JP2000291756A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2000291756A
JP2000291756A JP11099513A JP9951399A JP2000291756A JP 2000291756 A JP2000291756 A JP 2000291756A JP 11099513 A JP11099513 A JP 11099513A JP 9951399 A JP9951399 A JP 9951399A JP 2000291756 A JP2000291756 A JP 2000291756A
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山下  智史
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
Takashi Imanishi
尚 今西
Takashi Machida
尚 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・軽量で、且つ高性能の構造を実現す
る。 【解決手段】 第一トラニオン27、27の両端部に設
けた第一枢軸29、29を、ケーシング5の内面に固定
したヨーク54、55に設けた支持孔31、31に支持
する。これら各支持部分には、それぞれボールスプライ
ン56、56とラジアルニードル軸受57、57とを設
ける。運転時に上記各第一トラニオン27、27に加わ
る荷重は、上記各ヨーク54、55内で相殺する。又、
これら各第一トラニオン27、27の軸方向に亙る変位
並びに揺動変位は、上記各ボールスプライン56、56
とラジアルニードル軸受57、57とにより、円滑に行
なわせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機の変速ユニット
として、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ
利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図13〜14に
略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研
究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば
実開昭62−71465号公報に開示されている様に、
入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力
軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシング5(後述する図15〜17)の内側には、上記
入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸
6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けて
いる。
【0003】即ち、これら各トラニオン7、7は、両端
部外側面に上記各枢軸6、6を、互いに同心に設けてい
る。従って、これら各枢軸6、6は、上記両ディスク
2、4の中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方
向に対して直角方向に設けられている。又、これら各ト
ラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基端部を支
持し、上記各枢軸6、6を中心として各トラニオン7、
7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角
度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持
された変位軸8、8の周囲には、それぞれパワーローラ
9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パ
ワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク
2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両デ
ィスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、そ
れぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧を上記入力
軸1及び出力軸3を中心に回転させて得られる凹面をな
している。そして、球状凸面に形成した各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記各内側面2a、4aに
当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置10を設け、この押
圧装置10によって、上記入力側ディスク2を出力側デ
ィスク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押
圧装置10は、入力軸1と共に回転するカム板11と、
保持器12により保持した複数個(例えば4個)のロー
ラ13、13とから構成している。上記カム板11の片
側面(図13〜14の左側面)には、円周方向に亙る凹
凸面であるカム面14を形成し、上記入力側ディスク2
の外側面(図13〜14の右側面)にも、同様のカム面
15を形成している。そして、上記複数個のローラ1
3、13を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸
を中心とする回転自在に支持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板11が回転
すると、カム面14によって複数個のローラ13、13
が、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面15に
押圧される。この結果、上記入力側ディスク2が、上記
複数のパワーローラ9、9に押圧されると同時に、上記
1対のカム面14、15と複数個のローラ13、13と
の押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回
転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記
複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に
伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回
転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸6、6を中心として
前記各トラニオン7、7を所定方向に揺動させ、上記各
パワーローラ9、9の周面9a、9aが図13に示す様
に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出
力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞ
れ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。反
対に、増速を行なう場合には、上記各枢軸6、6を中心
として上記各トラニオン7、7を反対方向に揺動させ、
上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図14に
示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部
分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分と
に、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜
させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図13と図14と
の中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の
変速比を得られる。
【0007】上述の様なトロイダル型無段変速機によ
り、実際の自動車用変速機を構成する場合、入力側ディ
スク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを2
組設け、これら2組の入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とパワーローラ9、9とを、動力の伝達方向に対し
て互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型のト
ロイダル型無段変速機も、従来から広く知られている。
図15〜17は、この様なダブルキャビティ型のトロイ
ダル型無段変速機の一種で、特公平8−23386号公
報に記載されて従来から知られているものを示してい
る。
【0008】ケーシング5の内側には入力軸1aを、回
転のみ自在に支持している。そして、この入力軸1aの
周囲に円管状の伝達軸16を、この入力軸1aと同心
に、且つこの入力軸1aに対する相対回転を自在に支持
している。この伝達軸16の中間部両端寄り部分には、
請求項2に記載した第一、第二外側ディスクに相当する
第一、第二両入力側ディスク17、18を、互いの内側
面2a、2a同士を対向させた状態で、それぞれボール
スプライン19、19を介して支持している。従って、
上記第一、第二両入力側ディスク17、18は、上記ケ
ーシング5の内側に、互いに同心に且つ互いに同期した
回転自在に支持されている。
【0009】又、上記伝達軸16の中間部の周囲には、
請求項2に記載した第一、第二内側ディスクに相当する
第一、第二両出力側ディスク20、21を、スリーブ2
2を介して支持している。このスリーブ22は、中間部
外周面に出力歯車23を一体に設けたもので、上記伝達
軸16の外径よりも大きな内径を有し、上記ケーシング
5内に設けた支持壁24に、1対の転がり軸受25、2
5により、上記伝達軸16と同心に、且つ回転のみ自在
に支持している。上記第一、第二両出力側ディスク2
0、21は、この様に上記伝達軸16の中間部周囲に、
この伝達軸16に対し回転自在に支持したスリーブ22
の両端部に、それぞれの内側面4a、4aを互いに反対
に向けた状態で、スプライン係合させている。従って、
上記第一、第二両出力側ディスク20、21は、それぞ
れの内側面4a、4aを上記第一、第二何れかの入力側
ディスク17、18の内側面2a、2aに対向させた状
態でこれら第一、第二両入力側ディスク17、18と同
心に、且つこれら第一、第二両入力側ディスク17、1
8とは独立した回転自在に支持されている。
【0010】又、前記ケーシング5の内面で上記第一、
第二両出力側ディスク20、21の側方位置には、これ
ら両出力側ディスク20、21を両側から挟む状態で、
1対のヨーク26a、26bを支持している。これら両
ヨーク26a、26bは、請求項2に記載した第一、第
二支持手段を構成するヨークに対応するもので、それぞ
れ、鋼等の金属板にプレス加工を施す事により、或は鋼
等の金属材料に鍛造加工を施す事により、矩形枠状に形
成している。これら各ヨーク26a、26bは、それぞ
れの四隅部に、後述する第一、第二両トラニオン27、
28の両端部に設けた第一、第二両枢軸29、30を揺
動自在に支持する為の円形の支持孔31、31を、上記
伝達軸16の軸方向(図15の左右方向)両端部の幅方
向(図16〜17の左右方向)中央部に、円形の係止孔
32、32を、それぞれ形成している。それぞれがこの
様な形状を有する上記1対のヨーク26a、26bは、
上記ケーシング5の内面で互いに対向する部分に形成し
た支持ポスト33a、33bに、若干の変位自在に支持
している。これら各支持ポスト33a、33bはそれぞ
れ、第一入力側ディスク17の内側面2aと第一出力側
ディスク20の内側面4aとの間部分である第一キャビ
ティ34、第二入力側ディスク18の内側面2aと第二
出力側ディスク21の内側面4aとの間部分である第二
キャビティ35に、それぞれ対向する状態で設けてい
る。従って、上記各ヨーク26a、26bを上記各支持
ポスト33a、33bに支持した状態で、これら各ヨー
ク26a、26bの一端部は上記第一キャビティ34の
外周部分に、他端部は上記第二キャビティ35の外周部
分に、それぞれ対向する。
【0011】又、上記第一キャビティ34内で第一入力
側ディスク17及び第一出力側ディスク20の直径方向
反対位置には1対の第一トラニオン27、27を、上記
第二キャビティ35内で第二入力側ディスク18及び第
二出力側ディスク21の直径方向反対位置には1対の第
二トラニオン28、28を、それぞれ配置している。こ
のうち、上記各第一トラニオン27、27の両端部に互
いに同心に設けた、各第一トラニオン27、27毎に2
本ずつ、合計4本の第一枢軸29、29は、図16に示
す様に、上記1対のヨーク26a、26bの一端部に、
揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持している。即
ち、これら各ヨーク26a、26bの一端部に形成した
支持孔31、31の内側に上記各第一枢軸29、29
を、ラジアルニードル軸受36、36により支持してい
る。これら各ラジアルニードル軸受36、36はそれぞ
れ、外周面が球状凸面であり内周面が円筒面である外輪
37と複数本のニードル38、38とから成る。従って
上記各第一枢軸29、29は、上記各ヨーク26a、2
6bの一端部の幅方向両側に、各方向の揺動並びに軸方
向に亙る変位自在に支持されている。又、上記各第二ト
ラニオン28、28の両端部に互いに同心に設けた1対
ずつの第二枢軸30、30は上記第二キャビティ35内
に、図17に示す様に、上記第一トラニオン27、27
に設けた上記各第一枢軸29、29と同様の構造により
支持している。
【0012】上述の様にして前記ケーシング5の内側
に、揺動及び上記第一、第二各枢軸29、30の軸方向
に亙る変位自在に支持した、上記第一、第二各トラニオ
ン27、28の中間部にはそれぞれ、図16〜17に示
す様に円孔39、39を形成している。そして、これら
各円孔39、39部分に、第一、第二各変位軸40、4
1を支持している。これら第一、第二各変位軸40、4
1はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部4
2、42と枢支軸部43、43とを有する。このうちの
各支持軸部42、42を上記各円孔39、39の内側
に、ラジアルニードル軸受44、44を介して、回転自
在に支持している。又、上記各枢支軸部43、43の周
囲に第一、第二各パワーローラ45、46を、別のラジ
アルニードル軸受47、47を介して回転自在に支持し
ている。
【0013】尚、前記第一、第二各キャビティ34、3
5毎に1対ずつ設けた、上記第一、第二各変位軸40、
41は、上記第一、第二各キャビティ34、35毎に、
前記入力軸1a及び伝達軸16に対して180度反対側
位置に設けている。又、これら第一、第二各変位軸4
0、41の各枢支軸部43、43が各支持軸部42、4
2に対し偏心している方向は、前記第一、第二入力側、
出力側各ディスク17、18、20、21の回転方向に
関して同方向(図16〜17で上下逆方向)としてい
る。又、偏心方向は、上記入力軸1aの配設方向に対し
ほぼ直交する方向としている。従って、上記各第一、第
二各パワーローラ45、46は、上記入力軸1a及び伝
達軸16の配設方向に亙る若干の変位自在に支持され
る。この結果、トロイダル型無段変速機により伝達する
トルクの変動に基づく、構成各部材の弾性変形量の変動
等に起因して、上記各第一、第二各パワーローラ45、
46が上記入力軸1a及び伝達軸16の軸方向(図15
の左右方向、図16〜17の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、構成各部材に無理な力を加える事な
く、この変位を吸収できる。
【0014】又、上記各第一、第二各パワーローラ4
5、46の外側面と前記第一、第二各トラニオン27、
28の中間部内側面との間には、第一、第二各パワーロ
ーラ45、46の外側面の側から順に、スラスト玉軸受
48、48と、滑り軸受或はニードル軸受等のスラスト
軸受49、49とを設けている。このうちのスラスト玉
軸受48、48は、上記各第一、第二各パワーローラ4
5、46に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、こ
れら各第一、第二各パワーローラ45、46の回転を許
容する。又、上記各スラスト軸受49、49は、上記各
第一、第二各パワーローラ45、46から上記各スラス
ト玉軸受48、48の外輪50、50に加わるスラスト
荷重を支承しつつ、前記枢支軸部43、43及び上記外
輪50、50が前記支持軸部42、42を中心に揺動す
る事を許容する。
【0015】更に、上記第一、第二各トラニオン27、
28の一端部(図16〜17の下端部)にはそれぞれ駆
動ロッド51、51を結合し、これら各駆動ロッド5
1、51の中間部外周面に駆動ピストン52、52を固
設している。そして、これら各駆動ピストン52、52
を、それぞれ駆動シリンダ53、53内に油密に嵌装し
ている。これら各駆動ピストン52、52と駆動シリン
ダ53、53とが、それぞれ上記第一、第二各トラニオ
ン27、28を第一、第二各枢軸29、30の軸方向に
亙って変位させる為のアクチュエータを構成する。又、
上記各駆動シリンダ53、53内には、図示しない制御
弁の切り換えに基づいて、圧油を給排自在としている。
【0016】更に、前記入力軸1aと前記第一入力側デ
ィスク17との間には、ローディングカム式の押圧装置
10を設けている。この押圧装置10は、上記入力軸1
aの中間部にスプライン係合すると共に軸方向に亙る変
位を阻止された状態で支持されて、上記入力軸1aと共
に回転するカム板11と、保持器12に転動自在に保持
された複数のローラ13とを含んで構成している。そし
て、上記入力軸1aの回転に基づいて上記第一入力側デ
ィスク17を、第二入力側ディスク18に向け押圧しつ
つ回転させる。
【0017】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の運転時、入力軸1aの回転は押圧装置10を介して
第一入力側ディスク17に伝えられ、この第一入力側デ
ィスク17と第二入力側ディスク18とが、互いに同期
して回転する。そして、これら第一、第二両入力側ディ
スク17、18の回転が、前記第一、第二両キャビティ
34、35内にそれぞれ1対ずつ設けた第一、第二各パ
ワーローラ45、46を介して、第一、第二両出力側デ
ィスク20、21に伝えられ、更にこれら第一、第二両
出力側ディスク20、21の回転が、前記出力歯車23
より取り出される。入力軸1aと出力歯車23との間の
回転速度比を変える場合には、上記制御弁の切り換えに
基づいて、上記第一、第二両キャビティ34、35に対
応してそれぞれ1対ずつ設けた駆動ピストン52、52
を、各キャビティ34、35毎に互いに逆方向に同じ距
離だけ変位させる。
【0018】これら各駆動ピストン52、52の変位に
伴って上記1対ずつ合計4個のトラニオン27、28
が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図16〜17の右
側の第一、第二両パワーローラ45、46が各図の下側
に、図16〜17の左側の第一、第二両パワーローラ4
5、46が各図の上側に、それぞれ変位する。この結
果、これら各第一、第二各パワーローラ45、46の周
面9a、9aと上記第一、第二両入力側ディスク17、
18及び第一、第二両出力側ディスク20、21の内側
面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向
きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って前
記第一、第二各トラニオン27、28が、ヨーク26
a、26bに枢支した第一、第二各枢軸29、30を中
心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の
図13〜14に示した様に、上記各第一、第二各パワー
ローラ45、46の周面9a、9aと上記各ディスク1
7、18、20、21の内側面2a、4aとの当接位置
が変化し、上記入力軸1aと出力歯車23との間の回転
速度比が変化する。
【0019】図15〜17に示した従来構造の場合、第
一、第二各トラニオン27、28をケーシング5の内側
に、それぞれ支持ポスト33a、33b及びヨーク26
a、26bを介して支持している。この為、部品点数の
増大により、部品製作、部品管理、組立作業が面倒にな
るだけでなく、図15〜17の上下方向に関する、トロ
イダル型無段変速機の高さ寸法が嵩み、小型・軽量化を
図りにくくなる。又、限られた空間に設置可能にすべ
く、無理に小型・軽量化を図ると、各部の強度が不足
し、十分な耐久性を確保できなくなる。
【0020】これに対して、特開平10−274300
号公報には、トロイダル型無段変速機を構成する各トラ
ニオンの両端部に設けた枢軸を、ケーシングの内面に直
接固定した支持部材に枢支する構造が記載されている。
この様な構造によれば、部品点数の低減による小型・軽
量化を或る程度図る事は可能である。但し、上記公報に
記載されたトロイダル型無段変速機の場合には、各トラ
ニオン端部の枢軸を支持する為の支持部材を、トラニオ
ン毎に独立して設けている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平10−2
74300号公報に記載された構造の場合には、トロイ
ダル型無段変速機の運転時に各トラニオンに作用する荷
重が、そのままケーシングに加わる。即ち、トロイダル
型無段変速機の運転時には、入力側、出力側両ディスク
の内側面と各パワーローラの周面との当接部に加わる大
きな面圧に基づき、これら各パワーローラに大きなスラ
スト荷重が加わる。そして、このスラスト荷重は、各ト
ラニオンを介して、これら各トラニオンの端部に設けた
枢軸の支持部に加わる。上記公報に記載された構造の場
合には、この様にして枢軸に加わる大きな荷重が、その
ままケーシングに加わる。変速機のケーシングは、軽量
化の為にアルミニウム合金等の軽合金により造る場合が
多く、上記大きな荷重に拘らず、上記枢軸の変位を防止
すると共に上記ケーシングの耐久性を確保する為には、
このケーシングの肉厚を大きくする等の対策が必要にな
り、小型・軽量化に逆行する。
【0022】又、トロイダル型無段変速機の運転時に上
記各トラニオンは、上記各パワーローラから加わる大き
なスラスト荷重に基づいて、それぞれの内側面が凹面と
なる方向に弾性変形する。この結果、上記各トラニオン
の端部に設けた枢軸の中心軸と、ケーシングの内面に固
定した支持部材に設けた円孔の中心軸とが、僅かとは言
え非平行になる。上記公報に記載された構造は、この様
な状態でも上記各トラニオンの変位を円滑に、構成各部
材を損傷する事なく行なう事に就いて考慮していない。
本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑
みて発明したものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段
変速機は、従来から知られているトロイダル型無段変速
機と同様に、ケーシングと、このケーシングの内側に互
いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持された
入力側、出力側両ディスクと、これら両ディスクの間部
分で、これら両ディスクの中心軸と交差する事はない
が、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位
置に存在する、互いに同心若しくは平行な偶数本の枢軸
と、これら各枢軸を中心として揺動する複数個のトラニ
オンと、これら各トラニオンの内側面から突出した変位
軸と、これら各変位軸の周囲に回転自在に支持された状
態で、上記入力側、出力側両ディスクの内側面同士の間
に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワー
ローラの側方に設けられて上記各枢軸を揺動変位並びに
軸方向に亙る変位自在に支持する支持手段とを備える。
特に、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機に於
いては、上記支持手段を構成して複数個のトラニオンの
端部に設けた枢軸をその端部に支持するヨークを、上記
ケーシングの内面に直接支持固定している。これと共
に、このヨークの端部に対して上記各枢軸を、スプライ
ンにより軸方向に変位自在にし、これら各枢軸を揺動変
位自在に支持する為のニードル軸受を、このスプライン
の内径側に設けている。
【0024】又、請求項2に記載したトロイダル型無段
変速機も、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様に、ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内
側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに
同期した回転自在に支持された第一、第二外側ディスク
と、その内側面を第一外側ディスクの内側面に対向させ
た状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心に、且つ
これら第一、第二外側ディスクとは独立した回転自在に
支持された第一内側ディスクと、その内側面を第二外側
ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一内側ディ
スクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同期した回
転自在に支持された第二内側ディスクと、上記第一外側
ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、これら各デ
ィスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方
向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互い
に同心若しくは平行な4本の第一枢軸と、これら各第一
枢軸を中心として揺動する1対の第一トラニオンと、こ
れら各第一トラニオンの内側面から突出した第一変位軸
と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支持された
状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一内側ディ
スクの内側面との間に挟持された1対の第一パワーロー
ラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間
部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はない
が、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位
置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本の第二枢
軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する1対の第
二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面から
突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に回
転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内
側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された1
対の第二パワーローラと、第一、第二内側ディスクの側
方に、これら両内側ディスクを両側から挟む状態で、且
つ一端部を上記第一外側ディスクと第一内側ディスクと
の間部分に、他端部を上記第二外側ディスクと第二内側
ディスクとの間部分に、それぞれ位置させた状態で、互
いにほぼ平行に設けられた第一、第二支持手段とを備え
る。そして、このうちの第一支持手段は、上記4本の第
一枢軸のうちの2本の第一枢軸と上記4本の第二枢軸の
うちの2本の第二枢軸とを揺動並びにそれぞれの軸方向
に亙る変位自在に支持するものであり、第二支持手段
は、上記4本の第一枢軸のうちの残り2本の第一枢軸と
上記4本の第二枢軸のうちの残り2本の第二枢軸とを揺
動並びにそれぞれの軸方向に亙る変位自在に支持するも
のである。特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於
いては、上記第一、第二両支持手段を構成して複数個の
トラニオンの端部に設けた枢軸をその四隅部に支持する
ヨークを、上記ケーシングの内面に直接支持固定してい
る。これと共に、このヨークの四隅部に対して上記各枢
軸を、スプラインにより軸方向に変位自在にし、これら
各枢軸を揺動変位自在に支持する為のニードル軸受を、
このスプラインの内径側に設けている。
【0025】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機により、入力側ディスク又は第一、第二両外側デ
ィスクと、出力側ディスク又は第一、第二両内側ディス
クとの間で回転力の伝達を行なうと共に、これら入力側
ディスク又は第一、第二両外側ディスクと、出力側ディ
スク又は第一、第二両内側ディスクとの間の変速比を変
える際の作用は、従来から知られているトロイダル型無
段変速機と同様である。特に、本発明のトロイダル型無
段変速機の場合には、支持手段又は第一、第二両支持手
段を構成するヨークを、上記ケーシングの内面に直接支
持固定している為、部品点数の低減による、部品製作、
部品管理、組立作業の簡略化を図ると同時に、高さ寸法
を小さくして、耐久性を確保しつつ、小型・軽量化を図
れる。しかも、上記ヨークには複数のトラニオンの端部
に設けた枢軸を支持している為、これら複数のトラニオ
ンに加わる力の全部又は一部を、上記ヨーク内で相殺さ
せる事ができる。この為、このヨークを支持したケーシ
ング内に大きな荷重が加わる事がなくなる為、このケー
シングの肉厚を特に大きくしなくても、上記各枢軸の支
持部が変位したり、或はこのケーシングの耐久性が損な
われたりする事を防止できる。更には、上記枢軸とヨー
クとの間に、スプラインとニードル軸受とを設けている
ので、ヨークに対するトラニオンの変位を、円滑且つ正
確に行なえる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1〜7は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本例の特徴は、各第一トラ
ニオン27、27の両端部に設けた第一枢軸29、29
をケーシング5に対し支持する部分の構造、並びに上記
各第一トラニオン27、27の傾斜角度を確実に同期さ
せる為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、
前述の図15〜17に示した従来構造と同様であるか
ら、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡
略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。又、
各第二トラニオン28、28の両端部に設けた第二枢軸
30、30(図17)に関しても、上記各第一枢軸2
9、29と同様の構造により、上記ケーシング5に対し
支持すると共に、上記各第二トラニオン28、28の傾
斜角度を確実に同期させる様にしている。以下の説明
は、第二トラニオン28、28との関連で説明しなけれ
ばならない部分を除き、原則として上記各第一トラニオ
ン27、27に就いてのみ行なう。
【0027】上記ケーシング5内の互いに対向する部分
には、第一、第二支持手段を構成する1対のヨーク5
4、55を、上記ケーシング5に対し直接、互いに平行
に結合固定している。尚、上記ケーシング5に対するこ
れら各ヨーク54、55の位置決め精度は、一方に突設
したノックピンと他方に形成した係止孔(何れも図示省
略)との係合により厳密に規制する。この様な各ヨーク
54、55の四隅部で互いに整合する位置には、それぞ
れ円形の支持孔31、31を形成している。そして、こ
れら各支持孔31、31のうち、上記各ヨーク54、5
5の一端側に形成した支持孔31、31の内側に上記各
第一枢軸29、29を、それぞれボールスプライン5
6、56とラジアルニードル軸受57、57とにより、
軸方向に亙る変位及び揺動自在に支持している。
【0028】このうちのボールスプライン56、56を
構成するボールスプライン用外輪58、58は、上記各
支持孔31、31の開口側半部に、若干の揺動変位自在
に、且つ軸方向に亙る変位を制限した状態で内嵌してい
る。この為に、上記各支持孔31、31の開口側半部に
は、奥側に比べて内径が小さくなった小径部59、59
を形成している。そして、これら各小径部59、59
に、上記各ボールスプライン56、56を構成する上記
ボールスプライン用外輪58、58を内嵌している。こ
れら各ボールスプライン用外輪58、58の軸方向中間
部外周面は、部分球面状の凸面60、60としている。
これら各凸面60、60の曲率半径は、上記各支持孔3
1、31の内径の1/2とほぼ同じとしている。
【0029】又、上記各ボールスプライン用外輪58、
58の軸方向一端部外周面には、外向フランジ状の鍔部
61、61を、軸方向他端部外周面には係止溝62、6
2を、それぞれ全周に亙って形成している。この様な各
ボールスプライン用外輪58、58はそれぞれ、上記各
鍔部61、61を上記各支持孔31、31の奥側に位置
させ、これら各鍔部61、61と上記各係止溝62、6
2に係止した止め輪63、63との間で上記各小径部5
9、59を軸方向両側から挟持する状態に組み付ける。
尚、この状態で、上記各鍔部61、61と上記各止め輪
63、63との間隔は、上記各小径部59、59の軸方
向長さよりも少し大きくしている。従って、上記各ボー
ルスプライン用外輪58、58はそれぞれ、上記各支持
孔31、31内に若干の揺動変位自在に支持された状態
となる。
【0030】又、上記各ボールスプライン用外輪58、
58の内周面には複数本の外輪側ボールスプライン溝6
4、64を、それぞれ軸方向(図1、3〜5の上下方
向)に亙って形成している。そして、この様な各ボール
スプライン用外輪58、58の内径側に、前記各ラジア
ルニードル軸受57、57の外輪でもある、ボールスプ
ライン用内輪65、65を、これら各ラジアルニードル
軸受57、57と同心に配置している。これら各ボール
スプライン用内輪65、65の外周面で上記各外輪側ボ
ールスプライン溝64、64に対向する部分には、それ
ぞれ内輪側ボールスプライン溝66、66を、それぞれ
軸方向に亙って形成している。そして、これら各内輪側
ボールスプライン溝66、66と上記各外輪側ボールス
プライン溝64、64との間に、それぞれ複数個ずつの
ボール67、67を配置して、前記各ボールスプライン
56、56を構成している。
【0031】又、上記各ボールスプライン用内輪65、
65の内周面には、上記各ラジアルニードル軸受57、
57の為の、円筒面状の外輪軌道68、68を設けてい
る。そして、これら各外輪軌道68、68と、前記各第
一トラニオン27、27の両端部に設けた第一枢軸2
9、29の外周面に形成した円筒面状の内輪軌道69、
69との間に、それぞれ複数本ずつのニードル70、7
0を配置して、上記各ラジアルニードル軸受57、57
を構成している。
【0032】又、上記各第一トラニオン27、27の両
端部に設けた上記各第一枢軸29、29のうち、駆動ロ
ッド51、51を結合した一端側(図1、3の下端側)
の第一枢軸29、29の先端部には、後述する歯車伝達
機構71を構成する為のピニオン72、72を外嵌固定
している。一方、駆動ロッド51、51と反対側の他端
側(図1、3〜5の上端側)の第一枢軸29、29の先
端部には、円板状の抑え板73を、その中心部に設けた
ねじ杆74をこれら各第一枢軸29、29の中心部に設
けたねじ孔75、75に螺合させる事により、固定して
いる。この様なピニオン72、72及び抑え板73、7
3が、上記各ボールスプライン用内輪65、65の軸方
向移動、並びに上記各ボール67、67の脱落を防止す
る。尚、これら各ボール67、67の反対側への脱落防
止は、上記各ボールスプライン用内輪65、65の基端
部(上記各第一トラニオン27、27の軸方向中央側の
端部)外周面に係止した止め輪85、85により図って
いる。
【0033】尚、本例の構造のうち、上述の様なボール
スプライン56及びラジアルニードル軸受57部分の組
立作業は、次の様にして行なう。上記ボールスプライン
用内輪65を含む上記ラジアルニードル軸受57は、図
4に示す様に、予め上記第一トラニオン27の他端部に
設けた第一枢軸29に装着し、間座76と止め輪77と
により抜け止めしておく。又、ボールスプライン用外輪
58は、同図に示す様に、予めヨーク54に形成した支
持孔31の内側に装着しておく。この状態で上記ボール
スプライン56を構成するボール67、67を、前記ケ
ーシング5の一部で上記支持孔31に整合する部分に形
成した通孔86を通じて、上記ボールスプライン用内輪
65の外周面に形成した前記各内輪側ボールスプライン
溝66、66と、前記ボールスプライン用外輪58の内
周面に形成した各外輪側ボールスプライン溝64、64
との間に、それぞれ複数個ずつ挿入する。そして、挿入
後、図5に示す様に、上記抑え板73を装着してから、
上記通孔86を蓋板87により塞ぐ。
【0034】又、本例の場合には、互いに対向して設け
た1対の第一トラニオン27、27同士を、歯車伝達機
構71で互いに結合する事により、これら両第一トラニ
オン27、27に支持した1対の第一パワーローラ4
5、45の傾斜角度を互いに厳密に一致させる様にして
いる。上記歯車伝達機構71を設ける為、一方(図1〜
3の下方)のヨーク55に、凹部78を設けている。従
って、このヨーク55とシリンダケース79とを重ね合
わせた状態で、これら両部材55、79同士の間には、
上記歯車伝達機構71を収納する為の空間80が形成さ
れる。この空間80内に収納される歯車伝達機構71
は、互いに同形で且つ同じ歯数を有する1対のピニオン
72、72と、両端縁に互いに同ピッチの歯を形成した
1個のラック81とから成る。このうちの各ピニオン7
2、72は、それぞれ前記第一トラニオン27、27の
端部に設けた第一枢軸29、29の先端部に形成した非
円筒部に外嵌固定している。従って、上記各第一トラニ
オン27、27は、上記各ピニオン72、72と同期し
て回転する。尚、変速比を変える際に上記各第一トラニ
オン27、27は、それぞれ上記各第一枢軸29、29
の軸方向に変位する。従って、上記各ピニオン72、7
2とラック81との噛合部に適度の(上記傾斜角度を一
致させる事に就いて問題を生じない程度の)バックラッ
シュを設けて、上記各ピニオン72、72とラック81
との相対変位を可能にする。
【0035】又、上記ラック81は、入力軸1aの軸方
向(図1、3の表裏方向)に亙る変位のみ自在として、
上記空間80内に支持している。この為に図示の例で
は、上記ラック81をヨーク55に対して、直動式の転
がり軸受(リニアベアリング)82、82により、平行
移動自在に支持している。即ち、ケーシング5の内面に
固定したヨーク55の下面で上記ラック81に対向する
部分にガイド凹部83、83を、それぞれラック81の
変位方向に形成している。
【0036】又、上記ラック81の中間部で上記各ガイ
ド凹部83、83に整合する部分には、それぞれガイド
鍔部84、84を形成している。これら各ガイド鍔部8
4、84の厚さは、上記各ガイド凹部83、83の幅よ
りも少し小さくし、これら各ガイド鍔部84、84をこ
れら各ガイド凹部83、83内に、緩く挿入している。
そして、これら各鍔部84、84の片側面とこれら各ガ
イド凹部83、83の一方の内側面との間に、上記各転
がり軸受82、82を設けている。この様な転がり軸受
82、82は、上記ラック81に設けた各鍔部84、8
4を両側から挟む位置に(或は図示の場合とは逆に、各
鍔部84、84が転がり軸受82、82を両側から挟む
位置に)配置している。
【0037】従って、上記ラック81は上記ヨーク55
に対し、上記各ガイド凹部83、83の方向に、傾斜し
たりする事なく、軽い力で円滑に変位自在である。又、
上記ラック81に、変位方向に対し直角方向の力が加わ
った場合には、このラック81に付設した1対の転がり
軸受82、82のうちの何れか一方の転がり軸受82、
82が上記力を支承し、上記ラック81の円滑な変位を
補償する。
【0038】それぞれを上述の様に支持したピニオン7
2、72とラック81とは、これら各ピニオン72、7
2の外周縁に形成した歯とラック81の両側縁に形成し
た歯とを互いに噛合させた状態に組み合わせて、上記歯
車伝達機構71を構成する。この歯車伝達機構71は、
バックラッシュを極力抑えると共に、上記各ピニオン7
2、72のピッチ円直径を或る程度(他の部材との干渉
防止を図れる範囲内で)大きくしたものとしている。従
って、これら各ピニオン72、72を固定した各第一ト
ラニオン27、27、並びにこれら各第一トラニオン2
7、27に支持した各第一パワーローラ45、45の傾
斜角度を互いに厳密に一致させる事ができる。尚、図示
は省略したが、上記各第一トラニオン27、27と第二
トラニオン28、28(図17)との間にも、同様構造
の歯車伝達機構を設けて、これら各第一トラニオン2
7、27と第二トラニオン28、28との傾斜角度を、
互いに一致させる様にしている。
【0039】以上に述べた通り、本発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、第一、第二両支持手段を構成す
る部材である前記ヨーク54、55を、前記ケーシング
5の内面に直接支持固定している。この為、前述した従
来構造で必要としていた支持ポスト33a、33b(図
15〜17)が不要になり、部品点数の低減による、部
品製作、部品管理、組立作業の簡略化を図ると同時に、
高さ寸法を小さくして、耐久性を確保しつつ、小型・軽
量化を図れる。
【0040】、しかも、本発明の場合には、上記ヨーク
54、55の四隅部分で、第一、第二各トラニオン2
7、28をそれぞれ2本ずつ、合計4本のトラニオン2
7、28の端部に設けた第一、第二枢軸29、30を支
持している。この為、これら各第一、第二トラニオン2
7、28に加わる力の全部を、上記各ヨーク54、55
内で相殺する事ができる。この点に就いて、図6により
説明する。前述した様にトロイダル型無段変速機の運転
時に上記各第一、第二トラニオン27、28には、各第
一、第二パワーローラ45、46から大きなスラスト荷
重が、それぞれ図6に矢印αで示す方向に加わる。これ
ら各スラスト荷重はそれぞれ、同図に矢印βで示した、
第一、第二両キャビティ34、35(図1)の直径方向
の分力と、同図に矢印γで示した、入力軸1aの軸方向
に亙る分力とに分けられる。
【0041】この様な力の方向を示した図6から明らか
な通り、第一、第二両キャビティ34、35の直径方向
の分力βは、同一キャビティ内に配置した上記各第一、
第二トラニオン27、28で反対方向で且つ同じ大きさ
となる。又、入力軸1aの軸方向に亙る分力γは、隣り
合うキャビティ内に配置した上記各第一、第二トラニオ
ン27、28で反対方向で且つ同じ大きさとなる。従っ
て、上記各第一、第二トラニオン27、28に加わる力
の全部が、上記各ヨーク54、55内で相殺され、これ
ら各ヨーク54、55を支持したケーシング5にまで、
この力が加わる事はない。この為、このケーシング5に
大きな荷重が加わる事がなくなり、このケーシング5の
肉厚を特に大きくしなくても、上記各第一、第二枢軸2
9、30の支持部が変位したり、或は上記ケーシング5
の耐久性が損なわれたりする事を防止できる。
【0042】又、上記各第一枢軸29、29とヨーク5
4、55との間に、ボールスプライン56とラジアルニ
ードル軸受57とを設けているので、これら各ヨーク5
4、55に対する上記各第一トラニオン27、27の変
位を、円滑且つ正確に行なえる。即ち、前述の説明から
明らかな通り、トロイダル型無段変速機の変速動作時
に、上記各第一トラニオン27、27は、上記各第一枢
軸29、29の軸方向に変位し、この軸方向変位に基づ
いてこれら各第一枢軸29、29を中心に揺動変位す
る。本例の場合、これら各変位のうちの軸方向変位を、
上記ボールスプライン56により、揺動変位をラジアル
ニードル軸受57により、それぞれ円滑に行なわせて、
これら各変位に基づく、上記トロイダル型無段変速機の
変速動作を、迅速且つ正確に行なわせる事ができる。
【0043】更に、前記各ボールスプライン用外輪5
8、58の外周面を、それぞれ部分球面状の凸面60、
60としている為、上記各第一トラニオン27、27の
弾性変形に拘らず、前記各ラジアルニードル軸受57、
57を構成する各ニードル70、70の転動面と、前記
外輪軌道68及び内輪軌道69との当接部にエッヂロー
ドが加わるのを防止できる。即ち、トロイダル型無段変
速機の運転時に各第一パワーローラ45、45には大き
なスラスト荷重が加わり、このスラスト荷重に基づいて
上記各第一トラニオン27、27は、図7に誇張して示
す様に、互いに対向する内側面側が凹面となる方向に弾
性変形する。そして、この弾性変形に基づき、上記各第
一枢軸29、29の中心軸と前記各支持孔31、31の
中心軸とが、僅かとは言え不一致になる。そこで、この
様な場合に本例の構造では、上記各ボールスプライン用
外輪58、58が上記各支持孔31、31内で揺動変位
する。そして、これら各ボールスプライン用外輪58、
58の中心軸及び内径側に配置した、上記各ラジアルニ
ードル軸受57、57の外輪でもある、前記各ボールス
プライン用内輪65、65の中心軸を、上記各第一枢軸
27、27の中心軸と一致させたままにする。本例の構
造は、この様にして上記各第一枢軸29、29の中心軸
と各支持孔31、31の中心軸との不一致を補償し、前
述したエッヂロードが加わる事を防止する。
【0044】更に、図示の例の様に、歯車伝達機構71
により各第一パワーローラ45、45の傾斜角度を互い
に一致させる為、これら各第一パワーローラ45、45
の周面9a、9aと各ディスク17、20の内側面2
a、4aとの当接部で著しい滑りが発生するのを防止し
て、トロイダル型無段変速機の効率を十分に確保でき
る。尚、上記歯車伝達機構71は、上記各第一パワーロ
ーラ45、45同士、更にはこれら各第一パワーローラ
45、45と各第二パワーローラ46、46(図17参
照)との傾斜角度を厳密に一致させる為に有効である
が、本発明を実施する場合に、これら各パワーローラ4
5、46同士の傾斜角度を一致させる為の同期機構は、
図示の様な歯車伝達機構71に限定しない。従来から広
く知られている、ケーブル式の同期機構を使用しても良
い。
【0045】又、本発明は、ダブルキャビティ型のトロ
イダル型無段変速機で実施する事が、ヨークに加わる荷
重をこのヨーク内でほぼ完全に相殺し、このヨークを支
持しているケーシングに大きな力が加わるのを防止する
面から有効である。但し、前述の図13〜14に示す様
に、入力側ディスク2と出力側ディスク4とを1個ずつ
設けた、シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速
機でも、或る程度の効果を得る事ができる。但し、シン
グルキャビティ型のトロイダル型無段変速機で実施した
場合には、図8に示す様に、運転状態によってはヨーク
88を固定したケーシングに、各パワーローラ9、9か
ら各トラニオン7、7に加わった荷重の一部が加わる。
【0046】即ち、入力側ディスク2と出力側ディスク
4との回転速度を互いに同じにする(変速比を1とす
る)場合には、図8(A)に示す様に、上記各トラニオ
ン7、7に、互いに同じ大きさの荷重が逆方向に加わ
る。従って、上記各トラニオン7、7に加わった荷重
は、上記ヨーク88内でほぼ完全に相殺されて、このヨ
ーク88を支持したケーシングにまで荷重が加わる事は
ない。これに対して、入力側ディスク2と出力側ディス
ク4との回転速度を互いに異ならせる(変速比を1以外
とする)場合には、図8(B)に示す様に、上記各トラ
ニオン7、7に加わる荷重のうち、上記入力側ディスク
2及び出力側ディスク4の軸方向に亙る分力が相殺され
ずに残り、ケーシングに加わる。この様にケーシングに
加わる分力の大きさは、元々上記各トラニオン7、7に
加わる荷重よりも小さい為、上記ヨーク88を上記ケー
シングに対し複数個所で固定すれば、前述の特開平10
−274300号公報に記載された構造の様に、各トラ
ニオンに加わる荷重をそのままケーシングに伝達する構
造の場合とは異なり、ケーシングの変形防止及び耐久性
確保を実用上問題ないレベルで図れる。
【0047】次に、図9〜11は、本発明の実施の形態
の第2例を示している。本例は、各第一トラニオン2
7、27の両端部に設けた第一枢軸29、29のうち、
駆動ロッド51、51と反対側の他端寄り部分の第一枢
軸29、29をケーシング5に対し支持する部分の構造
を、上述した第1例と異ならせている。即ち、本例は、
上記他端寄り部分の第一枢軸29、29をヨーク54に
支持する為のボールスプライン56、56を組み立てる
のに、上述の第1例の様な通孔86(図4〜5)を不要
とし、この通孔86を塞ぐ蓋板87(図5)を不要にし
てコスト低減を図ると共に、上記ケーシング5の強度向
上を図ったものである。
【0048】この為に本例の場合には、ヨーク54の支
持孔31の開口側半部に形成した小径部59の直径方向
反対側2個所位置に、この支持孔31の直径方向外方に
凹入した切り欠き89、89を形成している。又、ボー
ルスプライン用外輪58の基端部(図9〜10の上端
部)外周面の直径方向反対側2個所位置には、それぞれ
上記各切り欠き89、89を通過自在な突片90、90
を形成している。そして、このうちの一方(図10の右
方、図11の右上方)の突片90の外周縁中央部に、係
止切り欠き91を形成している。又、上記ヨーク54に
設けた支持孔31の小径部59に対応する部分で、上記
各切り欠き89、89同士の間に位置し、係止切り欠き
91に整合する部分には、ねじ孔92を形成し、このね
じ孔92に螺着した止めねじ93の先端部を、上記係止
切り欠き91に係合させている。
【0049】上述の様な本例の構造は、次の様にして組
み立てる。第一枢軸29の端部にラジアルニードル軸受
57とボールスプライン56とを、予め組み付けてお
く。このボールスプライン56を構成する複数のボール
67、67の抜け止めは、上記ボールスプライン用外輪
58の端部内周面或はボールスプライン用内輪65の端
部外周面に係止した止め輪により図っておく。そして、
上記各切り欠き89、89と上記各突片90、90とを
整合させた状態で、これら各突片90、90を上記支持
孔31内に挿入してから、上記ボールスプライン用外輪
58を90度回転させ、上記係止切り欠き91と上記ね
じ孔92とを整合させる。次いで、このねじ孔92に上
記止めねじ93を螺入し、この止めねじ93の先端部を
上記係止切り欠き91内に進入させる。この結果、上記
各切り欠き89、89と上記各突片90、90との位相
がずれたままの状態となり、上記ボールスプライン用外
輪58を上記支持孔31内に支持したままにできる。そ
の他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様で
あるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説
明を省略する。
【0050】次に、図12は、本発明の実施の形態の第
3例を示している。本例の場合には、ボールスプライン
用外輪58の内周面に形成した外輪側ボールスプライン
溝64、64と、ボールスプライン用内輪65の外周面
に形成した内輪側ボールスプライン溝66、66との間
に、それぞれころ94、94を介在させている。従っ
て、スプライン部のラジアル負荷容量を大きくできる。
尚、上記各ころ94、94は、第一枢軸29、29の軸
方向移動に伴って転動する事はない。従って、本例の場
合、これら第一枢軸29、29の軸方向移動に要する力
は、前述した第1例及び上述した第2例の場合よりも大
きくなるが、上記第一枢軸29、29の軸方向移動は、
駆動シリンダ53(図1、9)により強い力で行なうの
で、この駆動シリンダ53の径、及び油圧を確保できれ
ば、実用上十分な応答性を得られる。その他の構成及び
作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、小型且つ軽量で安価に製作でき、しかも優
れた伝達効率及び耐久性を有するトロイダル型無段変速
機の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図15の
A−A断面に相当する図。
【図2】図1のB−B断面図。
【図3】図1の右部を拡大して示す断面図。
【図4】組立途中の状態を示す、図1のC部に相当する
図。
【図5】組立完了の状態を示す、図1のC部に相当する
図。
【図6】ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機
を構成するヨークに加わる力の状態を、図1の上方から
見た状態で示す図。
【図7】運転時に於けるトラニオンの変形状態を誇張し
て示す、図1の右上部に相当する部分断面図。
【図8】シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速
機を構成するヨークに加わる力の状態を示す、図6と同
様の図。
【図9】本発明の実施の形態の第2例を示す、図15の
A−A断面に相当する図。
【図10】図9のD部拡大図で、イ線より上側は図11
のE−O−F断面、同じく下側は図11のE−O−G断
面を、それぞれ示している。
【図11】ケーシングを省略して図10の上方から見た
図。
【図12】本発明の実施の形態の第3例を示す、図3と
同様の図。
【図13】従来から知られているトロイダル型無段変速
機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図14】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図15】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図16】図15のA−A断面図。
【図17】同H−H断面図。
【符号の説明】
1、1a 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 ケーシング 6 枢軸 7 トラニオン 8 変位軸 9 パワーローラ 9a 周面 10 押圧装置 11 カム板 12 保持器 13 ローラ 14 カム面 15 カム面 16 伝達軸 17 第一入力側ディスク 18 第二入力側ディスク 19 ボールスプライン 20 第一出力側ディスク 21 第二出力側ディスク 22 スリーブ 23 出力歯車 24 支持壁 25 転がり軸受 26a、26b ヨーク 27 第一トラニオン 28 第二トラニオン 29 第一枢軸 30 第二枢軸 31 支持孔 32 係止孔 33a、33b 支持ポスト 34 第一キャビティ 35 第二キャビティ 36 ラジアルニードル軸受 37 外輪 38 ニードル 39 円孔 40 第一変位軸 41 第二変位軸 42 支持軸部 43 枢支軸部 44 ラジアルニードル軸受 45 第一パワーローラ 46 第二パワーローラ 47 ラジアルニードル軸受 48 スラスト玉軸受 49 スラスト軸受 50 外輪 51 駆動ロッド 52 駆動ピストン 53 駆動シリンダ 54 ヨーク 55 ヨーク 56 ボールスプライン 57 ラジアルニードル軸受 58 ボールスプライン用外輪 59 小径部 60 凸面 61 鍔部 62 係止溝 63 止め輪 64 外輪側ボールスプライン溝 65 ボールスプライン用内輪 66 内輪側ボールスプライン溝 67 ボール 68 外輪軌道 69 内輪軌道 70 ニードル 71 歯車伝達機構 72 ピニオン 73 抑え板 74 ねじ杆 75 ねじ孔 76 間座 77 止め輪 78 凹部 79 シリンダケース 80 空間 81 ラック 82 転がり軸受 83 ガイド凹部 84 ガイド鍔部 85 止め輪 86 通孔 87 蓋板 88 ヨーク 89 切り欠き 90 突片 91 係止切り欠き 92 ねじ孔 93 止めねじ 94 ころ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今西 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 町田 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 AA08 BA03 BB02 BD02 BE09 CA05 CB07 EC03 ED14 ED20 FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    互いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持され
    た入力側、出力側両ディスクと、これら両ディスクの間
    部分で、これら両ディスクの中心軸と交差する事はない
    が、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位
    置に存在する、互いに同心若しくは平行な偶数本の枢軸
    と、これら各枢軸を中心として揺動する複数個のトラニ
    オンと、これら各トラニオンの内側面から突出した変位
    軸と、これら各変位軸の周囲に回転自在に支持された状
    態で、上記入力側、出力側両ディスクの内側面同士の間
    に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワー
    ローラの側方に設けられて上記各枢軸を揺動変位並びに
    軸方向に亙る変位自在に支持する支持手段とを備えたト
    ロイダル型無段変速機に於いて、この支持手段を構成し
    て複数個のトラニオンの端部に設けた枢軸をその端部に
    支持するヨークを、上記ケーシングの内面に直接支持固
    定すると共に、このヨークの端部に対して上記各枢軸
    を、スプラインにより軸方向に変位自在にし、これら各
    枢軸を揺動変位自在に支持する為のニードル軸受を、こ
    のスプラインの内径側に設けた事を特徴とするトロイダ
    ル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且
    つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側
    ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に
    対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心
    に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回
    転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を
    第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一
    内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同
    期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、上記
    第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、こ
    れら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中
    心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在す
    る、互いに同心若しくは平行な4本の第一枢軸と、これ
    ら各第一枢軸を中心として揺動する1対の第一トラニオ
    ンと、これら各第一トラニオンの内側面から突出した第
    一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支
    持された状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一
    内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第一パ
    ワーローラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディス
    クとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する
    事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる
    捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本
    の第二枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する
    1対の第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内
    側面から突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の
    周囲に回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディ
    スクの内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持
    された1対の第二パワーローラと、第一、第二内側ディ
    スクの側方に、これら両内側ディスクを両側から挟む状
    態で、且つ一端部を上記第一外側ディスクと第一内側デ
    ィスクとの間部分に、他端部を上記第二外側ディスクと
    第二内側ディスクとの間部分に、それぞれ位置させた状
    態で、互いにほぼ平行に設けられた第一、第二支持手段
    とを備え、このうちの第一支持手段は、上記4本の第一
    枢軸のうちの2本の第一枢軸と上記4本の第二枢軸のう
    ちの2本の第二枢軸とを揺動並びにそれぞれの軸方向に
    亙る変位自在に支持するものであり、第二支持手段は、
    上記4本の第一枢軸のうちの残り2本の第一枢軸と上記
    4本の第二枢軸のうちの残り2本の第二枢軸とを揺動並
    びにそれぞれの軸方向に亙る変位自在に支持するもので
    あるトロイダル型無段変速機に於いて、上記第一、第二
    両支持手段を構成して複数個のトラニオンの端部に設け
    た枢軸をその四隅部に支持するヨークを、上記ケーシン
    グの内面に直接支持固定すると共に、このヨークの四隅
    部に対して上記各枢軸を、スプラインにより軸方向に変
    位自在にし、これら各枢軸を揺動変位自在に支持する為
    のニードル軸受を、このスプラインの内径側に設けた事
    を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 スプラインがボールスプラインであり、
    このボールスプラインを構成するボールスプライン溝を
    その内周面に形成した外輪の外周面を部分球面状の凸面
    とし、この凸面をヨークに形成した円孔に揺動変位自在
    に内嵌した、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダ
    ル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 複数のトラニオン同士の間に歯車伝達機
    構を設けて、これら各トラニオンの傾動を同期させる、
    請求項1〜3の何れかに記載したトロイダル型無段変速
    機。
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