JP2000323191A - 光電変換素子および光電気化学電池ならびに金属錯体色素 - Google Patents

光電変換素子および光電気化学電池ならびに金属錯体色素

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JP2000323191A JP11135025A JP13502599A JP2000323191A JP 2000323191 A JP2000323191 A JP 2000323191A JP 11135025 A JP11135025 A JP 11135025A JP 13502599 A JP13502599 A JP 13502599A JP 2000323191 A JP2000323191 A JP 2000323191A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光〜赤外域にわたる広い波長域において
良好な光吸収能を有する金属錯体色素、およびそれを吸
着した半導体微粒子を含む光電変換素子ならびに光電気
化学電池を提供する。 【解決手段】 一般式:(LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)
m3(LL2)m4・CI(ただし、M1およびM2はそれぞれ金属原
子を表し、BLは金属原子に窒素で2座配位できる部位を
2個以上有する配位子を表し、X1およびX2はそれぞれ独
立にアシルオキシ基、アシルチオ基等で配位する1座ま
たは2座の配位子を表し、LL1およびLL2はそれぞれ独立
5または6員環を完成するのに必要な非金属原子を有す
る2座配位子を表し、m1およびm4はそれぞれ独立に0ま
たは1であり、m2およびm3はそれぞれ独立に1〜4の整
数を表し、m2またはm3が2以上のとき、X1またはX2はそ
れぞれ同じでも異なっていてもよく、またX1同士または
X2同士が連結していてもよく、CIは電荷を中和させるの
に対イオンが必要な場合の対イオンを表す。)により表
される金属錯体色素により増感された半導体微粒子を含
む光電変換素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は長波長域にも高い光
吸収能を有する金属錯体色素、かかる金属錯体色素によ
り増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子、なら
びにそれからなる光電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電に使用する太陽電池として単
結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコ
ン、またはテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅
等の化合物からなる太陽電池が実用化もしくは主な研究
開発の対象となっているが、家庭用電源等に広く普及さ
せる上では、製造コストが高いこと、原材料の確保が困
難であること、エネルギーペイバックタイムが長いこと
等の問題点があり、これらを克服する必要がある。一
方、大面積化や低価格化を目的として、有機材料を用い
た太陽電池も多く提案されてきたが、一般に変換効率が
低く、耐久性も悪いという問題があった。
【0003】このような状況下で、「Nature」,第353
巻,第737〜740頁,1991年、および米国特許4927721
号、WO 94/04497号等に、ルテニウム錯体色素により分
光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする
湿式光電変換素子および太陽電池、ならびにこれを作製
するための材料および製造技術が提案された。この湿式
光電変換素子の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸
化物半導体を高純度に精製することなく用いることがで
きるため、安価な光電変換素子を提供できる点であり、
第二の利点は用いる色素の吸収がブロードなため、可視
光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できること
である。
【0004】しかしながら公知のルテニウム錯体色素は
可視光を吸収するものの、700nmより長波長の赤外光は
ほとんど吸収しないため、赤外域での光電変換能が低い
という問題がある。したがってさらに変換効率を上げる
ためには、可視光〜赤外域にわたる広い波長領域で吸収
能を有し、高い光電変換能を示す色素の開発が望まれて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可視
光域のみならず赤外域にも高い光吸収能を有し、かつ半
導体微粒子を効率良く増感し得る長波長域対応の金属錯
体色素、およびかかる金属錯体色素を用いることにより
高い光電変換効率を有する光電変換素子ならびにそれか
らなる光電気化学電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、金属原子に対して窒素で2座配位できる部位を
2個以上有する配位子と、必要に応じて5または6員環
を完成するのに必要な非金属原子を有する2座配位子と
が配位結合してなる金属錯体色素に、さらにアシルオキ
シ基、アシルチオ基等で配位する1座または2座の配位
子を配位させることにより、長波長域でも優れた光吸収
能を有する金属錯体色素が得られること、およびかかる
金属錯体色素により増感した半導体微粒子は光電変換素
子として好適な高い光電変換効率を示し、良好な光電気
化学電池となることを発見し、本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の光電変換素子は、下記
一般式(I) : (LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(I) (ただし、M1およびM2はそれぞれ金属原子を表し、 BLは前記金属原子に対して窒素で2座配位できる部位を
2個以上有する配位子を表し、 X1およびX2はそれぞれ独立にアシルオキシ基、オキザリ
レン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシ
ルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート
基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチ
オカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル
基、カルボニル基、チオシアネート基、イソチオシアネ
ート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原
子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
コキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれ
た基で配位する1座または2座の配位子、あるいはジア
ルキルケトンまたはカルボンアミドからなる1座または
2座の配位子を表し、 LL1およびLL2はそれぞれ独立に下記一般式(II):
【化9】 (ただし、ZaおよびZbはそれぞれ独立に5または6員環
を完成するのに必要な非金属原子群を表す。)により表
される2座配位子を表し、 m1およびm4はそれぞれ独立に0または1であり、 m2およびm3はそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、m2ま
たはm3が2以上のとき、X1またはX2はそれぞれ同じでも
異なっていてもよく、またX1同士またはX2同士が連結し
ていてもよく、 CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イ
オンを表す。)により表される金属錯体色素により増感
された半導体微粒子を含むことを特徴とする。
【0008】また本発明の光電気化学電池は、上記光電
変換素子を用いることを特徴とする。
【0009】本発明はまた下記条件を満たすことによ
り、長波長域において一層優れた光吸収能を有する金属
錯体色素により増感した半導体微粒子を含む光電変換素
子および光電気化学電池が得られる。
【0010】(1) 一般式(II)により表されるLL1およびL
L2において、ZaまたはZbにより形成される環はピリジン
環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピラゾ
ール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール
環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾト
リアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチア
ゾール環からなる群から選ばれた少なくとも一種である
のが好ましい。
【0011】(2) 一般式(I) により表される金属錯体色
素において、配位子BLは下記一般式(III-1)〜(III-3):
【化10】 (ただし、Zc、Zd、Ze、Zfはそれぞれ独立に5または6
員環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、n1は0
または1を表す。)により表されるものが好ましい。
【0012】(3) 配位子BL中でZeまたはZfにより形成さ
れる環はピラジン環であるのが好ましい。
【0013】(4) 一般式(I) により表される金属錯体色
素において、配位子BLとしては、下記一般式B-1〜B-1
0:
【化11】 R21〜R30はそれぞれ独立に置換基を表し、B-1〜B-10の
どの環の炭素原子上に置換していてもよい。e, f,
g、h、j、kおよびqはそれそれ独立に0〜8の整数
を、pおよびrはそれぞれ独立に0〜6の整数を、sは
0〜4の整数を表す。)のいずれかにより表されるもの
が好ましい。
【0014】(5) 一般式B-1〜B-10により表される配位
子BLにおいて、R21〜R30はそれぞれ独立にアルキル基、
アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、ホスホリル基、ホスホニル基また
はハロゲン原子を表すのが好ましい。
【0015】(6) 一般式(I) の金属錯体色素中の配位子
BLはB-1〜B-4のいずれかにより表されるのが好ましい。
【0016】(7) 一般式(I) の金属錯体色素中の配位子
LL1またはLL2は、それぞれ独立に一般式(IV-1)または
(IV-2):
【化12】 (ただし、R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立に置換基
を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素、アルキル基
またはアリール基を表し、aおよびbはそれぞれ独立に
0〜4の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に0〜
2の整数を表し、R1とR2、R3とR4、R3とR5およびR4とR6
はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよい。)
により表されるのが好ましい。
【0017】(8) 一般式(IV-1)または(IV-2)中のR1、R
2、R5およびR6は、それぞれ独立にアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、
スルホン酸基、ホスホリル基、ホスホニル基またはハロ
ゲン原子であるのが好ましい。
【0018】(9)一般式(I) において、X1およびX2は、
それぞれ独立にジチオカルバメート基、アシルアミノオ
キシ基、アシルオキシ基、オキザリレン基、イソシアネ
ート基、シアネート基、イソチオシアネート基、チオシ
アネート基、アルキルチオ基またはアリールチオ基であ
るのが好ましい。
【0019】(10)一般式(I) により表される金属錯体色
素は少なくとも1つの酸性基を有するのが好ましい。
【0020】(11)一般式(I) 中のM1およびM2は、それぞ
れ独立にRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、C
o、Ir、Rh、Re、MnまたはZnであるのが好ましい。
【0021】(12)一般式(I) 中のM1およびM2は、それぞ
れ独立にRu、Fe、OsまたはCuであるのが好ましい。
【0022】(13)一般式(I) 中のM1およびM2はRuである
のが好ましい。
【0023】(14)半導体微粒子は酸化チタン微粒子であ
るのが好ましい。
【0024】また本発明の金属錯体色素は、下記一般式
(I) : (LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(I) (ただし、M1およびM2はそれぞれ4または6配位可能な
金属原子を表し、BLは下記一般式B-1〜B-10:
【化13】 (ただし、R21〜R30はそれぞれ独立に置換基を表し、B-
1〜B-10のどの環の炭素原子に結合していてもよく、
e,f,g,h,j,kおよびqはそれそれ独立に0〜
8の整数を表し、pおよびrはそれぞれ独立に0〜6の
整数を表し、sは0〜4の整数を表す。)のいずれかに
より表され、X1およびX2はそれぞれ独立にアシルオキシ
基、オキザリレン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ
基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカ
ルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネー
ト基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート
基、アシル基、カルボニル基、チオシアネート基、イソ
チオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、
ハロゲン原子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群
から選ばれた基で配位する1座または2座の配位子、あ
るいはジアルキルケトンまたはカルボンアミドからなる
1座または2座の配位子を表し、LL1およびLL2はそれぞ
れ独立に下記一般式(IV-1)または(IV-2):
【化14】 (ただし、R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立に置換基
を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素、アルキル基
またはアリール基を表し、aおよびbはそれぞれ独立に
0〜4の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に0〜
2の整数を表し、R1とR2、R3とR4、R3とR5およびR4とR6
はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよい。)
により表される2座配位子を表し、m1およびm4はそれぞ
れ独立に0または1であり、m2およびm3はそれぞれ独立
に1〜4の整数を表し、m2またはm3が2以上のとき、X1
またはX2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、また
X1同士またはX2同士が連結していてもよく、CIは電荷を
中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表
す。)により表されることを特徴とする。
【0025】本発明の好ましい実施例による金属錯体色
素においては、M1およびM2はそれぞれRuであり、X1およ
びX2はそれぞれ独立にジチオカルバメート基、アシルア
ミノオキシ基、アシルオキシ基、オキザリレン基、イソ
シアネート基、シアネート基、イソチオシアネート基、
チオシアネート基、アルキルチオ基およびアリールチオ
基からなる群から選ばれた基で配位する1座または2座
の配位子を表し、BLは下記一般式B-1〜B-4:
【化15】 (ただし、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立にア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル
基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホリル基、ホ
スホニル基またはハロゲン原子を表し、B-1〜B-4のどの
環の炭素原子に結合していてもよく、e, f,gおよび
hはそれぞれ独立に0〜8の整数を表す。)のいずれか
により表される配位子である。
【0026】
【発明の実施の形態】[1] 金属錯体色素 本発明の光電変換素子に使用する金属錯体色素は、下記
一般式(I) : (LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(I) により表される。以下各構成成分について詳述する。
【0027】(A) 金属原子M1、M2 M1およびM2はそれぞれ金属原子を表し、M1とM2は同じで
も異なっていてもよい。M1およびM2は、好ましくは4配
位または6配位が可能な金属であり、より好ましくはR
u、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、R
h、Re、MnまたはZnであり、特に好ましくはRu、Fe、Os
またはCuであり、最も好ましくはRuである。
【0028】(B) 配位子X1,X2 一般式(I) 中、X1およびX2は1座または2座の配位子を
表し、それぞれ独立にアシルオキシ基(好ましくは炭素
原子数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ等)、オキザリレン(-OC(O)C(O)O-)基、アシルチオ
基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばアセチルチ
オ、ベンゾイルチオ等)、チオアシルオキシ基(好まし
くは炭素原子数1〜20、例えばチオアセチルオキシ(CH
3C(S)O-)、チオベンゾイルオキシ等)、チオアシルチオ
基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばチオアセチル
チオ(CH3C(S)S-)、チオベンゾイルチオ(PhC(S)CS-)
等)、アシルアミノオキシ基(好ましくは炭素原子数1
〜20、例えばN-メチルベンゾイルアミノオキシ(PhC(O)
N(CH3)O-)、アセチルアミノオキシ(CH3C(O)NHO-)、p
-トルオイルアミノオキシ等)、チオカルバメート基
(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばN,N-ジエチルチ
オカルバメート、N,N-ジメチルチオカルバメート等)、
ジチオカルバメート基(好ましくは炭素原子数1〜20、
例えばN,N-ジベンジルジチオカルバメート((PhCH2)2N
C(S)S-)、N,N-ジメチルジチオカルバメート((CH3)2NC
(S)S-)等)、チオカルボネート基(好ましくは炭素原子
数1〜20、例えばエチルチオカルボネート、メチルチオ
カルボネート等)、ジチオカルボネート基(好ましくは
炭素原子数1〜20、例えばエチルジチオカルボネート
(C2H5OC(S)S-))、トリチオカルボネート基(好まし
くは炭素原子数1〜20、例えばエチルトリチオカルボネ
ート(C2H5SC(S)S-)等)、アシル基(好ましくは炭素
原子数1〜20、例えばアセチル、ベンゾイル等)、カル
ボニル基(-CO)、ジアルキルケトン(好ましくは炭素
原子数3〜20、例えばアセトン((CH3)2CO・・・)、CH3C
(O・・・)CH2C(O・・・)CH3等(・・・は配位結合を表す)、ア
セチルアセトン等)、カルボンアミド(好ましくは炭素
原子数1〜20、例えばCH3NHC(CH3)O・・・、・・・OC(NH2)-C
(NH2)O・・・等)、チオシアネート基、イソチオシアネー
ト基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原子
(好ましくは塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、アルキ
ルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えばメタン
チオ、エチレンジチオ、プロピレンジチオ等)、アリー
ルチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、例えばベンゼ
ンチオ、1,2-フェニレンジチオ等)、アルコキシ基(好
ましくは炭素原子数1〜20、例えばメトキシ等)、およ
びアリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、例
えばフェノキシ、1,2-フェニレンジオキシ等)からなる
群から選ばれた基で配位する配位子である。
【0029】一般式(I) において、配位子X1およびX2
数を表すm2、m3はそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、
好ましくは1または2である。m2またはm3が2以上のと
き、X1またはX2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい
し、またX1同士またはX2同士が連結してもよい。
【0030】m2およびm3がそれぞれ1のとき、X1または
X2はそれぞれ2座配位子であるのが好ましく、具体的に
はアシルオキシ基、オキザリレン基、アシルチオ基、チ
オアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオ
キシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、
チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオ
カルボネート基、アルキルチオ基またはアリールチオ基
で配位する配位子、あるいはジアルキルケトンまたはカ
ルボンアミドからなる配位子が好ましい。
【0031】またm2およびm3がそれぞれ2以上の場合、
X1あるいはX2は1座配位子であるのが好ましく、具体的
にはアシル基、カルボニル基、チオシアネート基、イソ
チオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、
ハロゲン原子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基で配位する
配位子、あるいはジアルキルケトンまたはカルボンアミ
ドからなる配位子が好ましい。このときX1およびX2は同
じでも異なってもよいが、同じであるのが好ましい。
【0032】X1およびX2の具体例を以下に示すが、本発
明はこれらに限定されるものではない。なおここに示す
構造式は幾つも取りうる共鳴構造のうちの1つの極限構
造にすぎず、共有結合(−で表す)と配位結合(・・・
で表す)の区別も形式的なもので、絶対的な区別を表す
ものではない。
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】(C) 2座配位子LL1,LL2 2座配位子LL1 およびLL2はそれぞれ独立に上記一般式
(II)により表される。LL1 およびLL2は同じでも異なっ
てもよいが、同じであるのが好ましい。一般式(II)中、
ZaおよびZbはそれぞれ独立に5または6員環を形成しう
る非金属原子群を表す。 ZaおよびZbは炭素、酸素、水
素、窒素、硫黄、リンおよびハロゲン原子からなる群か
ら選ばれた元素により構成されるのが好ましく、芳香族
環を形成するのが好ましい。
【0037】ZaおよびZbによりそれぞれ独立に形成され
る芳香族環としては、6員環の場合はピリジン環、ピリ
ミジン環、ピラジン環またはピリダジン環が好ましく、
また5員環の場合はピラゾール環、イミダゾール環、ト
リアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾ
イミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサ
ゾール環またはベンゾチアゾール環が好ましい。なかで
もピリジン環、イミダゾール環およびベンゾイミダゾー
ル環がより好ましい。
【0038】LL1およびLL2としては、それぞれ独立に下
記一般式(IV-1)または一般式(IV-2)により表されるも
のがより好ましい。
【化19】 一般式(IV-1)および一般式(IV-2)の各々において、
R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立に置換基を表し、好
ましくはアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、例
えばメチル、エチル、i-プロピル、t-ブチル、ベンジ
ル、4-カルボキシルメチル等)、アルケニル基(好まし
くは炭素原子数2〜20、例えばビニル、アリル、オレイ
ル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26、例
えばフェニル、2-ナフチル、4-カルボキシルフェニル
等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素
原子数1〜20、例えばメトキシ、2-カルボキシエトキシ
等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、例えば
アミノ、N,N-ジメチルアミノ、アニリノ等)、アルコキ
シカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、例えば
エトキシカルボニル等)、カルボキシル基、スルホン酸
基(-SO3H)、ホスホリル基(好ましくは炭素原子数0
〜20、例えば-OP(O)(OH)2、-OP(O)(OC2H5)2)、ホスホニ
ル基(好ましくは炭素原子数0〜20、例えば-P(O)(O
H)2、-P(O)(OC2H5)2等)、またはハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を表し、より好ま
しくはアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホリ
ル基またはホスホニル基を表す。
【0039】aおよびbはそれぞれ独立に0〜4の整数
を表し、好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましく
は0または1を表す。
【0040】R3およびR4はそれぞれ独立に水素、アルキ
ル基またはアリール基を表し、より好ましくはアルキル
基を表す。R3およびR4の好ましい例はR1と同じである。
またcおよびdはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。
さらにR1とR2、R3とR4、R3とR5およびR4とR6はそれぞれ
互いに連結して、環を形成していてもよい。
【0041】一般式(I) により表される本発明の金属錯
体色素のLL1およびLL22の具体例を以下に示すが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
【化20】
【0043】
【化21】
【0044】
【化22】
【0045】(D) 配位子BL 一般式(I) 中、 BLは金属原子に対して窒素で2座配位
できる部位を2個以上有する配位子を表す。2座配位で
きる部位を3個以上有する場合は、式(I) のM1およびM2
以外に配位金属を有していてもよい。BLは好ましくは上
記一般式(III-1)、(III-2)または(III-3)により表され
る。一般式(III-1)〜(III-3)中、Zc、Zd、ZeおよびZfは
それぞれ独立に5または6員環を形成しうる非金属原子
群を表し、炭素、酸素、水素、窒素、硫黄、リンおよび
ハロゲン原子からなる群から選ばれた元素により構成さ
れるのが好ましく、芳香族環を形成するのがより好まし
い。これらの環の2つ以上が互いに結合して縮環を形成
していてもよい。
【0046】ZcおよびZdによりそれぞれ独立に形成され
る好ましい芳香族環はZaと同様であり、より好ましくは
ピリジン環またはイミダゾール環であり、さらに好まし
くはピリジン環である。またZeおよびZfによりそれぞれ
独立に形成される環はピラジン環、ピリダジン環または
テトラジン環であるのが好ましく、ピラジン環であるの
がさらに好ましい。
【0047】一般式(III-1)〜(III-3)の配位子の具体例
としては下記一般式B-1〜B-10により示すものが挙げら
れる。
【化23】 一般式B-1〜B-10中、R21〜R30はそれぞれ独立に置換基
を表し、B-1〜B-10のどの環の炭素原子上に置換してい
てもよい。R21〜R30は好ましくはアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ア
ミノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、ホスホリル基、ホスホニル基またはハロゲ
ン原子を表し、より好ましい例はR1に例示したものと同
じである。
【0048】e, f, g、h、j、kおよびqはそれそ
れ独立に0〜8の整数を表し、pおよびrはそれぞれ独
立に0〜6の整数を表し、sは0〜4の整数を表す。い
ずれも0〜2の整数であるのが好ましい。
【0049】配位子BLは、B-1〜B-4、B-7およびB-10の
いずれかにより表されるのが好ましく、B-1〜B-4または
B-10により表されるのがより好ましく、B-1〜B-4により
表されるのがさらに好ましい。
【0050】架橋配位子BLの具体例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【化24】
【0052】
【化25】
【0053】(E) 対イオンCI 一般式(I) 中、CIは電荷を中和させるのに対イオンが必
要な場合の対イオンを表す。色素が陽イオンまたは陰イ
オンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかど
うかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存す
る。置換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を
持っても良く、この場合にも分子全体の電荷はCIにより
中和される。典型的な陽イオンは無機または有機のアン
モニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイ
オン、ピリジニウムイオン等)およびアルカリ金属イオ
ンである。一方、陰イオンは無機または有機の陰イオン
のいずれでもよく、例えばハロゲン陰イオン、(例えば
フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化
物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば
p-トルエンスルホン酸イオン、p-クロロベンゼンスルホ
ン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば
1,3-ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5-ナフタレンジス
ルホン酸イオン、2,6-ナフタレンジスルホン酸イオン
等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン
等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオ
ン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホス
フェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリ
フルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さら
に電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるい
は、色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよいし、
金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン-1,2-ジチオラト
ニッケル(III) )も使用可能である。
【0054】(F) 結合基 一般式(I)により表される色素は、半導体微粒子の表面
に対する適当な結合基(interlocking group)を少なく
とも1つ以上有しているのが好ましい。好ましい結合基
としては、カルボキシル(COOH)基、スルホン酸(SO
3H)基、ホスホン酸(-P(O)(OH)2)基、リン酸(-OP(O)
(OH)2)基、ヒドロキシル基等の酸性基(解離性のプロト
ンを有する置換基)であり、またはオキシム、ジオキシ
ム、ヒドロキシキノリン、サリチレートおよびα−ケト
エノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙
げられる。なかでも、カルボキシル基、リン酸基、ホス
ホン酸基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等
と塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成してい
てもよい。
【0055】これらの結合基はBL、LL1またはLL2に含ま
れているのが好ましく、R1〜R6およびR21〜R30のいずれ
かに含まれているのがより好ましい。一般式(I)により
表される金属錯体色素中のこれらの結合基の数は1〜8
が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜4が特に好ま
しい。
【0056】(G) 金属錯体色素の具体例 上記金属錯体色素のうち、特に好ましいものは下記一般
式(I) : (LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(I) (ただし、M1およびM2はそれぞれ4または6配位可能な
金属原子を表し、BLは上記一般式B-1〜B-10(ただし、R
21〜R30はそれぞれ独立に置換基を表し、B-1〜B-10のど
の環の炭素原子に結合していてもよく、e,f,g,
h,j,kおよびqはそれそれ独立に0〜8の整数を表
し、pおよびrはそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、
sは0〜4の整数を表す。)のいずれかにより表され、
X1およびX2はそれぞれ独立にアシルオキシ基、オキザリ
レン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシ
ルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート
基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチ
オカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル
基、カルボニル基、チオシアネート基、イソチオシアネ
ート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原
子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
コキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれ
た基で配位する1座または2座の配位子、あるいはジア
ルキルケトンまたはカルボンアミドからなる1座または
2座の配位子を表し、LL1およびLL2はそれぞれ独立に上
記一般式(IV-1)または(IV-2)(ただし、R1、R2、R5およ
びR6はそれぞれ独立に置換基を表し、aおよびbはそれ
ぞれ独立に0〜4の整数を表し、cおよびdはそれぞれ
独立に0〜2の整数を表し、R11とR12、R3とR4、R3とR
15およびR4とR16はそれぞれ互いに連結して環を形成し
ていてもよい。)により表される2座配位子を表し、m1
およびm4はそれぞれ独立に0または1であり、m2および
m3はそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、m2またはm3が
2以上のとき、X1またはX2はそれぞれ同じでも異なって
いてもよく、またX1同士またはX2同士が連結していても
よく、CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合
の対イオンを表す。)により表されることを特徴とす
る。
【0057】特に好ましい金属錯体色素は、下記一般式
(V): (LL1)m1(X1)m2Ru(BL)Ru(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(V) により表されるルテニウム錯体色素であり、X1およびX2
はそれぞれ独立にジチオカルバメート基、アシルアミノ
オキシ基、アシルオキシ基、オキザリレン基、イソシア
ネート基、シアネート基、イソチオシアネート基、チオ
シアネート基、アルキルチオ基およびアリールチオ基か
らなる群から選ばれた基で配位する1座または2座の配
位子を表し、BLは上記一般式B-1〜B-4(ただし、R21、R
22、R23およびR24はそれぞれ独立にアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、
スルホン酸基、ホスホリル基、ホスホニル基またはハロ
ゲン原子を表し、B-1〜B-4のどの環の炭素原子に結合し
ていてもよく、e, f, gおよびhはそれぞれ独立に0
〜8の整数を表す。)のいずれかにより表される配位子
であり、LL1およびLL2はそれぞれ独立に上記一般式(IV-
1)または(IV-2)(ただし、R1、R2、R5およびR6はそれぞ
れ独立に置換基を表し、aおよびbはそれぞれ独立に0
〜4の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に0〜2
の整数を表し、R11とR12、R3とR4、R3とR15およびR4とR
16はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよ
い。)により表される2座配位子を表す。
【0058】このような金属錯体色素の具体例を以下に
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お以下の具体例中、L-5'・・・等の「’」のついた配位
子は、L-5・・・等の配位子のカルボキシル基からプロ
トンが解離し、カルボキシレートアニオンとなったもの
を示す。ただし、L-5'・・・等はそれぞれL-5・・・と
の平衡状態にあってもよく、それに対応して対イオンCI
の構造も変化してもよい。
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】
【0063】
【化30】
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】
【化37】
【0071】本発明に用いる一般式(I) により表される
金属錯体色素の合成は、Inorg. Chem. Acta., 206, 69
(1993)、Inorg. Chem., 29, 1888(1990)、J. Am. Chem.
Soc.,109, 2691(1987)、Inorg. Chem., 29, 4750(199
0)、Inorg. Chem., 28, 1520(1989)、Inorg. Chem., 2
9, 167(1990)等の文献中に引用された方法を参考にして
行える。
【0072】なお本発明の金属錯体色素がアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場
合、それらは直鎖状でも分岐状でも良く、置換していて
も無置換でも良い。また本発明の金属錯体色素がアリー
ル基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む時、それ
らは置換していても無置換でも良く、単環でも縮環して
いても良い。
【0073】[2] 光電変換素子 本発明の光電変換素子は、感光層に上記金属錯体色素に
よって増感された半導体微粒子を有するものである。好
ましくは、図1に示すように、導電性支持体10、感光層
20、電荷移動層30および対極40の順に積層し、前記導電
性支持体層10を基材11および導電層12から構成し、前記
感光層20を本発明の金属錯体色素色素22によって増感さ
れた半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間の空隙に
充填された電解質30とから構成する。この光電変換素子
を外部回路に接続して仕事をさせるようにしたものが光
電気化学電池である。
【0074】本発明の金属錯体色素22により増感された
半導体微粒子21を含む感光層20に入射した光は色素22等
を励起し、励起された色素22等中の高エネルギーの電子
が半導体微粒子21の伝導帯に渡され、さらに拡散により
導電性支持体10に到達する。この時色素22等の分子は酸
化体となっている。光電気化学電池においては、導電性
支持体10中の電子が外部回路で仕事をしながら対極40お
よび電荷移動層30を経て色素22等の酸化体に戻り、色素
22が再生する。半導体層20は負極として働く。それぞれ
の層の境界(例えば導電性支持体10の導電層12と感光層
20との境界、感光層20と電荷移動層30との境界、電荷移
動層30と対極40との境界等)では、各層の構成成分同士
が相互に拡散混合していてもよい。以下各層について詳
細に説明する。
【0075】[A] 導電性支持体 導電性支持体としては、金属のように支持体そのものに
導電性があるものか、図1に示すように感光層側に導電
剤を含む導電層12を有するガラスまたはプラスチック製
の基板11を使用することができる。後者の場合、好まし
い導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アル
ミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導
電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化ス
ズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層
12の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0076】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、さらに
好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特
に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0077】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は光電気化学的に実質的に透明である
のが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10
%以上であることを意味し、50%以上であるのが好まし
く、70%以上が特に好ましい。透明導電性支持体として
は、ガラスまたはプラスチック等の透明基板の表面に導
電性金属酸化物からなる透明導電層を塗布または蒸着等
により形成したものが好ましい。なかでもフッ素をドー
ピングした二酸化スズからなる導電層を低コストのソー
ダ石灰フロートガラスでできた透明基板上に堆積した導
電性ガラスが好ましい。また低コストでフレキシブルな
光電変換素子または太陽電池とするには、透明ポリマー
フィルムに導電層を設けたものを用いるのがよい。透明
ポリマーフィルムには、テトラアセチルセルロース(TA
C)、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレ
ンナフタレート(PEN)、シンジオクタチックポリステ
レン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ
カーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリス
ルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポ
リエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロ
ム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するため
に、導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチ
ックの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好まし
い。
【0078】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウムおよび銀が好ましい。金属リ
ードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、そ
の上にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜か
らなる透明導電層を設けるのが好ましい。また透明導電
層を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを
設置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量
の低下は10%以内、より好ましくは1〜5%である。
【0079】[B] 感光層 本発明の金属錯体色素により増感された半導体微粒子を
含む感光層において、半導体微粒子はいわゆる感光体と
して作用し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔
を生ずる。色素増感された半導体微粒子では、光吸収お
よびこれによる電子および正孔の発生は主として色素に
おいて起こり、半導体微粒子はこの電子を受け取り、伝
達する役割を担う。
【0080】(1) 半導体微粒子 半導体微粒子としては、シリコン、ゲルマニウムのよう
な単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲ
ニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、または
ペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ス
トロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウ
ム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用
することができる。
【0081】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、
カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半
導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム
等のリン化物、ガリウムヒ素、銅−インジウム−セレン
化物、銅−インジウム−硫化物等が挙げられる。
【0082】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、Z
nS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuIn
S2、CuInSe2等であり、さらに好ましくはTiO2、ZnO、Sn
O2、Fe2O3 、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、GaA
s、CuInS2、CuInSe2であり、特に好ましくは、TiO2また
はNb 2O5であり、最も好ましくはTiO2である。
【0083】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、
製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム
等の観点からは多結晶が好ましい。
【0084】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオ
ーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径か
ら求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好
ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半
導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜100μmが好
ましい。
【0085】粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混
合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm
以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率
を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度
の半導体粒子を混合してもよい。
【0086】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」,「まてりあ」,第35巻,第9号,1012〜
1018頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。ま
たDegussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水
分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0087】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)
に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さ
らにゾル-ゲル法として、バーブ等の「ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー」, 第80
巻、第12号、3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、
バーンサイド等の「ケミカル・マテリアルズ」,第10
巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0088】(2) 半導体微粒子層 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に
塗布する方法の他に、前述のゾル-ゲル法等を使用する
こともできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液
の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式
の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法として
は、塗布法、印刷法が代表的である。
【0089】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル-ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0090】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポ
リマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助
剤として用いてもよい。
【0091】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてエア
ーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメ
ータリングを同一部分でできるものとして、特公昭58-4
589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許26812
94号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライドホ
ッパ法、エクストルージョン法、カーテン法等が好まし
い。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好まし
い。また湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよ
びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スク
リーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウ
ェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0092】半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒
子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダ
ー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例え
ば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法や、キャ
スト法や、スクリーン印刷法等が好ましい。また低粘度
液(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワ
イヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にす
ることが可能である。なおある程度の塗布量があれば低
粘度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可
能である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、
塗布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよ
い。
【0093】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。多層塗布には、エクストルージョン法またはス
ライドホッパー法が適している。また多層塗布をする場
合は同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回順次
重ね塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りであればスク
リーン印刷法も好ましく使用できる。
【0094】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電気化学電池に用いる場合、半
導体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μm
がより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たりの塗
布量は0.5〜400gが好ましく、5〜100gがより好まし
い。
【0095】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くた
め、好ましくない。またコストの観点からもできる限り
低温であるのが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以
下の小さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱
処理等により、可能となる。
【0096】加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大さ
せたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導
体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化
チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液
を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0097】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面
積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、
さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0098】(3) 半導体微粒子への金属錯体色素の吸着 半導体微粒子に金属錯体色素を吸着させるには、金属錯
体色素の溶液中に良く乾燥した半導体微粒子層を有する
導電性支持体を浸漬するか、金属錯体色素の溶液を半導
体微粒子層に塗布する方法を用いることができる。前者
の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ
法等が使用可能である。なお浸漬法の場合、金属錯体色
素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7-249790号に
記載されているように加熱還流して行ってもよい。また
後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホ
ッパ法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン
法、スプレー法等があり、印刷方法としては、凸版、オ
フセット、グラビア、スクリーン印刷等がある。溶媒
は、金属錯体色素の溶解性に応じて適宜選択できる。例
えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t-ブタ
ノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセト
ニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニト
リル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベン
ゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-
ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等)、
N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、
3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、
酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸
エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、
2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサ
ン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの
混合溶媒が挙げられる。
【0099】金属錯体色素の溶液の粘度についても、半
導体微粒子層の形成時と同様に、高粘度液(例えば0.01
〜500Poise)ではエクストルージョン法の他に各種印刷
法が適当であり、また低粘度液(例えば0.1Poise以下)
ではスライドホッパー法、ワイヤーバー法またはスピン
法が適当であり、いずれも均一な膜にすることが可能で
ある。
【0100】このように金属錯体色素の塗布液の粘度、
塗布量、導電性支持体、塗布速度等に応じて、適宜色素
の吸着方法を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要す
る時間は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよ
い。
【0101】未吸着の金属錯体色素の存在は素子性能の
外乱になるため、吸着後速やかに洗浄により除去するの
が好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極
性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行
うのが好ましい。また色素の吸着量を増大させるため、
吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半
導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に
戻さずに40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好
ましい。
【0102】金属錯体色素の全使用量は、導電性支持体
の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好まし
い。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体
微粒子の1g当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。
このような金属錯体色素の吸着量とすることにより、半
導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、
色素が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素
が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し、
増感効果を低減させる原因となる。
【0103】光電変換の波長域をできるだけ広くすると
ともに変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合
することもできる。この場合、光源の波長域と強度分布
に合わせるように、混合する色素およびその割合を選ぶ
のが好ましい。具体的には、本発明の金属錯体色素を2
種以上併用したり、本発明の金属錯体色素と従来の金属
錯体色素および/またはポリメチン色素とを併用するこ
とが可能である。
【0104】会合のような金属錯体色素同士の相互作用
を低減する目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸
着させてもよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカ
ルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばケノデ
オキシコール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を
併用することもできる。
【0105】余分な金属錯体色素の除去を促進する目的
で、金属錯体色素を吸着した後にアミン類を用いて半導
体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類と
してはピリジン、4-tert-ブチルピリジン、ポリビニル
ピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのま
ま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0106】[C] 電荷移動層 電荷移動層は金属錯体色素の酸化体に電子を補充する機
能を有する層である。電荷移動層に用いることのできる
代表的な材料として、酸化還元対を有機溶媒に溶解した
液体(電解液)、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体
をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、
酸化還元対を含有する溶融塩等が挙げられる。さらに固
体電解質や正孔(ホール)輸送材料を用いることもでき
る。
【0107】本発明で使用する電解液は電解質、溶媒お
よび添加物からなるのが好ましい。電解質としては、
(a) I2とヨウ化物(LiI, NaI, KI, CsI, CaI2 等の金属
ヨウ化物、またはテトラアルキルアンモニウムヨーダイ
ド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイ
ド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩等)との組み
合わせ、(b) Br2と臭化物(LiBr, NaBr, KBr, CsBr, Ca
Br2 等の金属臭化物、またはテトラアルキルアンモニウ
ムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモ
ニウム化合物の臭素塩等)との組み合わせ、(c)フェロ
シアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシ
ニウムイオン等の金属錯体、(d)ポリ硫化ナトリウム、
アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化
合物、(e)ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等を
用いることができる。なかでも、I2とLiIやピリジニウ
ムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アン
モニウム化合物のヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好
ましい。上記電解質は混合して用いてもよい。また電解
質はEP718288、WO95/18456、J. Electrochem. Soc.,Vo
l.143, No.10, 3099(1996)、Inorg. Chem., 35, 1168〜
1178(1996)に記載された室温で溶融状態の塩(溶融塩)
を使用することもできる。溶融塩を電解質として使用す
る場合、溶媒は使用しなくても構わない。
【0108】好ましい電解質濃度は0.1〜15Mであり、さ
らに好ましくは0.2 〜10Mである。また電解質にヨウ素
を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01〜0.
5Mである。
【0109】電解質用溶媒としては、低粘度でイオン移
動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度が高める
か、あるいはその両方であるために、優れたイオン伝導
性を発現できる化合物を使用するのが望ましい。このよ
うな溶媒の例として、例えば下記のものが挙げられる。
【0110】(a) 炭酸エステル類 例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエ
チルカーボネート、ジプロピルカーボネート等が好まし
い。
【0111】(b) ラクトン類 例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−
カプリロラクトン、クロトラクトン、γ−カプロラクト
ン、δ−バレロラクトン等が好ましい。
【0112】(c) エーテル類 例えばエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエト
キシエタン、トリメトキシメタン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン等が好まし
い。
【0113】(d) アルコール類 例えばメタノール、エタノール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等
が好ましい。
【0114】(e) グリコール類 例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グ
リセリン等が好ましい。
【0115】(f) グリコールエーテル類 例えばエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピ
レングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリ
コールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール
ジアルキルエーテル等が好ましい。
【0116】(g)テトラヒドロフラン類 例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラ
ン等が好ましい。
【0117】(h) ニトリル類 例えばアセトニトリル、グルタロジニトリル、プロピオ
ニトリル、メトキシアセトニトリル、ベンゾニトリル等
が好ましい。
【0118】(i) カルボン酸エステル類 例えばギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオ
ン酸メチル等が好ましい。
【0119】(j) リン酸トリエステル類 例えばリン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が好まし
い。
【0120】(k) 複素環化合物類 例えばN-メチルピロリドン、4-メチル-1,3-ジオキサ
ン、2-メチル-1,3-ジオキソラン、3-メチル-2-オキサゾ
リジノン、1,3-プロパンサルトン、スルホラン等が好ま
しい。
【0121】(l) その他 ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、ニトロメタン等の非プロトン性有機溶媒、
水等が好ましい。
【0122】これらの中では、炭酸エステル系、ニトリ
ル系、複素環化合物系の溶媒が好ましい。これらの溶媒
は必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
【0123】また本発明では、J. Am. Ceram. Soc ., 8
0(12), 3157〜3171(1997)に記載されているようなter-
ブチルピリジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基
性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を添加
する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2Mである。
【0124】電解質はポリマーやオイルゲル化剤の添
加、共存する多官能モノマー類の重合、ポリマーとの架
橋反応等の方法により、ゲル化(固体化)させて使用す
ることもできる。ポリマーの添加によりゲル化させる場
合は、¨Polymer ElectrolyteReviews-1,2¨(J. R. Mac
CaLLumとC. A. Vincentの共編、ELSEIVER APPLIED SCIE
NCE)に記載された化合物を使用することができるが、特
にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを使用
するのが好ましい。オイルゲル化剤の添加によりゲル化
させる場合は、J. Chem. Soc. Japan, Ind. Chem. Se
c., 46,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111, 5542(198
9), J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1993, 390, Ange
w. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Let
t., 1996, 885, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 545(1
997)に記載されている化合物を使用することができる。
なかでも好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有
する化合物である。
【0125】電解質に共存させた多官能モノマー類の重
合によりゲル電解質を形成する場合、多官能モノマー
類、重合開始剤、電解質および溶媒から溶液を調製し、
キャスト法,塗布法,浸漬法、含浸法等の方法により色
素増感半導体微粒子層(感光層20)上に塗布する。図1
に示すように、色素増感半導体微粒子21間の空隙にゾル
状電解質を充填するとともに、感光層20上にゾル状電解
質層を形成し、その後ラジカル重合することによりゲル
化させる方法が好ましい。
【0126】多官能性モノマーはエチレン性不飽和基を
2個以上有する化合物であるのが好ましく、例えばジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等
が好ましい。
【0127】ゲル電解質は、上記多官能性モノマー以外
に単官能モノマーを含んでいてもよい。単官能モノマー
としては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸
(例えばメタクリル酸等)類から誘導されるエステル類
またはアミド類(例えばN-iso-プロピルアクリルアミ
ド、アクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロ
パンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド、メチルアクリレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート、N-プロピルアクリレート、N-ブ
チルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート等)、ビニルエステル類(例
えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導
されるエステル類(例えばマレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジブチル、フマル酸ジエチル等)、有機酸塩類(例
えばマレイン酸、フマル酸、p-スチレンスルホン酸のナ
トリウム塩等)、ニトリル類(アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等)、ジエン類(例えばブタジエン、シ
クロペンタジエン、イソプレン等)、芳香族ビニル化合
物類(例えばスチレン、p-クロルスチレン、スチレンス
ルホン酸ナトリウム等)、含窒素複素環を有するビニル
化合物類、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物
類、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルム
アミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウ
ム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライド、
ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテ
ル等)、オレフィン類(エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、イソブテン等)、N-フェニルマレイミド等が好ま
しい。モノマー全量に対する多官能性モノマーの割合は
0.5〜70重量%であるのが好ましく、さらに好ましくは1.
0〜50重量%である。
【0128】上記ゲル電解質用モノマーは、大津隆行・
木下雅悦共著の「高分子合成の実験法」(化学同人)
や、大津隆行著の「講座重合反応論1ラジカル重合
(I)」(化学同人)に記載された一般的な高分子合成
法であるラジカル重合法により重合することができる。
ゲル電解質用モノマーのラジカル重合は加熱、光、紫外
線、電子線によりまたは電気化学的に行うことができる
が、特に加熱によりラジカル重合させるのが好ましい。
【0129】加熱により架橋高分子を形成する場合、好
ましい重合開始剤は、例えば2,2'-アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリ
ル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネー
ト)(ジメチル2,2'-アゾビスイソブチレート)等のア
ゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系開
始剤等である。重合開始剤の好ましい添加量は、モノマ
ー総量に対して0.01〜20重量%であり、さらに好ましく
は0.1〜10重量%である。
【0130】ゲル電解質に占めるモノマー類の重量組成
範囲は0.5〜70重量%であるのが好ましく、さらに好ま
しくは1.0〜50重量%である。
【0131】ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化
させる場合、架橋性反応基を有するポリマーおよび架橋
剤を併用するのが望ましい。好ましい架橋性反応基は、
含窒素複素環(例えばピリジン環、イミダゾール環、チ
アゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホ
リン環、ピペリジン環、ピペラジン環等)であり、また
好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な
2官能性以上の試薬(例えばハロゲン化アルキル、ハロ
ゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸
クロライド、イソシアネート等)である。
【0132】電解質の代りに有機および/または無機の
正孔輸送材料を使用することもできる。本発明に好まし
い有機正孔輸送材料としては、以下のものが挙げられ
る。
【0133】(a) 芳香族アミン類 N,N'-ジフエニル-N,N'-ビス(4-メトキシフェニル)-
(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン(J. Hagen et al.,
Synthetic Metal 89, 2153〜220(1997))、2,2',7,7'-
テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)9,9'-
スピロビフルオレン(Nature, Vol.395, 8 Oct. 1998,
pp. 583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス{4-(ジ-p
-トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサンの3級芳香族
アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開
昭59−194393号)、4,4'-ビス[(N-1-ナフチル)-N-フ
ェニルアミノ]ビフェニルのように、2個以上の3級ア
ミンを含み、2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に結合
した芳香族アミン(特開平5−234681号)、トリフェニ
ルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香
族トリアミン(米国特許第4,923,774号、特開平4-30868
8号)、N,N'-ジフエニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)
-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミン
(米国特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-テトラメ
チル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-p-
キシレン(特開平3−269084号)、p-フェニレンジアミ
ン誘導体、分子全体が立体的に非対称なトリフェニルア
ミン誘導体(特開平4-129271号)、ピレニル基に芳香族
ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開平4-175395
号)、エチレン基で3級芳香族アミン単位を連結した芳
香族ジアミン(特開平4-264189号)、スチリル構造を有
する芳香族ジアミン(特開平4-290851号)、ベンジルフ
ェニル化合物(特開平4-364153号)、フルオレン基で3
級アミンを連結したもの(特開平5-25473号)、トリア
ミン化合物(特開平5-239455号)、ピスジピリジルアミ
ノビフェニル(特開平5-320634号)、N,N,N-トリフェニ
ルアミン誘導体(特開平6-1972号)、フェノキザジン構
造を有する芳香族ジアミン(特願平5-290728号)、ジア
ミノフエニルフエナントリジン誘導体(特願平6-45669
号)等。
【0134】(b) オリゴチオフェン化合物 α-オクチルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オ
クチルチオフェン(Adv. Mater.,Vol.9, No.7, 5578(19
97))、ヘキサドデシルドデシチオフェン(Angew. Chem.
Int. Ed. Engl., 34, No.3,303-307(1995))、2,8-ジヘ
キシルアンスラ[2,3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS, Vo
l.120, N0.4,664〜672(1998))等。
【0135】(c)導電性高分子 ポリピロール(K. Murakoshi et al., Chem. Lett. 199
7, p.471)、およびポリアセチレンおよびその誘導体、
ポリ(p-フェニレン) およびその誘導体、ポリ(p-フェニ
レンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニ
レンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導
体、ポリアニリンおよびその誘導体、およびポリトルイ
ジンおよびその誘導体等(それぞれ「Handbook of Orga
nic Conductive Molecules and Polymers」, Vol.1〜4
(NALWA著、WILEY出版)に記載されている)。
【0136】有機正孔(ホール)輸送材料に、Nature,
Vol.395, 8 Oct. 583〜585(1998)に記載されているよう
に、ドーパントレベルをコントロールするためにトリス
(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモ
ネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添
加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間
電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩
を添加しても良い。
【0137】有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト
法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光
電解重合法等の手法により電極内部に導入することがで
きる。また正孔輸送材料を電解液の替わりに使用すると
きは、短絡防止のためElectorochim. Acta 40, 643〜65
2(1995)に記載されているスプレーパイロリシス等の手
法を用いて、二酸化チタン薄層を下塗り層として塗設す
るのが好ましい。
【0138】無機固体化合物を電解質の代りに使用する
場合、ヨウ化銅(p-CuI)(J. Phys.D:Appl. Phys. 31, 1
492〜1496(1998))、チオシアン化銅(Thin Solid Film
s 261(1995), 307〜310、J. Appl. Phys. 80(8),15 Oct
ober 1996, 4749〜4754、Chem. Mater. 1998, 10, 1501
〜1509、SemiCond. Sci. Technol. 10, 1689〜1693)等
を、キャスト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電
解メッキ法等の手法により電極内部に導入することがで
きる。
【0139】電荷移動層を形成するには以下の2通りの
方法を利用できる。1つは、色素増感した半導体微粒子
層の上にスペーサーを介して対極を貼り合わせておき、
両者の開放端を電解質溶液に浸漬することにより、半導
体微粒子層内および半導体微粒子層と対極との空隙に電
解質溶液を浸透させる方法である。もう1つは、半導体
微粒子層に電解質溶液を塗布することにより、半導体微
粒子層内に電解質溶液を浸透させるとともに、半導体微
粒子層上に電荷移動層を形成し、最後に対極を設ける方
法である。
【0140】前者の場合、半導体微粒子層と対極との空
隙に電解質溶液を浸透させる方法として、毛管現象を利
用する常圧法と、半導体微粒子層と対極との上部開放端
(電解質溶液に浸漬していない方の開放端)から吸い上
げる減圧法がある。
【0141】後者の場合、湿式の電荷移動層のときには
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
を施す。またゲル電解質の場合には、湿式で塗布して重
合等の方法により固体化した後に対極を設けてもよい
し、対極を設けた後に固体化してもよい。電解液の他に
湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質の層を形成する方法
としては、半導体微粒子層の形成や色素吸着の場合と同
様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアーナイフ
法、エクストルージョン法、スライドホッパー法、ワー
ヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト法、各種
印刷法等を利用できる。固体電解質や固体の正孔(ホー
ル)輸送材料の場合には、真空蒸着法やCVD法等のドラ
イ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極を設けて
も良い。
【0142】固体化できない電解液や湿式の正孔輸送材
料の場合には塗布後速やかにエッジ部分を封止するのが
好ましく、また固体化可能な正孔輸送材料の場合には湿
式付与により正孔輸送層を膜形成した後、例えば光重合
や熱ラジカル重合等の方法により固体化するのが好まし
い。このように膜付与方式は電解液物性や工程条件によ
り適宜選択すればよい。
【0143】なお、電荷移動層中の水分量は10,000ppm
以下が好ましく、さらに好ましくは2,000ppm以下であ
り、特に好ましくは100ppm以下である。
【0144】[D] 対極 対極は、光電変換素子を光電気化学電池としたとき、光
電気化学電池の正極として作用するものである。対極と
しては、通常導電性支持体と同様に導電層を有する基板
を用いることもできるが、強度や密封性が十分に保たれ
るような金属板を使用すれば、基板は必ずしも必要でな
い。対極に用いる導電材としては、金属(例えば白金、
金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム
等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−ス
ズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)
が挙げられる。好ましい対極の例は、ガラスまたはプラ
スチックに塗布または蒸着した金属または導電性金属酸
化物の薄膜である。対極の厚さは特に制限されないが、
3nm〜10μmが好ましい。導電層が金属製である場合
は、その厚さは好ましくは5μm以下であり、さらに好
ましくは5nm〜3μmの範囲である。
【0145】導電性支持体と対極のいずれか一方または
両方から光を照射して良いので、感光層に光が到達する
ためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、
導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入
射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラス
チック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0146】対極を設ける手順としては、(イ)電荷移動
層を形成した後でその上に設ける場合と、(ロ)色素増感
半導体微粒子の層の上にスペーサーを介して対極を配置
した後でその空隙に電解質溶液を充填し、架橋する場合
の2通りある。(イ)の場合、電荷移動層上に直接導電材
を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、
導電層を有する基板の導電層側を貼り付ける。また(ロ)
の場合、色素増感半導体微粒子層の上にスペーサーを介
して対極を組み立てて固定し、得られた組立体の開放端
を電解質溶液に浸漬し、毛細管現象または減圧を利用し
て色素増感半導体微粒子層と対極との空隙に電解質溶液
を浸透させ、次いで加熱により架橋させる。
【0147】[E] その他の層 電極として作用する導電性支持体および対極の一方また
は両方に、保護層、反射防止膜等の機能性層を設けても
良い。このような機能性層を多層に形成する場合、同時
多層塗布法や逐次塗布法を利用できるが、生産性の観点
からは同時多層塗布法が好ましい。同時多層塗布法で
は、生産性および塗膜の均一性を考えた場合、スライド
ホッパー法やエクストルージョン法が適している。これ
らの機能性層の形成には、その材質に応じて蒸着法や貼
り付け法等を用いることができる。
【0148】さらに、作用電極の導電性支持体または対
極に保護層、反射防止膜等、必要な他の機能の層を設け
ることも可能である。このような層を多層にして機能分
離させる場合、同時多層塗布や逐次で塗布することが可
能であるが、生産性を優先させると同時多層塗布がより
好ましい。同時多層塗布では、生産性および膜付与均一
性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージ
ョン法が適している。またこれらの機能層はその材料に
より、蒸着や貼り付け等の手法を用いて設けることもで
きる。
【0149】[3] 光電気化学電池 本発明の光電気化学電池は、上記光電変換素子に外部回
路で仕事をさせるようにしたものである。光電気化学電
池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側
面をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。導電
性支持体および対極にリードを介して接続される外部回
路自体は公知のもので良い。
【0150】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0151】実施例1 金属錯体色素D-1,D-8,D-2,D-9,D-3,D-10,D-42お
よびD-48の合成 金属錯体色素D-1,D-8,D-2,D-9,D-3,D-10,D-42お
よびD-48の製造方法および構造式は下記の通りである。
ただし金属錯体色素D-8,D-9,D-10およびD-48中のカル
ボキシレートイオンは、プロトンが解離していない状態
(カルボキシル基)との平衡状態にあり、それに対応し
て対イオンCIの構造も変化する。
【0152】
【化38】
【0153】
【化39】
【0154】
【化40】
【0155】
【化41】
【0156】1.D-1,D-8の合成 塩化ルテニウム(III)3水和物10.44g(40mmol)をジ
メチルスルホキシド(DMSO)50mlに溶解し、5分還流し
た。25mlに濃縮後アセトン200mlを加え、室温に冷却後
結晶を濾別し、アセトンおよびエーテルにより洗浄し、
Ru錯体1の黄色結晶13.9g(収率72%)を得た。
【0157】0.87g(1.8mmol)のRu錯体1および0.54
g(1.8mmol)のビピリジンジカルボン酸ジエチルL-14
をクロロホルム5mlに溶解し、窒素雰囲気中で4時間還
流した。濃縮後少量のアセトンを加えて溶解し、さらに
エーテルを加えて結晶を析出させ。濾別後エーテルで洗
浄し、Ru錯体3の黄色結晶0.85g(収率75%)を得た。
【0158】0.166g(0.264mol)のRu錯体2および0.0
50g(0.29mmol)のヒドロキサム酸ナトリウム3を、エ
タノール10mlおよび水10mlからなる混合溶媒に溶解し、
窒素雰囲気中で2時間還流した。さらに0.028g(0.12m
mol)のジピリジルピラジンBL-1を加え、20時間還流し
た。 0.20gのNH4PF6を加えて濃縮し、析出した結晶を
濾別し、水で洗浄した。セファデックスカラムLH-20
(展開溶媒:メタノール)により精製し、D-1の黒色結
晶0.18g(収率92%)を得た。黒色結晶D-1の構造はM
Sスペクトルおよび元素分析により確認した。
【0159】0.081g(0.05mmol)のD-1、6mlのトリエ
チルアミン、18mlのジメチルホルムアミドおよび3mlの
水を混合し、12時間還流した。濃縮後アセトニトリルに
溶解して濾別し、0.06g(収率85%)の黒色結晶D-8を
得た。黒色結晶D-8の構造はMSスペクトルおよび元素
分析により確認した。
【0160】2.D-2、D-9の合成 上記工程1のD-1およびD-8の合成において、ヒドロキサ
ム酸ナトリウム3の代わりにシュウ酸カリウム4を等モ
ル用い、かつNH4PF6の添加をしない以外は全く同様にし
て、D-2およびD-9を合成した。D-2およびD-9の構造はM
Sスペクトルおよび元素分析により確認した。
【0161】3.D-3、D-10の合成 上記工程1のD-1およびD-8の合成において、ヒドロキサ
ム酸ナトリウム3の代わりにジチオカルバミン酸ナトリ
ウム5を等モル用いた以外は全く同様にしてD-3およびD
-10を合成した。D-3およびD-10の構造はMSスペクトル
および元素分析により確認した。
【0162】4.D-42、D-48の合成 2.の合成においてジピリジルピラジンBL-1の代わりに、
J. Am. Chem. Soc.,109, 2691(1987)に記載の方法に従
って合成したBL-11を等モル用いた以外は全く同様にし
て、D-42およびD-48を合成した。D-42およびD-48の構造
はMSスペクトルおよび元素分析により確認した。
【0163】5.他の金属錯体色素の合成 他の金属錯体色素も以上と同様にして、X1およびX2(X-
1〜X-48)、BL(BL-1〜BL-34)ならびにLL1およびLL
2(L-1〜L-50)の具体例を適宜組合せることにより合成
した。なお配位子X1およびX2の化合物は市販品を容易に
入手可能、またはInorg. Chim. Acta., 206, 69(1993),
Inorg. Chem., 29, 1888(1990), J. Am.Chem. Soc., 1
09, 2691(1987), Inorg. Chem., 29, 4750(1990), Inor
g. Chem.,28, 1520(1989), Inorg. Chem., 29, 167(199
0), Inorg. Chem.,28, 2465(1989)等の文献もしくはこ
れらに引用された文献を参照して合成することができ
る。またこれらの配位子へのカルボキシル基などの置換
基の導入は一般的な有機合成法により可能である。
【0164】6.吸収スペクトルの測定 D-8,D-9,D-10,D-11,D-47,D-48,D-49およびD-50お
よび比較色素1、2について、メタノール中の吸収スペ
クトルを測定した。吸収極大波長を表1に記す。
【0165】
【表1】
【0166】表1から明らかなように、本発明の金属錯
体色素の吸収極大波長はいずれも比較色素1、2より長
波長化していた。従って、本発明の金属錯体色素を光電
気化学電池に用いると、より長波長の光まで分光増感し
て光電流に変換できるため大変好ましい。
【0167】実施例2 1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステン
レス製容器に二酸化チタン微粒子(日本アエロジル
(株)製,Degussa P-25)15g、水45g、分散剤(アル
ドリッチ社製、Triron X-100)1g、直径0.5mmのジル
コニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグ
ラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpm
で2時間分散処理した。得られた分散液からジルコニア
ビーズを濾別した。得られた分散液中の二酸化チタン微
粒子の平均粒径は2.5μm であった。なお粒径はMALVERN
社製のマスターサイザーにより測定した。
【0168】2.色素を吸着した二酸化チタン微粒子か
らなる電極層の作製 フッ素をドープした酸化スズを被覆した導電性ガラス板
(日本板硝子(株)製、表面抵抗:約10Ω/cm2)を準備
し、その導電層上にドクターブレードを用いて上記二酸
化チタン分散液を140μmの厚さ(湿潤厚さ)に塗布し、
25℃で30分間乾燥した。次にこの半導体塗布ガラス板を
電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP-32型)に入
れ、450℃で30分間焼成した。二酸化チタン微粒子層の
厚さは10μm であり、二酸化チタン微粒子の塗布量は15
g/m2であった。
【0169】半導体塗布ガラス板を取り出し冷却した
後、表1に示す色素のメタノール溶液(濃度:3×10-4
mol/L)に3時間浸漬した。色素が吸着した半導体塗布
ガラス板を4-tert-ブチルピリジンに15分間浸漬した
後、メタノールで洗浄し、自然乾燥させた。このように
して得られた色素増感二酸化チタン微粒子層中の金属錯
体色素の吸着量は、その種類に応じて0.1〜10mモル/m2
の範囲内であった。
【0170】3.光電気化学電池の作製 以上のようにして作製した色素増感TiO2微粒子からなる
電極(2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラ
ス板の白金蒸着層側とスペーサーを介して重ね合わせた
(図2参照)。得られた導電性ガラス板/色素増感半導
体微粒子層/白金蒸着ガラス板からなる組立体の開放端
を電解液(N-メチル2-オキサゾリジノン)に支持電解質
(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヨージド)0.65mol
/L,ヨウ素0.05mol/Lを加えたもの)に浸漬し、両ガラ
ス板の空隙に毛細管現象を利用して電解液をしみこませ
て、色素増感TiO2層中に導入した。このようにして、導
電性ガラス板10/色素増感TiO2微粒子層の空隙に電解質
が含浸してなる感光層20/電荷移動層30/白金蒸着ガラ
ス板40からなる積層構造(図1参照)を有する光電気化
学電池を得た。この工程を、表2に示す他の色素を用い
て繰り返した。
【0171】4.光電変換効率の測定 得られた光電気化学電池の800nmにおける光電変換効率
をオプテル社製のIPCE(Incident Photon to Current C
onversion Efficiency)測定装置により測定した。表2
にそれぞれの金属錯体色素の光電変換効率をまとめて示
す。
【0172】
【表2】
【0173】表2から、800nmの波長の光に対して、比
較色素は吸収能を有さないために光電変換能を示さない
のに対し、本発明の金属錯体色素は良好な光電変換能を
示すことが分かる。このように本発明の色素はいずれも
可視光のみならず赤外域においても高い光電変換能を有
する。
【0174】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の金属錯体
色素は可視光〜赤外域にわたる広い波長域において良好
な光吸収能を有するために、かかる金属錯体色素を吸着
した半導体微粒子を含む光電変換素子は、可視光〜赤外
域にわたって高い光電変換特性を有する。かかる光電変
換素子からなる光電気化学電池は太陽電池として極めて
有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい一実施例による光電変換素
子の構造を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい他の実施例による光電気化
学電池の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10・・・導電性支持体 11・・・基板 12・・・導電層 20・・・感光層 21・・・半導体微粒子 22・・・金属錯体色素 30・・・ゲル電解質層 40・・・対極 41・・・基板 42・・・導電層

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) : (LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(I) (ただし、M1およびM2はそれぞれ金属原子を表し、 BLは前記金属原子に対して窒素で2座配位できる部位を
    2個以上有する配位子を表し、 X1およびX2はそれぞれ独立にアシルオキシ基、オキザリ
    レン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシ
    ルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート
    基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチ
    オカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル
    基、カルボニル基、チオシアネート基、イソチオシアネ
    ート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原
    子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
    コキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれ
    た基で配位する1座または2座の配位子、あるいはジア
    ルキルケトンまたはカルボンアミドからなる1座または
    2座の配位子を表し、 LL1およびLL2はそれぞれ独立に下記一般式(II): 【化1】 (ただし、ZaおよびZbはそれぞれ独立に5または6員環
    を完成するのに必要な非金属原子群を表す。)により表
    される2座配位子を表し、 m1およびm4はそれぞれ独立に0または1であり、 m2およびm3はそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、m2ま
    たはm3が2以上のとき、X1またはX2はそれぞれ同じでも
    異なっていてもよく、またX1同士またはX2同士が連結し
    ていてもよく、 CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イ
    オンを表す。)により表される金属錯体色素により増感
    された半導体微粒子を含むことを特徴とする光電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光電変換素子におい
    て、一般式(I) 中のM1およびM2がそれぞれ独立にRu、F
    e、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、R
    e、MnまたはZnであることを特徴とする光電変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光電変換素子におい
    て、一般式(I) 中のM1およびM2がそれぞれ独立にRu、F
    e、OsまたはCuであることを特徴とする光電変換素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光電変換素子におい
    て、一般式(I) 中のM1およびM2がRuであることを特徴と
    する光電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光電変
    換素子において、LL1およびLL2の一般式(II)中で、Zaま
    たはZbにより形成される環がピリジン環、ピリミジン
    環、ピラジン環、ピリダジン環、ピラゾール環、イミダ
    ゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾー
    ル環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、
    ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からな
    る群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とす
    る光電変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記配位子BLが下記一般式(III-1)〜
    (III-3): 【化2】 (ただし、Zc,Zd,ZeおよびZfはそれぞれ独立に5また
    は6員環を完成するのに必要な非金属原子群を表し、n1
    は0または1を表す。)のいずれかにより表されること
    を特徴とする光電変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光電変換素子におい
    て、ZeまたはZfがピラジン環を形成していることを特徴
    とする光電変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記配位子BLが下記一般式B-1〜B-1
    0: 【化3】 (ただし、R21〜R30はそれぞれ独立に置換基を表し、B-
    1〜B-10のどの環の炭素原子に結合していてもよく、
    e,f,g,h,j,kおよびqはそれそれ独立に0〜
    8の整数を表し、pおよびrはそれぞれ独立に0〜6の
    整数を表し、sは0〜4の整数を表す。)のいずれかに
    より表されることを特徴とする光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光電変換素子におい
    て、前記一般式B-1〜B-10により表される配位子BL中のR
    21〜R30がそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、
    アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ
    基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホ
    ン酸基、ホスホリル基、ホスホニル基またはハロゲン原
    子を表すことを特徴とする光電変換素子。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の光電変換素子に
    おいて、前記配位子BLが下記一般式B-1〜B-4: 【化4】 (ただし、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立にア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル
    基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル
    基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホリル基、ホ
    スホニル基またはハロゲン原子を表し、B-1〜B-4のどの
    環の炭素原子に結合していてもよく、e, f,gおよび
    hはそれぞれ独立に0〜8の整数を表す。)のいずれか
    により表される配位子であることを特徴とする光電変換
    素子。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換
    素子において、一般式(I) の金属錯体色素中のLL1およ
    びLL2がそれぞれ独立に下記一般式(IV-1)または(IV-
    2): 【化5】 (ただし、R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立に置換基
    を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素、アルキル基
    またはアリール基を表し、aおよびbはそれぞれ独立に
    0〜4の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に0〜
    2の整数を表し、R1とR2、R3とR4、R3とR5およびR4とR6
    はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよい。)
    により表されることを特徴とする光電変換素子。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の光電変換素子において、
    一般式(IV-1)または(IV-2)中のR1、R2、R5およびR6
    それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコ
    キシカルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホ
    スホリル基、ホスホニル基またはハロゲン原子を表すこ
    とを特徴とする光電変換素子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の光電変
    換素子において、一般式(I) 中のX1およびX2がそれぞれ
    独立にジチオカルバメート基、アシルアミノオキシ基、
    アシルオキシ基、オキザリレン基、イソシアネート基、
    シアネート基、イソチオシアネート基、チオシアネート
    基、アルキルチオ基またはアリールチオ基であることを
    特徴とする光電変換素子。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の光電変
    換素子において、一般式(I) により表される金属錯体色
    素が少なくとも1つの酸性基を有することを特徴とする
    光電変換素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記半導体微粒子が酸化チタン微粒子
    であることを特徴とする光電変換素子。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の光電変
    換素子を用いることを特徴とする光電気化学電池。
  17. 【請求項17】 下記一般式(I) : (LL1)m1(X1)m2M1(BL)M2(X2)m3(LL2)m4・CI ・・・(I) (ただし、M1およびM2はそれぞれ4または6配位可能な
    金属原子を表し、 BLは下記一般式B-1〜B-10: 【化6】 (ただし、R21〜R30はそれぞれ独立に置換基を表し、B-
    1〜B-10のどの環の炭素原子に結合していてもよく、
    e,f,g,h,j,kおよびqはそれそれ独立に0〜
    8の整数を表し、pおよびrはそれぞれ独立に0〜6の
    整数を表し、sは0〜4の整数を表す。)のいずれかに
    より表され、 X1およびX2はそれぞれ独立にアシルオキシ基、オキザリ
    レン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシ
    ルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート
    基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチ
    オカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル
    基、カルボニル基、チオシアネート基、イソチオシアネ
    ート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原
    子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
    コキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれ
    た基で配位する1座または2座の配位子、あるいはジア
    ルキルケトンまたはカルボンアミドからなる1座または
    2座の配位子を表し、 LL1およびLL2はそれぞれ独立に下記一般式(IV-1)または
    (IV-2): 【化7】 (ただし、R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立に置換基
    を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素、アルキル基
    またはアリール基を表し、aおよびbはそれぞれ独立に
    0〜4の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に0〜
    2の整数を表し、R1とR2、R3とR4、R3とR5およびR4とR6
    はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよい。)
    により表される2座配位子を表し、 m1およびm4はそれぞれ独立に0または1であり、 m2およびm3はそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、m2ま
    たはm3が2以上のとき、X1またはX2はそれぞれ同じでも
    異なっていてもよく、またX1同士またはX2同士が連結し
    ていてもよく、 CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イ
    オンを表す。)により表されることを特徴とする金属錯
    体色素。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の金属錯体色素におい
    て、 M1およびM2はそれぞれRuであり、 X1およびX2はそれぞれ独立にジチオカルバメート基、ア
    シルアミノオキシ基、アシルオキシ基、オキザリレン
    基、イソシアネート基、シアネート基、イソチオシアネ
    ート基、チオシアネート基、アルキルチオ基およびアリ
    ールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する1座ま
    たは2座の配位子を表し、 BLは下記一般式B-1〜B-4: 【化8】 (ただし、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立にア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル
    基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル
    基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホリル基、ホ
    スホニル基またはハロゲン原子を表し、B-1〜B-4のどの
    環の炭素原子に結合していてもよく、e, f,gおよび
    hはそれぞれ独立に0〜8の整数を表す。)のいずれか
    により表される配位子であることを特徴とする金属錯体
    色素。
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