JP2000286496A - 光波長同調方法および光発振装置 - Google Patents

光波長同調方法および光発振装置

Info

Publication number
JP2000286496A
JP2000286496A JP11087473A JP8747399A JP2000286496A JP 2000286496 A JP2000286496 A JP 2000286496A JP 11087473 A JP11087473 A JP 11087473A JP 8747399 A JP8747399 A JP 8747399A JP 2000286496 A JP2000286496 A JP 2000286496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavelength
optical
oscillation
resonator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11087473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4147365B2 (ja
Inventor
Hisashi Masuda
久 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP08747399A priority Critical patent/JP4147365B2/ja
Publication of JP2000286496A publication Critical patent/JP2000286496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4147365B2 publication Critical patent/JP4147365B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単にかつ高い効率で特定の波長を選択する
ことができる光波長同調方法および光発振装置を提供す
る。 【解決手段】 共振器22の中にチタンサファイアより
なる発光媒質21とNd:YAGよりなる光吸収体23
を備える。発光媒質21にNd:YAGレーザー11お
よび2次高調波発生装置12を用いて発生させた532
nmの励起光L2を入射して発光させる。出力された光
はおよそ700nm〜900nmの広い波長域において
連続スペクトルを有している。この光は共振器22によ
り増幅されると共に、共振器22の光学特性およびN
d:YAGよりなる光吸収体23の吸収スペクトルに応
じて選択される。これにより、共振器22から710n
m前後の高い干渉性を有する発振光が出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光媒質から出力
された光を共振器により増幅して発振させる発振光の波
長を同調する光波長同調方法、およびその光発振装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光は、一般に、電波よりも周波
数が高いので情報収容能力が大きく、また、波長が同一
であり位相がそろっているので単色性や指向性に優れ、
通常の光線にはみられない干渉性を持つという特性を有
している。更に、極めて細く収束できるので、微小な面
積にエネルギーを集中して局部的にかつ瞬間的にも高温
高圧を実現できるなどの特性も有している。よって、こ
のような特性を有するレーザー光は、現在、通信・情報
分野、計測分野、加工分野および医療分野など多方面に
わたって応用されている。
【0003】ところで、これら各種技術分野にレーザー
光を応用する場合には、その目的に応じた波長のレーザ
ー光が必要となる。近年では、波長を選択することがで
きる波長可変レーザーの開発により、広い波長域で波長
の選択が可能となっている。その際、波長を選択する技
術も必要となるが、従来は、複屈折フィルター,エタロ
ン,プリズムあるいはグレーティングなどの波長選択素
子により波長の選択を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、波長選
択素子に複屈折フィルターまたはエタロンを用いる場合
には、波長の移動が可能な反面、適切な組み合わせでな
いと複数の波長帯のうち所望の波長を選択することが難
しいという問題があった。また、波長選択素子にプリズ
ムを用いる場合には、吸収波長付近において最も分散が
大きくなるという相反する特性により有効性が制限され
てしまうという問題があった。更に、波長選択素子にグ
レーティングを用いる場合には、格子形状を工夫して精
度よく加工できたとしても1次回折効率を100%近く
まで高めることが難しいという問題があった。
【0005】なお、これらの波長選択素子以外でも、多
層膜を用いた干渉フィルターにより特定の波長域を選択
することが可能であるが、このような干渉フィルターは
透過中心波長においても吸収や反射があるために透過率
は概して低く、共振器内で用いるには効率が悪く、損失
も多いという問題がある。すなわち、従来は、簡便にか
つ高い効率で波長を選択することができなかった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単にかつ高い効率で特定の波長を
選択することができる光波長同調方法および光発振装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による光波長同調
方法は、発光媒質から出力された光を共振器により増幅
して発振される発振光の波長を同調するものであって、
少なくとも1種の希土類イオンを含む光吸収体の吸収ス
ペクトルを利用するものである。
【0008】本発明による光発振装置は、発光媒質と、
この発光媒質から出力された光を増幅し発振光を発振す
る共振器と、少なくとも1種の希土類イオンを含み、吸
収スペクトルを利用して発振光の波長を選択する光吸収
体とを備えたものである。
【0009】本発明による光波長同調方法では、少なく
とも1種の希土類イオンを含む光吸収体の吸収スペクト
ルを利用することにより発振光の波長が選択される。
【0010】本発明による光発振装置では、発光媒質か
ら出力された光が共振器により増幅され、発振光が発振
される。発振光の波長は少なくとも1種の希土類イオン
を含む光吸収体により選択される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の光波
長同調方法は本発明の光発振装置により具現化すること
ができるので、以下の実施の形態においては、光発振装
置と併せて説明する。
【0012】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る光発振装置の概略構成を表すもの
である。この光発振装置は、例えば、励起光源10と、
この励起光源10から出力された励起光が照射されるこ
とにより光を発振する光発振部20とを備えている。励
起光源10は、例えば、1.064μmの赤外光L1を
発振するNd:YAGレーザー11と、このNd:YA
Gレーザー11から出力された赤外光L1の一部を53
2nmの2次高調波L2に変換し励起光として光発振部
20に照射する2次高調波発生装置12とを有してい
る。
【0013】ここで、Nd:YAGレーザー11は、N
d:YAG(すなわちネオジムイオン(Nd3+)を含む
イットリウムアルミニウムガーネット(yttriumu alumi
numgarnet;Y3 Al5 12))よりなるレーザー媒質
を用いた固体レーザーである。2次高調波発生装置12
は、例えば、ホウ酸リチウム(LiB3 5 )などの非
線形光学結晶12aにより2次高調波L2を発生させる
ものである。
【0014】なお、Nd:YAGレーザー11と2次高
調波発生装置12との間には例えば光学レンズ13が配
置されており、Nd:YAGレーザー11から出力され
た赤外光L1はこの光学レンズ13を介して2次高調波
発生装置12に入射されるようになっている。また、2
次高調波発生装置12と光発振部20との間には例えば
ミラー14,15および光学レンズ16が配置されてお
り、2次高調波発生装置12から出力された2次高調波
L2はこれらミラー14,15および光学レンズ16を
介して光発振部20に入射されるようになっている。こ
こでミラー14,15は、例えば、不要な波長を分離す
るように構成されていてもよい。
【0015】光発振部20は、例えば、2次高調波L2
を受けて光を発生する発光媒質21と、この発光媒質2
1から出力される光を増幅して発振光L3を発振させる
共振器22とを有している。発光媒質21は、例えば、
チタンサファイア(Ti:Al2 3 ;すなわちチタン
イオン(Ti3+)を含むサファイア(Al2 3 ))よ
りなるレーザー媒質により構成されている。
【0016】この発光媒質21は、図2に示したような
吸収・発光特性を有している(W. Koechner,“Solid St
ate Laser Engineering ”, 2ed. Ed, Springer Verla
g,(1988) 参照)。すなわち、この発光媒質21は50
0nmの近傍において強い吸収スペクトルを有すると共
に、およそ700nmから900nmの広い波長域にお
いて強い連続発光スペクトルを有している。つまり、こ
の発光媒質21は連続した複数の波長を有する光を出力
するようになっている。また、この発光媒質21はブリ
ュースター角(Brewster's angle)で切り出されている
ことが好ましく、発光媒質21には共振器22内におけ
る反射光がブリュースター角で入射されることが好まし
い。すなわち、発光媒質21は発振光L3がブリュース
ター角で入射するように構成されることが好ましい。光
が発光媒質21を通過する際の反射損失を最小とするた
めである。
【0017】共振器22は、例えば、入射ミラー22
a,折り曲げミラー22b,22cおよび出力ミラー2
2dにより構成されており、発光媒質21から出力され
た光を入射ミラー22aと出力ミラー22dとの間にお
いて折り曲げミラー22b,22cを介して反射し往復
させるようになっている。これら入射ミラー22a,折
り曲げミラー22b,22cおよび出力ミラー22dの
各反射率は、例えば、700nm付近の波長で高く、そ
れ以上の波長で低くなるように設定されている。これに
より、この光発振部20では、共振器22の特性と発光
媒質21の発光特性との関係から、720nm付近の波
長で発振しやすくなっている。
【0018】なお、入射ミラー22aは、2次高調波発
生装置12から出力された2次高調波L2を透過するよ
うに設定されており、2次高調波L2が入射ミラー22
aを介して発光媒質21に入射されるようになってい
る。また、出力ミラー22dは、入射ミラー22aおよ
び折り曲げミラー22b,22cに比べて700nm付
近の波長に対する反射率が低く設定されており、共振器
22内において発振された発振光L3の一部を出力する
ようになっている。
【0019】光発振部20は、また、共振器22の中に
配置された光吸収体23を有している。この光吸収体2
3は、吸収スペクトルを利用して発光媒質21から出力
された光を選択的に吸収し発振光L3の波長を選択する
ものである。光吸収体23は、例えば、Nd:YAGに
より構成されており、図3に示したような透過分光特性
を有している。この透過分光特性はネオジムイオンに由
来するものである。なお、図3は、ネオジムイオンの含
有率が1.1原子%で厚さ1.76nmの板状に形成さ
れた光吸収体23の透過分光特性を表しており、両面の
フレネル反射による透過率の低下分および分散を無視し
屈折率nを1.8と概算して補正してある。
【0020】図3から分かるように、この光吸収体23
は、550nm付近,650nm付近および700nm
付近において透過率の高い領域を有している。更に、こ
れら透過率の高い領域のうち700nm付近の透過分光
特性を図4に拡大して示す。図4から分かるように、こ
の光吸収体23は、700nmから710nm付近にお
いて透過率が約99.7%以上と高くなっており、70
2nm付近において最も高い透過率を有している。
【0021】これにより、この光発振部20では、光吸
収体23の透過分光特性と発光媒質21の発光特性との
関係から選択された例えば図5に示したスペクトルを有
する発振光L3を発振するようになっている。発振光L
3の発振波長幅は半値全幅で約1nm程度と非常に狭
く、発振光L3は高い干渉性を有しており、その波長は
約705nmである。なお、比較例として、光吸収体2
3を有さないことを除き本実施の形態と同一の構成を有
する光発振装置における発振光のスペクトルを図6に示
す。このように、光吸収体23を用いない場合には、発
振光の発振波長幅は半値全幅で約30nm程度と広くな
っている。つまり、光吸収体23により極めて狭帯域の
波長を選択できることが分かる。
【0022】ちなみに、図5に示した発振光L3のスペ
クトルは、光吸収体23が図3に示した透過分光特性を
有する場合のものである。光吸収体23の透過分光特性
はネオジムイオンの含有率および厚さにより変化するの
で、それらを調節することにより発振光L3の波長を変
化させることができる。例えば、700nm以上730
nm以下の範囲内の波長について同じように極めて狭帯
域に選択することができる。
【0023】なお、光吸収体23の形状について特に限
定はなく、例えば、平板状,プリズム状あるいは楔状と
されている。また、光吸収体23は共振器22内におけ
る反射光に対してブリュースター角に傾けて配置される
ことが好ましく、光吸収体23には共振器22内におけ
る反射光がブリュースター角で入射されることが好まし
い。すなわち、光吸収体23は発振光L3がブリュース
ター角で入射するように構成されることが好ましい。光
が光吸収体23を通過する際の反射損失を最小とするた
めである。更に、例えば、光吸収体23を発振光L3に
対してほぼ垂直に配置する場合には、光吸収体23の表
面にフッ化マグネシウム(MgF2 )などの誘電体より
なる減反射膜を設けることが好ましい。
【0024】このような構成を有する光発振装置は、次
のように動作する。
【0025】この光発振装置では、まず、Nd:YAG
レーザー11から波長1.064μmの赤外光L1が出
力され、光学レンズ13を介して2次高調波発生装置1
2に入射される。2次高調波発生装置12では、入射さ
れた赤外光L1の一部を非線形光学結晶12aにより波
長532nmの2次高調波L2に変換する。この2次高
調波L2は、ミラー14,15および光学レンズ16を
介して励起光として光発振部20に入射され、入射ミラ
ー22aを介して発光媒質21に照射される。発光媒質
21では、2次高調波L2の照射により、発光特性に応
じて光を出力する。この光は、共振器22の中において
反射を繰り返し増幅される。但し、ここでは、共振器2
2の中に光吸収体23が配置されているので、光は光吸
収体23の透過分光特性に応じて選択的に吸収される。
これにより、例えば710nm前後の波長が選択されて
高い干渉性を有する710nm前後の発振光L3が発振
され、出力ミラー22dを介して出力される。すなわ
ち、光吸収体23により発振光L3の波長は選択され、
同調される。
【0026】このように本実施の形態によれば、ネオジ
ムイオンを含む光吸収体23の吸収スペクトルを利用し
て発振光L3の波長を選択するようにしたので、簡単に
かつ高い効率で波長を選択することができ、高い干渉性
を有する発振光L3を得ることができる。
【0027】また、発光媒質21をチタンサファイアに
より構成すれば、発振光L3の波長を簡単に700nm
以上730nm以下の範囲内に同調することができる。
更に、発光媒質21を波長が532nmの励起光により
発光させることができるので、市販されているNd:Y
AGレーザー11および2次高調波発生装置12を用い
ることにより容易に励起光を得ることができ、容易に発
光させることができる。
【0028】加えて、発光媒質21または光吸収体23
に発振光L3がブリュースター角で入射されるようにす
れば、反射損失を最小とすることができ、効率を高める
ことができる。
【0029】(第2の実施の形態)図7は本発明の第2
の実施の形態に係る光発振装置の概略構成を表すもので
ある。この光発振装置は、第1の実施の形態の光発光部
20に変えて、発光媒質31および共振器32の構成が
異なる光発振部30を備えたことを除き、第1の実施の
形態と同一の構成を有している。よって、ここでは、同
一の構成要素には同一の符号を付すと共に、対応する構
成要素には10の位を“3”に変更した符号を付し、同
一部分についての詳細な説明を省略する。
【0030】発光媒質31は、励起光である2次高調波
L2を受けて光パラメトリック効果により光を発生する
ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )などの非線形光学結
晶により構成されている。発光媒質31から出力される
光はシグナル光およびアイドラー光であり、それらの各
波長は数1に示した光子のエネルギー保存則により決定
される。数1中においてcは光速、λ1 は励起光の波
長、λ2 はシグナル光の波長、λ3 はアイドラー光の波
長である。
【0031】
【数1】c/λ1 =c/λ2 +c/λ3
【0032】また、シグナル光およびアイドラー光の各
波長は励起光の入射角と位相整合条件によっても決定さ
れる。この発光媒質31は励起光の入射角と位相整合条
件に従い幅広い波長域でパラメトリック発光利得を有し
ているが、ここでは、例えば、発光媒質31が62度の
角度で切り出されており、532nmの2次高調波L2
から710nmのシグナル光と2.1μmのアイドラー
光とを出力するように調整されている。なお、これらシ
グナル光およびアイドラー光は、通常、複数の波長にわ
たる連続スペクトルを有しており、上述した710nm
または2.1μmというのはそれらの中心波長である。
これにより、この光発振部30では、このシグナル光を
そのまま共振させると発振波長幅の広い発振光が発振さ
れるようになっている。
【0033】よって、本実施の形態では、光吸収体23
によりシグナル光およびアイドラー光を選択的に吸収し
て、後述する共振器32により発振される発振光L33
の波長を選択し、発振光L33の発振波長幅を狭くする
ようになっている。ここでは、特に、シグナル光の発振
光L33について約710nmの極めて狭帯域の波長を
選択できるようになっている。なお、シグナル光の波長
および光吸収体23の透過分光特性をそれぞれ調整する
ことにより、700nm以上730nm以下の範囲内の
波長についても極めて狭帯域に選択することができる。
【0034】共振器32は、例えば、第1の実施の形態
と同様に、入射ミラー32a,折り曲げミラー32b,
32cおよび出力ミラー32dにより構成されており、
発光媒質31から出力された光を入射ミラー32aと出
力ミラー32dとの間で折り曲げミラー32b,32c
を介して反射し往復させるようになっている。これら入
射ミラー32a,折り曲げミラー32b,32cおよび
出力ミラー32dの各反射率は、例えば、シグナル光の
710nm付近で高く、アイドラー光の2.1μm付近
で低くなるように設定されている。すなわち、この共振
器32はシグナル光を増幅してその発振光L33を発振
させるようになっており、安定した発振が得られる単共
振パラメトリック発振器(Singly Resonant Optical Pa
rametricOscillator )を構成している。
【0035】但し、入射ミラー32a,折り曲げミラー
32b,32cおよび出力ミラー32dの各反射率をシ
グナル光の710nm付近およびアイドラー光の2.1
μm付近で共に高くなるように設定し、シグナル光およ
びアイドラー光を共に共振させる複共振パラメトリック
発振器(Doubly Resonant Optical Parametric Oscilla
tor )を構成するようにしてもよい。単共振パラメトリ
ック発振器の方が安定性は高いが、複共振パラメトリッ
ク発振器の方が発振閾値が低くなるので、発振効率を高
くすることができ、安定性も電気回路を併用することに
より確保することができるからである。
【0036】その際、入射ミラー32a,折り曲げミラ
ー32b,32cおよび出力ミラー32dは、例えば、
誘電体の多層膜によりそれぞれ構成される。この多層膜
は、反射させたい波長をλとすると、光路長λ/4の膜
厚をそれぞれ有する高屈折率の層と低屈折率の層とを交
互に積層したものである。これは、ある反射面から見る
と、次の位相が反転する反射層からは位相差πで重な
り、反転しない反射層からは位相差2πで重なるので、
他の層からの反射光を繰り返し干渉させることにより、
外から見た反射率が高くなるという原理によるものであ
る。つまり、波長λについて高い反射率を有する多層膜
は、波長λの1/3倍の波長λ’=(1/3)λについ
ても、各層の光学厚みが3λ’/4となることから波長
λと同様の干渉効果が得られ高い反射率を有している。
【0037】なお、実際には屈折率の波長依存性がある
ので、厳密に波長λ’について波長λと同様の干渉効果
が得られるわけではない。しかし、実用上、波長λ’と
波長λは同一の多層膜において共に高い反射率を有する
有利な組み合わせとなる。従って、本実施の形態では、
シグナル光の波長が710nmでアイドラー光の波長
2.1μmの約1/3倍となっているので、このような
多層膜を用いることにより、容易に複共振パラメトリッ
ク発振器を構成することができる。
【0038】ちなみに、ここでは励起光の波長を532
nmとするようにしたが、520nm以上540nm以
下の範囲内であれば同様の効果を得ることができるので
好ましい。
【0039】このような構成を有する光発振装置は、第
1の実施の形態と同様に動作する。すなわち、Nd:Y
AGレーザー11から出力された赤外光L1は、2次高
調波発生装置12により一部が2次高調波L2に変換さ
れ、励起光として発光媒質31に照射される。これによ
り、発光媒質31では、光パラメトリック効果によって
シグナル光およびアイドラー光を出力する。この光は、
共振器32により増幅されると共に、光吸収体23の透
過分光特性に応じて選択的に吸収される。これにより、
例えば、シグナル光について710nm前後の波長が選
択され、高い干渉性を有する710nm前後の発振光L
33が発振される。すなわち、光吸収体23により発振
光L33の波長は選択され、同調される。
【0040】このように本実施の形態によれば、第1の
実施の形態と同様に、光吸収体23の吸収スペクトルを
利用して発振光L33の波長を選択するようにしたの
で、簡単かつ高い効率で波長を選択することができ、高
い干渉性を有する発振光L33を得ることができる。
【0041】また、発光媒質31をニオブ酸リチウムな
どの非線形光学結晶により構成すれば、約532nmの
波長を有する励起光を照射することにより、約710n
mの波長を有するシグナル光を発生させることができ、
発振光L33の波長を簡単に700nm以上730nm
以下の範囲内に同調することができる。更に、約532
nmの励起光も市販されているNd:YAGレーザー1
1および2次高調波発生装置12を用いることにより容
易に得ることができる。加えて、約710nmのシグナ
ル光と約2.1μmのアイドラー光を出力させることが
できるので、複共振パラメトリック発振器を容易に構成
することができ、高い効率で発振させることができる。
【0042】更にまた、第1の実施の形態と同様に、光
吸収体23に発振光L33がブリュースター角で入射さ
れるようにすれば、反射損失を最小にすることができ、
効率を高めることができる。
【0043】(第3の実施の形態)図8は本発明の第3
の実施の形態に係る光発振装置の概略構成を表すもので
ある。この光発振装置は、第1の実施の形態と同様にし
て発生させた発振光L3を和周波混合用光L54と和周
波混合するようにしたものである。よって、ここでは、
第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0044】この光発振装置は、例えば、第1の実施の
形態と同様に、励起光源40と、この励起光源40から
出力された励起光が照射されることにより光を発振する
光発振部50とを備えている。励起光源40は、例え
ば、ミラー14,15に変えてミラー47が配置された
ことを除き、第1の実施の形態の励起光源10と同一の
構成を有している。すなわち、励起光源40は、Nd:
YAGレーザー11から赤外光L1を出力し、光学レン
ズ13を介して2次高調波発生装置12に入射して2次
高調波L2に変換したのち、励起光として光学レンズ1
6およびミラー47を介して光発振部20に入射するよ
うになっている。ここでミラー47は、例えば、不要な
波長を分離するように構成されていてもよい。
【0045】光発振部50は、例えば、共振器52の構
成が異なり、かつ共振器52の中に波長変換素子54が
配置されたことを除き、第1の実施の形態の光発振部2
0と同一の構成を有している。共振器52は、例えば、
第1の実施の形態の共振器22から出力ミラー22dが
削除され、入射ミラー22aおよび折り曲げミラー22
b,22cにより構成されている。すなわち、この共振
器52は、発振光L3をほとんど外部に出力しないよう
に設計されている。
【0046】波長変換素子54は、例えば、ベータホウ
酸バリウム(β−BaB2 4 )などの非線形光学結晶
により構成されており、共振器52により発振された発
振光L3と和周波混合用光L54とを和周波混合して和
周波L55を出力する和周波混合手段の機能を有してい
る。この波長変換素子54は、入射角,温度または波長
を調整することにより位相整合される。ここでは、例え
ば、波長変換素子54の入射角を約75度とすることに
より、約710nmの発振光L3と約266nmの和周
波混合用光L54とを和周波混合して約193nmの紫
外光である和周波L55を発生するように調整されてい
る。なお、発振光L3と和周波混合用光L54とは、波
長変換素子54において時間的および空間的に十分重な
るように調節されている。
【0047】光発振装置は、また、例えば、和周波混合
用光L54を出力する和周波混合用光源60と、発振光
L3および和周波混合用光L54がパルスの場合にそれ
らの時間的な重なりを制御する制御部70とを備えてい
る。和周波混合用光源60は、例えば、1.064nm
の赤外光L61を発振するNd:YAGレーザー61
と、この赤外光L61の一部を532nmの2次高調波
L62に変換する2次高調波発生装置62と、この2次
高調波L62の一部を266nmの4次高調波に変換し
和周波混合用光L54として波長変換素子54に入射す
る4次高調波発生装置63とを有している。
【0048】2次高調波発生装置62は、例えば、2次
高調波発生装置12と同様に、ホウ酸リチウムなどの非
線形光学結晶62aにより2次高調波L62を発生させ
るものである。4次高調波発生装置63は、例えば、ベ
ータホウ酸バリウムなどの非線形光学結晶63aにより
4次高調波を発生させるものである。
【0049】また、例えば、Nd:YAGレーザー61
から出力された赤外光L61は光学レンズ64を介して
2次高調波発生装置62に入射され、2次高調波L62
はミラー65および光学レンズ66を介して4次高調波
発生装置63に入射され、和周波混合用光L54である
4次高調波はミラー67および光学レンズ68を介して
波長変換素子54に入射されるようになっている。ここ
でミラー65,67は、例えば、不要な波長を分離する
ように構成されていてもよい。
【0050】制御部70は、例えば、パルスジェネレー
タなどのトリガーパルス発生装置71を有している。例
えば、このトリガーパルス発生装置71から出力される
トリガーパルスはケーブル72を介してNd:YAGレ
ーザー11に入力されると共に、ケーブル73を介して
遅延発生器74に入力され、ケーブル75を介してN
d:YAGレーザ61に入力されるようになっている。
遅延発生器74は、波長変換素子54において発振光L
3と和周波混合用光L54とが時間的に重なるように時
間を調整するものであり、トリガーパルスを必要な時間
だけ遅らせてNd:YAGレーザー61に出力するよう
になっている。
【0051】このような構成を有する光発振装置は、次
のように動作する。
【0052】この光発振装置では、トリガーパルス発生
装置71からトリガーパルスが発生されると、ケーブル
72を介してNd:YAGレーザー11に出力されると
共に、ケーブル73を介して遅延発生器74に出力され
る。遅延発生器74では、波長変換素子54において発
振光L3と和周波混合用光L54とが時間的に重なるよ
うに必要な時間だけトリガーパルスを遅延させ、ケーブ
ル75を介してNd:YAGレーザー61に出力する。
【0053】Nd:YAGレーザー11では、トリガー
パルスが入力されるとそれに応じて赤外光L1が発振さ
れる。この赤外光L1は、光学レンズ13を介してその
一部が2次高調波発生装置12により2次高調波L2に
変換され、光学レンズ16およびミラー47を介して励
起光として発光媒質21に入射される。発光媒質21で
は2次高調波L2が入射されると発光特性に応じて光が
出力され、共振器52により増幅されると共に、光吸収
体23の透過分光特性に応じて選択的に吸収される。こ
れにより、高い干渉性を有する約710nmの発振光L
3が共振器52の中において発振され、共振器52の中
に配置された波長変換素子54に入射される。
【0054】一方、Nd:YAGレーザー61でも、ト
リガーパルスが入力されるとそれに応じて赤外光L61
が発振される。この赤外光L61は、光学レンズ64を
介してその一部が2次高調波発生装置62により2次高
調波L62に変換されたのち、ミラー65および光学レ
ンズ66を介してその一部が4次高調波発生装置63に
より約266nmの4次高調波に変換され、和周波混合
用光L54としてミラー67および光学レンズ68を介
して波長変換素子54に入射される。
【0055】これにより、波長変換素子54では発振光
L3と和周波混合用光L54とが重なり合い、和周波混
合されて約193nmの紫外光である和周波L55が出
力される。すなわち、ここでは、光吸収体23により高
い干渉性を有する700nm以上730nm以下の範囲
内の波長を有する発振光L3が得られるので、高い干渉
性を有する約193nmの紫外光が容易に得られる。
【0056】なお、ここでは、約710nmの発振光L
3と約266nmの和周波混合用光L54とを和周波混
合して約193nmの紫外光を得るようにしたが、発振
光L3は700nm以上730nm以下の範囲内の波長
であればよく、和周波混合用光L54は256nm以上
276nm以下の範囲内の波長であればよい。
【0057】このように本実施の形態によれば、第1の
実施の形態と同様にして発振光L3の波長を同調するよ
うにしたので、第1の実施の形態と同一の効果を有す
る。また、700nm以上730nm以下の範囲内の波
長を有する発振光L3を容易に得ることができるので、
波長変換素子54により256nm以上276nm以下
の範囲内の波長を有する和周波混合用光L54と和周波
混合することにより、容易に高い干渉性を有する約19
3nmの紫外光を得ることができる。すなわち、安定性
良くかつ低価格で約193nmの紫外光が得られる。
【0058】以上、各実施の形態を挙げて本発明を説明
したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるもので
はなく、種々変形可能である。例えば、上記各実施の形
態では、光吸収体23をNd:YAGにより構成する場
合について説明したが、ネオジムイオンを含む他の材料
により構成するようにしても同様の効果を得ることがで
きる。例えば、光吸収体をNd:YLF(すなわちネオ
ジムイオンを含むLiYF4 )またはNd:YVO
4 (すなわちネオジムイオンを含むYVO4 )により構
成するようにしてもよい。
【0059】また、ネオジムイオン以外の他の希土類イ
オンを含む材料により光吸収体を構成するようにしても
よい。例えば、セリウム(Ce),プラセオジム(P
r),サマリウム(Sm),ユウロピウム(Eu),エ
ルビウム(Er)あるいはイッテリビウム(Yb)のイ
オンを含む材料により光吸収体を構成すれば、それらの
吸収特性を利用して他の波長を選択することができる。
【0060】更に、複数の希土類イオンを含む材料によ
り光吸収体を構成するようにしてもよい。異なる透過分
光特性を有する希土類イオンを複数組み合わせることに
より、更に多くの波長を選択することができる。なお。
異なる希土類イオンを含む複数の光吸収体を備えるよう
にしても、同様の効果を得ることができる。
【0061】加えて、上記各実施の形態では、光吸収体
23を共振器22,32,52の中に配置するようにし
たが、発光媒質21,32から出力された光を増幅する
共振器と一部を共有するように設けられた他の共振器の
中に配置するようにしてもよい。また、第1および第2
の実施の形態では、共振器22,32の外に出力された
発振光L3,L33の光路中に配置するようにしてもよ
く、第3の実施の形態では、共振器52の外に発振光L
3を出力するようにして出力された発振光の光路中に配
置するようにしてもよい。但し、光吸収体23は、発光
媒質21,32から出力された光を増幅する共振器と少
なくとも一部を共有する共振器の中に配置された方が、
高い効果を得ることができるので好ましい。また、第3
の実施の形態では、光吸収体23により選択された発振
光L3が波長変換素子54に入射されるようにすること
が好ましい。
【0062】更にまた、上記第1および第3の実施の形
態では、発光媒質21をチタンサファイアよりなるレー
ザー媒質により構成するようにしたが、他のレーザー媒
質により構成するようにしてもよい。但し、本発明は、
レーザー媒質が複数の発光波長を有する場合において特
に有効である。
【0063】加えてまた、上記第2の実施の形態では、
発光媒質31をニオブ酸リチウムよりなる非線形光学結
晶により構成するようにしたが、ベータホウ酸バリウム
またはホウ酸リチウムなどの他の非線形光学結晶により
構成するようにしてもよい。例えば、ベータホウ酸バリ
ウムにより発光媒質を構成するようにすれば、上記第2
の実施の形態と同様に構成することができ、同一の効果
を得ることができる。但し、本発明は、光パラメトリッ
ク効果により出力された光が波長幅を有しており、光吸
収体23を用いないときに発振光が広い発振波長幅を有
するような場合において、特に高い効果を得ることがで
きる。
【0064】更にまた、上記各実施の形態では、共振器
22,32,52の構成について具体的に例を挙げて説
明したが、他の構成を有するようにしてもよい。例え
ば、折り曲げミラー22b,22c,32b,32cは
必要に応じて備えていればよい。また、反射特性につい
ても目的に応じて設定することができる。
【0065】加えてまた、上記各実施の形態では、励起
光源10,40をNd:YAGレーザー11および2次
高調波発生装置12により構成し、532nmの励起光
を発光媒質21,31に照射するようにしたが、他の構
成を有する励起光源を用いてもよく、他の波長の励起光
を発光媒質に照射するようにしてもよい。但し、発光媒
質が高い吸収率を有する波長を照射するようにすること
が好ましい。また、上記各実施の形態で示したように、
520nm以上540nm以下の範囲内の波長であれ
ば、市販のNd:YAGレーザーなどを用いることによ
り容易に得ることができるので好ましい。更に、上記第
2の実施の形態では、約532nmの励起光から約71
0nmのシグナル光と約2.1μmのアイドラー光を出
力させるようにすれば多層膜の利用により容易に複共振
パラメトリック発振器を構成することができるので、励
起光の波長を520nm以上540nm以下の範囲内と
することが好ましい。
【0066】更にまた、上記第3の実施の形態では、波
長変換素子54をベータホウ酸バリウムよりなる非線形
光学結晶により構成するようにしたが、他の非線形光学
結晶により構成するようにしてもよい。
【0067】加えてまた、上記第3の実施の形態では、
波長変換素子54を共振器52の中に配置するようにし
たが、発光媒質21から出力された光を増幅する共振器
52と一部を共有するように設けられた他の共振器の中
に配置するようにしてもよい。また、共振器52の外に
発振光L3を出力するようにし、出力された発振光の光
路中に配置するようにしてもよい。但し、発光媒質21
から出力された光を増幅する共振器52と少なくとも一
部を共有する共振器の中に配置するようにした方が、損
失を少なくできるので好ましい。
【0068】更にまた、上記第3の実施の形態では、発
光媒質21をレーザー媒質により構成するようにした
が、第2の実施の形態と同様に、光パラメトリック効果
により光を出力する非線形光学結晶により構成しても同
様の効果が得られる。
【0069】加えてまた、上記第3の実施の形態では、
和周波混合用光源60および制御部70の構成について
具体的に説明したが、他の構成を有する和周波混合用光
源を用いてもよく、他の方法により発振光L3と和周波
混合用光L54との重なりを制御するようにしてもよ
い。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項12のいずれか1に記載の光波長同調方法、または請
求項13ないし請求項24のいずれか1に記載の光発振
装置によれば、少なくとも1種の希土類イオンを含む光
吸収体の吸収スペクトルを利用して発振光の波長を同調
するようにしたので、簡単にかつ高い効率で波長を同調
することができるという効果を奏する。
【0071】特に、請求項2記載の光波長同調方法、ま
たは請求項14記載の光発振装置によれば、希土類イオ
ンとしてネオジムイオンを含む光吸収体を用いるように
したので、発振光の波長を例えば700nm以上730
nm以下の範囲内に同調することができるという効果を
奏する。
【0072】また、請求項3記載の光波長同調方法、ま
たは請求項15記載の光発振装置によれば、光吸収体を
発光媒質から出力された光を増幅する共振器と少なくと
も一部を共有する共振器中に配置するようにしたので、
より効果的に波長を選択することができるという効果を
奏する。
【0073】更に、請求項5記載の光波長同調方法、ま
たは請求項17記載の光発振装置によれば、発光媒質を
チタンサファイアにより構成するようにしたので、発振
光の波長を例えば700nm以上730nm以下の範囲
内に同調することができると共に、市販されているN
d:YAGレーザーなどを用いることにより容易に発光
させることができるという効果を奏する。
【0074】加えて、請求項6記載の光波長同調方法、
または請求項18記載の光発振装置によれば、発光媒質
を光パラメトリック効果により光を出力する非線形光学
結晶によって構成するようにしたので、例えば、520
nm以上540nm以下の範囲内の波長を有する励起光
により約710nmの波長を有するシグナル光を発生さ
せることができ、発振光の波長を700nm以上730
nm以下の範囲内に同調することができる。また、52
0nm以上540nm以下の範囲内の波長を有する励起
光も市販されているNd:YAGレーザーなどを用いる
ことにより容易に得ることができる。更に、約710n
mのシグナル光と約2.1μmのアイドラー光を出力さ
せることができるので、複共振パラメトリック発振器を
容易に構成することができ、高い効率で発振させること
ができるという効果を奏する。
【0075】更にまた、請求項8記載の光波長同調方
法、または請求項20記載の光発振装置によれば、52
0nm以上540nm以下の範囲内の波長を有する励起
光を照射して発光させるようにしたので、市販されてい
るNd:YAGレーザーなどを用いることにより容易に
励起光を得ることができ、容易に発光させることができ
るという効果を奏する。
【0076】加えてまた、請求項9記載の光波長同調方
法、または請求項21記載の光発振装置によれば、発光
媒質または光吸収体の少なくとも一方をブリュースター
角で発振光が入射されるようにしたので、反射損失を小
さくすることができ、効率を高めることができるという
効果を奏する。
【0077】更にまた、請求項12記載の光波長同調方
法、または請求項24記載の光発振装置によれば、発振
光の波長を700nm以上730nm以下の範囲内に同
調して、波長変換素子により256nm以上276nm
以下の範囲内の波長を有する和周波混合用光と和周波混
合するようにしたので、安定性良くかつ低価格で容易に
約193nmの紫外光を得ることができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光発振装置を
表す概略構成図である。
【図2】図1に示した光発振装置における発光媒質の吸
収・発光特性図である。
【図3】図1に示した光発振装置における光吸収体の透
過分光特性図である。
【図4】図3の一部を拡大して表す透過分光特性図であ
る。
【図5】図1に示した光発振装置から出力される発振光
のスペクトルを表す特性図である。
【図6】比較例における発振光のスペクトルを表す特性
図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る光発振装置を
表す概略構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る光発振装置を
表す概略構成図である。
【符号の説明】
10,40…励起光源、11,61…Nd:YAGレー
ザー、12,62…2次高調波発生装置、12a,62
a,63a…非線形光学結晶、13,16,64,6
6,68…光学レンズ、14,15,47,65,67
…ミラー、20,30,50…光発振部、21,31…
発光媒質、22,32,52…共振器、22a,32a
…入射ミラー、22b,22c,32b,32c…折り
曲げミラー、22d,32d…出力ミラー、23…光吸
収体、54…波長変換素子、60…和周波混合用光源、
63…4次高調波発生装置、70…制御部、71…トリ
ガーパルス発生装置、72,73,75…ケーブル、7
4…遅延発生器、L1,L61…赤外光、L2,L62
…2次高調波、L3,L33…発振光、L54…和周波
混合用光、L55…和周波

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光媒質から出力された光を共振器によ
    り増幅して発振させる発振光の波長を同調する光波長同
    調方法であって、 少なくとも1種の希土類イオンを含む光吸収体の吸収ス
    ペクトルを利用して発振光の波長を同調することを特徴
    とする光波長同調方法。
  2. 【請求項2】 希土類イオンとしてネオジムイオンを含
    む光吸収体を用いることを特徴とする請求項1記載の光
    波長同調方法。
  3. 【請求項3】 発光媒質から出力された光を増幅する共
    振器と少なくとも一部を共有する共振器中に光吸収体を
    配置することを特徴とする請求項1記載の光波長同調方
    法。
  4. 【請求項4】 発光媒質としてレーザー媒質を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光波長同調方法。
  5. 【請求項5】 レーザー媒質をチタンサファイアにより
    構成することを特徴とする請求項4記載の光波長同調方
    法。
  6. 【請求項6】 発光媒質として光パラメトリック効果に
    より光を出力する非線形光学結晶を用いることを特徴と
    する請求項1記載の光波長同調方法。
  7. 【請求項7】 発振光の波長を700nm以上730n
    m以下の範囲内に同調することを特徴とする請求項1記
    載の光波長同調方法。
  8. 【請求項8】 発光媒質に520nm以上540nm以
    下の範囲内の波長を有する励起光を照射して発光させる
    ことを特徴とする請求項1記載の光波長同調方法。
  9. 【請求項9】 発光媒質または光吸収体の少なくとも一
    方を、発振光がブリュースター角で入射するように構成
    することを特徴とする請求項1記載の光波長同調方法。
  10. 【請求項10】 発振光を波長変換素子に入射すること
    を特徴とする請求項1記載の光波長同調方法。
  11. 【請求項11】 発振光と共に和周波混合用光を波長変
    換素子に入射し、波長変換素子によりそれらを和周波混
    合することを特徴とする請求項10記載の光波長同調方
    法。
  12. 【請求項12】 256nm以上276nm以下の範囲
    内の波長を有する和周波混合用光を波長変換素子に入射
    すると共に、発振光の波長を700nm以上730nm
    以下の範囲内に同調することを特徴とする請求項11記
    載の光波長同調方法。
  13. 【請求項13】 発光媒質と、 この発光媒質から出力された光を増幅し発振光を発振さ
    せる共振器と、 少なくとも1種の希土類イオンを含み、吸収スペクトル
    を利用して発振光の波長を選択する光吸収体とを備えた
    ことを特徴とする光発振装置。
  14. 【請求項14】 前記光吸収体は、希土類イオンとして
    ネオジムイオンを含むことを特徴とする請求項13記載
    の光発振装置。
  15. 【請求項15】 前記光吸収体は、前記共振器と少なく
    とも一部を共有する共振器中に配置されたことを特徴と
    する請求項13記載の光発振装置。
  16. 【請求項16】 前記発光媒質は、レーザー媒質よりな
    ることを特徴とする請求項13記載の光発振装置。
  17. 【請求項17】 前記レーザー媒質は、チタンサファイ
    アよりなることを特徴とする請求項16記載の光発振装
    置。
  18. 【請求項18】 前記発光媒質は、光パラメトリック効
    果により光を出力する非線形光学結晶よりなることを特
    徴とする請求項13記載の光発振装置。
  19. 【請求項19】 前記光吸収体により選択される発振光
    の波長は700nm以上730nm以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項13記載の光発振装置。
  20. 【請求項20】 更に、前記発光媒質に520nm以上
    540nm以下の範囲内の波長を有する励起光を照射す
    る励起光源を備えたことを特徴とする請求項13記載の
    光発振装置。
  21. 【請求項21】 前記発光媒質または前記光吸収体の少
    なくとも一方は、発振光がブリュースター角で入射する
    ように構成されたことを特徴とする請求項13記載の光
    発振装置。
  22. 【請求項22】 更に、発振光が入射される波長変換素
    子を備えたことを特徴とする請求項13記載の光発振装
    置。
  23. 【請求項23】 更に、和周波混合用光を出力する和周
    波混合用光源を備えると共に、前記波長変換素子は、和
    周波混合用光と発振光とを和周波混合する和周波混合手
    段であることを特徴とする請求項22記載の光発振装
    置。
  24. 【請求項24】 前記波長変換素子により和周波混合す
    る和周波混合用光は256nm以上276nm以下の範
    囲内の波長を有すると共に、発振光は700nm以上7
    30nm以下の範囲内の波長を有することを特徴とする
    請求項23記載の光発振装置。
JP08747399A 1999-03-30 1999-03-30 光波長同調方法および光発振装置 Expired - Lifetime JP4147365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08747399A JP4147365B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 光波長同調方法および光発振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08747399A JP4147365B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 光波長同調方法および光発振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000286496A true JP2000286496A (ja) 2000-10-13
JP4147365B2 JP4147365B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=13915898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08747399A Expired - Lifetime JP4147365B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 光波長同調方法および光発振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4147365B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010526345A (ja) * 2007-05-04 2010-07-29 アーペーエー アンゲヴァンテ フュジーク ウント エレクトローニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 励起フィールドによって励起された材料において非線形の光信号を生成するための方法および光学的装置、ならびに、該方法の使用および該光学的装置の使用

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10756505B2 (en) 2017-09-21 2020-08-25 Qioptiq Photonics Gmbh & Co. Kg Tunable light source with broadband output
US10409139B2 (en) 2017-09-21 2019-09-10 Qioptiq Photonics Gmbh & Co. Kg Light source with multi-longitudinal mode continuous wave output based on multi-mode resonant OPO technology

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010526345A (ja) * 2007-05-04 2010-07-29 アーペーエー アンゲヴァンテ フュジーク ウント エレクトローニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 励起フィールドによって励起された材料において非線形の光信号を生成するための方法および光学的装置、ならびに、該方法の使用および該光学的装置の使用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4147365B2 (ja) 2008-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5142542A (en) Signal-resonant intracavity optical frequency mixing
JP2707122B2 (ja) 光混合によるコヒーレント光放射の生成方法及び装置
JP2657525B2 (ja) 光混合による空胴内における干渉性光放射の生成方法及び装置
Eichenholz et al. Diode-pumped self-frequency doubling in a Nd 3+: YCa 4 O (BO 3) 3 laser
CA2731163C (en) Control of relaxation oscillations in intracavity optical parametric oscillators
JPH10506233A (ja) 受動安定化空胴内2倍化レーザー
WO2006028078A1 (ja) 受動qスイッチレーザ装置
JP4231829B2 (ja) 内部共振器型和周波混合レーザ
JPWO2018221083A1 (ja) 受動qスイッチパルスレーザー装置、加工装置および医療装置
JPH08125254A (ja) 波長変換固体レーザー
US5502738A (en) Polarization control element and solid-state laser system
JP3683360B2 (ja) 偏光制御素子および固体レーザー
RU2328064C2 (ru) Волоконный лазер с внутрирезонаторным удвоением частоты (варианты)
WO1998048491A2 (en) Multi-element, single mode microchip lasers
JP4147365B2 (ja) 光波長同調方法および光発振装置
JP2000124533A (ja) 固体レーザー装置
US7269189B2 (en) Coherent light source based on sum-frequency mixing
US7633978B2 (en) Frequency stabilized laser source
JPWO2004102752A1 (ja) 固体レーザ装置
WO2011127664A1 (zh) 一种激光产生装置和方法
JP2001024264A (ja) 波長変換レーザ装置
JPH06283798A (ja) ファイバレーザ及び光ファイバ増幅器
JPH07318997A (ja) 光パラメトリック発振器
JPH09232665A (ja) 出力安定化第二高調波光源
JPH06265955A (ja) 波長変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080528

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080610

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term