JP2000327400A - 機能性複合セラミックスおよびその製造方法、並びにこれを用いてなる複合材料 - Google Patents

機能性複合セラミックスおよびその製造方法、並びにこれを用いてなる複合材料

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JP2000327400A JP14556199A JP14556199A JP2000327400A JP 2000327400 A JP2000327400 A JP 2000327400A JP 14556199 A JP14556199 A JP 14556199A JP 14556199 A JP14556199 A JP 14556199A JP 2000327400 A JP2000327400 A JP 2000327400A
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Nobuhide Maeda
信秀 前田
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SUMIYOSHI KINZOKU KK
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MOCHISE DENKI KK
SUMIYOSHI KINZOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性、脱臭性に優れ、ホルムアルデヒドの
分解・吸着能を有し、かつ焼却する際にダイオキシン類
の発生を抑制することができ、さらに複合材料の特性に
応じて所望のpHに調整し得る、機能性複合セラミック
スを提供する。 【解決手段】 層構造を有する粘土鉱物および焼成ドロ
マイトを含有することを特徴とする機能性複合セラミッ
クス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な機能性複合
セラミックスおよびその製造方法、並びにこれを用いて
なる複合材料に関するものである。特に単体のセラミッ
クス同士を素材として、任意の水素イオン濃度(pH)
を有してなる機能性複合セラミックスおよびその製造方
法、並びにこれを用いてなる複合材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、任意の水素イオン濃度(pH)に
調整することのできる複合セラミックスは、製造加工さ
れていない。
【0003】また、プラスチックの加工には、可塑剤、
酸化防止剤、充填剤、帯電防止剤等の配合剤や添加剤が
必要不可欠である。抗菌・防カビ剤もまた、一部のプラ
スチックにとっては必須の添加剤の1種であり用途によ
っては、プラスチックの種類に限らず必須成分となって
いる。例えば、プラスチックの微生物による被害は今日
では常識であり、軟質塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂な
ど被害を受けやすいプラスチック以外にも何らかの抗菌
処理を必要とする場合が多い。
【0004】現在提供されているプラスチックに使用さ
れる抗菌・防カビ剤は、大きく分けて有機系と無機系に
区別できる。
【0005】有機系抗菌・防カビ剤には、従来から殺菌
剤として知られた薬剤のなかで、プラスチックの加工時
の加熱に耐えることができ、プラスチック製品に練り込
んだ状態で持続性を有する安定なものが用いられてお
り、代表的な有機系抗菌・防カビ剤には、2−(4−チ
アゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジク
ロロメチルチオ)−フタルイミド、2,3,5,6−チ
トクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ピリジン、1
0,10′−オキシビスフェノキシアルシン、トリメト
キシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロラ
イド、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛等が
ある。
【0006】しかしながら、こうした有機系抗菌・防カ
ビ剤は、揮発・溶出によりプラスチックの加工製品よ
り、環境に拡散し即効効果を示すため、その有効期限が
比較的短く、人体等への影響が比較的強いといえる。ま
た、有機系抗菌・防カビ剤の中には催奇性の疑いのある
ものや、廃棄物が毒性を有するものもあるなど、その安
全性の確保に難点があった。さらに、抗菌・防カビ剤自
体の潜在的毒性やガス化した場合の毒性、熱分解物の毒
性など加工、使用、廃棄の全ての段階において安全であ
ることが望まれる様な用途では特にその安全性の確保に
難点があるといえる。また、有機系抗菌・防カビ剤に
は、プラスチックの加工温度(軟質塩化ビニル樹脂のよ
うに200℃以下のものもあるが、そのほとんどが20
0℃以上であり、300℃近くのものさえある。)にお
いて、単品での耐熱性はあるが、プラスチックに添加し
た場合には、それ以下の温度で分解して樹脂を黄変させ
たり、成型に悪影響を及ぼす場合もある。さらには、こ
うした有機系抗菌・防カビ剤は、比較的高価である。
【0007】一方の無機系抗菌・防カビ剤は、銀、銅、
亜鉛などの抗菌性金属を、燐酸ジルコニウム、ゼオライ
ト、ヒドロキシアパタイト、シリカ・アルミナ、シリカ
ゲル等の無機イオン交換体ないし多孔質体の担体に担持
した金属置換型の抗菌・防カビ剤がほとんどで、なかで
も効果が高く安全性の高い銀系無機抗菌剤が一般に多く
使用されている。こうした無機系抗菌・防カビ剤では、
有機系抗菌・防カビ剤のような上記諸問題は生じないも
のの、有効成分である金属イオンが触媒的にプラスチッ
クの母材樹脂を劣化させたり、銀系無機抗菌剤では、特
に光(紫外線)により金属銀に変化し変色しやすいなど
耐光性に難点があるものもある。また、こうした無機系
抗菌・防カビ剤も、無機イオン交換体や多孔質体に担持
させる必要があり、所定の製造工数を要するため、比較
的高価でもある。また、こうした従来の無機系抗菌・防
カビ剤は、有機系抗菌・防カビ剤のような揮発・溶出は
ほとんど起こさないため、加工製品等のプラスチック成
型品表面に分散したものが細菌、カビ類と接触すること
によって初めて効果を生じるため、母材樹脂(あるいは
プラスチック表面に抗菌性塗膜を形成する場合には、該
塗膜原料である塗料の樹脂成分)に所定の比率で従来既
知の無機系抗菌・防カビ剤を添加混入してプラスチック
(あるいはプラスチック表面に抗菌性塗膜)を加工して
も充分な抗菌性を有するものを製造することはできず、
さらには、母材樹脂等に所定の比率で新規かつ極めて高
い抗菌性を有する複合セラミックスを含む無機系抗菌・
防カビ剤を添加混入してプラスチック等を加工したとし
ても、従来レベルを超える抗菌性を有するものを製造す
ることはできなかった。
【0008】また、こうしたプラスチックのほか、紙・
パルプ、繊維、木材などの材料やその添加剤、さらには
これらを適当に組み合わせるなどして製造加工される各
種複合材料、例えば、天然ないし合成繊維およびこれを
用いてなる衣類等の繊維加工品;生鮮食品や惣菜や弁当
等を入れるパックやトレーなどの容器類;お菓子等の食
品や飲料品用の包装材料や、天井や壁などの建築用の内
装材や装飾材として使われるプラスチック、不織布、紙
・パルプ、さらにはこれらに蒸着されるアルミニウムな
どで構成される単層または多層構造のフィルム、シート
ないし各種成形加工品;合板や木質ボード等の木材加工
材;各種塗料などは、その製造段階での添加剤などのp
Hが問題になるほか、得られる製品の性能や品質等によ
っては、製品自身のpHが問題になることも多い。
【0009】一方、現在、全国各地に設置されている焼
却炉から発生されているダイオキシン類および焼却炉の
灰分にも相当量のダイオキシン類が含有しているのが現
状である。
【0010】ここで、一般に環境汚染物質として注目さ
れているダイオキシンとは、ポリ塩化ジベンゾパラジオ
キシン(PCDDs)のことで、置換している塩素分子の数と
場所によって75種類の同族体(異性体を含む)がある。
また通常このPCDDs と一緒に生成し、同じ様な化学構造
と性質を持つポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)も135
種類の同族体を持つ化合物群である。最近はダイオキシ
ン関連物質として、いろいろな塩素化合物が論議の対象
となっているが、その評価は必ずしも確定したものでは
なく、環境中で検出されるダイオキシン関連物質も、一
般に複雑な同族体の混合物であることから、本明細書で
は、環境汚染物質としてPCDDsとPCDFsの両者
(同族体を含む)をあわせてダイオキシン類とした。こ
れらの化合物は環境中で極めて安定で、生物に対する毒
性の強いものが多く、人類にとって全く有用性に欠ける
物質群であり、商業的な生産は行われていない。ダイオ
キシン類の生成は、各種の化学物質、たとえば塩化フェ
ノール等の防腐剤などの製造の際に、微量ではあるが不
純物として副生し、製品中に混入して市場に出回った
り、生産工場から環境へ直接排出物として放出されたり
する例がある。また、産業廃棄物の埋め立て処理などの
場合、不純物としてのダイオキシンが浸水などで漏出し
て地下水等を汚染する場合があるが、発生源として特に
重要なのは、発生量の大半を占める都市ごみの焼却のよ
うな熱化学反応による生成である。すなわち、近代化学
工業の発展とともに有機塩素化合物の使用が世界的に増
加し、これらの物質が老朽化等により処分され都市ゴミ
などの一般廃棄物として廃棄もしくは産業廃棄物として
分別廃棄され、その焼却の際にダイオキシン類を生成す
ることが問題とされるようになった。特に、我が国は国
土が狭く、埋め立て処理をする場所が少ないこともあっ
て、大半の一般廃棄物が焼却処理されており(例えば、
1994年の調べでは、我が国の都市ごみ焼却炉の数は
約2,000に近く、焼却される廃棄物の量も年間3,7
00万トンと他の国と比べてかなり多く、年々増加傾向
にある。)、ダイオキシン類の発生量の78〜88%が
都市固形廃棄物の焼却によるものであるとの報告があ
る。また、廃油、廃プラスチック、汚泥などの焼却処理
も広く行われているが、これらも含めて、焼却処理はダ
イオキシン類発生源として最も重要なものである。この
他にも、医療関係の廃棄物はふつう医療施設に設けられ
た小規模な焼却施設で焼却されるが、運転管理が十分に
行われているとはいえず、ダイオキシン類の生成量は都
市固形廃棄物と同じレベルであると考えられている。
【0011】次に、都市ごみの焼却のような熱化学反応
によるダイオキシン類の生成のメカニズムについてはい
ろいろな研究報告があるが、現在のところ、下記に示す
化学構造式(化1)を用いて表した「ごみ焼却などによ
る有機物からのダイオキシンの生成機構模式図」にまと
めたように、有機物の分解によって生じた塩化フェノー
ルや塩化ベンゼンのような小分子の化合物が高温で縮合
して生成する、および焼却によって生じた灰の表面の触
媒作用下で、炭素骨格と塩素から合成される(de novo合
成)との考え方が一般的である。また、ダイオキシン類
の生成メカニズムに不可欠な塩素に着目した場合、下記
に示す「塩素および塩素使用製品の主な用途」(化2)
にあるように塩素および塩素使用製品は、あらゆる用途
に使われており、これらが廃棄物として廃棄され、焼却
される際にダイオキシン類の合成に関与しているもので
ある。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】上述したような廃棄物の焼却の際に発生す
るダイオキシン類の排出抑制のためには、焼却対象とな
る廃棄物を減量することがまず第一であるが、廃棄物焼
却施設のダイオキシン排出抑制には、燃焼管理を含めた
完全燃焼により炉(ボイラ)からの生成を極力抑制し、
さらに各種技術の組み合わせによる排ガス処理系で対応
を図ることが重要との観点から開発が進められている。
【0015】このうち、完全燃焼を達成するには、高い
燃焼ガス温度、充分なガスの滞留時間と炉内での充分な
ガス攪拌・二次空気との混合が必要であり、このための
炉体技術とファジィ制御を組み合わせた自動燃焼制御が
実用化されている。しかしながら、高い燃焼ガス温度を
保持する必要があるため、ランニングコストや維持管理
費等が高くなり、また焼却炉の内壁の劣化がはやくなる
ため、より高温耐熱性に優れた耐火材を用いる必要があ
り、さらに炉体技術とファジィ制御を組み合わせた自動
燃焼制御は、これらを要しない既存焼却炉ないし小規模
な焼却施設では容易に対応できず、改修費用が高くなる
問題があり、約2000に近くある都市ごみ焼却炉その
他の焼却施設にこうした設備を設けることは実際上困難
である。
【0016】また、排ガス処理系では、処理温度の低温
化、ダスト除去性能の向上、吸着作用の利用が図られて
おり、バグフィルタの低温化、粉末活性炭の噴霧、活性
炭系吸着塔による除去、触媒(チタン・バナジウム系、
貴金属系)によるダイオキシン類の分解除去、さらに化
学抑制材(トリエタノールアミン、過酸化水素水等)に
よる低減化技術が開発されている。しかしながら、バグ
フィルタの低温化、粉末活性炭の噴霧、活性炭系吸着塔
による除去方法は、ダイオキシン類の生成を抑制できる
ものではなく、活性炭は選択的にダイオキシン類を吸着
できるものではなく、ダイオキシン類以外の排気ガス中
の他の成分も吸着するため、その吸着寿命が短く、頻繁
に取り替える必要があり、また、回収したダイオキシン
類を吸着した活性炭を処分するには、別途分解し無害化
する処理施設が必要となる為、最終処理段階に至るまで
の工数が多くなり、またコスト高にもなる。さらにこれ
ら活性炭自身が燃焼または爆発するなどの災害を引き起
こすこともあった。また、触媒(チタン・バナジウム
系、貴金属系)によるダイオキシン類の分解除去方法
も、ダイオキシン類の生成を抑制できるものではなく、
例えば、活性炭素繊維に数オングストロームの金(貴金
属)や酸化鉄の粒子を均一に分散(担持)した排ガスフ
ィルターとする場合にダイオキシン類を分解することが
できるとの報告があるが、金等の貴金属触媒を使用する
ため必然的に高コスト化とならざるを得ず、既存焼却炉
ないし小規模な焼却施設では容易に対応できず、改修費
用が高くなる問題があり、約2000近くある都市ごみ
焼却炉その他の焼却施設にこうした設備を設けることは
実際上困難であるほか、耐久性の見極めが今後の課題と
なっているなど実用化に向けてクリアすべき課題もあ
り、実用化にはなお多くの時間を要するものである。さ
らに化学抑制材(トリエタノールアミン、過酸化水素水
等)による低減化技術では、ダイオキシン類の生成の低
減化が達成されるにとどまり、十分にその発生を抑制で
きるものではなく、また、トリエタノールアミン、過酸
化水素水等の化学抑制材も比較的高価であり、またこれ
らの取り扱いや保管には相当の注意を要するため、こう
した化学物質に対する十分な知識を有するものが当たら
ねばならず、約2000近くある都市ごみ焼却炉その他
の小規模な焼却施設を含む焼却施設にこうした設備や専
門家を配備して対応することは実際上困難であるほか、
国内で年間に焼却される廃棄物量3700万トンの処理
に必要な化学抑制材を供給することも実際上困難なもの
である。
【0017】また、塩化水素の抑制剤としては、従来、
方解石(CaCO3 )が使われているが、焼却炉の場
合、一次燃焼室では反応効率が悪いため、二次燃焼室よ
り後の工程で使用されるのが通例であり、ダイオキシン
の発生を抑制する解決策になり得ていなかった。
【0018】一方、新築のマンションや一戸建ての住宅
では、壁紙や木質ボードや合板等の内装材やその接着剤
などに含有されているホルムアルデヒド・尿素などのよ
うな人体に有害な物質が、適当な温度、湿度の環境下に
気化する。この現象は、通常2〜3年間持続する。従来
の木造建築様式のように通気性の高い構造ではその影響
は低いが、近年、エアコン等の使用頻度の増加に伴っ
て、気密性の高い構造のものが好まれるようになってき
たため、こうした気密性の高い室内では、梅雨時や冬期
暖房した部屋の換気が悪い場合などでは、こうした気化
したホルムアルデヒド等により皮膚や気管支など人体へ
の強い刺激(例えば、ホルムアルデヒドの気中濃度が
0.8ppm以上で異臭を感じ、3ppm以上で涙が出
るなどの目にしみる刺激、4ppm以上で鼻に刺激、5
ppmで喉に刺激、15ppmで咳をするなどの気管支
の刺激、20ppm以上で気管支や肺などに刺激)によ
る影響が問題となっており、特にアレルギー体質(アト
ピー)の人では、皮膚炎や気管支ぜんそく等の症状がお
こり易くなるという報告もある。そのため、近年では低
アルデヒドの建材が作られるようになってはいるが、完
全に不使用にまでは至っておらず、換気孔を設けたり、
頻繁に換気して部屋の空気を入れ換えたり、さらには活
性炭等の脱臭・吸着剤を多量に部屋に置くなどして、強
制的に除去する対策しかなかった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、抗菌性、脱臭性に優れ、ホルムアルデヒドの分解・
吸着能を有し、かつ焼却する際にダイオキシン類の発生
を抑制することができ、さらに複合材料の特性(製造段
階を含む。以下同様)に応じて所望のpHに調整し得
る、機能性複合セラミックスおよびその製造方法、並び
にこれを用いてなる複合材料を提供するものである。
【0020】また、本発明の目的は、安価に安定して大
量に入手できるものであって、さらに簡便な手法によ
り、優れた抗菌性、脱臭性に優れ、ホルムアルデヒドの
分解・吸着能を有し、かつ焼却する際にダイオキシン類
の発生を抑制することができ、さらに複合材料の特性に
応じて所望のpHに調整し得る、機能性複合セラミック
スおよびその製造方法、並びにこれを用いてなる複合材
料を提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、鋭意検討した結果、焼成ドロマイトで
は、ダイオキシン類の発生を抑制し、また発生したダイ
オキシン類を分解するのにも極めて有用であり、さら
に、高い抗菌性、脱臭性、放射率を半永久的に発現する
ことができ、その安全性も確認されている(食品添加物
である)ため、該焼成ドロマイトを担持体等を用いなく
とも母材原料に添加する事で複合材料化することができ
ることを知得した。また、単独では水に懸濁するとアル
カリ性を示すものである。一方、酸性白土や活性白土
等の層構造を有する粘土鉱物では、高い放射率、吸着
性、触媒性を有し、単独では水に懸濁すると酸性を示す
ものである。そこで、両者を所定の割合で混合すること
で、焼成ドロマイトの持つ特性を損なうことなく、かつ
任意にpHを調節できることを知得するとともに、また
耐熱性、耐光性を有しているので、プラスチックや紙・
パルプなどに添加した場合に製造段階で分解して樹脂や
紙を黄変、劣化させたり、成形加工に悪影響を及ぼすこ
ともなく、複合材料の製造加工が容易となり、その性能
や品質の劣化等を防止することができ、さらに壁紙や木
質ボードなどの複合材料では、ホルムアルデヒド等の人
体に有害な物質を分解・吸着等の作用により揮発するの
を防止できることをも知得し、これらにより多くの製品
への利用を図ることができ、得られた複合材料でも、十
分な抗菌性、脱臭性、放射性を発現でき、さらにホルム
アルデヒドのような人体に有害な物質を分解・吸着で
き、該複合材料を(さらには他の一般廃棄物と共に)焼
却した際にダイオキシン類の発生を抑制することがで
き、排ガスおよびその焼却灰中のダイオキシン類を極め
て低濃度に抑えるのに、より有効で、かつ有用であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0022】すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜
(16)に記載の新規な機能性複合セラミックスおよび
その製造方法、並びにこれを用いてなる複合材料により
達成されるものである。
【0023】(1) 層構造を有する粘土鉱物および焼
成ドロマイトを含有することを特徴とする機能性複合セ
ラミックス。
【0024】(2) 前記焼成ドロマイトの粒度が、1
0μm以下であることを特徴とする上記(1)に記載の
機能性複合セラミックス。
【0025】(3) 前記焼成ドロマイトが、900〜
1200℃の範囲で焼成されてなるものであることを特
徴とする上記(1)または(2)に記載の機能性複合セ
ラミックス。
【0026】(4) 前記焼成ドロマイトの含有量が、
機能性複合セラミックスの総重量を基準として10〜9
0重量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の
いずれか1つに記載の機能性複合セラミックス。
【0027】(5) 前記層構造を有する粘土鉱物の粒
度が、10μm以下であることを特徴とする上記(1)
〜(4)のいずれか1つに記載の機能性複合セラミック
ス。
【0028】(6) 前記層構造を有する粘土鉱物が、
活性白土であることを特徴とする上記(1)〜(5)の
いずれか1つに記載の機能性複合セラミックス。
【0029】(7) 前記層構造を有する粘土鉱物の含
有量が、機能性複合セラミックスの総重量を基準として
10〜90重量%であることを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれか1つに記載の機能性複合セラミック
ス。
【0030】(8) 前記焼成ドロマイトと前記層構造
を有する粘土鉱物との組成比率(重量比)が1:0.1
〜10の範囲であることを特徴とする上記(1)〜
(7)のいずれか1つに記載の機能性複合セラミック
ス。
【0031】(9) 層構造を有する粘土鉱物と焼成ド
ロマイトとを含むセラミックスの原料を乾式混合するこ
とを特徴とする機能性複合セラミックスの製造方法。。
【0032】(10) 前記焼成ドロマイトが、ドロマ
イトを900〜1200℃の範囲で焼成し、乾式粉砕
し、さらにふるい分けを行って粒度10μm以下に調整
されてなるものであることを特徴とする上記(9)に記
載の機能性複合セラミックスの製造方法。
【0033】上記(11) 前記焼成ドロマイトの配合
量が、原料の総重量を基準として10〜90重量%であ
ることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の
機能性複合セラミックスの製造方法。
【0034】(12) 前記層構造を有する粘土鉱物
が、ハロサイドおよび/またはモンモリロナイトを主成
分とする酸性白土を酸処理加工してなる粒度10μm以
下の活性白土であることを特徴とする上記(9)〜(1
1)のいずれか1つに記載の機能性複合セラミックスの
製造方法。
【0035】(13) 前記層構造を有する粘土鉱物の
配合量が、原料の総重量を基準として10〜90重量%
であることを特徴とする上記(9)〜(12)のいずれ
か1つに記載の機能性複合セラミックスの製造方法。
【0036】(14) 前記焼成ドロマイトと前記層構
造を有する粘土鉱物との配合比率(重量比)が1:0.
1〜10であることを特徴とする上記(9)〜(13)
のいずれか1つに記載の機能性複合セラミックスの製造
方法。
【0037】(15) 上記(1)〜(8)のいずれか
1つに記載の機能性複合セラミックスを含有してなる複
合材料。
【0038】(16) 前記機能性複合セラミックスの
添加量が、複合材料の総重量を基準として10〜90重
量%であることを特徴とする上記(15)に記載の複合
材料。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の機能性複合セラミックス
は、層構造を有する粘土鉱物および焼成ドロマイトを含
有することを特徴とするものである。これらのセラミッ
クスを複合化することにより、抗菌性、脱臭性、放射性
等の諸特性に優れ、ホルムアルデヒドのような人体に有
害な物質の分解・吸着能を発現し、かつ焼却する際にダ
イオキシン類の発生抑制能をも発現することができ、さ
らに機能性複合セラミックスの組成成分を変えることで
複合材料の特性上要求されるpHに自在に調節すること
ができるため、複合材料がセラミックス由来の酸やアル
カリによって劣化するようなこともなく、高い性能及び
品質を長期間保持することもできる。すなわち、抗菌・
防カビ性や脱臭性、さらにはホルムアルデヒドのような
有害物質の低減、除去などを要求される多くの複合材料
(成形加工品)に適用できるものである。さらに製造段
階や成形加工品のpHの調節が必要である多くの複合材
料(成形加工品)に適用できるものである。したがっ
て、極めて汎用性に優れるため、現在ある成形加工品の
ほとんど全てに適用できる。さらに、現在問題になって
いる廃棄物を焼却する場合に発生するダイオキシン類の
ほか、塩化水素等の塩素化合物や塩素系ガスをも分解・
吸着することができるため、本発明の複合材料に由来す
るダイオキシン類の発生を抑制することができ、さらに
発生してしまったダイオキシン類も十分に分解すること
ができるものである。
【0040】本発明に用いることのできる焼成ドロンマ
イトとしては、特に制限されるものではなく、未焼成の
ドロマイトを700℃未満で焼成した焼成ドロマイト、
700〜800℃で焼成した焼成ドロマイト、900℃
以上で焼成した焼成ドロマイトのいずれであってもよ
い。好ましくはドロマイトを900〜1200℃、より
好ましくは1000〜1100℃で焼成したものがよ
い。これらの焼成ドロマイトでは、ドロマイトや他の焼
成ドロマイトに比して、抗菌性、脱臭性、放射性等が高
く、またダイオキシン類の発生抑制効果が相対的に高い
ためである。ここで、ドロマイトとは、別名、白雲石ま
たは苦灰石と呼ばれる、カルシウムとマグネシウムの複
合炭酸塩CaMg(CO3 2 またはこれを主成分とす
る岩石をいう。また、このドロマイトを加熱すると70
0〜800℃でMgCO3 分が分解してCO2 を放出
し、炭酸カルシウム(CaCO3 )と酸化マグネシウム
(MgO)を主成分とする焼成物(焼成ドロマイト)と
なり、さらに900〜950℃でCaCO3 が分解して
CO2 を放出し、酸化カルシウム(CaO)と酸化マグ
ネシウム(MgO)を主成分とする焼成物(焼成ドロマ
イト)となる特性を有している。
【0041】本発明に用いられる焼成ドロマイトの粒度
は、複合化セラミックスの形態や使用用途に応じて最適
な粒度のものを適宜選択して使用されればよいが、天然
の層構造を有する粘土鉱物がごく微細な粉末からなる粘
土であることから、複合化の観点からはこれらと同等の
粒度を有するものが好ましく、通常、10μm以下、好
ましくは1〜5μm、より好ましくは1〜3μmであ
る。焼成ドロマイトの粒度が10μmを超える場合に
は、粒度調整コストがかさむほか、得られた複合化セラ
ミックスを透明なプラスチック等に添加して利用を図る
場合には、透明度が低下したり、フィルム形態では、薄
膜化する上で障害となる場合があるなど好ましくない。
なお、焼成ドロマイトの粒度の下限は特に制限されるも
のではないが、1μm未満の場合には、微粉化に要する
コストがかかり、また取り扱い時に粉塵が発生しやすい
など好ましくない。
【0042】上記焼成ドロマイトの含有量は、機能性複
合セラミックスの総重量を基準として1〜99重量%、
好ましくは10〜90重量%である。10重量%未満の
場合でも、機能性複合セラミックスに抗菌性、脱臭性、
ホルムアルデヒドの分解・吸着能、ダイオキシン類の発
生抑制能を発現させることはできるものの、その発現レ
ベルが相対的に低く所望のレベルを達成することができ
ない場合があるため好ましくない。一方、90重量%を
超えても、機能性複合セラミックスの性能上特に問題は
ない(すなわち、単独で使用しても性能上の問題はな
い)が、機能性複合セラミックスを用いた複合材料の特
性によってpHの調節が必要な場合に単独では性能の劣
化を招く場合がある。
【0043】上記焼成ドロマイトの特性は、以下の表1
及び2に示すとおりであり、極めて高い抗菌性、脱臭
性、放射率、並びにすぐれたHCl分解能、ダイオキシ
ン類の発生抑制能を有することが判る。ここでは900
〜1200℃の範囲で焼成した焼成ドロマイトを用い
た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】上記表1中の放射率は、赤外法(分光器;
日本分光工業株式会社製)により仮想黒体と試料(粉体
成形により加工したもの)の放射率を比較することによ
り求めた。より詳しくは、試料の表面温度を所定の温度
(100℃)にし、仮想黒体との比較放射率を計測し求
めた。
【0047】上記表1中のpHは、試料1gを水1リッ
ルに懸濁させてなる懸濁液のpH(25℃)を市販のp
H計測器により測定した。
【0048】上記表1中の表面積(m2 /g)は、BE
T法により測定した。
【0049】上記表1中のHClの分解率は、容器内に
HCl水溶液を入れ、容器上部に機焼成ドロマイト試料
を充填したフィルターを設け、容器を加熱した際に該フ
ィルターを通して出てくるガスをサンプリングし、ガス
クロマトグラフ分析計を用いて測定した。同様にフィル
ターを設けることなく同様にブランクガスのサンプリン
グを行い、ガスクロマトグラフ分析計を用いて測定し
た。ブランクガス中のHCl由来のガス発生量Aを基準
として、焼成ドロマイト試料経由のHCl由来のガス発
生量Bとし、HCl発生抑制率(分解率)(%)=(1
−B/A)×100として算出し、HCl発生抑制作用
ないし分解作用を調べた。
【0050】上記表1中の脱臭率は(%)は、テドラー
バッグ内の焼成ドロマイト試料1g及び臭いガス600
mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定し、
下記式により脱臭率を求めた:脱臭率(%)=(ブランク
ガス濃度−試料ガス濃度)/ブランクガス濃度×100な
お、ガス種には、アンモニア(アルカリ)、硫化水素
(酸性)を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは吸
光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素はガスクロマ
トグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。
【0051】上記表1中の抗菌作用は、粉末形態の焼成
ドロマイトが対象であるため、大腸菌およびブドウ状球
菌のいずれも下記に示すシェーク法により測定し、抗菌
作用ないし抗菌率(%)を調べた。
【0052】シェーク法;粉末形態の加工製品等に適用
し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中にサン
プル(粉末の焼成ドロマイト)と、供試菌とを共存さ
せ、一定の時間振とう後に生残菌数を測定するものであ
る。すなわち、水溶液中に分散させた焼成ドロマイトサ
ンプルと供試菌とを振とうにより強制的に接触作用させ
て効果を確認する方法である。
【0053】上記表1中の抗菌率(%)は、粉末形態の
焼成ドロマイトが対象であるため、大腸菌およびブドウ
状球菌のいずれも下記に示すシェーク法により測定し
た。
【0054】シェーク法;粉末形態の加工製品に適用し
得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中にサンプ
ル(粉末の焼成ドロマイト)と、供試菌とを共存させ、
一定の時間振とう後に生残菌数を測定するものである。
すなわち、水溶液中に分散させたサンプルと供試菌とを
振とうにより強制的に接触作用させて効果を確認する方
法である。
【0055】上記表2中のダイオキシン類の濃度(毒性
等価濃度)は、一般的な汎用の小・中型ゴミ焼却炉(用
瀬電機株式会社製)で都市固形廃棄物100重量部(1
00kg)(このうちポリ塩化ビニルなどの有機塩素化
合物5kgを含有する。ただしこのほかにも食塩等の塩
素化合物が含まれ得る。)と、焼成ドロマイトの10重
量部を予め混合してから該焼却炉に投入し、炉内温度6
50℃で焼却処理を行い、燃焼開始時から適当な間隔毎
に排気ガスを収集して、排ガス中のダイオキシン類(P
CDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度(毒性
等価濃度)を測定したものである。また、上記被焼却物
を完全に焼却した後に、炉内の焼却灰についても、ダイ
オキシン類(PCDDs、PCDFs及びこれらの合
計)の濃度(毒性等価濃度)を測定したものである。こ
れら排ガスおよび灰(焼却灰)中のダイオキシン類の濃
度(毒性等価濃度)は、財団法人鳥取県保険事業団にそ
れぞれのサンプルガス及び灰分を採取したものを持ち込
み、排気ガスおよび灰中のダイオキシン類の濃度(毒性
等価濃度)に関しては、財団法人広島県環境保険協会に
て分析した結果である。
【0056】また、本発明に用いることのできる層構造
を有する粘土鉱物としては、特に制限されるものではな
く、ハロイサイトおよび/またはモンモリロナイトを主
成分とする天然粘土(以下、単に酸性白土ともいう)お
よびこれらを酸処理してなる酸処理土(以下、単に活性
白土ともいう)が挙げられる。このうち、酸性白土のp
Hは、産地やその成分組成比率等により若干変動はする
が、通常6.5〜6.8の範囲である。一方、活性白土
のpHも、酸処理前の酸性白土の組成や酸処理条件等に
より若干変動はするが、通常2.5〜3.0の範囲であ
る。したがって、上記焼成ドロマイトとの配合調整によ
り、より広範囲なpHの調節が可能である活性白土が望
ましい。
【0057】上記層構造を有する粘土鉱物の粒度は、1
0μm以下、好ましくは1〜5μm、より好ましくは1
〜3μmである。通常、天然に産出される粘土鉱物であ
る酸性白土は、ごく微細な粉末からなるものであって、
粘土鉱物の粒度が10μmを超えるものはさほど多くは
ない。粒度が10μmを超える場合には、粒度調整コス
トがかさむほか、得られた複合化セラミックスを透明な
プラスチック等に添加して利用を図る場合には、透明度
が低下したり、フィルム形態では、薄膜化する上で障害
となる場合があるなど好ましくない。なお、粘土鉱物の
粒度の下限は特に制限されるものではないが、1μm未
満の場合には、微粉化に要するコストがかかり、また取
り扱い時に粉塵が発生しやすいなど好ましくない。
【0058】上記層構造を有する粘土鉱物の含有量は、
機能性複合セラミックスの総重量を基準として1〜99
重量%、好ましくは10〜90重量%である。粘土鉱物
の含有量が10重量%未満の場合でも、機能性複合セラ
ミックスの性能上、特に問題はない(すなわち、相対的
に焼成ドロマイトの比率が高まるため性能上の問題はな
い)が、機能性複合セラミックスを用いた複合材料の特
性によってpHの調節が必要な場合に粘土鉱物の比率が
少なく、充分なpHの調節ができ難くなり、性能の劣化
を招く場合がある。一方、粘土鉱物の含有量が90重量
%を超える場合には、機能性複合セラミックスに抗菌
性、脱臭性、ホルムアルデヒドの分解・吸着能、ダイオ
キシン類の発生抑制能を発現させることはできるもの
の、その発現レベルが相対的に低く所望のレベルを達成
することができない場合があるため好ましくない。
【0059】上記層構造を有する粘土鉱物の特性は、以
下の表3に示すとおりであり、極めて高い放射率を有す
ることが判る。ここでは活性白土を用いた。
【0060】
【表3】
【0061】上記表3中の放射率、pHおよび表面積
は、上記表1に示す測定方法と同様にして行った。
【0062】上記焼成ドロマイトと上記層構造を有する
粘土鉱物との組成比率(重量比)は、特に制限されるも
のではなく、下記に表4に示すように所定の比率をとる
ことができる。よって、焼成ドロマイトと層構造を有す
る粘土鉱物との組成比率(重量比)は、通常、1:0.
01〜100、好ましくは1:0.1〜10のように極
めて広い範囲とすることができる。すなわち、あらゆる
組成比率で両者を組み合わせることができるものであ
り、基本的には、複合材料の特性に応じて、酸性(pH
2.5)からアルカリ性(pH12.5)までの範囲
で、所望のpHを有する複合セラミックスを製造するこ
とができる。したがって、これを用いてなる複合材料で
は、酸ないしアルカリによる性能および品質を害するよ
うな劣化や黄変等を招くような問題もなく、極めて良好
な性能及び品質(上記に示す諸特性を含む)を呈するこ
とができるものである。
【0063】
【表4】
【0064】上記表4中、焼成ドロマイトは、焼成温度
900〜1200℃で焼成したpH12.5の焼成ドロ
マイトを用いた。また、層構造を有する粘土鉱物として
は、上記表4に示すように、活性白土(pH2.5〜
3.0のもの)を用いた。またpHは、上記表1に示す
測定方法と同様にして求めた。
【0065】また、本発明の機能性複合セラミックスに
は、上記焼成ドロマイトと層構造を有する粘土鉱物以外
にも、必要に応じて、他の成分を含んでいても良いこと
は言うまでもいなく、例えば、MgO、SiO2 、Zn
O、TiO2 、角門石、蛇紋石等の鉱物や金属類などが
含有されていても良い。これらの成分は、通常、pHが
8.0〜9.0であり、高い放射率、忌避率、防かび
性、脱臭性、抗菌性を有することが知られているもので
ある。
【0066】なお、本発明の機能性複合セラミックスの
形態としては、上記に規定する大きさの粉末状の他に
も、使用目的に応じて、製造時に適当な結合剤(例え
ば、シリカおよび/またはアルミナを主成分とする粘土
鉱物等)や揮散成分(例えば、ナフタリン、アントラセ
ン、アントラキノン等の芳香族化合物など)等を添加し
て、所望の形態(例えば、数mm〜数十mm程度の大き
さの粒状物や多孔質体であってもよい)にすることもで
きる。
【0067】上記したように本発明の機能性複合セラミ
ックスでは、上記に記載のほか、下記実施例の表5〜8
に示すように、優れた放射率、抗菌性、脱臭性を有し、
またホルムアルデヒドの分解・吸着能を有し、かつ焼却
する際にダイオキシン類の発生を抑制することができ、
さらに複合材料の特性(製造段階を含む。以下同様)に
応じて所望のpHに調整し得るため、抗菌剤、脱臭剤、
ホルムアルデヒドの分解・吸着剤、ダイオキシン類の発
生抑制剤等として、そのまま使用することができるの
か、後述するように他の成分(樹脂や紙・パルプ)に上
記諸特性を有し、かつpH調節機能を有する添加剤とし
て使用することもできる。
【0068】なお、本発明の機能性複合セラミックスの
構成成分ごとの含有量を上記に示したが、これら構成成
分の和は、如何なる組み合わせであれ、100重量%に
ならなければならないことはいうまでもない。
【0069】次に、本発明の機能性複合セラミックスの
製造方法としては、層構造を有する粘土鉱物と焼成ドロ
マイトとを含むセラミックスの原料を乾式混合するもの
である。本発明の製造方法では、安価に安定して大量に
入手できる原料も用いて、簡便な手法により製造するこ
とにより、機能性に優れた複合セラミックスを製造する
ことができる。
【0070】上記製造方法において、原料の焼成ドロマ
イトは、機能性複合セラミックス中に含まれる焼成ドロ
マイト成分と同じものを使用すればよく、具体的には、
ドロマイトを900〜1200℃、より好ましくは10
00〜1100℃の範囲で焼成し、乾式粉砕し、さらに
ふるい分けを行って粒度10μm以下、好ましくは1〜
5μm、より好ましくは1〜3μmに調整されてなるも
のであることが望ましい。
【0071】また、焼成ドロマイトの配合量も、機能性
複合セラミックス中に含まれる焼成ドロマイト成分と同
じ分量を使用すればよく、具体的には、原料の総重量を
基準として1〜99重量%、より好ましくは10〜90
重量%であることが望ましい。
【0072】また上記製造方法において、原料の層構造
を有する粘土鉱物も、機能性複合セラミックス中に含ま
れる粘土鉱物成分と同じものを使用すればよく、具体的
には、ハロサイドおよび/またはモンモリロナイトを主
成分とする酸性白土、好ましくは該酸性白土を酸処理加
工してなる活性白土を粒度10μm以下、好ましくは1
〜5μm、より好ましくは1〜3μmに調整されてなる
ものであることが望ましい。また、ここでいう酸性白土
の酸処理方法としては、特に制限されるものではなく、
従来公知の酸性白土の酸処理方法を適宜利用することが
できるものである。通常、酸性白土を20〜40%硫酸
で80〜90℃で1〜5時間加熱し、よく水洗した後乾
燥してつくることができる。
【0073】また、層構造を有する粘土鉱物の配合量
も、機能性複合セラミックス中に含まれる層構造を有す
る粘土鉱物成分と同じ分量を使用すればよく、具体的に
は、原料の総重量を基準として1〜99重量%、より好
ましくは10〜90重量%であることが望ましい。
【0074】また、焼成ドロマイトと層構造を有する粘
土鉱物との配合比率(重量比)も、機能性複合セラミッ
クス中に含まれる両者の配合比率(重量比)と同じであ
ればよく、具体的には、1:0.01〜100、好まし
くは1:0.1〜10である。
【0075】さらに、上記製造方法において、原料に
は、上記焼成ドロマイトおよび層構造を有する粘土鉱物
以外にも、機能性複合セラミックス中に含まれる成分を
配合することができるものであり、ここでは省略する。
なお、本発明の機能性複合セラミックスの製造方法にお
いて、原料ごとの配合量を上記に示したが、これら原料
の和は、如何なる組み合わせであれ、100重量%にな
らなければならないことはいうまでもない。
【0076】なお、本発明の機能性複合セラミックスの
製造方法としては、上記製造方法に制限されるものでは
なく、使用目的に応じて、これら粉末状の機能性複合セ
ラミックスに適当な結合材や揮散成分等を添加して、各
種形態(例えば、数mm〜数十mm程度の大きさの粒状
物や多孔体であってもよい)に成形加工してもよい。
【0077】次に、本発明の複合材料は、上記機能性複
合セラミックスを含有してなることを特徴とするもので
ある。これにより、抗菌性、脱臭性に優れ、ホルムアル
デヒドの分解・吸着能を有し、かつ焼却する際にダイオ
キシン類の発生を抑制することができ、さらに複合材料
の特性(製造段階を含む。以下同様)に応じて所望のp
Hに調整することができるものである。
【0078】本発明の複合材料において、機能性複合セ
ラミックスの添加量は、複合材料の形態や使用用途に応
じて変わることから一義的に規定することはできず、む
しろ形態や用途に適した添加量を事前に小規模なサンプ
ル等の試作するなどして最適な範囲を決定するのが望ま
しい。複合材料の総重量を基準として1〜99重量%、
好ましくは10〜90重量%である。機能性複合セラミ
ックスの添加量が10重量%未満の場合には、機能性複
合セラミックスの持つ優れた諸機能を十分に発現するこ
とが困難となる場合があるため好ましくない。また、機
能性複合セラミックスの添加量が90重量%を超える場
合には、機能性複合セラミックスの持つ優れた諸機能を
十分に発現することができるが、複合材料の形態によっ
ては、透明性が低下したり、薄膜化や機械特性が低下す
ることが生ずるため、使用用途によっては十分に留意す
る必要がある。
【0079】また、本発明の複合材料の母材原料として
は、特に制限されるものではなく、あらゆる種類の樹
脂、ゴム、紙・パルプ等の高分子化合物、好ましくは可
燃性の高分子化合物を母材原料である。さらにアルミニ
ウム等の金属材料、ガラスなどの無機材料などの不燃性
の母材原料(基材)や木材等と組み合わせることもでき
る。すなわち、本発明の複合材料としては、該母材原料
に機能性複合セラミックスおよび他の添加剤(副資材)
を配合し成形加工して得られるプラスチック、ゴム、紙
などの一次加工品やこれらの二次加工品があり、こうし
た複合材料において、本発明の作用効果を十分に発揮す
ることができるものである。
【0080】特に、汎用性のある樹脂を母材原料とする
プラスチックの成形加工品(複合材料)が幅広い分野に
適用でき、またあらゆる形態に成形加工できる利点を有
する。
【0081】こうした母材原料としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−p−
キシリレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリ
メタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、
ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド
(ナイロン類)、ジエン系プラスチック、ポリウレタン
系プラスチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポ
リフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型
ポリマーなど)等の熱可塑性樹脂(熱可塑性プラスチッ
ク)、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルム
アルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシア
ヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹
脂、トリアジン系樹脂等の熱硬化性樹脂(熱硬化性プラ
スチック)、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プ
ラスチック、タンパク質系プラスチック、デンプンから
のプラスチック等の天然プラスチック、パルプ、天然ゴ
ム、合成ゴム等が挙げられ、例としては、ポリテトラク
ロロエチレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、
ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、水素添加
ポリブタジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/1
5、75/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポ
リブタジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチレル
ヘキシルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリ
レート、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポ
リサルファイド(チオコールゴム)、ポリスチレンジビ
ニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ネオプレ
ン、ポリブタジエン/アクリロニトリル(75/2
5)、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレー
ト、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリビニルクロ
ルアセテート、ポリエチレングリコールテレフタレート
(テトロン)、セルロースジアセテート、セルロースジ
ニトレート、ポリメチレノキサイド(デルリン)、ポリ
ビニルデンクロライド(サラン)、ポリメタアクリロニ
トリル、ポリアクリロニトリル等が例示できる。特に、
フィルムおよびシート材料に適するものとしては、例え
ば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(AB
S);アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体
(ゴム変成品);セロハン(再生セルロース);エチル
セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プ
ロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロー
ス類;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(E
TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−ト
リフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル
(PVF)等のフッ素系プラスチック;アイオノマー;
ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナ
イロン−12等のポリアミド;ポリブチレン;ポリカー
ボネート;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト);低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエ
チレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDP
E)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの
ポリエチレン;酢酸ビニル、アクリル酸メチルなどのエ
チレン共重合体;ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル
(PMMA);ポリプロピレン(押出成形品、二軸延伸
品など);ポリスチレン(配向グレード、発泡体な
ど);ポリスチレン、ポリエーテルスルホンなどのスル
ホン系ポリマー;ポリウレタネラストマー;ポリビニル
アルコール;ポリ塩化ビニル(非可塑化グレード、可塑
化グレードなど);塩化ビニル−アセテート共重合体
(非可塑化グレード、可塑化グレードなど)等が例示で
きる。特にフィルム材料では、好ましくは非吸水性樹脂
であることが望ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン(ポリアミド)系樹
脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂等が例示できる。さらに、吸水性である不織布
およびアルミ箔などに母材原料を張り合わせることによ
って、よれぞれの素材の特性(吸水性、耐水・耐油性、
熱・光反射性、ガスバリヤー性など)をさらに生かすこ
とができるので、多くの分野で用いることができる。
【0082】また、本発明の複合材料には、必要に応じ
て、従来既知の各種添加剤、例えば、発泡剤、滑剤、着
色剤、顔料、熱安定剤、紫外線安定剤(紫外線吸収
剤)、酸化防止剤(抗酸化剤)、可塑剤、硬化剤、触
媒、充填剤、補強材、増量剤、帯電防止剤、難燃剤、抗
菌・防カビ剤等がそれぞれの性能(機能)が十分に発現
し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。
【0083】本発明の複合材料の形態としては、なんら
制限されるものではなく、塗装品、棒、管、フォーム、
板(シート)、成形品、フィルム等あらゆる形態を取り
得るものであり、異種原料が多層(ラミネート)に形成
されているものであってもよく、この場合には、少なく
ともいずれか1層に機能性複合セラミックスが含有され
ていればよいが、好ましくは、抗菌性が求められる層、
例えば、抗菌性が強く求められる腐敗しやすい生鮮食品
を入れる包装材料に適用する場合には、生鮮食品を入れ
る内側の表層部に機能性複合セラミックスが含有されて
いることが抗菌性能を高める上で特に有用であり、ま
た、焼却時に本発明の複合材料に由来するダイオキシン
類が発生する危険性の強い層、例えば、ダイオキシン類
の生成に不可欠な塩素含有芳香族樹脂を母材原料として
成形加工されている層にも焼成ドロマイトが含有されて
いることが、焼却時にダイオキシン類の発生を抑制し得
る上で特に有用である。さらに、いかなる使用態様にお
いても、抗菌性を発現できるし、また、ダイオキシン類
の発生メカニズムは十分に解明されておらず、他の一般
廃棄物と一緒に焼却された場合に、塩素含有芳香族樹脂
を持たなくともダイオキシン類の発生に関与し得ること
もあり得るため、如何なる環境下で焼却処理されようと
ダイオキシン類の発生を抑制できるべく、全ての層に機
能性複合セラミックスが含有されていることがより好ま
しいといえる。
【0084】本発明の機能性複合セラミックスを含有し
てなる複合材料も、機能性複合セラミックスの持つ諸性
能を発現することができることから、優れた放射率、抗
菌性、脱臭性を有し、またホルムアルデヒドの分解・吸
着能を有し、かつ焼却する際にダイオキシン類の発生を
抑制することができ、さらに複合材料の特性(製造段階
を含む。以下同様)に応じて所望のpHに調整し得るた
め、これら抗菌性、脱臭性、ホルムアルデヒドの分解・
吸着性、ダイオキシン類の発生抑制性などが各種用途に
要求される各種複合材料、例えば、プラスチック、紙・
パルプ、繊維、木材などの材料やその添加剤、さらには
これらを適当に組み合わせるなどして製造加工される各
種複合材料、例えば、天然ないし合成繊維およびこれを
用いてなる衣類等の繊維加工品;生鮮食品や惣菜や弁当
等を入れるパックやトレーなどの容器類;お菓子等の食
品や飲料品用の包装材料や、天井や壁などの建築用の内
装材や装飾材として使われるプラスチック、不織布、紙
・パルプ、さらにはこれらに蒸着されるアルミニウムな
どで構成される単層または多層構造のフィルム、シート
ないし成形加工品;合板や木質ボード等の木材加工材;
各種塗料、各種皮革加工品などに幅広く使用することが
できる。
【0085】次に、本発明の機能性複合セラミックスを
含有してなる複合材料の成形加工法としては、特に制限
されるものではなく、従来既知のプラスチック、ゴム、
紙などの製造技術を適用する事ができるものであり、上
記に例示したような母材原料の樹脂やパルプなどに、機
能性複合セラミックス、さらには上記に説明した各種添
加剤を必要に応じて配合してなる配合材料を用いて成形
加工するものである。かかる配合操作は、目的とする複
合材料の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、
(1)母材原料、機能性複合セラミックス及び他の添加
剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適
当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて含浸、
乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは2以上
の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレグ、樹
脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットなど形態
の配合材料を形成しても良いし、(2)母材原料、機能
性複合セラミックス及び他の添加剤(副資材)を適量づ
つ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて固
(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じて粉砕または
造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形態の配合材料
を形成しても良い。また、その後の、成形・加工方法
も、目的とする複合材料の形態に応じて適宜選択される
べきものであり、各種配合材料に適した成形加工法、例
えば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペ
ースト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、
ペレット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、
シート;配合材料である混練物を、さらにカレンダ加工
または押出成形して得られる配合材料の形態の1つ)、
粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリミックス、粉末、ペ
レット)、トランスファ成形(粉末、ペレット)、射出
成形(ペレット)、カレンダ加工(混練物)、押出成形
(さらにブロー成形することもある)(混練物)、真空
成形(シート)を利用すれば良い。さらに、こうした成
形品は、適当な処理によって加工できる。例えば、印刷
適性の改良、放射線によるポリマーの架橋、真空蒸着を
用いた成形品表面への金属薄膜コーティング等を挙げる
ことができるなど、従来公知の様々な成形加工法を適用
することができる。また、これら樹脂加工品である容
器、フィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維、
塗料、木材加工品、皮革などに関しても、従来既知の製
造方法を適宜利用して製造することができる。
【0086】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0087】実施例1 上記表4に示す層構造を有する粘土鉱物と焼成ドロマイ
トとからなるセラミックスの原料を乾式混合すること複
合セラミックスA、B、Cを作製した。
【0088】ここで、焼成ドロマイトは、ドロマイトを
900〜1200℃の範囲で焼成し、乾式粉砕し、さら
にふるい分けを行って粒度10μm以下に調整されてな
るpH12.5の焼成ドロマイトを用いた。また、層構
造を有する粘土鉱物としては、上記表4に示すように、
ハロサイドおよび/またはモンモリロナイトを主成分と
する酸性白土を酸処理加工してなる(20〜40%硫酸
で80〜90℃で1〜5時間加熱し、よく水洗した後乾
燥してなる)粒度10μm以下でpH2.5〜3.0の
活性白土を用いた。
【0089】得られた複合セラミックスA、B、Cの特
性を下記表5〜8に示す。
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】上記表5〜7中の放射率、pH、表面積、
HCl分解率、脱臭率、抗菌率は、上記表1の測定方法
と同様にして行った。
【0095】上記表8中のHCHO(ホルムアルデヒ
ド)分解率は、株式会社島津製作所製ホルムアルデヒド
測定装置により測定した。
【0096】また、上記機能性複合セラミックスA、
B、Cのうち、複合木質ボードおよび複合壁紙に最適な
pHを有する複合セラミックスBを用いて、所定の比率
(木質ボードおよび壁紙の全重量を基準として3〜5重
量%)で木質ボードおよび壁紙に含浸ないし添加するこ
とで、複合木質ボードおよび複合壁紙を作製し、実際に
ホルムアルデヒドを含有する接着剤により室内に施工し
た。
【0097】施工後の複合木質ボードおよび複合壁紙に
つき、HCHO(ホルムアルデヒド)の気中発生濃度を
測定した。また、得られた複合木質ボードおよび複合壁
紙の抗菌特性につき測定を行った。測定結果を下記表9
および11に示す。なお、室内環境におけるホルムアル
デヒドの許容範囲を下記表10に示す。日本の基準は、
JIS、JASに規定してある値を示した。
【0098】
【表9】
【0099】
【表10】
【0100】
【表11】
【0101】上記表9及び10中のHCHO(ホルムア
ルデヒド)の気中発生濃度および上記基準値は、空気中
のホルムアルデヒドをONPH(ジニトロクエニルヒド
ラジン)を誘導体として捕集し定性定量分析はHPLC
(高速液体クロマトグラフィー)により測定した。
【0102】上記表11中の放射率、pH,HCl分解
率および脱臭率は、上記表1の測定方法と同様にして行
った。また、抗菌率は、一定の形状を有する加工品であ
ることから、大腸菌および緑膿菌のいずれも下記に示す
加圧法により測定した。
【0103】加圧法;一定の形状の加工製品(複合壁紙
等)に好適に適用し得る抗菌力評価方法であって、所定
の大きさ(例えば、25×25mm)のサンプルである
複合壁紙に、1%ペプトン水溶液に供試菌を懸濁したも
のを適量(例えば、0.050ml)塗布する(サンプ
ル1枚当たり各表に示す初発菌数を接種)。次に、殺菌
したポリエチレンフィルム(30×30mm)を密着さ
せ適当な温度(例えば、30℃)と湿度(加湿状態)を
保ち24時間後、適量のSCDLP培地(例えば、10
ml)で菌液を洗い出し適宜希釈を行い平板混釈法(S
CDLP寒天培地 培養32℃6時間)により生菌数を
測定するものである。
【0104】また、上記により得られた複合木質ボード
および複合壁紙をまとめて焼却処理し、この際の排ガス
および焼却灰中に含まれるダイオキシン類の濃度を測定
した。結果を下記表12に示す。
【0105】
【表12】
【0106】上記表12中のダイオキシン類の濃度(毒
性等価濃度)は、一般的な汎用の小・中型ゴミ焼却炉
(用瀬電機株式会社製)を用いて行った。詳しくは、複
合木質ボードおよび複合壁紙の廃棄物100重量部(1
00kg)を該焼却炉に投入し、炉内温度650℃で焼
却処理を行い、燃焼開始時から適当な間隔毎に排気ガス
を収集して、排ガス中のダイオキシン類(PCDDs、
PCDFs及びこれらの合計)の濃度(毒性等価濃度)
を測定したものである。また、上記被焼却物を完全に焼
却した後に、炉内の焼却灰についても、ダイオキシン類
(PCDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度
(毒性等価濃度)を測定したものである。これら排ガス
および灰(焼却灰)中のダイオキシン類の濃度(毒性等
価濃度)は、財団法人鳥取県保険事業団にそれぞれのサ
ンプルガス及び灰分を採取したものを持ち込み、排気ガ
スおよび灰中のダイオキシン類の濃度(毒性等価濃度)
に関しては、財団法人広島県環境保険協会にて分析した
結果である。
【0107】
【発明の効果】本発明の機能性複合セラミックスおよび
その製造方法、並びにこれを用いてなる複合材料は、抗
菌性、脱臭性に優れ、ホルムアルデヒドの分解・吸着能
を有し、かつ焼却する際にダイオキシン類の発生を抑制
することができ、さらに複合材料の特性(製造段階を含
む。以下同様)に応じて所望のpHに調整し得るため、
機能性複合セラミックスを含有する母材原料を用いて生
鮮食料品の容器、袋に成形加工したり、魚介類等のバッ
ク商品内に入れるドリップシート等に成形加工して使用
し、短時間に抗菌作用効果が得られ、長持間鮮度維持で
きる複合材料、特に複合フィルムおよびシートの形態の
ものが極めて簡単かつ安価に得ることができるものであ
る。そのため、O−157のような大腸菌の変異体等の
細菌類に対して十分な抗菌性を発現できる。また、焼却
によりダイオキシン類の発生を効果的に抑制できる。ま
た、複合セラミックスを使用して複合材料(例えば、繊
維、容器、フィルム、シート、塗料、木材など)を製造
加工するとき、複合材料の特性によって、複合セラミッ
クスのpHが問題となることが多く、かかるpHを調整
できなければ複合材料の特性を阻害することがあるが、
本発明の機能性複合セラミックスでは、最適なpH値を
有するものを提供することができるものである。これに
より複合材料の特性(物性や劣化や変色など)を害する
ことなく所期の複合材料を製造加工することができる。
例えば、pHの調節が重要となる壁紙や木質ボードなど
の多くの複合材料に幅広く適用できる。また、現在問題
となっているホルムアルデヒドなど人体に有害な物質に
対しても有効に作用硬化を有しているため、接着剤や複
合材料自身にホルムアルデヒドを用いてあっても、機能
性複合セラミックスに充分な吸着・分解能を有するた
め、これを所定の比率で含有するように含浸ないし添加
等することにより、得られる複合材料からの気中発生濃
度をWHOや国内基準(JISやJAS)で定める「室
内環境におけるホルムアルデヒドの許容範囲」になるよ
うにすることができる。さらにダイオキシン類の分解に
必要な高温(800℃以上)での焼却を行わなくとも十
分低温でダイオキシン類の発生を極めて効果的に抑制で
きる。したがって、一般廃棄物と一緒に廃棄されても本
発明の複合セラミックスを含有する複合材料に由来する
(起因する)ダイオキシン類の発生を抑制でき、さら
に、本発明の複合材料の含有量によっては、焼却物全体
からダイオキシン類の発生を抑制できるため、現有の焼
却炉の改良なく焼却処理してもダイオキシン類を格段に
低減できるとする利点を有する。特に、製造物責任の観
点から、一般廃棄物として焼却した場合にダイオキシン
類を発生するため、回収が望まれる(さらには回収義務
が求められる)ような製品に利用することで、回収後に
効率よく焼却処理することができ、有用であるといえ
る。
【0108】また、機能性複合セラミックスおよびこれ
を用いた複合材料の製造方法に関しても、従来のセラミ
ックスや、プラスチック・紙等の製造技術を適用するこ
とができるものであり、焼成ドロマイトや層構造を有す
る粘土鉱物の混合操作も既存の製造技術を利用して、極
めて高付加価値な複合セラミックスを製造する事がで
き、さらに得られた機能性複合セラミックスも、その添
加、混合操作も、他の添加剤(配合剤)などの副資材を
母材原料に添加する際に合わせて加えれば良く、既存の
製造技術を利用して、極めて高付加価値の複合材料を製
造する事ができるとする利点を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA011 BB031 BB121 DJ006 DJ036 DM006

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層構造を有する粘土鉱物および焼成ドロ
    マイトを含有することを特徴とする機能性複合セラミッ
    クス。
  2. 【請求項2】 前記焼成ドロマイトが、900〜120
    0℃の範囲で焼成されてなるものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の機能性複合セラミックス。
  3. 【請求項3】 前記焼成ドロマイトの粒度が、10μm
    以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    機能性複合セラミックス。
  4. 【請求項4】 前記焼成ドロマイトの含有量が、機能性
    複合セラミックスの総重量を基準として10〜90重量
    %であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の機能性複合セラミックス。
  5. 【請求項5】 前記層構造を有する粘土鉱物の粒度が、
    10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の機能性複合セラミックス。
  6. 【請求項6】 前記層構造を有する粘土鉱物が、活性白
    土であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の機能性複合セラミックス。
  7. 【請求項7】 前記層構造を有する粘土鉱物の含有量
    が、機能性複合セラミックスの総重量を基準として10
    〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の機能性複合セラミックス。
  8. 【請求項8】 前記焼成ドロマイトと前記層構造を有す
    る粘土鉱物との組成比率(重量比)が1:0.1〜10
    の範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の機能性複合セラミックス。
  9. 【請求項9】 層構造を有する粘土鉱物と焼成ドロマイ
    トとを含むセラミックスの原料を乾式混合することを特
    徴とする機能性複合セラミックスの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記焼成ドロマイトが、ドロマイトを
    900〜1200℃の範囲で焼成し、乾式粉砕し、さら
    にふるい分けを行って粒度10μm以下に調整されてな
    るものであることを特徴とする請求項9に記載の機能性
    複合セラミックスの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記焼成ドロマイトの配合量が、原料
    の総重量を基準として10〜90重量%であることを特
    徴とする請求項9または10に記載の機能性複合セラミ
    ックスの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記層構造を有する粘土鉱物が、ハロ
    サイドおよび/またはモンモリロナイトを主成分とする
    酸性白土を酸処理加工してなる粒度10μm以下の活性
    白土であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか
    1項に記載の機能性複合セラミックスの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記層構造を有する粘土鉱物の配合量
    が、原料の総重量を基準として10〜90重量%である
    ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の機能性複合セラミックスの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記焼成ドロマイトと前記層構造を有
    する粘土鉱物との配合比率(重量比)が1:0.1〜1
    0であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1
    項に記載の機能性複合セラミックスの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    機能性複合セラミックスを含有してなる複合材料。
  16. 【請求項16】 前記機能性複合セラミックスの添加量
    が、複合材料の総重量を基準として10〜90重量%で
    あることを特徴とする請求項15に記載の複合材料。
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