JP2000315645A - 光学部材およびその製造方法、光学装置およびこれを用いた露光装置 - Google Patents

光学部材およびその製造方法、光学装置およびこれを用いた露光装置

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JP2000315645A
JP2000315645A JP11125363A JP12536399A JP2000315645A JP 2000315645 A JP2000315645 A JP 2000315645A JP 11125363 A JP11125363 A JP 11125363A JP 12536399 A JP12536399 A JP 12536399A JP 2000315645 A JP2000315645 A JP 2000315645A
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Kyoji Nakamura
協司 中村
Katsuyuki Akagawa
勝幸 赤川
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  • Lens Barrels (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学部材およびその製造方法、光学装置およ
びこれを用いた露光装置において、レンズ特性に影響を
与えるアウトガスを発生させないこと。 【解決手段】 露光エネルギーILが通過する空間19
a、19bに接する面が溶射で形成された金属またはセ
ラミックの皮膜30で覆われるので、光学部材16、1
8内部のアウトガスが皮膜で阻止されて前記空間に放出
されることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光光等の露光エ
ネルギーが通過する空間に配される鏡筒等の光学部材お
よびその製造方法、光学装置およびこれを用いた露光装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の露光装置では、照明光学系内や投
影光学系内の露光光が通過する空間に酸素が存在する
と、ArFエキシマレーザのような光源を用いた露光光
では、発光スペクトル線が酸素の吸収スペクトル線領域
と重なるため、酸素が露光光を吸収してオゾン化する現
象が発生する。そのため、光学レンズ表面に曇り物質を
析出し、レンズ特性に悪影響を及ぼすおそれがあった。
そこで、従来の露光装置においては、光源から被処理基
板までの光路の周囲の一部または全部の空間をカバーに
より覆い、このカバー内を露光光に対して不活性なガ
ス、例えば窒素ガスで満たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、露光光
が通過する周囲に配設され光学レンズを支持等する光学
部材の中には、鋳物、アルミニウム、銅、鉄等で構成さ
れ、アルマイト処理又は塗装等の表面処理されたもの等
があり、これらから経時的に微細物質(例えば、鋳物の
巣から放出される不純物)がアウトガス(脱ガス)とし
て放出され、上記窒素ガス中の不純物となっていた。こ
れらの物質は、光学レンズ表面に付着して、露光光に対
するレンズの透過率を低下させると共に、さらに露光光
に当たると化学変化を起こし、該化学変化を起こした分
子が光学レンズ表面に付着し、露光光の光量を低下(レ
ンズの透過率低下)させる原因になっていた。
【0004】例えば、上記不純物としては、シロキサン
(Si−Oの鎖が軸の物質)あるいはシラザン(Si−
Nの鎖が軸の物質)、アンモニア等の窒素化合物、硫化
化合物のシリコン系の有機物が問題となる。シロキサン
は、Si−Oの鎖が輪となった「環状シロキサン」とい
う物質が、塗料等に含まれており、これが経年変化によ
り、脱ガスとして発生する。環状シロキサンは、シリコ
ンウェハ等の半導体基板表面やレンズ等の誘電体表面に
よく付着することが知られており、さらに紫外光(UV
光)が当たると、酸化されて、光学素子表面におけるケ
イ素酸化物系の曇りの原因となる。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、レンズ特性に影響を与えるアウトガスを発生させ
ない光学部材およびその製造方法、光学装置およびこれ
を用いた露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、図1か
ら図3とに対応づけて説明すると、請求項1記載の光学
部材では、露光エネルギー(IL)が通過する空間(1
9a、19b)に配される光学部材(16、18)であ
って、前記空間に接する面が、溶射で形成された金属ま
たはセラミックの皮膜(30)で覆われている技術が採
用される。また、請求項6記載の光学部材の製造方法で
は、露光エネルギー(IL)が通過する空間に配される
光学部材(16、18)の製造方法であって、前記光学
部材の形状に合わせて母材(M)を成形する成形工程
と、前記母材の前記空間に接する面に溶射で金属または
セラミックの皮膜(30)を形成する溶射工程とを備え
ている技術が採用される。
【0007】これらの光学部材および光学部材の製造方
法では、露光エネルギー(IL)が通過する空間(19
a、19b)に接する面が溶射で形成された金属または
セラミックの皮膜(30)で覆われるので、光学部材内
部のアウトガスが皮膜で阻止されて前記空間への放出が
抑制される。
【0008】請求項4記載の光学装置では、露光エネル
ギー(IL)を所定位置に導く光学系(L、4、PL)
を備えた光学装置(IU、PU)であって、前記露光エ
ネルギーが通過する空間(19a、19b)に配され、
前記光学系を保持する光学部材(16、18)を備え、
該光学部材は、請求項1から3のいずれかに記載の光学
部材である技術が採用される。
【0009】この光学装置では、光学系(L、4、P
L)を保持する光学部材に上記光学部材(16、18)
を用いているので、光学部材からのアウトガスによる化
学変化で光学系の特性が低下することを防止できる。
【0010】また、請求項5記載の露光装置では、露光
エネルギー(IL)をマスク(R)に導き、該マスク上
のパターンを基板(W)表面に形成する露光装置であっ
て、前記露光エネルギーを前記マスクに導く光学系
(4)または前記パターンを前記基板に導く光学系(P
L)の少なくとも一方を請求項4記載の光学部材(1
6、18)で保持した技術が採用される。
【0011】この露光装置では、露光エネルギー(I
L)をマスク(R)に導く光学系(L、4)またはパタ
ーンを基板(W)に導く光学系(L、PL)の少なくと
も一方を請求項4記載の光学部材(16、18)で保持
したので、光学部材からのアウトガスによる化学変化で
これらの光学系の特性が低下することを防止でき、良好
な露光特性を維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学部材およ
びその製造方法、光学装置およびこれを用いた露光装置
の一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明す
る。
【0013】図1は、本実施形態における露光装置の全
体構成を概略的に示す図であり、用いられる露光光源1
は、ArFエキシマレーザによる遠紫外光(波長19
3.4nm)の露光光(露光エネルギー)ILを出射す
るものである。露光光源1から出射された露光光IL
は、窓部2aを透過して照明系ユニット(光学装置)I
U内のミラー3aに入射する。ミラー3aで反射された
露光光ILは、ミラー3bによって反射され、照明光学
系4に入射する。
【0014】照明光学系4は、リレーレンズ、露光光I
Lを均一化するためのオプティカルインテグレータ(フ
ライアイレンズ等)、露光光ILをオプティカルインテ
グレータに入射させるインプットレンズ、オプティカル
インテグレータから射出した露光光ILをレチクル(マ
スク)R上に集光するためのリレーレンズ、コンデンサ
ーレンズ等の複数のレンズエレメントを有している。
【0015】照明光学系4から射出された露光光IL
は、ミラー3cで反射されて、窓部2bを透過し、2次
元移動可能なレチクルステージRST上のレチクルRに
入射する。さらに、レチクルRを透過した露光光IL
は、窓部2cを介して投影系ユニット(光学装置)PU
内の投影光学系PLに入射され、該投影光学系PLを構
成する複数のレンズエレメントを透過してウエハ(基
板)Wに入射し、レチクルR上のパターン像をウエハW
表面に形成する。なお、窓部2a、2b、2cは、いず
れも遠紫外線を透過する石英等からなるガラス板等であ
る。
【0016】ウエハWは、3次元方向(XYZ方向)に
移動可能なウエハステージWST上に載置され、該ウエ
ハステージWSTのXY平面内での位置は、レーザ干渉
計5で計測されている。ウエハステージWSTは、レー
ザ干渉計5の計測値に基づいてステッピング移動され、
いわゆるステッピング・アンド・リピート方式でステッ
ピング移動と露光とが繰り返され、ウエハW上にパター
ンが逐次露光される。
【0017】また、ウエハステージWSTの上方には、
ウエハWの高さ位置を光学的に検出する焦点検出系の投
光系6aと受光系6bとが設けられ、投光系6aからウ
エハW表面に斜めから計測光を入射し、ウエハW表面で
反射された計測光を受光系6bで受光するとともに制御
装置Cに出力している。そして、該制御装置Cによっ
て、受信した受光信号に基づいてウエハWの高さ位置を
検出し、ウエハステージWSTを高さ方向に移動させて
投影光学系PLの焦点を調整している。
【0018】前記照明系ユニットIUおよび前記投影系
ユニットPUは、図2に示すように、いずれも透過する
露光光ILの周囲空間を覆う内カバー12と、該内カバ
ー12の周囲を覆う外カバー13とにより、二重構造に
なっている。なお、照明系ユニットIUにおける内カバ
ー12および外カバー13は、露光光源1から窓部2b
までの露光光ILの光路を密閉し、投影系ユニットPU
における内カバー12および外カバー13は、窓部2c
からウエハW直上のレンズまでの露光光ILの光路を密
閉している。なお、レチクルRおよびレチクルステージ
RSTも、密閉部材7によって密閉されている。すなわ
ち、図1の斜線部分が、外部と密閉されている。
【0019】前記外カバー13の内側は、その周囲の外
気と遮断された気密室14になっている。前記内カバー
12の内側で照明光学系4または投影光学系PLを構成
する各レンズ系15が露光光ILに沿って直列的に並設
されている。この各レンズ系15は、鏡筒(光学部材)
16と、該鏡筒16内で露光光ILに沿って直列的に並
設された複数のレンズLとを備えている。
【0020】これらの各レンズLの外周部は、鏡筒16
の内周部に設けられた保持部16aで保持されている。
また、内カバー12は、各鏡筒16と、この各鏡筒16
間に連結された接続筒18とを備えている。内カバー1
2の内側空間は、鏡筒16内で互いに隣接するレンズL
により挟まれた空間19aと、この鏡筒16に隣接する
鏡筒16が保持するレンズLと該レンズLとにより挟ま
れた空間19bとを有している。
【0021】これらの各空間19a、19bは、鏡筒1
6内に形成された通路20により互いに連通され、内カ
バー12の内側で気密室19を構成している。この気密
室19は、外カバー13の内側の気密室14内に設けら
れ、該気密室14と遮断されている。露光光ILは、こ
れらの各空間19a、19bおよび各レンズ系15の各
レンズLを通過する。
【0022】内カバー12には、光路ガス供給路21が
接続されている。本実施形態では、複数の接続筒(光学
部材)18のうち所定の接続筒18に、光路ガス供給路
21が接続されている。該光路ガス供給路21には、ガ
ス供給源22から光路ガスが供給される。該光路ガスと
しては、露光光ILに対して不活性な不活性ガス、例え
ば窒素ガスが用いられる。
【0023】光路ガスは、光路ガス供給路21から接続
筒18内の空間19bに供給され、さらに各鏡筒16内
の通路20を通って鏡筒16内の各空間19aや他の接
続筒18内の空間19bに供給されるようになってい
る。内カバー12と外カバー13との間の気密室14
は、所定の遮蔽ガスにより満たされている。該遮蔽ガス
は、内カバー12の内側の気密室19を満たす光路ガス
と異なるものでも同一のものでもよいが、光学部材の汚
染原因になる物質を除去した清浄なガスであることが好
ましい。例えば、光路ガスを窒素ガスとし、遮蔽ガスに
乾燥空気を用いたり、光路ガス及び遮蔽ガスの両方を窒
素ガスとしてもよい。
【0024】外カバー13には、遮蔽ガス供給路23が
接続されている。該遮蔽ガス供給路23には、ガス供給
部24から遮蔽ガスが供給される。遮蔽ガスは、この遮
蔽ガス供給路23から内カバー12と外カバー13との
間の気密室14に供給されるようになっている。この遮
蔽ガス供給路23においてこの気密室14への出口に
は、不純物ガス除去フィルタ等の不純物除去部材25が
設けられている。尚、不図示であるが、光路ガス供給路
21において接続筒18内の空間19bへの出口に不純
物除去部材25を設けてもよい。
【0025】内カバー12の内側の気密室19において
光路ガス供給路21を有する接続筒18に圧力センサ2
6が取り付けられている。この圧力センサ26は、内カ
バー12の内側の気密室19におけるガス圧を検出し、
制御装置Cに出力するものである。内カバー12と外カ
バー13との間の気密室14において遮蔽ガス供給路2
3の出口付近で外カバー13に圧力センサ27が取り付
けられている。この圧力センサ27は、外カバー13の
内側の気密室14におけるガス圧を検出し、制御装置C
に出力するものである。
【0026】制御装置Cは、これらの圧力センサ26、
27からの検出信号に基づき演算されたガス圧値を比較
し、内カバー12の内側の気密室19における圧力を外
カバー13の内側の気密室14における圧力よりも高く
するように、光路ガス供給路21におけるガス供給部2
2および遮蔽ガス供給路23におけるガス供給部24を
駆動制御する。
【0027】また、内カバー12の内側の気密室19に
おいて接続筒18には、気密室19内の酸素濃度を測定
する酸素濃度測定センサ28aが取り付けられている。
この酸素濃度測定センサ28aは、内カバー12の内側
の気密室19における酸素濃度を検出し、制御装置Cに
出力するものである。制御装置Cは、同センサ28aか
らの検出信号に基づき演算された酸素濃度値が一定以上
になった場合、ブザー(図示略)を作動させる。
【0028】鏡筒16および接続筒18は、それぞれの
表面のうち空間19a、19bに接する面がプラズマ溶
射で形成されたステンレスの金属皮膜30で覆われてい
る。すなわち、これらの鏡筒16および接続筒18は、
図3に示すように、これらの形状に合わせて母材M(ア
ルミナ下地膜形成およびプラズマ溶射前の状態の鏡筒1
6および接続筒18)を成形した後、母材Mの表面のう
ち空間19a、19bに接する面にアルミナ下地膜30
aを形成し、さらにその上から冷間溶射(母材Mにかか
る温度250℃以下)においてプラズマ溶射でステンレ
スの金属皮膜30を形成して製造される。
【0029】このように金属皮膜30は溶射によって形
成されるため、溶射材料が一旦高温になった時点で含有
されていた不純物が飛び出して除去され、高い純度の状
態で鏡筒16および接続筒18上にコーティングされる
ことから、金属皮膜30自体からのアウトガスはほとん
ど発生しないとともに、母材M側からのアウトガスも遮
断する。また、金属皮膜30は冷間照射で形成されるた
め、熱間溶射のように母材を高温に熱することがなく、
熱歪み等が鏡筒16および接続筒18に加わわることを
抑えることができる。
【0030】さらに、プラズマ溶射の場合は、金属皮膜
30中にアウトガスの発生源となる気泡等の巣が生じ難
く、良質な皮膜が得られる。また、ステンレスの金属皮
膜30であるので、アルミニウム等のように表面に酸化
皮膜が生じ、該酸化皮膜が剥がれて不純物となることも
ない。なお、溶射を行う前に、空間19a、19bに接
する面にアルミナ下地膜30aを形成するので、母材M
表面に直に溶射するより、金属皮膜30が高い密着力で
高品質に形成される。
【0031】したがって、本実施形態では、鏡筒16お
よび接続筒18の表面のうち、露光光ILが通過する空
間19a、19bに接する面が溶射で形成された金属皮
膜30で覆われるので、鏡筒16内部および接続筒18
内部のアウトガスが金属皮膜30で阻止されて空間19
a、19bに放出されることがない。このため、窒素ガ
ス中のアウトガスが化学変化してレンズL表面に付着す
るのを防ぐことができ、露光装置のレンズLの寿命を大
幅に延ばすことができるとともに、露光光ILの光量低
下を防ぐことができる。
【0032】なお、本発明は、次のような実施形態をも
含むものである。上記各実施形態では、レンズを保持す
る鏡筒に皮膜を形成したが、露光光が通過する空間に配
される他の光学部材に、同様に皮膜を形成しても構わな
い。例えば、配線やハーネス、ソケット等のプラスチッ
ク部材に溶射によって皮膜を形成してもよい。
【0033】プラズマ溶射の溶射材料としてステンレス
を用いたが、アルミニウム、銅、ニッケルリン等の他の
金属を用いても構わない。なお、上述したように、ステ
ンレスでは酸化膜が生じ難い利点がある。溶射としてプ
ラズマ溶射を用いて金属皮膜を光学部材表面に形成した
が、セラミック溶射によってセラミック皮膜を形成して
も構わない。この場合、形成された皮膜中にアウトガス
の発生源となる気泡等の巣が、上記金属皮膜よりさらに
生じ難く、より良質な皮膜が得られる。なお、本実施の
形態では、照明系ユニットIU及び投影系ユニットPU
内において、露光光の光路を二重構造で覆う構成につい
て説明したが、この構成に限定されるものではない。即
ち、本発明は、露光光の光路を一重で覆う構成における
鏡筒にも適用することが可能である。また、本発明にお
ける金属又はセラミック等の溶射を適用する箇所として
は、全体形状が複雑であり、鋳造等の成形に頼らなけれ
ばならない箇所に適用することが望ましい。従って、本
実施の形態では、露光光が通過する空間に接する面の全
てを溶射による金属又はセラミックの被覆で覆わなくて
も、露光光が通過する空間の少なくとも一部が覆われて
いてもよい。その場合、露光光が通過する空間の他の部
分については、ステンレス等の塗装を施さない無垢材料
等の不純物の発生が抑制された材質を用いれば良い。本
実施の形態では、光路ガス及び遮蔽ガスとして、窒素ガ
ス又は乾燥空気を用いて説明したが、ヘリウム、ネオ
ン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の不活
性ガスを用いてもよい。また、乾燥空気の条件として、
レンズの曇りの原因となる物質、例えば、クリーンルー
ム内を浮遊するアンモニウムイオン等が除去されたエ
ア、又は湿度が5%以下の空気であることが望ましい。
また、光路ガス及び遮蔽ガスの組み合わせとして、同じ
種類のガスを用いても、組み合わせを異ならせてもよい
ことは、前述したとおりである。
【0034】上記実施形態の露光装置として、投影光学
系を用いることなくレチクルの代わりにマスクと基板と
を密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミテ
ィ露光装置にも適用することができる。なお、この場
合、本発明に係る光学部材は、照明光学系を支持する部
材等に採用される。露光装置の用途としては半導体製造
用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガ
ラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用
の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装
置にも広く適用できる。
【0035】本実施形態において、露光装置の光源は、
g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキ
シマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(1
93nm)、F2レーザ(157nm)又はそれより波
長が短い光源であってもよい。また、本発明では、X線
や電子線などの荷電粒子線を用いる露光装置にも適用す
ることができる。例えば、電子線を用いる場合の露光装
置の構成としては、電子銃として、熱電子放射型のラン
タンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用
い、その時の光学系は、電子レンズおよび偏向器からな
る電子光学系を用いる。なお、電子線が通過する光路は
真空状態にする。投影光学系の倍率は縮小系のみならず
等倍および拡大系のいずれでもいい。
【0036】投影光学系としては、エキシマレーザなど
の遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの
遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用
いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチ
クルも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を
用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器か
らなる電子光学系を用いればいい。なお、電子線が通過
する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0037】ウエハステージやレチクルステージにリニ
アモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用
いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型および
ローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型
のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに
沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガ
イドレスタイプでもいい。
【0038】ウエハステージの移動により発生する反力
は、(USP5,528,118に記載されているように、)フレー
ム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもいい。
レチクルステージの移動により発生する反力は、(US S
/N 416558に記載されているように、)フレーム部材を
用いて機械的に床(大地)に逃がしてもいい。
【0039】以上のように、本願実施例の露光装置は、
本願特許請求の範囲(claims)に挙げられた各構成要素(e
lements)を含む各種サブシステムを、所定の機械的精
度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てる
ことで製造される。これら各種精度を確保するために、
この組立の前後には、各種光学系については光学的精度
を達成するための調整、各種機械系については機械的精
度を達成するための調整、各種電気系については電気的
精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステ
ムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム
相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の
配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組
み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシス
テムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調
整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保され
る。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が
管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0040】半導体デバイスは、デバイスの機能・性能
設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチ
クルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製
作するステップ、前述した実施形態の露光装置によりレ
チクルのパターンをウエハに露光するステップ、デバイ
ス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工
程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製
造される。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の光学部材および請求項6記載の光学部材
の製造方法によれば、露光エネルギーが通過する空間に
接する面が溶射で形成された金属またはセラミックの皮
膜で覆われるので、光学部材内部のアウトガスが皮膜で
阻止されて前記空間への放出が防止されるとともに、皮
膜自体からの不純物の放出も抑えることができる。した
がって、不純物によるレンズ等への付着を抑制してレン
ズ寿命を大幅に向上させることができるとともに、露光
光等の露光エネルギーの低下を防止することができる。
【0042】請求項2記載の光学部材および請求項8記
載の光学部材の製造方法によれば、前記皮膜がプラズマ
溶射で形成された金属膜であるので、金属膜中にアウト
ガスの発生源となる気泡等の巣が少なく、良質な皮膜に
より不純物の放出をさらに低減させることができる。
【0043】請求項3記載の光学部材および請求項9記
載の光学部材の製造方法によれば、前記皮膜がステンレ
スで形成されているので、皮膜表面に酸化膜が生じ難
く、該酸化膜の剥がれによる不純物の発生を防止するこ
とができる。
【0044】請求項4記載の光学装置によれば、光学系
を保持する光学部材に上記光学部材を用いているので、
光学部材からのアウトガスによる化学変化で光学系の特
性が低下することを防止し、光学系の寿命を向上させる
ことができる。
【0045】請求項5記載の露光装置によれば、露光エ
ネルギーをマスクに導く光学系またはパターンを基板に
導く光学系の少なくとも一方を請求項4記載の光学部材
で保持したので、光学部材からのアウトガスによる化学
変化でこれらの光学系の特性が低下することを防止し、
これらの光学系の寿命を向上させることができるととも
に、露光光等の露光エネルギーの低下を防止し、効率的
に露光を行うことができる。
【0046】請求項7記載の光学部材の製造方法によれ
ば、前記溶射工程を冷間溶射で行うので、母材を高温状
態にする熱間溶射に比べて熱応力等の影響を極力抑える
ことができる。
【0047】請求項10記載の光学部材の製造方法によ
れば、前記溶射工程は溶射を行う前に前記空間に接する
面にアルミナ下地膜を形成する下地処理工程を備えてい
るので、母材表面に直に溶射するより、皮膜を高い密着
力で形成することができ、高品質な皮膜を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光学部材およびその製造方法、
光学装置およびこれを用いた露光装置の一実施形態にお
ける露光装置を示す概略的な全体構成図である。
【図2】 本発明に係る光学部材およびその製造方法、
光学装置およびこれを用いた露光装置の一実施形態にお
ける照明系ユニットおよび投影系ユニットを示す断面図
である。
【図3】 本発明に係る光学部材およびその製造方法、
光学装置およびこれを用いた露光装置の一実施形態にお
ける溶射手順を工程順に示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1 露光光源 4 照明光学系 16 鏡筒 18 接続筒 30 金属皮膜 30a アルミナ下地膜 IL 露光光(露光エネルギー) IU 照明系ユニット L レンズ M 母材 PL 投影光学系 PU 投影系ユニット R レチクル(マスク) W ウエハ(基板)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光エネルギーが通過する空間に配され
    る光学部材であって、 前記空間に接する面が、溶射で形成された金属またはセ
    ラミックの皮膜で覆われていることを特徴とする光学部
    材。
  2. 【請求項2】 前記皮膜は、プラズマ溶射で形成された
    金属膜であることを特徴とする請求項1記載の光学部
    材。
  3. 【請求項3】 前記皮膜は、ステンレスで形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の光学部材。
  4. 【請求項4】 露光エネルギーを所定位置に導く光学系
    を備えた光学装置であって、 前記露光エネルギーが通過する空間に配され、前記光学
    系を保持する光学部材を備え、 該光学部材は、請求項1から3のいずれかに記載の光学
    部材であることを特徴とする光学装置。
  5. 【請求項5】 露光エネルギーをマスクに導き、該マス
    ク上のパターンを基板表面に形成する露光装置であっ
    て、 前記露光エネルギーを前記マスクに導く光学系または前
    記パターンを前記基板に導く光学系の少なくとも一方を
    請求項4記載の光学部材で保持したことを特徴とする露
    光装置。
  6. 【請求項6】 露光エネルギーが通過する空間に配され
    る光学部材の製造方法であって、 前記光学部材の形状に合わせて母材を成形する成形工程
    と、 前記母材の前記空間に接する面に溶射で金属またはセラ
    ミックの皮膜を形成する溶射工程とを備えていること特
    徴とする光学部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶射工程は、冷間溶射で行うことを
    特徴とする請求項6記載の光学部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶射工程は、プラズマ溶射で金属膜
    を形成することを特徴とする請求項6または7記載の光
    学部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記溶射工程は、前記皮膜をステンレス
    で形成することを特徴とする請求項6から8のいずれか
    に記載の光学部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溶射工程は、溶射を行う前に前記
    空間に接する面にアルミナ下地膜を形成する下地処理工
    程を備えていることを特徴とする請求項6から9のいず
    れかに記載の光学部材の製造方法。
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