JP2000290503A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JP2000290503A
JP2000290503A JP11101103A JP10110399A JP2000290503A JP 2000290503 A JP2000290503 A JP 2000290503A JP 11101103 A JP11101103 A JP 11101103A JP 10110399 A JP10110399 A JP 10110399A JP 2000290503 A JP2000290503 A JP 2000290503A
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Japan
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polyphenylene sulfide
sulfide resin
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JP11101103A
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Masaharu Ueda
雅治 植田
Tomohiro Ishikawa
朋宏 石川
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形・加工時の変色が著しく抑制され、熱履
歴による劣化が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂1
00重量部および(B)α−トコフェロール 0.00
5〜3重量部、(C)有機ビスホスファイト化合物0.
01〜10重量部及び(D)ラクトン環構造を有する化
合物0.05〜3重量部からなるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、成形・
加工時の変色が著しく抑制され、熱履歴による溶融粘度
の変化が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂は、耐熱
性、難燃性、耐薬品性などに優れたエンジニアリングプ
ラスチックであり、射出成形、押出成形等により各種部
品への成形が可能であり、これらの特徴を活かして電気
・電子機器部材、自動車機器部材、精密機械部材に応用
されている。
【0003】しかし、ポリフェニレンスルフィド樹脂
は、押出機を使用して成形用ペレットを作成する際に、
熱履歴を受けることにより白色度が低下したり、溶融粘
度が著しく低下したりする。
【0004】さらに、射出成形などにより加工する場
合、得られる成形品の色相が成形前のペレットの色相と
比較すると全体的に変色していたり、甚だしく射出成形
品表面に濃色の筋やまだらな変色が発生するなど、外観
上多くの好ましくない現象が見られる。
【0005】また、溶融押出後の粘度低下は、熱履歴に
よってポリフェニレンスルフィド樹脂の分子鎖が切断さ
れることに起因し、射出成形などにより加工した成形品
の機械的強度を著しく低下させる原因となる。
【0006】変色を低減する手段として、フェノール系
安定剤または有機燐系安定剤を含有させることが知られ
ている。例えば、有機モノホスファイトを添加する方法
(特開昭47−1735号公報)、アミン誘導体,フェ
ノール誘導体,ハイドロキノン誘導体,カテコール誘導
体,亜燐酸エステル,アルキルチオエーテルの中から選
ばれた1種以上を添加する方法(特開昭59−2137
59号公報)、スピロ環を有する燐化合物を添加する方
法(特開昭63−159470号公報)、特定のフェノ
ール系化合物と特定の燐化合物を併用する方法(特開平
2−73859号公報)、また特定の構造の有機ビスホ
スファイトを用いる方法(特開平3−28267号公
報、特開平3−28268号公報、特開平7−6223
8号公報)が公知である。
【0007】しかしながら、本発明者らの研究によれ
ば、これらの方法の場合、上記着色防止剤の耐熱性が不
十分であり、ポリフェニレンスルフィドの加工温度であ
る300〜350℃では分解や揮散が生じ、着色防止の
効果が満足できるものではなく、また射出成形時のガス
が異常に多くなったり、金型のベント部に分解物がヤニ
として付着する様な問題点を生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形・加工
時の変色が著しく抑制され、熱履歴による劣化(溶融粘
度の変化)が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物は、ポリフェニレンスルフィド樹
脂100重量部に対して、0.005〜3重量部の下記
(1)式で示されるα−トコフェロールを配合してなる
ことを特徴とする。
【0010】
【化5】
【0011】本発明に使用されるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂は、その構成単位として
【0012】
【化6】
【0013】を70モル%以上、より好ましくは90モ
ル%以上含有しているものが、耐熱性,機械的特性等の
物性上の点から好適である。
【0014】また、構成単位として30モル%未満、好
ましくは10モル%未満であれば、m−フェニレンスル
フィド単位
【0015】
【化7】
【0016】o−フェニレンスルフィド単位、
【0017】
【化8】
【0018】フェニレンスルフィドスルホン単位、
【0019】
【化9】
【0020】フェニレンスルフィドケトン単位、
【0021】
【化10】
【0022】フェニレンスルフィドエーテル単位、
【0023】
【化11】
【0024】ジフェニレンスルフィド単位、
【0025】
【化12】
【0026】種々の官能基を有するフェニレンスルフィ
ド単位
【0027】
【化13】
【0028】(式中、Rはアルキル基、フェニル基、ニ
トロ基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、アル
コキシル基、ヒドロキシル基またはスルホン酸基であ
り、nは1〜4の整数である。)等の共重合単位を含有
していても差し支えない。
【0029】これらの共重合単位を含有したポリマーの
方が、組成物の加工性という点から好ましい場合があ
る。
【0030】さらに、本発明に使用されるポリフェニレ
ンスルフィド樹脂は、実質的に非架橋の構造を有するも
のであっても、酸素雰囲気下での加熱処理または過酸化
物等を添加しての加熱処理により硬化させ、重合度を上
げたものであっても、また、非酸化性の不活性ガス中で
加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらに
これらの構造の混合物であってもかまわない。
【0031】特に、酸素雰囲気下での加熱処理や、過酸
化物等を添加しての加熱処理などの酸化架橋処理を施し
ていないポリフェニレンスルフィド樹脂を用いた場合
は、成形・加工時の変色がより効果的に抑制されるので
好ましい。
【0032】また、上記のポリフェニレンスルフィド樹
脂は、脱イオン処理を行うことによってイオンを低減さ
せたものであってもよい。脱イオン処理の方法として
は、未架橋ポリフェニレンスルフィド樹脂を130〜2
50℃の高温水によって洗浄する方法、有機溶剤で洗浄
する方法、酸またはその水溶液にて洗浄する方法、ある
いはこれらの組合せによる洗浄などから所望により任意
に選択できる。これらの脱イオン処理を行い、副生不純
物等を除去精製することによって、アルカリ金属含有量
を500ppm以下にした未架橋ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂が好適である。
【0033】本発明に使用されるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂は、測定温度315℃,荷重10kgの条件
下、直径0.5mm,長さ2mmのダイスを用いて高化
式フローテスターで測定した溶融粘度が10〜5000
0ポイズ、好ましくは50〜10000ポイズ、さらに
好ましくは100〜6000ポイズのものが好適に使用
できる。溶融粘度が50000ポイズを越えると射出成
形時の成形性が悪化し、また10ポイズ未満では機械的
強度が低下するため好ましくない。
【0034】本発明において使用するα−トコフェロー
ルは、下記(1)式で表される。
【0035】
【化14】
【0036】α−トコフェロールの製造法としては、公
知の方法が用いられる。例えば、”P.Karrer
et al.,Helv.Chim.Acta,21,
520,820(1938)”に記載されている、相当
するハイドロキノンと臭化フィチルの縮合からα−トコ
フェロールを得ることができる。
【0037】本発明で使用するα−トコフェロールの添
加量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に
対して0.005〜3重量部である。α−トコフェロー
ルの添加量が0.005重量部未満では、成形・加工時
の変色を抑制する効果が十分でなく、3重量部を越える
と加工性が損なわれたり、ガスの発生等の問題が生じて
好ましくない。
【0038】本発明において使用する有機ビスホスファ
イト化合物は、下記(2)式または(3)式で示される
構造を有していればいずれのものでも有効であり、
(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂,(B)α−トコ
フェロールと併用することにより、ポリフェニレンスル
フィド樹脂の成形・加工時の変色をより効果的に防止す
ることができる。
【0039】
【化15】
【0040】(式中、R1,R2はアルキル基、置換アル
キル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ
基から選ばれる基であり、各々同一であっても異なって
いても良い。Xは2価のアルキレン基、置換アルキレン
基、アリーレン基または置換アリーレン基を示す。)
【0041】
【化16】
【0042】(式中、R3,R4はアルキル基、置換アル
キル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ
基から選ばれる基であり、各々同一であっても異なって
いても良い。) (2)式中、R1は炭素数5以上のアルキル基もしくは
置換アルキル基、アリール基または置換アリール基であ
ることが加工中の安定性、ガス発生の見地から好まし
い。
【0043】(3)式中、R2,R3は炭素数5以上のア
ルキル基、置換アルキル基もしくはアルコキシ基、アリ
ール基または置換アリール基であることが加工中の安定
性、ガス発生の見地から好ましい。
【0044】本発明において用いられる前記(2)式ま
たは(3)式で表される有機ビスホスファイト化合物の
添加量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部
に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.
05〜1重量部である。0.01重量部未満の場合は本
来目的とする効果が得られず、10重量部を越える場合
は物性低下、ガスの発生等の問題が生じてしまい好まし
くない。
【0045】次に、本発明において用いられる(D)成
分は、クマラン−2−オンから誘導されるラクトン環構
造を有する化合物であり、下記(4)式で表される。
【0046】
【化17】
【0047】(式中、tBuはt−ブチル基を示す。) (D)成分を(A),(B),(C)成分と併用するこ
とにより、ポリフェニレンスルフィド樹脂の成形・加工
時の変色をより一層効果的に防止することができる。
【0048】本発明において用いられる(D)ラクトン
環構造を有する化合物の添加量は、ポリフェニレンスル
フィド樹脂100重量部に対して0.005〜3重量部
である。0.005重量部未満の場合には本来の目的と
する効果が少なく、3重量部を越える場合は物性低下が
生じてしまい好ましくない。
【0049】また、本発明の樹脂組成物は、所望により
さらに無機充填剤成分を(A)ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂100重量部に対して0.01〜450重量部、
特に好ましくは10〜250重量部含むことができる。
0.01重量部未満では機械的強度の増加を図ることが
できず、450重量部を越えると加工成形作業が困難と
なり好ましくない。
【0050】無機充填剤としては、繊維状、粉粒状、板
状等の公知の充填剤が用いられる。繊維状充填剤として
は、例えばガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シ
リカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジル
コニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、ホウ素
繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アル
ミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物質が挙
げられる。特に代表的な繊維状充填剤は、ガラス繊維、
炭素繊維である。また、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等の高融点有機質繊維
状物質も使用することができる。
【0051】粉粒状充填剤としては、例えばカーボンブ
ラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、
ケイ酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻
土、ウォラストナイトのようなケイ酸塩、酸化鉄、酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウムのような金属酸化
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような金属の
炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような金属の
硫酸鉛、その他炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、
各種金属粉末等が挙げられる。
【0052】また、板状充填剤としては、マイカ、ガラ
スフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。
【0053】これらの無機充填剤は、一種または二種以
上併用することができる。繊維状充填剤、特にガラス繊
維またはカーボン繊維と粒状および/または板状充填剤
の併用は、特に機械的強度と寸法精度、電気的性質等を
兼備する上で好ましい組合せである。
【0054】上記充填剤の使用に当たっては、必要なら
ば収束剤または表面処理剤を使用することが好ましい。
例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、
シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物
である。これらの化合物は、無機充填剤を予め表面処理
または収束処理することにより用いるか、または組成物
の調整の際に同時に添加しても良い。
【0055】また、本発明の樹脂組成物は、その目的を
損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を少量併用すること
も可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂とし
ては、高温において安定な熱可塑性樹脂であればいずれ
のものでも良い。例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン
酸とジオールあるいはオキシカルボン酸などからなる芳
香族ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、A
BS、ポリフェニレンオキサイド、ポリアルキルアクリ
レート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、
フッ素樹脂などを挙げることができる。また、これらの
熱可塑性樹脂は二種以上混合して使用することもでき
る。
【0056】さらに、本発明の樹脂組成物には、一般に
熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂に添加される公知の物
質、すなわち、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、
帯電防止剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、染料や顔料等
の着色剤、潤滑剤、核剤等も要求性能に応じて適宜併用
添加することができる。
【0057】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物は、一般に合成樹脂組成物の調整に用いられる設備
と方法により調整することができる。すなわち、必要な
成分を混合し、1軸または2軸の押出機を使用して混練
し、押出して成形用ペレットとすることができ、必要成
分の一部をマスターバッチとして混合し、成形する方
法、また各成分の分散混合を良くするためにポリフェニ
レンスルフィド樹脂の一部または全部を粉砕し、混合し
て溶融押出すること等、いずれも可能である。
【0058】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるも
のではない。
【0059】
【実施例】熱履歴による変色は、色相変化率αにより評
価した。
【0060】色相は、ポリフェニレンスルフィド粉末あ
るいは樹脂組成物ペレットを320℃で1.5分間予熱
後、320℃で1.5分間、続けて130℃で1.5分
間、30kg/cm2の圧力でホットプレスにより加圧
成形して、50mm×30mm×2mmtの板状プレー
トを得た。色彩色差計(SMカラーコンピューター、ス
ガ試験機株式会社製)を用いて、このプレートの明度
(L値)を測定した。
【0061】色相変化率αは、次式のように定義する。
【0062】α=L2/L1×100 ここで、L1は押出機を用いてペレット化する前のポリ
フェニレンスルフィド樹脂のL値を示し、L2はペレッ
ト化後のL値を示す。
【0063】さらに、熱履歴による変色の評価として、
射出成形機にてシリンダー温度330℃、金型温度15
0℃で12mm×136mm×3mmtの短冊状試験片
を成形し、成形品表面に発生している黒条またはまだら
な変色の程度も観察した。
【0064】評価は、大:成形品全面が変色、中:濃い
筋条の変色、小:薄い筋条の変色、無:変色なしで行っ
た。
【0065】熱履歴による溶融粘度の変化は、粘度変化
率βにより評価した。
【0066】溶融粘度は、島津製作所製 CFT−50
0型フローテスター(ダイス:φ=1.0mm,L=
2.0mm)を用いて、315℃で5分間保持した後、
10kgf荷重で測定した。
【0067】粘度変化率βは、次式のように定義する。
【0068】β=η2/η1×100 ここで、η1は押出機を用いてペレット化する前のポリ
フェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度を示し、η2はペ
レット化後の溶融粘度を示す。
【0069】参考例1(ポリフェニレンスルフィドの合
成) PPS−1:15lオートクレーブに、N−メチルピロ
リドン 5lを仕込み、120℃に昇温した後、2.8
水塩硫化ナトリウムを1866g仕込み、2時間かけて
攪拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水を405g
留出させた。次に、これを140℃まで冷却した後、p
−ジクロロベンゼンを2090g加えて、225℃に昇
温させて3時間重合を行った。得られたスラリーの転化
率は99.7%であった。
【0070】この得られたスラリーを3300g、n−
デカン 1293gを15lオートクレーブに仕込み、
反応温度250℃で3時間重合を行った。重合終了後、
室温まで冷却して重合スラリーを得た。
【0071】該重合スラリーを温水で8回洗浄した後、
80℃にて10時間真空乾燥して、粉末状のポリフェニ
レンスルフィドを得た。得られたポリフェニレンスルフ
ィド(PPS−1)の溶融粘度(η1)は890ポイ
ズ、原子吸光分析法により測定したアルカリ金属の含有
量は1800ppmであった。また、該PPS−1の粉
末をホットプレスにより加圧成形した成形体の色相を測
定した結果、L値(L1)は78であった。
【0072】参考例2(ポリフェニレンスルフィドの合
成) PPS−2:PPS−1と同様の方法により重合を行
い、得られた重合スラリーをN−メチルピロリドン中に
投入した(スラリー濃度8.5重量%)。次いで、18
5℃で1時間攪拌した後、遠心分離器を用いてN−メチ
ルピロリドンを除去して濾過ケーキを得た。次に、該濾
過ケーキを80℃の温水(重量で濾過ケーキの約20
倍)中に投入し、約30分間攪拌した後、濾過した。こ
の温水洗浄および濾過の操作を7回繰り返した後、80
℃にて10時間真空乾燥して、粉末状のポリフェニレン
スルフィドを得た。得られたポリフェニレンスルフィド
(PPS−2)の溶融粘度(η1)は970ポイズ、原
子吸光分析法により測定したアルカリ金属の含有量は3
0ppmであった。また、該PPS−2の粉末をホット
プレスにより加圧成形した成形体の色相を測定した結
果、L値(L1)は82であった。
【0073】参考例3(ポリフェニレンスルフィドの合
成) PPS−3:PPS−1と同様の方法により重合を行
い、得られた重合スラリーをN−メチルピロリドン中に
投入した(スラリー濃度8.5重量%)。次いで、18
5℃で1時間攪拌した後、遠心分離器を用いてN−メチ
ルピロリドンを除去して濾過ケーキを得た。次に、該濾
過ケーキを80℃の温水(重量で濾過ケーキの約20
倍)中に投入し、約30分間攪拌した後、濾過した。こ
の温水洗浄および濾過の操作を7回繰り返した。得られ
た濾過ケーキを純水中でスラリー化した後、該スラリー
に酢酸を加えてpH5.0に調整した。50℃で30分
間攪拌を行った後、純水を加えて攪拌後濾過する操作を
5回繰り返した。得られた濾過ケーキを80℃にて10
時間真空乾燥して、粉末状のポリフェニレンスルフィド
を得た。得られたポリフェニレンスルフィド(PPS−
3)の溶融粘度(η1)は930ポイズ、原子吸光分析
法により測定したアルカリ金属の含有量は28ppmで
あった。また、該PPS−3の粉末をホットプレスによ
り加圧成形した成形体の色相を測定した結果、L値(L
1)は83であった。
【0074】参考例4(ポリフェニレンスルフィドの合
成) PPS−4:15lオートクレーブに、N−メチルピロ
リドン 5lを仕込み、120℃に昇温した後、2.8
水塩硫化ナトリウムを1866g仕込み、2時間かけて
攪拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水を407g
留出させた。次に、これを140℃まで冷却した後、p
−ジクロロベンゼンを2060g加えて225℃に昇温
させて3時間重合を行った後、250℃に昇温して3時
間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却して重合ス
ラリーを得た。
【0075】該重合スラリーを温水で8回洗浄した後、
80℃にて10時間真空乾燥して、粉末状のポリフェニ
レンスルフィドを得た。得られたポリフェニレンスルフ
ィドの溶融粘度は160ポイズであった。
【0076】さらに、このポリマーを空気雰囲気下、2
35℃で3時間加熱硬化させた。得られたポリフェニレ
ンスルフィド(PPS−4)の溶融粘度(η1)は10
20ポイズ、原子吸光分析法により測定したアルカリ金
属の含有量は2600ppmであった。また、該PPS
−4の粉末をホットプレスにより加圧成形した成形体の
色相を測定した結果、L値(L1)は54であった。
【0077】実施例1〜15および比較例1〜8 参考例1〜4で得たPPS−1〜PPS−4に対して、
表1に示す添加剤を表1に示す組成にて、ヘンシェルミ
キサーで5分間予備混合した。これをシリンダー温度3
00℃の押出機にかけ、ポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物のペレットを作った。該ペレットについて、色
相、黒条変色、溶融粘度(η2)を測定した。結果を表
1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】(注1:有機ビスホスファイトの構造) A:
【0080】
【化18】
【0081】B:
【0082】
【化19】
【0083】C:
【0084】
【化20】
【0085】D:
【0086】
【化21】
【0087】E:
【0088】
【化22】
【0089】F:
【0090】
【化23】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、成形・加工時の変色が
著しく抑制され、熱履歴による劣化(溶融粘度の変化)
が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供で
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
    0重量部および(B)下記(1)式で表されるα−トコ
    フェロール 0.005〜3重量部からなることを特徴
    とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1に記載の(A),(B)および
    (C)下記(2)式または(3)式で表される有機ビス
    ホスファイト化合物0.01〜10重量部からなること
    を特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 【化2】 (式中、R1,R2はアルキル基、置換アルキル基、アリ
    ール基、置換アリール基およびアルコキシ基から選ばれ
    る基であり、各々同一であっても異なっていても良い。
    Xは2価のアルキレン基、置換アルキレン基、アリーレ
    ン基または置換アリーレン基を示す。) 【化3】 (式中、R3,R4はアルキル基、置換アルキル基、アリ
    ール基、置換アリール基およびアルコキシ基から選ばれ
    る基であり、各々同一であっても異なっていても良
    い。)
  3. 【請求項3】請求項2に記載の(A),(B),(C)
    および(D)下記(4)式で表されるラクトン環構造を
    有する化合物0.005〜3重量部からなることを特徴
    とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 【化4】 (式中、tBuはt−ブチル基を示す。)
  4. 【請求項4】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が、
    酸化架橋処理を施されていないポリフェニレンスルフィ
    ド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が、
    アルカリ金属含有量が500ppm以下のポリフェニレ
    ンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
    組成物。
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