JP2000306058A - 偽造防止媒体およびその真偽判定方法、真偽判定システム - Google Patents

偽造防止媒体およびその真偽判定方法、真偽判定システム

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JP2000306058A
JP2000306058A JP11881299A JP11881299A JP2000306058A JP 2000306058 A JP2000306058 A JP 2000306058A JP 11881299 A JP11881299 A JP 11881299A JP 11881299 A JP11881299 A JP 11881299A JP 2000306058 A JP2000306058 A JP 2000306058A
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medium
wavelength
forgery
reflectance
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Noriyuki Ito
則之 伊藤
Masao Kuroiwa
政夫 黒岩
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ランダムパターン形成材料の材料の真偽判定
を、ランダムパターン読み取りと同時に行うことが可能
である偽造防止媒体およびその真偽判定方法、並びに真
偽判定システムを提供する。 【解決手段】基体上の少なくとも一部に、狭帯域の光吸
収ピークを有する光吸収物質からなる識別材料をランダ
ムパターンとなるように設けた固有情報部を設けた偽造
防止媒体であり、吸収ピーク波長における偽造防止媒体
の第1の反射率と比較波長における偽造防止媒体の第2
の反射率とを比較するので、特定の材料以外で構成され
た偽造防止媒体を確実に偽物と判定でき、偽造防止媒体
の真偽判定の精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造を防止するた
めの対策を施した偽造防止媒体とそれを用いた真偽判定
方法、並びに真偽判定システムに関し、さらに詳しくは
光学的に読み取る特殊なランダムパターンを付与した偽
造防止媒体であり、カードや株券、金券等の有価証券類
に利用可能である。
【0002】
【従来の技術】現在ではカードや株券等、金銭と同じ価
値を持ついわゆる有価証券が広く流通している。これら
は紙幣を製造する方法とは異なった方法で製造されてい
るにも関わらず、紙幣や貨幣と全く同じ価値を有してい
るため、それぞれ独自の偽造・贋造・変造・改憲に対す
る防止対策を施している。
【0003】偽造防止の方法として、べ一スとなる基材
に何らかのランダムパターンを付与する方法は過去から
提案がなされている。
【0004】例えば、特開平6−8679号公報におい
ては、支持体に染顔料、繊維状物質、球状微粒子、金属
微粒子からなる少なくとも1種以上の識別材料をランダ
ムパターンとなるように内添又は塗工した情報識別シー
トが提案されている。これは、電気的、光学的および磁
気的な情報識別手段からなる少なくとも1種以上の情報
識別手段を用いてランダムパターンを形成し、これによ
って各情報識別シート固有のデータを付与することによ
り、偽造を防止する方法である。
【0005】また、特開平6−28707号公報こは、
上記の提案のうち支持体に光、電気、磁気、X線に反応
する物質を不織布中に内添した情報識別シートと、その
情報識別方法が提案されている。これは、基材シート中
にランダムパターンを形成することによって、人間の指
紋にあたる”紙紋”を付与し、これと同一の情報パター
ンを偽造することがきわめて困難となるため、偽造防止
効果があるというものである。この他にも、同様の提案
として特開平6−28708号公報、特開平6−287
09号公報にそれぞれ蛍光性染顔料を表面塗布および内
添によりランダムパターンを付与する方法が提案されて
いる。
【0006】別の提案としては、特開平6−32091
号公報に感磁性ワイヤを用いてランダムパターンを形成
して磁気ヘッドを利用して識別情報を読み出す提案がな
されている。さらに、情報識別媒体にコード情報部を設
け、この部分にあらかじめ記録されたランダムパターン
の読み取り情報と、実際に読み出された情報の照合を行
い、真偽判定をする方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】媒体固有のランダムパ
ターンを付与した情報識別媒体を実際に使用する時点で
は、各ランダムパターンを読み取ったあと、何らかの照
合作業を行う必要があり、大きく分けて媒体個々のラン
ダムパターンを登録したホストコンピュータとのオンラ
インでの照合、もしくは媒体にあらかじめ設けられたラ
ンダムパターン情報との照合といった方法が考えられ
る。
【0008】ホストコンピュータとの照合をする場合に
は、上記の媒体個々のランダムパターンデータをホスト
コンピュータに格納し、このデータと媒体から読み取ら
れたランダムパターンのデータを比較参照することにな
る。この方式であればホストコンピュータのデータを改
竃されない限り、偽造の恐れは少ないと考えられる。し
かし、実際にはカードのランダムパターン読取用端末と
集中管理及びデータ格納を行うホストコンピュータを常
時稼働させ、かつオンラインで接続しておく必要があ
り、通信コストやデータ格納コスト等を考慮すると不利
である。
【0009】そこで、前述の特開平6−32091号公
報に示されるように、各媒体毎にランダムパターン部
と、あらかじめ読み取ったランダムパターンを記録する
識別情報部を設け、ランダムパターンの照合を媒体単独
で可能とした方式が提案されている。この方式は、ネッ
トワークが不要なこと、小型軽量の端末で取引が可能で
ある等の利点があり、実際に市場にも出始めてきてい
る。
【0010】しかしながら、この方式では、ランダムパ
ターンと識別情報部が同一カード上に存在することにな
り、セキュリティの点からは不利になる。ランダムデー
タを付与する方式の一番の利点は、ランダムデータの複
製が困難であることである。しかし、これとの照合手段
がカード上に存在するということは、識別情報部を書き
換えてしまえば偽造したランダムデータも正規のデータ
となってしまう。したがって、ランダムパターンを形成
する物質が容易に他の材料で代用できるようなものであ
れば、その代用材料を使用してランダムパターンを形成
し、その読み取り内容を識別情報部に言已録してしまえ
ば、偽造カードが正規のカードとして使用できることに
なる。
【0011】すなわち、そのランダムパターンが磁気変
化、電気変化、光変化のいずれを利用したものであって
も、ランダムパターンを形成する材料が正規の材料で形
成されているか否かが判定できなければ、ランダムパタ
ーンと識別情報部を同時に媒体上に設けるのは、セキュ
リティ面で非常に危険が伴うものである。
【0012】本発明は上述のような問題を解決するため
になされたもので、ランダムパターン形成材料の材料の
真偽判定を、ランダムパターン読み取りと同時に行うこ
とが可能である偽造防止媒体およびその真偽判定方法、
並びに真偽判定システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めになされた本発明は、次のような構成から成り立って
いる。
【0014】請求項1に記載される発明は、基体上の少
なくとも一部に、狭帯域の光吸収ピークを有する光吸収
物質からなる識別材料をランダムパターンとなるように
設けた固有情報部を設けたことを特徴とする偽造防止媒
体である。
【0015】請求項2に記載される発明は、狭帯域の光
吸収物質を含有してなるランダムパターンを設けた偽造
防止媒体の真偽判定方法において、偽造防止媒体に照射
光を照射し、照射光が上記ランダムパターン部で反射し
た反射光を受光して、上記吸収物質の吸収ピーク波長に
おける第1の反射率と、吸収ピーク波長の近傍の波長で
あって反射光の吸収が少ない比較波長における第2の反
射率とを検出し、検出された第1の反射率と該2の反射
率とに基づいて偽造防止媒体の真偽を判定することを特
徴とする偽造防止媒体の真偽判定方法である。
【0016】請求項3に記載される発明は、狭帯域の光
吸収物質を含有してなるランダムパターンを設けた偽造
防止媒体の真偽判定方法において、偽造防止媒体に照射
光を照射し、照射光が上記ランダムパターン部で反射し
た反射光を受光して、上記吸収物質の吸収ピーク波長に
おける該偽造防止媒体の第1の反射率と吸収ピーク波長
の近傍の波長であって反射光の吸収が少ない比較波長に
おける第2の反射率とを検出し、検出された第1の反射
率と該2の反射率との差が所定値を越える場合は該偽造
防止媒体を本物と判定し、差が該所定値以下の場合には
偽造防止媒体を偽物と判定することを特徴とする偽造防
止媒体の真偽判定方法である。
【0017】請求項4に記載される発明は、請求項2又
は3に記載の偽造防止媒体の真偽判定方法において、照
射光が赤外線光であることを特徴とする。
【0018】請求項5に記載される発明は、請求項2又
は3に記載の偽造防止媒体の真偽判定方法において、吸
収ピーク波長と比較波長の差を10nm以上100nm
以下に設定したことを特徴とする。
【0019】請求項6に記載される発明は、偽造防止媒
体の真偽を判定する真偽判定システムにおいて、狭帯域
の吸収特性を有する光吸収物質を含有してなるランダム
パターン部を基体部に配設した偽造防止媒体と、光吸収
物質に係る吸収ピーク波長とその近傍の波長であって吸
収がほとんどない比較波長とを含む照射光を偽造防止媒
体に照射する発光部と、偽造防止媒体にて反射された反
射光の光量を検出して、上記吸収ピーク波長における情
報言己録媒体の反射率を表す第1の信号と、上記比較波
長における反射率を表す第2の信号とを生成出力する受
光部と、第1の信号と第2の信号との差分に基づいて情
報記録媒体の真偽を表す真偽判定信号を生成出力する比
較手段とを有することを特徴とする偽造防止媒体真偽判
定システムである。
【0020】したがって、本発明による偽造防止媒体で
はランダムパターンを形成する光吸収物質の真偽判定
と、ランダムパターンの読み取りを同時に行うため、ラ
ンダムパターンの偽造を容易に見破ることができ、効果
的に偽造を防止することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して発明を詳細
に説明する。
【0022】まず、本発明に係る情報記録媒体の一実施
例を図1に図示する。図1において、1は情報記録媒体
であり、カード状の基材2と、その上面に光吸収物質3
Aで印刷されたランダムパターン3とを有している。
【0023】ここで、ランダムパターン3を構成する光
吸収物質3Aの反射スペクトルの一例を、図2を用いて
詳述する。なお、吸収スペクトルは400〜1100n
mの波長で全反射をする基材の上部に光吸収物質3Aを
印刷した偽造防止媒体を作成し、この偽造防止媒体の反
射率を測定することにより求めた。
【0024】図2において、吸収スペクトルは、短い波
長側の波長λ2(670nm)より急峻に立ち下がり、
吸収ピーク波長λ0(約780nm)で吸収特性のピー
クとなり、この吸収ピーク波長λ0より急峻に立ち上が
り、波長λ1(約840nm)より長い波長領域におい
て吸収がほとんどない特性を示す。すなわち、この光吸
収物質3Aは、赤外線波長域において狭帯域の吸収特性
を有する。なお、本案掩例では赤外域に吸収ピークを有
する場合に関して説明しているが、同様の特性を有する
物質を使用すれば、吸収ピークの波長域は限定すること
なく使用することができる。
【0025】次に、上記した偽造防止媒体1の読み取り
に用いられる情報読み取り装置の構成について図3を用
いて説明する。なお、図1と同一の部分には同一の符号
を付しその説明を省略する。図3において、30は発光
部であり、波長λ0と波長λ1とを少なくとも含む射光
を偽造防止媒体1に照射する。また、31は第1の受光
部であり、光電変換器とその受光面に配設されている光
学フィルタとを有しており、この光学フィルタは波長λ
0(780nm)を透過する。このため、第1の受光部
31の出力である信号31aは、波長λ0における受光
量、言い換えれば偽造防止媒体1の反射率に対応するこ
ととなる。
【0026】一方、32は第2の受光部であり、光電変
換器とその受光面に配設されている光学フィルタとを有
しており、この光学フィルタは波長λ1(840nm)
を透過する。このため、第2の受光部32の出力である
32aは、波長λ1における受光量(反射率)に対応す
る。
【0027】また、33は比較手段であり、信号31
a、信号32a及びあらかじめ定められた所定値である
基準値Rに基づいて、偽造防止媒体1の真偽を表す真偽
判定信号33aを生成する。まら、比較手段33は偽造
防止媒体1のランダムパターン3を読み取って得た再生
ランダムパターン情報33bを生成する。
【0028】次に、実施例の動作を図3,4を参照し説
明する。図3において、偽造防止媒体1は、図示しない
機構系により駆動され、図3中の矢印の方向に移動す
る。そして、発光部30から発せられた光は、ランダム
パターン3に照射され、ここで反射される。この反射光
が第1、第2の受光部31,32によって光電変換され
反射率に対応した信号31a,32aとして出力され
る。
【0029】ここで、ランダムパターン3が図4の下部
に示すようになっていたとすると、波長λ0に対応する
信号31aは図4の実線のように変化し、また、波長λ
1に対応する信号32aは図4の波線のように変化す
る。
【0030】そして、比較手段33においては、信号3
1aと信号32aの差信号を求め、その振幅と基準値R
とを比較する。ところで、図2に示したように、波長λ
0は、光吸収物質3Aによって大きく吸収されるが波長
λ1はあまり吸収されない。したがって、図4に示す状
態にあっては、信号31aと信号32aの差は大きくな
り、差信号の振幅は大きくなる。比較手段33は、差信
号の振幅と基準値Rとを比較し、振幅が基準値Rを上回
ったときに真偽判定信号33aを「真」(例えば、”
1”信号)とする。ここで、基準値Rは、差信号の振幅
が、図2に示す光吸収物質3Aにおける波長λ0と波長
λ1の反射率の差丁い対応したものか否かが識別できる
値に設定されている。したがって、光吸収物質3Aが図
2に示す特性を有していれば、真偽判定信号33aは、
「真」を示す信号となる。また、比較手段33は、信号
31aを基準値Rと比較し波形成形して、再生されたラ
ンダムパターンを表す再生ランダムパターン情報信号3
3bを生成し出力をする。
【0031】一方、ランダムパターン3として、図5に
図示する特性を有する物質を用いると、波長λ0のみな
らず波長λ1の光吸収物質3Aによて比較的大きく吸収
される。今、ランダムパターン3が図6の下部に示すよ
うになっていたとすると、波長λ0に対応する信号31
aは図5の実線のように変化し、また、波長λ1に対応
する信号32aは図5の波線のように変化する。図6に
示す状態にあっては、比較手段33は、差信号の振幅と
基準値Rとを比較し、振幅が基準値Rを下回ったときに
真偽判定信号33aを「偽」(例えば、”0“信号)と
する。ここで、基準値Rは、差信号の振幅が、図6に示
す光吸収物質3Aにおける波長λ0と波長λ1の反射率
の差Pに対応したものか否かが識別できる値に設定され
ている。したがって、光吸収物質3Aが図6に示す特性
を有していれば、真偽判定信号33aは、「偽」を示す
信号となる。
【0032】ここで、真偽判定に波長λ0と波長λ1と
の反射率を用いた理由について説明する。まず、波長λ
0を用いたのは、反射率の差に基づいて光吸収物質3A
が正規なものであるか否かを判定するから、ノイズを考
慮すれば反射率の差はできるだけ大きい方が望ましく、
このためにも吸収ピーク波長であるλ0に一方の波長を
設定する必要があるからである。
【0033】次に、波長λ1を用いたのは、波長λ1で
の吸収はほとんどないため、吸収ピーク波長との反射率
の差を大きくでき、この結果、真偽判定の精度を向上で
きるからである。また、波長λ1は、図2に示すように
吸収特性の肩部分に相当するものを用いているので波長
λ0と近接しているが、このように近接した両波長の反
射率が大きく相違する物質は、狭帯域の吸収特性を有す
る物質であり、同一の組成以外で生成するのは極めて困
難である。したがって、一方の波長を吸収特性の肩部分
に相当する波長λ1に設定することにより、偽造防止媒
体の偽造を防止できるからである。
【0034】このようにして、狭帯域の吸収特性を有す
る光吸収物質をランダムパターン3の形成材料として用
い、かつ、波長λ0の反射率と波長λ1の反射率とに基
づいて偽造防止媒体の真偽判定を行うことにより、確実
な真偽判定が可能となる。
【0035】ここで、上述した実施例に好適な偽造防止
媒体1の一例について説明する。なお、特に断りがない
限り「部」は重量部を表す。まず、基材2としては、1
88μmのポリエチレンテレフタレートシートを用い
る。また、情報コード3としては、ポリエステル系樹脂
50部、フタロシアニン系光吸収剤1部及びシクロヘキ
サノン49部の組成からなるスクリーンインキを用い
る。そして、基材2にランダムパターン3をスクリーン
印刷することによりランダムパターンを有する偽造防止
媒体1を生成する。
【0036】この偽造防止媒体1の吸収スペクトラム特
性を図7に図示する。図7に図示すように、この吸収ス
ペクトラムは、吸収ピーク波長λ0が780nmであ
り、狭帯域の吸収ピーク特性を有している。また、波長
λ0と、840nmに設定される波長λ1との反射率の
差は基準値Rを上回るため、上記した情報読取装置でこ
の偽造防止媒体1は本物と判定される。
【0037】一方、比較例として、当該偽造防止媒体1
中のフタロシアニン系光吸収材をシアニン系色素に変更
し、他の組成を同一にした偽造防止媒体を試作したとこ
ろ、その吸収スペクトラム特性は図8に図示するものと
なった。図8において、吸収ピーク波長λ0は、780
nmとなり図7に図示した偽造防止媒体の吸収ピーク波
長と一致するものの、波長λ1における反射率は図7に
図示したものに対し小さくなる。この結果、波長λ0と
波長λ1との反射率の差が小さくなり、上述した情報読
取装置にあっては、比較例の偽造防止媒体は偽物と判定
される。
【0038】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能
である。 (1)上記実施例において、吸収ピーク波長の反射率の
みならず吸収特性の肩の部分に相当する波長の反射率に
も基づいて真偽判定を行うので、ランダムパターン3を
形成するバーは、単に狭帯域の吸収特性を有する吸収物
質であっても良いことは勿論である。この場合には、ラ
ンダムパターンの内容が解読されてしまうこともある
が、偽造防止媒体の偽造は確実に防止できる。
【0039】(2)また、上記実施例において、偽造防
止媒体1は基材2とコード情報3とを有することとして
説明したが、必要に応じてランダムパターン3の上部に
隠蔽層やあるいは耐久性を向上させる保護層等を設け、
媒体としての特性を向上させても良い。なお、保護層と
しては赤外線光を透過させる透明樹脂等を用いれば良
い。
【0040】(3)また、基材2は、波長λ1において
良好な反射特性を示す性質を有していれば任意の物質を
使用することができる。例えば、塩化ビニル、ポリエチ
レンテレフタレート、紙、金属等が利用可能である。ま
た、ランダムパターン3を商品に直接印刷する場合にお
いては、商品自体が基材2として用いられることは勿論
である。
【0041】(4)また、ランダムパターン3は、周知
のオフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷
法、フレキソ印刷法、凸版印刷法文は凹版印刷法等の印
刷法や、感熱転写法又は加圧転写法等の転写法等で基材
2の上部に配設することができる。また、このランダム
パターン3は光吸収物質3Aとこれを固定する樹脂を有
していれば足りる。なお、樹脂は、基材2と光吸収物質
3Aとの関係で特定されるが、例えば、天然樹脂や合成
樹脂を必要に応じて使用することができる。
【0042】(5)また、発光部30から照射される照
射光は、波長λ0と波長λ1とを含むブロードなスペク
トラムを有するものであっても、波長λ0と波長λ1と
でピークを持つスペクトラムを有するものであっても良
い。さらに、波長λ0に対応した照射光と波長λ1に対
応した照射光とを時分割で照射しても良い。特に、発光
部30より照射する照射光を波長λ0と波長λ1とで時
分割で照射する場合には、波長λ0と波長λ1の両波長
を検出できる単一の受光部を用い、比較手段33中に両
波長における反射率の少なくとも一方を言己慮する記憶
手段を設け、両波長における反射率に基づいて真偽判定
信号33aを生成すれば良い。
【0043】(6)また、再生ランダムパターン33b
に代えて、信号31aを直接出力しても良い。また、偽
造防止媒体1の反射率の変化により、所望のS/Nを有
する反射率差分信号が得られるのであれば、吸収ピーク
波長と波長λ0とは、必ずしも一致する必要はない。
【0044】(7)また、実用的には波長λ0と波長λ
1とを100nm以下に近接したものにることが偽造防
止の観点より望ましい。一方、波長λ0と波長λ1とを
10nm未満に設定するには急峻な吸収ピークを有する
光吸収物質を必要とするが、このような光吸収物質の生
成は事実上困難である。このため、仮に波長λ0と波長
λ1とを10nm未満に設定するとS/Nが劣化してま
う。そこで、波長λ0と波長λ1との差は、10nm以
上100nm以下に設定することが望ましい。
【0045】(8)また、基準値Rを場合に応じて可変
できるようにしても良い。これにより、高い信頼性が要
求される高額の商品を扱う場合には基準値Rを高く設定
する一方、それほど信頼性が要求されない低額の商品を
扱う場合には基準値Rを低く設定することも可能とな
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
構成によれば、狭帯域の吸収特性を持つ光吸収物質をラ
ンダムパターン部に用いているので、広帯域の吸収特性
を有する光吸収物質を用いた従来のものと比較して、赤
外線スコープでランダムパターンを読み取ろうとしても
赤外線スコープの感度の低下を招き、ランダムパターン
の読み取りを困難にできる。また、一般に狭帯域の吸収
特性を特定周波数に持つ材料は全く同一の材料以外で実
現するのは非常に困難であるので、偽造防止媒体の偽造
を防止することができる。さらに、光吸収物質の可視波
長域での光吸収はほとんどないので、ランダムパターン
を不可視にすることができ、この結果、偽造防止媒体を
文化性、芸術性の高い商品のパーランダムパターンに適
用できる。
【0047】また、請求項2に記載の構成にあっては、
吸収ピーク波長における偽造防止媒体の第1の反射率と
比較波長における偽造防止媒体の第2の反射率とを比較
するので、特定の材料以外で構成された偽造防止媒体を
確実に偽物と判定でき、偽造防止媒体の真偽判定の精度
を向上できる。
【0048】また、請求項3又は6に記載の構成にあっ
ては、請求項2の場合と同様な効果が得られると共に、
第1の反射率と第2の反射率との差が所定値を越えるか
否かで真偽判定を行うため、この所定値を場合に応じて
設定できるという利点があり、例えば、高額の商品を扱
う場合には所定値を高く設定する一方、低額の商品を扱
う場合には所定値を低く設定することも可能となる。
【0049】また、請求項4に記載の構成にあっては、
吸収物質として光吸収物質を用いるので、ランダムパタ
ーン部の存在を隠蔽できる。
【0050】また、請求項5に記載の構成にあっては、
吸収ピーク波長と比較波長との波長の差を10nm以上
100nm以内に設定したから、特定の光吸収物質を用
いない限り偽造防止媒体は偽物と判定されるので、偽造
防止媒体の真偽判定の精度をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偽造防止媒体の一実施例の構成を示す断面図で
ある。
【図2】光吸収物質の吸収スペクトラムの一実施例を示
すスペクトル図である。
【図3】真偽判定装置の一美掩例の構成を示すブロック
図である。
【図4】適切な偽造防止媒体の反射率の変化の一例を示
す反射率変化図である。
【図5】不適切な偽造防止媒体の反射スペクトラムを示
すスペクトル図である。
【図6】不適切な偽造防止媒体の反射率の変化を示す反
射率変化図である。
【図7】適切な偽造防止媒体の反射スペクトラムの一例
を示すスペクトル図である。
【図8】不適切な偽造防止媒体の反射スペクトラムを示
すスペクトル図である。
【符号の説明】
1 偽造防止媒体 2 基材(基材部) 3 ランダムパターン(ランダムパターン部) λ0 吸収ピーク波長 λ1 840nmの波長(比較波長) 21 780nmの反射率(第1の反射率) 22 840nmの反射率(第2の反射率) 33 比較手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上の少なくとも一部に、狭帯域の光吸
    収ピークを有する光吸収物質からなる識別材料をランダ
    ムパターンとなるように設けた固有情報部を設けたこと
    を特徴とする偽造防止媒体。
  2. 【請求項2】前記狭帯域の光吸収物質を含有してなるラ
    ンダムパターンを設けた偽造防止媒体の真偽判定方法に
    おいて、偽造防止媒体に照射光を照射し、該照射光が上
    記ランダムパターン部で反射した反射光を受光して、上
    記吸収物質の吸収ピーク波長における第1の反射率と、
    該吸収ピーク波長の近傍の波長であって反射光の吸収が
    少ない比較波長における第2の反射率とを検出し、検出
    された第1の反射率と第2の反射率とに基づいて偽造防
    止媒体の真偽を判定することを特徴とする偽造防止媒体
    の真偽判定方法。
  3. 【請求項3】前記狭帯域の光吸収物質を含有してなるラ
    ンダムパターンを設けた偽造防止媒体の真偽判定方法に
    おいて、偽造防止媒体に照射光を照射し、該照射光が上
    記ランダムパターン部で反射した反射光を受光して、上
    記吸収物質の吸収ピーク波長における該偽造防止媒体の
    第1の反射率と該吸収ピーク波長の近傍の波長であって
    反射光の吸収が少ない比較波長における第2の反射率と
    を検出し、検出された第1の反射率と第2の反射率との
    差が所定値を越える場合は偽造防止媒体を本物と判定
    し、差が所定値以下の場合には偽造防止媒体を偽物と判
    定することを特徴とする偽造防止媒体の真偽判定方法。
  4. 【請求項4】前記照射光は赤外線光であることを特徴と
    する請求項2または3に記載の偽造防止媒体の真偽判定
    方法。
  5. 【請求項5】前記吸収ピーク波長と前記比較波長の差を
    10nm以上100nm以下に設定したことを特徴とす
    る請求項2、3に記載の偽造防止媒体の真偽判定方法。
  6. 【請求項6】偽造防止媒体の真偽を判定する真偽判定シ
    ステムにおいて、狭帯域の吸収特性を有する光吸収物質
    を含有してなるランダムパターン部を基体部に配設した
    偽造防止媒体と、 該光吸収物質に係る吸収ピーク波長とその近傍の波長で
    あって吸収がほとんどない比較波長とを含む照射光を偽
    造防止媒体に照射する発光部と、 偽造防止媒体にて反射された反射光の光量を検出して、
    上記吸収ピーク波長における情報記録媒体の反射率を表
    す第1の信号と、 上記比較波長における反射率を表す第2の信号とを生成
    出力する受光部と、 第1の信号と第2の信号との差分に基づいて情報記録媒
    体の真偽を表す真偽判定信号を生成出力する比較手段
    と、 を有することを特徴とする真偽判定システム。
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