JP2000292142A - タンク底板診断装置 - Google Patents

タンク底板診断装置

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JP2000292142A
JP2000292142A JP2000000558A JP2000000558A JP2000292142A JP 2000292142 A JP2000292142 A JP 2000292142A JP 2000000558 A JP2000000558 A JP 2000000558A JP 2000000558 A JP2000000558 A JP 2000000558A JP 2000292142 A JP2000292142 A JP 2000292142A
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plate
tank bottom
bottom plate
thickness
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JP2000000558A
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English (en)
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Koji Yamada
浩司 山田
Hiroyasu Ide
裕恭 井出
Ritsuo Sato
律夫 佐藤
Haruhisa Tanaka
晴久 田中
Toshiaki Fujita
利明 藤田
Toyokichi Kimura
豊吉 木村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石油タンク等の底板の厚さを、超音波探触子
を利用して効率よく測定する。 【解決手段】 板厚計測用センサとしての超音波探触子
を用いて板厚を測定するタンク底板診断装置であって、
超音波探触子21を連続走行可能な形状にして検査板1
に常時接するように所定間隔で複数個配置してなる走行
体2を備え、検査板1面の凹凸部分による超音波探触子
21への影響を抑制しながら走行体2を走行させる走行
タイヤ24を走行体2の少なくとも前方に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を用いた非
破壊検査技術に関し、特に石油タンク等の開放検査時等
に実施するタンク底板の板厚計測装置に関連するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、石油タンク等の開放検査時等に実
施するタンク底板の検査には、以下のような方法及び装
置が用いられていた。 (1)もっとも一般的なものとしては、人間による手探
傷が行われている。 (2)また、漏洩磁束法を利用した装置を用いて、板厚
を測定することにより、腐蝕等を発見するものがある。 (3)また、複数の超音波探触子を利用したタンク底板
自動肉厚測定装置がある(例えば、特許第176089
1号)。これは測定時に探触子を被測定表面に押し当て
コーティング樹脂の上から板厚を測り、計測終了後は探
触子を持ち上げて次の測定個所に装置が移動するという
動作を繰り返し、板厚を測定するものである。なお、こ
の際の装置移動は、光センサを用いた倣い制御によって
行われる。 (4)さらに、超音波探触子をタイヤ型ホルダの中に組
み込んだタイヤ探触子を用いるタンク底板板厚分布測定
装置がある。これについては、実公平6−9294号あ
るいは実公平6−33363号等に開示されている。こ
の場合、タイヤ探触子により線状連続測定とスポット測
定の両方とも可能である。この装置は、図11に示すよ
うに、石油タンクの検査板面50に該装置自身を押しつ
けるような動作を可能とさせるべく、駆動部51にはス
テアリング機構を備えている。ここでは、タイヤ探触子
52が被計測表面に垂直にあたらないと板厚計測精度が
低下し、あるいは超音波がタイヤ探触子の中の超音波探
触子部分に返ってこなければ、板厚計測ができない。従
って、それを避けるために、タイヤ探触子と一体となっ
た3個のガイドローラー53を組み込んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
各方法では次のような問題があった。例えば、(1)の
人間による手探傷では、膨大な面積のタンク底板の全面
探傷は実際上不可能なため、ある計測ピッチ(50m
m、100mm等)で予め計測点のマーキング作業を行
い、その後1点毎に板厚を測定し記録するので、膨大な
工数が必要となる。そのため、実際には1mピッチ等の
非常にラフな計測にならざるを得ず、腐食等で局部的に
板厚損耗度が著しい箇所があった場合、見落とす可能性
がある。また、(2)の漏洩磁束法による装置では、連
続的に全面の検査はできるものの、漏洩磁束法固有の問
題として板厚測定精度が粗い(具体的には分解能1.5
mm程度)という点があり、定量的に測定個所の板厚を
数値として計測することができない。また、(3)の複
数の超音波探触子を搭載したタンク底板自動肉厚測定装
置の場合、板厚計測用の超音波探触子を測定個所毎に上
下駆動して計測しているため、スポット計測にならざる
をえず、測定ポイント間の局部腐食等を見逃すおそれが
ある。それに加えて、測定点毎に超音波触子を上下動さ
せるため、計測時間が長くなって、タンク底板全面を計
測するような場合、検査コストはかなり高くなってしま
う。さらに、(4)のタイヤ探触子を用いるタンク底板
板厚分布測定装置では、1個のタイヤ探触子をジグザグ
走行させて計測すること及びアニュラ板に沿って走行す
るため、タンク底板全面の計測の場合には計測時間が長
くなるという問題があり、また、広い面積のタンク底板
のどの部分を計測しているかの位置情報を得るために、
何らかの基準点を予め設け、あるいは予めタンク底板あ
るいは側板にマーキングをしておき、その情報を人間が
記録あるいはデータ収録時にキー操作により入力する等
の面倒な操作が必要とされていた。本発明は、このよう
な課題を解決するためになされたもので、特に(3)、
(4)で言及された超音波探触子を利用するとともに、
それらの装置が内在していた課題を解決したものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、板厚計測用
センサとしての超音波探触子を用いて板厚を測定するタ
ンク底板診断装置において、前記超音波探触子を連続走
行可能な形状にして検査板に常時接するように所定間隔
で複数個配置してなる走行体を備え、検査板面の凹凸部
分による前記超音波探触子に対する影響を抑制しながら
前記走行体を走行させる走行タイヤを前記走行体の少な
くとも前方に設けたものである。また、前記超音波探触
子をタイヤ形状とし、前記走行タイヤの径を前記超音波
探触子の径より大きくしたものである。また、3個の超
音波探触子を三角形の各頂点位置にそれぞれ配置したも
のを1つのセンサユニットとして構成し、このセンサユ
ニットを複数配置したものである。
【0005】また、前記検査板は塗膜が施された鋼板で
あって、前記走行体に鋼板表面までの距離を計測する渦
流センサを該検査板から離して複数個配置し、前記渦流
センサで測定された検査板までの距離、前記超音波探触
子と前記渦流センサとの間隔、及び前記超音波探触子に
より測定した塗膜厚を含んだ板厚情報から塗膜と検査板
の音速差に応じた演算を行い、塗膜厚分を差し引いて前
記検査板のみの板厚測定を行うものである。また、座標
既知の少なくとも2点に回転式レーザ光源を設置し、前
記走行体にこれらのレーザ光源からのレーザ光を受信す
るレーザ光受信ユニットを設けることにより、これらの
レーザ光の時間差、位相差、及び角度情報に基づいて、
前記走行体が検査板面のどの部分を計測しているかの位
置情報を求めるものである。また、前記走行体にその走
行量を測る距離計を配し、該距離計で得られた距離情報
と予め定まっている検査板の測定経路から求まる距離情
報とから、現在の測定位置を得るようにしたものであ
る。
【0006】また、測定された板厚情報を収集し、それ
らの情報の処理及び表示を行うデータ処理装置を備えて
なるものである。また、前記データ処理装置が、検査板
全体の測定範囲及び前記走行体自身の位置を表示すると
ともに、既検査板毎に測定結果表示を行うものである。
また、前記データ処理装置に計測するポイントを指示す
ることにより、その部分の板情報が拡大表示されるとと
もに、そのポイントの前後の板情報がスクロール機能に
より読み出されるようにしたものである。
【0007】また、所定の板厚以下の計測結果が出た部
分について、検査板面にマーキング表示を行うマーキン
グ機能を設けたものである。また、所定の板厚以下の計
測結果が出た部分について、ブザー又はランプにより測
定者に注意を与える警告機能を設けたものである。ま
た、前記走行体は、手押し方式による走行又はリモート
コントロールによる走行のいずれかを選択可能としたも
のである。さらに、前記走行体は、障害物を検知する障
害物検知センサを搭載した自走式であって、該障害物検
知センサが障害物を検知した場合に、その障害物を回避
する障害物回避走行機能を備えてなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、図に基づいて本発明を詳細
に説明する。ここで、図1は手押し式の走行体を用いた
本発明の実施の形態を示す全体構成図、図2は自走式の
走行体を用いた本発明の実施の形態を示す全体構成図、
図3は図1又は図2の走行体に取り付けるセンサユニッ
トの平面図、図4は図1又は図2に示す走行体に取り付
けるセンサユニットの側面図、図5は図1又は図2に示
す走行体の底部構成図である。
【0009】本例のタンク底板診断装置は、図1又は図
2に示すように、鋼板からなる石油タンク底板である検
査板1の上に走行体2を配し、それを、手押し走行、リ
モートコントロール走行、あるいはコンピュータプログ
ラムによる自動走行によって検査板1上を移動させてそ
の板厚を測定するとともに、その測定データをデータ処
理装置4に取り込んで、その結果表示やさらなるデータ
加工を行うようにした装置である。なお、データ処理装
置4は図示されているように、走行体2に搭載すること
も、個別に配置することも何れも可能である。
【0010】この走行体2は、図3及び図4に示すよう
に、その底部に、板厚計測用センサとしてタイヤ状に形
成された超音波探触子21が所定の間隔に複数配置され
て、それらを検査板1の上面と常時接するようにしてい
る。その好ましい態様として、このタイヤ状超音波探触
子21を、図3に示すように3角形の各頂点位置に配置
して構成した1つのセンサユニット22を複数個組み合
わせ、各超音波探触子21を30mm程度の間隔に配置
する(図5参照)。これにより、その10倍程度の範囲
を一度に板厚測定できるようになる。なお、このような
一回の走行によるタンク底板の測定間隔や測定幅は、セ
ンサユニット22の3角形の大きさを変えることで容易
に変更が可能であり、その場合、超音波探触子21の間
隔はそれに応じて変化する。
【0011】また、鋼板面に塗膜が施されている検査板
1を塗膜の上から測定できるようにするため、渦流セン
サ23を超音波探触子21と併用する。渦流センサ23
は、図3及び図4に示すように、各センサユニット22
の中央部分に検査板1から離して設けられ、渦流センサ
23から検査板1の鋼板表面までの距離を測定する。
【0012】走行体2の底部の周囲四隅には、図5に示
すように、タイヤ状超音波探触子21の径より大きな径
を有し、走行体2を走行させる主要素としての走行タイ
ヤ24を配置して、検査板1の面上に存在するパチ当て
などの段差や凹凸部分を円滑に乗り越えられるようにし
ている。なお、超音波探触子を利用した板厚計測用セン
サは連続走行可能な形態をしていれば良く、したがっ
て、超音波探触子はそり型シューのような形状にしても
よいが、その場合でも、これらのそり型シューが検査面
の段差や凹凸部分を円滑に乗り越えられるように、その
そり型シューより大きな形状の走行タイヤを走行体2の
底部の周囲に設けるものとする。また、このような目的
を達成するためには、それらの走行タイヤ24が走行体
2の少なくとも前方側に設けられることが必要である。
【0013】さらに、図1又は図2に示すように、石油
タンク等の内部には、少なくとも2点以上の座標既知点
に回転式レーザ光源3を設置し、走行体2の上部にはレ
ーザ光受信ユニット25を設ける。そして、これらの回
転式レーザ光源3からのレーザ光をレーザ光受信ユニッ
ト25で受信し、それらの間の時間差、位相差、及び角
度情報α、βを測定し、それらの測定値に基づいて回転
式レーザ光源3との間での走行体2の距離や角度を算出
することで、走行体2が石油タンク等の広範囲な検査エ
リアのどの部分の測定を行っているかの位置を求めるこ
とができる。
【0014】なお、測定する検査板の測定経路が予め定
まっている場合には、走行体2にその走行量を計測する
距離計を配し、該距離計で得られた距離情報と、測定予
定経路情報とから、現在の測定位置を求めることもでき
る。また、タンク底板を構成する個々の大板の端面位置
情報は、走行体に搭載した渦流センサ等の溶接線検知セ
ンサを用いることで、その修正が可能である。
【0015】走行体2は、予め記憶された走行プログラ
ムによるコンピュータ制御の自走式とすることができる
ことは先に述べた。ただし、その場合には、障害物を検
知するために、レーザ、超音波、磁気、渦流等を利用し
た障害物検知センサ5を搭載するとともに、この障害物
検知センサ5により、走行方向に障害物があると判断さ
れた場合に、その障害物を自動的に回避する障害物回避
走行機能を組み込むものとする。これによれば、検査員
は、走行体2から離れた位置にいて、無線又は有線で伝
送されたデータを監視していれば良く、走行体2につい
てまわる必要がなくなる。さらに、データ確認を後処理
で行う場合には、走行体2の走行中、人間が一切介在す
ることなく検査を行うことが可能になる。
【0016】ここで、走行体の障害物回避走行機能につ
いて説明する。タンクの設計情報及び前回の補修情報に
基づいてタンク底を構成する個々の大板には番地が付け
られており、それらの大板の配置並びに寸法形状、及び
走行体の走行に際して障害物となりうる送出配管並びに
屋根サポートの位置等は予めデータベース化されてい
る。本発明のタンク底板診断装置による腐食検査に際し
ては、これらの情報に基づいてタンク底板の大板毎に走
行体の走行パターンを予め決定する。その際、上記障害
物の情報を基に、どの様な回避走行をするかも予めプロ
グラムとしてインプットしておき、これらの情報に基づ
いて検査を行う。しかしながら、実際の障害物の位置や
寸法は上記データベースの情報と異なることが多く、そ
のため走行体に搭載した障害物検知センサにより、送出
配管や屋根サポートの設置位置ずれ並びに所定位置以外
での障害物の有無を確認しながら走行して検査を行う。
走行体は予め障害物の位置が入力された所定位置におい
て、障害物検知センサが該当する障害物を検知した場合
には、予め入力された障害物回避走行プログラムに従っ
て、また、所定位置にて障害物が検知されない場合に
は、走行に支障がないとして回避走行することなくその
まま走行して検査を続行する。
【0017】さらに、予め予定されていた場所以外の位
置において、走行体の障害物検知センサが障害物を検知
した場合には、それを知らせるアラームとともに、走行
体に設置した撮影装置(例えばCCDカメラ)からの情
報をデータ処理装置に送り、検査員の判断を待つ。ただ
し、完全無人化の場合もしくは所定の時間経過後も検査
員からの指示が入力されない場合には、予め規定された
回避走行を行うように設定することができる。
【0018】ここで、障害物を回避する走行の一例を図
6を基に説明する。大板7上を検査しながら走行してき
た走行体2は、走行体前面の障害物検知センサ5が障害
物8を検知した時点(A)で走行体2を時計回りに90
度回転し、そのまま走行体側面の障害物検知センサ5が
障害物8を検知しなくなる地点(B)まで進み、そこで
走行体2を反時計回りに90度回転し、そこから走行体
側面の障害物検知センサ5が障害物8を検知しなくなる
地点(C)まで進む。さらに、この地点(C)で走行体
2は反時計回りに90度回転した後、当初から予定され
た走行ルート(D)に戻り、走行体2はそこで時計回り
に90度回転して、当初より予定された走行ルートを進
んで検査を続行する。
【0019】このような障害物を回避するための走行方
法は、上記の例に限られることなく種々の態様が可能で
あるが、それらは予め走行体2の記憶装置内の走行プロ
グラムの中に障害物回避走行プログラムとして付加して
おき、障害物検知センサ5の出力情報に応じて、その障
害物回避走行プログラムを適用する。
【0020】図7は自動走行方式の走行体2の全体構成
を示すブロック図である。走行体2は、障害物検知セン
サ5、走行体2の走行方法を規定する走行プログラム
6、タイヤ状超音波探触子21、渦流センサ23、走行
タイヤ24、レーザ光受信ユニット25に加えて、タイ
ヤ状超音波探触子21からの情報を取り込んで検査板1
の板厚を算出する超音波板厚計26と、渦流センサ23
からの情報を取り込んで検査板1の表面までの距離を算
出する渦流距離計27と、レーザ光受信ユニット25で
受けた情報を基に走行体2の検査板1上での位置を算出
する位置算出計28と、タイヤ形状超音波探触子21、
渦流センサ23、レーザ光受信ユニット25、及び後か
ら述べるマーキング機構30のON/OFFを制御する
スイッチ29、走行タイヤ24を駆動するための駆動装
置31、以上の各ユニットを制御しかつデータ処理を行
う制御/データ処理部32、及びデータ処理装置4との
間でデータの送受信を行うためのデータ伝送ユニット3
3とを備える。
【0021】一方、データ処理装置4は図8の全体構成
図で示される各機能を有するものであり、汎用のパソコ
ンで代用することができる。このデータ処理装置4は、
データ伝送ユニット38を介して走行体2のデータ伝送
ユニット33とデータの送受信を行うことができる。そ
して、走行体2に設けられた超音波板厚計26、渦流距
離計27、及び位置算出計28からの情報と、検査板1
の被測定範囲情報(マップ情報)とを取り込み、そのマ
ップ情報に重ねて走行体2自身の位置を表示するととも
に、既に検査が終了した検査板毎に計測結果を表示する
ものである。上記マップ情報は、予めデータ処理装置4
に記憶させておいてもよい。
【0022】データ処理装置4による検査結果の表示
は、必要に応じて任意の方法で行うことができるが、例
えば、キーボードやマウスにより測定しようとする範囲
内の特定ポイントを入力すると、その部分を拡大表示し
て、取り込んだ計測結果をその拡大表示画面に色や数字
を利用して一体的に表示するようにする。また、この拡
大表示画面は前後左右にスクロールされて、指定したポ
イントの周囲の情報も簡単に把握できるようにするもの
とする。
【0023】なお、超音波板厚計26、渦流距離計2
7、及び位置算出計28を用いることなく、それらの機
能をこのデータ処理装置4で行うようにしてもよい。ま
た、データ処理装置4として、例えばノート型パソコン
を使用すれば、測定者が見やすい位置の走行体2に直接
搭載することも可能である。
【0024】次に、実際の測定動作を図5を参照しなが
ら説明する。図5は、4組のセンサユニット22を組み
合わせて、30mmの測定間隔で一度に330mmの幅
を検査できるようした走行体2を、各タイヤ状超音波探
触子21を鋼板の検査板面に接触させながら走行させる
ことによって、検査板面の厚さ分布を測定するようにし
たものである。この場合、走行体2の走行は、主とし
て、底部四隅の走行タイヤ24によって行われるが、各
タイヤ状超音波探触子21も疑似タイヤとして走行に寄
与している。さらに、走行体2によって現在測定されて
いる位置が、データ処理装置4の表示部に、例えば図9
のように表示される。図9では、円形の部分が被測定範
囲を表し、底板を構成する鋼板を区分して表し、その中
の黒色部分が現在の測定位置を表している。
【0025】また、鋼板に塗膜などが施された検査板の
場合には、タイヤ状超音波探触子21と渦流センサ23
を利用して、鋼板のみの実板厚さが決定される。すなわ
ち、渦流センサ23によりその渦流センサ23から鋼板
表面までの距離を測定し、超音波探触子21と渦流セン
サ23との固定間隔から予め既知となる距離分を差し引
くことで塗膜の厚さが計測でき、超音波探触子21によ
り測定した塗膜厚と鋼板厚とを含んだ値から塗膜と鋼板
の音速差に応じた演算を行って塗膜厚分を差し引き、鋼
板のみの実板厚を算出するのである。
【0026】この関係を、図10を用いて具体的に説明
する。鋼板の実板厚Tsは、超音波探触子21を利用し
て求めた計測値Tから、音速を利用して計測される塗膜
厚Tp’分を差し引いて求めることができる。 一方、
その塗膜厚Tp’は Tp’=Tp・Cs/Cp で求
まる。 ここで、Tp:渦流センサ23を利用して求めた塗膜厚 Cs:鋼の音速 Cp:塗膜の音速 従って、超音波探触子21と渦流センサ23を利用し
て、鋼板の実板厚さを求めることができる。なお、これ
らの演算のために、超音波板厚計26にその機能を持た
せてもよく、あるいは、別途その機能を備えた演算装置
を設けてもよい。
【0027】また、走行体2にマーキング機構30を備
えて、測定した板厚が予め定めた板厚以下の部分の板表
面には、マーキング表示を行うようにすると、後からの
詳細な検査等が容易になり好都合である。なお、このマ
ーキング表示に加えて、ブザーやランプを併用して測定
者に警告を与えるようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】本発明の装置によれば、次のような効果
を奏する。 − 走行体の一度の走行で、高精度の検査を広範囲に実
施できる。 − 超音波探触子と渦流センサの併用によって、塗膜が
施された検査板の板厚を塗膜の上から直接測定できる。 − 超音波探触子への影響を抑制しながら走行体を走行
させる走行タイヤを用いたので、超音波探触子を小さな
形状にできるとともに、超音波探触子の傷つきも低減で
きる。 − 超音波探触子を3点で支持するセンサユニットを用
いたので、超音波探触子の位置や角度を常に安定した状
態に支持できる。 − レーザ光源とレーザ光受信ユニットによって、ある
いは距離計によって、広範囲な測定エリアのどの部分を
測定しているのか把握できる。 − データ処理装置によって、測定範囲、現在の測定位
置、測定結果、及び特定のポイントを表示することが可
能となり、測定個所の見落としをなくすことができる。 − 測定時に問題とされる個所をその場でマーキング表
示できる。 − 走行体を自走式とし、さらに障害物を自動的に回避
する障害物回避走行機能を組み込むことで、走行体の走
行中、人間が一切介在することなく検査を行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】手押し式の走行体を用いた本発明の実施の形態
を示す全体構成図である。
【図2】自走式の走行体を用いた本発明の実施の形態を
示す全体構成図である。
【図3】図1又は図2の走行体に取り付けるセンサユニ
ットの平面図である。
【図4】図1又は図2に示す走行体に取り付けるセンサ
ユニットの側面図である。
【図5】図1又は図2に示す走行体の底部構成図であ
る。
【図6】図2に示す走行体の障害物回避走行機能の説明
図である。
【図7】図2に示す走行体の全体構成を示すブロック図
である。
【図8】図1又は図2に示すデータ処理装置の全体構成
を示すブロック図である。
【図9】図1又は図2に示すデータ処理装置における測
定位置の表示例である。
【図10】本発明の実施の形態における鋼板の実板厚さ
測定のための説明図である。
【図11】従来の超音波板厚測定装置の例である。
【符号の説明】
1 検査板 2 走行体 3 レーザ光源 4 データ処理装置 5 障害物検知センサ 6 障害物回避走行プログラム 7 大板 8 障害物 21 タイヤ状超音波探触子 22 センサユニット 23 渦流センサ 24 走行タイヤ 25 レーザ光受信ユニット 30 マーキング機構 31 駆動装置 32 制御/データ処理部 33 データ伝送ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 律夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田中 晴久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤田 利明 三重県津市雲出伊倉津町字14割1187 株式 会社ジャパンテクノメイト内 (72)発明者 木村 豊吉 三重県津市雲出伊倉津町字14割1187 株式 会社ジャパンテクノメイト内 Fターム(参考) 2F068 AA29 BB02 BB23 DD07 DD13 FF12 FF14 JJ11 JJ17 KK07 LL00 LL04 QQ14 QQ21 RR01 RR03 RR07 RR09 RR13 TT01 TT04 TT07 TT21

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚計測用センサとしての超音波探触子
    を用いて板厚を測定するタンク底板診断装置において、 前記超音波探触子を連続走行可能な形状にして検査板に
    常時接するように所定間隔で複数個配置してなる走行体
    を備え、 検査板面の凹凸部分による前記超音波探触子への影響を
    抑制しながら前記走行体を走行させる走行タイヤを前記
    走行体の少なくとも前方に設けたタンク底板診断装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波探触子をタイヤ形状とし、前
    記走行タイヤの径を前記超音波探触子の径より大きくし
    た請求項1記載のタンク底板診断装置。
  3. 【請求項3】 3個の超音波探触子を三角形の各頂点位
    置にそれぞれ配置したものを1つのセンサユニットとし
    て構成し、該センサユニットを複数配置した請求項1又
    は2記載のタンク底板診断装置。
  4. 【請求項4】 前記検査板は塗膜が施された鋼板であっ
    て、 前記走行体に鋼板表面までの距離を計測する渦流センサ
    を該検査板から離して複数個配置し、 前記渦流センサで測定された検査板までの距離、前記超
    音波探触子と前記渦流センサとの間隔、及び前記超音波
    探触子により測定した塗膜厚を含んだ板厚情報から塗膜
    と検査板の音速差に応じた演算を行い、塗膜厚分を差し
    引いて前記検査板のみの板厚測定を行う請求項1から3
    の何れかに記載のタンク底板診断装置。
  5. 【請求項5】 座標既知の少なくとも2点に回転式レー
    ザ光源を設置し、前記走行体にこれらレーザ光源からの
    レーザー光を受信するレーザ光受信ユニットを設けるこ
    とにより、これらのレーザ光の時間差、位相差、及び角
    度情報に基づいて、前記走行体が検査板面のどの部分を
    計測しているかの位置情報を求める請求項1から4の何
    れかに記載のタンク底板診断装置。
  6. 【請求項6】 前記走行体にその走行量を測る距離計を
    配し、該距離計で得られた距離情報と予め定まっている
    検査板の測定経路から求まる距離情報とから、現在の測
    定位置を得る請求項1から4の何れかに記載のタンク底
    板診断装置。
  7. 【請求項7】 測定された板厚情報を収集し、それらの
    情報の処理及び表示を行うデータ処理装置を備えてなる
    請求項1から6の何れかに記載のタンク底板診断装置。
  8. 【請求項8】 前記データ処理装置が、検査板全体の測
    定範囲及び前記走行体自身の位置を表示するとともに、
    既検査板毎に測定結果表示を行う請求項7記載のタンク
    底板診断装置。
  9. 【請求項9】 前記データ処理装置に計測するポイント
    を指示することにより、その部分の板情報が拡大表示さ
    れるとともに、そのポイントの前後の板情報がスクロー
    ル機能により読み出される請求項7又は8の何れかに記
    載の記載のタンク底板診断装置。
  10. 【請求項10】 所定の板厚以下の計測結果が出た部分
    について、検査板面にマーキング表示を行うマーキング
    機能を設けた請求項1から9の何れかに記載のタンク底
    板診断装置。
  11. 【請求項11】 所定の板厚以下の計測結果が出た部分
    について、ブザー又はランプにより測定者に注意を与え
    る警告機能を設けた請求項10記載のタンク底板診断装
    置。
  12. 【請求項12】 前記走行体は、手押し方式による走行
    又はリモートコントロールによる走行のいずれかを選択
    可能とした請求項1から11の何れかに記載のタンク底
    板診断装置。
  13. 【請求項13】 前記走行体は、障害物を検知する障害
    物検知センサを搭載した自走式であって、該障害物検知
    センサが障害物を検知した場合に、その障害物を回避す
    る障害物回避走行機能を備えてなる請求項1から11の
    何れかに記載のタンク底板診断装置。
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