JP2000290238A - アミノフェノール類の製造方法 - Google Patents

アミノフェノール類の製造方法

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JP2000290238A
JP2000290238A JP11092516A JP9251699A JP2000290238A JP 2000290238 A JP2000290238 A JP 2000290238A JP 11092516 A JP11092516 A JP 11092516A JP 9251699 A JP9251699 A JP 9251699A JP 2000290238 A JP2000290238 A JP 2000290238A
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crude
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aminophenol
reaction
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Takeshi Hasegawa
猛 長谷川
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アミノフェノール類の製造に一般的に求められ
ている工程上の要請を満たしつつ、微粒子含有量の少な
い高純度のアミノフェノール類を製品として取得し得る
方法を提供すること。 【解決手段】二価フェノール類とアミノ化試剤とを反応
1させ、反応終了後の反応混合物2から粗アミノフェノ
ール類を1次晶析により分離し、粗アミノフェノール類
9を2次晶析17により精製して高純度アミノフェノー
ル類を製品として取得することからなるアミノフェノー
ル類の製造法であって、粗アミノフェノール類の2次晶
析17を、反応副生成物であるフェニレンジアミン類の
濃度をアミノフェノール類に対して2.5重量%以下の
状態で行うことを特徴とするアミノフェノール類の製造
方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二価フェノール類
から高純度のアミノフェノール類を微粉粒子の少ない粒
子として経済的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノフェノール類は、医薬、農薬、染
料、ゴム薬、合成樹脂用配合剤等の製造中間体として利
用されている。アミノフェノール類は、触媒の存在また
は不存在下に二価フェノール類にアンモニアやアミン類
等のアミノ化試剤を反応させることにより製造される。
本願出願人は、反応終了後の反応混合物から触媒および
アミノフェノール類を効率良く分離し、触媒を反応系に
循環再使用し得る優れた方法を特公平5−10331号
公報で提案した。
【0003】本発明者らは、該方法は確かに上記の点に
おいて優れてはいるが、製品として得られる固体として
のアミノフェノール類には250μm以下の微粒子が若
干多めに含まれていることを認めた。微粒子が多いと、
アミノフェノール類を使用するときにホッパー内でブリ
ッジを作り、移送性や計量性に劣る、さらには微粒子が
舞い上がり作業性に劣る等の問題を起こす。従ってアミ
ノフェノール類の製品中にはなるべく微粒子が少ないこ
とが望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アミ
ノフェノール類の製造に一般的に求められている工程上
の要請を満たしつつ、微粒子含有量の少ない高純度のア
ミノフェノール類を製品として取得し得る方法を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のアミノフ
ェノール類の製造方法である。 (1)二価フェノール類とアミノ化試剤との反応混合物
から1次晶析により分離した粗アミノフェノール類を、
2次晶析により精製して高純度のアミノフェノール類を
製品として取得するアミノフェノール類の製造方法であ
って、反応副生成物であるフェニレンジアミン類の濃度
がアミノフェノール類に対して2.5重量%以下の状態
で粗アミノフェノール類の2次晶析を行うことを特徴と
するアミノフェノール類の製造方法。 (2)粗アミノフェノール類の2次晶析を水、低級アル
コールまたはこれらの混合溶媒で行う上記(1)に記載
の製造方法。
【0006】以下、本発明を詳述する。本発明におい
て、製造の対象となるアミノフェノール類はアミノ基と
フェノール性水酸基をそれぞれ1個有するフェノール類
であり、置換基を有していてもよい。アミノ基は1級な
いし4級のいずれの基でもよく、またフェノール環のオ
ルト、メタ、パラのいずれの位置に置換していてもよ
い。またフェノール環に置換可能な置換基としては、炭
素数1〜4のアルキル基等の炭化水素基が挙げられる。
アミノ基に置換可能な官能基としては炭素数1〜12の
アルキル基等の炭化水素基を挙げることができる。
【0007】本発明において、精製の対象となる粗アミ
ノフェノール類を得る反応の反応原料として使用される
二価フェノール類として、具体的に、ヒドロキノン、レ
ゾルシン、カテコール等の置換基を有しない二価フェノ
ール;2−メチルヒドロキノン、4−メチルレゾルシ
ン、5−メチルレゾルシン、5−エチルレゾルシン、5
−イソプロピルレゾルシン、5−n−ブチルレゾルシ
ン、5−sec−ブチルレゾルシン、5−tert−ブ
チルレゾルシン、3−メチルカテコール、4−メチルカ
テコール、4−エチルカテコール、4−n−プロピルカ
テコール、4−イソプロピルカテコール、4−n−ブチ
ルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等の炭
化水素基を有する二価フェノール等を挙げることができ
る。これらの二価フェノール類のうちでは、置換基を有
しない二価フェノールを使用することが好ましく、特に
レゾルシンまたはヒドロキノンに本発明の方法を適用す
ることが好ましい。
【0008】また、粗アミノフェノール類生成反応に使
用されるアミノ化試剤として、具体的には、例えばアン
モニアまたは種々の濃度のアンモニア水等のアンモニ
ア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−
ブチルアミン、tert−ブチルアミン、アミルアミ
ン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミ
ン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ベ
ンジルアミン等の第一アミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジアミルアミン、
ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミ
ン、ジドデシルアミン等の第二アミンを例示することが
できる。
【0009】これらのアミノ化試剤のうちでは、アンモ
ニアを使用することが好ましい。この場合、アンモニア
は必要に応じてアンモニアガスあるいはアンモニア水と
して使用することができる。アンモニア水を使用する場
合には、10〜60重量%の濃度範囲のアンモニア水を
使用することがとくに好ましい。これらのアミノ化試剤
の使用割合は、二価フェノール類1モルに対して通常1
モル以上、特には1〜5モルの範囲が好ましい。理論量
より過剰に使用する場合は、アミノ化試剤は反応後に回
収し、再使用される。
【0010】本発明において、二価フェノール類とアミ
ノ化試剤との反応は、水および水に可溶な触媒の存在下
に行うことが好ましいが、他の触媒の存在下、あるいは
無触媒下で行ってもよい。以下、水および水に可溶な触
媒の存在下に反応を行う好ましい態様について主として
説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0011】水に可溶な触媒としては、公知の水に可溶
性の触媒が使用され、種々の金属化合物、種々のアンモ
ニウム化合物、および反応系内でアンモニウム化合物を
形成するものを好ましく使用することができるが、これ
らの触媒に制限されない。上記金属化合物としては、モ
リブテン、銅、アンチモン、バナジウム、鉄、ニッケル
等の金属の酸化物、アンモニウム化合物、硫酸塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。
【0012】アンモニウム化合物としては、種々のアン
モニウム塩、第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン
塩、第四アンモニウム塩等が挙げられる。アンモニウム
塩の具体例としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニ
ウム、沃化アンモニウム等のハロゲン化アンモニウム、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、ヘテロポリ酸アンモニウム、イソポリ酸アンモニ
ウム、例えばモリブテン酸アンモニウム、タングステン
酸アンモニウム等が挙げられる。また、第一アミン塩ま
たは第二アミン塩としては、前述の反応原料として例示
した第一アミンまたは第二アミンと種々の酸性化合物と
の塩、たとえば、弗化水素塩、塩化水素塩、臭化水素
塩、沃化水素塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、有機酸
塩、ヘテロポリ酸塩等が挙げられる。
【0013】また、反応系内でアンモニウム化合物を形
成するものとしては、塩酸、臭化水素塩、モリブテン、
タングステン等を成分とするヘテロポリ酸、およびイソ
ポリ酸等の酸性化合物等が挙げられる。これらの酸性化
合物は、反応原料のアンモニア、第一アミンまたは第二
アミン等のアミノ化試剤と反応することによりアンモニ
ウム化合物になる。
【0014】触媒成分としてアンモニウム化合物を使用
する場合には、二価フェノール類のアミノ化試剤に相当
する塩を使用することが好ましい。すなわち、アミノ化
試剤としてアンモニアを使用する場合にはアンモニウム
塩を使用することが好ましく、アミノ化試剤として第一
アミンまたは第二アミンを使用する場合には、触媒成分
としてそれぞれ相当するアミンの塩を使用することが好
ましい。触媒の使用割合は、二価フェノール類1モルに
対して、通常0.001〜2モル、好ましくは0.01
〜1モルの範囲である。本発明の方法で反応に用いる水
の使用量としては、二価フェノール類100重量部当た
り、通常10〜1000重量部、好ましくは10〜50
0重量部であることが望ましい。
【0015】本発明において、反応は通常窒素雰囲気で
行われるが、他にアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの
雰囲気下で行うことも可能である。反応温度は、二価フ
ェノール類およびアミノ化試剤の種類、その濃度、触媒
の種類ならびにその濃度によっても異なるが、通常17
0〜350℃、好ましくは180〜300℃の範囲であ
る。本発明における反応は、一般には加圧下で実施さ
れ、この場合の圧力としては、仕込み原料による反応中
の自圧以外にも必要に応じて反応前に不活性ガスにより
加圧する場合も含めて、通常0.5〜15MPa(ゲー
ジ圧)、好ましくは1〜5MPa(ゲージ圧)の範囲に
ある。
【0016】また、本発明における反応は回分法、半連
続法あるいは連続法のいずれの方法によっても実施でき
る。本発明の方法において、アミノ化反応終了後に得ら
れる反応混合物には、目的とする生成物のアミノフェノ
ール類の他に副生成物のフェニレンジアミン類および僅
かの量の着色性の高沸点物が存在し、さらに通常僅かの
量の未反応の二価フェノール類とアミノ化試剤および水
と触媒が含まれる。
【0017】本発明では、上記反応混合物から1次晶析
により分離した粗アミノフェノール類を2次晶析により
精製して高純度アミノフェノール類を製造する。粗アミ
ノフェノール類の分離工程は、公知の方法を採用するこ
とができる。なかでも、特公平5−10331号公報に
記載された(A)工程、すなわち反応混合物から未反応
アミノ化試剤を除去して脱アミノ化試剤反応混合物を
得、この脱アミノ化試剤反応混合物から1次晶析により
粗アミノフェノール類を析出させて粗アミノフェノール
類の晶析混合物を得る工程によって粗アミノフェノール
類を分離する方法が好ましい。
【0018】上記(A)工程で、未反応アミノ化試剤の
除去操作の具体的方法としては、例えば反応混合物の温
度を、通常80〜250℃、好ましくは100〜200
℃の温度範囲であって、しかも反応温度以下の温度に保
持した後、反応混合物を含む系内の圧力を脱圧して未反
応のアミノ化試剤の大部分を除去する方法が挙げられ
る。この際の脱圧操作終了時の系内の圧力は、通常大気
圧〜1MPa(ゲージ圧)、好ましくは大気圧〜0.5
MPa(ゲージ圧)の範囲に設定することが、後の操作
を行う点からも好ましい。
【0019】脱圧操作によって系内から除去された未反
応のアミノ化試剤とこれに同伴された水からなる混合物
は、ストリッパーに導かれる。このとき、この混合物の
温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜98℃
の温度範囲に冷却され、回収されたアミノ化試剤は気相
に、また回収された水を含有する液(回収液)は液相
に、気液分離される。この場合、回収液にはアミノ化試
剤が若干量溶解して含まれることもあるが特に支障はな
い。この気液分離操作は、通常大気圧下で行われるが、
必要に応じて加圧下で実施することができる。(A)工
程で回収したアミノ化試剤は、アミノ化反応の工程に送
られて反応の原料として循環再使用することができる。
【0020】(A)工程では、上記により得られた脱ア
ミノ化試剤反応混合物から1次晶析により粗アミノフェ
ノール類を析出させて粗アミノフェノール類の晶析混合
物を得る操作が行われる。粗アミノフェノール類の晶析
混合物を得るための好ましい方法として、脱アミノ化試
剤反応混合物に、後述する(C)工程で得られる洗浄母
液を加え冷却し、粗アミノフェノール類を析出させて、
粗アミノフェノール類の晶析混合物を得る方法を挙げる
ことができる。
【0021】以下にこの方法について更に詳しく述べ
る。反応混合物の温度と実質的にほぼ同様の温度を有す
る脱アミノ化試剤反応混合物に後述する低温の洗浄母液
を加え、このとき得られる晶析用反応混合液の温度を、
通常50〜100℃、好ましくは65〜90℃に設定す
る。この場合の洗浄母液の添加量は、脱アミノ化試剤反
応混合物100重量部当たり、通常10〜500重量
部、好ましくは10〜50重量部である。この際必要が
あれば、不活性ガスを晶析用反応混合液に拭き込んでブ
ローする等の方法によって、該混合液の温度を強制的に
上記設定温度迄下げることができる。この操作におい
て、必要があれば適切な量の水を脱アミノ化試剤反応混
合物あるいは晶析用反応混合液に添加することができ
る。次に、充分に撹拌して均一にした晶析用反応混合液
の温度を、通常0.001〜1℃/分、好ましくは0.
01〜0.5℃/分の冷却速度で下げ、最終的に該温度
を、通常0〜50℃、好ましくは25〜45℃まで低下
させることによって、該混合液から粗アミノフェノール
類の析出した晶析混合物が得られる。
【0022】次に(B)工程として、上記(A)工程で
得られた晶析混合物から粗アミノフェノール類の結晶と
触媒を溶解した反応母液が分離される。該分離操作は、
デカンテーション、プラスチックあるいは金属製の網か
らなるフィルターを用いた通常の濾過、または遠心濾過
等によって行うことができ、この場合の操作時の温度
は、通常0〜40℃、好ましくは10〜35℃の範囲で
ある。この(B)工程で、粗アミノフェノール類を結晶
として得ることができる。また、分離された反応母液中
には触媒および未反応二価フェノール類が含有されてい
るので、反応母液を必要に応じて濃縮しその一部をアミ
ノ化反応工程に循環することが好ましい。
【0023】本発明の方法では、上記により得られた粗
アミノフェノール類を2次晶析により精製して高純度ア
ミノフェノール類を製品として取得する。2次晶析を行
う前に、粗アミノフェノール類を下記の(C)工程およ
び(D)工程に付すことが好ましい。 (C)工程:粗アミノフェノール類結晶を洗浄液で洗浄
することにより、粗アミノフェノール類洗浄結晶を得る
工程。 (D)工程:粗アミノフェノール類洗浄結晶を蒸留によ
り高沸点留分および微量の触媒が除去された粗アミノフ
ェノール類を得る工程。
【0024】上記(C)工程では、(B)工程で得られ
た粗アミノフェノール類の結晶を洗浄液で洗浄すること
により粗アミノフェノール類結晶と洗浄母液が得られ
る。この洗浄母液は、(A)工程に送られて前記脱アミ
ノ化試剤反応混合物に加えられることが特に好ましい。
【0025】以下、(C)工程について更に詳しく説明
する。粗アミノフェノール類結晶の洗浄操作を行うに当
たって、洗浄液も含めてこの系の温度は、通常0〜50
℃、好ましくは25〜45℃に設定される。また圧力
は、必要に応じて加圧あるいは減圧に設定でき、該操作
は窒素等の不活性ガス雰囲気下で実施されるのが望まし
い。洗浄液としては、新鮮な水または回収液に適切な量
の新鮮な水を加えた液を洗浄液とするのが好ましい。
【0026】(C)工程の洗浄操作を以下に具体的に示
す。先ず、粗アミノフェノール類結晶を前記洗浄液で洗
浄する。洗浄操作としては、例えば、フィルター上に粗
アミノフェノール類結晶を保持してこれに該洗浄液をふ
りかける方法によって行う方法、あるいは該洗浄液中に
粗アミノフェノール類結晶を加えて適切な時間撹伴保持
した後、濾過等によって結晶を分離して粗アミノフェノ
ール類洗浄結晶を得る方法等を例示することができる。
この粗アミノフェノール類洗浄結晶は、必要に応じて、
更に水あるいは水と回収液の混合液を適切な量用いて洗
浄することもでき、この場合の操作は粗アミノフェノー
ル類結晶を回収液で洗浄した後行われることが望まし
い。
【0027】洗浄操作を行うに当たっての洗浄液の使用
量としては、粗アミノフェノール類結晶100重量部当
たり該洗浄液を、通常10〜1000重量部、好ましく
は10〜100重量部使用するのが望ましい。粗アミノ
フェノール類結晶の洗浄が終了した後は、例えば遠心分
離機等による振り切り等の通常の方法によって、粗アミ
ノフェノール類結晶に付着保持されていた洗浄母液の大
部分を除去して、ケーキ状の粗アミノフェノール類洗浄
結晶が得られる。なお、この付着洗浄母液の除去処理
は、この場合に限らず、粗アミノフェノール類結晶を洗
浄漕で洗浄中、適切な時点で適切な回数必要に応じて行
うことができる。以上の除去操作によって得られる洗浄
母液は(A)工程に送り循環再使用することができる。
【0028】上記(D)工程では、粗アミノフェノール
類洗浄結晶を蒸留によって微量の触媒および高沸点留分
を除去する。この(D)工程について説明する。(D)
工程では、粗アミノフェノール類洗浄結晶を窒素等の不
活性ガス雰囲気で減圧蒸留して、この中に残存している
微量の触媒および高沸点留分(高沸点縮合物)を塔底留
分として除去することにより、塔頂付近の留分として粗
アミノフェノール類を得る。この蒸留によってアミノフ
ェノール類の含有量が、通常90重量%以上である粗ア
ミノフェノール類が得られる。この粗アミノフェノール
類にはアミノフェノール類以外の成分として少量のフェ
ニレンジアミン類の他に、場合によっては未反応の二価
フエノール類が僅かの量含まれる場合もある。これ以外
の不純物の量は極微量で実際上は無視できる。
【0029】蒸留を行うに当たっては、圧力は、13〜
80,000Pa(ゲージ圧)、好ましくは130〜7
0,000Pa(ゲージ圧)とし、温度は、通常120
〜250℃、好ましくは140〜220℃の条件に設定
されることが望ましい。蒸留は、回分法あるいは連続法
によって行うことができる。蒸留によって得られる塔底
留分には高沸点留分の他に僅かの量の触媒が含まれる。
触媒として金属を成分とするものを使用した場合には、
塔底留分を焼却して有機物を除き、触媒を金属酸化物と
して回収することができる。例えばモリブデン酸系の触
媒を使用した場合には酸化モリブデンとして回収し、こ
れをそのまま本発明のアミノ化反応工程に追加触媒とし
て使用することもできる。
【0030】本発明では、(D)工程の蒸留で得られた
粗アミノフェノール類を2次晶析によって精製すること
により高純度のアミノフェノール類を取得する。粗アミ
ノフェノール類は、(D)工程で用いた蒸留塔の塔頂付
近留分として得られ、通常結晶化されずに液状のまま2
次晶析槽へ導入される。2次晶析は、結晶が析出する前
の均一な溶液の状態において、フェニレンジアミン類の
濃度をアミノフェノール類に対して2.5重量%以下、
好ましくは2重量%以下の状態で行う。フェニレンジア
ミン類の濃度をこのように低くすることにより、粒径が
250μm以下の微粒子が析出する量が少なくなり、移
送性、計量性、作業性等に優れた高純度のアミノフェノ
ール類の結晶が得られる。
【0031】系内のフェニレンジアミン類の濃度を上記
の範囲とする方法として、下記の方法を挙げることがで
きる。 (a)通常、2次晶析後に分離された母液の一部は、再
度晶析溶媒として再使用される。フェニレンジアミン類
の大部分は母液中に溶解するので、母液を繰り返し使用
するとフェニレンジアミン類が濃縮して高濃度となる。
このためフェニレンジアミン類が上記の濃度範囲を超え
ないように、母液の再使用量を少なくし、必要に応じて
新鮮な晶析溶媒を補充してフェニレンジアミン類の濃度
を上記範囲内に維持する。 (b)2次晶析に付される粗アミノフェノール類中に含
まれるフェニレンジアミン類の量を、アミノフェノール
類に対して2.5重量%以下、好ましくは2.0重量%
以下とする。粗アミノフェノール類に含有されるフェニ
レンジアミン類の量を上記範囲とするには、例えば上記
(C)工程の洗浄を入念に行うことにより可能である。 特に上記(a)の方法が重要であり、さらにこれと
(b)の方法を併用することにより母液の使用量を多少
高めることができる。
【0032】2次晶析操作は窒素等の不活性ガス雰囲気
下で実施することが望ましい。2次晶析操作を行うに当
たって、晶析溶媒としては、水もしくはメタノール、エ
タノール等の炭素数1〜4の低級アルコール等を例示で
きるが、本発明の方法では特に水を用いることが精製ア
ミノフェノール類の純度および経済性等の点から好まし
い。また、必要に応じて混合溶媒にして使用することも
できる。晶析溶媒の使用量は、粗アミノフェノール類1
00重量部当たり、溶媒を通常50〜1000重量部、
好ましくは100〜500重量部である。
【0033】2次晶析は、粗アミノフェノール類を前記
した晶析溶媒に均一に溶解した後、温度を下げてアミノ
フェノール類を析出させる。このときの温度は、結晶の
析出に先立って粗アミノフェノール類を溶解した晶析溶
媒溶液の温度を、通常60〜100℃、好ましくは70
〜90℃に保った後、溶液の温度を、通常0.01〜1
℃/分、好ましくは0.01〜0.5℃/分の速度で冷
却し、最終的には溶液温度を、通常0〜50℃、好まし
くは20〜45℃まで下げてこの温度に保持する。この
操作によって析出したアミノフェノール類の結晶は、濾
過、遠心分離等の通常の方法によって晶析母液と分離さ
れる。分離されたアミノフェノール類の結晶は、適切な
量の新鮮な晶析溶媒により洗浄することが好ましい。こ
のようにして得られた晶析溶媒の付着したアミノフェノ
ール類の湿潤結晶は、減圧乾燥等の方法により、晶析溶
媒を除去して、製品としての高純度アミノフェノール類
が得られる。
【0034】晶析母液の一部は晶析溶媒として使用され
る。この量は、上述したとおりフェニレンジアミン類が
上記の濃度範囲を超えないような量である。残りの母液
は、例えば濃縮後濾過して二次濾液と二次結晶に分離さ
れた後、二次結晶は前記(D)工程に導入して粗アミノ
フェノール類洗浄結晶と共に蒸留に付すことができる。
一方、二次濾液は廃棄するか、あるいは必要に応じて適
切な量を前記(D)工程に導入し、二次結晶と同様に蒸
留に付すこともできる。また、残りの晶析母液の適切な
量を系外に除去し、その残りを(D)工程に導入して蒸
留に付してもよい。
【0035】一方、析出したアミノフェノール類を洗浄
した後の結晶洗浄液は晶析溶媒として循環再使用しても
よい。本発明の場合、反応溶媒の水と晶析溶媒が同じで
ある場合には、(D)工程の蒸留時に塔頂から留出する
水を新鮮な晶析溶媒として、あるいは前記の析出したア
ミノフェノール類の洗浄液として使用することができ
る。
【0036】本発明の2次晶析操作においては、アミノ
フェノール類の安定化を目的として必要に応じて、前記
晶析溶液にチオ硫酸ナトリウム、亜ニチオン酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫化ナ
トリウム等の添加剤を微量添加してもよい。この場合の
添加量としては、前記晶析溶媒100重量部当たり、
0.001〜5重量部、好ましくは0.05〜1重量部
である。
【0037】上記により得られるアミノフェノール類
は、粒径が250μm以下の微粒子含量が通常10重量
%以下、好ましくは5重量%以下であり、純度が99.
5%以上の高純度の製品として得られる。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明のアミノフェノール
類の製造方法によれば、フェニレンジアミン類の濃度を
アミノフェノール類に対して2.5重量%以下で2次晶
析することにより、粒径が250μm以下の微粒子の含
有量が少ない高純度のアミノフェノール類を製品として
取得することができる。しかも反応終了後の反応混合物
から触媒およびアミノフェノール類を効率良く分離する
ことができるので、アミノフェノール類を工業的規模で
経済的に製造することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態によるアミ
ノフェノール類の製造工程の一例を図1に示される模式
的なフローシートによって説明する。図1に示されるフ
ローシートは、アミノ化試剤としてアンモニアを用いて
アミノフェノール類を連続的に製造する場合の工程を示
している。アミノ化反応工程1で得られたアミノ化反応
混合物2は、アンモニア回収工程3で未反応のアンモニ
ア4が分離され、アミノ化反応工程1へ循環される。脱
アンモニア反応混合物5は、1次晶析槽6に導入して晶
析が行われ、アミノフェノール類を含む晶析混合物7が
得られる。この晶析混合物7は、濾過工程8で濾過され
て粗アミノフェノール類結晶9と触媒を含有する母液1
0に分離される。母液10は触媒濃縮槽11で濃縮され
て、濃縮液12の一部はアミノ化反応工程1へ循環さ
れ、残りの濃縮液13は系外に排出される。粗アミノフ
ェノール類結晶9は蒸留工程14で蒸留に付されて、高
沸点留分は塔底留分15として除去され、液状粗アミノ
フェノール類16は、2次晶析槽17へ導入される。2
次晶析槽17では、晶析により高純度のアミノフェノー
ル類結晶18が析出し、これを濾過・乾燥工程19で濾
過、乾燥することにより、微粒子の少ない高純度のアミ
ノフェノール類20が製品として得られる。上記濾過に
より分離された母液21は、一部が2次晶析の溶媒22
として用いられ、残部23は系外に排出される。
【0040】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲は実施例により制限されるもので
はない。
【0041】実施例1 m−アミノフェノール80.0gに蒸留水160gを加
え、80℃にて撹拌しながら加熱溶融させた。その後、
降温速度10℃/hrで徐冷し、液温が65℃になった
時点で、微量の種結晶を添加した。これにより、m−ア
ミノフェノールの結晶が析出し始めた。さらに、10℃
/hrで徐冷を続け30℃まで冷却し、白色スラリーを
得た。この白色スラリーを遠心分離により結晶と母液と
に分離し、得られた白色結晶を100mlの冷水で洗浄
した後、減圧乾燥した。こうして得られたm−アミノフ
ェノールの白色結晶の粒度分布を測定したところ、粒径
が250μm以下の微粉は3.7重量%であった。な
お、粒径が250μm以下の微粉の量は、メッシュサイ
ズが250μmのふるいを通過する微粉の重量から算出
した。
【0042】実施例2〜4、比較例1,2 m−フェニレシジアミン(A)とレゾルシン(B)とm
−アミノフェノール(C)の重量比を表1のように変え
た粗m−アミノフェノール80gを実施例1と同様の操
作にて晶析を行った。得られた結晶に含まれる粒径が2
50μm以下の微粉の量の測定結果を、実施例1の結果
と共に、表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法の実施形態の一例を
模式的に示すフローシートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二価フェノール類とアミノ化試剤との反
    応混合物から1次晶析により分離した粗アミノフェノー
    ル類を、2次晶析により精製して高純度のアミノフェノ
    ール類を製品として取得するアミノフェノール類の製造
    方法であって、 反応副生成物であるフェニレンジアミン類の濃度がアミ
    ノフェノール類に対して2.5重量%以下の状態で粗ア
    ミノフェノール類の2次晶析を行うことを特徴とするア
    ミノフェノール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 粗アミノフェノール類の2次晶析を水、
    低級アルコールまたはこれらの混合溶媒で行う請求項1
    に記載の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016117719A (ja) * 2010-09-01 2016-06-30 日本曹達株式会社 フェノール性化合物を用いた記録材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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