JP2000287297A - 超音波振動素子 - Google Patents

超音波振動素子

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JP2000287297A JP11092778A JP9277899A JP2000287297A JP 2000287297 A JP2000287297 A JP 2000287297A JP 11092778 A JP11092778 A JP 11092778A JP 9277899 A JP9277899 A JP 9277899A JP 2000287297 A JP2000287297 A JP 2000287297A
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奨 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数域の音響信号を再生できないとい
う課題や出力する超音波の音圧が低いという課題があっ
た。 【解決手段】 振動子2の上面2a及び下面2bの周縁
領域2c,2dを保持し筐体カバー7で固定されたリン
グ状の防振部材6と、上部開口10aと上部開口10a
より小さな下部開口10bとを有し、下部開口10bを
振動子2側に向けて振動子2の上側に配置されたホーン
形開口部10とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超音波を出力す
る超音波振動素子に関し、特に超音波帯域の音響信号を
再生するスピーカ装置における超音波振動素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図8は特開昭61−296897号公報
に示された従来例1の超音波振動素子を示す構成図であ
る。図において、101は超音波振動素子、102はセ
ラミック等の圧電体から成る平板状の振動子、103は
断面が円錐台形のケース、104はケース103を保持
する弾性防振体、105は交流の音響信号が入力する端
子、106は振動子102と端子105、ケース103
と端子105とを接続する信号線である。
【0003】この従来例1の超音波振動素子101で
は、ケース103の底面部103aの内側に振動子10
2を貼着することにより、バイモルフ振動子を構成して
いる。また、弾性防振体104に形成された円形穴10
4aにより、ケース103の底面部103aを挟んだ対
向する位置に音響管107を形成している。
【0004】次に動作について説明する。端子105に
交流の音響信号が入力すると、その信号が信号線106
を介して振動子102及びケース103に導電し、バイ
モルフ振動子が振動する。そして、この振動により超音
波が放射され、超音波が音響管107を介して外部に出
力される。
【0005】図9は特開平9−327095号公報に示
された従来例2の超音波振動素子を示す構成図である。
図において、201は超音波振動素子、202,203
はセラミック等の圧電体から成る平板状の圧電素子、2
04はステンレス等の金属から成る平板状の振動子、2
05は柔軟性接着剤、206はコーン振動子、207は
圧電素子202とコーン振動子206とを結合するピ
ン、208は台座、209は交流の音響信号が入力する
端子、210は圧電素子202,203と端子209、
振動子204と端子209とを接続する信号線である。
【0006】この従来例2の超音波振動素子201で
は、振動子204を挟んで圧電素子202,203を配
置することによりバイモルフ振動子を構成している。ま
た、バイモルフ振動子がたわみ振動したとき、コーン振
動子206の円錐面上に円環状の振動の節206aを形
成するように、バイモルフ振動子及びコーン振動子20
6の複合体を構成している。また、バイモルフ振動子及
びコーン振動子206の複合体をバイモルフ振動子のた
わみ振動の節位置で台座208と結合している。
【0007】次に動作について説明する。端子209か
ら交流の音響信号が入力すると、その信号が信号線21
0を介して圧電素子202,203及び振動子204に
導電し、バイモルフ振動子がたわみ振動する。また、こ
のバイモルフ振動子の振動により、コーン振動子206
がコーン振動子206の振動の節206aを境界として
逆位相で振動する。そして、これらコーン振動子206
及びバイモルフ振動子の振動により、超音波が放射さ
れ、外部に出力される。
【0008】図10は上述した従来例1及び従来例2に
示すような従来の超音波振動素子における、バイモルフ
振動子に導電する交流の音響信号の周波数をスキャンし
たときの音響特性図である。図10中、上側の曲線は超
音波振動素子から出力された超音波の音圧周波数特性を
示し、下側の曲線はバイモルフ振動子の電気インピーダ
ンス特性を示す。上側の曲線における縦軸は出力音圧レ
ベルであり、横軸は超音波振動素子から出力された超音
波の周波数である。また、下側の曲線における縦軸は電
気インピーダンスであり、横軸はバイモルフ振動子に導
電した音響信号の周波数である。
【0009】図10に示すように、従来の超音波振動素
子では、バイモルフ振動子に導電する音響信号の周波数
をスキャンしたとき、周波数f0 で電気インピーダンス
がピークを示す。また、バイモルフ振動子に導電する音
響信号の周波数をスキャンしたとき、周波数f0 を最大
音圧とした非常に狭い周波数幅の超音波が出力される。
この周波数f0 は、バイモルフ振動子の共振周波数であ
る。バイモルフ振動子を構成する材料の性質上及び超音
波振動素子が小型であるという構造の制約上、この周波
数f0 は高い周波数帯域に位置する。
【0010】図10から理解できるように、従来の超音
波振動素子では、周波数f0 付近の音響信号をバイモル
フ振動子に導電して、超音波を出力させる。要するに、
周波数f0 付近の音響信号を再生させる。
【0011】このように、従来の超音波振動素子は、再
生音の周波数帯域が高くかつ周波数幅が狭いため、各種
電気機器や電子機器におけるブザーとして用いられてい
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波振動素子
は以上のように、再生音の周波数幅が狭く、広い周波数
域の音響信号を再生できない。その結果、複雑なメロデ
ィーなどを再生できず、近年普及している20kHz以
上の周波数域の音響信号を再生するスーパーオーディオ
などに用いることができないという課題があった。
【0013】また、従来の超音波振動素子は、出力する
超音波の音圧が低い。その結果、離れた位置の聴取者に
対して再生音を忠実に提供できないという課題があっ
た。
【0014】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、広い周波数域の音響信号を高い音
圧で再生することができる超音波振動素子を得ることを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る超音波振
動素子は、平板状の振動子と、振動子に固着され交流の
音響信号が導電される平板状の圧電素子と、振動子の上
面及び下面のいずれか一方又は双方の周縁領域を保持す
る防振部材と、防振部材を固定する固定部と、上部開口
と上部開口より小さな下部開口とを有し、下部開口を振
動子側に向けて振動子の上側に配置されたホーン形開口
部とを備えたものである。
【0016】この発明に係る超音波振動素子は、120
〜180(kg/m)の範囲の密度を有しかつ20
〜40(N)の範囲の硬度を有する材料で防振部材を形
成し、防振部材と接する振動子の上面及び下面の周縁領
域の面積が振動子の上面及び下面の面積の1/10以下
であるものである。
【0017】この発明に係る超音波振動素子は、ホーン
形開口部の下部開口の面積が防振部材と接する振動子の
上面の周縁領域を除いた振動子の上面の面積の1/10
以下であり、ホーン形開口部の上部開口の面積が下部開
口の面積の10倍以上であるものである。
【0018】この発明に係る超音波振動素子は、ホーン
形開口部を発砲部材で形成しているものである。
【0019】この発明に係る超音波振動素子は、ホーン
形開口部の共振周波数が振動子の共振周波数と異なるも
のである。
【0020】この発明に係る超音波振動素子は、振動子
及び圧電素子を支持する台座を備え、台座の共振周波数
が振動子の共振周波数と異なるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による超
音波振動素子を示す側面図である。図2はこの発明の実
施の形態1による超音波振動素子を示す上面図である。
図3は図2中のI−I線の沿った断面図である。図にお
いて、1は超音波振動素子、2はセラミックや金属など
から成る円形平板状の振動子、3は振動子2に固着され
た円形平板状の圧電素子、4は振動子2及び圧電素子3
を支持する台座、5は台座4を支持する底板、6は振動
子2の上面2a及び下面2bの周縁領域2c,2dを保
持するリング状の防振部材、7は振動子2、圧電素子
3、台座4、底板5及び防振部材6などを覆う筐体カバ
ー(固定部)、8は底板5に取り付けられた端子、9は
端子8と圧電素子3とを接続する信号線、10は上部開
口10aと上部開口10aより小さな下部開口10bと
を有し、下部開口10bを振動子2側に向けて振動子2
の上側に配置されたホーン形開口部である。
【0022】このようなこの実施の形態1の超音波振動
素子1では、1次の振動モードの共振周波数が20kH
z以上の周波数帯域に位置する大きさに振動子2を成形
している。すなわち、振動子2の1次モードの共振周波
数をf0 、音速をCとしたとき、f0 が20kHz以上
であり、振動子2の半径aが以下の(1)式の条件を満
たす大きさに振動子2を成形している。このように振動
子2を成形した場合、振動子2の一次の振動モードの共
振周波数を中心とした周波数の超音波を超音波振動素子
1から出力することができ、振動子2の高次の振動モー
ドの共振周波数を中心とした周波数の超音波を超音波振
動素子1から出力する場合に比べて、超音波振動素子1
から出力する超音波の音圧が高くなる。また、このよう
に振動子2を成形した場合、振動子2は従来の超音波振
動素子に設けられた振動子と同様の大きさとなるため、
超音波振動素子1を小型にできる。 f=(C/2)×(1/a) ・・・・・(1)
【0023】図4は振動子2が1次の振動モードで振動
している様子を示す概略図である。図4(A)は図3に
相当する断面での様子を示し、図4(B)は上側から見
たときの様子を示している。図4(A)中、曲線aは1
次の振動モードの腹を示し、曲線bは一次の振動モード
の背を示している。また、図4(B)中、曲線cは図4
(A)中の曲線aと曲線bとが交差する位置を示してい
る。
【0024】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、信号線9を介して導電された音響信号により振
動しその振動により振動子2を振動させることが可能な
材料で圧電素子3を形成している。また、振動子2より
若干小さい大きさに圧電素子3を成形している。また、
圧電素子3の上面を接着剤を用いて振動子2の下面2b
に固着し、圧電素子3の下面を柔軟性接着剤を用いて台
座4の上面に固着している。また、台座4の下面を接着
剤を用いて底板5の中央付近に固着している。
【0025】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、共振周波数が振動子2の共振周波数、具体的に
は1次の振動モードの共振周波数と異なる大きさに台座
4を成形している。このように台座4を成形した場合、
圧電素子3の振動により台座4が振動した場合でも、台
座4の振動により放射される超音波が振動子2の振動に
より放射される超音波を打ち消す恐れが小さくなる。例
えば、台座4を弾性材料で形成し、共振周波数が100
Hz以下となるように台座4を成形することが、超音波
振動素子1の設計上望ましい。
【0026】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、内周側面6aの断面形状が凹形であるように防
振部材6を成形している。そして、振動子2の周縁部2
eをその凹形部分で挟み込むことにより、振動子2の上
面2a及び下面2bの周縁領域2c,2dを防振部材6
で保持している。また、120〜180(kg/m3
の範囲の密度を有しかつ20〜40(N)の範囲のJI
S規格K6400番で定まる硬度を有する材料で防振部
材6を形成している。このような条件を満足する材料と
して、例えばウレタンフォームなどの発砲材料がある。
また、防振部材6と接する振動子2の上面2a及び下面
2bの周縁領域2c,2dの面積を振動子2の上面及2
aび下面2bの面積の1/10以下としている。このよ
うな場合、振動子2の共振の鋭さ(Q値)は、0.35
〜0.45の範囲の値となり、超音波振動素子1から出
力可能な超音波の周波数幅が広がる。例えば、最大音圧
から6dB低い音圧の超音波を出力できる周波数幅は2
0kHz程度である。なお、ブザーとして用いる従来の
超音波振動素子に設けられた振動子、すなわち防振部材
を備えていない振動子では、共振の鋭さ(Q値)は0.
7以上であり、出力可能な周波数幅はこの実施の形態の
超音波振動子1に比べて非常に狭い。
【0027】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、筐体カバー7の内面を接着剤を用いて防振部材
6の外周側面6bと底板5の外周端5aに固着すること
により、振動子2、圧電素子3、台座4、底板5及び防
振部材6等を筐体カバー7で覆うとともに、防振部材6
を筐体カバー7で固定している。
【0028】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、一端が底板5を挟んで圧電素子3側に位置し、
他端が底板5を挟んで圧電素子3と反対側に位置するよ
うに、端子8を底板5の周縁領域に取り付けている。ま
た、信号線9の一端を圧電素子3の周縁領域に接続し、
他端を圧電素子3側に位置する端子8部分に接続するこ
とにより、端子8と圧電素子3とを信号線9で接続して
いる。
【0029】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、ホーン形開口部10が筐体カバー7の上端7a
を覆うように、ホーン形開口部10を筐体カバー7の上
端7aに固定している。また、振動子2の板面に垂直な
方向とホーン形開口部10の回転対称軸方向とが一致す
るように、ホーン形開口部10を配置している。このよ
うにホーン形開口部10を配置した場合、振動子2の振
動により放射される超音波の上記回転対称軸方向以外の
成分が少なくなる。なお、振動子2の板面に垂直な方向
とホーン形開口部10の回転対称軸方向と間の設計上の
誤差が生じる場合でも、振動子2の板面に垂直な方向と
ホーン形開口部10の回転対称軸方向とが一致する場合
に含める。
【0030】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、上部開口10aと下部開口10bとを結ぶ円錐
状面10cと下部開口10bを内周端とするリング状平
面10dとを備えるように、ホーン形開口部10を成形
している。また、下部開口10bの面積は防振部材6と
接する振動子2の上面2aの周縁領域2cを除いた振動
子2の上面の面積の1/10以下であり、上部開口10
aの面積は下部開口10bの面積の10倍以上である。
このようにホーン形開口部10を成形した場合、超音波
振動素子1から出力される超音波の最大音圧が、従来の
超音波振動素子から出力される超音波の最大音圧より1
0dB以上高くなる。
【0031】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、発砲スチロールなどの発砲材料でホーン形開口
部10を形成している。このように発砲材料でホーン形
開口部10を形成した場合、振動子2の振動により放射
される超音波の上記回転対称軸方向以外の成分がホーン
形開口部10に当たってそこで吸収されるため、超音波
の乱反射が生じにくくなる。
【0032】また、この実施の形態1の超音波振動素子
1では、共振周波数が振動子2の共振周波数、具体的に
は1次の振動モードの共振周波数と異なる大きさにホー
ン形開口部10を成形している。このようにホーン形開
口部10を成形した場合、振動子2の振動により放射さ
れる超音波によりホーン形開口部10が振動した場合で
も、ホーン形開口部10の振動により放射される超音波
が、振動子2の振動により放射される超音波を打ち消す
恐れが小さくなる。例えば、共振周波数が100Hz以
下となるようにホーン形開口部10を成形することが、
超音波振動素子1の設計上望ましい。
【0033】このような超音波振動素子1を組み立てる
場合には、先ず、圧電素子3の周縁領域に2本の信号線
9のそれぞれの一端を接続する。その後、圧電素子3を
柔軟性接着剤を用いて台座4に固着する。
【0034】その後、底板5の周縁領域に2本の端子8
を取り付ける。その後、台座4を接着剤を用いて底板5
の中央付近に固着する。その後、各信号線9の他端をそ
れぞれ別々の端子8に接続する。
【0035】その後、振動子2の周縁部2eを防振部材
6の凹形部分で挟み込み、振動子2の上面2a及び下面
2bの周縁領域2c,2dを防振部材6で保持する。そ
の後、振動子2の下面2bを接着剤を用いて台座4に固
着した圧電素子3の上面に固着する。
【0036】その後、筐体カバー7の内面を接着剤を用
いて防振部材6の外周側面6bと底板5の外周端5aに
固着して、振動子2、圧電素子3、台座4、底板5及び
防振部材6等を筐体カバー7で覆うとともに、防振部材
6を筐体カバー7で固定する。
【0037】最後に、ホーン形開口部10が筐体カバー
7の上端7aを覆うように、下部開口10bを振動子2
側に向けて、ホーン形開口部10を筐体カバー7の上端
7aに固定して、超音波振動素子1が完成する。
【0038】次に動作について説明する。外部の音響機
器(図示せず)と端子8とを接続し、その音響機器から
出力された交流の音響信号が端子8に入力すると、その
信号が信号線9を介して圧電素子3に導電し、圧電素子
3が振動する。また、圧電素子3の振動により、振動子
2が防振部材6で制振作用を受けながら振動する。そし
て、振動子2の振動により、超音波が放射される。放射
された超音波は、ホーン形開口部10の下部開口10b
で圧縮作用を受け、ホーン形開口部10の上部開口10
aから外部に出力される。
【0039】図5は実施の形態1の超音波振動素子にお
ける、圧電素子3に導電する交流の音響信号の周波数を
スキャンしたときの音響特性図である。図5中、上側の
曲線は超音波振動素子1から出力された超音波の音圧周
波数特性を示し、下側の曲線は振動子2の電気インピー
ダンス特性を示す。上側の曲線における縦軸は出力音圧
レベルであり、横軸は超音波振動子1から出力された超
音波の周波数である。また、下側の曲線における縦軸は
電気インピーダンスであり、横軸は圧電素子3に導電し
た音響信号の周波数である。
【0040】図5に示すように、実施の形態1の超音波
振動素子1では、圧電素子3に導電する音響信号の周波
数をスキャンしたとき、周波数f0 で振動子2の電気イ
ンピーダンスがピークを示す(曲線a)が、そのピーク
の幅は従来の場合(曲線b)に比べて広い。すなわち、
振動子2の共振の鋭さ(Q値)が従来の場合に比べて小
さい。また、圧電素子3に導電する音響信号の周波数を
スキャンしたとき、周波数f0 を最大音圧とした超音波
が出力される(曲線c)が、その周波数幅は従来の場合
(曲線b)に比べて広く、また、その音圧は従来の場合
に比べて高い。この周波数f0 は振動子2の共振周波数
である。
【0041】図5から理解できるように、この実施の形
態1の超音波振動素子1では、従来の場合より広い周波
数域の音響信号を振動子2に導電して、従来より高い音
圧の超音波を出力することができる。要するに、従来の
場合より広い周波数域の音響信号を高い音圧で再生する
ことができる。
【0042】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、振動子2の上面2a及び下面2bの周縁領域2c,
2dを保持するとともに、筐体カバー7で固定されたリ
ング状の防振部材6と、上部開口10aと上部開口10
aより小さな下部開口10bとを有し、下部開口10b
を振動子2側に向けて振動子2の上側に配置されたホー
ン形開口部10とを備えているので、従来の超音波振動
素子に比べて、広い周波数域の音響信号を高い音圧で再
生することができる効果が得られる。
【0043】実施の形態2.図6はこの発明の実施の形
態2による超音波振動素子を示す断面図である。図6は
実施の形態1の超音波振動素子を示す図3に対応する図
である。図において、21は超音波振動素子、26は振
動子2の上面2aの周縁領域2cを保持するリング状の
防振部材である。この実施の形態の超音波振動素子21
では、防振部材26の下面26bを、接着剤を用いて振
動子2の上面2aの周縁領域2cに固着することによ
り、振動子2の上面2aの周縁領域2cを防振部材26
で保持している。その他の構成要素は、実施の形態1と
同一あるいは同等であるため、その詳細な説明は省略す
る。
【0044】このような超音波振動素子21を組み立て
る場合には、先ず、実施の形態1の場合と同様に、各信
号線9の他端をそれぞれ別々の端子8に接続する工程ま
で行う。
【0045】その後、振動子2の下面2bを接着剤を用
いて台座4に固着した圧電素子3の上面に固着する。そ
の後、筐体カバー7の内面を接着剤を用いて底板5の外
周端5aに固着する。
【0046】その後、防振部材26の上面26aを接着
剤を用いてホーン形開口部10のリング状平面10dの
周縁領域に固着する。最後に、図7に示すように、防振
部材26の下面26bを接着剤を用いて振動子2の上面
2aの周縁領域2cに固着するとともに、振動部材26
の外周側面26cを接着剤を用いて筐体カバー7の内面
に固着して超音波振動素子21が完成する。
【0047】このようにして組み立てたこの実施の形態
の超音波振動素子21では、実施の形態1の場合と同様
に、筐体カバー7の内面が接着剤を用いて防振部材26
の外周側面26cと底板5の外周端5aに固着され、振
動子2、圧電素子3、台座4、底板5及び防振部材26
等が筐体カバー7で覆われているとともに、防振部材2
6が筐体カバー7で固定されている。また、筐体カバー
7の上端7aがホーン形開口部10で覆われている。
【0048】このようなこの実施の形態2の超音波振動
素子21の動作及び効果は、実施の形態1の場合と同様
であるのでその説明は省略する。
【0049】なお、上述した実施の形態1及び2で、振
動子2が円形である場合について説明したが、振動子の
形状は円形に限らず、任意の形状であってもよい。
【0050】また、上述した実施の形態1で、防振部材
6で振動子2の上面2a及び下面2bの周縁領域2c,
2dを保持する場合について説明し、実施の形態2で、
防振部材26で振動子2の上面2aの周縁領域2cを保
持する場合について説明したが、防振部材を接着剤を用
いて振動子2に固着し、筐体カバー7に固定するのであ
れば、防振部材で振動子2の下面2bの周縁領域2dを
保持する場合であってもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、平板
状の振動子と、振動子に固着され交流の音響信号が導電
される平板状の圧電素子と、振動子の上面及び下面のい
ずれか一方又は双方の周縁領域を保持する防振部材と、
防振部材を固定する固定部と、上部開口と上部開口より
小さな下部開口とを有し、下部開口を振動子側に向けて
振動子の上側に配置されたホーン形開口部とを備えるよ
うに超音波振動素子を構成したので、広い周波数域の音
響信号を高い音圧で再生することができる効果がある。
【0052】この発明によれば、120〜180(kg
/m)の範囲の密度を有しかつ20〜40(N)の
範囲の硬度を有する材料で防振部材を形成し、防振部材
と接する振動子の上面及び下面の周縁領域の面積が振動
子の上面及び下面の面積の1/10以下であるように超
音波振動素子を構成したので、振動子の共振の鋭さ(Q
値)が0.35〜0.45の範囲の値となり、出力可能
な超音波の周波数幅が広がる効果がある。
【0053】この発明によれば、ホーン形開口部の下部
開口の面積が防振部材と接する振動子の上面の周縁領域
を除いた振動子の上面の面積の1/10以下であり、ホ
ーン形開口部の上部開口の面積が下部開口の面積の10
倍以上であるように超音波振動素子を構成したので、出
力される超音波の最大音圧が10dB以上高くなる効果
がある。
【0054】この発明によれば、ホーン形開口部を発砲
部材で形成するように超音波振動素子を構成したので、
超音波の乱反射が生じにくくなる効果がある。
【0055】この発明によれば、ホーン形開口部の共振
周波数が振動子の共振周波数と異なるように超音波振動
素子を構成したので、振動子の振動により放射される超
音波によりホーン形開口部が振動した場合でも、ホーン
形開口部の振動により放射される超音波が、振動子の振
動により放射される超音波を打ち消す恐れが小さくなる
効果がある。
【0056】この発明によれば、振動子及び圧電素子を
支持する台座を備え、台座の共振周波数が振動子の共振
周波数と異なるように超音波振動素子を構成したので、
圧電素子の振動により台座が振動した場合でも、台座の
振動により放射される超音波が振動子の振動により放射
される超音波を打ち消す恐れが小さくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による超音波振動素
子を示す側面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による超音波振動素
子を示す上面図である。
【図3】 図2中のI−I線に沿った断面図である。
【図4】 振動子が1次の振動モードで振動している様
子を示す概略図であり、(A)は図3に相当する断面で
の様子を示し、(B)は上側から見たときの様子を示
す。
【図5】 実施の形態1の超音波振動素子における音響
特性図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による超音波振動素
子を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による超音波振動素
子の組立方法の説明に供する図である。
【図8】 特開昭61−296897号公報に示された
従来例1の超音波振動素子を示す構成図である。
【図9】 特開平9−327095号公報に示された従
来例2の超音波振動素子を示す構成図である。
【図10】 従来の超音波振動素子における音響特性図
である。
【符号の説明】
1,21 超音波振動素子、2 振動子、3 圧電素
子、4 台座、6,26防振部材、7 筐体カバー(固
定部)、10 ホーン形開口部、10a 上部開口、1
0b 下部開口。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の振動子と、該振動子に固着され
    交流の音響信号が導電される平板状の圧電素子と、上記
    振動子の上面及び下面のいずれか一方又は双方の周縁領
    域を保持する防振部材と、該防振部材を固定する固定部
    と、上部開口と該上部開口より小さな下部開口とを有
    し、該下部開口を上記振動子側に向けて上記振動子の上
    側に配置されたホーン形開口部とを備えた超音波振動素
    子。
  2. 【請求項2】 120〜180(kg/m)の範囲
    の密度を有しかつ20〜40(N)の範囲の硬度を有す
    る材料で防振部材を形成し、該防振部材と接する振動子
    の上面及び下面の周縁領域の面積が該振動子の上面及び
    下面の面積の1/10以下であることを特徴とする請求
    項1記載の超音波振動素子。
  3. 【請求項3】 ホーン形開口部の下部開口の面積が防振
    部材と接する振動子の上面の周縁領域を除いた該振動子
    の上面の面積の1/10以下であり、上記ホーン形開口
    部の上部開口の面積が上記下部開口の面積の10倍以上
    であることを特徴とする請求項1記載の超音波振動素
    子。
  4. 【請求項4】 ホーン形開口部を発砲部材で形成してい
    ることを特徴とする請求項1記載の超音波振動素子。
  5. 【請求項5】 ホーン形開口部の共振周波数が振動子の
    共振周波数と異なることを特徴とする請求項1記載の超
    音波振動素子。
  6. 【請求項6】 振動子及び圧電素子を支持する台座を備
    え、該台座の共振周波数が上記振動子の共振周波数と異
    なることを特徴とする請求項1記載の超音波振動素子。
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