であって、窒化珪素
    25〜60重量%と窒化硼素40〜75重量%との混合物を主原
    料とするセラミック焼結体からなり、前記スリットおよ
    び/または穴が機械加工により形成されたものであるこ
    とを特徴とするプローブ案内部品。
  8. 【請求項8】 プローブが通る複数のスリットおよび/
    または穴を備えたプローブ案内部品であって、請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載のセラミック加工部品か
    らなることを特徴とするプローブ案内部品。
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