JP2000313802A - ポリウレタンウレア組成物およびポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

ポリウレタンウレア組成物およびポリウレタン弾性繊維

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JP2000313802A
JP2000313802A JP11121522A JP12152299A JP2000313802A JP 2000313802 A JP2000313802 A JP 2000313802A JP 11121522 A JP11121522 A JP 11121522A JP 12152299 A JP12152299 A JP 12152299A JP 2000313802 A JP2000313802 A JP 2000313802A
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urea
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた染色性と同時にバランスのとれた優れた
耐黄化性をも有する、ポリウレタン弾性繊維を得るこ
と。 【解決手段】ポリウレタン重合体が、下記一般式で表さ
れるウレタン・ウレア化合物を含有してなることを特徴
とするポリウレタンウレア組成物。 【化10】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜3の直鎖若し
くは分岐したアルキル基又はヒドロキシアルキル基、I
は有機ジイソシアネート残基、Xは第3級窒素含有ジオ
ール残基、Aは第3級窒素含有ジアミン残基を表し、
n、mはそれぞれ1〜10の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンウレ
ア組成物およびポリウレタン弾性繊維に関する。
【0002】さらに詳しくは、交編織物の相手素材であ
るポリアミド繊維等との染色時に於いて同色性に優れ、
更には酸化窒素ガス及び塩素系漂白剤による着色を防止
するために保護された防止性をも同時に改良したポリウ
レタンウレア組成物およびポリウレタン弾性繊維に関す
るものである。
【0003】
【従来の技術】一般にポリウレタン弾性繊維は、末端に
水酸基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオールの如きポリヒドロキシ化合物と過剰モルの有
機ジイソシアネートとを反応させ、実質的に両末端イソ
シアネート基を有する線状のポリウレタン中間重合体を
製造し、該中間重合体のイソシアネート基と容易に反応
しうるジアミン、ジオール等の多官能性活性化合物を不
活性な有機溶媒中又は無溶媒下で反応させて、実質的に
線状のセグメント化ポリウレタンを製造した後、乾式、
湿式、溶融等の紡糸工程を経て製造される。ポリウレタ
ン弾性繊維は弾性的性質、耐薬品性等に優れた性能を有
することから主にポリアミド繊維等と交編され、ファン
デーシヨン、ソックス、パンティストッキング、スポー
ツウエア等多分野において伸縮機能素材として広く使用
されている。
【0004】しかし、ポリウレタン弾性繊維には、その
構成している分子中に有効な染着座席が無いことから、
ポリアミド繊維等と交編された編地を染色した際に、染
着座席が多いポリアミド繊維等は濃染されているが、ポ
リウレタン弾性繊維は殆ど染色されておらず、製品の品
位をすこぶる低下したものとなる。
【0005】この問題を解決するために、ポリウレタン
重合体の分子鎖中に第3級窒素原子を含有させる方法が
特公昭47−51645号公報、特公昭48−2543
2号公報、特公昭61−7212号公報等に開示されて
いるが、この方法では、ポリアミド繊維との同色性を満
足させるのは困難であるばかりでなく、ポリウレタン弾
性繊維の物理特性を低下させる問題がある。
【0006】一方、添加剤による方法が、特公昭51−
24299号公報、特公昭54−43607号公報等で
提案されているが、染色性は満足されたが、酸化窒素ガ
ス及び塩素系漂白剤による着色を十分に防止する程のも
のは得られていない。
【0007】また、第3級窒素原子を含有させて酸化窒
素ガス及び塩素系漂白剤による着色を防止する方法が、
特公昭50−4386号公報、特公平4−25978号
公報、特公平5−68490号公報、特公平6−784
83号公報等で提案されているが、染色性を満足するも
のではない。
【0008】更にまた、特公昭47−48895号公
報、特公昭61−29621号公報、特公平2−485
85号公報、特公平4−55222号公報、特公平4−
55223号公報、特公平8−337631号公報等で
は、染色性と同時に酸化窒素ガス及び塩素系漂白剤によ
る着色を防止する方法が開示されている。
【0009】しかし、これらの方法は第3級窒素含有ジ
オールと有機ジイソシアネートから得たウレタン化合
物、又はこのウレタンにN,N−ジアルキルセミカルバ
ジド末端基を持たせたウレタン化合物を添加することに
よって行われているが、まだポリアミド繊維との濃色染
め時の染色性が悪く、同時に酸化窒素ガス及び塩素系漂
白剤による着色防止性能をも持つ添加剤が見出されてい
ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、染色
性に優れ、同時に耐黄化性、即ち酸化窒素ガス及び塩素
系漂白剤による着色を防止するためにも、優れた性能等
を具備するポリウレタンウレア組成物およびポリウレタ
ン弾性繊維を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリウレタンウ
レア組成物は、前記課題を解決するため、以下の発明特
定事項を有する。
【0012】すなわち、ポリウレタン重合体が、下記一
般式で表されるウレタン・ウレア化合物を含有してなる
ことを特徴とするポリウレタンウレア組成物である。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜
3の直鎖若しくは分岐したアルキル基又はヒドロキシア
ルキル基、Iは有機ジイソシアネート残基、Xは第3級
窒素含有ジオール残基、Aは第3級窒素含有ジアミン残
基を表し、n、mはそれぞれ1〜10の整数を表す。) また本発明のポリウレタン弾性繊維は、前記課題を解決
するため、以下の発明特定事項を有する。
【0015】すなわち、下記一般式で表されるウレタン
・ウレア化合物を含有してなるポリウレタン弾性繊維で
ある。
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜
3の直鎖若しくは分岐したアルキル基又はヒドロキシア
ルキル基、Iは有機ジイソシアネート残基、Xは第3級
窒素含有ジオール残基、Aは第3級窒素含有ジアミン残
基を表し、n、mはそれぞれ1〜10の整数を表す。)
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリウレタン重合体
が、下記一般式で表されるウレタン・ウレア化合物を含
有するものである。
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜
3の直鎖若しくは分岐したアルキル基又はヒドロキシア
ルキル基、Iは有機ジイソシアネート残基、Xは第3級
窒素含有ジオール残基、Aは第3級窒素含有ジアミン残
基を表し、n、mはそれぞれ1〜10の整数を表す。) 本発明において第3級窒素含有ジオールとは、次の一般
式Iで示される化合物をいう。
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R3 は炭素数1〜20の直鎖若し
くは分岐したアルキル基又はアラルキル基を示し、R4
は炭素数2〜3の直鎖若しくは分岐したアルキレン基を
表す。) 具体的には、例えば、N- メチル- N,N- ジエタノー
ルアミン(以下、MDEAと略す。)、N- メチル-
N,N- ジプロパノールアミン、N- メチル- N,N-
ジイソプロパノールアミン、N- ブチル- N,N- ジエ
タノールアミン、N-t- ブチル- N,N- ジエタノール
アミン(以下、TBDEAと略す。)、N- オクタデカ
ン- N,N- ジエタノールアミン、N- ベンジル- N,
N- ジエタノールアミン(以下、BDEAと略す。)、
N-t- ブチル- N,N- ジイソプロパノールアミン等を
使用することができる。
【0023】または、ビスヒドロキシエチルピペラジン
(以下、BHEPと略す。)、ビスヒドロキシイソプロ
ピルピペラジン等のピペラジン誘導体も使用することが
できる。
【0024】本発明においてはMDEA、TBDEA又
はBDEAを使用するのが好ましい。
【0025】本発明においては有機ジイソシアネートと
して、メチレン−ビス(4−シクロヘキシル)イソシア
ネート(以下、PICMと略す。)、イソホロンジイソ
シアネート(以下、IPDIと略す。)、リジンジイソ
シアネート、ダイマー酸から誘導されるDDI等の脂肪
族ジイソシアネート等を使用することができる。特に、
IPDI又はPICMを使用するのが好ましい。
【0026】本発明における第3級窒素含有ジアミンと
は、一般式II又は一般式III で示される化合物をいう。
【0027】
【化7】
【0028】(式中、R5 は炭素数2〜5の直鎖若しく
は分岐したアルキル基又はアラルキル基を表し、R6
炭素数2〜3の直鎖若しくは分岐したアルキレン基を表
す。)
【0029】
【化8】
【0030】(式中、R7 は炭素数2〜3の直鎖若しく
は分岐したアルキレン基を表し、R8は水素又は炭素数
1〜10のアルキル基を表す。) 具体的には、例えば、N- メチル- 3,3’- イミノビ
ス(プロピルアミン)(以下、MIBPAと略す。)、
N- ブチル- アミノビス- プロピルアミン、N- メチル
- アミノビス- エチルアミン、N-t- ブチル- アミノビ
ス- プロピルアミン、ピペラジン- N,N’- ビス(3
- アミノプロピル)(以下、BAPPと略す。)、ピペ
ラジン- N,N’- ビス(2- アミノエチル)等を使用
することができる。特に、MIBPA又はBAPP等を
使用するのが好ましい。
【0031】本発明においては、イソシアネートと反応
して末端セミカルバジド基を形成させるために、次の一
般式IVに示す化合物(置換- ヒドラジン)が用いられる
のが好ましい。
【0032】
【化9】
【0033】(式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜
3の直鎖若しくは分岐したアルキル基又はヒドロキシア
ルキル基を表す。) 具体的には、例えば、N,N- ジメチルヒドラジン(以
下、UDMHと略す。)、N,N- ジエチルヒドラジ
ン、N,N- ジプロピルヒドラジン、N,N- ジイソプ
ロピルヒドラジン、N,N- ジブチルヒドラジン、N,
N- ジイソブチルヒドラジン、N,N- ジヒドロキシエ
チルヒドラジン(以下、UDHEHと略す。)、N,N
- ジヒドロキシイソプロピルヒドラジン等を使用するこ
とができる。特にUDMH又はUDHEHを使用するの
が好ましい。
【0034】本発明で使用するウレタン・ウレア化合物
は、平均分子量が1000〜10000の範囲内にある
のが好ましい。
【0035】また、全第3級窒素が1.5〜3m−eq
/gの範囲にあるのが好ましく、そのうちジアミンによ
る第3級窒素が10〜50%であり、且つセミカルバジ
ド基を0.15〜1.5m−eq/gの範囲で含有する
のが好ましい。
【0036】本発明においては、前記ウレタン・ウレア
化合物がポリウレタン重合体に対して0.5〜10重量
%含有されるのが好ましく、2〜6重量%含有されるの
がより好ましい。
【0037】本発明のポリウレタンウレア組成物を用い
てポリウレタン弾性繊維を得るには、基本的には過剰の
有機ジイソシアナートと実質的に線状のポリヒドロキシ
ル化合物とで調整された両末端にイソシアナート基を有
する中間重合体に、多官能性活性水素原子を有する鎖伸
長剤及び単官能性活性水素原子を有する末端停止剤を、
1段または多段階に反応せしめて得られる分子内にウレ
タン基を有するポリウレタン重合体を乾式紡糸、湿式紡
糸又は溶融紡糸することによってポリウレタン弾性繊維
を製造する方法が採用される。
【0038】本発明で用いられる有機ジイソシアナート
としては、脂肪族、脂環族及び芳香族のジイソシアネー
ト化合物のうち、反応条件下で使用されるものであれば
特に制限されない。例えば、メチレンービス(4−フェ
ニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、m−キシリレンジイソシアネート及びp−キシリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジメチル−1,3−
キシリレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シ
クロヘキシルイソシアネート)、テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等を使用することができる。なか
でも、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)
が好ましい。
【0039】ポリヒドロキシ化合物としては、ポリオキ
シエチレングライコール、ポリオキシテトラメチレング
ライコール、テトラヒドロフランとメチルテトラヒドロ
フランとの共重合体、テトラヒドロフランとネオペンチ
ルグライコールとの共重合体等のポリエーテルジオー
ル、アジピン酸、マレイン酸等の二塩基酸とエチレング
ライコール、ブタンジオール、デカンジオール等のグラ
イコールとから得られるポリエステルジオール、ポリエ
ーテルエステルジオール、ポり−ε−カプロラクトンジ
オール、ポリバレロラクトンジオール等のポリラクトン
ジオール、ポリカーボネートジオール等を使用すること
ができる。
【0040】これらのポリヒドロキシ化合物の数平均分
子量は通常1000〜5000の範囲が好ましい。
【0041】本発明で用いる多官能性活性水素原子を有
する鎖伸長剤としては、例えばヒドラジン、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、エチレングライコール、
ブタンジオール、ヒドロキシルアミン、水等を使用する
ことができる。なかでも、エチレンジアミンが好まし
い。
【0042】本発明で用いる単官能性活性水素原子を有
する末端停止剤としては、例えば、ジエチルアミン、ジ
−n−ブチルアミン、ジエタノールアミン、メタノー
ル、n−ブタノール等を使用することができる。なかで
も、ジエチルアミンが好ましい。
【0043】また、前記ポリウレタンウレア組成物に
は、それぞれの目的に応じてヒンダードフエノール系化
合物、例えば、P−クレゾールとジビニールベンゼンの
縮合生成物、グッドイヤー・ケミカルズ社製“Wing
stay−L”、アメリカンサイヤナミド社製“Cya
nox−1790”、モンサント社製“サントホワイト
パウダー”、住友化学工業社製“スミライザーGA−8
0”等および酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、硫酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダー
ドアミン系化合物、オルガノポリシロキサン等の無機ま
たは有機の配合剤を必要量含有させることも好ましく行
われる。
【0044】本発明において、溶液重合反応を行う場合
に用いられる不活性有機溶剤としては、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド(以下、DMAC と略す。)、ジメチルスルオキシド
等を使用することができる。なかでも、DMAC が好ま
しい。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。
【0046】本発明で用いた評価方法を下記に示す。 [耐黄化性試験] (1)試験試料の準備 ポリウレタン弾性繊維を5×10×0.5cmのテフロ
ン板に僅かに張力をかけながら、厚さ約3mmの層にな
るように巻き付け試験試料とした。 (2)NOXガス黄変テスト プロパンガスストーブを設置した50〜60℃の排気口
つき密閉室内で、プロパンガスを燃焼させた雰囲気中に
試験試料を1日に5Hr暴露させた。この処理を3回行
った後に黄変度の測定を行った。 (3)塩素漂白黄変テスト 市販の次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする漂白剤(花
王(株)“ハイター”)を純水中に10ml/Lの割合
で加え、その浴中に30分試験試料を浸漬後、純水で1
0分間流水中で洗浄した後風乾した。この処理を5回繰
り返し行った後、黄変度の測定を行った。 (4)耐黄化性の測定 ハンターラボ社製のD25 DP−9000型カラーメ
ーターを使用して、各試験試料の処理前後のb値を測定
した。この処理前後のb値差を黄変度Δb値とした。こ
のΔb値を用いて下記式から耐黄化性を評価した。
【0047】
【数1】
【0048】従って、Δb値比が1よりも小さくなる
程、黄変防止効果に優れていることを意味する。 [染色性試験]ポリアミド繊維(東レ(株)製ナイロ
ン、70D−24f)及び、ポリウレタン弾性繊維をそ
れぞれ“サンデットG−900”(三洋化成(株))2
g/L、ピロリン酸ソーダ1g/Lの精練剤を用い、浴
比1:75、温度80℃で20分間精練を行い、水洗、
乾燥後染色試験の試料とした。
【0049】染料に“CI Acid Blue−11
7”の1%owfと、助剤に酢酸と酢酸アンモニュウム
の各1%owfを用い、pH4.5に調整された染色液
にポリアミド繊維7:ポリウレタン弾性繊維3の割合
で、浴比1:50、温度98℃で60分間、同浴染めを
行った。
【0050】固着処理は“サンライフ−TN”4%ow
fと酢酸1%owfで、浴比1:50、温度80℃で2
0分間処理後、水洗、乾燥した。 [同色性の判定]ポリアミド繊維とポリウレタン弾性繊
維の染り度合いが同等のものを5級、弾性繊維が殆ど染
まらないものを1級として肉眼判定した。 [染料脱落量の測定]固着処理時の染料脱落量を下記の
方法にて求めた。 (1)弾性繊維への染料吸尽の測定 染色された弾性繊維50mgを25%ピリジン水溶液4
0mlに浸漬した。40℃で2時間処理後、25℃で一
昼夜放置した後、抽出された染料濃度を可視分光光度計
を用いて求めた。この値をAとした。 (2)固着処理液に脱落した染料濃度を可視分光光度計
を用いて求めた。この値をBとした。
【0051】ここで、脱落%=(B/A+B)×100
とした。 [ウレタンウレア化合物の調整]本発明で使用する第3
級窒素とセミカルバジド基含有ウレタン・ウレア化合物
の調製は、下記の方法で行った。
【0052】第3級窒素含有ジオール2Molと有機ジ
イソシアネート、3Molを攪拌下で80℃、3hr反
応させて、両末端にイソシアネート基を持つ中間生成物
を得た。固形分が50%になるようにジメチルアセトア
ミド(DMAC )を加え、60℃で素早く溶解させた。
この中間生成物2Molに対して、第3級窒素含有ジア
ミン1Molを含む50%DMAC 溶液を常温で徐々に
添加し、約1hr反応後、置換−ヒドラジン2Molを
含む50%DMAC 溶液を添加し、60〜80℃で2〜
3hr反応させた。この溶液の赤外スペクトルを測定し
て、2270cm-1の吸収からイソシアネート基が残存
していないことを確認した後、DMACを加えて固形分
32%の溶液とした。
【0053】比較品であるウレタン化合物は、第3級窒
素含有ジアミンを使用しないで、発明品と同様な方法で
調製した。
【0054】得られた化合物の各成分の組み合わせ及び
第3級窒素含有ジオール(以下、t−N含有ジオールと
略す。)及び第3級窒素含有ジアミン(以下、t−N含
有ジアミンと略す。)による化合物中の第3級窒素含有
量(以下、t−N量と略す、m−eq/g)をジオール
およびジアミン別に表1に示した。また、セミカルバジ
ド量(m−eq/g)等を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】[実施例1〜8] 1.ポリウレタン溶液の調製 分子量1800のポリテトラメチレングライコールとメ
チレン−ビス(4−フエニルイソシアネート)を90
℃、無溶媒の条件下、1:1.58のモル比で2時間反
応させることにより、NCO末端のウレタンプレポリマ
ーを得た。NCO%は2.22%であった。このプレポ
リマーを室温まで冷却後、2Lのセパラブルフラスコに
500g採り、1000gのDMAC に溶解後、7.8
gのエチレンジアミンと1.17gのジエチルアミンの
混合液を80.7gのDMAC で希釈した溶液を加える
ことにより、鎖伸長反応を行い粘稠なポリウレタン溶液
(固形分32%)を得た。この溶液粘度を落球式粘度計
で測定したところ、40℃で2800ポイズであった。 2.添加剤溶液の調製 表1に示した第3級窒素とセミカルバジド基含有ウレタ
ン・ウレア化合物(発明品1〜8)のDMAC 溶液4
4.85gと、特公昭47−6510号公報に記載され
たP−クレゾールとジビニールベンゼンとの縮合生成物
を9.00g、および酸化チタン42.15gをDMA
C 204.1g中で十分に攪拌混合して添加剤溶液(固
形分32%)を調整した。
【0057】次に、ポリウレタン溶液447.4gに添
加剤溶液52.6gを加え、十分に攪拌混合して紡糸原
液を得た。紡糸原液中の第3級窒素とセミカルバジド基
含有ウレタン・ウレア化合物(発明品)の含有量は固形
分当たり5重量%であった。
【0058】これらの紡糸原液を0.2mmの細孔を有
する筒先から水中に0.3MPa の圧力で紡出し、凝固
させた後、紙管に巻き取り、80℃の窒素雰囲気の乾燥
器中で90分間加熱、乾燥させて得たモノフイラメント
をそれぞれの試験に供した。
【0059】結果を表2に示す。得られたポリウレタン
弾性繊維はポリアミド繊維との同浴染めにおいて同色性
に優れ、染料脱落も少なく染色性に優れるだけでなく、
NOχ及び塩素漂白剤等に対する耐黄化性にも優れたも
のであった。
【0060】
【表2】
【0061】[比較例1〜5]実施例1〜8において調
製された添加剤溶液中の、第3級窒素とセミカルバジド
基含有ウレタン・ウレア化合物を、表1に記載した比較
品1〜5(比較品3は特公昭47−48895号公報に
記載された化合物、比較品5は特公昭54−43607
号公報に記載された化合物)のウレタン化合物に変更す
る以外は、実施例1〜8と同一の条件でポリウレタン弾
性繊維を得た。
【0062】評価結果を表2に併せて示す。
【0063】得られたポリウレタン弾性繊維は、実施例
と比較して耐黄化性や染色性に劣ったものであった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、優れた染色性と同時に
バランスのとれた優れた耐黄化性をも有する、ポリウレ
タン弾性繊維を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CK021 CK022 FD010 FD030 GK01 4J034 CA02 CA04 CA13 CA15 CB01 CB03 CB04 CB07 CB08 CC03 CC05 CC29 CC34 CD01 CE03 DA01 DB04 DB07 DF02 DF11 DF12 DF16 DF20 DF29 DG03 DG06 DG08 DG09 DH00 GA55 HA01 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA02 JA14 QB15 RA09 4L035 BB03 DD14 EE20 MH02 MH05 MH09 MH12 MH13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタン重合体が、下記一般式で表さ
    れるウレタン・ウレア化合物を含有してなることを特徴
    とするポリウレタンウレア組成物。 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜3の直鎖若し
    くは分岐したアルキル基又はヒドロキシアルキル基、I
    は有機ジイソシアネート残基、Xは第3級窒素含有ジオ
    ール残基、Aは第3級窒素含有ジアミン残基を表し、
    n、mはそれぞれ1〜10の整数を表す。)
  2. 【請求項2】前記ウレタン・ウレア化合物が第3級窒素
    およびセミカルバジド基を有することを特徴とする請求
    項1に記載のポリウレタンウレア組成物。
  3. 【請求項3】前記ウレタン・ウレア化合物をポリウレタ
    ン重合体に対して0.5〜10重量%含有してなること
    を特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタンウ
    レア組成物。
  4. 【請求項4】前記ウレタン・ウレア化合物の平均分子量
    が1000〜10000の範囲であることを特徴とする
    請求項1、2、または3に記載のポリウレタンウレア組
    成物。
  5. 【請求項5】前記ウレタン・ウレア化合物の全第3級窒
    素が1.5〜3m−eq/gの範囲であり、そのうちジ
    アミンによる第3級窒素が10〜50%の範囲であり、
    且つセミカルバジド基を0.15〜1.5m−eq/g
    含有することを特徴とする請求項1、2、3、または4
    に記載のポリウレタンウレア組成物。
  6. 【請求項6】下記一般式で表されるウレタン・ウレア化
    合物を含有してなるポリウレタン弾性繊維。 【化2】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜3の直鎖若し
    くは分岐したアルキル基又はヒドロキシアルキル基、I
    は有機ジイソシアネート残基、Xは第3級窒素含有ジオ
    ール残基、Aは第3級窒素含有ジアミン残基を表し、
    n、mはそれぞれ1〜10の整数を表す。)
  7. 【請求項7】前記ウレタン・ウレア化合物が第3級窒素
    およびセミカルバジド基を有することを特徴とする請求
    項6に記載のポリウレタン弾性繊維。
  8. 【請求項8】前記ウレタン・ウレア化合物を0.5〜1
    0重量%含有してなることを特徴とする請求項6または
    7に記載のポリウレタン弾性繊維。
  9. 【請求項9】前記ウレタン・ウレア化合物の平均分子量
    が1000〜10000の範囲であることを特徴とする
    請求項6、7、または8に記載のポリウレタン弾性繊
    維。
  10. 【請求項10】前記ウレタン・ウレア化合物の全第3級
    窒素が1.5〜3m−eq/gの範囲であり、そのうち
    ジアミンによる第3級窒素が10〜50%の範囲であ
    り、且つセミカルバジド基を0.15〜1.5m−eq
    /g含有することを特徴とする請求項6、7、8、また
    は9に記載のポリウレタン弾性繊維。
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