JP2000317767A - 工具ホルダ - Google Patents

工具ホルダ

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JP2000317767A
JP2000317767A JP11123546A JP12354699A JP2000317767A JP 2000317767 A JP2000317767 A JP 2000317767A JP 11123546 A JP11123546 A JP 11123546A JP 12354699 A JP12354699 A JP 12354699A JP 2000317767 A JP2000317767 A JP 2000317767A
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JP
Japan
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cutting tool
lock nut
lid member
tool
coolant
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JP11123546A
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English (en)
Inventor
Masaichi Matsumoto
政一 松本
Masahiro Taguchi
正博 田口
Eisaku Nakai
英策 中井
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Nikken Kosakusho Works Ltd
Original Assignee
Nikken Kosakusho Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クーラント漏れのない耐久性に富むクー
ラント供給を可能にし、併せてスチールカバーを用いる
ことなく防塵機能を有効に発揮する。 【解決手段】 ホルダ本体11のテーパ穴114に密嵌
合されるテーパコレット12と、テーパコレット12を
テーパ穴114内に押し込むことで切削工具15を把持
するロックナット13を備える工具ホルダ10におい
て、ロックナット13の切削工具挿入側開口131を閉
塞する蓋部材14を備え、ロックナット13は、テーパ
コレット13の大径側端面が当接する鍔部132を有
し、鍔部132の内周面に雌ねじ部133を設け、蓋部
材14に雌ねじ部133と液密に螺合する雄ねじ部14
1を設け、雄ねじ部141を含む蓋部材14の中心部に
は切削工具の切削工具挿通穴142を形成し、切削工具
挿通穴142の内壁面には切削工具の先端方向に向けク
ーラントを噴出する溝143を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル等の切削工
具をテーパコレット及びロックナットを用いてホルダ本
体に固定する工具ホルダに関し、特にホルダ本体の軸心
を通してクーラント穴無しの切削工具にクーラントを供
給できるようにした工具ホルダ及びコレット内やホルダ
本体内への切粉等の侵入を防止できるようにした工具ホ
ルダに関するのもである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホルダ本体の軸心を通してクーラ
ント穴無しの切削工具にクーラントを供給できるように
した工具ホルダとしては、図8に示す構造のものが知ら
れている。この図8において、工具ホルダ50は、ホル
ダ本体51、テーパコレット52、隙間スルー溝式のス
ペーサ53及びクーラントキャップ54等を備える。
【0003】ホルダ本体51は、図示省略した工作機械
の主軸に挿着されるテーパシャンク部511と、このテ
ーパシャンク部511の大径側端部に形成した把持用フ
ランジ部512と、このフランジ部512の反テーパシ
ャンク部側の端面からテーパシャンク部512と反対の
方向に軸線を一致して延設された筒状の工具取付部51
3を有する。上記工具取付部513の内壁にはテーパ穴
514が形成されており、このテーパ穴514にはテー
パコレット52が挿入され、このテーパコレット52の
挿入端をホルダ本体51内に設けた中空の締付ボルト5
5に螺合するとともに、この締付ボルト55をホルダ本
体51の後端から挿入される図示省略の専用レンチで締
め付け方向に回転することでテーパコレット52を引き
込み、仮締めする。
【0004】次に、クーラントキャップ54にスペーサ
53を装着し、Oリング56で固定する。このクーラン
トキャップ54をホルダ本体51の先端部に螺合し、締
め付けることでクーラントキャップ54をホルダ本体5
1に固定する。その後、工具57をクーラントキャップ
54及びスペーサ53を通してテーパコレット52に挿
入し、再びホルダ本体51の後端から図示省略の専用レ
ンチを差し込んで締付ボルト55を締め付けることによ
り、テーパコレット52をテーパ穴514内に更に引き
込むことで工具57を確実にチャッキングする。
【0005】このような工具ホルダ50が工作機械の主
軸に装着された状態において、主軸の内部を通して工具
ホルダに供給されるクータントは、ホルダ本体51の後
端から中空の締付ボルト55、テーパコレット52に形
成されているスリット及び工具57のシャンク部が貫通
するスペーサ53の貫通穴内壁面に形成した溝531を
通して工具57の先端に向け噴出される。
【0006】次に、コレット内やホルダ本体内への切粉
等の侵入を防止できるようにした従来の工具ホルダにつ
いて、図9を参照して説明する。この図9において、工
具ホルダ60は、ホルダ本体61、テーパコレット6
2、ロックナット63及びスチールカバー64等を備え
る。ホルダ本体61は、図示省略した工作機械の主軸に
挿着されるテーパシャンク部611と、このテーパシャ
ンク部611の大径側端部に形成した把持用フランジ部
612と、このフランジ部612の反テーパシャンク部
側の端面からテーパシャンク部612と反対の方向に軸
線を一致して延設された筒状の工具取付部613を有
し、この工具取付部613内の先端寄りにはテーパ穴6
14が形成されている。
【0007】スチールカバー64は、ロックナット63
の工具挿入開口631をカバーすることにより、切粉等
のコレット内やホルダ本体内への侵入を防止するもの
で、このスチールカバー64には工具65のシャンク径
より若干大きい径の工具挿通穴641が形成されてい
る。また、スチールカバー64は、これにロックナット
63を圧入することでロックナット63に固着され、さ
らに、スチールカバー64の縁部はカシメられている。
【0008】このように構成された工具ホルダ60にお
いて、工具65をチャッキングする場合は、テーパコレ
ット62をロックナット63に挿入した後、ロックナッ
ト63を工具取付部613の先端に挿入し、ロックナッ
ト63を工具取付部613の先端部外周に形成したねじ
部615に螺合する。その後、後部65のシャンク部6
51をスチールカバー64の工具挿通穴641を通して
テーパコレット62に挿入し、しかる後、ロックナット
63を締め付けることで工具65をチャッキングする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図8に示
すような従来の工具ホルダ50では、クーラントを工具
の先端に向け噴出させるスペーサ53はクーラントキャ
ップ54に装着され、Oリング56で固定される構造で
あるため、耐久性がないほか、Oリング56の劣化によ
りクーラント漏れが発生し易く、その結果、クーラント
がスペーサ53の溝531以外から噴出してしまうとい
う問題がある。また、上記図9に示すような従来の工具
ホルダ60では、スチールカバー64にロックナット6
3を圧入しカシメにより両者を一体化する構造になって
いるため、スチールカバー64とロックナット63との
組み付けが煩雑でコスト高になるほか、スチールカバー
64を取り付ける分、ロックナット63が大きくなると
いう問題がある。しかも、スチールカバー64とロック
ナット63を一度一体化するとスチールカバー64を破
壊しない限り両者を容易に分離できないため、ロックナ
ット63が工具65のシャンク径専用になってしまう。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、クーラント漏れのない耐久性に富
むクーラント供給を可能にし、併せてスチールカバーを
用いることなく防塵機能を有効に発揮し得る工具ホルダ
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、クーラントの流通
が可能な中空のホルダ本体と、前記ホルダ本体の先端部
の内周に設けられたテーパ穴に密嵌合されるスリット付
きのテーパコレットと、前記ホルダ本体の先端部外周に
形成したねじ部に螺合され、前記テーパコレットを前記
テーパ穴内に押し込むことでクーラント穴無しの切削工
具をチャッキングするロックナットを備える工具ホルダ
であって、前記ロックナットの切削工具挿入側開口を閉
塞する円盤状の蓋部材を備え、前記ロックナットは、該
ロックナットの切削工具挿入側開口の内面箇所に前記テ
ーパコレットの大径側端面が当接する鍔部を有し、この
鍔部の内周面に雌ねじを設け、前記蓋部材に前記雌ねじ
と液密に螺合する雄ねじ部を設け、前記雄ねじ部を含む
蓋部材の中心部には前記切削工具のシャンク部径より若
干大きい切削工具挿通穴を形成し、さらに前記蓋部材に
は前記切削工具の先端方向に向けクーラントを噴出する
噴出口を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記噴出口が、
前記切削工具挿通穴の内壁面に蓋部材の厚さ方向に延在
し、かつ切削工具挿通穴の周方向に所定間隔離して形成
したクーラント噴出用の溝から構成されることを特徴と
する。請求項3に記載の発明は、前記噴出口が、前記切
削工具挿通穴から離れた周囲箇所において、クーラント
が前記蓋部材の下面から切削工具の先端方向に向け噴出
するように開口し、かつ前記切削工具挿通穴に連通する
複数の流路から構成されることを特徴とする。請求項4
に記載の発明は、前記ロックナットの切削工具挿入側開
口の端面に前記蓋部材が密嵌合するインロー部を設けた
ことを特徴とする。請求項5に記載の発明は、前記蓋部
材が、該蓋部材を回転操作する工具係合穴を備えること
を特徴とする。請求項6に記載の発明は、前記ロックナ
ットの内周壁に、前記テーパコレットの大径側端部の外
周に設けたリング状溝が相対回転可能に係合する凸条を
形成したことを特徴とする。
【0013】請求項7に記載の発明は、中空のホルダ本
体と、前記ホルダ本体の先端部の内周に設けられたテー
パ穴に密嵌合されるスリット付きのテーパコレットと、
前記ホルダ本体の先端部外周に形成したねじ部に螺合さ
れ、前記テーパコレットを前記テーパ穴内に押し込むこ
とで切削工具をチャッキングするロックナットを備える
工具ホルダであって、前記ロックナットの切削工具挿入
側開口を閉塞する円盤状の蓋部材を備え、前記ロックナ
ットは、該ロックナットの切削工具挿入側開口の内面箇
所に前記テーパコレットの大径側端面が当接する鍔部を
有し、この鍔部の内周面に雌ねじを設け、前記蓋部材に
前記雌ねじと液密に螺合する雄ねじ部を設け、前記雄ね
じ部を含む蓋部材の中心部には前記切削工具のシャンク
部径より若干大きい工具挿通穴を形成したことを特徴と
する。
【0014】請求項8に記載の発明は、前記ロックナッ
トの切削工具挿入側開口の端面に前記蓋部材が密嵌合す
るインロー部を設けたことを特徴とする。請求項9に記
載の発明は、前記蓋部材が、該蓋部材を回転操作する工
具係合穴を備えることを特徴とする。請求項10に記載
の発明は、前記ロックナットの内周壁に、前記テーパコ
レットの大径側端部の外周に設けたリング状溝が相対回
転可能に係合する凸条を形成したことを特徴とする。
【0015】本発明においては、クーラントの液密性が
確実になってクーラント漏れのない、かつ耐久性に富む
クーラント供給が可能になる。また、本発明において
は、クーラント噴出口を、クーラントが蓋部材の下面か
ら切削工具の先端方向に向け噴出するように開口し、か
つ切削工具挿通穴に連通する複数の流路から構成するこ
とにより、小径の切削工具を把持する工具ホルダに好適
となる。また、本発明においては、蓋部材をロックナッ
トの切削工具挿入側開口が閉塞されるようにねじ結合で
取り付けることにより、コレット内やホルダ本体内への
切粉等の侵入を防止でき、スチールカバーを用いること
なく防塵機能を有効に発揮し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1はホルダ本体の軸心
を通してクーラント穴無しの切削工具にクーラントを供
給できるようにした本発明の工具ホルダの実施の形態を
示す組み立て状態の縦断面図、図2は本発明の実施の形
態における工具ホルダを分解して示す断面図、図3は本
発明の実施の形態における蓋部材の平面図である。図1
及び図2において、工具ホルダ10は、クーラントの流
通が可能な中空のホルダ本体11、スリット121付き
のテーパコレット12、このテーパコレット12を介し
てドリル等のクーラント穴無しの切削工具15をチャッ
キングするロックナット13、及びロックナット13の
切削工具挿入側開口131を閉塞する円盤状の蓋部材1
4等を備える。
【0017】上記ホルダ本体11は、図示省略した工作
機械の主軸に挿着されるテーパシャンク部111と、こ
のテーパシャンク部111の大径側端部に形成した把持
用フランジ部112と、このフランジ部112の反テー
パシャンク部側の端面からテーパシャンク部112と反
対の方向に軸線を一致して延設された筒状の切削工具取
付部113を有し、この切削工具取付部113内の先端
寄りにはテーパ穴114が形成されている。
【0018】上記テーパコレット12は、ホルダ本体1
1のテーパ穴114に密嵌合することで切削工具15を
ホルダ本体11に取着するものであり、このテーパコレ
ット12の切削工具把持力は、テーパコレット12をロ
ックナット13を切削工具取付部113の先端部外周に
形成したねじ部115に螺合によりテーパ穴114内に
押し込むことで付与される構成になっている。
【0019】上記ロックナット13は、このロックナッ
ト13の切削工具挿入側開口131の内面箇所にテーパ
コレット12の大径側端面が当接する鍔部132を有
し、この鍔部132の内周面には雌ねじ部133が設け
られており、さらに、ロックナット13の切削工具挿入
側開口131の端面には蓋部材14が密嵌合するインロ
ー部134が形成されている。また、ロックナット13
の内周壁に、テーパコレット12の大径側端部の外周に
設けたリング状の溝122が相対回転可能に係合する凸
条135がリング状に形成されている。このリング状の
溝122を凸条135に係合する場合は、テーパコレッ
ト12の大径側を縮径することにより行われる。
【0020】上記蓋部材14は、ロックナット13の雌
ねじ部133と液密に螺合する雄ねじ部141を有し、
さらに、この雄ねじ部141を含む蓋部材14の中心部
には、切削工具15のシャンク部151の径より若干大
きい径(シャンク径の公差の約2〜3倍程度の大きい
径)の切削工具挿通穴142が形成されている。また、
この切削工具挿通穴142の内壁面には、蓋部材14の
厚さ方向に延在するクーラント噴出用の溝143が切削
工具挿通穴142の周方向に所定間隔離して複数形成さ
れている。また、蓋部材14には、この蓋部材14を回
転操作する工具係合穴144が形成されている。
【0021】上記のように構成された工具ホルダ10に
おいて、リング状の溝122を凸条135に係合するこ
とにより、テーパコレット12をロックナット13に相
対回転可能に連結する。そして、蓋部材14の雄ねじ部
141をロックナット13の雌ねじ部133に螺合して
締め付け、蓋部材14をロックナット13のインロー部
134に密嵌合することで、蓋部材14をロックナット
13の切削工具挿入側開口131に液密に結合する。そ
の後、テーパコレット12をホルダ本体11のテーパ穴
114内に挿入し、ロックナット13を切削工具取付部
113のねじ部115に螺合して仮装着しておく。しか
る後、切削工具15のシャンク部151を蓋部材14の
切削工具挿通穴142を通してテーパコレット12内に
挿入し、ロックナット13を締め付けることで、切削工
具15をホルダ本体11に取着する。
【0022】このような工具ホルダ10が工作機械の主
軸に装着された状態において、主軸の内部を通して工具
ホルダ10に供給されるクータントは、中空のホルダ本
体11を通して、テーパコレット12のスリット121
から蓋部材14側へ流出し、さらに、クーラント噴出用
の溝143から切削工具15の先端方向に向けて噴出さ
れる。
【0023】上記のような本実施の形態による工具ホル
ダによれば、ロックナット13の切削工具挿入側開口1
31を閉塞する蓋部材14を設け、そして、ロックナッ
ト13に雌ねじ部133とインロー部134を設け、こ
の雌ねじ部133に蓋部材14の雄ねじ部141を螺合
して締め付けることにより、蓋部材14をロックナット
13のインロー部134に密嵌合させる構成にしたか
ら、クーラントの液密性が確実になってクーラント漏れ
のない、かつ耐久性に富むクーラント供給が可能にる。
【0024】図4及び図5により本発明の工具ホルダに
おける蓋部材の他の実施の形態について説明する。図4
は本発明の他の実施の形態における蓋部材の縦断面図、
図5はその底面図である。この図4及び図5において、
蓋部材21は、図1に示す場合と同様な雄ねじ部21
1、この雄ねじ部211を含む蓋部材21の中心部に形
成した切削工具挿通穴212、及び工具係合穴213を
有している。そして、図1に示す蓋部材14と異なる点
は、把持される切削工具のシャンク部の径が小径で、蓋
部材21に形成される切削工具挿通穴212も小径にな
る関係上、この蓋部材21に形成されるクーラント噴出
口22は、切削工具挿通穴212から離れた周囲箇所に
おいて、クーラントが蓋部材21の下面から切削工具の
先端方向に向け噴出するように開口し、かつ切削工具挿
通穴212に連通する複数の流路221から構成されて
いる。
【0025】このような本発明の他の実施の形態によれ
ば、上記図1に示す場合と同様な作用効果が得られるほ
か、小径の切削工具を把持する工具ホルダに好適とな
る。
【0026】次に、コレット内やホルダ本体内への切粉
等の侵入を防止できるようにした蓋部材の実施の形態に
ついて、図6及び図7により説明する。図6はコレット
内やホルダ本体内への切粉等の侵入を防止できるように
した実施の形態における蓋部材の縦断面図、図7はその
底面図である。この図6及び図7において、蓋部材31
は、図1に示す場合と同様な雄ねじ部311、この雄ね
じ部311を含む蓋部材31の中心部に形成した切削工
具挿通穴312、及び工具係合穴313を有している。
そして、図1に示す蓋部材14と異なる点は、クーラン
ト噴射用の溝を省略し、コレット内やホルダ本体内への
切粉等の侵入を防止する防塵機能を発揮できるようにし
たところにある。なお、この蓋部材31が適用される工
具ホルダの構成は図1に示すものと同一であるので、そ
の構成説明は省略する。
【0027】このような蓋部材31を用いた工具ホルダ
によれば、蓋部材31を図1に示すロックナット13の
切削工具挿入側開口131が閉塞されるようにねじ結合
で取り付けることができるから、図8に示す従来の工具
ホルダのようなスチールカバーが不要になり、このた
め、ロックナットが大きくなるのを抑えることができる
とともに、蓋部材31の分離が容易であるため、蓋部材
31の内側に堆積する塵埃等の除去も容易に行うことが
できると共に、工具65のシャンク径が異なるもので
も、蓋部材31を交換するだけでよく、汎用性が高い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ク
ーラントの液密性が確実になってクーラント漏れのな
い、かつ耐久性に富むクーラント供給が可能になる。ま
た、本発明によれば、クーラント噴出口を、クーラント
が蓋部材の下面から切削工具の先端方向に向け噴出する
ように開口し、かつ切削工具挿通穴に連通する複数の流
路から構成することにより、小径の切削工具を把持する
工具ホルダに好適となる。また、本発明によれば、蓋部
材をロックナットの切削工具挿入側開口が閉塞されるよ
うにねじ結合で取り付けることにより、コレット内やホ
ルダ本体内への切粉等の侵入を防止でき、スチールカバ
ーを用いることなく防塵機能を有効に発揮できる。ま
た、工具のシャンク径が異なる場合は、切削工具挿通穴
の穴径の異なる蓋部材を用いればよく、汎用性が高く、
経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホルダ本体の軸心を通してクーラント穴無しの
切削工具にクーラントを供給できるようにした本発明の
工具ホルダの実施の形態を示す組み立て状態の縦断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態における工具ホルダを分解
して示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における蓋部材の平面図で
ある。
【図4】本発明の他の実施の形態における蓋部材の縦断
面図である。
【図5】図4の底面図である。
【図6】コレット内やホルダ本体内への切粉等の侵入を
防止できるようにした実施の形態における蓋部材の縦断
面図である
【図7】図6の底面図である。
【図8】従来のホルダ本体の軸心を通してクーラント穴
無しの切削工具にクーラントを供給できるようにした工
具ホルダの縦断面図である。
【図9】従来のコレット内やホルダ本体内への切粉等の
侵入を防止できるようにした工具ホルダの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 工具ホルダ 11 ホルダ本体 12 テーパコレット 121 スリット 13 ロックナット 14、21、31 蓋部材 15 切削工具 114 テーパ穴 115 ねじ部 122 リング状溝 131 切削工具挿入側開口 132 鍔部 133 雌ねじ部 134 インロー部 135 凸条 141、211、311 雄ねじ部 142、212、312 切削工具挿通穴 143 クーラント噴出用溝(噴出口) 144、213、313 工具係合穴
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月10日(2000.4.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 工具ホルダ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル等の切削工
具をテーパコレット及びロックナットを用いてホルダ本
体に固定する工具ホルダに関し、特にホルダ本体の軸心
を通してクーラント穴無しの切削工具にクーラントを供
給できるようにした工具ホルダ及びコレット内やホルダ
本体内への切粉等の侵入を防止できるようにした工具ホ
ルダに関するのもである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホルダ本体の軸心を通してクーラ
ント穴無しの切削工具にクーラントを供給できるように
した工具ホルダとしては、図8に示す構造のものが知ら
れている。この図8において、工具ホルダ50は、ホル
ダ本体51、テーパコレット52、隙間スルー溝式のス
ペーサ53及びクーラントキャップ54等を備える。
【0003】ホルダ本体51は、図示省略した工作機械
の主軸に挿着されるテーパシャンク部511と、このテ
ーパシャンク部511の大径側端部に形成した把持用フ
ランジ部512と、このフランジ部512の反テーパシ
ャンク部側の端面からテーパシャンク部512と反対の
方向に軸線を一致して延設された筒状の工具取付部51
3を有する。上記工具取付部513の内壁にはテーパ穴
514が形成されており、このテーパ穴514にはテー
パコレット52が挿入され、このテーパコレット52の
挿入端をホルダ本体51内に設けた中空の締付ボルト5
5に螺合するとともに、この締付ボルト55をホルダ本
体51の後端から挿入される図示省略の専用レンチで締
め付け方向に回転することでテーパコレット52を引き
込み、仮締めする。
【0004】次に、クーラントキャップ54にスペーサ
53を装着し、Oリング56で固定する。このクーラン
トキャップ54をホルダ本体51の先端部に螺合し、締
め付けることでクーラントキャップ54をホルダ本体5
1に固定する。その後、工具57をクーラントキャップ
54及びスペーサ53を通してテーパコレット52に挿
入し、再びホルダ本体51の後端から図示省略の専用レ
ンチを差し込んで締付ボルト55を締め付けることによ
り、テーパコレット52をテーパ穴514内に更に引き
込むことで工具57を確実にチャッキングする。
【0005】このような工具ホルダ50が工作機械の主
軸に装着された状態において、主軸の内部を通して工具
ホルダに供給されるクータントは、ホルダ本体51の後
端から中空の締付ボルト55、テーパコレット52に形
成されているスリット及び工具57のシャンク部が貫通
するスペーサ53の貫通穴内壁面に形成した溝531を
通して工具57の先端に向け噴出される。
【0006】次に、コレット内やホルダ本体内への切粉
等の侵入を防止できるようにした従来の工具ホルダにつ
いて、図9を参照して説明する。この図9において、工
具ホルダ60は、ホルダ本体61、テーパコレット6
2、ロックナット63及びスチールカバー64等を備え
る。ホルダ本体61は、図示省略した工作機械の主軸に
挿着されるテーパシャンク部611と、このテーパシャ
ンク部611の大径側端部に形成した把持用フランジ部
612と、このフランジ部612の反テーパシャンク部
側の端面からテーパシャンク部612と反対の方向に軸
線を一致して延設された筒状の工具取付部613を有
し、この工具取付部613内の先端寄りにはテーパ穴6
14が形成されている。
【0007】スチールカバー64は、ロックナット63
の工具挿入開口631をカバーすることにより、切粉等
のコレット内やホルダ本体内への侵入を防止するもの
で、このスチールカバー64には工具65のシャンク径
より若干大きい径の工具挿通穴641が形成されてい
る。また、スチールカバー64は、これにロックナット
63を圧入することでロックナット63に固着され、さ
らに、スチールカバー64の縁部はカシメられている。
【0008】このように構成された工具ホルダ60にお
いて、工具65をチャッキングする場合は、テーパコレ
ット62をロックナット63に挿入した後、ロックナッ
ト63を工具取付部613の先端に挿入し、ロックナッ
ト63を工具取付部613の先端部外周に形成したねじ
部615に螺合する。その後、後部65のシャンク部6
51をスチールカバー64の工具挿通穴641を通して
テーパコレット62に挿入し、しかる後、ロックナット
63を締め付けることで工具65をチャッキングする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図8に示
すような従来の工具ホルダ50では、クーラントを工具
の先端に向け噴出させるスペーサ53はクーラントキャ
ップ54に装着され、Oリング56で固定される構造で
あるため、耐久性がないほか、Oリング56の劣化によ
りクーラント漏れが発生し易く、その結果、クーラント
がスペーサ53の溝531以外から噴出してしまうとい
う問題がある。また、上記図9に示すような従来の工具
ホルダ60では、スチールカバー64にロックナット6
3を圧入しカシメにより両者を一体化する構造になって
いるため、スチールカバー64とロックナット63との
組み付けが煩雑でコスト高になるほか、スチールカバー
64を取り付ける分、ロックナット63が大きくなると
いう問題がある。しかも、スチールカバー64とロック
ナット63を一度一体化するとスチールカバー64を破
壊しない限り両者を容易に分離できないため、ロックナ
ット63が工具65のシャンク径専用になってしまう。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、クーラント漏れのない耐久性に富
むクーラント供給を可能にし、併せてスチールカバーを
用いることなく防塵機能を有効に発揮し得る工具ホルダ
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、クーラントの流通
が可能な中空のホルダ本体と、前記ホルダ本体の先端部
の内周に設けられたテーパ穴に密嵌合されるスリット付
きのテーパコレットと、前記ホルダ本体の先端部外周に
形成したねじ部に螺合され、前記テーパコレットを前記
テーパ穴内に押し込むことでクーラント穴無しの切削工
具をチャッキングするロックナットを備える工具ホルダ
であって、前記ロックナットの切削工具挿入側開口を閉
塞する、該開口の径より十分大きい外径を有する円盤状
の蓋部材を備え、前記ロックナット切削工具挿入側開
口の内面箇所、前記テーパコレットの大径側の外径よ
り小さい内径で、かつテーパコレット12の大径側端面
が当接する鍔部を設け、この鍔部の内周面に雌ねじ
形成し、前記ロックナットの切削工具挿入側開口が臨む
端面に前記蓋部材の外径及び厚さに対応する内径及び深
さを有する蓋部材密嵌合用のインロー部を形成し、前記
蓋部材の一方の面には前記雌ねじ部と液密に螺合される
雄ねじ部を軸線を一致して設け、前記雄ねじ部を含む
部材の中心部には前記切削工具のシャンク部径より若干
大きい切削工具挿通穴を形成し、さらに前記雄ねじ部を
含む蓋部材には前記切削工具の先端方向に向けクーラン
トを噴出する噴出口を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記噴出口が、
前記切削工具挿通穴の内壁面に雄ねじ部の軸方向に延在
し、かつ切削工具挿通穴の周方向に所定間隔離して形成
したクーラント噴出用の溝から構成されることを特徴と
する。請求項3に記載の発明は、前記噴出口が、前記切
削工具挿通穴から離れた周囲箇所において、クーラント
が前記蓋部材の下面から切削工具の先端方向に向け噴出
するように開口し、かつ前記切削工具挿通穴に連通する
複数の流路から構成されることを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記蓋部材が、
該蓋部材を回転操作する工具係合穴を備えることを特徴
とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記ロックナッ
トの内周壁に、前記テーパコレットの大径側端部の外周
に設けたリング状溝が相対回転可能に係合する凸条を形
成したことを特徴とする。
【0015】本発明においては、ロックナットの切削工
具挿入側開口が臨む端面に蓋部材の外径及び厚さに対応
する内径及び深さを有するインロー部を形成し、蓋部材
の一方の面に設けた雄ねじ部を雌ねじ部に液密に螺合す
るとともにインロー部に蓋部材を密嵌合する構成にする
ことにより、Oリング等のシール材を用いることなくロ
ックナットと蓋部材との結合部分の液密性を確実にで
、クーラント漏れのない、かつ耐久性に富むクーラン
ト供給が可能になる。また、本発明においては、クーラ
ント噴出口を、クーラントが蓋部材の下面から切削工具
の先端方向に向け噴出するように開口し、かつ切削工具
挿通穴に連通する複数の流路から構成することにより、
ロックナットと蓋部材との結合部分からクーラント漏れ
を生じさせることなく切削部分に有効にクーラントを供
給することができ、小径の切削工具を把持する工具ホル
ダに好適となる。また、本発明においては、蓋部材の雄
ねじ部をロックナットの雌ねじ部に、ロックナットの切
削工具挿入側開口が閉塞されるようにねじ結合で取り付
けることにより、コレット内やホルダ本体内への切粉等
の侵入を防止でき、スチールカバーを用いることなく防
塵機能を有効に発揮し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1はホルダ本体の軸心
を通してクーラント穴無しの切削工具にクーラントを供
給できるようにした本発明の工具ホルダの実施の形態を
示す組み立て状態の縦断面図、図2は本発明の実施の形
態における工具ホルダを分解して示す断面図、図3は本
発明の実施の形態における蓋部材の平面図である。図1
及び図2において、工具ホルダ10は、クーラントの流
通が可能な中空のホルダ本体11、スリット121付き
のテーパコレット12、このテーパコレット12を介し
てドリル等のクーラント穴無しの切削工具15をチャッ
キングするロックナット13、及びロックナット13の
切削工具挿入側開口131を閉塞する、該開口131の
径より十分大きい外径を有する円盤状の蓋部材14等を
備える。
【0017】上記ホルダ本体11は、図示省略した工作
機械の主軸に挿着されるテーパシャンク部111と、こ
のテーパシャンク部111の大径側端部に形成した把持
用フランジ部112と、このフランジ部112の反テー
パシャンク部側の端面からテーパシャンク部112と反
対の方向に軸線を一致して延設された筒状の切削工具取
付部113を有し、この切削工具取付部113内の先端
寄りにはテーパ穴114が形成されている。
【0018】上記テーパコレット12は、ホルダ本体1
1のテーパ穴114に密嵌合することで切削工具15を
ホルダ本体11に取着するものであり、このテーパコレ
ット12の切削工具把持力は、テーパコレット12をロ
ックナット13を切削工具取付部113の先端部外周に
形成したねじ部115に螺合によりテーパ穴114内に
押し込むことで付与される構成になっている。
【0019】上記ロックナット13の切削工具挿入側開
口131の内面箇所には、テーパコレット12の大径側
の外径より小さい内径を有し、かつテーパコレット12
の大径側端面が当接する鍔部132が形成され、この鍔
部132の内周面には雌ねじ部133が設けられてお
り、さらに、ロックナット13の切削工具挿入側開口1
31が臨む端面には、蓋部材14の外径及び厚さに対応
する内径及び深さを有するインロー部134が形成され
ている。また、ロックナット13の内周壁に、テーパコ
レット12の大径側端部の外周に設けたリング状の溝1
22が相対回転可能に係合する凸条135がリング状に
形成されている。このリング状の溝122を凸条135
に係合する場合は、テーパコレット12の大径側を縮径
することにより行われる。
【0020】上記蓋部材14は、その一方の面に軸線を
一致して突設され、ロックナット13の雌ねじ部133
に液密に螺合される雄ねじ部141を有し、この雄ねじ
部141を含む蓋部材14の中心部には、切削工具15
のシャンク部151の径より若干大きい径の切削工具挿
通穴142が同心に形成されている。また、この切削工
具挿通穴142の内壁面には、雄ねじ部141の軸方向
に延在するクーラント噴出用の溝143が切削工具挿通
穴142の周方向に所定間隔離して複数形成されてい
る。また、蓋部材14には、この蓋部材14を回転操作
する工具係合穴144が形成されている。
【0021】上記のように構成された工具ホルダ10に
おいて、リング状の溝122を凸条135に係合するこ
とにより、テーパコレット12をロックナット13に相
対回転可能に連結する。そして、蓋部材14の雄ねじ部
141をロックナット13の雌ねじ部133に螺合して
締め付け、蓋部材14をロックナット13のインロー部
134に密嵌合することで、蓋部材14をロックナット
13の切削工具挿入側開口131に液密に結合する。そ
の後、テーパコレット12をホルダ本体11のテーパ穴
114内に挿入し、ロックナット13を切削工具取付部
113のねじ部115に螺合して仮装着しておく。しか
る後、切削工具15のシャンク部151を蓋部材14の
切削工具挿通穴142を通してテーパコレット12内に
挿入し、ロックナット13を締め付けることで、切削工
具15をホルダ本体11に取着する。
【0022】このような工具ホルダ10が工作機械の主
軸に装着された状態において、主軸の内部を通して工具
ホルダ10に供給されるクータントは、中空のホルダ本
体11を通して、テーパコレット12のスリット121
から蓋部材14側へ流出し、さらに、クーラント噴出用
の溝143から切削工具15の先端方向に向けて噴出さ
れる。
【0023】上記のような本実施の形態による工具ホル
ダによれば、ロックナット13の切削工具挿入側開口1
31を閉塞する蓋部材14を開口131の径より十分大
きい外径の円盤状に形成し、ロックナット13の切削工
具挿入側開口131が臨む端面に蓋部材14の外径及び
厚さに対応する内径及び深さを有するインロー部134
を形成し、蓋部材14の一方の面に設けた雄ねじ部14
1をロックナット13の雌ねじ部133に螺合して締め
付けることにより、蓋部材14をロックナット13のイ
ンロー部134に密嵌合させる構成にしたから、Oリン
グ等のシール材を用いることなくロックナット13と蓋
部材14との結合部分の液密性を確実にできるととも
クーラント漏れを防止でき、かつ耐久性に富むクー
ラント供給が可能にる。また、従来のようなスチールカ
バーを用いることなく防塵機能を発揮させることができ
る。
【0024】図4及び図5により本発明の工具ホルダに
おける蓋部材の他の実施の形態について説明する。図4
は本発明の他の実施の形態における蓋部材の縦断面図、
図5はその底面図である。この図4及び図5において、
蓋部材21は、図1に示す場合と同様な雄ねじ部21
1、この雄ねじ部211を含む蓋部材21の中心部に形
成した切削工具挿通穴212、及び工具係合穴213を
有している。そして、図1に示す蓋部材14と異なる点
は、把持される切削工具のシャンク部の径が小径で、蓋
部材21に形成される切削工具挿通穴212も小径にな
る関係上、この蓋部材21に形成されるクーラント噴出
口22は、切削工具挿通穴212から離れた周囲箇所に
おいて、クーラントが蓋部材21の下面から切削工具の
先端方向に向け噴出するように開口し、かつ切削工具挿
通穴212に連通する複数の流路221から構成されて
いる。
【0025】このような本発明の他の実施の形態によれ
ば、上記図1に示す場合と同様な作用効果が得られるほ
か、ロックナットと蓋部材との結合部分からクーラント
漏れを生じさせることなく切削部分に有効にクーラント
を供給することができ、小径の切削工具を把持する工具
ホルダに好適となる。
【0026】次に、コレット内やホルダ本体内への切粉
等の侵入を防止できるようにした蓋部材の実施の形態に
ついて、図6及び図7により説明する。図6はコレット
内やホルダ本体内への切粉等の侵入を防止できるように
した実施の形態における蓋部材の縦断面図、図7はその
底面図である。この図6及び図7において、蓋部材31
は、図1に示す場合と同様な雄ねじ部311、この雄ね
じ部311を含む蓋部材31の中心部に形成した切削工
具挿通穴312、及び工具係合穴313を有している。
そして、図1に示す蓋部材14と異なる点は、クーラン
ト噴射用の溝を省略し、コレット内やホルダ本体内への
切粉等の侵入を防止する防塵機能を発揮できるようにし
たところにある。なお、この蓋部材31が適用される工
具ホルダの構成は図1に示すものと同一であるので、そ
の構成説明は省略する。
【0027】このような蓋部材31を用いた工具ホルダ
によれば、蓋部材31を図1に示すロックナット13の
切削工具挿入側開口131が閉塞されるようにねじ結合
で取り付けることができるから、図8に示す従来の工具
ホルダのようなスチールカバーが不要になり、このた
め、ロックナットが大きくなるのを抑えることができる
とともに、蓋部材31の分離が容易であるため、蓋部材
31の内側に堆積する塵埃等の除去も容易に行うことが
できると共に、工具65のシャンク径が異なるもので
も、蓋部材31を交換するだけでよく、汎用性が高い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
ックナットの切削工具挿入側開口が臨む端面に蓋部材の
外径及び厚さに対応する内径及び深さを有するインロー
部を形成し、蓋部材の一方の面に設けた雄ねじ部を雌ね
じ部に液密に螺合するとともにインロー部に蓋部材を密
嵌合する構成にすることにより、Oリング等のシール材
を用いることなくロックナットと蓋部材との結合部分の
液密性を確実にでき、クーラント漏れのない、かつ耐久
性に富むクーラント供給が可能になる。また、本発明に
よれば、クーラント噴出口を、クーラントが蓋部材の下
面から切削工具の先端方向に向け噴出するように開口
し、かつ切削工具挿通穴に連通する複数の流路から構成
することにより、ロックナットと蓋部材との結合部分か
らクーラント漏れを生じさせることなく切削部分に有効
にクーラントを供給することができ、小径の切削工具を
把持する工具ホルダに好適となる。また、本発明によれ
ば、蓋部材の雄ねじ部をロックナットの雌ねじ部に、ロ
ックナットの切削工具挿入側開口が閉塞されるようにね
じ結合で取り付けることにより、コレット内やホルダ本
体内への切粉等の侵入を防止でき、スチールカバーを用
いることなく防塵機能を有効に発揮できる。また、工具
のシャンク径が異なる場合は、切削工具挿通穴の穴径の
異なる蓋部材を用いればよく、汎用性が高く、経済的で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホルダ本体の軸心を通してクーラント穴無しの
切削工具にクーラントを供給できるようにした本発明の
工具ホルダの実施の形態を示す組み立て状態の縦断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態における工具ホルダを分解
して示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における蓋部材の平面図で
ある。
【図4】本発明の他の実施の形態における蓋部材の縦断
面図である。
【図5】図4の底面図である。
【図6】コレット内やホルダ本体内への切粉等の侵入を
防止できるようにした実施の形態における蓋部材の縦断
面図である
【図7】図6の底面図である。
【図8】従来のホルダ本体の軸心を通してクーラント穴
無しの切削工具にクーラントを供給できるようにした工
具ホルダの縦断面図である。
【図9】従来のコレット内やホルダ本体内への切粉等の
侵入を防止できるようにした工具ホルダの縦断面図であ
る。
【符号の説明】 10 工具ホルダ 11 ホルダ本体 12 テーパコレット 121 スリット 13 ロックナット 14,21,31 蓋部材 15 切削工具 114 テーパ穴 115 ねじ部 122 リング状溝 131 切削工具挿入側開口 132 鍔部 133 雌ねじ部 134 インロー部 135 凸条 141,211,311 雄ねじ部 142,212,312 切削工具挿通穴 143 クーラント噴出用溝(噴出口) 144,213,313 工具係合穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 英策 大阪府東大阪市元町1丁目6番53号 株式 会社日研工作所内 Fターム(参考) 3C011 EE06 EE09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クーラントの流通が可能な中空のホルダ
    本体と、前記ホルダ本体の先端部の内周に設けられたテ
    ーパ穴に密嵌合されるスリット付きのテーパコレット
    と、前記ホルダ本体の先端部外周に形成したねじ部に螺
    合され、前記テーパコレットを前記テーパ穴内に押し込
    むことでクーラント穴無しの切削工具をチャッキングす
    るロックナットを備える工具ホルダであって、 前記ロックナットの切削工具挿入側開口を閉塞する円盤
    状の蓋部材を備え、 前記ロックナットは、該ロックナットの切削工具挿入側
    開口の内面箇所に前記テーパコレットの大径側端面が当
    接する鍔部を有し、この鍔部の内周面に雌ねじを設け、
    前記蓋部材に前記雌ねじと液密に螺合する雄ねじ部を設
    け、前記雄ねじ部を含む蓋部材の中心部には前記切削工
    具のシャンク部径より若干大きい切削工具挿通穴を形成
    し、さらに前記蓋部材には前記切削工具の先端方向に向
    けクーラントを噴出する噴出口を設けたことを特徴とす
    る工具ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記噴出口は、前記切削工具挿通穴の内
    壁面に蓋部材の厚さ方向に延在し、かつ切削工具挿通穴
    の周方向に所定間隔離して形成したクーラント噴出用の
    溝から構成されることを特徴とする請求項1記載の工具
    ホルダ。
  3. 【請求項3】 前記噴出口は、前記切削工具挿通穴から
    離れた周囲箇所において、クーラントが前記蓋部材の下
    面から切削工具の先端方向に向け噴出するように開口
    し、かつ前記切削工具挿通穴に連通する複数の流路から
    構成されることを特徴とする請求項1記載の工具ホル
    ダ。
  4. 【請求項4】 前記ロックナットの切削工具挿入側開口
    の端面に前記蓋部材が密嵌合するインロー部を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記蓋部材は、該蓋部材を回転操作する
    工具係合穴を備えることを特徴とする請求項1記載の工
    具ホルダ。
  6. 【請求項6】 前記ロックナットの内周壁に、前記テー
    パコレットの大径側端部の外周に設けたリング状溝が相
    対回転可能に係合する凸条を形成したことを特徴とする
    請求項1記載の工具ホルダ。
  7. 【請求項7】 中空のホルダ本体と、前記ホルダ本体の
    先端部の内周に設けられたテーパ穴に密嵌合されるスリ
    ット付きのテーパコレットと、前記ホルダ本体の先端部
    外周に形成したねじ部に螺合され、前記テーパコレット
    を前記テーパ穴内に押し込むことで切削工具をチャッキ
    ングするロックナットを備える工具ホルダであって、 前記ロックナットの切削工具挿入側開口を閉塞する円盤
    状の蓋部材を備え、 前記ロックナットは、該ロックナットの切削工具挿入側
    開口の内面箇所に前記テーパコレットの大径側端面が当
    接する鍔部を有し、この鍔部の内周面に雌ねじを設け、
    前記蓋部材に前記雌ねじと液密に螺合する雄ねじ部を設
    け、前記雄ねじ部を含む蓋部材の中心部には前記切削工
    具のシャンク部径より若干大きい工具挿通穴を形成した
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  8. 【請求項8】 前記ロックナットの切削工具挿入側開口
    の端面に前記蓋部材が密嵌合するインロー部を設けたこ
    とを特徴とする請求項7記載の工具ホルダ。
  9. 【請求項9】 前記蓋部材は、該蓋部材を回転操作する
    工具係合穴を備えることを特徴とする請求項7記載の工
    具ホルダ。
  10. 【請求項10】 前記ロックナットの内周壁に、前記テ
    ーパコレットの大径側端部の外周に設けたリング状溝が
    相対回転可能に係合する凸条を形成したことを特徴とす
    る請求項7記載の工具ホルダ。
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