JP2000309816A - 含Cr溶鋼の脱炭精錬方法 - Google Patents

含Cr溶鋼の脱炭精錬方法

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JP2000309816A
JP2000309816A JP11116859A JP11685999A JP2000309816A JP 2000309816 A JP2000309816 A JP 2000309816A JP 11116859 A JP11116859 A JP 11116859A JP 11685999 A JP11685999 A JP 11685999A JP 2000309816 A JP2000309816 A JP 2000309816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上底吹きAOD炉における含Cr溶鋼のスピ
ッティングを抑制し、高歩留かつ高能率な脱炭精錬方法
を提供する。 【解決手段】 溶鋼の凹み深さLと鋼浴深さL0 の比、
L/L0 を0.05〜0.20とする。溶鋼の凹み深さ
Lはランスのノズル寸法、ランスの高さ、ガス供給圧、
ガス流量および隣接する凹みの重なり率から実験式的に
求められる値であり、前記凹みの重なり率はランスのノ
ズル数、ランスのノズル寸法、ランスの高さ、ガス供給
圧およびガス流量から実験式的に求められる値である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼のスピッティ
ングを抑制することにより、高歩留まりかつ高能率操業
が可能なAOD炉(Argon Oxygen Decarburization)を
用いた含Cr溶鋼の脱炭精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】AOD精錬法は、炉体底部から酸素ガス
とともに不活性ガス(Ar、N2 )を大気圧下で溶鋼中
に吹込むことにより、CO分圧を低下させ、Crの酸化
損失を抑制しながら脱炭を行う方法である。AOD精錬
法には、さらに上吹きランスから酸素ガスを供給する上
底吹き吹錬法がある。この精錬方法として例えば、特公
昭59−21367号公報には、二次燃焼の促進により
昇温速度を上げて、脱炭反応を促進させる方法が、開示
されている。
【0003】昨今では、AOD炉における酸素上吹き
は、Crの酸化抑制のみならず、トータル送酸速度を増
大させ吹錬を高能率化するためにも、導入が進められて
いる。
【0004】AOD炉では、Crの酸化を抑制するため
に、C濃度の低下に伴い送酸速度を段階的に低下させる
のが一般的である。従って、トータルの吹錬時間短縮に
は、初期の高C期で一層送酸速度を上げることが効果的
である。
【0005】しかしながら、吹錬初期の高C濃度のとき
に上吹き送酸速度を増大するとジェットにより溶鋼が跳
ね上がる現象、すなわち、スピッティングが問題とな
る。スピッティング発生量が増大すると、ダストの発生
速度が増加して歩留が低下したり、ダクト内にダストが
堆積して設備能力の低下や設備損傷、あるいは炉口に地
金が付着して操業阻害等をまねく。
【0006】スピッティングを低減するには、ランスか
らのジェットが鋼浴面に衝突するエネルギーを分散させ
ることが有効であり、そのためにはランスの多孔化が有
効である。多孔ランスは転炉吹錬では多用されている
が、その使用方法としては次のような技術がある。
【0007】例えば、特開昭60−165313号公報
には、火点における鋼浴凹みのオーバーラップ率((隣
接する火点凹みの中心を結んだ直線上の2つの凹みが重
なる部分の距離)/(火点凹みの直径))を指標として
ノズル傾斜角を大きくとり、火点凹みの重複を小さくす
る方法が提案されている。
【0008】また、特開平9−41020号公報には、
凹み深さ、火点と炉壁耐火物の距離、ランス先端−湯面
間距離、およびノズル傾斜角を適正範囲とする技術が提
案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は上底吹き転炉を対象としたものであって、AO
D炉上底吹き吹錬では種々の条件が異なる。例えば、A
OD炉は転炉に比較して、フリーボード(鋼浴面から炉
口までの高さ)が低いなど装置サイズの差異が大きいこ
と、送酸速度は転炉に比べて小さいこと、および底吹き
ガスによる攪拌力が上吹きガスのそれと比較して相対的
に大きいこと、さらに対象鋼種の付加価値が高いため歩
留ロスコストが大きいことなど、上吹き付加によるスピ
ッティングのデメリットが大きく、転炉の技術はAOD
炉にそのまま適用できるものではない。
【0010】例えば、特開平9−41020号公報に開
示された方法をAOD上底吹き精錬に適用しようとする
と、スピッティングに起因する前記の問題が発生する。
なぜなら、AOD炉は元来底吹きのみに攪拌を委ねるこ
とを前提に設計されたものであり、同程度の攪拌を上吹
きにより実現した場合、スピッティングに起因するデメ
リットのみが生じるからである。
【0011】従って、AOD炉を対象とする場合の上吹
きの最適条件は上底吹き複合転炉のそれに対しソフトブ
ローにする必要がある。
【0012】本発明の目的は、上底吹きAOD炉におけ
る含Cr溶鋼のスピッティングを抑制する条件を明らか
にし、高歩留かつ高能率な脱炭精錬方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水モデル
試験、AOD炉での実機試験を行い、上吹き多孔ランス
におけるジェット合体の法則性、および、上吹き条件と
スピッティング発生量の法則性を明らかにし、下記の知
見を得た。
【0014】(a) 上吹き酸素ジェットによる溶鋼の凹み
深さがが大きいほど、スピッティング量が増加するが、
凹み深さと鋼浴深さとの比がある限度を超えるとスピッ
ティング量が急激に増加する。脱炭速度、スピッティン
グ発生量は鋼浴深さに対する鋼浴面の凹み深さの比で整
理できる。
【0015】(b) 底吹きガスに酸素および不活性ガスを
用い、攪拌および脱炭を行う場合、上吹き酸素量あたり
の脱炭量は凹み深さに係わらず、ほぼ一定となる。従っ
て、スピッティングが急激に増加しない範囲でランスか
らの酸素吹込み量を大きくするのがよい。
【0016】(c) スピッティングを抑制するには多孔ラ
ンスが適しているが、多孔ランスでは各ノズルからのジ
ェットの重なりが小さいとき、それぞれのノズルによる
凹みは鋼浴面上で分離しており、凹み深さは単孔ノズル
で得られる凹み深さと一致する。
【0017】(d) ジェットの重なりが大きいと、隣接す
るノズルジェットによる凹みが合体し、凹み深さは単孔
ノズルで得られる凹み深さに対して、重なり率に依存し
た係数倍の凹み深さとなる。
【0018】上記の知見に基づき完成した本発明の要旨
は以下の通りである。 (1) ランス先端に同一のノズル傾斜角を有する2孔以上
のノズルから酸素ガスあるいは酸素と不活性ガスとの混
合ガスを含Cr鋼浴面に噴射するAOD上底吹き吹錬に
おいて、鋼浴面の凹み深さLと鋼浴深さL0 の比、L/
0 を0.05〜0.20とすることを特徴とする含C
r溶鋼の脱炭精錬方法。
【0019】(2) ノズルからのジェットにより鋼浴面に
形成された凹みの重なり面積率Sr(%)に対し、鋼浴
面の凹み深さLを下記の(1) 〜(12)式から求めることを
特徴とする請求項1に記載の含Cr溶鋼の脱炭精錬方
法。
【0020】 Sr≦5%のとき、 vdt cos α=1.24・L0.5 ・(L+H0 ) (1) Sr>5%のとき、 L=k・LA (2) vdt cos α=1.24・LA 0.5 ・(LA +H0 ) (3) ここで、 Sr={( γ−sin γ) /π}×100 (4) k=0.04・Sr+0.8 (5) v=( FO2/602)/{( dt 2 ・π/4) ・n} (6) cos(γ/2)={2 ・R・sin(π/n) }/d (7) d=h・tan(α+β) −h・tan(α−β) +de (8) h=H0 −Xc ・cos α (9) R=H0tanα (10) Xc =2.47・P0 ・de (11) P0 =2.19・FO2/(n・dt 2 ) (12) であり、dt はノズルスロート径(mm)、de はノズ
ル出口径(mm)、nはランスのノズル数、αはノズル
傾斜角度(rad)、H0 はランス高さ(mm)、βは
噴流の拡がり角(=0.175rad)、FO2はランス
のガス流量(Nm3 /hr)である。
【0021】なお、本発明において、含Cr鋼とはCr
含有量が3〜30重量%の普通鋼およびステンレス鋼を
いう。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は上底吹きAOD炉の吹錬状
況を示す縦断面図である。同図において、符号1はAO
D炉、2は溶鋼、3は鋼浴面、4は底吹き羽口、5はラ
ンス、6はランスからのジェットである。底吹き羽口4
から不活性ガスあるいは酸素ガスと不活性ガス混合ガス
が吹き込まれて溶鋼が攪拌され、酸素ガスがある場合は
脱炭反応が進行する。ランス5の先端には同一の傾斜各
を有するノズル複数のが配置されており、酸素ガスある
いは酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスが噴射され、溶
鋼2面に深さLの凹み8を形成しながら脱炭反応が進行
する。
【0023】図2はランスおよびランスから噴射された
ジェットの概要を示す縦断面図であり、同図(a) はジェ
ットの寸法関係の概要図、同図(b) はノズル部の拡大図
である。同図において図1と同一要素は同一符号で示
す。同図の符号7はランス先端に設けられたノズル、7
1はノズルのスロート部(内径dt )、72はノズル出
口部(出口径de )、8は鋼浴面の凹み、9はジェット
2の超音速領域であるコアジェット、10は音速以下の
領域である自由ジェットである。
【0024】図3は、鋼浴面上の隣りあった2つのノズ
ルに対応する凹みの幾何学的位置関係を示す平面図であ
る。同図において図1、2と同一要素は同一符号で示
す。
【0025】図2および図3に示すように、ランス5か
ら超音速で噴出したジェット6には、長さXc の超音速
コアジェット9が形成される。その後、音速以下の自由
ジェット10の領域では遷移域を経て完全な乱流に発達
し、広がり角2β(=約0.35rad=20°)で広
がる。
【0026】ここで、コアジェット長さXc (mm)
は、(12)式より求まる上吹きガスのノズル前圧力P
0 (kgf/cm2 )と、ノズルスロート径dt (m
m)、ノズル出口径de (mm)を用いて実験式(11)
式から算出できる。
【0027】 Xc =2.47・P0 ・de (11) P0 =2.19・FO2/(n・dt 2 ) (12) ここで、FO2は精錬用ガスの流量(Nm3 /hr)、n
はノズル数である。
【0028】ランス高さ(ランス先端から鋼浴面までの
距離)がH0 (mm)のとき、図3に示す幾何学的関係
からジェットが自由噴流となる始点と湯面との距離(自
由噴流長さ)h(mm)は(9) 式で与えられ、(8) 式に
示す直径d(mm)の凹みが形成される。
【0029】 h=H0 −Xc ・cos α (9) d=h・tan(α+β) −h・tan(α−β) +de (8) ここで、αはノズル傾斜角度(rad)、βは噴流の拡
がり角(rad)である。βは概ね一定であり、一定数
0.175(rad、すなわち10°)を使用してよ
い。
【0030】凹みの中心とランス中心直下(浴の中心)
との距離Rは下式(10)によって算出できる。
【0031】 R=H0tanα (10) また、ジェットが他のジェットとの干渉を無視できる場
合、すなわち凹み重なり面積率Sr(%)が5%以下の
とき、凹み深さLは次式で与えられる。
【0032】 vdt cos α=1.24・L0.5 ・(L+H0 ) (1) 多孔ランスにおいて、ジェット間の相互干渉が無視でき
なくなるとき、すなわち凹み重なり面積率Sr(%)が
5%超のとき、ジェット同士の合体により凹み深さLは
干渉のない場合の凹み深さLA より大きくなる。すなわ
ち、Lは凹み深さ修正係数k、凹みの重なり面積率Sr
を用いて次式で表される。
【0033】 L=k・LA (2) vdt cos α=1.24・LA 0.5 ・(LA +H0 ) (3) k=0.04・Sr+0.8 (5) ここで、vはジェットのノズル出口流速(m/s)であ
り下記(6) 式で表される。 v=( FO2/602)/{( dt 2 ・π/4) ・n} (6)。
【0034】式(1) 、(3) はL、LA について陰関数形
式で表されているが、ニュートン法等の数値計算によっ
て求めることができる。
【0035】つぎに、Srの計算方法を説明する。図3
に示す幾何学的関係において、凹み8aの中心と、それ
と隣り合う凹み8bの重なりの交点を結ぶ直線がなす角
(凹みの重なり角度)をγ(rad)とすると、2つの
凹みの重なり面積の、凹みの面積に対する比Srは次式
(4) で表される。
【0036】 Sr={( γ−sin γ) /π}×100 (4) ここで、γは次式(7) で表される。
【0037】 cos(γ/2)={2 ・R・sin(π/n) }/d (7) 本発明者らは、まず水モデル実験により、凹み重なり面
積率Srが水浴の凹み深さへ及ぼす影響、およびジェッ
トによる凹み深さとスピッティングとの関係を調査し
た。
【0038】図4はジェットによる鋼浴面の凹みを観察
するための縮尺1/10の水モデル実験の概要図であ
る。ランス5には単孔ランスの他、多孔ランスとして、
傾斜角度の異なる2孔、3孔および4孔ランスを用意し
それぞれ実験した。
【0039】ランス高さを150〜350mmに設定
し、ランス5より一定時間圧縮空気を流量800Nl/
minで上吹きした。その間、水面13の上方600m
mに吸水紙11を取り付け、実験前後の重量変化から液
滴12の飛散量を算出した。
【0040】また、同条件において、水面と同じ高さの
平面上のジェットの動圧をピトー管により計測した。ジ
ェットの動圧の大きさは水浴の凹み量に対応するものと
考えた。
【0041】まず、多孔ランスにおけるジェットの動圧
分布の一例として、2孔ランスにおける、凹み重なり面
積率Srが0%、3%、7%および15%の4条件での
動圧分布を調査した。
【0042】図5はランスからのジェットによる鋼浴面
上の動圧分布を模式的に示すグラフである。横軸は単孔
ノズルによって形成される凹みの直径に対する比で示
し、0の位置は2つの凹みの中点に相当する。
【0043】Srが0%の場合、2つのジェットによる
動圧分布は完全に独立しているのがわかる。Srが3%
の場合、2つのジェットは互い引き寄せられ中心に寄っ
ているが、各ジェットの動圧のピークは明瞭に分離して
いる。
【0044】これに対し、Srが7%の場合、Srが3
%の場合よりもジェットの合体は進行しており、動圧の
最大値は2つのジェットの中間に存在している。
【0045】さらに、Srが15%の場合、ジェットは
完全に合体しており、中心の最大動圧はSrが7%の場
合よりも大きくなっている。
【0046】次に、2孔以上の各ランスにおける凹みの
最大値と、別に測定したそのランスからの単独ジェット
による凹みの比k(凹み深さ修正係数ともいう)を、S
rで整理した。
【0047】図6は多孔ノズルのジェットの鋼浴面上の
凹み重なり面積率Sr(%)と凹み深さ修正係数kとの
関係を示すグラフである。
【0048】同図からわかるように、Srが0〜25%
の範囲において、kはノズル孔数とは無関係にSrで整
理可能であり、Srが5%以下ではkは1で一定、Sr
が5%を超える領域では次式の関係が得られた。
【0049】 k=0.04・Sr+0.8 (5) これより、多孔ランスにおける凹み深さは、Srが5%
を超える場合、単独ジェットのk倍として推算できるこ
とが判明した。
【0050】次に、水モデルにおける凹み深さLを(1)
〜(12)式で計算し、L/L0 とスピッティング量との関
係を調査した。
【0051】図7はL/L0 、すなわち水浴の凹み深さ
L(mm)/水浴深さL0 の比とスピッティング量との
関係をを示すグラフである。同図に示すように、スピッ
ティング量はL/L0 で整理でき、L/L0 が0.2を
超えると急にスピッティング量が増加することがわか
る。
【0052】次に、内径3mのAOD炉で、80t/チ
ャージ、Cr濃度が15重量%、C濃度が0.5重量%
以上の溶鋼に、底吹き羽口から酸素を流量4000Nm
3 /hrおよびArを流量1000Nm3 /hr吹込
み、ランスから酸素を流量5000Nm3 /hrで吹込
む場合を例として、本発明の作用と具体的方法を説明す
る。
【0053】Cr含有溶鋼の脱Cは、溶鋼へ供給された
2 との反応で生成したCr2 3とCとの反応による
もので、下記式で進行すると考えられる。
【0054】Cr2 3 +3C=2Cr+3CO 上記式の反応は高温ほど右方向に進むことが知られてい
る。
【0055】上吹きジェットの強さの指標であるL/L
0 が反応点の温度に及ぼす影響として、次の2つが知ら
れている。
【0056】(a) L/L0 が小さいほど二次燃焼率(C
O+1/2O2 →CO2 )の増大による昇温速度が増加
する。
【0057】(b) L/L0 が大きいほど凹みの温度(火
点温度)が上昇する。つまり、(12)式の反応点での温度
上昇はこの2つの効果のバランスで決定される。
【0058】以下は、後述の実施例に示す単孔、2孔、
3孔、および4孔ランスを用い、ランス高さを調整し、
L/L0 を種々変更して操業した結果である。
【0059】図8は鋼浴面の凹み深さL/鋼浴深さL0
の比と単位供給酸素当たりの脱C量△C/△O2 (kg
/Nm3)の関係を示すグラフである。
【0060】同図に示すLは前述の(1) または(2) 〜
(3) 式で補正した値である。同図に示すように、L/L
0 のCr酸化量への影響は小さいことが判明した。これ
は、上記(a) 、(b) の各々の効果はL/L0 の変化に対
応してそれぞれが増減しても、両者を併せた効果はほぼ
一定であることを示している。
【0061】次に、鋼浴の凹み深さの指標であるL/L
0 とスピッティングとの関係をAOD炉で調査した。こ
のときのスピッティング量は、炉頂部に鉄製サンプラー
を一定時間保持し、これへの付着地金の重量で評価し
た。
【0062】図9は鋼浴面の凹み深さと付着地金重量と
の関係を示すグラフである。同図の溶鋼の凹み深さLは
図8におけるものと同じである。
【0063】同図からわかるように、水モデル同様、補
正したL/L0 とスピッティング量の間には明確な相関
があり、L/L0 が0.2を超えるとスピッティングは
急増することが判明した。
【0064】さらに、L/L0 と炉壁耐火物溶損速度の
関係を調査した結果、後述の実施例で示すように、L/
0 が0.05未満の場合、耐火物の溶損速度が著しく
増加することが判明した。これは凹み深さを浅くする
と、スピッティングは減少するが、脱炭反応も低下し、
反対に二次燃焼率が増大して炉壁近傍の温度が急増する
ためと考えられる。
【0065】以上の結果より、L/L0 はスピッティン
グ低減、耐火物溶損抑制の両面から0.05以上0.2
以下とする。好ましくはL/L0 の範囲は0.06〜
0.15であり、さらに好ましくは0.07〜0.1と
するのがよい。
【0066】次に、ランス高さH0 について述べる。
【0067】H0 を小さくしすぎると、溶鋼飛散による
ランスの溶損や熱変形が発生しやすく、ランス寿命を短
くすることになる。
【0068】また、H0 が大きすぎると、ジェットの広
がりが大きくなり、L/L0 を過度に小さくしたときと
同様、COガスの二次燃焼による過度の昇温をもたら
し、耐火物損耗の問題を生ずる。
【0069】発明者らが試験を行った通常30〜100
t/チャージのAOD炉では、H0は1600mm以
上、3000mm以下であるのが好ましい。さらに好ま
しくは2000〜2500である。
【0070】本発明の実施にあたっては、鋼浴面の凹み
深さLを求める必要があるが、第1の方法として、鋼浴
面の凹み深さLを実測またはランス高さ、上吹き酸素ガ
ス量から推定し、操業条件から決まる鋼浴深さL0 に対
するLの値を本発明の規定する範囲で操業する方法があ
る。
【0071】鋼浴の凹み深さLを実測するには、上吹き
ランスとは別に設けたサブランスにレーザ距離計を水冷
ジャケットで保護して装着し、オンライン測定する方法
が考えられる。
【0072】しかし、このようなサブランスによる測定
装置は設備コストが大きくなり、距離計センサの長期信
頼性の問題もあるため、鋼浴の凹み深さを簡単な方法で
推定する方法を用いるのがよい。
【0073】例えば、鋼浴の凹み深さLは、ランスの種
類毎に、ランス高さH0 をパラメータとして、上吹き酸
素ガス流量FO2とLの関係をノモグラムとして与えるこ
とによっても推定できる。
【0074】本発明の第2の方法は、鋼浴面の凹み深さ
Lを、数式で与える方法である。すなわち、ノズル数
n、ノズルスロート径dt 、ノズル出口径de 、ノズル
傾斜角度αなどのランス仕様の諸数値と、上吹きガス流
量FO2、ノズル前圧力P0 、溶鋼量から決まる鋼浴深さ
0 、ランス高さH0 等の脱炭条件から決まる条件に基
づき、前記(1) 〜(12)式からLを求めることができる。
【0075】
【実施例】内径3mの80トンAOD炉において、Cr
濃度18重量%の溶鋼を、C濃度4重量%から0.5重
量%まで、表1に示す条件にて脱炭吹錬した。全条件に
おいて、底吹きガスには酸素ガスおよびArガスを用
い、流量はそれぞれ4000Nm3 /hrおよび100
0Nm3 /hrとした。
【0076】表1には、本発明例および比較例の操業時
のスピッティングロス、ダストロス、および炉壁耐火物
損耗速度を併せて示す。これらの値は、各例において2
0〜30チャージ操業したときの平均値である。スピッ
ティングロス、炉壁耐火物損耗速度は比較例1を基準
(100%)として、これに対する相対的比率(%)で
示した。
【0077】比較例2は2孔ランスを用いた操業例であ
るが、L/L0 は単孔ランスを用いた比較例1よりも大
きいため、スピッティングロスは著しく増加した。
【0078】また、比較例3は4孔ランスを用いた操業
例であり、L/L0 の低下によりスピッティングロスは
著しく減少した。また、スピッティングを起点に発生す
るダストも減少するためトータルのダストロスも減少し
た。しかしながら、二次燃焼率増大により耐火物の損耗
速度は著しく増加し、連続操業には好ましくない結果と
なった。
【0079】これに対し、本発明例の場合、L/L0
本発明の規定範囲であるため、スピッティングロスおよ
びダストロスともに少なかった。また、炉壁損耗速度の
増加率も±2%と誤差の範囲内であり、ソフトブロー化
による二次燃焼率増大の悪影響は抑制された。
【0080】
【発明の効果】含Cr鋼を脱炭精錬する際、高送酸速度
のAOD上底吹き吹錬に本発明を適用することで、炉壁
耐火物の溶損を増大させることなくスピッティングおよ
びダストロスを大幅に低減することができる。
【0081】これにより、歩留まりの向上および炉口地
金付着等の操業トラブルの回避が達成され、生産性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上底吹きAOD炉の吹錬状況を示す縦断面図で
ある。
【図2】ランスおよびランスから噴射されたジェットの
概要を示す縦断面図であり、同図(a) はジェットの寸法
関係の概要図、同図(b) はノズル部の拡大図である。
【図3】鋼浴面上の隣りあった2つのノズルに対応する
凹みの幾何学的位置関係を示す平面図である。
【図4】ジェットによる鋼浴面の凹みを観察するための
縮尺1/10の水モデル実験の概要図である。
【図5】ランスからのジェットによる鋼浴面上の動圧分
布を模式的に示すグラフである。
【図6】多孔ノズルのジェットの鋼浴面上の凹み重なり
面積率Sr(%)と凹み深さ修正係数kとの関係を示す
グラフである。
【図7】水浴の凹み深さL/水浴深さL0 の比と、スピ
ッティング量との関係を示すグラフである。
【図8】鋼浴面の凹み深さL/鋼浴深さL0 の比と単位
供給酸素当たりの脱C量△C/△O2 (kg/Nm3)の
関係を示すグラフである。
【図9】鋼浴面の凹み深さと付着地金重量との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1:AOD炉 2:溶鋼 3:鋼浴面 4:底吹き羽口 5:ランス 6:ジェット 7:ノズル 71:スロート部 72:ノズル出口部 8、8a、8b:凹み 9:コアジェット 10:自由ジェット 11:吸水紙 12:液滴 13:水面 L0 :鋼浴深さ L:鋼浴面の凹み深さ n:ノズル数 H0 :ランス高さ(mm) dt :ノズルスロート径(mm) de :ノズル出口径(mm) Sr:凹み重なり面積率(%) γ:凹みの重なり角度(rad) R:浴心から凹み中心までの距離(mm) d:凹み直径(mm) α:ノズル傾斜角度(rad) β:噴流の拡がり角(rad) Xc :コアジェット長さ(mm) h:ジェットの自由噴流長さ(mm)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランス先端に同一のノズル傾斜角を有す
    る2孔以上のノズルから酸素ガスあるいは酸素ガスと不
    活性ガスとの混合ガスを含Cr鋼浴面に噴射するAOD
    炉上底吹き吹錬において、鋼浴面の凹み深さLと鋼浴深
    さL0 の比、L/L0 を0.05〜0.20とすること
    を特徴とする含Cr溶鋼の脱炭精錬方法。
  2. 【請求項2】隣接するノズルからのジェットにより鋼浴
    面に形成された凹みの重なり面積率Sr(%)に対し、
    鋼浴面の凹み深さLを下記の(1) 〜(12)式から求めるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の含Cr溶鋼の脱炭精錬
    方法。 Sr≦5%のとき、 vdt cos α=1.24・L0.5 ・(L+H0 ) (1) Sr>5%のとき、 L=k・LA (2) vdt cos α=1.24・LA 0.5 ・(LA +H0 ) (3) ここで、 Sr={( γ−sin γ) /π}×100 (4) k=0.04・Sr+0.8 (5) v=( FO2/602)/{( dt 2 ・π/4) ・n} (6) cos(γ/2)={2 ・R・sin(π/n) }/d (7) d=h・tan(α+β) −h・tan(α−β) +de (8) h=H0 −Xc ・cos α (9) R=H0tanα (10) Xc =2.47・P0 ・de (11) P0 =2.19・FO2/(n・dt 2 ) (12) であり、dt はノズルスロート径(mm)、de はノズ
    ル出口径(mm)、nはランスのノズル数、αはノズル
    傾斜角度(rad)、H0 はランス高さ(mm)、βは
    噴流の拡がり角(=0.175rad)、FO2はランス
    のガス流量(Nm3 /hr)である。
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