JP2000315886A - 電磁シールド装置及び電磁シールドルーム - Google Patents

電磁シールド装置及び電磁シールドルーム

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JP2000315886A
JP2000315886A JP11124054A JP12405499A JP2000315886A JP 2000315886 A JP2000315886 A JP 2000315886A JP 11124054 A JP11124054 A JP 11124054A JP 12405499 A JP12405499 A JP 12405499A JP 2000315886 A JP2000315886 A JP 2000315886A
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shield
electromagnetic wave
wave absorber
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Toru Iwaoka
徹 岩岡
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SAN TECHNOS KK
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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SAN TECHNOS KK
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なシールド効果を持つ電磁シールド装置
及び電磁シールドルームを提供する。 【解決手段】 隙間部分及び/又は孔を電磁波吸収体で
被覆する。例えば、少なくとも1つの開口部を有するシ
ールドパネルを備える電磁シールド装置であって、開口
部の周囲を金属板で筒状に囲み、前記開口部を包囲し、
且つ前記シールドパネルから突出する方向に延在する中
空導電性筒状部と、当該筒状部内に配置され、当該筒状
内を透過しようとする電磁波を遮断するための導電性板
と、前記筒状部及び/又は前記導電性板に配置された電
磁波吸収体と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波を遮蔽する
電磁シールド装置及び電磁シールドルームに関する。
【0002】
【従来の技術】電磁シールドルームの基本的な考え方
は、導電性物質で包囲された部屋を作ることにある。導
電性物質で包囲された部屋の中には外部の電磁波は入り
込めず、逆に、導電性物質で包囲された部屋の中に電磁
波の発信源を置いた時には、その外部に電磁波は漏れな
いからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際のシー
ルドルームには、ドアや換気口等の接合部が存在するた
めに、完全密閉されたシールドルームを作ることは困難
である。そこで、ドアや換気口等の接合部分を十分に圧
着するか、当該接合部分に細かな金属、金属メッシュ、
或は金属ガスケットを挿入することによって電磁シール
ドルームを構成していたが、そのシールド効果には限界
があった。
【0004】本発明は、上述した事情より成されたもの
であり、本発明の目的は、十分なシールド効果を持つ電
磁シールド装置及び電磁シールドルームを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電磁波を遮蔽
する電磁シールド装置及び電磁シールドルームに関する
ものであり、本発明の上記目的は、装置の発明に関して
は、隙間部分及び/又は孔を電磁波吸収体で被覆するよ
うに構成することにより達成される。又、1GHz以上
の周波数の電磁波を遮蔽する電磁波吸収体によって隙間
部分及び/又は孔を被覆するように構成することによっ
ても達成される。この場合、前記隙間部分がシールドパ
ネル、導電性物質、ドア、電源フィルター、又はコネク
タパネルと、シールドパネル、又は導電性物質との接合
部であってもよい。
【0006】又、本発明は、少なくとも1つの開口部を
有するシールドパネルを備える電磁シールド装置であっ
て、開口部の周囲を金属板で筒状に囲み、前記開口部を
包囲し、且つ前記シールドパネルから突出する方向に延
在する中空導電性筒状部と、当該筒状部内に配置され、
当該筒状部内を透過しようとする電磁波を遮断するため
の導電性板と、前記筒状部及び/又は前記導電性板に配
置された電磁波吸収体と、を備えるように構成されるこ
とによっても達成される。
【0007】以上のように構成された装置によれば、ま
ず、金属板によって開口部の周囲を筒状に囲み、前記開
口部包囲し且つ前記シールドパネルから突出する方向に
延在する中空導電性筒状部が配置される。そして、当該
筒状部内を透過しようとする電磁波を遮断するための導
電性板が、前記筒状部内に配置される。更に、前記筒状
部及び/又は前記導電性板に電磁波吸収体が配置され、
少なくとも1つの開口部を有するシールドパネルを備え
る電磁シールド装置が得られる。
【0008】又、この場合、前記開口部がハニカム状の
導電性物質で構成されるものである。
【0009】更に、物の発明においては、本発明の上記
目的は、電磁シールドルームを構成する内面に電磁波吸
収体を備えることにより達成される。又、シールドパネ
ルによって構成された電磁シールドルームであって、当
該電磁シールドルームに存在する接合部及び/又は前記
シールドパネル内部の孔に電磁波吸収体を設けることに
よっても達成される。この場合、前記電磁波吸収体が、
1GHz以上の周波数の電磁波を遮蔽するものであると
効果的である。又、ドアを備えた電磁シールドルームで
ある場合は、前記接合部が前記ドアと前記ドアを固定す
る部分との間にできる接合部であり、コネクタパネルを
備えた電磁シールドルームである場合は、前記接合部が
前記コネクタパネルと前記コネクタパネルを固定する部
分との間に構成される接合部であり、電源フィルターを
備えた電磁シールドルームである場合は、前記接合部が
前記電源フィルターと前記電源フィルターを固定する部
分との間に構成される接合部である。
【0010】又、本発明の上記目的は、少なくとも1つ
の開口部を有するシールドパネルを備える電磁シールド
ルームであって、開口部の周囲を金属板で筒状に囲み、
前記開口部を包囲し、且つ前記シールドパネルから突出
する方向に延在する中空導電性筒状部と、当該筒状部内
に配置され、当該筒状部内を透過しようとする電磁波を
遮断するための導電性板と、前記筒状部及び/又は前記
導電性板に配置された電磁波吸収体と、を備えることに
よっても達成される。この場合、前記電磁波吸収体が、
1GHz以上の周波数の電磁波を遮蔽するものを使用す
るとより効果的であり、又、前記開口部がハニカム状の
導電性物質で構成されるようになっている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。本発明で用いる電磁
波吸収体は、電磁波を吸収する素材で構成され、ゴム、
ウレタン、シリコーンゴム、天然ゴム、又は発泡スチロ
ール等を基材にし、これらにカーボン及び/又はフェラ
イト材料を含有させたものが例として挙げられる。これ
らの電磁波吸収体を、シールドしようとする部屋の内壁
に貼り付けることによって、シールドルームを構成する
ことができる。又、既存の電磁シールドルームの場合、
以下に示す実施の形態のようにシールドルーム内の接合
部に存在し得る隙間部分及び/又は孔の部分を電磁波吸
収体で覆うことにより、十分なシールド性能が発揮され
る。
【0012】以下、図1〜5を参照して吸収体を取り付
ける態様を説明する。これら吸収体取付態様は、単なる
例示であって他の態様で吸収体を取り付けることができ
る。
【0013】図1はシールドパネル間の接合部の一実施
の形態を示す断面図である。(A)は吸収体を取り付け
る前の状態を示す図である。シールドパネルは、鉄、黄
銅などの導電性物質で構成されるものである。これらシ
ールドパネル同士を接合するには、(A)に示されるよ
うに、Hatジョイント2とFlatジョイント3で両
シールドパネル1を接合した後に、Hatジョイント2
とFlatジョイント3とをビス4で固定し、締め付け
る。この時、Flatジョイント3とシールドパネル1
との間、及びビス4とFlatジョイント3との間に高
周波数の電磁波が通り抜けられる隙間ができる可能性が
ある。そこで、これらの隙間部分を塞ぐように図(B)
に示すようにしてFlatジョイント3とビス4の上を
電磁波吸収体5で覆う。これにより、外部の電磁波がシ
ールドルーム内に侵入することを防ぐことができる。こ
こで用いられる電磁波吸収体の厚さは、用いる素材によ
り異なるが、電磁波が電磁波吸収体中を通過する間に十
分に減衰する厚さであれば良い。
【0014】図2は電磁波吸収体を備えたドアをシール
ドルームに取り付けた場合の一実施の態様を示す図であ
る。(A)は電磁シールドルームに備え付けられたドア
11を閉めた状態での正面図を示し、(B)は(A)中
のA−A断面図であり、(C)は(B)でドア11を開
いた状態を示す断面図である。ドア11は、固定部であ
るシールドパネル12とヒンジ13で接続、固定され、
開閉できるようになっている。ヒンジ13と反対のドア
の端には、ドア11を閉めた時に固定部であるシールド
パネル12にドア11をロックする役目を持つ表面掛け
金14が取り付けられている。ドア11の開閉は、ハン
ドル15により行われる。(B)図は、(A)図のA−
A断面図であるが、固定部であるシールドパネル12の
ドア11側の端にはドアフレーム16が取り付けられて
おり、ドア11の端に取り付けられている脱着接触フィ
ンガー17と脱着可能な構造となっている。このドア1
1の開閉する部分は、高い周波数(特に、1GHz以上
の周波数)の電磁波が通り抜けてしまう隙間ができる可
能性が高いために、脱着接触フィンガー17には(B)
と(C)に示すように電磁波吸収体5が貼り付けられ
る。ここで用いられる電磁波吸収体の厚さは、用いる素
材により異なるが、電磁波が電磁波吸収体を通過する間
に十分に減衰する厚さであれば良い。
【0015】図3はシールドルームのコネクタパネル部
の一実施の態様を示す概略断面図である。(A)及び
(B)は、それぞれ、従来の電磁シールドルームにおい
て取り付けられるコネクタパネルの正面図及び断面図を
示す。これら(A)及び(B)に示されるように、当該
実施の形態では、(B)のようにコネクタパネル21と
シールドパネル22の接合部が存在し、この部分から1
GHz以上の周波数の電磁波が侵入してくる可能性が高
い。そこで、(C)及び(D)に示すようにコネクタパ
ネル21と固定部であるシールドパネル22との接合部
分を覆うように電磁波吸収体5を貼り付けることによっ
て、通常の電磁波だけでなく、1GHz以上の周波数の
電磁波に対してもシールドルーム内へのそれら電磁波の
侵入及びシールドルーム外への漏洩を抑制できる。この
時使用する電磁波吸収体5の厚さは、用いる素材により
異なるが、電磁波が電磁波吸収体5を通過する間に十分
に減衰する厚さであれば良い。
【0016】図4は本発明の電磁波吸収体を用いたシー
ルドルームの電源フィルター部の一実施の形態を示す断
面概略図である。従来のものにおいては、シールドパネ
ル32に電源フィルター31をロックナット33でその
まま取り付け、固定していたが、ロックナット33部で
の接続部に小さな隙間が生じる可能性があり、そこから
電磁波が侵入、又は漏洩する可能性がある。そこで、小
さな隙間が生じる可能性のあるロックナット33部周辺
を、電磁波吸収体5で図のように覆うことによって、シ
ールド効果を高めることができる。ここで、電磁波吸収
体5がロックナット33部周辺を覆い電磁波の通り抜け
る隙間を塞ぐという目的を達成するものであれば、電磁
波吸収体の形状はロックナットのような多角形(例え
ば、八角形など)の形状を有していても良いし、円形で
あっても良いし、又、その他の形状であっても良い。
又、電磁波吸収体5の厚さは、用いる素材により異なる
が、電磁波が電磁波吸収体5を通過する間に十分に減衰
する厚さであれば良い。
【0017】図5は本発明に係る電磁シールドルームの
換気口の一実施の形態を示す図である。(A)は断面図
であり、(B)は平面図である。シールドルームの換気
口41は、ハニカム状の導電性物質で構成され、シール
ドルーム内の空気の交換を行っている。換気口41より
上部(外部)の周囲は中空筒状の導電性物質42で囲ま
れ、シールドルームを構成するシールドパネル44より
突出している。換気口41内のハニカム状の孔を通して
外部の電磁波が侵入しないように、鉄や黄銅などの導電
性物質で構成される金属板43A、43Bが中空筒状の
導電性物質42の内部に設置されている。電磁波を遮蔽
するための当該金属板43A、43Bは、(B)に示す
とおり、直進する電磁波を遮るように設置される。
(A)の例では当該金属板は中空筒状の導電性物質内壁
に、互い違いにそして段違いに設置される。この他に、
内部の導電性物質や金属板などで乱反射した電磁波が換
気口に到達しないように、且つ、1GHz以上の周波数
の電磁波を吸収するように、電磁波吸収体5は図に示し
たように、中空筒状の導電性金属42の内面及び電磁波
を遮蔽するための金属板43A、43Bの表面に間隙な
く設けられている。この時用いられる電磁波吸収体の厚
さは、用いる素材により異なるが、電磁波が電磁波吸収
体中を通過する間に十分に減衰する厚さであれば良い。
【0018】なお、上記構成において、中空筒状の導電
性物質42が、中空導電性筒状部に対応し;金属板43
A、43Bが導電性板に対応している。
【0019】上記で示したものは電磁波吸収体を用いた
電磁シールドルームの構造の単なる例示であり、これら
のものに限定されるものではない。即ち、電磁シールド
を要求される部屋や施設で接合部の隙間や孔がある部分
であれば、当該部分に電磁波吸収体を取り付けることに
よって、本発明の目的は達成される。又、電磁波のシー
ルド及び内部で発生する電磁波の漏洩防止を要求される
インテリジェントビルや、情報施設等に対しても適用可
能であることは当然である。
【0020】
【実施例】電磁波吸収体を用いた電磁シールドの性能を
評価するために、電波暗室(シールドルーム)におい
て、電磁波吸収体を取り付けた場合と取り付けない場合
のシールド性能を求めた。ここで、電波暗室とは、電波
暗室内部で発生した電磁波を反射しないように構成され
た部屋をいう。測定方法は、MIL−STD−285に
規定される測定法に準拠し、以下のように実施した。
【0021】(1)校正方法 1)校正距離を実測し、測定器をセットアップする。 2)校正は垂直偏波にて実施した。 3)信号発生器の周波数を各周波数にし、出力を測定に
適切な値にし出力する。この時の受信電力P1(dB
m)を校正時受信レベルとして記録する。 4)信号発生器の出力をOFFにして、受信系の雑音レ
ベルP2(dBm)を記録する。 5)以上によりシールド測定に必要なダイナミックレン
ジDL(dB)を次式により求める。
【数1】DL=P1−P2(dB) P1、P2を測定した各位置における電界強度を各V
1、V2と書くとDLの式は、
【数2】 DL=20logV1−20logV2(dB) と書く事もでき両者は同一の意味を持つ。
【0022】(2)電波暗室のシールド効果の測定方法 1)測定箇所を挟んで送信アンテナと受信アンテナをセ
ットする。 2)信号発生器の出力をONとし、シールドルーム内で
の受信電力P3(dBm)を記録する。 3)電波暗室のシールド性能は(1)の校正で求めた校
正時受信レベルと電波暗室内での受信電力P3を用い
て、次式により算出した。
【数3】S=P1−P3(dB) P1、P3を測定した各位置における電界強度を各V
1、V3と書くとSの式は、
【数4】S=20logV1−20logV3(dB) と書く事もでき両者は同一の意味を持つ。 4)P3値の測定は、水平・垂直の両偏波にて実施し
た。
【0023】(3)電磁波吸収体を装着した場合の電波
暗室のシールド効果の測定方法 1)測定する部分に電磁波吸収体を取り付ける。なお、
使用した電磁波吸収体は、AEM社製のAEL−0.3
75である。 2)電磁波吸収体を取り付けたシールド壁を介して送信
アンテナ及び受信アンテナをセットする。 3)信号発生器の出力をONとし、シールドルーム内で
の受信電力P4(dBm)を記録する。 4)シールド性能Sは(1)の校正で求めた校正時受信
レベルとシールドルーム内での受信電力P4を用いて、
次式により算出した。
【数5】S=P1−P4(dB) P1、P4を測定した各位置における電界強度を各V
1、V4と書くとSの式は、
【数6】S=20logV1−20logV4(dB) と書く事もでき両者は同一の意味を持つ。 5)P4値の測定は、水平・垂直の両偏波にて実施し
た。 6)受信レベルが測定系の雑音レベル以下の場合、“ダ
イナミックレンジ以上”と記録した。
【0024】図6は校正時(A)及び測定時(B)の送
信アンテナ51、受信アンテナ52の配置の概略を示す
図である。アンテナ51、52は、床面(FL)より
1.5mの高さに置いて測定した。校正時の送信アンテ
ナ、受信アンテナ間の測定距離D(m)は、次式により
求めた。
【数7】 D(m)=0.3(m)+0.3(m)+d(m) ここで、d(m)はシールド壁53の厚さを表す。又、
シールド壁53を挟んで測定した時の送信アンテナ5
1、受信アンテナ52間の測定距離は上式と同じくD
(m)であって次式で表される。
【数8】 D(m)=L1(m)+L2(m)+d(m) =0.3(m)+0.3(m)+d(m)
【0025】測定位置は、図7の電波暗室61の概略立
面図に示した電波暗室シールド扉62、電波暗室フィル
ターボックス63、電波暗室シールドパネル64の3点
である。
【0026】測定周波数は、400M、1G、2G(電
波暗室シールド扉の時のみ測定)、18G、30G、3
9GHzの6周波数である。
【0027】以下の各実施例では、測定結果としてデシ
ベル(dB)を用いているが、デシベルは次のようにし
て求められる。シールディングを伴わない場の強さ(メ
ートル当たりの電位差(ボルト)、或は1mWに対する
測定値であるdBm)であるV1(或いはP1(dB
m))と、シールディングを伴う場の強さ(メートル当
たりの電位差(ボルト)、或は1mWに対する測定値で
あるdBm)であるV2(或いはP2(dBm))とを
測定する。これら2つの測定値によって、装入損失(相
対減衰)(dB)は次式により求められる。
【数9】 装入損失(dB)=20log(V2/V1) =10log(P2/P1)
【0028】例えば、シールディング効果が20dBの
場合は、V2/V1=1/10であるので、シールディ
ングをした時の信号は、シールディングをしない時と比
較して、10倍の場の減衰を意味する。一般的に、電波
暗室の場合は100dB以上の減衰を満たすならば、シ
ールドルームとしての実用に耐えると考えられている。
又、以下の各実施例に示される結果の表中において、
「偏波」の欄に表示される「H」は「水平偏波」を、
「V」は「垂直偏波」を表すものである。又、以下に示
す表1、3及び5におけるL1,L2の値は[002
4]における[数8]式で示した0.3mとは異なる値
を取っているが測定時に工事のための足場等によって
0.3mを取れなかったためである。これは測定の本質
には影響を与えない。
【0029】(実施例1)電波暗室シールド扉 電波暗室のシールド扉に電磁波吸収体を図2のように取
付け、電磁波の減衰について測定した。測定条件を表1
に、その結果を表2に示す。又、図8は表2から得られ
た電波暗室シールド扉の電磁波吸収体使用前後のシール
ド性能を周波数に対してプロットしたものであり、
(A)は水平偏波を(B)は垂直偏波を示す。グラフ中
「○」印は電磁波吸収体を使用する前のシールド性能で
あり、「□」印は電磁波吸収体を使用した時のシールド
性能を示す。水平偏波、垂直偏波共に電磁波吸収体を使
用した時のシールド性能は測定した周波数の範囲で10
0dB以上であり、電波暗室として実用に耐えられるも
のであることが示された。又、周波数が1GHz(1.
0E+09Hz)以上の領域においては、電磁波吸収体
を使用した時のシールド性能は、しない時と比較して高
く、電磁波吸収体が高周波数の電磁波を効果的に吸収し
ていることが示されている。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】(実施例2)電波暗室フィルターボックス 電波暗室のフィルターボックスに電磁波吸収体を図4の
ように取付け、電磁波の減衰について測定した。測定条
件を表3に、その結果を表4に示す。又、図9は表4か
ら得られた電波暗室シールドパネルの電磁波吸収体使用
前後のシールド性能を周波数に対してプロットしたもの
であり、(A)は水平偏波を(B)は垂直偏波を示す。
グラフ中「○」印は電磁波吸収体を使用する前のシール
ド性能であり、「□」印は電磁波吸収体を使用した時の
シールド性能を示す。実施例1と同様に、水平偏波、垂
直偏波共に電磁波吸収体を使用した時のシールド性能は
測定した周波数の範囲で100dB以上であり、電波暗
室として実用に耐えられるものであることが示された。
又、周波数が1GHz(1.0E+09Hz)以上の領
域においては、電磁波吸収体を使用した時のシールド性
能は、しない時と比較して高く、電磁波吸収体が高周波
数の電磁波を効果的に吸収していることが示されてい
る。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】(実施例3)電波暗室シールドパネル 電波暗室のシールドパネルに電磁波吸収体を図1のよう
に取付け、電磁波の減衰について測定した。測定条件を
表5に、その結果を表6に示す。又、図10は表6から
得られた電波暗室シールドパネルの電磁波吸収体使用前
後のシールド性能を周波数に対してプロットしたもので
あり、(A)は水平偏波を(B)は垂直偏波を示す。グ
ラフ中「○」印は電磁波吸収体を使用する前のシールド
性能であり、「□」印は電磁波吸収体を使用した時のシ
ールド性能を示す。実施例1及び2と同様に、水平偏
波、垂直偏波共に電磁波吸収体を使用した時のシールド
性能は測定した周波数の範囲で100dB以上であり、
電波暗室として実用に耐えられるものであることが示さ
れた。又、周波数が1GHz(1.0E+09Hz)以
上の領域においては、電磁波吸収体を使用した時のシー
ルド性能は、しない時と比較して高く、電磁波吸収体が
高周波数の電磁波を効果的に吸収していることが示され
ている。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】以上の実施例で示された通り、電磁波吸収
体を既存の電波暗室に使用した結果、測定した周波数範
囲において100dB以上の減衰を示し、電磁シールド
ルームとしての実用に耐えるものであることが示され
た。特に、電磁波吸収体を使用すると1GHz以上の高
周波数の電磁波に対して、従来のものに比べて高いシー
ルド効果を示した。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明の電磁シールド装置
及び電磁シールドルームによれば、広い周波数範囲の電
磁波をシールドすることができ、又、内部で発生する電
磁波を外部に漏らすこともない。比較的周波数の高い、
1GHz以上の周波数の電磁波もシールドすることがで
き、既存の電磁シールドルームがある場合には、接合部
などに存在する隙間部分や孔を電磁波吸収体で被覆する
だけでよいので、設備の設置費用を安くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁シールドパネル間の接合部の断面図であ
り、(A)は当該接合部に電磁波吸収体を被覆しない
時、(B)は被覆した時を示す。
【図2】電磁シールドルームに備え付けられたドアの正
面図と断面図であり、(A)は正面図を、(B)はA−
A断面図を、(C)は(B)でドアを開いた状態の断面
を示す。
【図3】電磁シールドルームに備え付けられたコネクタ
パネルを示す図であり、(A)はコネクタパネルの正面
図を、(B)はシールドパネルにコネクタパネルを取り
付けた時の断面図を、(C)はコネクタパネルとシール
ドパネルの接合部に電磁波吸収体を被覆した時の正面図
を、(D)は(C)の断面図を示す。
【図4】電磁シールドルームに備え付けられた電源フィ
ルターの断面を示す図である。
【図5】電磁シールドルームに備え付けられた換気口の
断面図及び平面図であり、(A)は断面図を、(B)は
(A)の平面図を示す。
【図6】校正時及びシールドをセットした時の送信アン
テナ及び受信アンテナの配置を示す概略図である。
【図7】シールド性能を測定する電波暗室の測定箇所の
概略を示す図である。
【図8】本発明の電磁シールド装置を電波暗室の扉に装
着した時としない時のシールド効果の周波数に対するグ
ラフであり、(A)は水平偏波を、(B)は垂直偏波を
測定した結果である。
【図9】本発明の電磁シールド装置を電波暗室のフィル
ターボックスに装着した時としない時のシールド効果の
周波数に対するグラフであり、(A)は水平偏波を、
(B)は垂直偏波を測定した結果である。
【図10】本発明の電磁シールド装置を電波暗室のシー
ルドパネルに装着した時としない時のシールド効果の周
波数に対するグラフであり、(A)は水平偏波を、
(B)は垂直偏波を測定した結果である。
【符号の説明】
1 シールドパネル 2 Hatジョイント 3 Flatジョイント 4 ビス 5 電磁波吸収体 11 ドア 12 シールドパネル 13 ヒンジ 14 表面掛け金 15 ハンドル 16 ドアフレーム 17 脱着接触フィンガー 21 コネクタパネル 22 シールドパネル 31 電源フィルター 32 シールドパネル 33 ロックナット 41 換気口 42 中空筒状導電性物質 43 金属板 44 シールドパネル 51 送信アンテナ 52 受信アンテナ 53 シールド壁 61 電波暗室 62 シールド扉 63 フィルターボックス 64 シールドパネル

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隙間部分及び/又は孔を電磁波吸収体で被
    覆するように構成したことを特徴とする電磁シールド装
    置。
  2. 【請求項2】1GHz以上の周波数の電磁波を遮蔽する
    電磁波吸収体によって隙間部分及び/又は孔を被覆する
    ように構成したことを特徴とする電磁シールド装置。
  3. 【請求項3】前記隙間部分がシールドパネル、導電性物
    質、ドア、電源フィルター、又はコネクタパネルと、シ
    ールドパネル、又は導電性物質との接合部である請求項
    1又は2に記載の電磁シールド装置。
  4. 【請求項4】少なくとも1つの開口部を有するシールド
    パネルを備える電磁シールド装置であって、 開口部の周囲を金属板で筒状に囲み、前記開口部を包囲
    し、且つ前記シールドパネルから突出する方向に延在す
    る中空導電性筒状部と、 当該筒状部内に配置され、当該筒状部内を透過しようと
    する電磁波を遮断するための導電性板と、 前記筒状部及び/又は前記導電性板に配置された電磁波
    吸収体と、を備える電磁シールド装置。
  5. 【請求項5】前記開口部がハニカム状の導電性物質で構
    成される請求項4に記載の電磁シールド装置。
  6. 【請求項6】電磁シールドルームを構成する内面に電磁
    波吸収体を備えたことを特徴とする電磁シールドルー
    ム。
  7. 【請求項7】シールドパネルによって構成された電磁シ
    ールドルームであって、当該電磁シールドルームに存在
    する接合部及び/又は前記シールドパネル内部の孔に電
    磁波吸収体を設けることを特徴とする電磁シールドルー
    ム。
  8. 【請求項8】前記電磁波吸収体が、1GHz以上の周波
    数の電磁波を遮蔽する前記請求項6又は7に記載の電磁
    シールドルーム。
  9. 【請求項9】ドアを備えた電磁シールドルームであっ
    て、前記接合部が前記ドアと前記ドアを固定する部分と
    の間にできる接合部である請求項7又は8に記載の電磁
    シールドルーム。
  10. 【請求項10】コネクタパネルを備えた電磁シールドル
    ームであって、前記接合部が前記コネクタパネルと前記
    コネクタパネルを固定する部分との間に構成される接合
    部である請求項7又は8に記載の電磁シールドルーム。
  11. 【請求項11】電源フィルターを備えた電磁シールドル
    ームであって、前記接合部が前記電源フィルターと前記
    電源フィルターを固定する部分との間に構成される接合
    部である請求項7又は8に記載の電磁シールドルーム。
  12. 【請求項12】少なくとも1つの開口部を有するシール
    ドパネルを備える電磁シールドルームであって、 開口部の周囲を金属板で筒状に囲み、前記開口部を包囲
    し、且つ前記シールドパネルから突出する方向に延在す
    る中空導電性筒状部と、 当該筒状部内に配置され、当該筒状部内を透過しようと
    する電磁波を遮断するための導電性板と、 前記筒状部及び/又は前記導電性板に配置された電磁波
    吸収体と、を備えることを特徴とする電磁シールドルー
    ム。
  13. 【請求項13】前記電磁波吸収体が、1GHz以上の周
    波数の電磁波を遮蔽するようにした請求項12に記載の
    電磁シールドルーム。
  14. 【請求項14】前記開口部がハニカム状の導電性物質で
    構成される請求項12又は13に記載の電磁シールドル
    ーム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006344825A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Takenaka Komuten Co Ltd 消電波装置
JP2021111637A (ja) * 2020-01-06 2021-08-02 株式会社巴コーポレーション 電磁波シールド構造

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