JP2000282442A - 繊維強化樹脂製仕切板 - Google Patents
繊維強化樹脂製仕切板Info
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Abstract
繊維強化樹脂製仕切板を提供する。 【解決手段】 中空部32を形成する筒体状の中芯10
(内皮層11)を有する板状の本体部9と、その側端部
に設けられた端板16とで仕切板30を構成する。上記
中芯は補強繊維を含まない熱可塑性樹脂で筒体状に形成
され、仕切板の長手方向を指向させて互いに離間させて
一列に並設される。各中芯同士の周囲はその両端開口部
側を除いて、補強繊維12aを含む繊維強化樹脂層12
で囲繞し一定厚の板状に一体形成し、長手方向両端面を
除く外側面には熱可塑性樹脂の外皮層14で被覆し、三
層構造とする。熱硬化性樹脂の硬化温度は熱可塑性樹脂
の変形温度より低くし、内・外皮層が軟化しない温度で
繊維強化樹脂層を硬化させる。本体部の両側端部には、
中空部と連通する開口7を有した端板16で覆う。
Description
路等の液体を取り扱う設備に用いる仕切板であって、材
質にFRP等の繊維強化樹脂を使用した仕切板に関す
る。
水路を堰き止めたり、あるいは水槽内を仕切るための仕
切板として特開平9−256348号公報等に開示され
る繊維強化樹脂製のものが知られている。この仕切板
は、例えばガラス繊維等の繊維強化材を混合させた繊維
強化発泡樹脂を角柱状に成形して本体となし、その内部
には金属やコンクリート等の錘を埋め込んだり、本体の
外周面にボルトや接着により錘を固定して形成したもの
であり、角落とし板とも称されている。
を横にして配され、両端部が下水道施設や農業用水路施
設若しくは水槽等の対向する内側壁に垂設された一対の
溝部に挿通装着され、その水路等の深さに応じて複数積
層されて壁を形成し、仕切板や堰き止め板としての機能
を発揮するようになっている。
は、強度、剛性、耐食性、耐久性に優れ、かつ軽量であ
るという利点があるが、逆に比重が小さすぎて水面に浮
上してしまうため、上記のように本体には錘を埋め込ん
だり、または表面に固定したりして水中に沈むようにし
ている。
来の繊維強化発泡樹脂製の仕切板にあっては、上述のよ
うに水に浮かないようにするために、錘を付加して水よ
り重くする必要があるので、繊維強化発泡樹脂の軽量さ
の利点を生かすことはできず、軽量化に限界があった。
これ故、仕切板を設置するにあたっては結果的に重量物
を運搬することになり、その設置作業には多大な労力を
要していた。
で、この仕切板の重量を増すために金属製の錘を取り付
けると、錘部分に錆が発生してしまうことを避け難いの
で、耐久性が損なわれ易く、長期間の使用が耐え難くな
ってしまう。さらに、本体と錘とをボルトナットや接着
材等により一体化させるようにすると、構成部品点数並
びに組立工数が増えて、コストが著しく高騰するという
課題があった。
強化発泡樹脂は、水中に沈めるとその補強繊維を伝って
内部に徐々に水分が含浸してしまうので、移設等にあた
っては重量が増加して作業の負担が大きくなり、それば
かりか強度低下を来して初期の強度を維持できない虞も
ある。
たものであり、その目的は、軽量かつ高強度で取り扱い
が容易な繊維強化樹脂製仕切板を提供することにある。
めに、本発明の請求項1に示す繊維強化樹脂製仕切板で
は、水槽や水路等の液体を取り扱う設備の対向する内側
壁に上下方向に延びて設けられた一対の溝部に両側端部
が係合装着される横長の樹脂製仕切板において、該樹脂
には補強繊維を含んだ繊維強化樹脂を用いると共に、該
仕切板の内部に長手方向に連続して延びる中空部を上下
に少なくとも2つ以上並設し、該仕切板の永手方向の少
なくとも一方の側端部には該各中空部に連通して外部の
液体を流入出させる開口を形成する構成とした。
部を設けたので、中実部材で形成した仕切板に比べてそ
の重量を極めて軽くすることができ、仕切板の運搬時の
労力や水槽・水路等の設備への着脱を容易になし得る。
と、その側端部に設けた開口から仕切板内部の中空部に
液体が流入するので、中空部に起因した浮力が発生する
ことはなく、しかも樹脂は発泡させないのでその比重は
取り扱う液体より重く、よって仕切板には錘を取り付け
ておかなくても浮き上がることはなく、液体中に容易に
沈めておくことができる。一方、仕切板を液体中から引
き上げる時には、中空部内の液体が仕切板側端部の開口
から流出して中空部は再び空になるから、容易に引き上
げることができる。
が溝部に係合装着される横長に形成し、その長手方向に
指向して連続する中空部を2つ以上並設するので、中空
部と中空部との間には仕切面となる2つの平面を繋い
で、仕切板を補強する補強リブが繊維強化樹脂によって
形成されることになる。即ち、仕切板内に中空部を設け
ても、仕切板の仕切面に対して垂直な補強リブが仕切板
の長手方向に沿って形成されるため、仕切板の横幅・高
さの比が1.5/1を超えた断面長方形であっても、ま
た肉厚を薄くしても、十分な強度及び剛性が得られ、液
体の圧力に対して十分な強度を保って仕切板の変形を防
ぐことができる。
は、その長手方向の外側面と前記中空部の内側面とにこ
れらを被覆する外皮層と内皮層とを有し、該外皮層と内
皮層とは補強繊維を含まない樹脂で形成されている構成
とした。
と、その内部に液体を流入させる中空部の内側面とを補
強繊維を含まない樹脂で形成したので、繊維強化樹脂層
内の補強繊維に液体が浸透し難くなり、液体の浸透によ
る重量の増加を防止して、仕切板の移設やその際の運搬
作業を極めて容易に行うことができるようになるととも
に、初期の強度を維持してその低下を可及的に防止でき
るようになる。
き出すこともなく美観の優れた高強度の仕切板が形成で
きる。
は、前記補強繊維が仕切板の長手方向に沿って配置され
た長繊維である構成とした。
長手方向に沿って長繊維を配置するので、曲げ変形し易
くなる長手方向を補強して十分な強度及び剛性を得るこ
とができる。
前記内皮層と前記外皮層とを熱可塑性樹脂で形成し、前
記繊維強化樹脂層を前記熱可塑性樹脂の熱変形温度より
低い温度で硬化する熱硬化性樹脂で形成する。
仕切板を、その外皮層と内皮層とを形成している熱可塑
性樹脂の熱変形温度より低い温度で加熱して、当該繊維
強化樹脂層の熱硬化性樹脂を硬化させるので、内皮層と
外皮層とが軟化して変形することがなく、中空部を確実
に形成することができると共に、内皮層と外皮層とで予
め形成した所望の形状を保って容易に仕切板を熱硬化形
成することができる。
その長手方向の両端部にこれを覆う端板を備え、該端板
は補強繊維を含まない樹脂で形成されているとととも
に、前記各中空部と連通する開口を有している構成とし
た。
化樹脂層が露出しないので、補強繊維に液体が浸透する
ことがなく、初期の高い強度を長期に亘って維持してそ
の強度低下を防止できるとともに、仕切板の重量に使用
前後の変化を来すことがない。
護されるので、運搬時に落としたり、設置時などに周囲
の物にぶつけたりしても、端部にクラックや割れが生じ
ることを可及的に防止でき、取り扱い性が容易になる。
一例について添付図面を参照して詳細に説明する。図1
は、本発明に係る繊維強化樹脂製仕切板を、液体を取り
扱う設備としての水槽に適用して設置する場合の概略構
成を示すもので、(a)は平面図、(b)は仕切板設置
部位での縦断面図である。
れた矩形箱体状をなし、コンクリートにより内法寸法が
縦1800mm,横1200mm,高さ1000mmに
形成されている。また、この水槽20の対向する短辺側
の内側壁には、当該水槽20内を2分する位置に、それ
ぞれ上下方向に延びる一対の仕切溝22が幅30mm,
深さ20mmで凹設形成されている。そして、本発明の
繊維強化樹脂製仕切板30はその左右の両端部が上記仕
切溝22に挿通されて係合装着されるようになってい
て、横幅約1820mm,高さ240mm,厚み30m
mに形成され、高さ寸法に比して横寸法が十分に大きい
横長に形成されている。ここで、図示例では上記仕切板
30は4枚が上下方向に積み重ねられて仕切壁を形成し
ている。
部破断斜視図であり、同図に示すように、上記繊維強化
樹脂製仕切板30は、中空部32を形成するための中芯
10を複数内包した板状の本体部9と、その長手方向の
両側端部に設けられた端板16とで構成されている。ま
た、図3は上記本体部9を板厚方向の中央部で切断した
縦断面図、図4は本体部9の長手方向中央部で切断した
縦断面図である。
にはこれに内包されて上記中芯10が複数設けられてい
る。図示例では7本の中芯10が設けられており、それ
ぞれ互いに所定のピッチで並行に離間されつつ、本体部
9の長手方向(横幅方向)に指向されて上下に一列に配
列されている。各中芯10は補強繊維を含まないABS
等の熱可塑性樹脂(熱変形温度106℃)で矩形筒体状
に形成されており、その断面の内法寸法は幅30mm,
高さ23mmで、長さは1820mmとなっている。
2(=240mm×30mm)に対して、中空部32の
総断面積は4830mm2(=30mm×23mm×
7)となっており、中空部32の総断面積は仕切板9の
全断面積の67%になっている。
方向両端を除く外周囲が繊維強化樹脂層12で包まれて
一体化されている。ここで、上記繊維強化樹脂には不飽
和ポリエステル熱硬化性樹脂(熱硬化温度95℃)に強
化繊維としてガラス繊維12aを添装したものが使用さ
れている。また、本体部9の長手方向両端面を除く外周
面はガラス繊維12aを含まない熱可塑性樹脂(熱変形
温度106℃)でなる外皮層 が一体的に被覆されてい
て、前記中芯10は繊維強化樹脂層12の中空部32内
側面を被覆する内皮層11となっている。
るガラス繊維を含まない熱可塑性樹脂でなる内皮層
と、この中芯10の周囲を囲繞するガラス繊維12aを
含んだ熱硬化性樹脂でなる繊維強化樹脂層12、および
この繊維強化樹脂層12の外周を被覆するガラス繊維を
含まない熱可塑性樹脂でなる外皮層14との三層構造を
なしている。
体部9の連続製造装置を示しており、当該仕切板30の
本体部9は以下のようにして製造される。即ち、ABS
樹脂(宇部サイコン株式会社製Y672B:商品名)等
のPS系熱可塑性樹脂を押出機51より複数本同時に成
形して連続的に押出し、マンドレルを使用した内径サイ
ジングあるいは真空サイジングによる外径サイジング槽
52により、肉厚1.4mm、外形寸法26.9×2
5.4mmの中空で断面が四角形の管材(目付け135
g/m)を成形して中芯10とし、これを7本添設した
状態で引取機53により図中右方向へ引き取る。
ラスロービング:日東紡績株式会社製のRS−440R
R−526)12aを含浸槽55に通過させて不飽和ポ
リエステル熱硬化性樹脂を含浸させ、分散ガイド、複数
の絞りノズル(ダイス)56を順に通過させて絞り成形
しつつ前記中芯10の外周の所定位置に添設する。
ド及び絞りノズルの形態を示す正面図であり、7つの中
芯10を左右に添設するよう案内するほぼ四角形状のガ
イド70と、ガラス繊維12a束を中芯10の辺部に対
向して添設させつつこれを絞り込むための長方形状のノ
ズル71と、ガラス繊維12a束を中芯10の角部に対
向して添設させつつこれを絞り込むための円形状のノズ
ル72とを備える。同図では、7つの中芯10の間に位
置して補強リブ34を成形するためのノズルは左右二列
になっている。このとき、最終成形物の外周部に位置す
るガラス繊維12aのガラス繊維含有率(ガラスコンテ
ント;以下、GCと略す)を設定値の90〜95%、中
芯10の間に位置する補強リブ34のガラス繊維12a
のGCを設定値の95〜100%としておく。図6
(b)は、それぞれの中芯10の外周部にガラス繊維1
2a束を一体化するためのほぼ四角形状のノズル73を
示している。
ル74を示し、ノズル74は、ガラス繊維12a全体を
最終絞り率(100%)となるまで絞り成形しながらこ
れらを一つのユニットに一体化する。このように、一体
化される前に補強リブ34の絞り率を高く設定しておく
ことにより、一体化される際における最終成型品の補強
リブ34の絞り不足によるGCの低下を防ぎ、最終的な
GCを全体的に均一化できる。
形と、中芯10との一体化時における絞り成形は、いず
れも連続的に行われるとともに、絞り込みも徐々に行わ
れる。これにより、7つの中芯10の間隔を急激に変化
させることがないので、抵抗が小さくかつ変形も小さ
く、連続成形が可能となる。また、中空状中芯10は、
当該中芯10の引取方向(中心軸方向)に対して、当該
中芯10の中央線の描く形状である放物線(二次曲線)
を描くように左右に添設される。これにより、引取抵抗
を減らして変形を防止することができる。
機57によりABS樹脂を円形状に押出し、滑りサイジ
ングプレート(ダイ)58を用いて冷却し、形状を整え
る。その後、熱湯硬化槽59等を通過させることにより
未硬化樹脂を硬化して中間の繊維強化樹脂層12を形成
する。なお、不飽和ポリエステル樹脂は、BPO系等の
過酸化物硬化剤を用いて硬化することが好ましい。
1によって引き取られる繊維強化樹脂製仕切板30の本
体部9はカッター62により所定長に切断される。な
お、本実施形態では1820mm程に切断される。
に設けられる端板16の一例を示し、(a)は表面、
(b)は側面、(c)は裏面、(d)は同図(a)中に
示すd−d線矢視断面である。この端板16は、前記本
体部9の切断された側端面と略同一の断面形状をなす板
状部材1と、この板状部材1の裏面に突設された爪部材
3とで形成されている。上記板状部材1には、本体部9
に取り付けた状態で上記中空部32に臨む位置に開口7
が設けられている。
おり、本体部9に端板16を取り付けたときに、本体部
9の7個の中空部32に挿入されて、それぞれの中空部
32を形成する中芯10の板厚方向に対向する両内側面
10aに押圧係合する7対の第1爪部3aと、並列方向
両端に位置する2つの中空部32に挿入されて、その各
中芯10の配列方向外側に位置する内側面10bに押圧
係合する一対の第2爪部3bとからなる。そして、これ
らの互いに対をなす第1爪部3a及び第2爪部3b同士
は、相互に先端に向かって間隔が広がるように形成され
ている。
との係合面には、先端に向けて鋭角的に矢尻状に切り欠
き形成された面取り部3c,3eが設けられている。ま
た、これらの第1,第2爪部3a,3bには、上記先端
の面取り部3c以外に同じ傾斜をなす斜面部3dが等間
隔で2つずつ設けられ、これらにより端板16が抜ける
ことを防止している。
り部3cでは、その両者の先端縁部間の寸法は20mm
とされてこれらが係合する中芯10の板厚方向に対向す
る両内側面 間の内寸法23mmよりも狭く形成され、
また上記両第1爪部3aの面取り部3cの後端縁部外側
間の最大寸法は24mmとされて中芯10の上記両内側
面 間の内寸法23mmよりも広く形成されている。
入されて対をなす両第2爪部3bの両面取り部3eで
は、その先端縁部間の寸法は両端の中芯10における並
列方向外側に位置する内側面同士の間隔より3mm狭く
形成され、また上記両第2爪部3bの面取り部3eのな
す最大幅は、上記並列方向両端の中芯10の上記外側に
位置する内側面同士の間隔より1mm広く形成されてい
る。
mmとし、第2爪部3b自体の各々の幅は18mmとし
て、第1爪部3aと第2爪部3bとがそれぞれ係合する
中芯10の内側面10a,10bのそれぞれの幅寸法2
5mm,23mmよりも各々5mm短くしている。な
お、各第1爪部3aと第2爪部3bの長さは18mmと
なっている。従って、並列方向両端に位置する中空部3
2に対しては、第1爪部3aが一対で挿入されるととも
に、第2爪部3bの一方が挿入されることになり、よっ
て板状部材1に並列形成される両端の開口7には、これ
をコ字状に囲むように3辺に沿って爪部3が設けられる
が、第1爪部3aと第2爪部3bとの間には、スリット
3fが形成されて各々分離され撓みやすく形成されてい
る。
側と本体部9の中芯10の内側とに、それぞれトルエ
ン、MEK等の溶剤を含む接着剤(VP2000)を塗布し
て端板16を取り付けることにより、端板16をより強
固に本体部9に固定することができる。
の略中央には、互いに対向する仕切溝22が垂設されて
いる。この仕切溝22は、水槽20に上記仕切板30を
装着した状態で、仕切板30の長手方向の側端面と仕切
溝22の底部22aとの隙間が各10mm(両端で20
mm)になるように設けられている。
槽20の仕切溝22に沿わせて上方から挿通してはめ込
み、これら仕切板30端部と仕切溝22との隙間には、
仕切溝22の片面に当接させて厚さ5mmのステンレス
製のライナー板を1枚の仕切板30に対し両端部にそれ
ぞれ1枚ずつ差し込む。
の高さが水面の高さより高くなるように複数(本実施形
態では4枚)の仕切板30を積み重ねる。このとき、各
仕切板30相互間、及び各仕切板30と水槽20の底面
20bとの間には軟質ウレタン発泡体を両面テープで取
付け固定してシールし、水槽20内を2つエリアに分離
する。その後、一方のエリアから水を入れて使用する。
る場合には、その水面の高さに合わせて上記のように複
数の仕切板30を上下につなぎ合わせて仕切壁板を予め
形成しておき、その仕切壁板を水槽20等の仕切溝22
に沿わせて上方からはめ込み、両端にライナー板を差し
込んで使用する。
樹脂製仕切板30では、その内部に中空部32を設けた
ので、中実部材で形成した仕切板に比べ極めて軽く、仕
切板30の運搬や水槽20への着脱を容易に行うことが
できる。
と、その側端部に設けた端板16の開口7から仕切板3
0内部の中空部32に水が流入するので、中空部32に
起因した浮力が発生せず、仕切板30を浮き上がらせる
ことなく、水中に容易に沈めることができる。一方、仕
切板30を水中から引き上げる時には、中空部32内の
水が仕切板30側端部の開口7から流出して再び空にな
って軽くなるため、容易に引き上げることができる。
設けた開口7は、中空部32を形成する中芯10の端部
形状と同じにしたが、液体の流入出が可能であればどの
ような形状でも構わない。
端部が溝部22に係合装着される横長に形成し、その長
手方向に指向して連続する中空部32を2つ以上並設す
るので、中空部32と中空部32との各間には仕切面と
なる2つの平面を繋いで、仕切板30を補強する補強リ
ブ34が繊維強化樹脂によって形成されることになる。
即ち、仕切板30内に中空部32を設けても、補強リブ
34が仕切板30の長手方向に指向して形成されるた
め、仕切板30の巾・高さの比が1.5/1を越えた断
面長方形であっても、また肉厚を薄く形成しても、強度
並びに剛性を高く維持することができ、水の圧力に対し
て十分な強度を保って仕切板30の変形を防ぐことがで
きる。
側面と、内部に水が流入する中空部32の内側面とをそ
れぞれガラス繊維12aを含まない樹脂で形成して、繊
維強化樹脂層12の表面を覆う外皮層14及び内皮層1
1としたので、繊維強化樹脂層12内のガラス繊維12
aが水に触れることがなく、よってガラス繊維12aを
伝って繊維強化樹脂層12内に水が浸透することが可及
的に防止される。このため、仕切板30の重量が使用の
前後で変化して重量増を来すことがなく、仕切板30の
設置や運搬作業を極めて容易に行うことができるだけで
なく、初期の強度を長期に亘って維持できるようにな
る。さらに、仕切板30の外表面にはガラス繊維12a
が浮き出して毛羽立つこともなく、美観の優れた高強度
の仕切板30が得られる。しかも、仕切板30内部に形
成する中空部32と同じ長手方向に沿わせて長いガラス
繊維12aを配置するので、特に堰き止め板等に使用し
た場合に、水圧により曲げ及び撓み変形し易くなる長手
方向を補強して、十分な強度と剛性を得ることができ
る。
層14とを形成する熱可塑性樹脂の熱変形温度より、繊
維強化樹脂層12を形成する熱硬化樹脂の熱硬化温度を
低く設定したので、未硬化状態の繊維強化樹脂層12を
加熱して硬化させるにあたって、その加熱温度を熱可塑
性樹脂の熱変形温度より低い温度にすることで、その外
部および内部に設けられた内皮層11と外皮層14とに
加熱による軟化変形を生じさせることなく繊維強化樹脂
層12を熱硬化させることができる。即ち、繊維強化樹
脂層12が未硬化状態にある仕切板30を、その外皮層
14と内皮層11とで所望の形状に維持しつつ熱硬化さ
せることができ、中空部32に潰れ等を生じさせずに確
実に形成することができる。
ラス繊維12aを含まない樹脂でなる端板16を備えた
ので、当該端部にも繊維強化樹脂層12が露出すること
はなく、繊維強化樹脂層12内のガラス繊維12aに水
が浸透することを確実に防止でき、このため、仕切板の
水の浸透による強度低下と重量の変化とを極めて小さく
抑えることができる。
16で保護することより、運搬時に落としたり、取り付
け時などに周囲の物にぶつけたりしても、端部に補強繊
維の配向方向に沿ったクラックや割れが生じることを可
及的に防止できるようになり、より簡易に取り扱えると
共に耐久性の可及的な向上が図れる。
2aへの水の浸透によるに強度低下対する被覆の保護効
果については以下の実験によってその効果を確認した。
用した外径6mmのABS樹脂被覆GFRPロッド(以
下被覆ロッドとする。)を作成した。この被覆ロッドの
被覆樹脂の厚さは0.75mm,FRP直径は4.5m
mとし、この被覆ロッドを60cmにカットして、両端
部をエポキシ樹脂で封止した後、60℃の蒸留水中に3
0日浸漬した。一方、上記被覆ロッドのABS樹脂被覆
を剥ぎ取ったものを同様に60℃の蒸留水中に30日浸
漬した。そして、浸漬後の引張強度を測定した所、初期
の強度に対して被覆の無いものは70%の強度に低下し
たが、ABS被覆したものは85%の強度を維持してい
た。
面積は仕切板9の全断面積の67%になっているが、こ
の割合は少なくとも50%以上、望ましくは60%以上
とするのが良い。即ち、中空部32が50%以下である
と、軽量化が十分に図れないばかりか、材料コストが嵩
み不経済である。
係る繊維強化樹脂製仕切板によれば次のような優れた効
果を発揮する。
板の内部に中空部を設けたので、中実部材で形成した仕
切板に比べ極めて軽く、仕切板の運搬や水槽や水路等の
設備への着脱を容易に行うことができる。また、仕切板
を水槽や水路等に設置すると、その側端部に設けた開口
から仕切板内部の中空部に液体が流入するので、中空部
に起因した浮力が発生せず、仕切板を浮き上がらせるこ
となく容易に液体中に沈めることができる一方、仕切板
を液体から引き上げる時には中空部の液体が仕切板側端
部の開口から流出して、中空部が再び空になるため、容
易に引き上げることができる。さらに、上記仕切板の形
状をその両側端部が溝部に係合装着される横長に形成
し、その長手方向に指向して連続する中空部を2つ以上
並設するので、中空部と中空部との間には、仕切板を補
強する補強リブが繊維強化樹脂によって形成される。即
ち、仕切板内に中空部を設けても、仕切板の平面に対し
て垂直な補強リブが仕切板の長手方向に指向して形成さ
れるため、仕切板の巾・高さの比が1.5/1を越えた
断面長方形であっても、また肉厚を薄くしても、強度並
びに剛性を確保でき、液体圧力等による仕切板の変形を
防ぐことができる。
板では、液体と接してそれらを仕切る外側面と、内部に
液体が流入する中空部の内側面とを補強繊維を含まない
樹脂で形成して、繊維強化樹脂層の表面を覆う外皮層及
び内皮層としたので、繊維強化樹脂層内に補強繊維を伝
って液体が浸透しにくくなり、よって液体の浸透による
重量の増加や初期強度の低下を可及的に防止でき、もっ
て仕切板の移設やその際の運搬作業を極めて容易に行う
ことができるようになるとともに、耐久性の向上が図れ
る。また、外表面に補強用繊維が浮き出して毛羽立つこ
ともなく美観の優れた高強度の仕切板が得られる。
板では、仕切板内部に形成する中空部と同じ長手方向に
沿って長繊維を配置するので、曲げ変形し易くなる長手
方向を補強して十分な強度及び剛性を得ることができ
る。
板では、繊維強化樹脂層が未硬化状態にある仕切板を、
その外皮層と内皮層とを形成している熱可塑性樹脂の熱
変形温度より低い温度で加熱して、当該繊維強化樹脂層
の熱硬化性樹脂を硬化させるので、内皮層と外皮層とが
軟化して変形することがなく、中空部を確実に形成する
ことができると共に、内皮層と外皮層とで予め形成した
所望の形状を保って容易に仕切板を熱硬化形成すること
ができる。
板では、補強繊維を含まない樹脂でなる端板で両端部を
覆ったので、両端部においても繊維強化樹脂層が露出せ
ず、補強繊維に液体が浸透することがなく、初期の高い
強度を長期に亘って維持できる共に、使用前後の仕切板
重量の変化を極めて小さくすることができる。さらに、
繊維強化樹脂層の端部を端板で保護することより、運搬
時に落としたり、取り付け時などに周囲の物とぶつけた
りしても、端部にクラックや割れが生じることを可及的
に防止でき、取り扱い性を簡易にして耐久性の向上が図
れる。
槽を示すもので、(a)は平面図、(b)は仕切板設置
部位の縦断面図である。
視図である。
部の長手方向中央部での縦断面図である。
部の板厚方向の中央部での縦断面図である。
を製造する連続製造装置の概略構成図である。
ルの形態を示す正面図である。
られた端板を示すものであり、(a)は端板の正面図、
(b)は端板の側面図、(c)は裏面図、(d)は同図
(a)中に示すd−d線矢視断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 水槽や水路等の液体を取り扱う設備の対
向する内側壁に上下方向に延びて設けられた一対の溝部
に両側端部が係合装着される横長の樹脂製仕切板におい
て、 該樹脂には補強繊維を含んだ繊維強化樹脂を用いると共
に、該仕切板の内部に長手方向に連続して延びる中空部
を上下に少なくとも2つ以上並設し、該仕切板の長手方
向の少なくとも一方の側端部に該各中空部に連通して外
部の液体を流入出させる開口を形成したことを特徴とす
る繊維強化樹脂製仕切板。 - 【請求項2】 前記繊維強化樹脂製仕切板は、その長手
方向に沿った外側面と前記中空部の内側面とに、これら
を被覆する外皮層と内皮層とを有し、該外皮層と内皮層
とは補強繊維を含まない樹脂で形成されていることを特
徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂製仕切板。 - 【請求項3】 前記補強繊維が仕切板の長手方向に沿っ
て配置された長繊維であることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の繊維強化樹脂製仕切板。 - 【請求項4】 前記繊維強化樹脂製仕切板は、前記内皮
層と前記外皮層とを熱可塑性樹脂で形成し、前記繊維強
化樹脂層を前記熱可塑性樹脂の熱変形温度より低い温度
で硬化する熱硬化性樹脂で形成することを特徴とする請
求項2または3に記載の繊維強化樹脂製仕切板。 - 【請求項5】 前記繊維強化樹脂製仕切板は、その長手
方向の両端部を覆う端板を備え、該端板は補強繊維を含
まない樹脂で形成されているとともに、前記各中空部と
連通する開口を有していることを特徴とする請求項1〜
4に記載の繊維強化樹脂製仕切板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11088867A JP2000282442A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 繊維強化樹脂製仕切板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11088867A JP2000282442A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 繊維強化樹脂製仕切板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000282442A true JP2000282442A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=13954971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11088867A Pending JP2000282442A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 繊維強化樹脂製仕切板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000282442A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008096714A1 (ja) * | 2007-02-05 | 2010-05-20 | 株式会社ニコン | 樹脂封止発光素子、平面状光源及びそれらの製造方法、並びに液晶表示装置 |
JP2017071975A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | タキロン株式会社 | 止水装置 |
JP2017197998A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | 東レ株式会社 | 止水パネル及びその製造方法とそれを用いた止水装置 |
JP2019015033A (ja) * | 2017-07-04 | 2019-01-31 | 東レ株式会社 | 止水パネル及び止水パネルを用いた止水装置 |
JP2019206913A (ja) * | 2019-09-02 | 2019-12-05 | タキロンシーアイ株式会社 | 止水装置 |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP11088867A patent/JP2000282442A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008096714A1 (ja) * | 2007-02-05 | 2010-05-20 | 株式会社ニコン | 樹脂封止発光素子、平面状光源及びそれらの製造方法、並びに液晶表示装置 |
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