JP2000275859A - 光硬化性組成物 - Google Patents

光硬化性組成物

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JP2000275859A
JP2000275859A JP8605299A JP8605299A JP2000275859A JP 2000275859 A JP2000275859 A JP 2000275859A JP 8605299 A JP8605299 A JP 8605299A JP 8605299 A JP8605299 A JP 8605299A JP 2000275859 A JP2000275859 A JP 2000275859A
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light
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coating film
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JP8605299A
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Taku Teranishi
卓 寺西
Tsutomu Seta
努 瀬田
Masami Kawabata
政巳 川畑
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素による塗膜表面の硬化阻害を防止できか
つ塗膜内部の硬化性に優れた光硬化性組成物、および前
記光硬化性組成物の塗膜を含む光学部品の提供。 【解決手段】 (a)エチレン性不飽和二重結合を有す
る付加重合可能な化合物、(b)Si原子に直結したア
ルコキシ基を少なくとも2つ以上有するシロキサン化合
物またはビニル系樹脂、(c)光ラジカル発生剤および
(d)光酸発生剤を含有する光硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、得られる塗膜に高
い表面硬化性および優れた光学特性を付与し得る光硬化
性組成物およびそれを用いた光干渉膜、光高透過膜また
はホログラム等の光学物品に関する。
【0002】
【従来の技術】可視光または近赤外光等の放射線露光に
より光反応を起して硬化する光硬化性組成物は、熱硬化
性組成物に比べて、硬化設備の省スペース化や省エネル
ギー化が図れることから経済性に優れている。また、前
記光硬化性組成物は、近年の環境保全および安全衛生の
基準にも適合し得ることから、その利用分野が拡大して
きており、例えば、レーザー走査記録による製版材料と
して、あるいはプリント回路形成用、更にはホログラム
記録用の感光材料としての利用が期待されている。
【0003】光硬化性組成物の例として、紫外線硬化型
塗料組成物は、従来、アクリル基含有モノマーまたは
オリゴマーと光ラジカル発生剤を含有する系、および
エポキシ基含有モノマーまたはオリゴマーと光酸発生剤
を含有する系が知られている。は、硬化速度が速く、
原料のコストが安価で選択の自由度が大きいことを特徴
とするが、その反面、フリーラジカルによるアクリル基
の付加重合を硬化手段として使用するため、雰囲気中の
酸素によって重合阻害が生じ、結果として、塗膜表面の
硬化性が低下するという欠点を有する。そのため、この
ような従来既知の光硬化性組成物を用いて薄膜を形成す
る場合には、窒素雰囲気下で重合・硬化させる必要があ
り、作業性に問題があった。また、は、紫外線照射に
より酸発生剤から発生された酸を用いて主剤であるエポ
キシ基含有化合物の開環重合を起して重合・硬化する
が、水分や塩基性物質により重合・硬化阻害が生じるこ
とや、原料コストが高いこと等の問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記のような従来既知の光硬化性組成物に関する問
題点を克服することであり、酸素による塗膜表面の硬化
阻害を回避すると同時に、塗膜内部の硬化性も高めた光
硬化性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)エチレ
ン性不飽和二重結合を有する付加重合可能な化合物、
(b)Si原子に直結したアルコキシ基を少なくとも2
つ以上有するシロキサン化合物またはビニル系樹脂、
(c)光ラジカル発生剤、および(d)光酸発生剤を含
有する光硬化性組成物を提供する。本発明において、前
記成分(b)中、Si原子に直結したアルコキシ基を少
なくとも2つ以上有するシロキサン化合物は、下式
(I):
【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一ま
たは異なっていてよく、R1、R2、R3、R4、R5およ
びR6より任意に選ばれる少なくとも2つが炭素数1〜
100のアルコキシ基であり、およびそれら以外が、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子およびケイ素原子を有する
または有しない炭素数1〜100の有機基であって、該
有機基中の一部または全部の水素原子がフッ素原子また
はフッ素原子および塩素原子で置換されていてもよく;
およびnは、0〜100までの整数を表す。)で表され
るものである。本発明の好ましい態様において、前記成
分(c)および(d)の少なくとも一方は、ジアリール
ヨードニウム塩である。本発明は、さらに(e)増感色
素および/または(f)紫外線吸収剤も含み得る。
【0006】本発明は、前記光硬化性組成物を用いて形
成される光学部品も提供する。光学部品には、反射防止
用コーティングおよび光高透過膜も包含する。また、本
発明は、透明基板上に前記光硬化性組成物を用いて形成
されたホログラム記録層を少なくとも1層含む体積型ホ
ログラムも提供する。
【0007】
【作用】本発明の光硬化性組成物は、以下の光反応によ
り硬化すると考えられる。本発明の光硬化性組成物に光
が照射されると、組成物中に含まれる光ラジカル発生剤
(c)からフリーラジカルが、または光酸発生剤(d)
から酸がそれぞれ発生する。前記成分(c)から発生し
たフリーラジカルは、エチレン性不飽和二重結合を有す
る付加重合可能な化合物(a)を付加重合する。あるい
は、前記成分(d)から発生した酸は、成分(b)中の
Si原子に直結したアルコキシ基が、加水分解を起し、
シラノール基(−Si−OH)を生成し、その後、この
シラノール基が脱水縮合して、ポリシロキサン構造(−
Si−O−Si−)が形成され硬化する。
【0008】本発明の光硬化性組成物を用いた塗膜にお
いて、酸素による塗膜硬化の阻害が生じず、表面および
内部が完全に硬化する。例えば、酸素による硬化阻害が
生じ得る塗膜表面では、前者の酸による−Si−O−C
−結合の加水分解を介する硬化が優先的に起こる。塗膜
内部では、フリーラジカルによるラジカル付加重合によ
り、前記成分(a)が付加重合して硬化される。すなわ
ち、本発明の光硬化性組成物を用いると、酸素存在雰囲
気下においても優れた表面硬化性を発現し、内部から表
面への未反応成分のブリードが発生することなく、良好
な光学特性を有する薄膜を形成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1態様である光硬化性組成物は、(a)エチ
レン性不飽和二重結合を有する付加重合可能な化合物、
(b)Si原子に直結したアルコキシ基を少なくとも2
つ以上有するシロキサン化合物またはビニル系樹脂、
(c)光ラジカル発生剤、(d)光酸発生剤、および必
要に応じて、(e)増感色素、および/または(f)紫
外線吸収剤を含有する。
【0010】本発明の光硬化性組成物に好適に使用され
るエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合可能な化
合物(a)は、光照射により前記成分(c)から発生す
るフリーラジカルの作用によって付加重合を開始し、硬
化する。そのような化合物(a)の例としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸等の不飽和カルボン酸:エチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピ
レングリコール、1,2-ブタンジオール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリ
トール等のポリヒドロキシ化合物と上記不飽和カルボン
酸とのエステル;トリメチロールプロパングリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、エピ
クロルヒドリンと2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プ
ロパンとの反応物、フタル酸のジグリシジルエステル等
のエポキシドと上記不飽和カルボン酸との付加反応物;
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'-メチ
レンビス(フェニルイソシアネート)等の多官能イソシア
ネート化合物と2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピル
アクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等
の水酸基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル
酸エステルと上記ポリヒドロキシ化合物とから合成され
るポリウレタンアクリレート類およびポリウレタンメタ
クリレート類;アクリルアミド、エチレンビスアクリル
アミド、エチレンビスメタクリルアミド、ヘキサメチレ
ンビスアクリルアミド、ヘキサメチレンビスメタクリル
アミド等のアクリルアミド類およびメタクリルアミド
類;ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン
ジメタノールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;
およびN-ビニルホルムアミド等のN-ビニル化合物が挙
げられる。本発明では、上記成分(a)として最も好ま
しくは、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エス
テル類を使用する。
【0011】本発明で使用される成分(b)の一つであ
る、Si原子に直結したアルコキシ基を少なくとも2つ
以上有するシロキサン化合物は、一般に、式(I):
【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一ま
たは異なっていてよく、R1、R2、R3、R4、R5およ
びR6より任意に選ばれる少なくとも2つが炭素数1〜
100のアルコキシ基であり、およびそれら以外が、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子およびケイ素原子を有する
または有しない炭素数1〜100の有機基であって、該
有機基中の一部または全部の水素原子がフッ素原子また
はフッ素原子および塩素原子で置換されていてもよく;
およびnは、0〜100までの整数を表す。)で表され
るものであり、本発明の光硬化性組成物中に含有される
後述の成分(d)から光照射により発生する酸の作用に
より、加水分解し、その後、脱水縮合する少なくとも2
つ以上の−Si−O−C−結合を有するシロキサン化合
物であれば特に限定されない。
【0012】上記式中、R1、R2、R3、R4、R5およ
びR6から任意に選ばれる少なくとも2つは、Si原子
と関連してSi−O−C結合を有する炭素数1〜100
のアルコキシ基であり、そのような基としては、メトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、tert−ブトキシ等のような炭素数1〜100
までの直鎖または分岐アルコキシ基;および/または前
記アルコキシ基とメトキシメタノール、メトキシエタノ
ール、エトキシメタノール、エトキシエタノール、イソ
プロポキシエタノール、ブトキシメタノール、ブトキシ
エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、N−ジメチルア
ミノエタノール、ベンジルアルコール、フェノール、2
−クロロエタノール、3−クロロプロパノール、トリメ
トキシシリルエタノール、2,3−ペンタフルオロプロ
パノール等の炭素数1〜100の各種アルコールとのア
ルコール交換反応によって合成される各種のアルコキシ
基等が挙げられる。
【0013】また、上記式中の上記式中、R1、R2、R
3、R4、R5およびR6のうち、前記Si−O−C結合を
有するもの以外の基は、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、tert-ブチル、ヘキシル、シ
クロヘキシル、オクタデシル、ビニル、アリル、スチリ
ル、ベンジル等のような、炭素数1〜100までの直
鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基または
アラルキル基;グリシドキシエチル、グリシドキシプロ
ピル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等のよ
うな炭素数1〜30までのエポキシアルキル基;フェニ
ル、トルイル、ナフチル等のような炭素数6〜100ま
でのアリール基;アセチル、ベンゾイル等のような炭素
数2〜30までのアシル基;アミノエチル、N,N−ジ
メチルアミノエチル、N,N−ジエチルアミノプロピル
等のような炭素数2〜100までのアミノアルキル基;
メルカプトメチル、メルカプトエチル等のような炭素数
1〜100までのメルカプトアルキル基;炭素数1〜1
00までのハロアルキル基(ただし、含有されるハロゲ
ンは、フッ素または塩素であって、具体的にはトリフル
オロプロピル、ペンタフルオロプロピル、2−クロロエ
チル、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシ
プロピル等が挙げられる。);またはトリメチルシリ
ル、ジメチルアリルシリル、メチルアリルフェニル、ジ
アリルメチルシリル、トリアリルシリル、ジフェニルメ
チルシリル、トリフェニル等のような炭素数1〜100
までのモノ−、ジ−またはトリ−アルキルシリル基、モ
ノ−、ジ−またはトリ−アルケニルシリル基または炭素
数1〜100までのモノ−、ジ−またはトリ−アリール
シリル基から成る群より選ばれてよい。
【0014】上式(I)中、0〜100までの整数であ
り得る。nが100を超えると、得られる塗膜表面の硬
化性が低するため、好ましくない。
【0015】本発明において、前記成分(b)として好
ましく使用される前記シロキサン化合物の例としては、
nが0の場合、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン等のテトラアルコキシシラン化合物;メチルトリ
メトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロ
ピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリ
ルオキシトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルト
リメトキシシラン等のトリアルコキシシラン化合物;ジ
メトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、
ジエトキシジエチルシラン、ジメキシメチルクロロシラ
ン、ジエトキシジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジ
メチルジプロポキシシラン、ジエトキシメチルシラン、
ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシ
ラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラ
ン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジビニ
ルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペラジノプロピル
シラン、ジブトキシジメチルシラン等のジアルコキシシ
ラン化合物等が挙げられる。中でも、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエト
キシシランまたはジメチルジエトキシシランが好まし
い。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。あるいは、nが1以上100以下の場合、
前記成分(b)として好適なシロキサン化合物の例とし
ては、ドデカメトキシシロキサン、ドデカエトキシシロ
キサン、ジ−(γ−グリシドキシプロピル)デカメトキシ
シロキサン、テトラ−(γ−グリシドキシプロピル)ビス
(トリメトキシシリルエチル)ドデカメチルシロキサン、
ビス(トリメトキシシリルエチル)ヘキサメチルテトラメ
トキシシロキサン、ジ(トリフルオロアセチル)ヘキサ
(ペンタフルオロプロピル)テトラメトキシシロキサン等
が挙げられる。
【0016】本発明で使用される成分(b)のうち、上
式(I)中、nが1以上100以下のシロキサン化合物
は、鎖状構造を有していても、あるいはネットワーク状
構造を有していてもよく、いずれの構造を有するかは、
分子中のSi原子の結合状態によって区別される。ネッ
トワーク状構造を有するシロキサン化合物は、隣接する
シロキシ基(すなわち−O−Si)の酸素原子と結合し
ている数(結合数)が3または4であるSi原子を含む
ものであり、あるいは鎖状のシロキサン化合物は、Si
原子の、隣接するSi原子との結合数は2である。通常
Si原子の原子価は4であるので、前記シロキサン化合
物中に存在するSi原子の中で結合数が3以下のもの
は、Si原子以外に、アルコキシ基、炭化水素基または
水素原子と結合している。このような炭化水素基として
は、炭素数1〜10のハロゲンで置換されていてもよい
脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
が好ましい。脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、トリフルオロプロピル基およびノナフル
オロヘキシル基等の鎖状のもの、およびシクロヘキシル
基、メチルシクロヘキシル基のような脂環式のもの等が
挙げられる。また、芳香族炭化水素基の具体例として
は、フェニル基、p-トリル基、ビフェニル基およびアン
トラシル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭
素数1〜8のものが挙げられる。具体例としては、メト
キシ基、エトキシ基、フェノキシ基、オクチルオキシ
基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。前記成分(b)
として使用される鎖状ポリシランの場合、Si原子以外
に結合している基としては、合成容易性の観点から、メ
チル基およびフェニル基が特に好ましい。
【0017】本発明において前記成分(b)として好適
に使用される市販のシロキサン化合物の例としては、三
菱化学社製MS−51(ポリメトキシポリシロキサン)
等が挙げられる。
【0018】あるいは、前記成分(b)として使用され
るSi原子に直結したアルコキシ基を少なくとも2つ以
上有するビニル系樹脂は、Si原子に直結したアルコキ
シ基を有するモノマーと、そのモノマーと共重合可能な
モノマーとを共重合することにより調製できる。Si原
子に直結したアルコキシ基を有するモノマーの具体例と
しては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ア
リルトリメトキシシラン、デセニルトリメトキシシラ
ン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピ
ルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0019】また、上記モノマーと共重合可能なモノマ
ーとしては、通常のラジカル重合に使用されるモノマー
であってよく、例えば、不飽和芳香族化合物(例えば、
スチレン)、不飽和酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸)、不飽和酸のアルキルエステル(例えば、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、エチルヘキシルア
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート)、不飽和
アミド(例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルア
ミド)等が挙げられる。本発明では、前記成分(b)と
してのビニル系樹脂を調製するために、これら1種また
は2種以上を使用してよい。
【0020】成分(b)として好適なビニル系樹脂は、
上記2種のモノマーを、重合開始剤[例えば、アゾビス
イソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル
バレロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合
物、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
等の無機過酸化物、t-ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化
物]をモノマー全量に対して0.1〜10重量%用い、溶
剤(例えば、イソプロパノール、ブチルセロソルブ、メ
トキシプロパノール、エトキシプロパノール、メチルエ
チルケトン等)中において共重合することにより調製で
きる。共重条件の一つである重合温度は、特に、前者の
モノマー中のSi原子に直結したアルコキシ基が共重合
時に反応するのを抑制するために、レドックス系の開始
剤(上記の無機過酸化物や有機過酸化物に、例えば、酸
性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等
の還元剤を併用した開始剤)を用いて40〜60℃程度
の低温で共重合するのが好ましい。
【0021】本発明で好ましく使用される光ラジカル発
生剤(c)は、光照射により直接、あるいは光硬化性組
成物中に増感色素(e)が含まれる場合には、増感色素
(e)が吸収した可視光または近赤外光エネルギーをエ
ネルギーあるいは電子移動することによって、前記成分
(a)を重合反応に付するのに必要なフリーラジカルを
生成するものであれば特に限定されない。
【0022】本発明の光硬化性組成物に好適に含有され
る光ラジカル発生剤(c)の例としては、2,2'-ビス(O-
クロロフェニル)-4,4',5,5,'-テトラフェニル-1,1'-ビ
イミダゾールや2,2'-ビス(O-クロロフェニル)-4,4',5,
5,'-テトラキス(2,3-ジメトキシフェニル)-1,1'-ビイミ
ダゾール等のビスイミダゾール化合物;2,4,6-トリス
(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-
ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニ
ル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,
4-ビス(トリクロロメチル)-6-(p-メトキシフェニルビニ
ル)-1,3,5-トリアジンおよび2-(4'-メトキシ-1'-ナフチ
ル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等
の2,4,6-置換-1,3,5-トリアジン化合物;ジフェニルヨ
ードニウム、4,4'-ジクロロジフェニルヨードニウム、
4,4'-ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4'-ジ-t-
ブチルジフェニルヨードニウム、4-メチル-4'-イソプロ
ピルジフェニルヨードニウム、3,3'-ジニトロジフェニ
ルヨードニウム等と、クロリド、ブロミド、テトラフル
オロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフ
ルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ
フルオロメチルスルホネートとを組み合わせたジアリー
ルヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジア
リールジアゾニウム塩、トリアリールセレノニウム塩や
トリアリールホスホニウム塩等のオニウム塩化合物;チ
タノセンおよびフェロセン等の金属アレーン錯体;ベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、1-ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ
-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のベンゾイン
エーテル化合物;ベンジルアルキルケタール等のケター
ル化合物;2,2'-ジアルコキシアセトフェノン、2-ヒド
ロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリク
ロロアセトフェノン、p-t-ブチルシクロアセトフェノン
等のアセトフェノン化合物;ベンゾフェノン、4-クロロ
ベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、o-ベ
ンゾイル安息香酸メチル、3,3'-ジメチル-4-メトキシベ
ンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルスル
フィド、ジベンゾスベロン等のベンゾフェノン化合物;
チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-アルキル
チオキサントンおよび2,4-ジアルキルチオキサントン等
のチオキサントン化合物;アントラキノン化合物;3,
3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン等の過酸化物;N-フェニルグリシン、N-(p-ク
ロロフェニル)グリシン、N-ヒドロキシエチル-N-フェニ
ルグリシン、N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピ
ル)-N-フェニルグリシン等のN-アリールグリシン化合
物;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルアシルホ
スフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイ
ル)フェニルアシルホスフィンオキサイド等のアシルホ
スフィンオキサイド化合物が挙げられる。本発明におい
て、上記成分(c)は、任意に2種以上を組み合わせて
使用してよい。
【0023】本発明の組成物において、(d)光酸発生
剤は、光照射により、直接または必要に応じて添加され
る増感色素(e)の作用を介して、酸を発生する。本発
明において好適に使用される光酸発生剤の例としては、
S. Peter Pappasら著「UV Curing: Science and Techno
logy」;B. Klingertら著「Comments Inorg. Chem.」
(109〜138頁、No.3、Vol.7、1998年);およ
び角岡正弘ら著「新UV−EB硬化技術と応用展開―新
しい光触媒―」(第1刷(版)、ラドテック研究会発
行、69〜86頁、1997年)等の既知の刊行物に記載さ
れているものが包含されるが、これらに限定されるもの
ではない。あるいは、本発明の成分(d)としては、上
記成分(c)について記載した2,4,6-置換-1,3,5-トリ
アジン化合物、オニウム塩化合物または金属アレーン錯
体から選ばれるものも使用できる。本発明において、上
記成分(d)は、任意に2種以上を組み合わせて使用し
てもよい。
【0024】本発明の光硬化性組成物は、感度向上を目
的として、増感色素(e)を含有してもよい。ここで、
増感色素(e)とは、可視光または近赤外光エネルギー
を吸収し、そのエネルギーを前記成分(c)または
(d)へエネルギー移動または電子移動するものを意味
し、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ナフトキ
ノン色素、ジアリールおよびトリアリールメタン系色
素、シアニン色素、メロシアニン色素、フルオラン系色
素、スクワリリウム系色素、クロコニウム系色素、ピリ
リウム系色素、チオピリリウム系色素、フタロシアニン
誘導体、ナフタロシアニン誘導体、インジゴ系色素、ク
マリン色素、キナクリドン系色素、キノフタロン系色
素、ピロロピロール系色素、ベンゾジフラノン系色素、
アクリジン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色
素、キサンテン系色素、スチリル系色素、スピロピラン
系色素、スピロオキサジン系色素、フルオレセイン系色
素、有機ルテニウム錯体等が挙げられる。また、前記増
感色素としては、既知の刊行物:大河原信ら著「機能性
色素」(1992年、講談社サイエンティフィク)、松岡賢
著「色素の化学と応用」(1994年、大日本図書)および
大河原信ら著「色素ハンドブック」(1986年、講談社)
等に記載されている色素がいずれも使用できる。
【0025】本発明において、特に、光ラジカル発生剤
(c)もしくは光酸発生剤(d)としてオニウム塩を用
いる場合、J. P. Fouassierら著「Radiation Curing in
Polymer Science and Technology -Volume II Photoin
itiating Systems- Chapter8, Latest Developments in
the Chemistry of Onium Salts」(1993年、ELSEVIER A
PPLIED SCIENCE PUBLICATION LTD.)に記載されているベ
ンゾインエーテル系開始剤、α-ヒドロキシアセトフェ
ノン系開始剤、アシルホスフィンオキサイド系開始剤、
チタノセン系開始剤等を増感色素(e)として使用する
ことが有効であることがある。本発明の光硬化性組成物
は、増感色素(e)として、対応する波長の光を吸収す
るように、上記化合物から選ばれる1種または2種以上
を任意に組み合わせて含有し得る。
【0026】本発明において、前記光ラジカル発生剤
(c)、光酸発生剤(d)および増感色素(e)の配合
量は、形成しようとする塗膜の厚さに依存して変化して
よい。すなわち、前記成分(c)および(d)の配合量
が少ないと、感度が低くなり、あるいは成分(e)の配
合量が少ないと、感度の向上が達成されず、組成物が硬
化する時間を短縮することができない。逆に、前記成分
(c)および(d)の配合量、さらに、含まれる場合に
は成分(e)の配合量が多すぎると、光硬化性組成物と
しての貯蔵安定性が低下し、形成される塗膜の強度や耐
溶媒溶解性が低下する。
【0027】本発明の光硬化性組成物には、硬化膜の耐
候性を向上させるために、更に、従来既知の紫外線吸収
剤(f)(例えば、ベンゾフェノン系、紫外線吸収剤、
ベンゾトリアゾール系、蓚酸アニリド系、ジシアノアク
リレート系、トリアジン系等)を含有させることも可能
である。本発明の組成物中にこのような紫外線吸収剤
(f)を含有する場合、紫外線吸収剤の吸収波長域と異
なる波長の光で作用する増感色素(e)も含有させるこ
とが好ましい。
【0028】本発明の光硬化性組成物は、組成物全量を
100として、エチレン性不飽和二重結合を有する付加
重合可能な化合物(a)1〜99重量%、好ましくは5
〜50重量%;Si原子に直結したアルコキシ基を少な
くとも2つ以上有するシロキサン化合物またはビニル系
樹脂(b)1〜99重量%、好ましくは5〜50重量
%;光ラジカル発生剤(c)0.1〜20重量%、好ま
しくは1〜10重量%;および光酸発生剤(d)0.1
〜20重量%、好ましくは1〜10重量%を含有し得
る。
【0029】また、本発明の光硬化性組成物には、必要
に応じて、増感色素(e)を、組成物全量を100とし
て0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%;お
よび/または紫外線吸収剤(f)を0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%の量で含有してよ
い。
【0030】さらに、本発明の光硬化性組成物は、必要
に応じて高分子結合剤、熱重合防止剤、可塑剤、着色剤
等を併用してよい。高分子結合剤は、相溶性、皮膜形成
性、現像性、接着性等、種々の改善目的を有するもので
あり、その目的に応じて適宜選択されてよい。
【0031】本発明において、前記組成物は、通常の方
法で調製されてよい。例えば、上述の必須成分[(a)
〜(d)]および任意成分[(e)および/または
(f)]をそのまま、もしくは必要に応じて溶媒(例え
ば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン
等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレン
グリコールジアセテート等のエステル系溶媒;トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶
媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲ
ン系溶媒)を配合し、冷暗所にて例えば高速撹拌機を使
用して混合することにより調製できる。
【0032】本発明の光硬化性組成物は、通常の手段
(例えば、バーコーター、アプリケーターあるいはスピ
ンナー)を用いて、基板上に塗布され、所望により乾燥
された後、放射線硬化されて、所望の塗膜を与える。こ
こで使用される基板は、本発明の光硬化性組成物から成
る塗膜の使用目的に応じて、ガラス板、プラスチックフ
ィルム、紙、セラミックまたは金属等の従来既知の基板
から選択され得る。
【0033】本発明の光硬化性組成物の塗膜は、組成や
その放射線露光による硬化条件を変えることにより、光
反射防止膜(いわゆるARフィルム)、光高透過膜また
はホログラム記録層として使用され得る。
【0034】本発明は、第2態様として、本発明の光硬
化性組成物から成る塗膜を含む、干渉発色または干渉無
反射する光干渉膜を提供する。
【0035】本発明の光硬化性組成物から成る塗膜を、
例えば、ガラス板またはフィルムのような光反射性を有
する基板上に放射線露光により硬化させて形成すると、
普通、塗膜表面付近では、主に、光酸発生剤(d)から
発生する酸の作用により、Si原子に直結したアルコキ
シ基を少なくとも2つ以上有するシロキサン化合物また
はビニル系樹脂(b)が、および塗膜内部では、主に、
光ラジカル発生剤(c)から発生するフリーラジカルの
作用によりエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合
可能な化合物(a)がそれぞれ重合することにより硬化
するため、塗膜が2層に分離したようになる。説明のた
めに、図1に断面模式図を示す。例えば、硬化した塗膜
2は、成分(b)の硬化層(上層21)と成分(a)の硬
化層(下層22)の実質上2層に相分離しており(図
1)、上層21および下層22の屈折率n1およびn2および
基板の屈折率n3は互いに相違する場合、この塗膜表面
から光線100を入射すると、光線100は、上層21の表面
()、上層21と下層22との界面()および基板1表
面()の3箇所においてそれぞれ反射し、互いに干渉
し得る。ここで、上記3箇所からの反射光101が互いに
干渉により等しい強度を有するためには、先ず、空気の
屈折率n0、上層21の屈折率n1、下層22の屈折率n2
よび基板1の屈折率n3が、下式(1)のような関係にな
ければならない。
【数1】n0=(n12・n3/(n22 (1)
【0036】さらに、塗膜2を介しての基板1からの反射
光101の合計強度は、塗膜表層21からの反射光()お
よび上層21と下層22との界面からの反射光()と基板
1からの反射光()との光路差がいずれも1/2波長
の整数倍であれば、塗膜2を介しての基板1からの反射光
強度が最小限に弱められ、あるいは前記反射光101の光
路差が互いに波長の整数倍であれば、各光の波面が重な
り合って最大となり得る。前記光の干渉は、硬化した塗
膜2の光学的厚さ(D)と入射光100の波長(λ)との比
に依存する。ここで、塗膜の光学的厚さDは、塗膜の物
理的厚さdおよび塗膜の屈折率nを用いて表されること
から、式(2):
【数2】D=d・n=λ/4 (2) で定義されるように塗膜の厚さdおよび屈折率nをそれ
ぞれ設定すれば、塗膜を介しての基板1からの反射光強
度は最小限となり得る。
【0037】すなわち、前記式(1)および(2)に従
って、成分(b)が主に硬化した上層21と成分(a)が
主に硬化した下層22の厚さd1およびd2をそれぞれ調節
することにより、相分離している本発明の組成物の硬化
塗膜を反射防止膜として機能させ得る。このような塗膜
は、前記基板から剥離し、単体で、光高透過性フィルム
としても使用され得る。さらに、上記塗膜は、光反射防
止用コーティングとしても機能し得る。
【0038】逆に、式(II)において、光学的厚さDが
波長の整数倍となると、反射光の強度は、重なり合う干
渉によって強められることから、塗膜は、干渉発色膜と
して機能し得る。
【0039】すなわち、上層が前記成分(b)の縮合物
を含有しおよびその下層が前記成分(a)の重合体を含
有し、上層表面からの、前記2層の屈折率の相違によっ
て形成される界面からのおよび前記基板からの各反射光
が互いに干渉する、屈折率の異なる上層および下層の2
層から成る積層膜として前記塗膜を基板上に供給するこ
とで、干渉発色または干渉無反射する光干渉膜としても
機能し得る。
【0040】本発明は、第3態様として、本発明の光硬
化性組成物を光照射により硬化させて基板上に形成され
る塗膜が相分離していない場合、すなわち、図2に示す
ように、前記塗膜2がグラデーションを成しており、塗
膜2内に明確な境界が存在しない場合には、基板1から離
れた部位には主に前記成分(b)の縮合物がおよび基板
1と隣接する部位には主に前記成分(a)の重合体が局
在し、それによって基板1から離れた部位から基板1と隣
接する部位に向かって屈折率が徐々に変化し、かつ基板
1の屈折率と基板1と隣接する部位の屈折率とをほぼ等し
くすることによって、基板1と隣接する部位と基板1とか
ら形成される界面からの光反射(')を無くすことに
より、光高透過膜として使用することができる。
【0041】さらに、本発明の光硬化性組成物の塗膜
に、干渉によって、反射光強度が強め合う領域と弱め合
い領域の両者を混在させることにより、体積型ホログラ
ム記録層としての機能を提供できる。
【0042】例えば、図3に示すような一光束露光法に
より、反射型ホログラフィック露光を行なう場合、先
ず、光源11からの光13を、ミラー12および12'および対
物レンズ15等を介して塗膜2表面から入射させる。塗膜2
および基板1を通過した光は、その背後に配置した全反
射ミラー12''で全反射した反射光が、再度、基板1裏面
から入射する。この際、入射光と反射光との間で干渉が
生じ、光強度の弱い部分(暗部)と強められた部分(明
部)から成る干渉縞を有する光が形成される(図4
(A))。ここで、光ラジカル発生剤(c)として、上
記光の干渉縞の波長域で感光するものを使用し、光酸発
生剤(d)として前記波長域で感光しないものを使用す
ると、明部では、光ラジカル発生剤から発生したフリー
ラジカルの作用により、成分(a)のみが硬化する。次
に、硬化した成分(a)の硬化収縮により、明部中の未
反応成分(b)が排出される。このとき、暗部と明部の
間で前記成分(a)の濃度勾配が生じ、成分(a)が拡
散移動によって暗部から明部に移動する。移動した成分
(a)は、上述と同様に重合され、これを繰り返すこと
によって、明部に硬化した成分(a)濃度の高い層が形
成される。暗部では、光強度が弱いため、フリーラジカ
ルまたは酸が発生できず、そのため、残存する少量の成
分(a)および残存する成分(b)はいずれも重合する
に至らない。
【0043】露光後、キセノンランプ、高圧水銀灯、低
圧水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等
の、光酸発生剤(d)の感光する波長域の光を発生する
光源により全面露光するか、あるいは体積型ホログラム
記録層を熱源または赤外線発生装置等の使用により加熱
処理に付すことにより、未硬化の暗部において、光酸発
生剤(d)から発生した酸の作用により成分(b)が重
合するとともに、残存する光ラジカル発生剤(c)から
発生したフリーラジカルの作用により、残存している少
量の成分(a)も硬化する。こうして、塗膜内では、主
に成分(a)から成る領域:α(屈折率=nx)および
主に成分(b)から成る領域:β(屈折率=ny)の間
で屈折率変調が生じて、ホログラムが記録される(図4
(B))。
【0044】本発明の光硬化性組成物の塗膜の膜厚は、
通常、0.05〜100μmの範囲であってよく、前記
用途(反射防止膜、高透過性フィルムまたはホログラム
記録層としての使用)に依存して変化してよい。例え
ば、光反射防止膜として使用する場合は、0.05〜2.
00μmの範囲;光高透過膜として使用する場合は、
0.05〜100μmの範囲;またはホログラム記録層
として使用する場合は、1〜100μmの範囲であって
よい。
【0045】前記塗膜上には、その表面保護のために、
公知の技術に従って、例えば、剥離可能な透明カバーシ
ートや、酸素透過性の小さいロウ状物質、水溶性または
アルカリ可溶性ポリマー等から選ばれる被覆層を設けて
もよい。このような被覆層は、前記塗膜を硬化させた後
または乾燥させた後に形成されてよいが、前記塗膜の光
学的特徴および作用を阻害しないことが要求される。前
記被覆層の厚さは、1〜100μmの範囲であることが
好ましい。
【0046】本発明の光硬化性組成物を硬化するために
使用する光源は、前記組成物が感光し得る波長、すなわ
ち、紫外線から赤外線までの波長の光を発光するもので
あれば特に限定されず、例えば、アルゴンレーザー、ヘ
リウム-カドミウムレーザー、ヘリウム-ネオンレーザー
およびクリプトンレーザー等のエキシマレーザーや半導
体レーザー等のレーザー類、または超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、タングステンラ
ンプ等の可視光域または紫外線領域の波長を発生する汎
用の光源が挙げられる。
【0047】本発明の光硬化性組成物は、放射線硬化型
塗料、光学フィルムあるいはホログラム記録材料等の用
途に好適に使用できる。
【0048】
【実施例】実施例1 表1に示す組成を表示した配合量で混合し、撹拌した
後、濾過することにより、光硬化性組成物を調製した。
この光硬化性組成物を、バーコーター#20を用いて隠
蔽率測定紙(JIS K 5400に準ずるもの;太佑
機械株式会社製)上に膜厚20μmで塗布して試験板を
作成した。
【0049】
【表1】
【0050】表中、 1):リポキシVR−77;昭和高分子株式会社製、ビ
スフェノールA型エポキシアクリレート、エポキシ当量
180; 2):A−TMM−3L;新中村化学株式会社製、テト
ラメチロールメタントリアクリレート; 3):N-ビニルホルムアミド; 4):MEGAFAC F−177;大日本インキ化学
工業株式会社製、フッ素系非イオン型界面活性剤; 5):MS−51;三菱化学株式会社製、、ポリメトキ
シポリシロキサン(数平均分子量557); 6):RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074;ローヌ・プー
ラン株式会社製、トルイルクミルヨードニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート; 7):イルガキュアー819;チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ株式会社製、、ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド;および 8):TINUBIN350;チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ株式会社製紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロ
キシ−3',5'−ジ−(tert−ブチル))−ベンゾトリアゾ
ール を表し、また、各成分は以下の意味を表す。 成分(a):エチレン性不飽和二重結合を有する付加重
合可能な化合物、 成分(b):Si原子に直結したアルコキシ基を少なく
とも2つ以上有するシロキサン化合物またはビニル系樹
脂、 成分(c):光ラジカル発生剤、 成分(d):光酸発生剤、 成分(e):増感色素、および 成分(f):紫外線吸収剤。
【0051】評価試験 酸素存在雰囲気下において、前記試験板上10cmの距
離からUV光源:メタルハライドランプMB500N
(日本電池株式会社製、80W/cmタイプ)を用いて
3秒間光照射した。光照射後、前記組成物塗膜の表面硬
化性を、指触試験とキシレンラビング試験の2種類の方
法で試験した。I)指触試験 光照射後の試験板上の塗膜を、指で触れた結果を、以下
の評価基準に照らして評価した。結果を表2に示す。 評価基準; ○:塗膜表面は完全に硬化し、内部からの未反応モノマ
ーのブリードも生じなかった。 △:塗膜表面は完全に硬化しているが、指触により、内
部から未反応モノマーのブリードが発生する。 ×:塗膜表面が未硬化である。II)キシレンラビング試験 光照射後、試験板の塗膜表面上を、キシレンを含ませた
ネル製の布を用いてラビングし、試験紙表面が露出する
までのラビング回数を数えた。結果を表2に示す。
【0052】実施例2および3および比較例1〜3 表1に示す組成および配合量を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして各光硬化性組成物を調製し、それらを
用いて作製した試験板について指触試験とキシレンラビ
ング試験評価試験を行なった。ただし、実施例2および
3および比較例3では、光源としてハロゲンランプ(BE
AMAX社製、100V/200Wタイプ)を用い、酸素存
在雰囲気下において、試験板の塗膜表面から10cm上
から5分間光照射した。光源の光強度は、700nm光
において10mW/cm2であった。
【0053】
【表2】 *:塗膜にひび割れが発生していたため、試験を行なわ
なかった。 上記表2の結果より、本発明の光硬化性組成物である実
施例1〜3はいずれも、UVまたは700nm付近の可
視光の照射により良好な表面硬化性を与える塗膜を形成
し得ることが分かる。
【0054】実施例4 表3に示す組成および配合量を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして光硬化性組成物を調製した。前記光硬
化性組成物を、75μmのPETフィルム(ルミラーT
タイプ;東レ株式会社製)の片面上に、アプリケーター
を用いて1miLギャップで塗布した後、90℃におい
て5分間乾燥させることにより、試料フィルムを作製し
た。得られた試料フィルムの塗膜形成面に、酸素存在雰
囲気下において、高圧水銀灯(日本電池株式会社製)を
用いて露光量2J/cm2で光照射した。光照射後の試
料フィルムについての550nmにおける透過率を、分
光光度計MCPD−3000(大塚電子株式会社製)で
測定した。測定用光線は、前記試料フィルム上の塗膜面
に対し0度で入射させた。また、対照試料として、塗膜
を形成していないPETフィルムの透過率も同様にして
測定した。測定結果を表3に示す。
【0055】比較例4および5 表3に示す組成および配合量に従って光硬化性組成物を
調製したこと以外は、上記実施例4と同様にして、試料
フィルムを作製し、その透過率を測定した。結果を表3
に示す。
【0056】
【表3】 *:塗膜にひび割れが発生していたため、試験を行なわ
なかった。 上記表3中の符号 1):R712は、日本化薬株式会社
製、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン
を表す。また、表3中の符号 2):MS−51(三菱化
学株式会社製)、および成分(a)、(b)、(c)お
よび(d)はいずれも、前記実施例1で使用したものと
同様の意味を表す。
【0057】表3の結果より、本発明の光硬化性組成物
は良好な硬化塗膜を与え、更には、塗膜を形成していな
い対照試料に比べて高い透過率を提供することが分か
る。
【0058】実施例5
【表4】 組 成 配合量(重量部) 成分(a); R712(日本化薬株式会社製)1) 300成分(b); MS−51(三菱化学株式会社製)2) 500成分(c); 3,9-ジエチル-3'-カルボキシメチル-2,2'- 5 チア−カルボシアニン、ヨウ素塩 ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート 50高分子結合剤; メチルメタクリレート/エチルアクリレート共重合体 200 (共重合比=20/80)溶媒; n-ブタノール 1000 メチルイソブチルケトン 1000
【0059】上記表中、符号 1)R712(日本化薬株
式会社製)および2)MS−51(三菱化学株式会社製)
はいずれも、実施例1および4と同様の意味を表す。
【0060】上記組成を表示した配合量で混合し、撹拌
した後、濾過することにより、光硬化性組成物を調製し
た。光硬化性組成物をアプリケータを使用して16cm
×16cmのガラス基板に塗布し、90℃で5分間乾燥
させて塗膜を形成した。更にその上に、厚さ75μmの
PETフィルム(ルミラーTタイプ、東レ株式会社製)
をラミネートし、次いで3cm×4cmの寸法に切断し
て、試験板とした。
【0061】得られた試験板に、一光束露光法により、
反射型ホログラフィック露光を行なった。ここで、一光
束露光法による反射型ホログラフィック露光法の概略
を、図3を参照して説明する。先ず、光源としてアルゴ
ンイオンレーザー11(発光波長=514nm)を用い、
これからのレーザー光13を全反射ミラー12および12'を
介して対物レンズ15に集光する。集光した光を、レンズ
14を介して前記試験板10のPETフィルム3表面から露
光する。PETフィルム3、塗膜2およびガラス基板1を
通過した光は、その背後に配置した全反射ミラー12''に
より全反射し、再度、試験板10のガラス基板1側から入
射する。この際、PETフィルム3側から入射したレー
ザー光と、ガラス基板1側から再入射したレーザー光と
の干渉により干渉縞を有する光が形成される。この干渉
縞に対応して塗膜2を硬化することにより、所望のホロ
グラムが記録される。
【0062】本実施例におけるホログラフィック露光で
は、アルゴンイオンレーザーから発光するレーザー光の
強度を2.0mW/cm2に設定し、その光を試験板に3
0秒間露光した。照射後の試料板は、高圧水銀灯(日本
電池社製、FL−1001−2)を用いて露光量 8J
/cm2で後露光して完全に硬化することにより、ホロ
グラム記録を完了した。次に、大塚電子株式会社製分光
光度計MCPD−3000を用いて試験板の透過スペク
トルを測定し、それより回折効率を算出した。透過スペ
クトルの測定は、試験板のPETフィルムおよびホログ
ラム記録面に、その面の法線方向から測定光を照射して
行なった。その結果、前記試験板におけるホログラムの
回折効率は約80%であった。
【0063】本実施例において、塗膜は、ホログラム露
光時の干渉光の明部(すなわち、光強度の強い部分)に
相当する露光部位では主に、成分(c)として含有され
る光ラジカル発生剤から発生したフリーラジカルの作用
により、成分(a)がラジカル重合を生じ、また暗部
(光強度の弱い部分)に相当する露光部位では主に、成
分(c)として含有される光酸発生剤から発生した酸の
作用により、成分(b)の加水分解が生じてシラノール
基が発生し、その後、シラノール基の縮合により硬化し
得ると考えられる。その結果、塗膜の明・暗部相当部位
間では、硬化し得る主要成分の相違による屈折率差が生
じて、ホログラム記録が発現するものと考えられる。
【0064】
【発明の効果】本発明の光硬化性組成物は、酸素によっ
て表面硬化性が阻害されず、また、迅速な内部硬化性を
特徴とするため、光照射後に内部から表面への未反応成
分のブリードが発生しない。従って、本発明の光硬化性
組成物を用いることにより、酸素存在雰囲気下において
も薄膜形成が可能である。本発明の光硬化性組成物から
得られる塗膜は、優れた光学的性質を発現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 相分離して硬化した本発明の光硬化性組成物
の塗膜において、入射した光線が反射する様子を表す模
式的な断面図である。
【図2】 相分離していない本発明の光硬化性組成物の
硬化した塗膜において、入射した光線が反射する様子を
表す模式的な断面図である。
【図3】 一光束露光法による反射型ホログラフィック
露光法の模式的な断面図である。
【図4】 本発明の光硬化性組成物の塗膜をホログラム
露光するための干渉光の強度を表すグラフ、およびその
干渉光を用いて露光されたホログラム記録層の模式的な
断面図を表す。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2、2’…光硬化性組成物の塗膜、3
…PETフィルム、10…試験板、11…アルゴンイオ
ンレーザー、12、12'、12''…全反射ミラー、1
3…レーザー光、14…レンズ、15…対物レンズ、2
1、21’…塗膜上層、22、22’…塗膜下層、10
0…入射光、101…反射光、102…透過光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 503 G03F 7/027 4J038 7/027 G03H 1/02 G03H 1/02 C09D 183/04 // C09D 183/04 G02B 1/10 Z (72)発明者 川畑 政巳 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA13 AB14 AB20 AC01 AC08 AD01 BC12 BC14 BC31 BC43 BC45 BE00 BE07 CA00 CA41 CB13 CB14 CB15 CB16 CB33 CB41 CC02 CC17 DA13 2H048 GA05 GA33 2K008 DD13 FF17 2K009 AA05 CC22 CC24 CC42 4J002 BQ00W CD20X CF22X CF24X CK02X CP05W CP07W CP08W EA048 EA049 EB128 ED026 ED088 EE038 EE058 EE059 EF046 EF076 EH076 EK068 EN118 EP016 EQ018 EQ019 ES008 ET009 EU118 EU188 EV248 EV298 EV308 EW048 EW138 EW178 EX017 EX027 EX037 EX067 EX087 EY018 EZ008 FD020 FD050 FD090 FD099 GH00 GP00 HA05 4J038 DB031 DB032 DL051 DL052 DL111 DL112 DL121 DL122 FA011 FA012 FA061 FA062 FA081 FA082 FA091 FA092 FA151 FA152 FA161 FA162 FA281 FA282 KA03 KA06 KA08 NA19 PA17 PB08 PB11 PC03 PC08 PC10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレン性不飽和二重結合を有す
    る付加重合可能な化合物、(b)Si原子に直結したア
    ルコキシ基を少なくとも2つ以上有するシロキサン化合
    物またはビニル系樹脂、(c)光ラジカル発生剤および
    (d)光酸発生剤を含有する光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記成分(b)において、Si原子に直
    結したアルコキシ基を少なくとも2つ以上有するシロキ
    サン化合物が、式(I): 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一ま
    たは異なっていてよく、R1、R2、R3、R4、R5およ
    びR6より任意に選ばれる少なくとも2つが炭素数1〜
    100のアルコキシ基であり、およびそれら以外が、酸
    素原子、窒素原子、硫黄原子およびケイ素原子を有する
    または有しない炭素数1〜100の有機基であって、該
    有機基中の一部または全部の水素原子がフッ素原子また
    はフッ素原子および塩素原子で置換されていてもよく;
    およびnは、0〜100までの整数を表す。)で表され
    るものである、請求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記(c)光ラジカル発生剤および光酸
    発生剤(d)の少なくとも一方がジアリールヨードニウ
    ム塩である請求項1または2記載の光硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 さらに(e)増感色素および/または
    (f)紫外線吸収剤も含む請求項1〜3のいずれかに記
    載の光硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化
    性組成物を用いて形成される光学部品。
  6. 【請求項6】 光反射防止用コーティングである請求項
    5記載の光学部品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化
    性組成物を光照射により硬化させて基板上に形成され
    る、屈折率の異なる上層および下層の2層から成る積層
    膜としての光干渉膜において、該上層が前記成分(b)
    の縮合物を含有しおよび該下層が前記成分(a)の重合
    体を含有し、該上層表面からの、前記2層の屈折率の相
    違によって形成される界面からのおよび前記基板からの
    反射光が互いに干渉することにより、干渉発色または干
    渉無反射する光干渉膜である請求項5記載の光学部品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化
    性組成物を光照射により硬化させて基板上に形成される
    光高透過膜において、前記基板から離れた部位には主に
    前記成分(b)の縮合物がおよび前記基板と隣接する部
    位には主に前記成分(a)の重合体が局在し、それによ
    って前記基板から離れた部位から基板と隣接する部位に
    向かって屈折率が徐々に変化し、および基板の屈折率と
    基板と隣接する部位の屈折率とをほぼ等しくすることに
    より、該基板と隣接する部位と前記基板とから形成され
    る界面からの光反射を無くした光高透過膜である請求項
    5記載の光学部品。
  9. 【請求項9】 透明基板上に請求項1〜4のいずれかに
    記載の光硬化性組成物を用いて形成されたホログラム記
    録層を少なくとも1層含む体積型ホログラム。
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